JPH1184312A - 映写機、投写装置、体感装置及び透過スクリーンの製造方法 - Google Patents

映写機、投写装置、体感装置及び透過スクリーンの製造方法

Info

Publication number
JPH1184312A
JPH1184312A JP27860797A JP27860797A JPH1184312A JP H1184312 A JPH1184312 A JP H1184312A JP 27860797 A JP27860797 A JP 27860797A JP 27860797 A JP27860797 A JP 27860797A JP H1184312 A JPH1184312 A JP H1184312A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image
projector
light
screen
viewer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP27860797A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideo Tanide
秀雄 谷出
Hiroki Yoshikawa
博樹 吉川
Satoru Oishi
哲 大石
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP27860797A priority Critical patent/JPH1184312A/ja
Publication of JPH1184312A publication Critical patent/JPH1184312A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)
  • Transforming Electric Information Into Light Information (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】連続性があり隅々まで明瞭で観視者の視認範囲
以上に広がった映像を得る。 【解決手段】投写装置を、(a)映像が表示される映像
表示面17を有する映像源16、及びこの映像表示面1
7に写し出された映像を拡大結像させる投写レンズ18
と、を備え、映し出す最適像面が映写機側に凸形状とな
る映写機15と、(b)この映写機側に向かって凸形状
とされ映写機15からの映像が結像される略球面形状の
透過スクリーン10と、を備えた構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スクリーン上に映
像を結像させる投写技術に係わり、特に、シミュレー
タ、ゲーム機器、バーチャルリアリテイ機器等により観
視者に高臨場感ある映像を提供する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、この種の装置においては、高臨場
感が得られるものを求める傾向が急激に高まってきてい
る。このため、没入感のある映像が求められると共に、
映像に合わせて動作する座席等が駆動したり、観視者の
操作により、インタラクティブに映像をモーション駆動
させるものが求められている。
【0003】没入感、臨場感を意識した投写装置とし
て、一人用の投写装置であるHMD(ヘッドマウントデ
ィスプレイ)がある。HMDは、観視者の目の直前に小
さなディスプレイを位置させ、このディスプレイの映像
を光学系によって拡大し、観視者に、遠隔物体の大きな
虚像を見せるものである。この装置では、観視者の目を
覆うため、観視者には映像以外何も見えなくなり、観視
者に没入感を与えることができる。このHMDは、頭部
を振って視線方向を変えると、その動きに対応してディ
スプレイに映しだされる映像も変わるようになってお
り、360度の映像を得ることができる。また、小型で
あるという利便性がある。このような投写装置として
は、例えば、特開平04−168489号公報に開示さ
れているものがある。
【0004】HMDの他、没入感を意識した映像を提供
する方法として、観視者の視認範囲をスクリーンで覆う
方法がある。この方法を実現する場合、スクリーン上に
映像を拡大投影する映写機を、スクリーンを中心として
観視者と反対側に設置する方法と、スクリーンを中心と
して観視者と同じ側に設置する方法とがある。
【0005】従来、スクリーンを中心として観視者と反
対側に映写機を設置する方法としては、例えば、CAV
Eと呼ばれる立方体スクリーンの投写装置がある(バー
チャルリアリティ、廣瀬通孝著、産業図書、p10
1)。このCAVEは、約3m四方の4枚の背面投影スクリ
ーンを用い、互いの角度がほぼ直角になるよう、前方、
左右方向および下方向にそれぞれを配し、各スクリーン
毎に映写機を設けたものである。また、この他、特開平
5−197329号公報や特表平6−503906号公
報に記載されたものもある。これらのものは、いずれ
も、平坦な背面投影スクリーンを複数枚用い、各面ごと
に映写機を設けたものである。
【0006】また、従来、スクリーンを中心として観視
者と同じ側に映写機を設置する方法としては、球面形状
の反射スクリーンと、魚眼レンズを用いた一つの映写機
とを用いたものがある。球面形状の反射スクリーンは、
細かな球状スクリーンパーツを用いて、これらを球面形
状のスクリーンとなるように組み上げるのが一般的であ
る。
【0007】一般的に、頭を動かさずに眼球をほとんど
動かさずに認識できる視界の範囲(以後、視認範囲と定
義する)は、左右の両眼を用いた場合、水平方向、垂直
方向とも120°くらいで、頭を動かさず眼球を動かし
て認識できる視界の範囲(以後、視界範囲と定義する)
は、左右いずれか片方の眼のみを用いた場合、水平24
0°、垂直180°くらいと言われている。左右両眼の
視認範囲をカバーできる映像があれば、かなり臨場感を
感じることができる。前述した従来の、観視者の視界範
囲をスクリーンで覆ういずれの方法においても、観視者
を中心として120°以上の大きさのスクリーンが用い
られており、観視者の視認範囲を十分カバーできる。ま
た、HMDでは、映像範囲が60°〜80°くらいであ
るため、映像が小さく感じられる箱庭効果が生じやすい
が、視界範囲が完全に覆われているため、かなり没入感
がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、HMD
においては、観視者が頭部を動かし視線方向を変えたと
き、ディスプレイ上の映像の変化が頭部の動きに対して
タイムラグが生じ、観視者は映像に違和感をおぼえるこ
とがあり、臨場感が削がれるという問題点がある。ま
た、観視者の頭部にHMDを装着するために、頭部への
圧迫感により違和感が生じてしまう上に、別の観視者が
使用する際の清潔さを保ちにくいという問題点もある。
【0009】これに対して、観視者の視認範囲をスクリ
ーンで覆う方法では、観視者が視線方向を変えても、そ
の視線方向にも常に映像が存在するため、映像にタイム
ラグは生じない。また、観視者の頭部に装着するものが
ないため、頭部への圧迫感を生じず、さらに、衛生面に
おいも好ましい。すなわち、観視者の視認範囲をスクリ
ーンで覆う方法では、HMDの問題点は生じない。しか
しながら、この方法でも、以下のような問題点がある。
【0010】観視者の視認範囲をスクリーンで覆う方法
であって、スクリーンを中心として観視者と同じ側に映
写機を設置する方法では、観視者の他に映写機をスクリ
ーン内部に配置するため、観視者から邪魔にならない位
置に映写機を配置しなければ臨場感を低下させることに
なる。特に、一般の商用建築物の内部におさめることの
できるサイズの限界と考える、直径5m程度の小型スク
リーン内に観視者と映写機を配置すると、映写機自体が
観視者の視線範囲内を遮るだけでなく、スクリーンに映
るべき映写機からの映像を観視者自体が遮ってしまう場
合があるため、臨場感を削いでしまうという問題点があ
る。また、球面形状のスクリーンは、パーツに分けて組
み立てる方法が一般的であるが、その繋ぎ部が観視者の
目にはいり、臨場感を削いでしまうという問題点もあ
る。
【0011】また、スクリーンを中心として観視者と反
対側に映写機を設置する方法では、前述したいずれの従
来技術においても、立方体のスクリーン内部に、観視者
の視線を遮るものがないものの、多数の平坦なスクリー
ンを組み合わせているために、各スクリーン間の境界線
が数学的に不連続な部分(屈曲している部分)となり、
観視者は、スクリーンの不連続部分で映像の不連続性を
認識してしまい、臨場感を削いでしまうという問題点が
ある。
【0012】本発明は、以上の従来技術における問題点
を考慮してなされたもので、観視者の視認範囲を遮るも
のがないようにできる映写機と、映像に連続性があって
臨場感の高い投写装置と、この投写装置を備えた装置
と、これらに用いるスクリーンの製造方法とを提供する
ことを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明では、 (1)映写機を、映像が表示される映像表示面を有する
映像源と、該映像表示面に写し出された映像を拡大結像
させる投写レンズと、を備え、該映写機が映し出す最適
像面が映写機側に凸形状であるように構成する。
【0014】(2)前記(1)の映写機で、映像源の前
記映像表示面の曲率をH、前記投写レンズが平面に投写
する映像表示面の曲率をL、前記映写機の映し出す最適
像面の曲率をSとした場合、 S=A×(H−L) 但し、H>L、Aは0.50〜0.78の範囲内の定数 の関係が成立する構成であるようにする。
【0015】(3)投写装置を、(a)映像が表示され
る映像表示面を有する映像源と、該映像表示面に写し出
された映像を拡大結像させる投写レンズと、を備えて成
り、映し出す最適像面が映写機側に凸形状となる、映写
機と、(b)該映写機側に向かって凸形状とされ該映写
機からの映像が結像されるスクリーンと、を備えた構成
とする。
【0016】(4)前記(3)の投写装置で、映像源の
前記映像表示面の曲率をH、前記投写レンズが平面に投
写する映像表示面の曲率をL、前記映写機の映し出す最
適像面の曲率をSとした場合、 S=A×(H−L) 但し、H>L、Aは0.50〜0.78の範囲内の定数 の関係が成立するようにする。
【0017】(5)投写装置を、(a)映像が表示され
る映像表示面を有する映像源と、該映像表示面に写し出
された映像を拡大結像させる投写レンズと、を備えて成
り、映し出す最適像面が映写機側に凸形状となる、映写
機と、(b)該映写機側に向かって凸形状とされ該映写
機からの映像が結像される略球面形状の透過スクリーン
と、を備えた構成とする。ここで、略球面形状とは、数
学的に連続した略球面形状、及び該略球面形状の一部の
面形状を含むものである。
【0018】(6)前記(5)の投写装置で、映像源の
前記映像表示面の曲率をH、前記投写レンズが平面に投
写する映像表示面の曲率をL、前記映写機の映し出す最
適像面の曲率をSとした場合、 S=A×(H−L) 但し、H>L、Aは0.50〜0.78の範囲内の定数 の関係が成立するようにする。
【0019】(7)体感装置を、(a)映像が表示され
る映像表示面を有する映像源と、該映像表示面に写し出
された映像を拡大結像させる投写レンズと、を備えて成
り、映し出す最適像面が映写機側に凸形状となる、映写
機と、(b)映写機側に向かって凸形状とされ該映写機
からの映像が結像される略球面形状の透過スクリーン
と、(c)観視者が座る座席と、(d)該座席を変位さ
せるモーション駆動装置と、(e)モーション駆動装置
の動作を制御するモーション制御装置と、(f)前記映
写機が映し出す映像を制御すると共に、該映像の変化に
伴って前記座席を変位させるよう前記モーション駆動装
置に対して指示する映像制御装置と、を備えた構成とす
る。
【0020】(8)前記(7)の体感装置で、前記映像
源の前記映像表示面の曲率をH、前記投写レンズが平面
に投写する映像表示面の曲率をL、前記映写機の映し出
す最適像面の曲率をSとした場合、 S=A×(H−L) 但し、H>L、Aは0.50〜0.78の範囲内の定数 の関係が成立するようにする。
【0021】(9)体感装置を、(a)映像が表示され
る映像表示面を有する映像源と、該映像表示面に写し出
された映像を拡大結像させる投写レンズと、を備えて成
り、映し出す最適像面が映写機側に凸形状となる、映写
機と、(b)映写機側に向かって凸形状とされ該映写機
からの映像が結像される略球面形状の透過スクリーン
と、(c)観視者が座る座席と、(d)前記観視者が操
作する操作部と、(e)前記操作部の操作量に応じて前
記投写装置の前記映写機が映し出す映像を変化させる映
像制御装置と、を備えて成る構成とする。
【0022】(10)前記(9)の体感装置で、前記映
像源の前記映像表示面の曲率をH、前記投写レンズが平
面に投写する映像表示面の曲率をL、前記映写機の映し
出す最適像面の曲率をSとした場合、 S=A×(H−L) 但し、H>L、Aは0.50〜0.78の範囲内の定数 の関係が成立するようにする。
【0023】(11)投写装置を、(a)映像が表示さ
れる映像表示面を有する映像源と、該映像表示面に写し
出された映像を拡大結像させる投写レンズとを備えた映
写機と、(b)該映写機側に向かって全体的な形状が凸
状とされ、観視者位置が該透過スクリーンの凹面側の空
間内に位置し、該観視者位置を原点として、3次元空間
内の少なくとも一つの平面内において180°以上に展
開される構成の透過スクリーンと、を備えた構成とす
る。
【0024】(12)一方の表面が凸面形状で反対側の
他方の表面が凹面形状の光透過層と、該光透過層の凸面
形状側の表面に形成される光拡散層と、を有して成る凸
面形状の透過スクリーンの製造方法は、透明な部材で前
記光透過層を形成する光透過層形成工程と、光拡散剤を
含む透明な熱可塑性樹脂シートを温めて柔らかくし、柔
らかくなった該熱可塑性樹脂シートに前記光透過層の凸
面形状側の表面を押し付けて該光透過層に該熱可塑性樹
脂シートを密着させ、前記光拡散層を形成する光拡散層
形成工程とを、有する。
【0025】(13)一方の表面が凸面形状で反対側の
他方の表面が凹面形状の光透過層と、該光透過層の凸面
形状側の表面に形成される光拡散層と、を有して成る凸
面形状の透過スクリーンの他の製造方法は、透明な部材
で前記光透過層を形成する光透過層形成工程と、光拡散
剤を含む透明な塗料を前記光透過層の凸面形状側の表面
に塗布して光拡散層を形成する光拡散層形成工程と、有
する。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る体感装置の各
種実施形態について、図面を用いて説明する。なお、各
種実施形態を説明するに当たり、同一部位に関しては同
一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0027】まず、本発明に係る装置の第1の実施形態
について、図1〜図7を用いて説明する。この実施形態
の装置は、図1に示すように、透過スクリーン10と、
透過スクリーン10を中心として観視者予定位置と反対
側に配されている複数の映写機15,15,…と、複数
の映写機15,15,…がそれぞれ映し出す映像を制御
する映像制御装置25と、透過スクリーン10及び複数
の映写機15,15,…を覆う外枠19と、観視者予定
位置に配されている座席20と、この座席20を動かす
モーション駆動装置22と、このモーション駆動装置2
2を制御するモーション制御装置23とを備えている。
なお、この実施形態では、透過スクリーン10と複数の
映写機15,15,…と映像制御装置25と座席20を
有して、投写装置を構成している。また、この実施形態
では、透過スクリーン10は略球面形状であり、この略球
面形状の透過スクリーン10の曲率中心、またはその近
傍に、観視者予定位置が設定されている。
【0028】透過スクリーン10は、観視者予定位置を
原点として、水平面内において360°、鉛直面内にお
いて180°以上に展開され、数学的に連続した略球面
形状を成している。なお、「数学的に連続した」とは、
屈曲した部分がないという意味である。この透過スクリ
ーン10は、有色透明な合成樹脂シートで略球面形状に
形成された光透過層11と、この光透過層11の外周面
上に、光拡散剤を含む透明な合成樹脂シートで略球面形
状に形成された光拡散層12とを有している。
【0029】この実施形態では、図1及び図2に示すよ
うに、映写機15を5台用いている。各映写機15は、
透過スクリーン10を中心として観視者予定位置と反対
側、つまり、略球面形状の透過スクリーン10の外周側
であって、観視者予定位置を中心として、水平面内で相
互に90°の間隔で4台、観視者予定位置の鉛直上方に
1台配置されている。なお、映写機15の台数に関して
は、1台の映写機15の透過スクリーン10上の投影サ
イズによって決まるもので、この投影サイズは映写機1
5の拡大倍率や投写距離に依存するので、これらの値に
応じて適宜決めればよい。例えば、設置環境の都合上、
外枠19を小さくしなければならず、投写距離を小さく
する必要がある場合には、映写機15の台数をさらに増
やすことになる。
【0030】各映写機15は、それぞれ、図3(C)に
示すように、映像が表示される映像表示面17を有する
映像源16と、この映像表示面17に映し出された映像
を拡大して透過スクリーン10の光拡散層12に結像さ
せる投写レンズ18とを備えている。また、図3
(A),(B)に示すように、一般的な平面反射スクリ
ーン10A,10Bに対する映写機15A,15Bも、
映像が表示される映像表示面17,17Bを有する映像
源16,16Bと、この映像表示面17,17Bに映し
出された映像を拡大して透過スクリーン10A,10B
の光拡散層に結像させる投写レンズ18A,18とを備
えている。なお、この実施形態において、具体的に、映
像源16とは投写管であり、その映像表面とは投写管の
表示管面のことである。
【0031】ここで、仮に、図3(A)に示す映像源1
6の映像表示面17と、図3(B)に示す映像源16B
の映像表示面17Bとが、共に、投写レンズ18A,1
8に対して凹形状であり、図3(A)の映像表示面17
の曲率の方が映像表示面17Bの曲率より大きい、言い
替えると、映像表示面17の曲率半径の方が映像表示面
17Bの曲率半径より小さいとする。具体的には、図3
(A)の映像表示面17の曲率半径が350mmで、図
3(B)の映像表示面17Bの曲率半径が600mmで
あるとする。また、図3(A)に示す映写機15Aの投
写レンズ18Aは、曲率半径が350mmの映像表示面
17上の映像を平面反射スクリーン10Aに結像させる
レンズで、図3(B)に示す映写機15Bの投写レンズ
18は、曲率半径が600mmの映像表示面17B上の
映像を平面反射スクリーン10Bに結像させるレンズで
あるとする。
【0032】図3(A)に示す映写機15A及び図3
(B)に示す映写機15Bは、前述したように、共に、
平面スクリーン10A,10Bに映像を結像させるもの
である。このため、略球面形状のスクリーン10に対し
て、これらの映写機15A,15Bを用いると、映像の
周辺側の部分では、目的の映像が正確に結像されない。
すなわち、略球面形状のスクリーン10に対して一般的
な映写機15A,15Bを用いても、隅々まで明瞭な映
像を結像させることはできない。そこで、本出願の発明
者は、鋭意検討の結果、図3(A)に示す映写機15A
に用いた、曲率半径の小さな映像表示面17の映像源1
6と、図3(B)に示す映写機15Bに用いた、曲率半
径の大きな映像表示面17Bに映し出された映像を平面
スクリーン10Bに結像させる投写レンズ18とを組み
合わせることにより、略球面形状のスクリーン10に対
して、隅々まで明瞭な映像を結像させることができるこ
とを見出した。具体的には、映像表示面17の曲率半径
が1/H(曲率がH)の映像源16と、曲率半径が1/
L(曲率がL)の映像表示面17に映し出された映像を
平面スクリーンに結像させる投写レンズ18とを組み合
わせた場合、以下の(数1)の関係を満たす曲率半径が
1/S(曲率がS)の球面形状スクリーン10に対し
て、隅々まで明瞭な映像を結像させることができること
を見出した。
【0033】 S=A×(H−L) (数1) 但し、H>L、Aは0.50〜0.78の範囲内の定数
例えば、図3(C)に示す本実施形態のように、映像表
示面17の曲率半径が350mmの映像源16と、曲率
半径が600mmの映像表示面17に映し出された映像
を平面スクリーンに結像させる投写レンズ18とを組み
合わせることにより、曲率半径が1100mm〜165
0mmの球面形状スクリーン10に、隅々まで明瞭な映
像を結像させることができる。また、図4に示すよう
に、映像表示面の曲率半径が350mmの映像源と、曲
率半径が∞の映像表示面、つまり平坦な映像表示面に映
し出された映像を平面スクリーンに結像させる投写レン
ズとを組み合わせた場合には、曲率半径が450mm〜
700mmの球面形状スクリーンに、隅々まで明瞭な映
像を結像させることができ、映像表示面の曲率半径が6
00mmの映像源と、曲率半径が∞の映像表示面、つま
り平坦な映像表示面に映し出された映像を平面スクリー
ンに結像させる投写レンズとを組み合わせた場合には、
曲率半径が800mm〜1200mmの球面形状スクリ
ーンに、隅々まで明瞭な映像を結像させることができ
る。
【0034】ところで、以上のように、球面形状のスク
リーンの曲率半径に幅があるのは、像面が球面収差によ
って、球面に完全に一致するわけでないため、像面を球
面に回帰するときに重視する像高によって、曲率半径に
差が生じるためである。
【0035】なお、この実施形態では、映像源16とし
て投写管を用い、その表示管面を映像表示面17とした
が、他に、液晶パネルの表示パネル面や、一般的な映写
機のフィルムを映像表示面とした場合であっても、(数
1)の関係を満たせば、球面形状のスクリーンに、隅々
まで明瞭な映像を結像させることができる。
【0036】外枠19は、図1に示すように、略球面形
状の透過スクリーン10及び複数の映写機15,15,
…を覆い、外光を遮断する。このように、外光を遮断す
ることにより、略球面形状の透過スクリーン10上に映
し出される映像のコントラスト低下を防ぐことができ
る。
【0037】モーション駆動装置22は、座席20を鉛
直方向に移動させると共に、鉛直方向の軸回りに回転さ
せる装置である。なお、この実施形態のモーション駆動
装置22は、2自由度であるが、さらにいくつかの自由
度を加えても構わない。
【0038】映像制御装置25は、各映写機15からの
映像相互が透過スクリーン10上で隙間なく連続するよ
う、透過スクリーン10全体に映し出される映像を各映
写機15毎に振り分ける。言い替えると、映像制御装置
25は、各映写機15によって略球面形状の透過スクリ
ーン10に映し出される全体映像が連続的で一体的にな
るよう、各映写機15ごとに映像信号を出力する。な
お、各映写機15毎の映像のつなぎに関しては、各映写
機15毎の映像相互を一部オーバーラップさせてつなぎ
合わせても、各映写機15毎の映像の境界線相互を完全
に一致させてもよい。また、この映像制御装置25は、
透過スクリーン10上に映し出す映像に対応して、予め
設定されている座席20の動きをモーション駆動装置2
2に知らせる役目も担っている。
【0039】次に、本実施形態における体感装置の動作
及び作用について説明する。まず、略球面形状の透過ス
クリーン10内の座席に、観視者1に座ってもらう。そ
して、体感装置を起動させる。映像制御装置25から
は、各映写機15,15,…へ映像信号が送られ、各映
写機15,15,…は、それぞれの映像信号に対応した
映像を透過スクリーン10の光拡散層12に結像させ
る。この結果、略球面形状の透過スクリーン10には、
連続し且つ一体的な映像が映し出される。また、前述し
たように、各映写機15,15,…毎の各映像は、透過
スクリーン10に対して、その隅々まで明瞭に結像す
る。観視者1は、光透過層11を介して、透過スクリー
ン10の光拡散層12に結像された映像を見る。
【0040】ここで、透過スクリーン10を構成してい
る有色透明な光透過層11の効果について、図5を用い
て説明する。映写機15からの映像は、透過スクリーン
10の光拡散層12で結像し、そのまま、観視者1の方
向(主光線)51の進んで行くと共に、光拡散層12で
様々な方向にも広がっていく。不要光線52は、その光
線の一つであり、透過スクリーン10上のB点のコント
ラストを低下させる要因となる。そこで、本実施形態で
は、透過スクリーン10の光透過層11を、若干着色し
た透明部材で形成することで、コントラスト低下の改善
を図っている。光透過層11は、光拡散層12の内周側
に形成しているため、A点の光拡散層12からの不要光
線52は、B点の光拡散層12に至る過程で、光透過層
11を2度通過することになる。このように、不要光線
52は、光透過層11を2度通過することにより、減光
されるため、不要光線52に起因するコントラストの低
下を抑えることができる。
【0041】例えば、無色透明の透明部材(透過率0.
95)と有色透明の透明部材(透過率0.5)にそれぞ
れ垂直に2度光線をあてた場合を比較すると、各透明部
材を通過する前の光線強度を1とすると、無色透明の透
明部材を2度通過した場合、光線強度は0.9となり、
有色透明の透明部材を2度通過した場合は、光線強度は
0.25となり、無色透明の場合に比べ、約1/4にな
る。不要光線52の場合、球面形状の光透過層11への
入射角度が必ずしも垂直でないため、光透過層11を2
度通過した後の光強度が当初の1/4になると一概にい
えないが、光透過層11を有色透明にすることにより、
観視者位置からのコントラストの低下を大幅に抑えるこ
とができる。なお、この実施形態では、有色透明な合成
樹脂シートのみで光透過層11を形成しているが、無色
透明な樹脂シートと、その外側に貼付る有色透明な樹脂
シートとで、光透過層を形成しても、同様な効果を得る
ことができる。
【0042】映像制御装置25は、各映写機15に対し
て映像信号を出力すると共に、モーション制御装置23
に対して駆動制御信号を出力する。モーション制御装置
23は、この駆動制御信号を受けて、モーション駆動装
置22に対してモーション信号を出力する。この結果、
観視者1が座っている座席20は、略球面形状の透過ス
クリーン10に映し出されている映像の変化と同期し
て、上下動、及び/又は水平回転する。
【0043】以上のように、この実施形態では、映写機
15が略球面形状の透過スクリーン10の外周側に位置
し、しかも、略球面形状の透過スクリーン10は、内周
側に位置する観視者1を中心として、水平360°、垂
直180°以上に展開されているので、観視者1の視界
範囲を遮ることなく、観視者1の視認範囲以上に広がっ
た映像を観視者1に見せることができる。従って、観視
者1が見ている、見ていないに関わらず、いずれの方向
にも映像が映し出されているので、観視者1が頭を動か
して見る方向を変えても、HMDのように、観視者1の
観視方向の変化に対する映像のタイムラグは、生じな
い。また、この実施形態では、略球面形状の透過スクリ
ーン10が数学的に連続して折れ目がないので、これに
映る映像も連続性が確保され、しかも、三次元的に湾曲
したスクリーン10に対応した映写機15を用いている
ので、連続性があり隅々まで明瞭な映像を観視者1に見
せることができる。このように、この実施形態では、連
続性があり隅々まで明瞭で、観視者1の視認範囲以上に
広がった映像を、観視者1の視界範囲を遮ることなく、
しかも、透過スクリーン10に映し出される映像と完全
に同期して、観視者1が座る座席20が動くので、観視
者1に、非常に高い臨場感を与えることができる。
【0044】なお、この実施形態では、観視者1は1名
であるが、本発明は、これに限定されるものでなく、観
視者1が複数であってもよいことは言うまでもない。こ
の場合、観視者1の人数分の座席20が必要になるが、
各座席20は、同じ動きをすればよいので、モーション
駆動装置22は、1台で足りる。また、この場合、複数
の観視者1が実際に位置するそれぞれの位置を観視者予
定位置とするのではなく、複数の観視者1の中心を観視
者予定位置とするべきである。また、各映写機15によ
る映像は、立体映像である方が、さらに臨場感を高める
ことができるので、好適である。
【0045】次に、この実施形態における略球面形状の
透過スクリーン10の製造方法について、図6及び図7
を用いて説明する。本実施形態では、略球面形状の透過
スクリーンを示したが、凹面形状の透過スクリーンにお
いても、同様であることは言うまでもない。
【0046】この実施形態では、略球面形状の透過スク
リーン10を熱成形法で形成している。この実施形態に
おける熱成形法では、図6(1)に示すように、ヒータ
内臓のチャンバー30を用いる。このチャンバー30に
は、成形しようとしている略球面形状の透過スクリーン
10を収納し得る成形空間31と、この成形空間31へ
ガスを出し入れするための通気孔33とが形成されてい
る。
【0047】透過スクリーン10を形成するに当たって
は、先に、透過スクリーン10の内周側の層である光透
過層11を成形し、その後、光透過層11の外周側に光
拡散層12を成形する。
【0048】まず、図6(1)に示すように、光透過層
11を形成するための有色透明な熱硬化性樹脂シート
(以下、光透過層形成シートとする)45を、成形空間
31の上部開口32上に配する。そして、その上から平
板リング状のシート固定治具36を配し、これをチャン
バー30上に固定することで、光透過層形成シート45
をチャンバー30に固定する。このように、成形空間3
1の上部開口32が光透過層形成シート45で塞がれた
結果、成形空間31からのガスの出入りが可能な箇所
は、通気孔33のみになる。
【0049】次に、図6(2)に示すように、ヒータ3
5で成形空間31内を加熱して、光透過層形成シート4
5を柔らかくする。
【0050】次に、図6(3)に示すように、平板リン
グ状の押え治具37を用いて、軟化した光透過層形成シ
ート45に金型40を上方から押し付ける。この金型4
0は、略球面形状の光透過層11の内周面形状にあった
外周面の球形部41と、フランジ部42とを有してい
る。フランジ部42には、複数の通気孔43,43,…
が形成されている。また、この金型40は、いくつかの
ピースを組み合わせて構成されているもので、後で、分
解できる。平板リンク状の押え治具37は、その内径が
金型フランジ部42の通気孔ピッチ円径よりも大きく、
その外径が平板リング状のシート固定治具36の内径よ
りも僅かに小さい。金型40を光透過層形成シート45
に押し付ける際には、金型フランジ部42に押え治具3
7を接触させて、この押え治具37がチャンバー30の
上面に接し且つシート固定治具36の内周側に収まるま
で、下方に移動させる。この過程で、成形空間31内の
空気は、チャンバー30の通気孔33から外部に排気さ
れる。
【0051】押え治具37がチャンバー30の上面に接
し且つシート固定治具36の内周側に収まると、今度
は、図6(4)に示すように、押え治具37で金型40
を押え付けた状態のまま、チャンバー30の通気孔33
から成形空間31内にガスを入れ、成形空間31内の圧
力を高めて、軟化した光透過層形成シート45を金型4
0の外周面に密着させる。この過程で、光透過層形成シ
ート45と金型40の外周面との間の空気は、金型フラ
ンジ部42の通気孔43から外部に排気される。
【0052】軟化した光透過層形成シート45が金型4
0の外周面に密着したら、図6(5)に示すように、光
透過層形成シート45が冷えて硬化するまで、しばらく
放置しておく。
【0053】光透過層形成シート45が硬化すると、金
型フランジ部42の通気孔43に対応する箇所の光透過
層形成シート45に孔を開けてから、金型40を分解
し、球面形状になった光透過層形成シート45内から金
型40を取り出す。以上で、光透過層11が成形され
る。なお、この光透過層11も、金型40と同様に、球
形部46とフランジ部46とを有しており、フランジ部
46には、最後の工程で開けた通気孔48が形成されて
いる。
【0054】光透過層11が形成されると、今度は、こ
の光透過層11を型として、以上と基本的に同様の方法
で、光透過層11の外周面に光拡散層12を形成する。
【0055】すなわち、図7(1)に示すように、光拡
散層12を形成するための光拡散剤を含有した透明な熱
硬化性樹脂シート(以下、光拡散層形成シートとする)
55を、光透過層11の成形に用いたチャンバー30の
成形空間31の上部開口32上に配する。そして、その
上から、同じく光透過層11の成形に用いたシート固定
治具36を配し、これをチャンバー30上に固定するこ
とで、光拡散層形成シート55をチャンバー30に固定
する。
【0056】次に、図7(2)に示すように、ヒータ3
5で成形空間31内を加熱して、光拡散層形成シート5
5を柔らかくした後、軟化した光拡散層形成シート55
上に透明な接着剤59を滴下する。なお、この接着剤5
9をシート55に施した方が好ましいが、施さなくても
よい。
【0057】次に、図7(3)に示すように、平板リン
グ状の押え治具37を用いて、上方から略球面形状の光
透過層11を軟化した光拡散層形成シート55に押し付
ける。光透過層11を光拡散層形成シート55に押し付
ける際には、光透過層11のフランジ部47に押え治具
37を接触させて、この押え治具37がチャンバー30
の上面に接し且つシート固定治具36の内周側に収まる
まで、下方に移動させる。この過程で、成形空間31内
の空気は、チャンバー30の通気孔33から外部に排気
される。
【0058】押え治具37がチャンバー30の上面に接
し且つシート固定治具36の内周側に収まると、図7
(4)に示すように、押え治具37で略球面形状の光透
過層11を押え付けた状態のまま、チャンバー30の通
気孔33から成形空間31内にガスを入れ、成形空間3
1内の圧力を高めて、軟化した光拡散層形成シート55
を光透過層11の外周面に密着させる。この過程で、光
拡散層形成シート55と光透過層11の外周面との間の
空気は、光透過層フランジ47の通気孔48から外部に
排気される。
【0059】軟化した光拡散層形成シート55が光透過
層11の外周面に密着したら、図7(5)に示すよう
に、光透過層形成シート45が冷えて硬化すると共に、
接着剤59が硬化するまで、しばらく放置しておく。
【0060】光拡散層形成シート55及び接着剤59が
硬化すると、図7(6)に示すように、光透過層11の
外周に光拡散層12が形成された略球面形状の透過スク
リーン10が完成する。なお、光透過層フランジ47の
通気孔48に対応する箇所の光拡散層12に孔を開け、
各層のフランジ部の孔を透過スクリーン10の設置用の
ボルト孔にしてもよい。
【0061】なお、本実施形態は、透過スクリーン10
のフランジ部側が絞られているが、例えば、後述する図
10の透過スクリーンのように、あまり絞られていない
場合には、成形室内にガスを入れ、成形室内の圧力を高
める工程は無くても、光拡散層と光透過層とを密着させ
ることができる。また、この実施形態では、光透過層と
光拡散層との双方を熱成形法で成形したが、本発明はこ
れに限定されるものではなく、例えば、光透過層をブロ
ー成形法や射出成形法で成形してもよいし、光拡散層を
光拡散剤を含有した透明塗料で形成してもよい。
【0062】次に、本発明に係る体感装置の第2の実施
形態について、図8を用いて説明する。この実施形態
は、略球面形状の透過スクリーン10の外側に、さらに
他の観視者1a,1bが立つことができるスペース19
x,19yを確保した外枠19aを用いた以外、第1の
実施形態と同じである。この実施形態の外枠19aは、
第1の実施形態よりも僅かに大きく、透過スクリーン1
0の外側の下部と上部であって、映写機15から映像光
線を遮らない位置に、それぞれ立ち見スペース19x,
19yが形成されている。
【0063】下部立ち見スペース19xの観視者1a
は、透過スクリーン10の側方から、上部立ち見スペー
ス19yの観視者1bは、透過スクリーン10の斜め上
方から、透過スクリーン10内の観視者1が見ている映
像の反転映像を見ることができる。従って、このような
体感装置を例えばアミューズメントパーク等で採用する
と、子供等を主要観視者1として透過スクリーン10内
に入れ、この主要観視者1の親等の保護者や同伴者が主
要観視者1を透過スクリーン10の外で待っている場合
でも、保護者や同伴者等の第2の観視者1a,1bは、
主要観視者1が見ている映像と似た映像を見ることがで
き、子供等を待っている間の退屈感から開放される。
【0064】次に、図9を用いて、本発明に係る体感装
置の第3の実施形態について説明する。この実施形態
は、各映写機15,15,…ごとに、映写機15,1
5,…と略球面形状の透過スクリーン10との間の映像
光路中に反射鏡14,14,…を設置したものである。
このように、反射鏡14を設置すると、映像光路長を変
えること無く、映写機15を透過スクリーン10に近づ
けることができるので、これらを覆う外枠19bの小型
化を図ることができる。この外枠19bの小型化は、例
えば、既存の比較的狭いスペースに体感装置を新たに設
置する場合に非常に有効である。
【0065】なお、この実施形態のように、映像光路中
に反射鏡14が存在すると、映像が反転するので、映写
機15からの映像は予め反転しておく必要がある。ま
た、この実施形態では、平面形状の反射板14を用いた
が、この換わりに、球面形状の反射板を用いてもよい。
【0066】次に、本発明に係る体感装置の第4の実施
形態について、図10を用いて説明する。この実施形態
の体感装置は、自動車の運転訓練用又はレース用シミュ
レータで、第1の実施形態と同様に、略球面形状の透過
スクリーン10cと、複数の映写機15,15,…と、
複数の映写機15,15,…がそれぞれ映し出す映像を
制御する映像制御装置25cと、略球面形状の透過スク
リーン10c及び複数の映写機15,15,…を覆う外
枠19cと、観視者予定位置に配されている座席20
と、この座席20を動かすモーション駆動装置22と、
このモーション駆動装置22を制御するモーション制御
装置23cとを備えている。さらに、この実施形態の体
感装置は、映像光路中に配されている反射鏡14c,1
4c,…と、観視者1が操作するハンドル26、アクセ
ルペダル28、ブレーキペダル29及びシフトレバー2
7も備えている。
【0067】透過スクリーン10cは、観視者予定位置
を原点として、水平面内において360°、鉛直面内に
おいて50°に展開され、数学的に連続した略球面形状
を成している。この実施形態のように、自動車の運転訓
練用に体感装置を用いる場合、車内からの窓越しの景観
を映像として再現すればよいので、鉛直面内におけるス
クリーン10cの展開範囲は50°で足りる。また、運
転者は、自動車の運転中に、後方を直接見ることがな
く、後方の見る場合でも、バックミラー又はサイドミラ
ー越しに見るので、バックミラー及びサイドミラーが存
在し得る位置に、後方の景観を映しておけば、観視者予
定位置を中心とする水平面内の透過スクリーン10cの
展開範囲を180°にしてもよい。
【0068】映像制御装置25cは、観視者1が操作す
るハンドル26、アクセルペダル28、ブレーキペダル
29及びシフトレバー27と信号線で接続されており、
これらの操作量に応じて、映像を変化させるべく、各映
写機15に出力する映像信号を変化させる。また、モー
ション駆動装置23cは、透過スクリーン10cに映る
映像の変化と同期して、座席20を上下動、及び/又は
水平回転させる。
【0069】以上のように、本実施形態においても、投
写装置としての基本的構成は、以上の実施形態と同様な
ので、観視者1は、高臨場感を得ることができる。さら
に、この実施形態では、ハンドル26等の操作端の操作
量に応じて、映像が変化し、この映像変化に同期して座
席20が動くので、実際に自動車を運転している状態と
非常に近い状態を体感することができる。
【0070】また、この実施形態では、映写機15から
映像光線を反射鏡14cで折り返したことにより、映写
機15を透過スクリーン10cに非常に近づけることが
でき、外枠19cを小型化することができる。特に、こ
の実施形態では、映写機15からの映像光線の光軸61
と透過スクリーン10cとの交点に接する仮想平面62
よりも、水平方向において映写機15を観視者側に位置
させ、鉛直方向においても透過スクリーン10cに非常
に近い所に位置させたので、外枠19cを非常にコンパ
クトにすることができる。例えば、透過スクリーン10
cの高さを3m未満にした場合、この実施形態の映写機
15及び反射鏡14cの配置により、透過スクリーン1
0cの天面から上方へ外枠19cまでの間隔を1m未満
に抑えることができ、これにモーション駆動装置22の
高さ分の1mを併せても、体感装置全体の高さを5m未
満に抑えることができる。従って、既存の一般的な建家
内に、体感装置を設置することができる。
【0071】次に、本発明に係る体感装置の第5の実施
形態について、図11及び図12を用いて説明する。こ
の実施形態の体感装置は、第1の実施形態と同様、図1
1に示すように、略球面形状の透過スクリーン10d
と、複数の映写機15,15,…と、複数の映写機1
5,15,…がそれぞれ映し出す映像を制御する映像制
御装置(図示されていない)と、略球面形状の透過スク
リーン10d及び複数の映写機15,15,…を覆う外
枠19dと、観視者予定位置に配されている座席20
と、この座席20を動かすモーション駆動装置22d
と、このモーション駆動装置22dを制御するモーショ
ン制御装置(図示されていない)とを備えている。さら
に、この実施形態の体感装置は、座席20が載る動作床
板66と、観視者1が操作する操作レバー26dも備え
ている。
【0072】動作床板66は、実際の床面65よりも数
10cm高い位置に配されている。この動作床板66の
中心部には、座席20及び操作レバー26dが取り付け
られている。さらに、この動作床板66には、複数の柱
67,67,…を介して、透過スクリーン10d及び外
枠19dが固定されている。
【0073】モーション駆動装置22dは、6本の油圧
シリンダ23d,23d,…と、各油圧シリンダ23
d,23d,…内に駆動油を供給する油圧回路24dと
を有している。6本の油圧シリンダ23d,23d,…
の各シリンダケースは、図12に示すように、床面65
における座席20の鉛直線上の位置を中心とした仮想円
上の3点にピン支持されている。この仮想円上の3点
は、等間隔であり、それぞれの点に、6本の油圧シリン
ダ23d,23d,…のうち、2本の油圧シリンダ23
d,23dの各シリンダケースがピン支持されている。
また、6本の油圧シリンダ23d,23d,…の各動作
端は、動作床板66における座席20の鉛直下方線上の
位置を中心とした仮想円上の3点にピン支持されてい
る。この仮想円上の3点も、等間隔であり、それぞれの
点に、6本の油圧シリンダ23d,23d,…のうち、
2本の油圧シリンダ23d,23dの各動作端がピン支
持されている。従って、動作床板66は、6本の油圧シ
リンダ23d,23d,…のそれぞれの動作により、上
下動、捩じれ、傾き等の各種変位が可能になる、つまり
自由度が6の変位が可能になる。このように、動作床板
66が変位するため、この動作床板66に取り付けられ
ている、座席20、操作レバー26d、透過スクリーン
10d、外枠19dも、動作床板66の変位に伴って変
位する。
【0074】すなわち、以上の実施形態の透過スクリー
ン及び外枠は設置室内に固定されているが、本実施形態
の透過スクリーン10d及び外枠19dは座席20と共
に変位する点で、以上の実施形態と大きく異なる。但
し、本実施形態において、投写装置の基本的な構成は、
以上の実施形態と同様なので、観視者1に高臨場感を与
える等、以上の実施形態と同様の効果を得ることができ
る。
【0075】なお、この実施形態では、透過スクリーン
10dに対して座席20が相対移動しないので、略球面
形状の透過スクリーン10d内において、座席20と共
に移動する観視者1の移動空間を確保する必要がない。
このため、略球面形状の透過スクリーン10dの外径を
小さくでき、結果として、外枠19dも小さくすること
ができる。
【0076】次に、本発明に係る体感装置の第6の実施
形態について、図13を用いて説明する。この実施形態
の体感装置は、ハンググライダー用シミュレータで、第
1の実施形態と同様に、略球面形状の透過スクリーン1
0eと、複数の映写機15e,15e,…と、複数の映
写機15e,15e,…がそれぞれ映し出す映像を制御
する映像制御装置(図示されていない)と、略球面形状
の透過スクリーン10e及び複数の映写機15e,15
e,…を覆う外枠19eとを備えている。さらに、この
実施形態の体感装置は、ハンググライダー20eと、こ
のハンググライダー20eを動かすモーション駆動装置
22eと、このモーション駆動装置22eを制御するモ
ーション制御装置(図示されていない)とを備えてい
る。
【0077】透過スクリーン10eは、数学的に連続し
た略球面形状を成しており、観視者予定位置を原点とし
て、水平対して略45°傾いた面内において360°、
この面に対して垂直な面内において180°展開されて
いる。
【0078】映写機15eは、この実施形態において
は、13台用いている。このように、投写機15eの台
数を増やすと、映写機15eの1台当たりの、透過スク
リーン10eに対する投影サイズが小さくなり、投写距
離が短くなるので、外枠19eを小さくすることができ
る。
【0079】ハンググライダー20eは、セール28e
と、観視者1eを支えるハーネス27eと、観視者1e
が握るコントロールバー26eとを有している。図示さ
れていない映像制御装置は、ハーネス27eに対すコン
トロールバー26eの相対変位量が入力し、このコント
ロールバー26eの変位量、及び予め設定しておいたハ
ンググライダー20eが受ける風に応じて映像を変化さ
せると共に、モーション駆動装置22eを制御する。
【0080】モーション駆動装置22eは、第5の実施
形態と同様に、6本の油圧シリンダ23e,23e,…
と、各油圧シリンダ23e,23e,…内に駆動油を供
給する油圧回路24eとを有している。6本の油圧シリ
ンダ23e,23e,…の各シリンダケースは、外枠1
9eの天板にピン支持され、6本の油圧シリンダ23
e,23e,…の各動作端は、ハンググライダー20e
のセール28eにピン支持されている。このため、ハン
ググライダー20eは、6自由度で変位する。
【0081】以上のように、この実施形態の透過スクリ
ーン10eは、水平面に対して傾いている点で、以上の
実施形態と異なる。但し、本実施形態において、投写装
置の基本的な構成は、以上の実施形態と同様なので、観
視者1eに高臨場感を与える等、以上の実施形態と同様
の効果を得ることができる。
【0082】なお、この実施形態では、透過スクリーン
10eは、外枠19e又は設置空間に対して相対移動し
ないが、第5の実施形態と同様に、ハンググライダー2
0eと共に変位するようにしてもよい。また、以上の各
実施形態において、モーション駆動装置22,22d,
22eは、いずれも、油圧駆動タイプであるが、本発明
はこれに限定されず、例えば、電気駆動タイプのもので
あってもよい。
【0083】
【発明の効果】本発明によれば、映写機が略球面形状の
透過スクリーンの外周側に位置しているので、観視者の
視界範囲を遮ることなく、観視者の視認範囲以上に広が
った映像を観視者に見せることができる。また、観視者
が見ている、見ていないに関わらず、各種方向にも映像
が映し出されているので、観視者が頭を動かして見る方
向を変えても、HMDのように、観視者の観視方向の変
化に対する映像のタイムラグは、生じない。さらに、本
発明では、略球面形状の透過スクリーンが数学的に連続
して折れ目がないので、これに映る映像も連続性が確保
され、しかも、三次元的に湾曲した透過スクリーンに対
応した映写機を用いているので、言い換えると、映写機
が映し出す最適映像面が透過スクリーンの形状に対応し
て映写機側に凸形状であるので、連続性があり隅々まで
明瞭な映像を観視者に見せることができる。
【0084】このように、本発明では、連続性があり隅
々まで明瞭で、観視者の視認範囲以上に広がった映像
が、観視者の視界範囲を遮ることなく、映し出されるの
で、観視者に、非常に高い臨場感を与えることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施形態としての体感装置
の構成説明図である。
【図2】本発明に係る第1の実施形態としての体感装置
の映写機の配置を示す説明図である。
【図3】本発明に係る第1の実施形態としての体感装置
の映写機の構成を示す説明図である。
【図4】本発明に係る第1の実施形態としての体感装置
の映写機における、ある曲率半径の映像表示面を有する
映像源と、ある曲率半径の映像表示面に映し出された映
像を平面スクリーンに結像させる投写レンズと、を組み
合わせた際の透過スクリーンの曲率半径を示す説明図で
ある。
【図5】本発明に係る第1の実施形態としての透過スク
リーンの光透過層の効果を示す説明図である。
【図6】本発明に係る第1の実施形態としての透過スク
リーンの光透過層の製造工程を示す説明図ある。
【図7】本発明に係る第1の実施形態としての透過スク
リーンの光拡散層の製造工程を示す説明図である。
【図8】本発明に係る第2の実施形態としての体感装置
の構成説明図である。
【図9】本発明に係る第3の実施形態としての体感装置
の構成説明図である。
【図10】本発明に係る第4の実施形態としての体感装
置の構成説明図である。
【図11】本発明に係る第5の実施形態としての体感装
置の構成説明図である。
【図12】本発明に係る第5の実施形態としての体感装
置のモーション駆動装置及び座席の斜視図である。
【図13】本発明に係る第6の実施形態としての体感装
置の構成説明図である。
【符号の説明】
1,1a,1b,1e…観視者、10,10c,10
d,10e…透過スクリーン、11…光透過層、12…
光拡散層、14,14c…反射鏡、15,15e…映写
機、16…映像源、17…映像表示面、18…投写レン
ズ、19,19a,19b,19c,19d…外枠、2
0…座席、20e…ハンググライダー、22,22d,
22e…モーション駆動装置、23,23c…モーショ
ン制御装置、23d,23e…油圧シリンダ、24d,
24e…油圧回路、25,25c…映像制御装置、26
…ハンドル、26d…操作レバー、26e…コントロー
ルバー、27…シフトレバー、27e…ハーネス、28
…アクセルペダル、28e…セール、29…ブレーキペ
ダル、30…チャンバー、31…成形空間、33…通気
孔、35…ヒータ、36…シート固定治具、37…押え
治具、40…金型、45…光透過層形成シート、55…
光拡散層成形シート、66…動作床板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大石 哲 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所マルチメディアシステム 開発本部内

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】映像を写し出す映写機であって、 映像が表示される映像表示面を有する映像源と、 前記映像表示面に写し出された映像を拡大結像させる投
    写レンズと、を備え、 前記映写機が映し出す最適像面が映写機側に凸形状であ
    るようにされていることを特徴とする映写機。
  2. 【請求項2】前記映像源の前記映像表示面の曲率をH、
    前記投写レンズが平面に投写する映像表示面の曲率を
    L、前記映写機の映し出す最適像面の曲率をSとした場
    合、 S=A×(H−L) 但し、H>L、Aは0.50〜0.78の範囲内の定数 の関係が成立することを特徴とする請求項1に記載の映
    写機。
  3. 【請求項3】映像が表示される映像表示面を有する映像
    源、及び該映像表示面に写し出された映像を拡大結像さ
    せる投写レンズを備え、映し出す最適像面が映写機側に
    凸形状となる映写機と、 前記映写機側に向かって凸形状とされ、該映写機からの
    映像が結像されるスクリーンと、 を備えていることを特徴とする投写装置。
  4. 【請求項4】前記映像源の前記映像表示面の曲率をH、
    前記投写レンズが平面に投写する映像表示面の曲率を
    L、前記映写機の映し出す最適像面の曲率をSとした場
    合、 S=A×(H−L) 但し、H>L、Aは0.50〜0.78の範囲内の定数 の関係が成立することを特徴とする請求項3に記載の投
    写装置。
  5. 【請求項5】映像が表示される映像表示面を有する映像
    源、及び該映像表示面に写し出された映像を拡大結像さ
    せる投写レンズを備え、映し出す最適像面が映写機側に
    凸形状となる映写機と、 数学的に連続した略球面形状、又は該略球面形状の一部
    の面形状であって、前記映写機側に向かって凸状を成
    し、該映写機からの映像が結像される透過スクリーン
    と、 を備え、 前記透過スクリーンの凹面側の空間中に観視者位置が定
    められていることを特徴とする投写装置。
  6. 【請求項6】前記透過スクリーンは、前記観視者位置を
    原点として、3次元空間内の少なくとも一つの平面内に
    おいて180°以上に展開されていることを特徴とをす
    る請求項5に記載の投写装置。
  7. 【請求項7】映像が表示される映像表示面を有する映像
    源、及び該映像表示面に写し出された映像を拡大結像さ
    せる投写レンズを備えた映写機と、 数学的に連続した略球面形状、又は該略球面形状の一部
    の面形状であって、前記映写機側に向かって凸状を成
    し、該映写機からの映像が結像される透過スクリーン
    と、 を備え、 前記透過スクリーンの凹面側の空間中に観視者位置が定
    められ、 前記透過スクリーンは、前記観視者位置を原点として、
    3次元空間内の少なくとも一つの平面内において180
    °以上に展開されていることを特徴とする投写装置。
  8. 【請求項8】前記映像源の前記映像表示面の曲率をH、
    前記投写レンズが平面に投写する映像表示面の曲率を
    L、前記映写機の映し出す最適像面の曲率をSとした場
    合、 S=A×(H−L) 但し、H>L、Aは0.50〜0.78の範囲内の定数 の関係が成立することを特徴とする請求項5から7のい
    ずれか一項に記載の投写装置。
  9. 【請求項9】前記映写機を複数備え、 前記複数の映写機は、それぞれが分担する各映像が前記
    透過スクリーン上において隙間なく連続するよう配され
    ていることを特徴とする請求項5から8のいずれか一項
    に記載の投写装置。
  10. 【請求項10】前記透過スクリーンは、数学的に連続し
    た略球面形状、又は該略球面形状の一部の面形状の光透
    過層と、該光透過層の表面であって該光透過層を中心と
    して前記観視者位置と反対側の表面に形成されている光
    拡散層と、を有していることを特徴とする請求項5から
    9のいずれか一項に記載の投写装置。
  11. 【請求項11】前記光透過層は、有色透明な材料で形成
    されていることを特徴とする請求項9に記載の投写装
    置。
  12. 【請求項12】前記映写機と前記透過スクリーンとの間
    の映像光路中に反射鏡が配されていることを特徴とする
    請求項5から11のいずれか一項に記載の投写装置。
  13. 【請求項13】前記映写機の映像光路の光軸と前記透過
    スクリーンとの交点において、該透過スクリーンに接す
    る仮想平面に対し、前記映写機の一部又は全部が、前記
    観視者位置側に位置していることを特徴とする請求項1
    2に記載の投写装置。
  14. 【請求項14】前記透過スクリーンと前記映写機とを覆
    い、該透過スクリーンに外光が至るのを遮る外枠を備え
    ている請求項5から13のいずれか一項に記載の投写装
    置。
  15. 【請求項15】前記外枠と前記透過スクリーンとの間で
    あって、前記映写機の映像光路を遮らない位置に、前記
    観視者位置に位置することになる観視者とは別の観視者
    が存在し得るスペースが確保されていることを特徴とす
    る請求項14に記載の投写装置。
  16. 【請求項16】映像が表示される映像表示面を有する映
    像源、及び該映像表示面に写し出された映像を拡大結像
    させる投写レンズを備え、映し出す最適像面が映写機側
    に凸形状となる映写機と、 数学的に連続した略球面形状、又は該略球面形状の一部
    の面形状であって、前記映写機側に向かって凸状を成
    し、前記映写機からの映像が結像される透過スクリーン
    と、 前記透過スクリーンの凹面側の空間中に、観視者が座る
    座席と、 前記座席を変位させるモーション駆動装置と、 モーション駆動装置の動作を制御するモーション制御装
    置と、 前記映写機が映し出す映像を制御すると共に、該映像の
    変化に伴って前記座席を変位させるよう前記モーション
    駆動装置に対して指示する映像制御装置と、 を備えていることを特徴とする体感装置。
  17. 【請求項17】前記映像制御装置は、観視者が操作する
    操作手段を有し、該操作手段の操作量に応じて前記映写
    機が映し出す映像を変化させると共に、該映像の変化に
    伴って前記座席を変位させるよう前記モーション駆動装
    置に対して指示することを特徴とする請求項16に記載
    の体感装置。
  18. 【請求項18】映像が表示される映像表示面を有する映
    像源、及び該映像表示面に写し出された映像を拡大結像
    させる投写レンズを備え、映し出す最適像面が映写機側
    に凸形状となる映写機と、 数学的に連続した略球面形状、又は該略球面形状の一部
    の面形状であって、前記映写機側に向かって凸状を成
    し、前記映写機からの映像が結像される透過スクリーン
    と、 前記透過スクリーンの凹面側の空間中に、観視者が座る
    座席と、 前記観視者が操作する操作部と、 前記操作部の操作量に応じて、前記映写機が映し出す映
    像を変化させる映像制御装置と、 を備えていることを特徴とする体感装置。
  19. 【請求項19】前記映像源の前記映像表示面の曲率を
    H、前記投写レンズが平面に投写する映像表示面の曲率
    をL、前記映写機の映し出す最適像面の曲率をSとした
    場合、 S=A×(H−L) 但し、H>L、Aは0.50〜0.78の範囲内の定数 の関係が成立することを特徴とする請求項16から18
    のいずれか一項に記載の体感装置。
  20. 【請求項20】一方の表面が凸面形状で反対側の他方の
    表面が凹面形状である光透過層と、該光透過層の凸面形
    状側の表面に形成されている光拡散層と、を有している
    透過スクリーンの製造方法であって、 透明な部材で前記光透過層を形成する光透過層形成工程
    と、 光拡散剤を含む透明な熱可塑性樹脂シートを温めて柔ら
    かくし、柔らかくなった該熱可塑性樹脂シートに前記光
    透過層の凸面形状側の表面を押し付けて、該光透過層に
    該熱可塑性樹脂シートを密着させ、前記光拡散層を形成
    する光拡散層形成工程と、 を有することを特徴とする透過スクリーンの製造方法。
  21. 【請求項21】前記光拡散層形成工程では、前記熱可塑
    性樹脂シートを前記光透過層に押し付ける前に、該熱可
    塑性樹脂シートと該光透過層とのうち少なくとも一方に
    透明な接着剤を施すことを特徴とする請求項20に記載
    の透過スクリーンの製造方法。
  22. 【請求項22】前記光拡散層形成工程では、前記熱可塑
    性樹脂シートを前記光透過層に押し付ける過程で、該熱
    可塑性樹脂シートを中心として該光透過層と反対側の雰
    囲気の圧力を高めると共に、該熱可塑性樹脂シートと該
    光透過層との間のガスを抜くことを特徴とする請求項2
    0及び21のいずれか一項に記載の透過スクリーンの製
    造方法。
  23. 【請求項23】一方の表面が凸面形状で反対側の他方の
    表面が凹面形状である光透過層と、該光透過層の凸面形
    状側の表面に形成されている光拡散層と、を有している
    透過スクリーンの製造方法であって、 透明な部材で前記光透過層を形成する光透過層形成工程
    と、 光拡散剤を含む透明な塗料を、前記光透過層の凸面形状
    側の表面に塗布して前記光拡散層を形成する光拡散層形
    成工程と、 を有することを特徴とする透過スクリーンの製造方法。
  24. 【請求項24】前記光透過層形成工程では、透明な熱可
    塑性樹脂シートを温めて柔らかくし、柔らかくなった該
    熱可塑性樹脂シートに凸面形状の金型を押し付け、該金
    型に該熱可塑性樹脂シートを密着させて、前記光透過層
    を形成することを特徴とする請求項20から23のいず
    れか一項に記載の透過スクリーンの製造方法。
JP27860797A 1996-10-21 1997-10-13 映写機、投写装置、体感装置及び透過スクリーンの製造方法 Pending JPH1184312A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27860797A JPH1184312A (ja) 1996-10-21 1997-10-13 映写機、投写装置、体感装置及び透過スクリーンの製造方法

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27770396 1996-10-21
JP8-277703 1996-10-21
JP9-181188 1997-07-07
JP18118897 1997-07-07
JP27860797A JPH1184312A (ja) 1996-10-21 1997-10-13 映写機、投写装置、体感装置及び透過スクリーンの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1184312A true JPH1184312A (ja) 1999-03-26

Family

ID=27324971

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27860797A Pending JPH1184312A (ja) 1996-10-21 1997-10-13 映写機、投写装置、体感装置及び透過スクリーンの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1184312A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003522977A (ja) * 2000-02-08 2003-07-29 エリュメンス・コーポレイション ビジュアルワークステーション、ビジュアル表示システムおよび画像表示方法
CN101852980A (zh) * 2010-06-09 2010-10-06 长春理工大学 一种在cave投影系统上交互式播放全景视频流的方法
KR101076263B1 (ko) 2010-03-29 2011-10-26 동서대학교산학협력단 체감형 시뮬레이터 기반의 대규모 인터랙티브 게임 시스템 및 그 방법
JP2013076730A (ja) * 2011-09-29 2013-04-25 Dainippon Printing Co Ltd 光制御シート、これを備えた透過型スクリーンおよび背面投射型表示装置、ならびに透過型スクリーンの製造方法
JP2013160951A (ja) * 2012-02-06 2013-08-19 Dainippon Printing Co Ltd 光制御シート、これを備えた透過型スクリーン、および背面投射型表示装置
JP2013539078A (ja) * 2010-10-01 2013-10-17 バルコ エヌ.ブイ. 湾曲型後面投射スクリーン
JP2015059969A (ja) * 2013-09-17 2015-03-30 株式会社Jvcケンウッド 画像表示装置
JP2015087421A (ja) * 2013-10-28 2015-05-07 株式会社Jvcケンウッド 透過型スクリーン及びそれを用いた画像表示装置
JP2017527142A (ja) * 2014-06-04 2017-09-14 ユニバーサル シティ スタジオズ リミテッド ライアビリティ カンパニー 没入型窓効果のためのディスプレイ
US10288995B2 (en) 2017-06-15 2019-05-14 Esterline Belgium Bvba Aspherical dome display and method of rear projection

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003522977A (ja) * 2000-02-08 2003-07-29 エリュメンス・コーポレイション ビジュアルワークステーション、ビジュアル表示システムおよび画像表示方法
KR101076263B1 (ko) 2010-03-29 2011-10-26 동서대학교산학협력단 체감형 시뮬레이터 기반의 대규모 인터랙티브 게임 시스템 및 그 방법
CN101852980A (zh) * 2010-06-09 2010-10-06 长春理工大学 一种在cave投影系统上交互式播放全景视频流的方法
JP2015143872A (ja) * 2010-10-01 2015-08-06 バルコ エヌ.ブイ. 湾曲型後面投射スクリーン
US9513541B2 (en) 2010-10-01 2016-12-06 Barco N.V. Curved back-projection screen
JP2013539078A (ja) * 2010-10-01 2013-10-17 バルコ エヌ.ブイ. 湾曲型後面投射スクリーン
JP2013076730A (ja) * 2011-09-29 2013-04-25 Dainippon Printing Co Ltd 光制御シート、これを備えた透過型スクリーンおよび背面投射型表示装置、ならびに透過型スクリーンの製造方法
JP2013160951A (ja) * 2012-02-06 2013-08-19 Dainippon Printing Co Ltd 光制御シート、これを備えた透過型スクリーン、および背面投射型表示装置
JP2015059969A (ja) * 2013-09-17 2015-03-30 株式会社Jvcケンウッド 画像表示装置
JP2015087421A (ja) * 2013-10-28 2015-05-07 株式会社Jvcケンウッド 透過型スクリーン及びそれを用いた画像表示装置
JP2017527142A (ja) * 2014-06-04 2017-09-14 ユニバーサル シティ スタジオズ リミテッド ライアビリティ カンパニー 没入型窓効果のためのディスプレイ
US10288995B2 (en) 2017-06-15 2019-05-14 Esterline Belgium Bvba Aspherical dome display and method of rear projection
JP2020524312A (ja) * 2017-06-15 2020-08-13 サイオテック・ベスローテン・フエンノートシャップ・メット・ベペルクテ・アーンスプラーケレイクヘイトScioteq Bvba 非球面ドームディスプレイおよび背面投影方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7212616B2 (ja) 頭部搭載型ディスプレイシステムのためのマルチ解像度ディスプレイ
US6201516B1 (en) Projector, projecting system, system for sensation and method of manufacturing translucent screen
TWI461735B (zh) 顯示裝置
EP0640859B1 (en) Image display unit
US5257130A (en) Apparatus and method for creating a real image illusion
US6176584B1 (en) Curved surface, real image dome display system, using laser-based rear projection
JPH08271979A (ja) 背面投写型マルチスクリーンディスプレイ装置およびそれを用いたディスプレイシステム
US6535182B2 (en) Head-mounted projection display system
US8724226B2 (en) Head-up display system
JP2022525862A (ja) 車両拡張のためのライトフィールドディスプレイシステム
US20060109200A1 (en) Rotating cylinder multi-program and auto-stereoscopic 3D display and camera
KR20070111495A (ko) 준 3차원 화상을 생성하는 디스플레이 장치
CA2253482A1 (en) Multiple viewer system for displaying a plurality of images
JPH1184312A (ja) 映写機、投写装置、体感装置及び透過スクリーンの製造方法
JPH0764042A (ja) 超広角液晶プロジェクタシステム
JP2004126226A (ja) ヘッドアップディスプレイ
US11425343B2 (en) Display systems, projection units and methods for presenting three-dimensional images
US5833340A (en) Sensory integration system and image display device and concave mirror for use in the same system
JP3393244B2 (ja) 画像表示装置
JP2005067555A (ja) 映像表示システムおよび方法
KR20220133219A (ko) 렌즈형 디스플레이 시스템 및 방법
JP4814606B2 (ja) 立体映像表示装置
JP2006276292A (ja) 映像表示システム
JPH08129341A (ja) 知覚統合化システム、それに用いる画像表示装置及び凹面鏡
JPH0981025A (ja) 投写装置及び凹面鏡を備えた画像表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Effective date: 20040601

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02