JPH1185474A - 乱数発生装置およびそれを用いたノイズ発生装置 - Google Patents

乱数発生装置およびそれを用いたノイズ発生装置

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JPH1185474A
JPH1185474A JP9245679A JP24567997A JPH1185474A JP H1185474 A JPH1185474 A JP H1185474A JP 9245679 A JP9245679 A JP 9245679A JP 24567997 A JP24567997 A JP 24567997A JP H1185474 A JPH1185474 A JP H1185474A
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JP9245679A
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Yuuji Gendai
裕治 源代
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回路のハードウェアの量を増大させることな
く、極端な値が連続して生成されることを回避でき、良
好な分布特性を持つ正規乱数を発生できる乱数発生装置
およびそれを用いたノイズ発生装置を実現する。 【解決手段】 M系列発生器100により発生された乱
数列を並べ替え回路110により並べ替えて、乱数列M
S0〜MS5を発生し、EX系列発生器120aにより
発生された正と負の乱数ES1,ES2とともに排他論
理加算器130_1,130_2に入力し、それぞれの
乱数のビット毎の排他論理和を算出し、CSAツリー1
40と全加算器150からなる論理演算回路により加算
処理を行い、正規分布特性を有する乱数NDaを発生す
るので、極端な値が連続して生成されることを回避で
き、良好な分布特性を維持できる乱数発生装置を実現で
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乱数発生装置、例
えば、正規分布特性を有する乱数を発生する乱数発生装
置およびそれを用いたノイズ発生装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】正規分布特性を有する乱数を発生する方
法として、一様分布乱数発生手段により生成した一様乱
数列から複数の乱数を選出してそれらを加算する方法が
一般的に用いられている。例えば、M系列発生手段によ
り一様分布特性を持つ擬似乱数を発生し、これに基づき
加算法により正規分布乱数を発生することができる。
【0003】ところが、M系列発生手段から同時に複数
ビットを使用することにより生成された一様乱数列は、
完全にランダムな乱数ではなく、これに基づいて発生さ
れた正規分布乱数の系列間にある程度相関が存在すると
いう問題がある。これを解決するために、M系列発生手
段により一様乱数列を発生する他に、これを別に同じビ
ット幅を持つ他の一様乱数列をさらに発生し、これらの
乱数列をそれぞれビットごとの排他論理和(エクスクル
ーシブOR)を取ることにより、新たに正規分布特性を
持つ乱数列が得られる。この方法により生成された正規
分布乱数は、系列間の相関が大幅に低減されるので、当
該乱数列に基づき、良好な分布特性を有するノイズ信号
を発生することができる。
【0004】図7は、このような乱数発生装置およびそ
れを用いて正規分布特性を持つノイズを生成するノイズ
発生装置の一例を示している。図示のように、乱数発生
装置10は、M系列発生器100、並べ替え回路11
0、EX系列発生器120、排他論理加算器130、C
SAツリー140、全加算器150により構成されてい
る。乱数発生装置10により発生された正規分布特性を
有する乱数列NDがDA変換器20に入力され、これに
よりアナログ信号に変換され、正規分布特性を持つノイ
ズ信号NSが得られる。
【0005】M系列発生器100は、所定のビット幅を
持つM系列の乱数列を発生し、並べ替え回路110に出
力する。並べ替え回路110は、M系列の乱数列を受け
て、それらに対してビットの並べ替えを行ない、その結
果、複数の乱数MS0〜MS5を発生して、排他論理加
算器130に出力する。
【0006】また、EX系列発生器120は、もとのM
系列とは異なる系列ESを発生し、排他論理加算器13
0に出力する。排他論理加算器130は、EX系列発生
器120からの系列ESおよび並べ替え回路110から
の複数の乱数MS0〜MS5を用いて、ビット毎の排他
論理加算を行い、演算結果として乱数列MOUTを生成
し、CSAツリー140に出力する。
【0007】CSAツリー140は、3入力2出力の論
理回路であるキャリーセーブアダー(CSA)により構
成されている。CSAツリー140により、入力された
乱数列MOUTに対して高速なディジタル加算処理が行
なわれる。処理結果として、キャリーを示す複数のビッ
トを有するデータCと論理和を示す複数のビットを有す
るデータSがそれぞれ出力される。これらのデータが全
加算器150により加算され、その結果として正規分布
特性を持つ乱数データNDが発生される。
【0008】さらに、乱数データNDがDA変換器20
によりアナログ信号に変換され、変換結果としてノイズ
信号NSが出力される。このように構成された乱数発生
装置およびノイズ発生装置により、良好な正規分布特性
を持つ乱数列を発生でき、それに基づき正規分布ノイズ
を生成することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来の乱数発生装置10においては、M系列以外の別の乱
数列発生装置であるEX系列発生器120により発生さ
れた乱数列ES2においては、各ビットがともに“0”
から“1”に変化する状態遷移が存在するため、M系列
の乱数の状態に応じて、例えば、“1”のビット数が少
ないときに、排他論理加算器130により出力される乱
数データにおいて“1”のビット数が非常に少ないデー
タから殆どのビットが“1”のデータに変化することが
ある。
【0010】例えば、図8に示すような乱数データの系
列においては、乱数データにおいて“1”のビットが1
個の状態が続く。このため、出力データがこのような殆
どのビットが“0”から“1”に変化する変化点におい
て出力信号の振動が暫く繰り返すことになるという不利
益がある。
【0011】さらに、10-8の頻度で発生する乱数デー
タが5個続く確率が10-40 である。この程度の発生頻
度であると、擬似乱数の周期中に一度も発生しないこと
がある。ところが、図7に示す従来の乱数発生装置にお
いては、その発生率が高くなり、擬似乱数の1周期中に
何度も発生してしまうことがある。
【0012】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、回路のハードウェアの量を増大
させることなく、極端な値が連続して生成されることを
回避でき、良好な分布特性を持つ正規乱数を発生可能な
乱数発生装置およびそれを用いたノイズ発生装置を提供
することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、正規分布特性を有する乱数列を発生する
乱数発生装置であって、一様分布特性を有する一様乱数
を発生する一様乱数発生手段と、上記一様乱数とは異な
り、且つ0と1の両方の値の数が概略等しい系列を生成
する数列発生手段と、上記数列発生手段により得られた
数と上記一様乱数の各ビットの排他論理和を求める第1
の論理演算手段と、上記第1の論理演算手段の出力信号
に応じて、正規分布特性を有する正規乱数を発生する第
2の論理演算手段とを有する。
【0014】また、本発明では、好適には上記一様乱数
発生手段は、所定の周期を有するM系列乱数を発生する
M系列発生手段により構成されている。
【0015】また、本発明では、上記一様乱数発生手段
により発生された一様乱数列の複数のビットを並べ替え
て、所定のビットを有する他の一様乱数列を生成し上記
第1の論理演算手段に供給する並べ替え手段を有する。
【0016】また、本発明では、上記第1の論理演算手
段の排他的論理和の結果のビットを並べ替えて、所定の
ビットを有する他の一様乱数列を生成し、上記第2の論
理演算手段に供給する並べ替え手段を有する。
【0017】また、本発明では、好適には上記数列発生
手段は、各数間のハミング距離和を最大とするような系
列を発生し、且つ、上記数列発生手段により発生された
上記0と1の値を同数有する数は、各ビットの繰り返し
により、上記並べ替え手段により生成した乱数と同じビ
ット幅に拡張する。
【0018】また、本発明では、好適には上記第2の論
理演算手段は、3ビットの入力データに対して、当該入
力データの“1”のビット数に応じて、キャリーを示す
第1のビットと論理和を示す第2のビットを有する2ビ
ットのデータを出力するキャリーセーブアダーを複数個
有し、これらのキャリーセーブアダーからの複数の出力
信号を用いて加算処理を行なう全加算器を有する。
【0019】さらに、本発明は、 正規分布特性を有す
るノイズを発生するノイズ発生装置であって、一様分布
特性を有する一様乱数を発生する一様乱数発生手段と、
上記一様乱数とは異なり、且つ正負の両極を生成する数
列発生手段と、上記数列発生手段により得られた数の正
極と負極を同数もしくはほぼ同数上記一様乱数のビット
ごとの排他論理和を求める第1の論理演算手段と、上記
第1の論理演算手段の出力信号に応じて、正規分布特性
を有する正規乱数を発生する第2の論理演算手段と、上
記第2の論理演算手段の出力データをアナログ信号に変
換するディジタル/アナログ変換手段とを有する。
【0020】本発明によれば、一様乱数発生手段により
発生された一様乱数と数列発生手段により発生された数
の正および負の部分が、第1の論理演算手段により、そ
れぞれビットごとの排他論理和が算出され、これらの排
他論理和が複数のキャリーセーブアダーおよび全加算器
により構成された第2の論理演算手段により、加算処理
が行なわれ、正規分布特性を有する正規乱数列が発生さ
れる。このように、数列発生手段により、0と1の数が
同数の数列を生成できる。このため、一様乱数発生手段
により生成された乱数列、例えば、M系列の乱数に
“1”のビット数が極端に少ない状態においても、排他
論理和の出力の“0”と“1”のビット数がほぼ一致す
ることになり、極端な値を持つ乱数の発生が抑制され
る。
【0021】また、上記の乱数発生装置により発生され
た正規分布特性を持つ乱数列のデータがディジタル/ア
ナログ変換手段によりアナログ信号に変換することによ
り、良好な正規分布特性を有する正規ノイズを発生する
ことができる。
【0022】この結果、本発明の乱数発生装置およびそ
れを用いたノイズ発生装置によれば、ハードウェアの量
を増大させることなく、極端な値が連続して生成される
ことが回避され、発生される乱数列の分布特性の改善が
実現できる。
【0023】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係る乱数発生装置
の一実施形態を示す回路図である。図示のように、本実
施形態の乱数発生装置10aは、M系列発生器100、
並べ替え回路110、EX系列発生器120a、排他論
理加算器130_1,130_2、CSAツリー14
0、全加算器150により構成されている。乱数発生装
置10aにより発生された正規分布特性を有する乱数列
NDaがDA変換器20に入力され、これによりアナロ
グ信号に変換され、正規分布特性を持つノイズ信号NS
aが得られる。
【0024】M系列発生器100は、所定のビット幅を
持つM系列の乱数列を発生し、並べ替え回路110に出
力する。並べ替え回路110は、M系列の乱数列を受け
て、それらに対してビットの並べ替えを行ない、その結
果、複数の乱数MS0〜MS5を発生して、排他論理加
算器130_1と130_2にそれぞれ出力する。
【0025】EX系列発生器120aは、M系列とは異
なる乱数列ES1およびES2を発生し、排他論理加算
器130_1と130_2にそれぞれ出力する。なお、
乱数列ES1およびES2は、それぞれEX系列発生器
120aの正と負の両極から出力された乱数列である。
即ち、これらの乱数列は、ビット毎に論理が反転してい
る。さらに、EX系列発生器120aにより発生された
正および負の二つの乱数ES1およびES2は、一様分
布特性を有しており、且つ、それぞれのハミング距離和
(各クロック毎に“1”と“0”の変化数の1周期分の
合計値)が最大となるように設定されている。
【0026】排他論理加算器130_1と130_2
は、EX系列発生器120aからの乱数ES1,ES2
および並べ替え回路110からの複数の乱数MS0〜M
S5を半分ずつ用いて、ビット毎の排他論理加算を行
い、演算結果として乱数列MO1,MO2をそれぞれ生
成し、CSAツリー140に出力する。
【0027】CSAツリー140は、3入力2出力の論
理回路であるキャリーセーブアダー(CSA)により構
成されている。CSAツリー140により、入力された
乱数列MO1およびMO2に対して高速なディジタル加
算処理が行なわれる。処理結果として、キャリーを示す
複数のビットを有するデータCaと論理和を示す複数の
ビットを有するデータSaがそれぞれ出力される。これ
らのデータが全加算器150により加算され、その結果
として正規分布特性を持つ乱数データNDaが発生され
る。さらに、乱数データNDaがDA変換器20により
アナログ信号に変換され、変換結果としてノイズ信号N
Saが出力される。
【0028】このように構成された乱数発生装置および
ノイズ発生装置により、良好な正規分布特性を持つ乱数
列NDaを発生でき、それに基づき正規分布ノイズNS
aを生成することができる。特にEX系列発生器120
aにより、正と負の乱数ES1,ES2がそれぞれ生成
され、排他論理加算器130_1,130_2にそれぞ
れ供給されることにより、例えば、並べ替え回路110
の出力乱数データMS0〜MS5の中に、“1”のビッ
ト数が極端に少ない場合でも、排他論理和MO1,MO
2における“0”と“1”のビット数が概略一致するこ
とになり、これにより、乱数発生装置により極端の値を
持つ乱数列が連続して生成されることが回避され、発生
される乱数列NDaの分布特性が改善される。
【0029】図2は、M系列発生器100の一構成例を
示している。図示のように、M系列発生器100は、シ
フトレジスタSR1〜SR13および排他論理和ゲート
(エクスクルーシブORゲート)EGT1〜EGT6に
より構成されている。
【0030】シフトレジスタSR1〜SR13およびエ
クスクルーシブORゲートEGT1〜EGT6がループ
状に接続され、所定のシフトレジスタの出力の排他論理
和を他のシフトレジスタの入力信号としてそれに入力す
ることにより、ほぼ一様分布特性を有するM系列乱数列
を生成される。
【0031】本実施形態では、M系列発生器100によ
り、例えば、72ビットの乱数列が生成され、並べ替え
回路110に出力される。並べ替え回路110により並
べ替えを実現する方法としては、M系列発生器100を
構成するシフトレジスタと排他論理加算器130_1,
130_2との間に接続関係を設定することにより実現
でき、並べ替えをどのように設定しても、ハードウェア
上必要な素子数は変化しない。
【0032】72ビットのM系列乱数は、並べ替え回路
110により並べ替えられ、次段では12ビットずつ計
6つの一様乱数MS0〜MS5の組みとして扱われる。
これらの一様乱数MS0〜MS5がそれぞれ排他論理加
算器130_1,130_2に入力される。
【0033】図3は、EX系列発生器120aの一構成
例を示す回路図である。図示のように、本例のEX系列
発生器120aは、6ビットのマスタレジスタMLと5
ビットのスレーブレジスタSL、インバータINV0〜
INV4、ANDゲートAGT1〜AGT4、エクスク
ルーシブORゲートEOGT1〜EOGT10により構
成されている。マスタレジスタMLはクロック信号CL
Kに応じてシフト動作を行い、例えば、クロック信号C
LKの立ち上がりエッジで入力端子D0〜D5に入力さ
れているデータを取り込み、それぞれ出力端子Q0〜Q
5に出力する。一方、スレーブレジスタSLはクロック
信号CLKの立ち下がりエッジで入力端子D1〜D5に
入力されているデータを取り込み、それぞれ出力端子Q
1〜Q5に出力する。また、マスタレジスタMLおよび
スレーブレジスタSLはともにリセット信号RSTによ
りリセットされる。
【0034】EX系列発生器120aにより、マスタレ
ジスタMLの出力端子Q0〜Q5から6ビットの乱数m
l0〜ml5が得られる。そして、この6ビットの乱数
列を2回繰り返して得られた12ビットの乱数を、図1
に示す乱数ES1として、排他論理加算器130_1に
入力される。さらに、図示していないが、例えば、マス
タレジスタMLの反転出力端子/Q0〜/Q5から得た
6ビットの乱数列を2回繰り返すことにより、12ビッ
トの乱数が得られる。この12ビットの乱数が上述した
乱数ES1に比べて、各ビットがそれぞれ論理反転にな
っている。この乱数列を図1に示す乱数ES2として、
排他論理加算器130_2に入力される。
【0035】図4は、排他論理加算器130_1の一構
成例を示している。図示のように、排他論理加算器13
0_1は6個エクスクルーシブOR演算器131,13
2,…,136からなる。これらのエクスクルーシブO
R演算器はそれぞれ12ビットの入力データAと12ビ
ットの入力データBの各ビットのエクスクルーシブOR
を取り、12ビットのデータを出力する。排他論理加算
器130_1の各エクスクルーシブOR演算器にそれぞ
れ並べ替え回路により発生された12ビットずつ、計3
個の乱数列MS0,MS1,MS2と、EX系列発生器
120aにより発生された12ビットのEX系列ES1
が入力され、これらのエクスクルーシブOR演算器によ
り、それぞれ12ビットの乱数列MO10〜MO12、
合計36ビットの乱数列MO1が得られる。
【0036】排他論理加算器130_2は、上述した排
他論理加算器130_1と同じ構成を有しており、EX
系列発生器120aにより発生された12ビットのEX
系列ES2とべ替え回路により発生された12ビットず
つ、計3個の乱数列MS3,MS4,MS5とのビット
毎のエクスクルーシブOR演算が行なわれ、演算結果と
して、例えば、12ビットの乱数列MO20〜MO2
2、合計36ビットの乱数列MO2が得られる。
【0037】乱数列MO1,MO2はそれぞえCSAツ
リー140に入力される。CSAツリー140は、図5
(a)に示すキャリーセーブアダーCSAを基本素子と
して構成されたツリー状の論理演算回路である。図5
(b)は、キャリーセーブアダーCSAの真理値表を示
している。図示のように、キャリーセーブアダーCSA
は、3ビットの入力a2,a1,a0に応じて、2ビッ
トの出力c,sを出力する。また、出力c,sは、入力
a2,a1,a0にに基づき、次式に示す論理演算によ
り求められる。
【0038】
【数1】s=a2(+) a1(+) a0 c=(a1・a0)|(a2・a0)|(a2・a1)
【0039】なお、上記の式において、“(+) ”は排他
論理和、“・”は論理積、“|”は論理和をそれぞれ示
している。
【0040】CSAツリー140は、図5に示すキャリ
ーセーブアダーCSAを複数用いて構成されている。図
6は、CSAツリー140の一部分140_0の構成例
を示している。図示のように、CSAツリー140の部
分回路140_0は、7つのキャリーセーブアダーCS
A00,CSA01,CSA11,CSA12,CSA
10,CSA20およびCSA21により構成されてい
る。
【0041】部分回路140_0は4ビットのデータc
i0_3,ci0_2,ci0_1,ci0_0、3ビ
ットのデータci1_2,ci1_1,ci1_0、2
ビットのデータci2_1,ci2_0および1ビット
のデータci3、合計10ビットの入力データに対し
て、7つのキャリーセーブアダーCSA00,CSA0
1,CSA10,CSA11,CSA12,CSA20
およびCSA21を用いて加算処理を行い、2ビットの
キャリアデータc_0,c_1および3ビットの論理和
信号s_0,s_1,s_2を生成し、部分回路140
_0の演算結果として出力する。なお、CSAツリー1
40は本実施形態の中で最も論理段数を必要とする部分
であるが、フィードバックを含まないので、途中で適当
にラッチを配置することにより、回路のスループット、
即ち最高動作周波数を維持することができる。
【0042】CSAツリー140により得られた複数の
キャリーデータCaおよび複数の論理和データSaが全
加算器150に入力される。全加算器150により、こ
れらの入力データCa,Saに応じて加算処理が行なわ
れ、演算の結果、例えば、10ビットの乱数NDaが出
力される。この乱数NDaが、良好な正規分布を特性を
持つ正規乱数であり、且つ、EX系列発生器120aに
より、正と負の二つの乱数ES1,ES2がそれぞれ発
生され、排他論理加算器130_1,130_2によ
り、一様乱数列MS0〜MS5とのエクスクルーシブO
Rが算出されるので、乱数NDaにおいて極端な値が連
続発生されることが回避され、良好な正規分布特性が保
証される。
【0043】以下、図1を参照しながら、本実施形態の
乱数発生装置の動作について説明する。M系列発生器1
00により、例えば、72ビットのM系列が発生され、
並べ替え回路110により並べ替えが行なわれ、12ビ
ットを有する6個の乱数列MS0〜MS5が生成され、
それぞれ排他論理加算器130_1,130_2に入力
される。そして、EX系列発生器120aにより、12
ビットを有する正と負の二つの乱数列ES1,ES2が
発生され、それぞれ排他論理加算器130_1,130
_2に入力される。
【0044】排他論理加算器130_1,130_2に
より、12ビットの乱数列ES1と乱数列MS0〜MS
2および12ビットの乱数列ES2と乱数列MS3〜M
S5とのそれぞれのビット毎のエクスクルーシブORが
求められ、計72ビットの乱数列MO1,MO2が得ら
れる。M系列中の0/1数が片寄っている場合これらの
乱数列MO1,MO2の両者を合わせると0/1数がほ
ぼ均衡する。
【0045】排他論理加算器130_1,130_2に
より得られた乱数列MO1,MO2は、CSAツリー1
40および全加算器150により、加算処理が行なわ
れ、演算結果、正規分布特性を有する乱数NDaが生成
される。また、この乱数発生装置10aにより発生され
た正規乱数NDaがDA変換器20によりアナログ信号
に変換され、変換の結果として良好な正規分布特性を持
つノイズ信号NSaが発生される。
【0046】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、M系列発生器100により発生された乱数列を並べ
替え回路110により並べ替えて、第1の乱数である乱
数MS0〜MS5を発生し、第2の乱数発生手段である
EX系列発生器120aにより発生された正と負の二つ
の乱数ES1,ES2とともに、第1および第2の論理
演算手段である排他論理加算器130_1,130_2
に入力し、それぞれの乱数のビット毎の排他論理和を算
出し、CSAツリー140と全加算器150からなる第
3の論理演算手段により加算処理を行い、正規分布特性
を有する乱数NDaを発生するので、極端な値が連続し
て生成されることが回避され、良好な正規分布特性を実
現できる乱数発生装置を実現できる。
【0047】なお、並べ替え回路110を排他論理和回
路130の後段に設けることもできることは明らかであ
る。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の乱数発生
装置およびそれを用いたノイズ発生装置によれば、ハー
ドウェアの量を増大させることなく、極端な値が連続し
て生成されることが回避され、良好な正規分布特性を有
する乱数列およびそれに基づいたノイズ信号を発生でき
る利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る乱数発生装置およびそれを用いた
ノイズ発生装置の一実施形態を示す回路図である。
【図2】M系列発生器の一構成例を示す回路図である。
【図3】EX系列発生器の一構成例を示す回路図であ
る。
【図4】排他論理加算器の一構成例を示す回路図であ
る。
【図5】キャリーセーブアダーCSAの等価回路および
その真理値表を示す図である。
【図6】CSAツリーの一部分の構成を示す回路図であ
る。
【図7】従来の乱数発生装置およびそれを用いたノイズ
発生装置の一構成例を示す回路図である。
【図8】“1”ビットが極端に少ないM系列の乱数例を
示す図である。
【符号の説明】
10,10a…乱数発生装置、20…DA変換器、10
0…M系列発生器、110…並べ替え回路、120,1
20a…EX系列発生器、130,130_1,130
_2…排他論理加算器、140…CSAツリー、150
…全加算器。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】正規分布特性を有する乱数列を発生する乱
    数発生装置であって、 一様分布特性を有する一様乱数を発生する一様乱数発生
    手段と、 上記一様乱数とは異なり、且つ0と1の両方の値の数が
    概略等しい系列を生成する数列発生手段と、 上記数列発生手段により得られた数と上記一様乱数の各
    ビットの排他論理和を求める第1の論理演算手段と、 上記第1の論理演算手段の出力信号に応じて、正規分布
    特性を有する正規乱数を発生する第2の論理演算手段と
    を有する乱数発生装置。
  2. 【請求項2】上記一様乱数発生手段は、所定の周期を有
    するM系列乱数を発生するM系列発生手段により構成さ
    れている請求項1記載の乱数発生装置。
  3. 【請求項3】上記一様乱数発生手段により発生された一
    様乱数列の複数のビットを並べ替えて、所定のビットを
    有する他の一様乱数列を生成し上記第1の論理演算手段
    に供給する並べ替え手段を有する請求項1記載の乱数発
    生装置。
  4. 【請求項4】上記第1の論理演算手段の排他的論理和の
    結果のビットを並べ替えて、所定のビットを有する他の
    一様乱数列を生成し、上記第2の論理演算手段に供給す
    る並べ替え手段を有する請求項1記載の乱数発生装置。
  5. 【請求項5】上記数列発生手段は、各数間のハミング距
    離和を最大とするような系列を発生し、かつその正負両
    出力を、ともに上記第一の論理演算手段に供給する請求
    項1記載の乱数発生装置。
  6. 【請求項6】上記数列発生手段により発生された上記0
    と1の値を同数もしくはほぼ同数になるように繰り返す
    ことで、上記並べ替え手段により生成した乱数と同じビ
    ット幅に拡張する請求項3記載の乱数発生装置。
  7. 【請求項7】上記第2の論理演算手段は、3ビットの入
    力データに対して、当該入力データの“1”のビット数
    に応じて、キャリーを示す第1のビットと論理和を示す
    第2のビットを有する2ビットのデータを出力するキャ
    リーセーブアダーを有する請求項1記載の乱数発生装
    置。
  8. 【請求項8】上記第2の論理演算手段は、上記キャリー
    セーブアダーを複数個有し、これらのキャリーセーブア
    ダーからの複数の出力信号を用いて加算処理を行なう全
    加算器を有する請求項7記載の乱数発生装置。
  9. 【請求項9】正規分布特性を有するノイズを発生するノ
    イズ発生装置であって、 一様分布特性を有する一様乱数を発生する一様乱数発生
    手段と、 上記一様乱数とは異なり、且つ正負の両極を生成する数
    列発生手段と、 上記数列発生手段により得られた数の正極と負極を同数
    もしくはほぼ同数上記一様乱数のビットごとの排他論理
    和を求める第1の論理演算手段と、 上記第1の論理演算手段の出力信号に応じて、正規分布
    特性を有する正規乱数を発生する第2の論理演算手段
    と、 上記第2の論理演算手段の出力データをアナログ信号に
    変換するディジタル/アナログ変換手段とを有するノイ
    ズ発生装置。
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