JP2008227834A - 頭部搭載型映像提示装置、頭部搭載型撮影装置、及び頭部搭載型映像装置 - Google Patents

頭部搭載型映像提示装置、頭部搭載型撮影装置、及び頭部搭載型映像装置 Download PDF

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Abstract

【課題】映像のムラや歪みが少なく、製造が容易で、軽量でありながら、超広視野の映像を提示することができる頭部搭載型映像提示装置を提供する。
【解決手段】頭部搭載型映像提示装置は、二葉双曲面のうちの一方の双曲面11に沿った反射面を有するハーフミラー20と、双曲面11の外側焦点P2に配置されたプロジェクタ30とを備える。頭部搭載型映像提示装置は、双曲面11の内側焦点P1が眼球2Lと一致するように使用者の頭部1に搭載される。
【選択図】図1

Description

本発明は、頭部搭載型の映像提示装置及び撮影装置に関する。更に、これらを用いた協調作業システムに関する。また、本発明は、頭部搭載型の映像装置に関する。
頭部搭載型ディスプレイは通常の据え置き型ディスプレイと異なり、1)個人用でありウェアラブルコンピュータなどのパーソナル用途に適する、2)常に身につけ手ぶらで映像を観察できる、3)頭部の位置姿勢を計測すれば人工現実感などの用途で三次元映像の提示が可能、といった利点がある。
本来、頭部搭載型ディスプレイは、人間の視覚能力に匹敵する情報提示能力を備えるのが理想である。例えば、人の視野角は水平約200度、垂直約125度と広く、特に周辺視野は映像への没入感に大きく寄与するといわれる(非特許文献1)。しかし、従来の多くの頭部搭載型ディスプレイは水平視野角30度〜60度程度であり、人間の視覚に比して極めて貧弱であった。これは、1)視野角と角度分解能は反比例の関係にあり、角度分解能を確保するにはある程度視野角を犠牲にせざるを得ない、2)広視野角の接眼光学系を設計することが技術的に困難である、といった理由による。
この限界を打破する従来手法として、複数の映像素子を縦横に連結する方式が提案されている(非特許文献1)。
この方式は、広視野角と高い角度分解能を両立できるが、映像素子間で色や輝度のムラが発生しやすく、繋ぎ目のない接眼光学系の設計や製造が困難であるという問題がある。また頭部搭載ユニットの重量増加、システム全体のコスト増加といった問題もある。
また、双曲面ミラーの外側焦点位置にプロジェクタのレンズ中心を配置し、この双曲面ミラーの内側焦点位置に一方の焦点位置が一致するように楕円ミラーを配置し、楕円ミラーの他方の焦点位置に使用者の瞳孔を配置して広視野の映像を提示する方式が提案されている(非特許文献2)。
しかしながら、この方式は、双曲面ミラーと楕円ミラーとを精密に配置する必要があるため製造が困難であるという問題がある。また、瞳孔から楕円ミラーまでの距離が小さい(数cm)ため、僅かな視線方向や眼球位置のずれにより映像をまったく観察できなくなるという問題もある。
また、人と機械の調和のためには相互の情報交換が不可欠であるが、従来の情報技術は機械から人への情報量に比べて人から機械への情報量が貧弱であった。例えば、利用者視点映像は、行動解析や作業支援など幅広い応用が考えられる。しかし、多くの場合、カメラ視点は肉眼の「近傍」であり肉眼自体ではない。この場合、肉眼とカメラ視点との間に位置ずれが生じ、特に近距離では利用者が実際に観察する情景とは大きく異なる映像が撮影される。利用者の視点と完全に同一の視点から見た映像(利用者視点映像)を撮影するためにはカメラ視点を肉眼と光学的に共役な位置に配置する必要がある。このような配置を平板ハーフミラーを用いて実現する手法が知られているが、この手法では広視野の映像を撮影できない。一方、魚眼レンズや全方位カメラを前頭部や頭頂部に搭載して広視野の映像を撮影する従来手法では、肉眼とカメラ視点との間の位置ずれの問題が発生する。
更に、複数人が同時に作業を行う場合に、複数人間で視覚情報の伝達を容易にすることで作業効率を向上させることができる頭部搭載型映像装置及び協調作業システムの実現が望まれる。
Arthur(2000). Effects of field of view on performance with head-mounted displays. UNC at Chapel Hill Doctoral Thesis. Nagahara et al.(2005). Wide Field of View Catadioptrical Head Mounted Display. Trans. IEICE, Vol.J88-D-II, No.1, pp.95-104.
本発明は、映像のムラや歪みが少なく、製造が容易で、軽量でありながら、超広視野の映像を提示することができる頭部搭載型映像提示装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、製造が容易で、軽量でありながら、超広視野の利用者視点映像を撮影できる頭部搭載型撮影装置を提供することを目的とする。
更に、本発明は、複数人による協調作業を実現させることができる頭部搭載型映像装置及び協調作業システムを提供することを目的とする。
本発明の頭部搭載型映像提示装置は、二葉双曲面のうちの一方の双曲面に沿った反射面を有するハーフミラーと、前記一方の双曲面の外側焦点に配置されたプロジェクタとを備え、前記一方の双曲面の内側焦点が眼球と一致するように頭部に搭載されることを特徴とする。
本発明の協調作業映像提示システムは、上記の本発明の頭部搭載型映像提示装置を複数備えることを特徴とする。
本発明の頭部搭載型撮影装置は、二葉双曲面のうちの一方の双曲面に沿った反射面を有するハーフミラーと、前記一方の双曲面の外側焦点に配置されたカメラとを備え、前記一方の双曲面の内側焦点が眼球と一致するように頭部に搭載されることを特徴とする。
本発明の協調作業撮影システムは、上記の本発明の頭部搭載型撮影装置を複数の備えることを特徴とする。
本発明の協調作業システムは、上記の本発明の頭部搭載型撮影装置と上記の本発明の頭部搭載型映像提示装置とを備え、前記頭部搭載型撮影装置で撮影した映像を前記頭部搭載型映像提示装置で提示することを特徴とする。
本発明の頭部搭載型映像装置は、二葉双曲面のうちの一方の双曲面に沿った反射面を有するハーフミラーと、前記一方の双曲面の外側焦点に配置されたプロジェクタ及びカメラとを備え、前記一方の双曲面の内側焦点が眼球と一致するように頭部に搭載されることを特徴とする。
本発明の頭部搭載型映像提示装置によれば、映像のムラや歪みが少なく、製造が容易で、軽量でありながら、超広視野の映像を提示することができる。
本発明の頭部搭載型撮影装置によれば、製造が容易で、軽量でありながら、超広視野の利用者視点映像を撮影することができる。
本発明の頭部搭載型映像装置によれば、製造が容易で、軽量でありながら、映像のムラや歪みが少ない超広視野の映像を提示することができ、且つ、超広視野の利用者視点映像を撮影することができる。更に、複数人による協調作業を実現させることができる。
本発明の協調作業映像提示システム、協調作業撮影システム、及び、協調作業システムによれば、複数人による協調作業を実現させることができる。
本発明の頭部搭載型映像提示装置は、二葉双曲面のうちの一方の双曲面に沿った反射面を有するハーフミラーと、前記一方の双曲面の外側焦点に配置されたプロジェクタとを備え、前記一方の双曲面の内側焦点が使用者の眼球と一致するように頭部に搭載されることを特徴とする。
上記の本発明の頭部搭載型映像提示装置において、両眼に対応して前記ハーフミラー及び前記プロジェクタを2つずつ備えることが好ましい。
上記の本発明の頭部搭載型映像提示装置が、更に、再帰反射スクリーンを備えていても良い。この場合、前記プロジェクタからの光束は、前記ハーフミラーで反射され、前記再帰反射スクリーンに入射し、前記再帰反射スクリーンからの反射光が前記ハーフミラーを介して使用者に観察されることが好ましい。
上記の本発明の頭部搭載型映像提示装置において、前記再帰反射スクリーンが頭部搭載型の再帰反射スクリーンであっても良い。
上記の本発明の頭部搭載型映像提示装置が、更に、前記ハーフミラーと前記プロジェクタとを結ぶ光路上に配置された平板ミラーを備えていても良い。この場合、前記プロジェクタからの光束は前記平板ミラーで反射された後、前記ハーフミラーに入射することが好ましい。
上記の本発明の頭部搭載型映像提示装置において、前記ハーフミラーの外側焦点に少なくとも2つのプロジェクタが配置されていても良い。
この場合、前記少なくとも2つのプロジェクタのうちの1つは広視野映像を提示し、他の1つは狭視野映像を提示することが好ましい。
あるいは、前記少なくとも2つのプロジェクタは互いに異なる視野に映像を提示することが好ましい。
上記の本発明の頭部搭載型映像提示装置が、更に、頭部の動きを検出する三次元センサを備えていても良い。この場合、前記三次元センサが検出した頭部の動きに応じて前記プロジェクタが提示する映像が制御されることが好ましい。
本発明の協調作業映像提示システムは、上記の本発明の頭部搭載型映像提示装置を複数備えることを特徴とする。
上記の本発明の協調作業映像提示システムにおいて、前記複数の頭部搭載型映像提示装置の各々ごとに、前記三次元センサが検出した頭部の動きに応じて前記プロジェクタが提示する映像が独立して制御されることが好ましい。
次に、本発明の頭部搭載型撮影装置は、二葉双曲面のうちの一方の双曲面に沿った反射面を有するハーフミラーと、前記一方の双曲面の外側焦点に配置されたカメラとを備え、前記一方の双曲面の内側焦点が使用者の眼球と一致するように頭部に搭載されることを特徴とする。
上記の本発明の頭部搭載型撮影装置において、前記カメラは、前記ハーフミラーからの反射光に加えて、瞳孔位置を撮影することが好ましい。
この場合、前記カメラは、前記瞳孔位置を前記ハーフミラーを介さずに撮影することが好ましい。
更に、前記瞳孔位置から眼球の視線方向を検出し、前記カメラが撮影した映像内において前記視線方向にある被写体像を特定することが好ましい。
上記の本発明の頭部搭載型撮影装置において、両眼に対応して前記ハーフミラー及び前記カメラを2つずつ備えることが好ましい。
上記の本発明の頭部搭載型撮影装置が、更に、前記カメラの入射側に設けられた第1偏光フィルタと、前記ハーフミラーの前記内側焦点側の面に設けられた第2偏光フィルタとを備えていても良い。この場合、前記第1偏光フィルタ及び前記第2偏光フィルタがいずれも直線偏光フィルタであり、且つそれぞれの透過軸の方向が互いに直交しており、または、前記第1偏光フィルタ及び前記第2偏光フィルタがいずれも円偏光フィルタであり、且つそれぞれの旋回の向きが互いに逆であることが好ましい。
上記の本発明の頭部搭載型撮影装置が、更に、前記ハーフミラーと前記カメラとを結ぶ光路上に配置された平板ミラーを備えることが好ましい。この場合、前記ハーフミラーからの光束は前記平板ミラーで反射された後、前記カメラに入射することが好ましい。
上記の本発明の頭部搭載型撮影装置において、前記ハーフミラーの外側焦点に少なくとも2つのカメラが配置されていても良い。
この場合、前記2つのカメラのうちの1つは広視野映像を撮影し、他の1つは狭視野映像を撮影することが好ましい。
あるいは、前記少なくとも2つのカメラは互いに異なる視野の映像を撮影することが好ましい。
あるいは、前記少なくとも2つのカメラの撮影波長域が互いに異なっていることが好ましい。
上記の本発明の頭部搭載型撮影装置が、更に、頭部の動きを検出する三次元センサを備えていても良い。この場合、前記三次元センサが検出した頭部の動きに応じて前記カメラが撮影した映像が処理されることが好ましい。
本発明の協調作業撮影システムは、上記の本発明の頭部搭載型撮影装置を複数備えることを特徴とする。
本発明の協調作業システムは、上記の本発明の頭部搭載型撮影装置と、上記の本発明の頭部搭載型映像提示装置とを備え、前記頭部搭載型撮影装置で撮影した映像を前記頭部搭載型映像提示装置で提示することを特徴とする。
次に、本発明の頭部搭載型映像装置は、二葉双曲面のうちの一方の双曲面に沿った反射面を有するハーフミラーと、前記一方の双曲面の外側焦点に配置されたプロジェクタ及びカメラとを備え、前記一方の双曲面の内側焦点が眼球と一致するように頭部に搭載されることを特徴とする。
上記の本発明の頭部搭載型映像装置が、更に、再帰反射スクリーンを備えていても良い。この場合、前記プロジェクタからの光束は、前記ハーフミラーで反射され、前記再帰反射スクリーンに入射し、前記再帰反射スクリーンからの反射光が前記ハーフミラーを介して使用者に観察されることが好ましい。
この場合、前記再帰反射スクリーンが頭部搭載型の再帰反射スクリーンであっても良い。
上記の本発明の頭部搭載型映像装置において、前記カメラは、前記ハーフミラーからの反射光に加えて、瞳孔位置を撮影することが好ましい。
この場合、前記瞳孔位置から眼球の視線方向を検出し、前記カメラが撮影した映像内において前記視線方向にある被写体像を特定することが好ましい。
上記の本発明の頭部搭載型映像装置において、両眼に対応して前記ハーフミラー、前記プロジェクタ、及び前記カメラを2つずつ備えることが好ましい。
上記の本発明の頭部搭載型映像装置が、更に、前記カメラの入射側に設けられた第1偏光フィルタと、前記ハーフミラーの前記内側焦点側の面に設けられた第2偏光フィルタとを備えていても良い。この場合、前記第1偏光フィルタ及び前記第2偏光フィルタがいずれも直線偏光フィルタであり、且つそれぞれの透過軸の方向が互いに直交しており、または、前記第1偏光フィルタ及び前記第2偏光フィルタがいずれも円偏光フィルタであり、且つそれぞれの旋回の向きが互いに逆であることが好ましい。
上記の本発明の頭部搭載型映像装置が、更に、頭部の動きを検出する三次元センサを備えていても良い。この場合、前記三次元センサが検出した頭部の動きに応じて、前記プロジェクタが提示する映像が制御され、又は、前記カメラが撮影した映像が処理されることが好ましい。
以下、本発明を具体的な実施の形態を示しながら詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施の形態に限定されないことはいうまでもない。
[実施の形態A]
実施の形態Aでは、本発明の頭部搭載型映像提示装置及びこれを用いた協調作業映像提示システムについて説明する。
(実施の形態A−1)
図1(A)は、本発明の実施の形態A−1に係る頭部搭載型映像提示装置の側面図、図1(B)はその上面図である。図1(A)及び図1(B)において、二点鎖線11,12は二葉双曲面、一点鎖線13は二葉双曲面11,12の対称面である。点P1は双曲面11の焦点(即ち、双曲面11の内側焦点)、点P2は双曲面12の焦点(即ち、双曲面11の外側焦点)である。本実施の形態A−1に係る頭部搭載型映像提示装置は、双曲面11に沿った反射面を有するハーフミラー20と、小型のプロジェクタ30(図1(B)では図示を省略)とを備える。プロジェクタ30の投射レンズの中心は双曲面11の外側焦点P2に配置されている。双曲面11の内側焦点P1は使用者の頭部1の左眼球2Lの位置と一致する。ハーフミラー20及びプロジェクタ30は、眼球2Lに対して上記の位置関係を維持するように図示していない治具を用いて使用者の頭部1に搭載され固定される。
このように構成された本実施の形態A−1の映像提示装置の動作を説明する。
プロジェクタ30はハーフミラー20の反射面上に所定の映像を投射する。プロジェクタ30から投射された光束はハーフミラー20で反射され、使用者の周囲に存在する物体(以下、「実環境」という)90上に投射される。使用者は、ハーフミラー20を介して実環境90とこの上に投射された光束により形成された映像とを観察する。
図1(A)に示されているように、側方から見ると、プロジェクタ30は、使用者の左眼球2Lよりも高い位置に配置されている。ハーフミラー20の反射面は、双曲面11のうち、内側焦点P1と外側焦点P2とを結ぶ直線よりも低い領域内に形成されている。従って、プロジェクタ30は使用者の正面方向の視界を妨げない。
図1(B)に示されているように、上方から見ると、プロジェクタ30は、使用者の左眼球2Lのほぼ正面方向に配置されている。ハーフミラー20の反射面は、双曲面11のうち、使用者の左側には左眼球2Lのほぼ側方にまで、右側には使用者の頭部1と衝突しない程度にまでの相対的に広い領域にわたって形成されている。
従って、使用者の左眼球2Lのほぼ正面方向を含む実環境90上に映像が投射される。ハーフミラー20の垂直方向及び水平方向の形成範囲を適切に設定することにより、人間の一般的な視野角である垂直方向約125度、水平方向約200度を超える範囲に映像を投射することができる。
以上のように、本実施の形態A−1によれば、人間の視野角を超える超広視野映像を提示することができる。しかも、これをプロジェクタ30以外にはハーフミラー20というただ1つの光学部品のみで実現できるので、構成が簡単で、小型且つ軽量である。更に、ハーフミラー20とプロジェクタ30という2つの光学部品の相対的位置関係を管理するだけでよいので、製造が容易である。
双曲面11に沿った反射面を有するハーフミラー20は、例えば透明アクリル材の表裏をNC研削し、更に加工面を研磨して所定の双曲面を形成した後、この双曲面に誘電体を蒸着して半透過の鏡面を形成することで作成できる。このような方法によれば、複数の光学部品を組み合わせることなく一体的にハーフミラー20を得ることができるので、映像のムラや歪みが少なく、繋ぎ目のない鮮明な映像を表示させることができる。また、ハーフミラー20の製造が容易である。
上記の実施の形態A−1では、左眼球2Lで観察する映像提示装置を例に説明したが、使用者の鼻位置に対して左右対称に構成することにより、右眼球2Rで観察する映像提示装置も実現可能である。
(実施の形態A−2)
図2(A)は、本発明の実施の形態A−2に係る頭部搭載型映像提示装置の側面図、図2(B)はその上面図である。図2(A)及び図2(B)において図1(A)及び図1(B)と同じ機能を有する部材には同一の符号を付して、それらについての詳細な説明を省略する。以下、本実施の形態に特有の構成及び効果を説明する。
上述した実施の形態A−1に係る映像提示装置(図1(A)及び図1(B))では、使用者の左右の眼球2L,2Rのうちのいずれか一方に対して、ハーフミラー20及びプロジェクタ30が所定の位置関係で配置されていた。これに対して、本実施の形態A−2の映像提示装置では、使用者の左右の眼球2L,2Rのそれぞれに対して、ハーフミラー20及びプロジェクタ30が実施の形態A−1に示した位置関係で左右対称に配置されている。但し、図2(B)では、図面を簡略化するために、右眼球2Rに対応するプロジェクタ30及びこれから投射された光束の図示を省略している。
図2(B)に示すように、左眼球2Lに対応するハーフミラー20と右眼球2Rに対応するハーフミラー20とは、使用者の鼻近傍位置にて接続されている。従って、本実施の形態A−2では、左眼球2L及び右眼球2Rの鼻側の視野は、実施の形態A−1に比べて僅かに狭くなる。一対のハーフミラー20は、実施の形態A−1で説明したのと同様の方法により一体的に作成できる。
左右の眼球2L,2Rのそれぞれに対して個別にプロジェクタ30が設けられているので、左右の眼球2L,2Rに別々の映像を提示することができる。例えば、ステレオ撮影された2つの映像を2つのプロジェクタ30からそれぞれ投射すれば、使用者は立体映像を観察できる。
本実施の形態A−2によれば、両眼に対して、映像のムラや歪みが少ない鮮明な超広視野映像を提示する頭部搭載型映像提示装置を実現できる。しかも、本実施の形態A−2の映像提示装置は、これを一対のハーフミラー20と一対のプロジェクタ30という簡単な構成で実現するので、小型且つ軽量である。
(実施の形態A−3)
図3(A)は、本発明の実施の形態A−3に係る頭部搭載型映像提示装置の側面図、図3(B)はその上面図である。図3(A)及び図3(B)において図2(A)及び図2(B)と同じ機能を有する部材には同一の符号を付して、それらについての詳細な説明を省略する。以下、本実施の形態に特有の構成及び効果を説明する。
本実施の形態A−3に係る映像提示装置では、実施の形態A−2に係る映像提示装置(図2(A)及び図2(B))に更に再帰反射スクリーン80が付加されている。再帰反射スクリーン80は、使用者の周囲の実環境内に固定されている。図3(B)では、図面を簡略化するために、右眼球2Rに対応するプロジェクタ30及びこれから投射された光束の図示を省略している。
プロジェクタ30から投射された光束は、ハーフミラー20で反射され再帰反射スクリーン80に入射する。再帰反射スクリーン80は、入射した光をその入射方向へ反射する特性を有している。再帰反射スクリーン80からの反射光は、ハーフミラー20に対して小さな入射角度で入射するのでこれを透過する。使用者の両眼球2L,2Rのそれぞれに対して、ハーフミラー20及びプロジェクタ30が実施の形態A−1に示した位置関係で配置されているので、再帰反射スクリーン80からの反射光は使用者の両眼球2L,2Rに入射する。このようにして、使用者は再帰反射スクリーン80からの反射光をハーフミラー20を介して観察する。
再帰反射スクリーン80の指向性を高めることにより、左の眼球2Lに対応したプロジェクタ30が投射した光束が右の眼球2Rに入射するのを防止でき、また、右の眼球2Rに対応したプロジェクタ30が投射した光束が左の眼球2Lに入射するのを防止できる。従って、ステレオ撮影された2つの映像を2つのプロジェクタ30からそれぞれ投射すれば、使用者は立体映像を観察できる。
図3(A)及び図3(B)では、実施の形態A−2(図2(A)及び図2)に示した映像提示装置に再帰反射スクリーン80を追加して両目で再帰反射スクリーン80からの反射光を観察する映像提示装置を示したが、実施の形態A−1(図1(A)及び図1)に示した映像提示装置に再帰反射スクリーン80を追加して片目で再帰反射スクリーン80からの反射光を観察する映像提示装置を実現することも可能である。
本実施の形態A−3では再帰反射スクリーン80からの反射光を観察するので、実環境90上に投射された光束により形成された映像を観察する実施の形態A−1,A−2の映像提示装置に比べて、明るく鮮明な映像を提示することができる。また、再帰反射スクリーン80を適切に設置することにより、繋ぎ目のない広視野映像を提示できる。
また、使用者の眼球から再帰反射スクリーン80までの距離は長い(例えば数m)ので、視線方向や眼球位置の僅かな変化により映像がまったく観察できなくなるという非特許文献2の映像提示装置の問題は実質的に生じない。
スクリーン上に超広視野映像を提示して人工現実感を得る映像提示装置としては、従来、周囲壁面に設置されたスクリーン上にプロジェクタから映像を投射する方式が用いられていた。このような従来の映像提示装置では、高精度に校正された多数のスクリーンを用意する必要があり、高価であり設置にも時間を要する。また、スクリーンへの映像の投射方式が前面投射型であれば利用者自身の影が映像を遮蔽する自己遮蔽という問題があり、背面投射型であれば広大な設置スペースを要するという問題がある。更に、投射した映像は特定の視点位置からのみ正しく観察でき、視点位置が変わると歪んで観察されるため、多人数で同時に歪みのない映像を観察することができないという問題がある。また、多人数が共通するスクリーン上で異なる映像を同時に観察することはできない。
これに対して本実施の形態A−3の映像提示装置では、再帰反射スクリーンの特性により高精度に再帰反射スクリーン80を設置する必要がなく、遥かに安価である。また、省スペースという前面投射型の特徴を有しながら自己遮蔽の問題は生じない。更に、複数の使用者が、それぞれに搭載されたプロジェクタ30から投射された同一又は異なる映像を共通する再帰反射スクリーン80上に歪みなく観察することができる。従って、多人数対応が容易であり、協調作業用途に適用することができる。
また、本実施の形態A−3によれば、使用者は、再帰反射スクリーン80に投射された映像に加えて、再帰反射スクリーン80が設置されていない領域では実環境を常に観察することができる。従って、仮想環境と実環境とを融合する複合現実感用途に適用することができる。例えば、実際のモデルルームにCG(コンピュータグラフィックス)による家具を重畳表示する、実際の手術室に設置された人体模型にCGによる人体内部を重畳表示する、実際の本店のオフィス環境の一部に別途撮影された遠隔地の支店の情景を重畳表示するといった数々の応用が考えられる。こうした応用では、超広視野映像を提示できるために、臨場感が向上する、周辺視を利用することで迅速に情報を発見・探索できる、などの重要な利点が得られる。
再帰反射スクリーン80としては、用途に応じて光線非透過型及び半透過型のいずれかを選択することができる。半透過型の再帰反射スクリーン80を用いると、投射された映像と、再帰反射スクリーン80の背後に存在する実環境とを重畳して観察することができる。
(実施の形態A−4)
図4(A)は、本発明の実施の形態A−4に係る頭部搭載型映像提示装置の側面図、図4(B)はその上面図である。図4(A)及び図4(B)において図3(A)及び図3(B)と同じ機能を有する部材には同一の符号を付して、それらについての詳細な説明を省略する。以下、本実施の形態に特有の構成及び効果を説明する。
本実施の形態A−4に係る映像提示装置では再帰反射スクリーン81がハーフミラー20及びプロジェクタ30とともに使用者の頭部1に搭載されている点で、再帰反射スクリーン80が使用者の周囲の実環境内に固定されている実施の形態A−3に示した映像提示装置(図3(A)及び図3(B))と異なる。再帰反射スクリーンの特性により高精度に再帰反射スクリーン81を設置する必要がないのは実施の形態A−3と同じである。図4(B)では、図面を簡略化するために、右眼球2Rに対応するプロジェクタ30及びこれから投射された光束の図示を省略している。
実施の形態A−3の場合と同様に、プロジェクタ30から投射された光束は、ハーフミラー20で反射され再帰反射スクリーン81に入射する。使用者は、再帰反射スクリーン81からの反射光をハーフミラー20を介して観察する。
図4(A)及び図4(B)では、実施の形態A−2(図2(A)及び図2)に示した映像提示装置に頭部搭載型の再帰反射スクリーン81を追加して両目で再帰反射スクリーン81からの反射光を観察する映像提示装置を示したが、実施の形態A−1(図1(A)及び図1)に示した映像提示装置に頭部搭載型の再帰反射スクリーン81を追加して片目で再帰反射スクリーン81からの反射光を観察する映像提示装置を実現することも可能である。
本実施の形態A−4によれば、実施の形態A−3と比較して、使用者の頭部1に搭載する部品が増えるので、映像提示装置の体積及び重量が増加するという欠点を有するものの、実環境に映像を投射しないので、実環境に再帰反射スクリーン80を設置する必要がなく、また、使用者と再帰反射スクリーン80との間の物体による映像の遮蔽という問題が生じないという利点を有する。
本実施の形態A−4では、使用者の眼球から再帰反射スクリーン81までの距離は相対的に短いので、視線方向や眼球位置の変化により映像が観察できなくなるという非特許文献2の映像提示装置と同様の問題が生じる可能性がある。しかしながら、この問題は、再帰反射スクリーン81の指向性を低下させることで解消できる。しかも、再帰反射スクリーン81の指向性を低下させても、眼球2L,2Rから再帰反射スクリーンまでの距離に対する左右の眼球2L,2R間距離の比は、本実施の形態A−4は実施の形態A−3に比べて大きいので、2つのプロジェクタ30がそれぞれ投射した光束が対応しない眼球に入射するのを防止することが出来、立体映像の観察が可能である。
再帰反射スクリーン81としては、用途に応じて光線非透過型及び半透過型のいずれかを選択することができる。半透過型の再帰反射スクリーン81を用いると、投射された映像と、再帰反射スクリーン81の背後に存在する実環境とを重畳して観察することができる。
(実施の形態A−5)
図5は、本発明の実施の形態A−5に係る頭部搭載型映像提示装置の側面図である。図5において図3(A)と同じ機能を有する部材には同一の符号を付して、それらについての詳細な説明を省略する。以下、本実施の形態に特有の構成及び効果を説明する。
本実施の形態A−5に係る映像提示装置は、実施の形態A−3に係る映像提示装置(図3(A)及び図3(B))に更に平板ミラー50が付加されている。平板ミラー50はプロジェクタ30とハーフミラー20とを結ぶ光路上に設置されている。双曲面11の幾何学的な外側焦点P2(図3(A)参照)に対して平板ミラー50によって設定される光学的に等価な外側焦点P2’にプロジェクタ30の投射レンズの中心が設置される。両眼で観察する立体映像提示装置の場合には、左右の眼球2L,2Rに対応して2つの平板ミラー50及び2つのプロジェクタ30が左右対称に設置される。
プロジェクタ30から投射された光束は、平板ミラー50で反射され、ハーフミラー20で反射されて、再帰反射スクリーン80に入射する。再帰反射スクリーン80からの反射光は、ハーフミラー20を透過して使用者の眼球2L(又は2R)に入射する。
本実施の形態A−5によれば、実施の形態A−3と光学的に等価な光学系を形成しながら、プロジェクタ30を使用者の頭部1の重心位置に接近させることができる。これにより使用者の首振りに伴う映像提示装置の回転モーメントが減少するので、装着感が向上し、また疲労を軽減することができる。
図5では、実施の形態A−3の映像提示装置に平板ミラー50を設置する場合を示したが、実施の形態A−1,A−2,A−4のそれぞれの映像提示装置に同様に平板ミラー50を設置することができ、その場合も上記と同様の効果が得られる。
(実施の形態A−6)
図6(A)は、本発明の実施の形態A−6に係る頭部搭載型映像提示装置の側面図、図6(B)はその上面図である。図6(A)及び図6(B)において図3(A)及び図3(B)と同じ機能を有する部材には同一の符号を付して、それらについての詳細な説明を省略する。図6(A)及び図6(B)では、再帰反射スクリーン80の図示を省略している。以下、本実施の形態に特有の構成及び効果を説明する。
本実施の形態A−6に係る映像提示装置では、プロジェクタとして広視野用プロジェクタ31と狭視野用プロジェクタ32とが設けられている。広視野用プロジェクタ31の投射レンズの中心は双曲面11の幾何学的な外側焦点P2に配置されている。広視野用プロジェクタ31とハーフミラー20とを結ぶ光路上に平板ハーフミラー51が設置されている。双曲面11の幾何学的な外側焦点P2に対して平板ハーフミラー51によって設定される光学的に等価な外側焦点P2’に狭視野用プロジェクタ32の投射レンズの中心が設置される。両眼で観察する立体映像提示装置の場合には、左右の眼球2L,2Rに対応して2つの平板ハーフミラー51,2つの広視野用プロジェクタ31,及び2つの狭視野用プロジェクタ32がそれぞれ左右対称に設置される。但し、図6(B)では、図面を簡略化するために、2つの広視野用プロジェクタ31,2つの狭視野用プロジェクタ32,2つの平板ハーフミラー51、2つの外側焦点P2’、及び右眼球2Rに対応する光束の図示を省略している。
広視野用プロジェクタ31から投射された光束は、平板ハーフミラー51を透過し、ハーフミラー20で反射されて、再帰反射スクリーン80(図示せず)に入射する。狭視野用プロジェクタ32から投射された光束は、平板ハーフミラー51で反射され、ハーフミラー20で反射されて、再帰反射スクリーン80に入射する。再帰反射スクリーン80からの反射光は、ハーフミラー20を透過して使用者の眼球2L(又は2R)に入射する。使用者は、広視野用プロジェクタ31が提示する映像と狭視野用プロジェクタ32が提示する映像とが重畳された(又は繋ぎ合わされた)映像を観察する。
狭視野用プロジェクタ32は、使用者の正面に位置する中心視野A32に相対的に狭い視野角(例えば水平視野角が17度)の映像を提示する。一方、広視野用プロジェクタ31は中心視野A32の周囲の周辺視野A31に相対的に広い視野角(例えば水平視野角が180度)の映像を提示する。例えば、プロジェクタ31,32が提示する映像の画素数が同じである場合、狭視野用プロジェクタ32は相対的に高解像度の映像を提示し、広視野用プロジェクタ31は相対的に低解像度の映像を提示する。
一般に、人間の視力は、正面方向において高く、周辺方向では著しく低下することが知られている。本実施の形態A−6によれば、プロジェクタ31,32として汎用の安価なプロジェクタを用いながら、高い視力で観察される正面方向に高解像度の映像が提示されるので、使用者に解像度の不満を抱かせることなく、超広視野映像を提示することができる。即ち、高解像度と超広視野角とを容易に実現することができる。
上記において、広視野用プロジェクタ31と狭視野用プロジェクタ32との配置を入れ替えてもよい。広視野用プロジェクタ31及び狭視野用プロジェクタ32のうち重い方を使用者の頭部1の重心位置に接近して配置すると、使用者の首振りに伴う映像提示装置の回転モーメントが減少することにより、装着感が向上し、また疲労を軽減することができるので好ましい。
平板ハーフミラー51に代えてこれと同等の機能を有するプリズムなどの他の光束合成手段を用いても良い。片方の眼球に対して設置されるプロジェクタの数は、2つに限られず、3以上であっても良い。また、複数のプロジェクタの画素数は同一でも異なっていても良い。
図6(A)及び図6(B)は、実施の形態A−3の映像提示装置の変形例であるが、実施の形態A−1,A−2,A−4,A−5のそれぞれの映像提示装置に同様に本実施の形態を適用することができ、その場合も上記と同様の効果が得られる。
(実施の形態A−7)
図7(A)は、本発明の実施の形態A−7に係る頭部搭載型映像提示装置の側面図、図7(B)はその上面図である。図7(A)及び図7(B)において図3(A)及び図3(B)と同じ機能を有する部材には同一の符号を付して、それらについての詳細な説明を省略する。図7(A)及び図7(B)では、再帰反射スクリーン80の図示を省略している。以下、本実施の形態に特有の構成及び効果を説明する。
本実施の形態A−7に係る映像提示装置では、プロジェクタとして内側視野用プロジェクタ33と外側視野用プロジェクタ34とが設けられている。内側視野用プロジェクタ33の投射レンズの中心は双曲面11の幾何学的な外側焦点P2に配置されている。内側視野用プロジェクタ33とハーフミラー20とを結ぶ光路上に平板ハーフミラー52が設置されている。双曲面11の幾何学的な外側焦点P2に対して平板ハーフミラー52によって設定される光学的に等価な外側焦点P2’に外側視野用プロジェクタ34の投射レンズの中心が設置される。両眼で観察する立体映像提示装置の場合には、左右の眼球2L,2Rに対応して2つの平板ハーフミラー52,2つの内側視野用プロジェクタ33,及び2つの外側視野用プロジェクタ34がそれぞれ左右対称に設置される。但し、図7(B)では、図面を簡略化するために、右眼球2Rに対応する内側視野用プロジェクタ33,外側視野用プロジェクタ34,平板ハーフミラー52、及び光束の図示を省略している。
内側視野用プロジェクタ33から投射された光束は、平板ハーフミラー52を透過し、ハーフミラー20で反射されて、再帰反射スクリーン80(図示せず)に入射する。外側視野用プロジェクタ34から投射された光束は、平板ハーフミラー52で反射され、ハーフミラー20で反射されて、再帰反射スクリーン80に入射する。再帰反射スクリーン80からの反射光は、ハーフミラー20を透過して使用者の眼球2L,2Rに入射する。使用者は、内側視野用プロジェクタ33が提示する映像と外側視野用プロジェクタ34が提示する映像とが重畳された(又は繋ぎ合わされた)映像を観察する。
内側視野用プロジェクタ33は、水平方向において、使用者の各眼球2L,2Rに対して鼻側の視野A33に映像を提示する。一方、外側視野用プロジェクタ34は、水平方向において、使用者の各眼球2L,2Rに対して耳側(鼻とは反対側)の視野A34に映像を提示する。垂直方向においては、2つのプロジェクタ33,34が映像を提示する範囲はほぼ同じである。
本実施の形態A−7では、複数のプロジェクタが異なる視野にそれぞれ提示する映像を組み合わせることにより、全体として超広視野映像を提示させる。これにより、画素数が比較的少ない汎用の安価なプロジェクタを用いながら、高解像度の超広視野映像を提示することができる。
上記において、内側視野用プロジェクタ33と外側視野用プロジェクタ34との配置を入れ替えてもよい。内側視野用プロジェクタ33及び外側視野用プロジェクタ34のうち重い方を使用者の頭部1の重心位置に接近して配置すると、使用者の首振りに伴う映像提示装置の回転モーメントが減少することにより、装着感が向上し、また疲労を軽減することができるので好ましい。
平板ハーフミラー52に代えてこれと同等の機能を有するプリズムなどの他の光束合成手段を用いても良い。片方の眼球に対して設置されるプロジェクタの数は、2つに限られず、3以上であっても良い。また、複数のプロジェクタの画素数や投射レンズの画角は同一でも異なっていても良い。図7(A)及び図7(B)では、複数のプロジェクタが水平方向に異なる複数の視野に映像を提示する例を示したが、垂直方向に異なる複数の視野に映像を提示しても良い。
図7(A)及び図7(B)は、実施の形態A−3の映像提示装置の変形例であるが、実施の形態A−1,A−2,A−4,A−5のそれぞれの映像提示装置に同様に本実施の形態を適用することができ、その場合も上記と同様の効果が得られる。
(実施の形態A−8)
図8(A)は、本発明の実施の形態A−8に係る頭部搭載型映像提示装置の側面図、図8(B)はその上面図である。図8(A)及び図8(B)において図2(A)及び図2(B)と同じ機能を有する部材には同一の符号を付して、それらについての詳細な説明を省略する。以下、本実施の形態に特有の構成及び効果を説明する。
本実施の形態A−8に係る映像提示装置では、実施の形態A−2に係る映像提示装置(図2(A)及び図2(B))に更に三次元センサ60が付加されている。三次元センサ60は使用者の頭部1の動き(例えば位置、向き、加速度等)を検出する。そして、三次元センサ60が検出した頭部1の動きに応じてプロジェクタ30が提示する映像が制御される。これにより、例えば実環境90上の所望する位置に所望する映像を重畳させることができる。従って、例えばバーチャルリアリティ用途に適用できる。従来より、バーチャルリアリティを実現する各種の映像提示装置は提案されているが、本実施の形態によれば、映像のムラや歪みが少ない鮮明な超広視野映像を提示することができる。
図8(A)及び図8(B)では、実施の形態A−2の映像提示装置に三次元センサ60を設置する場合を示したが、実施の形態A−1,A−3〜A−7のそれぞれの映像提示装置に同様に三次元センサ60を設置することができる。
(実施の形態A−9)
図9は、本発明の実施の形態A−9に係る協調作業映像提示システムの概略構成図である。図9において図8(A)及び図8(B)と同じ機能を有する部材には同一の符号を付して、それらについての詳細な説明を省略する。以下、本実施の形態に特有の構成及び効果を説明する。
本実施の形態A−9に係る協調作業映像提示システムは、実施の形態A−8に係る複数の頭部搭載型映像提示装置を備える。即ち、同一環境内にいる複数の使用者の頭部1a,1bに実施の形態A−8に示した映像提示装置がそれぞれ搭載される。各使用者の頭部1a,1bの動きは、三次元センサ60で検出され、頭部1a,1bの動きに応じてプロジェクタ30が提示する映像が独立して制御される。従って、各使用者は、それぞれの頭部の位置や向きなどに応じた映像を観察する。例えば、実物体91上の所定位置に重畳された仮想映像を、複数人が同時に観察することができる。これにより、提示されたバーチャルな視覚情報を複数の使用者間で共有することができ、この視覚情報を介して複数の使用者による協調作業を行うことができる。
図9では実物体上91上に映像が重畳されるが、実施の形態A−3で説明したように実環境内に再帰反射スクリーンを設置して、各使用者に再帰反射スクリーンからの反射光を観察させても良い。この場合、各使用者に、共通する再帰反射スクリーン上に、各使用者の頭部位置に応じた互いに異なる映像を観察させることができる。
[実施の形態B]
実施の形態Bでは、本発明の頭部搭載型撮影装置及びこれを用いた協調作業映像提示システムについて説明する。
(実施の形態B−1)
図10(A)は、本発明の実施の形態B−1に係る頭部搭載型撮影装置の側面図、図10(B)はその上面図である。図10(A)及び図10(B)において、二点鎖線11,12は二葉双曲面、一点鎖線13は二葉双曲面11,12の対称面である。点P1は双曲面11の焦点(即ち、双曲面11の内側焦点)、点P2は双曲面12の焦点(即ち、双曲面11の外側焦点)である。本実施の形態B−1に係る頭部搭載型撮影装置は、双曲面11に沿った反射面を有するハーフミラー20と、小型のカメラ40(図10(B)では図示を省略)とを備える。カメラ40の撮影レンズの中心は双曲面11の外側焦点P2に配置されている。双曲面11の内側焦点P1は使用者の頭部1の左眼球2Lの位置と一致する。ハーフミラー20及びカメラ40は、眼球2Lに対して上記の位置関係を維持するように図示していない治具を用いて使用者の頭部1に搭載され固定される。
このように構成された本実施の形態B−1の撮影装置の動作を説明する。
双曲面11に沿った反射面を有するハーフミラー20は、その内側焦点P1に向かってハーフミラー20に入射する光線の一部を通過させ、別の一部を反射して外側焦点P2に集光させる性質を有している。本実施の形態B−1では、双曲面11の内側焦点P1に左眼球2Lが配置され、外側焦点P2にカメラ40の撮影レンズの中心が配置されている。従って、使用者の左眼球2Lがハーフミラー20を介して外界の実環境90を視認するとき、実環境90から左眼球2Lに向かう光線のうちの一部はハーフミラー20を通過して使用者の左眼球2Lに入射し、別の一部はハーフミラー20で反射され、カメラ40の撮影レンズに入射する。かくして、カメラ40は、双曲面11の内側焦点P1に位置する使用者の左眼球2Lを視点とする映像を撮影できる。このように、本実施の形態B−1によれば、使用者の左眼球2Lとカメラ40の視点とが完全に一致し、使用者が左眼球2Lで観察する映像とまったく同一の映像を撮影することができる。
図10(A)に示されているように、側方から見ると、カメラ40は、使用者の左眼球2Lよりも高い位置に配置されている。ハーフミラー20の反射面は、双曲面11のうち、内側焦点P1と外側焦点P2とを結ぶ直線よりも低い領域内に形成されている。従って、カメラ40は使用者の正面方向の視界を妨げない。
図10(B)に示されているように、上方から見ると、カメラ40は、使用者の左眼球2Lのほぼ正面方向に配置されている。ハーフミラー20の反射面は、双曲面11のうち、使用者の左側には左眼球2Lのほぼ側方にまで、右側には使用者の頭部1と衝突しない程度にまでの相対的に広い領域にわたって形成されている。
従って、ハーフミラー20の垂直方向及び水平方向の形成範囲及びその姿勢(傾き)を適切に設定することにより、使用者の左眼球2Lの正面方向を含み、人間の一般的な視野角である垂直方向約125度、水平方向約200度を超える超広視野の利用者視点映像を撮影することができる。
以上のように、本実施の形態B−1によれば、人間の視野角を超える超広視野映像を、利用者視点で撮影することができる。しかも、これをカメラ40以外にはハーフミラー20というただ1つの光学部品のみで実現できるので、構成が簡単で、小型且つ軽量である。更に、ハーフミラー20とカメラ40という2つの光学部品の相対的位置関係を管理するだけでよいので、製造が容易である。
ハーフミラー20は、実施の形態A−1で説明したのと同様の方法で一体的に作成できる。従って、映像のムラや歪みが少なく、繋ぎ目のない鮮明な映像を撮影することができる。
撮影された映像は、例えば撮影装置の使用者とは別環境にいる別の人物に提示して、協調作業などに利用することができる。この別の人物は撮影装置の使用者の視点映像を見ながら、使用者に対して必要な指示を行うことが出来る。
上記の構成において、カメラ40が、ハーフミラー20からの反射光に加えて、使用者の眼球の瞳孔位置を撮影しても良い。瞳孔位置から眼球の視線方向を検出することにより、利用者視点映像を撮影しながら、同時に、この視点映像の中で視線方向にある被写体像、即ち利用者が見ている被写体を特定することができる。このような撮影装置は、例えばいわゆる視線入力インターフェースとして利用することができる。瞳孔位置から視線方向を検出する方法は特に限定はなく、公知の方法を適宜選択して用いることができる。
この場合、カメラ40は、ハーフミラー20を介さずに瞳孔位置を撮影することが好ましい。これにより瞳孔位置を明るく且つ鮮明に撮影することができるので、視線方向の検出精度が向上する。瞳孔位置をハーフミラー20を介さずに撮影するためには、図10(A)に示すように、カメラ40の撮影レンズと利用者の眼球2Lとを結ぶ直線が交差する双曲面11上の領域にハーフミラー20を形成しなければよい。
上記の実施の形態B−1では、左眼球2Lの視点で撮影する撮影装置を例に説明したが、使用者の鼻位置に対して左右対称に構成することにより、右眼球2Rの視点で撮影する撮影装置も実現可能である。
(実施の形態B−2)
図11(A)は、本発明の実施の形態B−2に係る頭部搭載型撮影装置の側面図、図11(B)はその上面図である。図11(A)及び図11(B)において図10(A)及び図10(B)と同じ機能を有する部材には同一の符号を付して、それらについての詳細な説明を省略する。以下、本実施の形態に特有の構成及び効果を説明する。
上述した実施の形態B−1に係る撮影装置(図10(A)及び図10(B))では、使用者の左右の眼球2L,2Rのうちのいずれか一方に対して、ハーフミラー20及びカメラ40が所定の位置関係で配置されていた。これに対して、本実施の形態B−2の撮影装置では、使用者の左右の眼球2L,2Rのそれぞれに対して、ハーフミラー20及びカメラ40が実施の形態B−2に示した位置関係で左右対称に配置されている。但し、図11(B)では、図面を簡略化するために、右眼球2Rに対応するカメラ40及び光束の図示を省略している。
図11(B)に示すように、左眼球2Lに対応するハーフミラー20と右眼球2Rに対応するハーフミラー20とは、使用者の鼻近傍位置にて接続されている。従って、本実施の形態B−2では、左眼球2Lに対応したカメラ40が撮影する映像及び右眼球2Rに対応したカメラ40が撮影する映像の鼻側の視野は、実施の形態B−1に比べて僅かに狭くなる。一対のハーフミラー20は、実施の形態A−2で説明したのと同様の方法により一体的に作成できる。
本実施の形態B−2によれば、左右の眼球2L,2Rのそれぞれの視点位置での超広視野のステレオ映像を撮影することができる。しかも、本実施の形態B−2の撮影装置は、これを一対のハーフミラー20と一対のカメラ40という簡単な構成で実現するので、小型且つ軽量である。
(実施の形態B−3)
図12(A)は、本発明の実施の形態B−3に係る頭部搭載型撮影装置の側面図、図12(B)はその上面図である。図12(A)及び図12(B)において図11(A)及び図11(B)と同じ機能を有する部材には同一の符号を付して、それらについての詳細な説明を省略する。以下、本実施の形態に特有の構成及び効果を説明する。
本実施の形態B−3に係る撮影装置では、実施の形態B−2に係る映像提示装置(図11(A)及び図11(B))に更に第1及び第2偏光フィルタ71,72が付加されている。第1偏光フィルタ71はカメラ40の撮影レンズの入射側開口に設けられており、第2偏光フィルタ72はハーフミラー20の内側焦点P1側の面に設けられている。第1偏光フィルタ71及び第2偏光フィルタ72はいずれも直線偏光フィルタであっても良く、この場合、それぞれの透過軸の方向が互いに直交するように第1及び第2偏光フィルタ71,72が設置される。あるいは、第1偏光フィルタ71及び第2偏光フィルタ72がいずれも円偏光フィルタであっても良く、この場合、それぞれの旋回の向きが互いに逆となるように第1及び第2偏光フィルタ71,72が設置される。図11(B)では、図面を簡略化するために、右眼球2Rに対応するカメラ40、第1偏光フィルタ71及び光束の図示を省略している。
以上のように第1及び第2偏光フィルタ71,72が設けられていることにより、カメラ40が、実環境90に加えてハーフミラー20を介して使用者の顔や頭部を撮影するのを防止できる。これにより、実環境90の鮮明な映像を撮影できる。
図12(A)及び図12(B)では、実施の形態B−2(図11(A)及び図11)に示した撮影装置に第1及び第2偏光フィルタ71,72を追加する例を示したが、実施の形態B−1(図10(A)及び図10)に示した撮影装置に第1及び第2偏光フィルタ71,72を追加することも可能である。
(実施の形態B−4)
図13は、本発明の実施の形態B−4に係る頭部搭載型撮影装置の側面図である。図13において図11(A)と同じ機能を有する部材には同一の符号を付して、それらについての詳細な説明を省略する。以下、本実施の形態に特有の構成及び効果を説明する。
本実施の形態B−4に係る撮影装置は、実施の形態B−2に係る映像提示装置(図11(A)及び図11(B))に更に平板ミラー50が付加されている。平板ミラー50はカメラ40とハーフミラー20とを結ぶ光路上に設置されている。双曲面11の幾何学的な外側焦点P2(図11(A)参照)に対して平板ミラー50によって設定される光学的に等価な外側焦点P2’にカメラ40の撮影レンズの中心が設置される。左右のカメラを用いたステレオ撮影装置の場合には、左右の眼球2L,2Rに対応して2つの平板ミラー50が左右対称に設置される。
使用者の眼球2L(2R)がハーフミラー20を介して外界の実環境90を視認するとき、実環境90から使用者の眼球2L(又は2R)に向かう光線のうちの一部はハーフミラー20を通過して使用者の眼球2L(又は2R)に入射し、別の一部はハーフミラー20で反射され、平板ミラー50で反射され、カメラ40の撮影レンズに入射する。従って、実施の形態B−2と同様に、使用者の眼球2L(又は2R)とカメラ40の視点とが完全に一致し、使用者が眼球2L(又は2R)で観察する映像とまったく同一の映像を撮影することができる。
本実施の形態B−4によれば、実施の形態B−2と光学的に等価な光学系を形成しながら、カメラ40を使用者の頭部1の重心位置に接近させることができる。これにより使用者の首振りに伴う撮影装置の回転モーメントが減少するので、装着感が向上し、また疲労を軽減することができる。
図13では、実施の形態B−2の撮影装置に平板ミラー50を設置する場合を示したが、実施の形態B−1,B−3のそれぞれの撮影装置に同様に平板ミラー50を設置することができ、その場合も上記と同様の効果が得られる。
(実施の形態B−5)
図14(A)は、本発明の実施の形態B−5に係る頭部搭載型撮影装置の側面図、図14(B)はその上面図である。図14(A)及び図14(B)において図11(A)及び図11(B)と同じ機能を有する部材には同一の符号を付して、それらについての詳細な説明を省略する。図14(A)及び図14(B)では、実環境90の図示を省略している。以下、本実施の形態に特有の構成及び効果を説明する。
本実施の形態B−5に係る撮影装置では、カメラとして広視野用カメラ41と狭視野用カメラ42とが設けられている。広視野用カメラ41の撮影レンズの中心は双曲面11の幾何学的な外側焦点P2に配置されている。広視野用カメラ41とハーフミラー20とを結ぶ光路上に平板ハーフミラー51が設置されている。双曲面11の幾何学的な外側焦点P2に対して平板ハーフミラー51によって設定される光学的に等価な外側焦点P2’に狭視野用カメラ42の撮影レンズの中心が設置される。左右のカメラを用いたステレオ撮影装置の場合には、左右の眼球2L,2Rに対応して2つの平板ハーフミラー51,2つの広視野用カメラ41,及び2つの狭視野用カメラ42がそれぞれ左右対称に設置される。但し、図14(B)では、図面を簡略化するために、2つの広視野用カメラ41,2つの狭視野用カメラ42,2つの平板ハーフミラー51、2つの外側焦点P2’、及び右眼球2Rに対応する光束の図示を省略している。
実環境90から使用者の眼球2L(又は2R)に向かう光線のうちハーフミラー20で反射された光線は、平板ハーフミラー51に入射し、その一部は平板ハーフミラー51を通過して広視野用カメラ41の撮影レンズに入射し、別の一部は平板ハーフミラー51で反射されて狭視野用カメラ42の撮影レンズに入射する。
広視野用カメラ41の撮影レンズの画角は相対的に大きく、狭視野用カメラ42の撮影レンズの画角は相対的に小さい。従って、狭視野用カメラ42は、使用者の正面に位置する中心視野A42内の相対的に狭視野の映像を撮影する。一方、広視野用カメラ41は中心視野A42を含む周辺視野A41内の相対的に広視野の映像を撮影する。例えば、カメラ41,42に内蔵される撮像素子の画素数が同じである場合、狭視野用カメラ42は相対的に高解像度の映像を撮影し、広視野用カメラ41は相対的に低解像度の映像を撮影する。狭視野用カメラ42が撮影した映像と狭視野用カメラ42が撮影した映像とを合成して、超広視野の利用者視点映像を得る。
一般に、人間の視力は、正面方向において高く、周辺方向では著しく低下することが知られている。本実施の形態B−5によれば、カメラ41,42として汎用の安価なカメラを用いながら、高い視力で観察される正面方向の映像を高解像度で撮影できるので、使用者が実際に視認している状態に近い解像度で超広視野映像を撮影できる。
上記において、広視野用カメラ41と狭視野用カメラ42との配置を入れ替えてもよい。広視野用カメラ41及び狭視野用カメラ42のうち重い方を使用者の頭部1の重心位置に接近して配置すると、使用者の首振りに伴う撮影装置の回転モーメントが減少することにより、装着感が向上し、また疲労を軽減することができるので好ましい。
平板ハーフミラー51に代えてこれと同等の機能を有するプリズムなどの他の光束分岐手段を用いても良い。片方の眼球に対して設置されるカメラの数は、2つに限られず、3以上であっても良い。また、複数のカメラに内蔵される撮像素子の画素数は同一でも異なっていても良い。
図14(A)及び図14(B)は、実施の形態B−2の撮影装置の変形例であるが、実施の形態B−1,B−3,B−4のそれぞれの撮影装置に同様に本実施の形態を適用することができ、その場合も上記と同様の効果が得られる。
(実施の形態B−6)
図15(A)は、本発明の実施の形態B−6に係る頭部搭載型撮影装置の側面図、図15(B)はその上面図である。図15(A)及び図15(B)において図11(A)及び図11(B)と同じ機能を有する部材には同一の符号を付して、それらについての詳細な説明を省略する。図15(A)及び図15(B)では、実環境90の図示を省略している。以下、本実施の形態に特有の構成及び効果を説明する。
本実施の形態B−6に係る撮影装置では、カメラとして内側視野用カメラ43と外側視野用カメラ44とが設けられている。内側視野用カメラ43の撮影レンズの中心は双曲面11の幾何学的な外側焦点P2に配置されている。内側視野用カメラ43とハーフミラー20とを結ぶ光路上に平板ハーフミラー52が設置されている。双曲面11の幾何学的な外側焦点P2に対して平板ハーフミラー52によって設定される光学的に等価な外側焦点P2’に外側視野用カメラ44の撮影レンズの中心が設置される。左右のカメラを用いたステレオ撮影装置の場合には、左右の眼球2L,2Rに対応して2つの平板ハーフミラー52,2つの内側視野用カメラ43,及び2つの外側視野用カメラ44がそれぞれ左右対称に設置される。但し、図15(B)では、図面を簡略化するために、2つの内側視野用カメラ43,2つの外側視野用カメラ44,2つの平板ハーフミラー52、2つの外側焦点P2’、及び右眼球2Rに対応する光束の図示を省略している。
実環境90から使用者の眼球2L(又は2R)に向かう光線のうちハーフミラー20で反射された光線は、平板ハーフミラー51に入射し、その一部は平板ハーフミラー51を通過して内側視野用カメラ43の撮影レンズに入射し、別の一部は平板ハーフミラー51で反射されて外側視野用カメラ44の撮影レンズに入射する。
内側視野用カメラ43は、水平方向において、使用者の各眼球2L,2Rに対して鼻側の視野A33内を撮影する。一方、外側視野用カメラ44は、水平方向において、使用者の各眼球2L,2Rに対して耳側(鼻とは反対側)の視野A44内を撮影する。垂直方向においては、2つのカメラ43,44が撮影する視野範囲はほぼ同じである。内側視野用カメラ43が撮影した映像と外側視野用カメラ44が撮影した映像とを合成して、超広視野の利用者視点映像を得る。
本実施の形態B−6では、複数のカメラが異なる視野の映像をそれぞれ撮影することにより、全体として超広視野映像を撮影する。これにより、画素数が比較的少ない汎用の安価なカメラを用いながら、高解像度の超広視野映像を撮影することができる。
上記において、内側視野用カメラ43と外側視野用カメラ44との配置を入れ替えてもよい。内側視野用カメラ43及び外側視野用カメラ44のうち重い方を使用者の頭部1の重心位置に接近して配置すると、使用者の首振りに伴う撮影装置の回転モーメントが減少することにより、装着感が向上し、また疲労を軽減することができるので好ましい。
平板ハーフミラー52に代えてこれと同等の機能を有するプリズムなどの他の光束分岐手段を用いても良い。片方の眼球に対して設置されるカメラの数は、2つに限られず、3以上であっても良い。また、複数のカメラに内蔵される撮像素子の画素数や撮影レンズの画角は同一でも異なっていても良い。
図15(A)及び図15(B)は、実施の形態B−2の撮影装置の変形例であるが、実施の形態B−1,B−3,B−4のそれぞれの撮影装置に同様に本実施の形態を適用することができ、その場合も上記と同様の効果が得られる。
(実施の形態B−7)
図16(A)は、本発明の実施の形態B−7に係る頭部搭載型撮影装置の側面図、図16(B)はその上面図である。図16(A)及び図16(B)において図11(A)及び図11(B)と同じ機能を有する部材には同一の符号を付して、それらについての詳細な説明を省略する。図16(A)及び図16(B)では、実環境90の図示を省略している。以下、本実施の形態に特有の構成及び効果を説明する。
本実施の形態B−7に係る撮影装置では、カメラとして赤外線用カメラ45と可視光線用カメラ46とが設けられている。赤外線用カメラ45の撮影レンズの中心は双曲面11の幾何学的な外側焦点P2に配置されている。赤外線用カメラ45とハーフミラー20とを結ぶ光路上に平板ハーフミラー51が設置されている。双曲面11の幾何学的な外側焦点P2に対して平板ハーフミラー51によって設定される光学的に等価な外側焦点P2’に可視光線用カメラ46の撮影レンズの中心が設置される。左右のカメラを用いたステレオ撮影装置の場合には、左右の眼球2L,2Rに対応して2つの平板ハーフミラー51,2つの赤外線用カメラ45,及び2つの可視光線用カメラ46がそれぞれ左右対称に設置される。但し、図16(B)では、図面を簡略化するために、2つの赤外線用カメラ45,2つの可視光線用カメラ46,2つの平板ハーフミラー51、2つの外側焦点P2’、及び右眼球2Rに対応する光束の図示を省略している。
実環境90から使用者の眼球2L(又は2R)に向かう光線のうちハーフミラー20で反射された光線は、平板ハーフミラー51に入射し、その一部は平板ハーフミラー51を通過して赤外線用カメラ45の撮影レンズに入射し、別の一部は平板ハーフミラー51で反射されて可視光線用カメラ46の撮影レンズに入射する。
赤外線用カメラ45及び可視光線用カメラ46の撮影レンズの画角及び撮影視野は同じであるが、赤外線用カメラ45は赤外線の波長帯域の光を撮影し、可視光線用カメラ46は可視光線の波長帯域の光を撮影する。
例えば、実環境内に赤外光を発する赤外線光源(例えばLED)を所定位置に配置しておく。そして、可視光線用カメラ46で実環境90を撮影しながら、赤外線用カメラ45で赤外線光源を撮影することにより、赤外線用カメラ45を利用者の頭部の位置及び向きを検出するためのセンサとして利用したり、可視光線用カメラ46で撮影されている被写体の位置を特定したりすることができる。
あるいは、赤外線光源を点滅させることにより信号を発信し、この信号を赤外線用カメラ45で受信することで、可視光線用カメラ46で実環境90を撮影しながら撮影装置に対して信号伝達を行うことができる。
更に、明るい環境では可視光線用カメラ46で撮影し、暗い環境では赤外線用カメラ45で撮影することで、昼夜を問わず撮影できる撮影装置を実現できる。
このように、本実施の形態B−7によれば、撮影波長帯域が互いに異なる複数のカメラを用いることにより、それぞれを異なる目的に用いて各種用途に応用することができる。
上記において、赤外線用カメラ45と可視光線用カメラ46との配置を入れ替えてもよい。赤外線用カメラ45及び可視光線用カメラ46のうち重い方を使用者の頭部1の重心位置に接近して配置すると、使用者の首振りに伴う撮影装置の回転モーメントが減少することにより、装着感が向上し、また疲労を軽減することができるので好ましい。
平板ハーフミラー51に代えてこれと同等の機能を有するプリズムなどの他の光束分岐手段を用いても良い。片方の眼球に対して設置されるカメラの数は、2つに限られず、3以上であっても良い。また、複数のカメラに内蔵される撮像素子の画素数は同一でも異なっていても良い。
上記の例では、赤外線と可視光線とをそれぞれ撮影する2つのカメラを用いる例を示したが、本発明はこれに限定されず、可視光域において互いに異なる波長帯域の光を複数のカメラでそれぞれ撮影するなど、各カメラの撮影波長帯域は用途に応じて適宜変更することができる。
また、撮影レンズの画角及び撮影視野は、複数のカメラ間において同一である必要はなく、異なっていても良い。
図16(A)及び図16(B)は、実施の形態B−2の撮影装置の変形例であるが、実施の形態B−1,B−3,B−4のそれぞれの撮影装置に同様に本実施の形態を適用することができ、その場合も上記と同様の効果が得られる。
(実施の形態B−8)
図17(A)は、本発明の実施の形態B−8に係る頭部搭載型撮影装置の側面図、図17(B)はその上面図である。図17(A)及び図17(B)において図11(A)及び図11(B)と同じ機能を有する部材には同一の符号を付して、それらについての詳細な説明を省略する。以下、本実施の形態に特有の構成及び効果を説明する。
本実施の形態B−8に係る撮影装置では、実施の形態B−2に係る撮影装置(図11(A)及び図11(B))に更に三次元センサ60が付加されている。三次元センサ60は使用者の頭部1の動き(例えば位置、向き、加速度等)を検出する。これにより、例えば三次元センサ60が検出した頭部1の動き情報をもとにカメラ40が撮影した被写体の三次元空間内での位置を特定することができる。あるいは、三次元センサ60で頭部1の振れを検出し、これを元にカメラ40が撮影した映像の振れを補正することができる。
図17(A)及び図17(B)では、実施の形態B−2の撮影装置に三次元センサ60を設置する場合を示したが、実施の形態B−1,B−3〜B−8のそれぞれの撮影装置に同様に三次元センサ60を設置することができる。
(実施の形態B−9)
図18は、本発明の実施の形態B−9に係る協調作業撮影システムの概略構成図である。図18において図17(A)及び図17(B)と同じ機能を有する部材には同一の符号を付して、それらについての詳細な説明を省略する。以下、本実施の形態に特有の構成及び効果を説明する。
本実施の形態B−9に係る協調作業撮影システムは、実施の形態B−8に係る複数の頭部搭載型撮影装置を備える。即ち、同一環境内にいる複数の使用者の頭部1a,1bに実施の形態B−8に示した撮影装置がそれぞれ搭載される。各使用者の頭部1a,1bに搭載された撮影装置からは、カメラ40が撮影した映像と、三次元センサ60で検出された頭部の動きに関する情報とが出力される。これにより、実施の形態B−8で説明したように、使用者ごとに、カメラ40が撮影した被写体の三次元空間内での位置を特定することができる。従って、例えば第1使用者が実物体91上の特定箇所を見ていることが分かる。第1使用者が見ている位置を、例えば天井に設置したプロジェクタを用いて照明すれば、第2使用者は第1使用者が見ている実物体91上の特定箇所を認識することができる。このように、複数の使用者間で互いに他人の注視箇所を可視化することにより複数の使用者による協調作業を行うことができる。この場合、実施の形態B−1で説明したように、カメラ40で使用者の眼球の瞳孔位置を撮影することで、使用者が見ている位置の判別精度を向上させても良い。
(実施の形態C)
実施の形態Cでは、本発明の頭部搭載型映像提示装置と本発明の頭部搭載型撮影装置とを備えた協調作業システムについて説明する。
図19は、本発明の実施の形態Cに係る協調作業システムの概略構成図である。図19において図2(A)及び図2(B)、図11(A)及び図11(B)と同じ機能を有する部材には同一の符号を付して、それらについての詳細な説明を省略する。以下、本実施の形態に特有の構成及び効果を説明する。
第1環境101内にいる第1使用者の頭部1aには実施の形態B−2に示した撮影装置が搭載され、第2環境102内にいる第2使用者の頭部1bには実施の形態A−2に示した映像提示装置が搭載されている。第1環境101内の撮影装置で撮影された映像情報を第2環境102内の映像提示装置に送信して提示することにより、第2環境102内の第2使用者は、第1環境101内の第1使用者の視点映像を見ることができる。従って、例えば第1環境101内にいる作業実施者(第1使用者)の立体視点映像を第1環境101から遠く離れた第2環境102内にいる作業支援者(第2使用者)に提示して、作業実施者は作業支援者から必要な作業指示を受けるという協調作業システムとして応用することができる。
図19では、撮影装置として実施の形態B−2に示した撮影装置を用い、映像提示装置として実施の形態A−2に示した映像提示装置を用いた協調作業システムの例を示したが、実施の形態B−1〜B−9のいずれかの撮影装置と実施の形態A−1〜A−9のいずれかの映像提示装置とを適宜組み合わせて協調作業システムを構成することができる。
例えば、撮影装置として実施の形態B−8(図17(A)及び図17(B))に示した三次元センサ60を備える撮影装置を用いることができる。三次元センサ60が検出した頭部1aの振れに関する信号でカメラ40が撮影した映像を補正することで、頭部1aの振れによる映像の振れがない安定した映像を第2環境102内の第2使用者に提示することができる。これにより、第2使用者の「映像酔い」を防止できる。
あるいは、映像提示装置として実施の形態A−8(図8(A)及び図8(B))に示した三次元センサ60を備える映像提示装置を用いることができる。これにより、例えば、第1環境101内の第1使用者の超広視野視点映像のうち、第2環境102内の第2使用者の正面に提示する映像を、三次元センサ60が検出した頭部1bの向きに応じて変化させることができる。従って、第2使用者は自身の頭部1bを動かすことで、第1使用者の視線方向とは異なる、所望する方向の映像を見ることができる。
(実施の形態D)
実施の形態Dでは、映像の提示と撮影とを行うことが出来る本発明の頭部搭載型映像装置について説明する。
図20(A)は、本発明の実施の形態Dに係る頭部搭載型映像装置の側面図、図20(B)はその上面図である。図20(A)及び図20(B)において図2(A)及び図2(B)、図11(A)及び図11(B)と同じ機能を有する部材には同一の符号を付して、それらについての詳細な説明を省略する。以下、本実施の形態に特有の構成及び効果を説明する。
本実施の形態Dに係る映像装置では、プロジェクタ30とカメラ40とが設けられている。カメラ40の撮影レンズの中心は双曲面11の幾何学的な外側焦点P2に配置されている。カメラ40とハーフミラー20とを結ぶ光路上に平板ハーフミラー51が設置されている。双曲面11の幾何学的な外側焦点P2に対して平板ハーフミラー51によって設定される光学的に等価な外側焦点P2’にプロジェクタ30の投射レンズの中心が設置される。両眼で観察する立体映像を提示し、且つ2つのカメラを用いたステレオ撮影を行う映像装置の場合には、左右の眼球2L,2Rに対応して2つの平板ハーフミラー51,2つのプロジェクタ30,及び2つのカメラ40がそれぞれ左右対称に設置される。但し、図20(B)では、図面を簡略化するために、2つのプロジェクタ30,2つのカメラ40,2つの平板ハーフミラー51、2つの外側焦点P2’、及び右眼球2Rに対応する光束の図示を省略している。
プロジェクタ30から投射された光束は、平板ハーフミラー51で反射され、ハーフミラー20で反射されて、使用者の周囲の実環境上に投射される。使用者は、ハーフミラー20を介して実環境とこの上に投射された光束により形成された映像とを観察する。
一方、実環境から使用者の眼球2L(又は2R)に向かう光線のうちハーフミラー20で反射された光線は、平板ハーフミラー51に入射し、その一部は平板ハーフミラー51を通過してカメラ40の撮影レンズに入射する。これにより、カメラ40は超広視野の利用者視点映像を撮影することができる。
平板ハーフミラー51に代えてこれと同等の機能を有するプリズムなどの他の光束合成/分岐手段を用いても良い。片方の眼球に対して設置されるプロジェクタ及びカメラの数は、2つに限られず、3以上であっても良い。
図20(A)及び図20(B)の映像装置では、実施の形態A−2と実質的に同一に配置されたプロジェクタ30と、実施の形態B−2と実質的に同一に配置されたカメラ40とを備えている。従って、映像提示装置として実施の形態A−2と同様の効果を奏し、撮影装置として実施の形態B−2と同様の効果を奏する。
本実施の形態Dの映像装置の用途は特に限定されない。例えば、カメラ40で使用者の眼球を撮影することで実環境内において使用者が注視している被写体を特定し、この被写体に関する情報をプロジェクタ30を介して使用者に提示することができる。
あるいは、本実施の形態Dの映像装置を複数人の頭部にそれぞれ搭載して複数人による作業を支援する協調作業システムとして利用することができる。例えば、図18に示したような同一環境内にいる複数の使用者の頭部1a,1bに本実施の形態Dの映像装置をそれぞれ搭載する。カメラ40で第1使用者の視点映像を撮影し、これを別の第2使用者にプロジェクタ30を通じて提示する。これにより、図18の構成では必要であった天井に設置したプロジェクタ等を用いることなく、第2使用者は第1使用者が見ている被写体を認識することができる。このように、複数の使用者間で互いに他人の注視箇所を可視化することにより複数の使用者による協調作業を行うことができる。
本発明の映像装置は、図20(A)及び図20(B)に示した構成に限定されず、その用途等に応じて、実施の形態A,Bに示した各種構成を適宜組み合わせることができ、その場合には、それぞれの構成による効果を得ることができる。
例えば、実施の形態A−3で説明したように実環境内に再帰反射スクリーンを設置しても良い。これにより、例えば再帰反射スクリーン上に使用者が注視している被写体に関する情報を提示することができる。あるいは、複数人による協調作業において、再帰反射スクリーン上に提示された仮想環境を通じて他人が注視している箇所を使用者に認識させることができる。
ここで、上記の再帰反射スクリーンを、実環境内に設置するのではなく、実施の形態A−4で説明したように、使用者の頭部に搭載しても良い。これにより、実環境に再帰反射スクリーンを設置することなく、頭部に搭載された再帰反射スクリーン上に被写体に関する情報や他人の注視箇所を提示することができる。この構成では、自分と再帰反射スクリーンとの間に他の使用者や物体が存在することにより映像が遮蔽されることがない。
また、実施の形態B−1で説明したように、カメラ40が、使用者の視点映像を撮影しながら、同時に使用者の眼球の瞳孔位置を撮影しても良い。瞳孔位置から眼球の視線方向を検出することにより、撮影した利用者視点映像の中で視線方向にある被写体像、即ち使用者が見ている被写体を特定することができる。これにより、注視箇所の特定精度が向上する。
また、実施の形態A−2、B−2で説明したように、映像装置が両目に対応して、ハーフミラー20、プロジェクタ30、及びカメラ40を2つずつ備えていても良い。これにより、例えば他人の注視箇所を立体的に提示することができる。また、利用者視点のステレオ映像を撮影することができる。
また、実施の形態B−3で説明したように、カメラ40の撮影レンズの入射側開口に第1偏光フィルタを設け、ハーフミラー20の内側焦点P1側の面に第2偏光フィルタを設けても良い。ここで、第1偏光フィルタ及び第2偏光フィルタはいずれも直線偏光フィルタであっても良く、この場合、それぞれの透過軸の方向が互いに直交するように第1及び第2偏光フィルタが設置される。あるいは、第1偏光フィルタ及び第2偏光フィルタがいずれも円偏光フィルタであっても良く、この場合、それぞれの旋回の向きが互いに逆となるように第1及び第2偏光フィルタが設置される。これにより、カメラ40が、実環境に加えてハーフミラー20を介した使用者の顔や頭部を撮影するのを防止でき、実環境の鮮明な映像を撮影できる。
また、実施の形態A−8、B−8で説明したように、映像装置が更に使用者の頭部1の動きを検出する三次元センサを備えていても良い。例えば、三次元センサが検出した頭部1の動きに応じてプロジェクタ30が提示する映像を制御することで、使用者に自分の頭部の位置や向きなどに応じた映像を観察させることができる。あるいは、三次元センサが検出した頭部1の動き情報をもとにカメラ40が撮影した被写体の三次元空間内での位置を特定することができる。若しくは、三次元センサで頭部1の振れを検出し、これを元にカメラ40が撮影した映像の振れを補正することができる。
本発明の頭部搭載型映像提示装置及び頭部搭載型映像装置は、例えば人工現実感、拡張現実感、ウエアラブルコンピュータなど、広視野映像の恩恵を享受するあらゆる用途に利用することができる。
本発明の頭部搭載型撮影装置及び頭部搭載型映像装置は、例えば人間の行動理解、視線入力インターフェース、協調作業支援システムなどの用途に広範囲に利用することができる。
本発明の協調作業映像提示システム、協調作業撮影システム、及び協調作業システムは、例えば複数人が協調して各種作業を行う際の支援システムとして利用することができる。
図1(A)は、本発明の実施の形態A−1に係る頭部搭載型映像提示装置の側面図、図1(B)はその上面図である。 図2(A)は、本発明の実施の形態A−2に係る頭部搭載型映像提示装置の側面図、図2(B)はその上面図である。 図3(A)は、本発明の実施の形態A−3に係る頭部搭載型映像提示装置の側面図、図3(B)はその上面図である。 図4(A)は、本発明の実施の形態A−4に係る頭部搭載型映像提示装置の側面図、図4(B)はその上面図である。 図5は、本発明の実施の形態A−5に係る頭部搭載型映像提示装置の側面図である。 図6(A)は、本発明の実施の形態A−6に係る頭部搭載型映像提示装置の側面図、図6(B)はその上面図である。 図7(A)は、本発明の実施の形態A−7に係る頭部搭載型映像提示装置の側面図、図7(B)はその上面図である。 図8(A)は、本発明の実施の形態A−8に係る頭部搭載型映像提示装置の側面図、図8(B)はその上面図である。 図9は、本発明の実施の形態A−9に係る協調作業映像提示システムの概略構成図である。 図10(A)は、本発明の実施の形態B−1に係る頭部搭載型撮影装置の側面図、図10(B)はその上面図である。 図11(A)は、本発明の実施の形態B−2に係る頭部搭載型撮影装置の側面図、図11(B)はその上面図である。 図12(A)は、本発明の実施の形態B−3に係る頭部搭載型撮影装置の側面図、図12(B)はその上面図である。 図13は、本発明の実施の形態B−4に係る頭部搭載型撮影装置の側面図である。 図14(A)は、本発明の実施の形態B−5に係る頭部搭載型撮影装置の側面図、図14(B)はその上面図である。 図15(A)は、本発明の実施の形態B−6に係る頭部搭載型撮影装置の側面図、図15(B)はその上面図である。 図16(A)は、本発明の実施の形態B−7に係る頭部搭載型撮影装置の側面図、図16(B)はその上面図である。 図17(A)は、本発明の実施の形態B−8に係る頭部搭載型撮影装置の側面図、図17(B)はその上面図である。 図18は、本発明の実施の形態B−9に係る協調作業撮影システムの概略構成図である。 図19は、本発明の実施の形態Cに係る協調作業システムの概略構成図である。 図20(A)は、本発明の実施の形態Dに係る頭部搭載型映像装置の側面図、図20(B)はその上面図である。
符号の説明
1,1a,1b 使用者の頭部
2L 使用者の左眼球
2R 使用者の右眼球
11,12 二葉双曲面
13 二葉双曲面の対称面
20 ハーフミラー
30 プロジェクタ
31 広視野用プロジェクタ
32 狭視野用プロジェクタ
33 内側視野用プロジェクタ
34 外側視野用プロジェクタ
40 カメラ
41 広視野用カメラ
42 狭視野用カメラ
43 内側視野用カメラ
44 外側視野用カメラ
45 赤外線用カメラ
46 可視光線用カメラ
50 平板ミラー
51,52 平板ハーフミラー
60 三次元センサ
71 第1偏光フィルタ
72 第2偏光フィルタ
80,81 再帰反射スクリーン
90 実環境
91 実物体
101 第1環境
102 第2環境
P1 内側焦点
P2,P2’ 外側焦点

Claims (33)

  1. 二葉双曲面のうちの一方の双曲面に沿った反射面を有するハーフミラーと、前記一方の双曲面の外側焦点に配置されたプロジェクタとを備え、前記一方の双曲面の内側焦点が眼球と一致するように頭部に搭載されることを特徴とする頭部搭載型映像提示装置。
  2. 両眼に対応して前記ハーフミラー及び前記プロジェクタを2つずつ備える請求項1に記載の頭部搭載型映像提示装置。
  3. 更に、再帰反射スクリーンを備え、前記プロジェクタからの光束は、前記ハーフミラーで反射され、前記再帰反射スクリーンに入射し、前記再帰反射スクリーンからの反射光が前記ハーフミラーを介して観察される請求項1又は2に記載の頭部搭載型映像提示装置。
  4. 前記再帰反射スクリーンが頭部搭載型の再帰反射スクリーンである請求項3に記載の頭部搭載型映像提示装置。
  5. 更に、前記ハーフミラーと前記プロジェクタとを結ぶ光路上に配置された平板ミラーを備え、前記プロジェクタからの光束は前記平板ミラーで反射された後、前記ハーフミラーに入射する請求項1〜4のいずれかに記載の頭部搭載型映像提示装置。
  6. 前記ハーフミラーの外側焦点に少なくとも2つのプロジェクタが配置されている請求項1〜5のいずれかに記載の頭部搭載型映像提示装置。
  7. 前記少なくとも2つのプロジェクタのうちの1つは広視野映像を提示し、他の1つは狭視野映像を提示する請求項6に記載の頭部搭載型映像提示装置。
  8. 前記少なくとも2つのプロジェクタは互いに異なる視野に映像を提示する請求項6に記載の頭部搭載型映像提示装置。
  9. 更に、頭部の動きを検出する三次元センサを備え、前記三次元センサが検出した頭部の動きに応じて前記プロジェクタが提示する映像が制御される請求項1〜8のいずれかに記載の頭部搭載型映像提示装置。
  10. 請求項9に記載の頭部搭載型映像提示装置を複数備える協調作業映像提示システム。
  11. 前記複数の頭部搭載型映像提示装置の各々ごとに、前記三次元センサが検出した頭部の動きに応じて前記プロジェクタが提示する映像が独立して制御される請求項10に記載の協調作業映像提示システム。
  12. 二葉双曲面のうちの一方の双曲面に沿った反射面を有するハーフミラーと、前記一方の双曲面の外側焦点に配置されたカメラとを備え、前記一方の双曲面の内側焦点が眼球と一致するように頭部に搭載されることを特徴とする頭部搭載型撮影装置。
  13. 前記カメラは、前記ハーフミラーからの反射光に加えて、瞳孔位置を撮影する請求項12に記載の頭部搭載型撮影装置。
  14. 前記カメラは、前記瞳孔位置を前記ハーフミラーを介さずに撮影する請求項13に記載の頭部搭載型撮影装置。
  15. 前記瞳孔位置から眼球の視線方向を検出し、前記カメラが撮影した映像内において前記視線方向にある被写体像を特定する請求項13又は14に記載の頭部搭載型撮影装置。
  16. 両眼に対応して前記ハーフミラー及び前記カメラを2つずつ備える請求項12〜15のいずれかに記載の頭部搭載型撮影装置。
  17. 更に、前記カメラの入射側に設けられた第1偏光フィルタと、前記ハーフミラーの前記内側焦点側の面に設けられた第2偏光フィルタとを備え、前記第1偏光フィルタ及び前記第2偏光フィルタがいずれも直線偏光フィルタであり、且つそれぞれの透過軸の方向が互いに直交しており、または、前記第1偏光フィルタ及び前記第2偏光フィルタがいずれも円偏光フィルタであり、且つそれぞれの旋回の向きが互いに逆である請求項12〜16のいずれかに記載の頭部搭載型撮影装置。
  18. 更に、前記ハーフミラーと前記カメラとを結ぶ光路上に配置された平板ミラーを備え、前記ハーフミラーからの光束は前記平板ミラーで反射された後、前記カメラに入射する請求項12〜17のいずれかに記載の頭部搭載型撮影装置。
  19. 前記ハーフミラーの外側焦点に少なくとも2つのカメラが配置されている請求項12〜18のいずれかに記載の頭部搭載型撮影装置。
  20. 前記2つのカメラのうちの1つは広視野映像を撮影し、他の1つは狭視野映像を撮影する請求項19に記載の頭部搭載型撮影装置。
  21. 前記少なくとも2つのカメラは互いに異なる視野の映像を撮影する請求項19に記載の頭部搭載型撮影装置。
  22. 前記少なくとも2つのカメラの撮影波長域が互いに異なる請求項19〜21のいずれかに記載の頭部搭載型撮影装置。
  23. 更に、頭部の動きを検出する三次元センサを備え、前記三次元センサが検出した頭部の動きに応じて前記カメラが撮影した映像が処理される請求項12〜22のいずれかに記載の頭部搭載型撮影装置。
  24. 請求項23に記載の頭部搭載型撮影装置を複数備えた協調作業撮影システム。
  25. 請求項12〜23のいずれかに記載の頭部搭載型撮影装置、及び、
    二葉双曲面のうちの一方の双曲面に沿った反射面を有するハーフミラーと、前記一方の双曲面の外側焦点に配置されたプロジェクタとを備え、前記一方の双曲面の内側焦点が眼球と一致するように頭部に搭載される頭部搭載型映像提示装置
    を備え、
    前記頭部搭載型撮影装置で撮影した映像を前記頭部搭載型映像提示装置で提示する協調作業システム。
  26. 二葉双曲面のうちの一方の双曲面に沿った反射面を有するハーフミラーと、前記一方の双曲面の外側焦点に配置されたプロジェクタ及びカメラとを備え、前記一方の双曲面の内側焦点が眼球と一致するように頭部に搭載されることを特徴とする頭部搭載型映像装置。
  27. 更に、再帰反射スクリーンを備え、前記プロジェクタからの光束は、前記ハーフミラーで反射され、前記再帰反射スクリーンに入射し、前記再帰反射スクリーンからの反射光が前記ハーフミラーを介して観察される請求項26に記載の頭部搭載型映像装置。
  28. 前記再帰反射スクリーンが頭部搭載型の再帰反射スクリーンである請求項27に記載の頭部搭載型映像装置。
  29. 前記カメラは、前記ハーフミラーからの反射光に加えて、瞳孔位置を撮影する請求項26〜28のいずれかに記載の頭部搭載型映像装置。
  30. 前記瞳孔位置から眼球の視線方向を検出し、前記カメラが撮影した映像内において前記視線方向にある被写体像を特定する請求項29に記載の頭部搭載型映像装置。
  31. 両眼に対応して前記ハーフミラー、前記プロジェクタ、及び前記カメラを2つずつ備える請求項26〜30のいずれかに記載の頭部搭載型映像装置。
  32. 更に、前記カメラの入射側に設けられた第1偏光フィルタと、前記ハーフミラーの前記内側焦点側の面に設けられた第2偏光フィルタとを備え、前記第1偏光フィルタ及び前記第2偏光フィルタがいずれも直線偏光フィルタであり、且つそれぞれの透過軸の方向が互いに直交しており、または、前記第1偏光フィルタ及び前記第2偏光フィルタがいずれも円偏光フィルタであり、且つそれぞれの旋回の向きが互いに逆である請求項26〜31のいずれかに記載の頭部搭載型映像装置。
  33. 更に、頭部の動きを検出する三次元センサを備え、前記三次元センサが検出した頭部の動きに応じて、前記プロジェクタが提示する映像が制御され、又は、前記カメラが撮影した映像が処理される請求項26〜32のいずれかに記載の頭部搭載型映像装置。
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