JP2006276292A - 映像表示システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 大型のスクリーンを用いて広視野の映像を表示する場合に、簡単な構成で特定の人物のみに鮮明な映像を提示する。
【解決手段】 所定の画角の映像光を出射するプロジェクタ3を有し、ハーフミラー4の光反射面4aに対して所定の入射角度で映像光を入射させ、ハーフミラー4を、予め設定された体験者に映像の視認を可能とさせる映像体験領域に体験者の眼位置が存在する場合に、当該体験者の顔面と正対し、光反射面4aで映像光L1を反射して、スクリーン5に投影された映像光L2を体験者側に透過させるものとする。映像体験領域に体験者の眼位置が存在する場合の体験者のスクリーン5に対する視野と、ハーフミラー4からスクリーン5に投影した映像光とを重畳させるように、ハーフミラーの光反射面4aの曲率、所定の画角及び所定の入射角度が設定されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば体験者の各種疑似体験を行わせるために、大型スクリーンに映像を投影することによって当該大型スクリーンに映像を表示する映像表示システムに関する。
従来より、広視野角の映像を提示する技術としては、下記の特許文献1に記載されているような広視野角ヘッドマウントディスプレイ装置が知られている。
この広視野角ヘッドマウントディスプレイ装置は、LCDで画像を表示し、レンズを介して画像光を凸面鏡及び凹面鏡で反射させて、画像光を眼の網膜に直接投影している。これにより、広視野角ヘッドマウントディスプレイ装置では、レンズを介して凸面鏡で反射させ、当該反射した画像光を広視野角に対応可能な凹面鏡に入射して、当該入射光の凹面鏡での反射光束の虚像が所定観測瞳位置で観測され、小型の装置で広視野角を実現できるとしている。
特開2004−94005号公報
しかしながら、上述した従来の広視野角ヘッドマウントディスプレイ装置においてLCDの画像光を凸面鏡及び凹面鏡で広視野角に対応した画像光とする技術を、大型のスクリーンに映像を投影する技術に転用しようとしても、上述の凹面鏡のように表面が鏡面となっていない大型スクリーンでは、体験者に映像光を集中させることができず、体験者に映像を体験させることができない。
そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、大型のスクリーンを用いて広視野の映像を表示する場合に、簡単な構成で特定の人物のみに鮮明な映像を提示することができる映像表示システムを提供することを目的とする。
本発明は、体験者の視線方向に大型のスクリーンを配置して、当該スクリーンに映像を表示する映像表示システムであって、所定の画角の映像光を出射する映像光出射部を有し、前記ハーフミラーの光入射面に対して所定の入射角度で前記映像光を入射させる光学系を備え、ハーフミラーを、予め設定された前記体験者に映像の視認を可能とさせる映像体験領域に体験者の眼位置が存在する場合に、当該体験者の顔面と正対し、凸状の非平面とされた光入射面と当該光入射面で反射して前記スクリーンに投影されて光入射面を透過した映像光を体験者側に透過させるものとする。
この映像表示システムにおいて、映像体験領域に前記体験者の眼位置が存在する場合の体験者のスクリーンに対する視野と、ハーフミラーからスクリーンに投影した映像光とを重畳させるように、ハーフミラーの凸状の非平面の曲率、前記所定の画角及び前記所定の入射角度が設定されている。
本発明を適用した映像表示システムによれば、スクリーン上に、映像光出射部から出射したハーフミラーの凸面で拡大した映像を投影して、スクリーンに投影した映像光を、凹面で透過して映像体験領域に導くことができるので、スクリーンに対する投影角を凸面の湾曲具合で調整でき、一方で、体験者の視野角を凹状の湾曲具合で調整することができ、大型のスクリーンを用いても広視野の映像を表示する場合に、簡単な構成で特定の人物のみに鮮明な映像を提示することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
本発明は、プロジェクタ等の映像出射部から、大型のスクリーンに映像光を投影し、当該スクリーンを視認させることによって、特定の体験者のみに各種映像を提示させる映像表示システムに適用される。
[第1実施形態]
本発明を適用した第1実施形態に係る映像表示システムは、図1に示すように、取付部材1、光学系設置部2、映像表示のための光学系であるプロジェクタ3、ハーフミラー4及び大型のスクリーン5を備えて構成されている。この映像表示システムは、例えばマンションの間取りを仮想的に体験させるための映像を、体験者の視線方向に配設されたスクリーン5に表示する仮想体験システム等に適用される。
この映像表示システムは、予め設定された体験者に映像の視認を可能とさせる映像体験領域からハーフミラー4を通過した位置に、所定の映像表示空間である壁面を大きく覆うようにスクリーン5を配設する。これにより、体験者の眼位置が予め設定しておいた映像体験領域に含まれた場合に、体験者の視野範囲の多くを映像で覆うような映像を表示する。なお、映像体験領域の側面や背面からの映り込み防止させる場合には、映像体験領域周囲を暗幕等で覆うことが望ましい。
また、映像表示システムは、例えば天井面に取付部材1が設けられ、当該取付部材1につり下げられる形で光学系設置部2が配設されている。この光学系設置部2は、例えば人物の頭部高さ程度に配設される。
この光学系設置部2の下面には、体験者の映像体験領域の目前に垂直方向にハーフミラー4が設けられると共に、所定の画角で出射された映像光L1がハーフミラー4の光入射面に向かうようにプロジェクタ3が配設されている。
プロジェクタ3は、映像生成処理部6が接続され、当該映像生成処理部6からスクリーン5に表示される映像データが供給される。プロジェクタ3は、例えば小型のDLP(Degital Light Processing)プロジェクタで構成される。このプロジェクタ3は、例えばHD解像度の映像(横1280ドット×縦720ドット、16:9)程度の映像光を出射する。
このプロジェクタ3は、通常、光出射口に対して上方向を光軸とした映像光L1を出射するように設計されているので、映像光L1が下方向に向かうような光軸とするように筐体上下面を逆転させて配設されている。これにより、プロジェクタ3は、映像光L1を所定の入射角度で確実にハーフミラー4に入射させる。なお、ハーフミラー4で反射した映像光L2の一部がプロジェクタ3等に遮断される映像のケラレが生じる場合には、当該ケラレを回避するようにプロジェクタ3本体を傾けて配置しても良い。
ハーフミラー4は、所定の体験者の映像体験領域からスクリーン5を視認した場合に、当該体験者のスクリーン5に対する視野を含む面積を有する。このハーフミラー4は、薄いガラス或いは透明プラスチックス部材に金属コーティングを施して作成することができる。鮮明な映像を体験者に視認させるためには、コーティング面側を、スクリーン側に向けた反射面とすることが望ましい。
このようなハーフミラー4は、凸面非平面の光反射面4aと、光透過面4bとを有する。このハーフミラー4は、全面に亘って均一の厚みで形成されている。これにより、ハーフミラー4は、双曲線面形の一部分に相当する形状とされる。ここで、ハーフミラー4の部材としてプラスチックを使用した場合は、外圧によってハーフミラー各部の曲率を微調整して、映像体験領域の位置や、視野角等の微調整も可能となる。
そして、このハーフミラー4は、双曲線面形の軸を水平にして、光透過面4bが映像体験領域側となり、凸状非平面の光反射面4aがプロジェクタ3及び大型のスクリーン5側となるように光学系設置部2に取り付けられる。このようなハーフミラー4は、映像体験領域に体験者の眼位置が存在する場合に、当該体験者の顔面とほぼ正対し、光反射面4aが光入射面となり、映像光L2を大型のスクリーン5側に垂直方向に拡大させて反射する。これにより、ハーフミラー4から大型のスクリーン5に、プロジェクタ3の下辺位置から床面に至るまでの広視野角の映像を投影することができる。そして、ハーフミラー4は、大型のスクリーン5に投影した映像光を光反射面4aで入射すると、当該映像光を光透過面4bを介して映像体験領域に透過させる。
ここで、プロジェクタ3及びハーフミラー4は、ハーフミラー4で映像光L1を反射した映像光L2がスクリーン5の投影面全体に亘って投影されるように、プロジェクタ3の映像光L1の光軸及び画角に基づいて、プロジェクタ3の光出射口とハーフミラー4との距離、光反射面4aの曲率が設定されている。具体的には、ハーフミラー4は、光学系設置部2に対して上方部分の曲率が高く、光学系設置部2から離れた下方に向かうに従い曲率が低くなる光反射面4aとなっている。
また、プロジェクタ3及びハーフミラー4は、ハーフミラー4を透過した映像光L1が体験者の映像体験領域に重ならないように、プロジェクタ3の映像光L1の光軸及び画角に基づいて、プロジェクタ3の光出射口とハーフミラー4との距離が設定されている。
更に、プロジェクタ3及びハーフミラー4は、スクリーン5に投影された映像を体験者に視認させるために、位置関係が設定されている。すなわち、この映像表示システムは、映像体験領域に体験者の眼位置が存在する場合の体験者のスクリーン5に対する視野と、ハーフミラー4の光透過面4bで透過させる映像光L2とを重畳させるように、ハーフミラー4に入射する映像光L1の所定の画角又はハーフミラー4に入射する映像光L1の所定の入射角度、光反射面4aの湾曲具合が設定されている。
このような映像表示システムにおいて、プロジェクタ3からの映像光L1は、ハーフミラー4で拡大された映像光L2となり、スクリーン5側に反射される。これにより、映像光L2は、垂直方向に拡大された映像光となって、スクリーン5に投影される。そして、スクリーン5に入射された映像光L2は、ハーフミラー4の光透過面4bで体験者の視野角と重畳させる広がり角とさせて、体験者に視認させる。
このような第1実施形態に係る映像表示システムによれば、大型のスクリーン5上に、プロジェクタ3から出射したハーフミラー4の光反射面4aで拡大した映像を投影して、スクリーン5に投影した映像光を、光透過面4bで透過して映像体験領域に導くことができる。したがって、この映像表示システムによれば、スクリーン5に対する投影角を光反射面4aの湾曲具合で調整でき、大型のスクリーン5を用いても広視野の映像を表示する場合に、簡単な構成で特定の人物のみに鮮明な映像を提示することができる。一方で、光反射面4aの湾曲具合とは別に、光透過面4bの凹状の湾曲具合を調整して体験者の視野角を調整することができ、これにより、体験者の視野角を調整する自由度が高まる。
また、この映像表示システムは、水平画角の広いホームシアター用プロジェクタを用いても、プロジェクタ3側の光反射面4aを湾曲させて垂直方向に映像光を拡大させることができるので、平面の反射面で構成されたプリズムやビームスプリッター等の光学部品を使用する場合に比べて小型化できるため、簡単且つ低コストで臨場感のある映像を提示することができる。
これに対し、例えば、ハーフミラー4として平面型を使用した場合には、プロジェクタ3から出射される映像光L1の投影角を広角とする必要があり、大型のハーフミラー4が必要となるが、非平面のハーフミラー4を使用することによって、プロジェクタ3の投影角が狭くても拡大した映像光L2をスクリーン5に投影して、体験者に視認させることができる。
なお、この第1実施形態において、スクリーン5は、映像光の入射角に拘わらず映像光入射方向に反射する鋭い指向性を有する材料(再帰性反射素材)を表面に形成させて、上述の映像表示システムを構成しても良い。すなわち、再帰性反射型のスクリーン5は、ハーフミラー4からの映像光を、当該ハーフミラー4に向かって効率的に再帰性反射して、体験者側に反射する映像光の輝度低下を抑制させる。これにより、プロジェクタ3から出射する映像光の輝度を低下させても、鮮明な映像を体験者に視認させると共に、プロジェクタ3の低コスト化、小型化、省電力化を実現できる。
[第2実施形態]
つぎに、本発明を適用した第2実施形態に係る映像表示システムについて説明する。なお、上述の第1実施形態と同様の部分については、同一符号を付することによって、その詳細な説明を省略する。
この映像表示システムは、図2に示すように、ハーフミラー4として、略双曲線形のものを使用した点で、第1実施形態に係る映像表示システムとは異なる。ここで、略双曲線形と記載しているのは、ハーフミラー4の面が双方ともに円状ではなくても良いことを示している。また、映像表示システムは、映像生成処理部6に代えて、例えばマンション間取りの3次元データを記憶したディスクDを再生するディスク再生装置11を設けている。
この略双曲線形のハーフミラー4は、第1実施形態と同様に、プロジェクタ3及びスクリーン5側が凸面となっており、映像体験領域側が凸面となっている。このハーフミラー4は、第1実施形態のように、垂直方向のみならず、水平方向についても非平面となっている。このハーフミラー4は、光反射面4aの水平方向の曲率が、スクリーン5への映像光の拡大度合いによって設計されている。換言すれば、プロジェクタ3からの映像光の水平方向の拡大倍率及び映像光の垂直方向の拡大倍率に応じて、光反射面4aの水平方向及び垂直方向の曲率が設定されている。
このような映像表示システムは、プロジェクタ3からの映像光L1を受光すると、ハーフミラー4により、映像光L1を垂直方向及び水平方向に拡大させて映像光L2としてスクリーン5に投影して、スクリーン5に拡大した映像光L2を投影する。そして、スクリーン5に投影された映像光をハーフミラー4で受光すると、光透過面4bを介して映像体験領域に透過することができる。
このように、第2実施形態に係る映像表示システムによれば、略双曲線面形のハーフミラー4という簡単な形状のものを使用することにより、体験者の視野角を特定方向に拡大することが可能となるため、プロジェクタ3からの映像光L1に対して、当該プロジェクタ3や光学系によって影を生じない領域を拡大させることができる。
ここで、プロジェクタ3から出射される映像光は、一般的に、長方形を底とする四角錐となってハーフミラー4に入射されるが、ハーフミラー4の軸方向を映像光の縦方向又は横方向に合わせて構成することにより、スクリーン5に投影する映像光を縦方向及び横方向のそれぞれに任意の倍率で拡大することができる。
逆に、プロジェクタ3等の光出射手段から出射する映像光の投影角を特定方向に狭くしておいても、ハーフミラー4の横方向又は縦方向の曲率を設計することにより、プロジェクタ3の投影角に限定されず、任意の倍率に拡大した映像光をスクリーン5に投影させ、映像体験領域で視認可能な状態とすることができ、体験者の視野角とハーフミラー4からスクリーン5に投影する映像光の広がり角とを共役した関係とすることもできる。
また、この第2実施形態では、略双曲線面形を用いた場合について説明したが、ハーフミラー4を回転双曲面形としても、上述と同様の効果をえることができ、更には、体験者の視野角とハーフミラー4からスクリーン5に投影する映像光の広がり角とを共役した関係とすることができ、光学的に体験者の視点位置と共役する位置からスクリーン5に映像光を投影することができる。
[第3実施形態]
つぎに、本発明を適用した第3実施形態に係る映像表示システムについて説明する。なお、上述の実施形態と同様の部分については、同一符号を付することによって、その詳細な説明を省略する。
第3実施形態に係る映像表示システムは、図3に示すように、プロジェクタ3の出射方向を体験者とは反対側とし、当該プロジェクタ3の出射方向に映像光L1を水平方向に拡大する双曲線面形ミラー21を設けて、当該双曲線面形ミラー21で反射させた映像光L11を双曲線面形のハーフミラー4で反射して映像光L2をスクリーン5に投影させるものである。
この映像表示システムにおいて、双曲線面形ミラー21は、ハーフミラー4の映像拡大方向と直交する方向に映像を拡大させるようになっており、ハーフミラー4が垂直方向に大きく映像光を拡大させるように設計されている場合には、双曲線面形ミラー21によって水平方向に大きく映像光を拡大させるようにしても良い。逆に、ハーフミラー4が水平方向に大きく映像光を拡大させるように設計されている場合には、双曲線面形ミラー21によって垂直方向に大きく映像光を拡大させるようにしても良い。
このように映像表示システムは、双曲線面形ミラー21及びハーフミラー4の位置関係及び曲率を最適化することにより、垂直方向及び水平方向の双方において独立して任意の倍率で映像光を拡大させて、体験者の視野角と共役な関係となる映像光L2をスクリーン5に投影させることができる。
[第4実施形態]
つぎに、本発明を適用した第4実施形態に係る映像表示システムについて説明する。なお、上述の実施形態と同様の部分については、同一符号を付することによって、その詳細な説明を省略する。
第4実施形態に係る映像表示システムは、図4に概略側面図、図5に概略上面図を示すように、両眼の体験者の視差を利用して3次元映像を提示するために、右眼用のプロジェクタから出射する映像光の光軸と左眼用のプロジェクタから出射する映像光の光軸とを両眼視差に相当する距離だけ離間して構成して、立体映像を表示することを特徴とする。そして、この映像表示システムは、右眼用映像光と左眼用映像光とを重畳させてハーフミラー4の光入射面に投影させて、立体画像をスクリーン5に表示させる。
この映像表示システムは、図4に示すように、上下方向において左眼用プロジェクタ3Aの光出射口と、右眼用プロジェクタ3Bの光出射口とを対向させ、且つ左眼用プロジェクタ3A及び右眼用プロジェクタ3Bの上下面を逆転させて光学系設置部2に設置している。また、ハーフミラー4は、非平面、略双曲線面形又は略回転双曲線面形で構成され、左眼用プロジェクタ3A及び右眼用プロジェクタ3Bからの映像光が入射される位置であって、第1実施形態と同様に、体験者の顔面に正対して設けられている。
このような映像表示システムは、図5に上から見た様子を示すように、左右方向において左眼用プロジェクタ3Aの光出射口と、右眼用プロジェクタ3Bの光出射口との距離が体験者の両眼視差距離、すなわち両眼距離に相当する距離に配設されている。
また、映像表示システムは、図4に示すように、右眼用プロジェクタ3Bから投影された右眼用映像光L23の光軸上に設けられ、当該右眼用映像光L23をハーフミラー4側に反射させて進行方向を反転させるミラー31が光学系設置部2に設置されている。
このような映像表示システムにおいて、左眼用プロジェクタ3Aから出射された左眼用映像光L21は、ハーフミラー4で一部が反射して、左眼用映像光L22としてスクリーン5に投影される。ここで、図4に示すように、左眼用プロジェクタ3Aの光出射角度が下方向となっているので、左眼用映像光L21が右眼用プロジェクタ3B等で遮断されることなくハーフミラー4に左眼用映像光L21を導いている。
左眼用映像光L22の光軸は、左眼用プロジェクタ3Aとハーフミラー4の設置位置の調整、ハーフミラー4の光入射面の曲率調整によって、体験者の左眼が映像体験領域に含まれる場合の視野中心となっている。したがって、左眼用映像光L22と体験者の左眼の視野とは、光学的に共役な関係となっている。
また、右眼用プロジェクタ3Bから出射された右眼用映像光L23は、ミラー31で反射され、右眼用映像光L24としてハーフミラー4で一部が反射して、右眼用映像光L25としてスクリーン5に投影される。ここで、右眼用映像光L24の光軸は、右眼用プロジェクタ3Bとハーフミラー4との設置位置の調整、ハーフミラー4の光入射面の曲率調整によって、体験者の右眼が映像体験領域に含まれる場合の右眼の視野中心となっている。したがって、右眼用映像光L24と体験者の右眼の視野とは、光学的に共役な関係となっている。
これにより、体験者の両眼が映像体験領域に含まれる場合に、スクリーン5に投影した左眼用映像光L22は、体験者の左眼で視認され、スクリーン5に投影した右眼用映像光L25は、体験者の右眼で視認されることになり、両眼の視差によって3次元映像を提示することができる。
このような映像表示システムによれば、左右方向において左眼用プロジェクタ3Aと右眼用プロジェクタ3Bとを体験者の両眼間隔だけ離間して配置することによって、大型のスクリーン5を用いて広視野の立体映像を表示する場合に、簡単且つ低コストな構成で特定の人物のみに鮮明な映像を提示することができる。
また、この映像表示システムによれば、偏光メガネ等を体験者に装着させることなく、映像体験領域に眼位置を含ませるように自然に頭部移動を促すのみで立体映像を視認させることができる。
更に、この映像表示システムにおいて、図5に示すように、スクリーン5には、右眼視野と左眼視野とが重複する部分に左右映像分離部5aを設けても良い。これにより、映像体験領域から体験者がスクリーン5に向かって視認した場合に、右眼用映像光と左眼用映像光とを確実に干渉せずに視認させることができる。
[第5実施形態]
つぎに、本発明を適用した第5実施形態に係る映像表示システムについて説明する。なお、上述の実施形態と同様の部分については、同一符号を付することによって、その詳細な説明を省略する。
第5実施形態に係る映像表示システムは、図6に概略側面図、図7に概略上面図を示すように、ハーフミラー4のスクリーン5側に、シャッター機構41を配設して、体験者の左右の眼のそれぞれに対応する映像を分離して表示させて、両眼視差を利用した立体視を行うものである。
このシャッター機構41は、図6に示すように、スクリーン5に投影する映像光がハーフミラー4に入射される面積を有している。また、シャッター機構41は、図7に示すように、水平方向において、右眼用のシャッター部41Rと左眼用のシャッター部41Lとに分割して構成されている。そして、このシャッター機構41は、図示しないシャッタ駆動回路からの駆動信号によって、シャッター部41Rとシャッター部41Lとが交互にオンオフ(開閉)駆動される。これにより、シャッター機構41は、スクリーン5に投影した映像光を左右交互に視認させることができる。
このような映像表示システムによれば、ハーフミラー4が非平面、略双曲線面形又は略回転双曲線面形で構成されていて、当該ハーフミラー4を小型化しても大型のスクリーン5に映像光L2を投影することができ、シャッター機構41もハーフミラー4の面積に合わせて小型化することができる。
したがって、この映像表示システムによれば、高価且つ設置が困難な大型のシャッター機構を使用しなくても、スクリーン5の形状に無関係で歪みの無い両眼立体視を実現できる。
[第6実施形態]
つぎに、本発明を適用した第6実施形態に係る映像表示システムについて説明する。なお、上述の実施形態と同様の部分については、同一符号を付することによって、その詳細な説明を省略する。
第6実施形態に係る映像表示システムは、ハーフミラー4を、波形、又は、複数のハーフミラーを組み合わせて構成したことを特徴とするものである。
先ず、図8及び図9を参照して、プロジェクタ3によって、右眼用映像と左眼用映像とを左右に分割した映像光を出射し、ハーフミラー4が、プロジェクタ3で出射された映像光のうち右眼用映像を反射する右眼用部位と、左眼用映像光を反射する左眼用部位とを有する実施形態について説明する。
この映像表示システムにおけるハーフミラー4は、図8に上面から見た様子を示すように、1枚のハーフミラー4を、右眼用部位4Rと左眼用部位4Lとに略波形で構成したものである。この映像表示システムは、映像体験領域に体験者の両眼が位置してスクリーン5を視認させた場合に、体験者の右眼視野と重なる位置にハーフミラー4の右眼用部位4Rを配置し、体験者の左眼視野と重なる位置にハーフミラー4の左眼用部位4Lを配設している。
また、プロジェクタ3は、右眼用部位4Rに右眼用映像光を投影し、左眼用部位4Lに左眼用映像光を投影するように、右眼用映像と左眼用映像とを左右に並べた単一の映像光を出射する。これにより、右眼用映像光は、右眼用部位4Rで反射されることにより右眼視野と共役な関係となってスクリーン5に投写され、左眼用映像光は、左眼用部位4Lで反射されることにより左眼視野と共役な関係となってスクリーン5に投影される。
このような映像表示システムは、体験者の左右の眼間距離に対応する光学系を設ける代わりに、プロジェクタ3から左右の眼のそれぞれに視認させる映像を並べた映像光を出射させて、右眼用部位4R及び左眼用部位4Lのそれぞれに投影させることにより、ハーフミラー4で左右両眼それぞれの2個の焦点を生成することができる。
したがって、この映像表示システムによれば、単一のプロジェクタ3と、略波形のハーフミラー4の距離を設定することにより、スクリーン5に両眼視差を利用した立体映像を表示させることができ、低コストで広視野の両眼立体視を実現できる。
更に、この映像表示システムは、図9に示すように、水平方向において右眼用部位4R、左眼用部位4Lのそれぞれに曲率を持たした略波形のハーフミラー4を使用しても良い。これにいおり、右眼用映像光及び左眼用映像光のそれぞれを拡大してスクリーン5に投影することができ、映像拡大率も任意に設定することができる。
なお、図8及び図9のように左右両眼に対応した左眼用部位4L、右眼用部位4Rを有したハーフミラー4について説明したが、多視点の映像を投影させる場合には、視点数を増加させるにつれて視点当たりの画像解像度が低下するものの、プロジェクタ3から視点数に応じて分離した映像光を出射させて、当該映像部分ごとに、各視点に応じた角度に変更させたハーフミラー4を用意すればよい。
更にまた、この映像表示システムにおいて、ハーフミラー4を、それぞれ異なる方向に映像光を反射して、スクリーン5に一枚の映像光を投影させる複数の光入射面が接続されてなり、プロジェクタ3によって、複数の光入射面のそれぞれに入射される複数の映像光であって、当該複数の映像光が前記複数の光入射面で反射されてスクリーン5に一枚の映像光を投影させて、更に拡大した映像を表示させても良い。
すなわち、この第6実施形態に係る映像表示システムは、図10に示すように、体験者の各眼ごとに、2枚のハーフミラーを所定角度で接続してハーフミラー4を設けて、当該左側ハーフミラー4Lに対向したプロジェクタ3A、右側ハーフミラー4Rに対向したプロジェクタ3Bをそれぞれ配設しても良い。このような映像表示システムは、右側ハーフミラー4R及び左側ハーフミラー4Lからなるハーフミラー4を映像体験領域のスクリーン5側に配設して、プロジェクタ3Aから左側ハーフミラー4Lに映像光を投射し、プロジェクタ3Bから右側ハーフミラー4Rに映像光を投射させる。これにより、映像表示システムは、ハーフミラー4で反射した映像光の広がり角度と体験者の視野角とを共役な関係にして、立体視を実現することができる。
更にまた、この映像表示システムは、図11に示すように、プロジェクタ3A及びプロジェクタ3Bを体験者の側方に配置して、右側ハーフミラー4R、左側ハーフミラー4Lにそれぞれ映像光を出射させて、それぞれのハーフミラー4R、4Lで反射した映像光の広がり角度と体験者の視野角とを共役な関係にして、立体視を実現させても良く、更には、図12に示すように、右側ハーフミラー4R及び左側ハーフミラー4Lをそれぞれ双曲線形のものにして接続して、当該右側ハーフミラー4R及び左側ハーフミラー4Lと、プロジェクタ3A、3Bとを対向させて、ハーフミラー4で反射した映像光の広がり角度と体験者の視野角とを共役な関係にしても良い。
更にまた、図13に、体験者の背面から映像表示システムを見た様子を示すように、スクリーン5側に向かって突出させるように4枚のハーフミラー4を接続した多面体とし、当該ハーフミラー4のスクリーン5側に、4枚のハーフミラー4のそれぞれに映像光を出射させるプロジェクタ3を配設させても良く、これにより、ハーフミラー4で反射した映像光の広がり角度と体験者の視野角とを共役な関係にしても良い。
なお、上述の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
本発明を適用した第1実施形態に係る映像表示システムの構成を示す側面から見た図である。 本発明を適用した第2実施形態に係る映像表示システムの構成を示す側面から見た図である。 本発明を適用した第3実施形態に係る映像表示システムの構成を示す側面から見た図である。 本発明を適用した第4実施形態に係る映像表示システムの構成を示す側面から見た図である。 本発明を適用した第4実施形態に係る映像表示システムの構成を示す上面から見た図である。 本発明を適用した第5実施形態に係る映像表示システムの構成を示す側面から見た図である。 本発明を適用した第5実施形態に係る映像表示システムの構成を示す上面から見た図である。 本発明を適用した第6実施形態に係る映像表示システムの構成を示す上面から見た図である。 本発明を適用した第6実施形態に係る映像表示システムの他の構成を示す上面から見た図である。 本発明を適用した第6実施形態に係る映像表示システムの他の構成を示す上面から見た図である。 本発明を適用した第6実施形態に係る映像表示システムの他の構成を示す上面から見た図である。 本発明を適用した第6実施形態に係る映像表示システムの他の構成を示す上面から見た図である。 本発明を適用した第6実施形態に係る映像表示システムの他の構成を示す上面から見た図である。
符号の説明
1 取付部材
2 光学系設置部
3 プロジェクタ
4 ハーフミラー
4a 光反射面
4b 光透過面
5 スクリーン
21 双曲線面形ミラー
31 ミラー
41 シャッター機構

Claims (8)

  1. 体験者の視線方向に大型のスクリーンを配置して、当該スクリーンに映像を表示する映像表示システムであって、
    予め設定された前記体験者に映像の視認を可能とさせる映像体験領域に前記体験者の眼位置が存在する場合に、当該体験者の顔面と正対して凸状の非平面とされた光入射面を有し、当該光入射面で映像光を反射して、前記スクリーンに投影された映像光を体験者側に透過させて視認させるハーフミラーと、
    所定の画角の映像光を出射する映像光出射部を有し、前記ハーフミラーの光入射面に対して所定の入射角度で前記映像光を入射させる光学系とを備え、
    前記映像体験領域に前記体験者の眼位置が存在する場合の前記体験者の前記スクリーンに対する視野と、前記ハーフミラーから前記スクリーンに投影した映像光とを重畳させるように、前記ハーフミラーの凸状の非平面の曲率、前記所定の画角及び前記所定の入射角度が設定されていることを特徴とする映像表示システム。
  2. 前記ハーフミラーは略双曲線形に構成され、前記映像光出射部からの映像光の水平方向の拡大倍率及び映像光の垂直方向の拡大倍率に応じて、前記光入射面の水平方向及び垂直方向の曲率が設定されていることを特徴とする請求項1に記載の映像表示システム。
  3. 前記映像光出射部からの映像光を水平方向又は垂直方向の何れか一方の方向に拡大して反射するミラーを更に備え、
    前記ハーフミラーは、前記ミラーにより映像光を拡大させる方向とは異なる方向に拡大するように、当該方向における前記光入射面の曲率が設定されていること
    を特徴とする請求項1に記載の映像表示システム。
  4. 前記映像光出射部は、体験者の右眼で視認させる右眼用映像光及び体験者の左眼で視認させる左眼用映像光を出射し、当該右眼用映像光と左眼用映像光とを重畳させて前記ハーフミラーの光入射面に投影させることを特徴とする請求項1に記載の映像表示システム。
  5. 前記ハーフミラーの光入射面側に、右眼用のシャッター部と左眼用のシャッター部とが交互に開閉駆動されるシャッター機構を配設したことを特徴とする請求項4に記載の映像表示システム。
  6. 前記映像光出射部は、右眼用映像と左眼用映像とを左右に分割した映像光を出射し、
    前記ハーフミラーは、前記映像光出射部で出射された映像光のうち右眼用映像を反射する右眼用部位と、左眼用映像光を反射する左眼用部位とを有することを特徴とする請求項1に記載の映像表示システム。
  7. 前記ハーフミラーが、それぞれ異なる方向に映像光を反射して、前記スクリーンに一枚の映像光を投影させる複数の光入射面が接続されてなり、
    前記映像光出射部は、前記複数の光入射面のそれぞれに入射される複数の映像光であって、当該複数の映像光が前記複数の光入射面で反射されて前記スクリーンに一枚の映像光を投影させること
    を特徴とする請求項1に記載の映像表示システム。
  8. 前記スクリーンが、再帰性反射素材で形成された投影面を備えており、
    前記ハーフミラーは、前記体験者の前記スクリーンに対する視野と、前記スクリーンに投影する映像光とを重畳させて反射して、前記スクリーンからの再帰性反射光を前記映像体験領域に透過させること
    を特徴とする請求項1に記載の映像表示システム。
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