JPH118528A - エネルギー閉じ込め型厚み縦圧電共振子 - Google Patents
エネルギー閉じ込め型厚み縦圧電共振子Info
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- JPH118528A JPH118528A JP15982197A JP15982197A JPH118528A JP H118528 A JPH118528 A JP H118528A JP 15982197 A JP15982197 A JP 15982197A JP 15982197 A JP15982197 A JP 15982197A JP H118528 A JPH118528 A JP H118528A
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Abstract
圧電共振子であって、小型化を進めることができ、所望
でない不要スプリアスの発生を効果的に抑圧し得る、厚
み縦圧電共振子を提供する。 【解決手段】 ストリップ型の矩形板状の圧電体2と、
圧電体2の両面に形成されており、圧電体2を介して表
裏対向された第1,第2の励振電極3,4とを備え、第
1,第2の励振電極3,4の重なり合っている部分の長
さ方向に沿う寸法をl、圧電体2の厚みをtとし、d=
t/3としたときに、l/dが6以下とされている、厚
み縦圧電共振子1。
Description
振子等に用いられる圧電共振子に関し、より詳細には、
厚み縦振動モードの3倍波を利用した厚み縦圧電共振子
に関する。
タなどの種々の圧電共振部品に用いられており、この種
の圧電共振子としては、使用周波数に応じて種々の圧電
振動モードを利用したものが知られている。
たエネルギー閉じ込め型圧電共振子の一例を、図12及
び図13を参照して説明する。図12に示すように、こ
の圧電共振子は矩形の圧電セラミック板51の上面中央
に、円形の励振電極52を形成し、下面中央に励振電極
52と表裏対向するように円形の励振電極53を形成し
た構造を有する。励振電極52,53は、それぞれ、引
き出し電極54,55により圧電セラミック板51の端
縁に引き出されている。圧電セラミック板51は、図1
3に矢印Pで示すように、厚み方向に一様に分極処理さ
れている。
交流電圧を印加することにより、圧電共振子を共振させ
ることができ、この場合、振動エネルギーは、励振電極
52,53が重なり合っている領域、すなわち共振部A
に閉じ込められる。
た上記圧電共振子は、エネルギー閉じ込め型圧電共振子
として構成されており、従って、共振部Aの周囲に振動
を減衰させるための大きな面積の振動減衰部を必要とし
ていた。すなわち、共振部の面積に比べて大きな振動減
衰部を必要としていたので、小型化を進めることが困難
であった。
は、共振部の周囲に余分な圧電基板部分をあまり必要と
しない、ストリップ型の圧電セラミックスを用いたエネ
ルギー閉じ込め型圧電共振子が開示されている。
電基板71の上面に励振電極72aが、下面に励振電極
72bが形成されている。励振電極72a,72bは、
それぞれ、圧電基板71の一対の長辺に至るように、す
なわち全幅に至るように形成されており、かつ圧電基板
71の長さ方向中央において表裏対向されて共振部を構
成している。また、これらの励振電極72a,72b
は、それぞれ、圧電基板71の長さ方向端部71a,7
1bに至るように延ばされている。
励振した場合、圧電基板71の幅Wと厚みTの寸法関係
に起因する不要振動が発生する。そこで、特開平2−2
35422号公報では、基本波を利用する場合には、共
振周波数16MHzにおいてW/T=5.33付近とす
ればよいこと、3倍波を利用する場合には、共振周波数
約16MHzにおいてW/T=2.87付近とすれば、
共振周波数−反共振周波数間における不要スプリアスを
低減し得るとされている。
振動モードの3倍波を利用した図12及び図13に示し
たエネルギー閉じ込め型圧電共振子では、共振部の周囲
に大きな振動減衰部を構成する必要があるため、小型化
が困難であるという問題があった。
示されているエネルギー閉じ込め型圧電共振子では、共
振部の側方に振動減衰部を必要としないため、小型化を
果たし得るものの、実際に厚み縦振動モードの高調波を
利用しようとした場合には、共振周波数−反共振周波数
間のスプリアス以外に、様々な不要スプリアスが現れ、
有効な共振特性を得られないという問題があった。
ドの3倍波を利用した厚み縦圧電共振子であって、小型
化を進めることができ、かつ所望でない不要スプリアス
の発生を効果的に抑制し得る良好な共振特性を有する厚
み縦圧電共振子を提供することにある。
は、共振部の両側に振動減衰部を有し、厚み縦振動モー
ドの3倍波を利用したエネルギー閉じ込め型厚み縦圧電
共振子であって、矩形板状の圧電体と、前記圧電体の両
面に形成されて圧電体を介して対向されており、両側の
振動減衰部を結ぶ方向を第1の方向としたときに、第1
の方向と直交する方向において、圧電体の端部または端
部近傍まで至るように形成された第1,第2の励振電極
とを備え、前記圧電体の厚みをtとし、d=t/3と
し、かつ前記第1,第2の励振電極の重なり合っている
部分の第1の方向に沿う長さをlとしたときに、l/d
≦6とされていることを特徴とする。
記l/dは3〜6の範囲とされる。また、より好ましく
は、l/dは4.5〜5.5の範囲とされ、それによっ
て比帯域幅の一層の拡大が図られる。
込め型厚み縦圧電共振子においては、好ましくは、請求
項3に記載のように、前記圧電体が細長いストリップ型
の圧電体により構成される。
閉じ込め型厚み縦圧電共振子においては、好ましくは、
請求項4に記載のように、前記第1または第2の励振電
極が形成されている面に、圧電共振子の振動を妨げない
ための空間を隔てて貼り合わされたコンデンサをさらに
備える。
非限定的な実施例につき説明する。 (第1の実施例)図1は、本発明の第1の実施例に係る
厚み縦圧電共振子を示す斜視図であり、図2はその断面
図である。
状の圧電体2を用いて構成されている。圧電体2は、チ
タン酸鉛系セラミックスのような圧電セラミックスで構
成されている。
厚み方向に一様に分極処理されている。他方、圧電体2
の上面には、第1の励振電極3が形成されており、下面
には第2の励振電極4が形成されている。励振電極3
は、圧電体2の一方端面2a側から圧電体2の上面にお
いて他方端面2b側に向かって、但し端面2bには至ら
ないように延ばされている。励振電極4は、圧電体2の
下面において、端面2b側から端面2a側に向かって、
但し端面2aには至らないように延ばされている。
いて、励振電極3と励振電極4とが圧電体2を介して表
裏対向されている。なお、励振電極3は、圧電体2の端
面2aから下面に至る端子電極5に接続されている。
3,4間に交流電圧を印加することにより、厚み縦振動
モードの3倍波が強く励振され、該3倍波を利用した圧
電共振子として動作させることができる。
極3,4が圧電体2の長さ方向中央部分において圧電体
層を介して重なり合うように形成されている。従って、
第1,第2の励振電極3,4が重なり合っている部分に
おいて、エネルギー閉じ込め型の共振部が構成され、こ
の共振部が振動した場合のエネルギーは、共振部と端面
2a,2bとの間の圧電体部分で減衰される。
えると、圧電体2の長さ方向(第1の方向)のみに振動
減衰部が両側に設けられており、第1,第2の励振電極
は、長さ方向と直交する方向において、圧電板の端部、
すなわち長手方向に延びる端縁に至るように形成されて
いる。
は、共振部においてのみ、圧電体2の全幅に至るように
形成されておればよく、共振部外では、同じ幅に形成さ
れている必要は必ずしもない。例えば、励振電極3を例
にとると、共振部においてのみ、励振電極3は圧電体2
の全幅に至るように形成されておればよく、励振電極3
の共振部より端面2a側の部分は、単に励振電極を端子
電極5に電気的に接続する部分であるため、細い幅で形
成されていてもよい。
圧電体2の厚みをtとし、d=t/3とし、かつ第1,
第2の励振電極3,4の重なり合っている部分の圧電体
2の長さ方向(第1の方向)に沿う長さをlとしたとき
に、l/d≦6とされていることにある。本実施例の厚
み縦圧電共振子1では、比l/dが6以下とされている
ので、従来のストリップ型厚み縦圧電共振子と異なり、
不要スプリアスを効果的に抑制することができる。これ
を、図3〜図8を参照して説明する。
のストリップ型圧電共振子70では、共振周波数−反共
振周波数間の周波数領域に大きなスプリアスの発生する
ことが認められた。圧電共振子70のインピーダンス周
波数特性を図6に示す。図6から明らかなように、3倍
波の共振周波数Frと反共振周波数Faとの間の周波数
領域に矢印S1 で示す大きなスプリアスが現れている。
討した結果、上記スプリアスS1 が、インハーモニック
・オーバートーンに起因する共振であることが確かめら
れた。図4及び図5は、それぞれ、厚み縦振動の3倍波
TE3及びインハーモニック・オーバートーン(S1 モ
ード)で振動している場合の有限要素法で解析された変
位分布を示す図である。なお、図4及び図5は、図3に
示すように、ストリップ型厚み縦圧電共振子1の縦断面
の半分、すなわち長さ方向に沿って厚み縦圧電共振子を
厚み方向に切断した面の半分の変位状態を模式的に示す
図である。
ク・オーバートーンでは、厚み縦圧電共振子の共振部に
おいて、圧電体が厚み方向に大きく変位していることが
わかる。従って、このようなインハーモニック・オーバ
ートーンが大きく発生すると、図4に示す厚み縦振動モ
ードの3倍波の振動に大きく影響することがわかる。
ック・オーバートーンS1 に起因するスプリアスを抑制
すべく種々実験したところ、前述した通り、第1,第2
の励振電極の圧電体2の長さ方向に沿う重なり寸法を
l、圧電体2の厚みをt、d=t/3としたとき、比l
/dを6以下とすれば、インハーモニック・オーバート
ーンの応答を小さくすることができ、厚み縦振動モード
の3倍波TE3のみを大きく励振させ得ることを見出し
た。
電共振子1のインピーダンス−周波数特性を示す。な
お、図6に示した特性は、l/d=8の場合の圧電共振
子70についてのものである。
0の場合には、共振点Frと反共振点Faとの間の通過
帯域近傍に大きなスプリアス振動が発生しておらず、従
って上記インハーモニック・オーバートーンによるスプ
リアスを効果的に抑制し得ることがわかる。
mm、幅W=0.5mm、厚みt=0.3mmのチタン
酸鉛系圧電セラミックスからなるものを用い、第1,第
2の励振電極の長さ方向に沿う重なり寸法lを種々変化
させ、比l/dによる共振特性の変化を調べた。結果を
図8及び図9に示す。
定数F・dの変化を示す図である。ここで、周波数定数
F・dとは、共振点Frもしくは反共振点Faの周波数
と、上記dとの積で表される値である。
Frを、●は3倍波の反共振点Faを、△はインハーモ
ニック・オーバートーンの共振点Frを、○はインハー
モニック・オーバートーンの反共振点Faの位置を示
す。
えると、インハーモニック・オーバートーンS1 の共振
点Fr及び反共振点Faが厚み縦振動の3倍波TE3の
反共振点Fa近傍に現れ、かつ比l/dが約8の場合に
は、厚み縦振動の3倍波TE3の共振点Frと反共振点
Faとの間の帯域内に発生することがわかる。これに対
して、l/dが6以下の場合には、インハーモニック・
オーバートーンが現れないことがわかる。
モニック・オーバートーンの発生を抑圧し得るものの、
比l/dが小さくなる程、厚み縦振動モードの3倍波T
E3における通過帯域、すなわち共振点Frと反共振点
Faとの間の帯域幅が狭くなることがわかる。
域幅を有限要素法により確かめたところ、図9に示す結
果が得られた。なお、比帯域幅とは、共振周波数Fr、
反共振周波数Faとしたときに、(Fa−Fr)×10
0/Fa(%)で得られる値である。
させると比帯域幅が変化し、l/dが3〜6の範囲で
は、比帯域幅が7%以上と大きくなり、特に、4.5〜
5.5の範囲で、比帯域幅が約8%以上と大きくなるこ
とがわかる。
より好ましくは4.5〜5.5とすれば、インハーモニ
ック・オーバートーンによるスプリアスを抑圧し得るだ
けでなく、比帯域幅が大きな、良好な共振特性を有する
エネルギー閉じ込め型厚み縦圧電共振子1とし得ること
がわかる。
の実施例に係る厚み縦圧電共振子を説明するための斜視
図であり、図11はその等価回路を示す図である。図1
0に示す圧電共振子11は、第1の実施例に係る厚み縦
圧電共振子1にコンデンサ12を結合した構造を有す
る。すなわち、厚み縦圧電共振子1の下面に、導電性接
着剤13,14を介してコンデンサ12が接合されてい
る。
上面において、所定のギャップを隔てて容量電極12
b,12cが形成されている。また、誘電体基板12a
の下面には、容量電極12b,12cと誘電体基板12
aを介して表裏対向するように共通電極12dが形成さ
れている。
12bと端子電極5とを接合しており、導電性接着剤1
4は、容量電極12cと励振電極4とを共振部外の部分
で接合している。
ように、共振子に2個のコンデンサユニットを組み合わ
せた容量内蔵型圧電発振子として用いることができるも
のである。
の3倍波を利用した圧電共振子であって、インハーモニ
ック・オーバートーンや他の要因に基づくスプリアスを
効果的に抑制することが可能とされているので、良好な
周波数特性を有する圧電発振子を提供することが可能と
なる。
状の圧電体と、圧電体の両面に形成された第1,第2の
励振電極とを備える厚み縦圧電共振子において、比l/
dが6以下とされているため、インハーモニック・オー
バートーンに起因する不要スプリアスを効果的に抑制す
ることができる。よって、共振特性の良好な、厚み縦振
動の3倍波を利用したエネルギー閉じ込め型の厚み縦圧
電共振子を提供することができる。
が3〜6の範囲とされているので、インハーモニック・
オーバートーンによるスプリアスを抑制し得るだけでな
く、比帯域幅が広い、より共振特性の良好なエネルギー
閉じ込め型厚み縦圧電共振子を実現することができる。
して、細長いストリップ型の圧電体を用いた場合には、
厚み縦圧電共振子の小型化を進めることができる。請求
項4に記載の発明によれば、請求項1〜3の何れかに記
載の厚み縦圧電共振子に、さらに共振子の振動を妨げな
いための空間を隔ててコンデンサが貼り合わされている
ので、不要スプリアスが少ない共振特性の良好な圧電共
振子を用いて、容量内蔵型の圧電発振子を提供すること
が可能となる。
を示す斜視図。
図。
分に相当する部分の圧電共振子の断面図。
る圧電体の有限要素法による解析された変位分布を示す
図。
振動している圧電体の有限要素法による解析された変位
分布を示す図。
して現れているインハーモニック・オーバートーンを説
明するためのインピーダンス−周波数特性を示す図。
のインピーダンス−周波数特性を示す図。
ハーニック・オーバートーンS 1 の周波数定数との関係
を示す図。
って、コンデンサ内蔵型圧電共振子を示す斜視図。
図。
圧電共振子の一例を説明するための分解斜視図。
ための斜視図。
Claims (4)
- 【請求項1】 共振部の両側に振動減衰部を有し、厚み
縦振動モードの3倍波を利用したエネルギー閉じ込め型
厚み縦圧電共振子であって、 矩形板状の圧電体と、 前記圧電体の両面に形成されて圧電体を介して対向され
ており、両側の振動減衰部を結ぶ方向を第1の方向とし
たときに、第1の方向と直交する方向において、圧電体
の端部または端部近傍まで至るように形成された第1,
第2の励振電極とを備え、 前記圧電体の厚みをtとし、d=t/3とし、かつ前記
第1,第2の励振電極の重なり合っている部分の第1の
方向に沿う長さをlとしたときに、l/d≦6とされて
いることを特徴とする、エネルギー閉じ込め型厚み縦圧
電共振子。 - 【請求項2】 前記比l/dが3〜6の範囲とされてい
る、請求項1に記載のエネルギー閉じ込め型厚み縦圧電
共振子。 - 【請求項3】 前記圧電体が細長いストリップ型の圧電
体により構成されている、請求項1または2に記載のエ
ネルギー閉じ込め型厚み縦圧電共振子。 - 【請求項4】 前記第1または第2の励振電極が形成さ
れている面に、圧電共振子の振動を妨げないための空間
を隔てて貼り合わされたコンデンサをさらに備えること
を特徴とする、請求項1〜3の何れかに記載のエネルギ
ー閉じ込め型厚み縦圧電共振子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15982197A JP3322170B2 (ja) | 1997-06-17 | 1997-06-17 | エネルギー閉じ込め型厚み縦圧電共振子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15982197A JP3322170B2 (ja) | 1997-06-17 | 1997-06-17 | エネルギー閉じ込め型厚み縦圧電共振子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH118528A true JPH118528A (ja) | 1999-01-12 |
JP3322170B2 JP3322170B2 (ja) | 2002-09-09 |
Family
ID=15701995
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15982197A Expired - Lifetime JP3322170B2 (ja) | 1997-06-17 | 1997-06-17 | エネルギー閉じ込め型厚み縦圧電共振子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3322170B2 (ja) |
-
1997
- 1997-06-17 JP JP15982197A patent/JP3322170B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JP3322170B2 (ja) | 2002-09-09 |
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