JP4721283B2 - 投影装置およびそれを使用した航空機ならびに航空機用シミュレータ - Google Patents

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Description

本願発明は、ヘルメット・マウンテッド・プロジェクタ(HMP)の原理を応用した投影装置に関し、特に、光源分離型のヘルメット・マウンテッド・プロジェクタを実現可能な投影装置およびそれを使用した航空機ならびに航空機用シミュレータに関する。
従来から、航空機のパイロットが計器を見るために視線を落とすことなく必要な情報を目の前に表示させる機器としてヘルメット・マウンテッド・ディスプレイ(HMD:Helmet Mounted Display)というものがある(図12(a)参照)。HMDの原理は、基本的には、それまでのヘッドアップ・ディスプレイ(HUD:Heads-Up Display)と同じであり、コックピット前部に設置されていたディスプレイ装置1Aとコンバイナ(一般には、ハーフミラー)2とを小型化してヘルメットに取り付けたような構成である(たとえば、特許文献1〜3を参照)。このHMDによれば、コンバイナ2がパイロットの眼3aの直前に配置されているので、コンバイナ2が小型であっても比較的大きな投影視野を得られるという利点がある。
しかしながら、HMDにおいては、ディスプレイ装置1Aは、コンバイナ2の上方、つまり、パイロットの前頭部に配置されており、コンバイナ2を介したディスプレイ装置1までのパイロットの焦点距離と、コンバイナ2を介した実景9までの焦点距離とが大きくことなることがほとんどであり、また、ディスプレイ装置1Aからの映像と実景9の映像とが重畳してパイロットの眼3aに入ってくるため、眼の負担が大きい。
そこで、HMP(Helmet Mounted Projector)というものが開発されている(たとえば、特許文献4を参照)。HMPにおいては、図12(b)に示すように、プロジェクタ装置1Bから投影される映像は、コンバイナ2で反射してパイロットの眼3aに直接入れられるのではなく実景9の方向へ反射される。そして、反射された映像は、この実景9の方向に配置された再帰性反射面4で反射され、コンバイナ2を透過してパイロットの眼3aに入ってくる。このHMPによれば、プロジェクタ装置1Bからの映像は、すべて再帰性反射面4を介してパイロットの眼3aに入ってくるため、前述のような映像の重畳は発生しない。
また、HMPでは、再帰性反射面4で結像するようにパイロットには写るため、パイロットから再帰性反射面4までの距離とパイロットの焦点距離とが同じで、パイロットの眼から比較的距離が離れているため、眼への負担が小さくて長時間の使用が可能であるなど利点が多い。
HMPには、航空機用としてだけでなく、次のような用途にも期待がある。たとえば、図13に示すように、ある物体Aの表面に再帰性反射面4を生成する。これを使用者の方向へ向けながら別の物体Bをこの使用者の視界から遮蔽する。この状態では、使用者の眼3aにはハーフミラーからなるコンバイナ2を通じて再帰性反射面4に遮蔽された物体Bが見えるだけである。
別の言い方をすれば、再帰性反射面4以外の部分にはプロジェクタ装置1Bからの映像は投影されず、再帰性反射面4の有無で実景と映像との切り分けが可能であるという利点もある。
そして、プロジェクタ装置1Bから実景の映像(物体Aで遮蔽していないときの物体Bの映像)を投影すると、この映像はコンバイナ2で再帰性反射面4の方向へ反射された後、再帰性反射面4で反射された部分だけがコンバイナ2を透過して使用者の眼3aに入るのである。つまり、物体Aがあたかもそこには存在していないかのようにその背景の物体Bしか使用者の眼3aには見えないようにできるのである。
ところで、プロジェクタ装置1Bは、かなり高い温度の熱を発生する熱源でもあり、使用者の前頭部が非常に熱くなるという不快感があるほか、質量の大きい投影部が前頭部にあると、使用者が頭の向きを変えるときの負担になるという不都合もある。この質量の大きさは、たとえば航空機の操縦時に非常に大きな重力加速度(G)が掛かったときにより大きな負担となる。
そこで、図14に示すように、プロジェクタ装置1B本体を後頭部に配置し、光ファイバ6で投影画像を前頭部に導く構成のHMPも開発されている。このHMPでは、熱源となるプロジェクタ装置1Bを前頭部から除去でき、前頭部の質量を大幅に低減することできる。
特開平5-241539号公報 特開平5-241540号公報 特開平7-325265号公報 特開2000-10194号公報
ところが、戦闘機などの機動性の高い航空機にあっては、パイロットの頭部に付加する質量は少しでも低減したいという要求がある。
本願発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、ヘルメット・マウンテッド・プロジェクタを改良し、特に、プロジェクタ装置をパイロットなどの使用者の頭部に配置する必要がない、つまり、光源分離型のヘルメット・マウンテッド・プロジェクタを実現可能な投影装置およびそれを使用した航空機ならびに航空機用シミュレータを提供することを目的とする。
本願発明に係る投影装置は、プロジェクタ装置を使用者の眼の位置に対して共役な位置に配置し、前記プロジェクタ装置から前記使用者による観察の対象となる物体の画像を投影し、投影した画像をコンバイナを介して再帰性反射面に映し出す投影装置であって、前記コンバイナは、回転双曲の少なくとも一部を有し、前記使用者の頭部周囲を眼の高さで覆う環状をなしており、前記使用者の眼は、前記回転双曲の一方の焦点に配置され、前記プロジェクタ装置は、前記回転双曲の一方の焦点異なる他方の焦点に配置されていることを特徴とする。
上記コンバイナには、回転双曲の少なくとも一部を採用し、使用者の目を回転双曲の一方の焦点に配置し、更にプロジェクタ装置を回転双曲の一方の焦点異なる他方の焦点に配置するため、このコンバイナを基準としたプロジェクタ装置の位置又は使用者の眼の位置のずれが従来に比して大幅に許容される。また、上記コンバイナが使用者の頭部周囲を眼の高さで覆う環状をなしているため、水平方向に全方位の視野を使用者に提供することができる。これは、特に、コンバイナが使用者の頭部から分離して配置されている場合に好適である。
上記コンバイナがハーフミラーからなると、従来のHMPと同様のハーフミラーの採用が可能となる。
上記プロジェクタ装置は、使用者の頭部から分離して配置されることが可能である。前述したように、プロジェクタ装置の位置のずれが従来に比して大幅に許容されるからである。
上記の環状コンバイナが回転双曲面をz方向に所定範囲切り出した環状形状をなしていると、水平方向の全方位に亘って、コンバイナを基準としたプロジェクタ装置の位置または使用者の眼の位置のずれを従来に比して大幅に許容することができる。
前記コンバイナが、使用者が装着するヘルメットのバイザの形状をなし、該バイザの機能を兼用するように構成されていると、たとえば、パイロット用ヘルメットのバイザとして、ヘルメットに特別な加工を施すことなく実現することができる。
上記の投影装置における再帰性反射面を、コックピットの計器類に相当する部分以外の領域に配置すると、従来のHUDなどに比してより大きな領域に映像を投影することができる。
この場合、キャノピーにも再帰性反射面を配置することにより、実景とプロジェクタ装置からの映像と重畳して表示させることもできる。
また、上記の投影装置における再帰性反射面を、模擬コックピットの少なくともキャノピーに相当する領域に配置すると、従来のドーム型、ワイドスクリーン型、ディスプレイ型などのシミュレータに比して、より広い視野を確保することができ、設備自体を小型化することができ、臨場感を欠くこともない。
このシミュレータにおける計器類に相当する領域にも再帰性反射面を配置すると、実際の計器類を模擬コックピット内に配置する必要がなくなる。
上記発明によれば、ヘルメット・マウンテッド・プロジェクタを改良し、特に、プロジェクタ装置をパイロットなどの使用者の頭部に配置する必要がない、つまり、光源分離型のヘルメット・マウンテッド・プロジェクタを実現可能な投影装置およびそれを使用した航空機ならびに航空機用シミュレータを提供することができる。
以下、本願発明に係る投影装置およびそれを使用した航空機ならびに航空機用シミュレータについて添付の図面を参照しながら具体的に説明する。
図1に本願発明に係る投影装置10の基本構成を示すように、この投影装置10は、プロジェクタ装置11と、コンバイナ12と、再帰性反射面13とを備えている。
プロジェクタ装置11は、使用者3の眼3aと共役な位置に配置される。プロジェクタ装置11には、典型的には、従来のHMPのプロジェクタ装置と同様のものを使用することが可能である。プロジェクタ装置11は、使用者3には装着されず、代わりに、コックピット内などの任意の場所に固定される。プロジェクタ装置11は、使用者3の頭部に装着しないことから、特別に設計されたものである必要はなく、汎用のものであることが可能である。
コンバイナ12は、回転双曲面を有したハーフミラーからなり、使用者3の頭部にヘルメットのようなものを介して装着することも可能である。使用者3の頭部に装着する場合には、このコンバイナ12の重さが使用者3の頭部に掛かることになるが、この場合であっても従来のHMPに比べるとプロジェクタ装置11の分だけは少なくとも軽くなる。コンバイナ12をヘルメット(たとえば、図10および図11において参照符号“35”で示すような軍用タイプ)に装着する場合、このコンバイナ12をヘルメットのバイザと置き換えることも可能である。さらに、このコンバイナ12も使用者3の頭部から分離してコックピット内などの任意の場所に固定することも可能である。
回転双曲面を有しない従来のコンバイナでは、プロジェクタ装置および/またはコンバイナを使用者の頭部から分離して配置すると、コンバイナを介したプロジェクタ装置と使用者の眼との共役関係が維持できず、使用者が正常な映像を見ることができないが、本願発明に係るコンバイナ12は、回転双曲面を有しているので、プロジェクタ装置11、コンバイナ12、および使用者3の眼3aの位置関係のずれに影響され難く、上記の共役関係をかなりの程度まで維持することができる。
再帰性反射面13は、公知の再帰性反射材、あるいは再帰性反射剤の塗布面であることが可能である。なお、再帰性反射面13は、平坦な面である必要はなく、曲面など任意の形状の面であることが可能である。
次に、コンバイナ12の形状について詳述する。コンバイナ12の形状は、図2に示すような回転双曲面の一方の曲面の少なくとも一部を有している。回転双曲面とは、次の(1)式で与えられるような曲面である。
Figure 0004721283
回転双曲面の特性を説明すると、回転双曲面のxz断面(あるいはyz断面)は、図3に示すように双曲線である。双曲線とは、次の(2)式で与えられるような曲線である。
Figure 0004721283
以後、説明の簡略化のため、コンバイナ12の形状が双曲線の一方の曲線12Rであると仮定して説明する。双曲線では、図3に示すように、片方の曲線12Lの焦点Lから出た光は、もう一方の曲線12Rの形状を有するコンバイナ12で反射し、この反射光をさらに180°反転させると、曲線12Rの焦点Eに集まるという特性を有している。
つまり、焦点Lにプロジェクタ装置11を配置し、焦点Eに使用者3の眼3aを配置することにより、プロジェクタ装置11の照射角度がある程度ずれても、映像は常に使用者3に正しく認識されることになる。
勿論、上記のようなコンバイナ12からの反射光の180°反転に再帰性反射面13を使用すれば、この再帰性反射面13の使用可能範囲(再帰反射可能範囲:一般のもので約70°。図7参照)内でコンバイナ12との角度ずれは許容されることになる。
以下、プロジェクタ装置11のコンバイナ12に対する位置ずれに特化して説明するが、使用者3の眼3aのコンバイナ12に対する位置ずれについても同様あって、ここではその説明は省略する。
図4では、プロジェクタ装置11が焦点LからL1の位置までずれた場合を想定している。位置L1は、既知あるいは測定可能であるものとする。次に、プロジェクタ装置11からの映像を結像させる再帰性反射面13の位置Rを決定する。この位置Rも、既知あるいは測定可能である。これに基づいてコンバイナ12での反射点Mが求められる(次の(2)式を参照)。
Figure 0004721283
ここでは、使用者3の眼3aは焦点Eにあるものとしているので、∠MREが再帰性反射面13の反射角限界内であれば、正しい映像が使用者3によって認識されることになる。
そこで、∠MREが再帰性反射面13の反射角限界内となるように、位置L1に応じてプロジェクタ装置11からの映像の照射角度を補正し、コンバイナ12での反射点Mを調節するのである。
図6に一般的な再帰性反射材あるいは再帰性反射剤の特性を示すように、再帰性反射面で反射された光は、その入射光軸から離れるほど輝度が急激に低下する特性を有しており、約2°離れた位置で輝度は入射光軸の位置の約20%弱となっている。
図5に示すように、この約2°を再帰性反射面13の反射角限界と想定すれば、同様に、プロジェクタ装置11からの映像の照射角度も同様に約2°ずれる計算になる。ここで、プロジェクタ装置11とコンバイナ12での反射点Mとの間の距離(つまり、L1−M間距離)が1mであるとすると、焦点Lからのプロジェクタ装置11のずれ量(L−L1間距離)は約3.5cmまで許容されることになる。
このずれ許容量は、前述したように、他方の曲線12Rの焦点Eに配置される眼3aの位置にも同様に適用できる。
なお、図7に一般的な再帰性反射材あるいは再帰性反射剤の特性を示すように、再帰性反射面で反射された光は、該再帰性反射面の法線方向に対して一定の範囲で輝度は100%(入射光の輝度に対して)を超えるが、それより外側の角度範囲では輝度が急激に低下する特性を有しており、約70°離れた位置で輝度は約20%となっている。
つまり、再帰性反射面13が使用者3に対して相当な角度傾いた状態であっても正常な映像を映し出すことができることになり、殆どあらゆる面に映像を映し出すことが可能である。
図8は、使用者3の頭部から分離して配置されたプロジェクタ装置11と、コンバイナ12との具体的な構成例を示している。図8においては、コンバイナ12は、たとえば、コックピット内部などに固定される。本実施の形態においては、コンバイナ12は、回転双曲面の一方の曲面をz方向に所定の範囲切り出した環状をなしており、使用者3に対して水平方向360°全方位の視野を提供している。
このようにコンバイナ12が環状をなしていることから、その上方に配置されるプロジェクタ装置11は、コンバイナ12のすべての面に映像を反射させることができるように、複数のプロジェクタによって構成されている。また、プロジェクタ装置11は、より少ない数のプロジェクタから構成し、プロジェクタを旋回、あるいは角度調整可能なように構成することも可能である。
図9は、以上のように使用者3の頭部から分離して構成されたプロジェクタ装置11を備えた投影装置10の制御系の例を示している。
本実施の形態に係る投影装置10は、プロジェクタ装置11、図示しないコンバイナ12(図1および図8参照)、再帰性反射面13、画像生成装置14、頭部位置検出センサ(HMS:Head Motion Sensor)15、およびモーションセンサ処理部16を備えている。
プロジェクタ装置11が投影する映像は、たとえば、自機/他機の姿勢、速度などの機体運動のデータ(数値、図形などで表現される映像データ)ならびに機体運動に応じた景色の映像のデータ(使用者3からの視界表示データ)を含んでいる。これらのデータは、機体に取り付けられた様々なセンサ類の検出結果に応じて変化するように構成されている。
つまり、画像生成装置14は、センサ類からの検出結果を与えられ、この検出結果に基づいて映像を生成し、生成した映像をプロジェクタ装置11に与える。本実施の形態においては、画像生成装置14は、2つの画像を同時に生成する機能を有しており、使用者3の左右の眼3aのそれぞれに合わせた映像を生成して、映像の立体視を可能としている。
プロジェクタ装置11は、2つのプロジェクタを備えており、画像生成装置14から与えられた使用者3の左右の眼3aのそれぞれに合わせた映像を、図示しないコンバイナ12を介して再帰性反射面13に投影する。
頭部位置検出センサ15は、使用者3の頭部(あるいはヘルメットなど)に取り付けられ、頭部の位置、つまり眼3aの位置及び視線の方向(注視方向)を計測する。頭部位置検出センサ15による検出結果は、画像生成装置14にフィードバックされる。
画像生成装置14は、再帰性反射面13の位置と使用者3の位置とから、これらの相対位置を演算し、対象物に対する使用者3の視点を求め、視点に応じた映像となるように生成画像を補正する。
なお、ここでは、使用者3の視点のずれをプロジェクタ装置11の映像照射角度で補正するのではなく、映像の輝度や歪みにより補正して追従性を向上させている。勿論、プロジェクタ装置11の映像照射角度の制御も組み合わせることが可能である。
再帰性反射面13は、コーナーキューブアレイ又はガラスビーズなどから生成され、コックピット内の任意の面に生成することが可能である。再帰性反射面13は、その形状に起因する画像の歪みが非常に少なく、柱や凹凸のある面、あるいは複雑な曲面にも補正なしに結像することが可能であるが、このような複雑な面に再帰性反射面13を生成するには、たとえば、ガラスビーズを必要な面に塗布すればよい。
図10は、このような再帰性反射面13を有したコックピット90の例を示している。このコックピット90においては、コックピット90内の計器盤91やキャノピー92以外の、壁や柱などのすべての面に再帰性反射面13が生成されており、図10においては再帰性反射面13をハッチング領域で示してある。
このような構成により、キャノピー92以外の領域にも機体の外の景色が映し出すことが可能になり、死角が殆どない視野を使用者3に提供することが可能である。
なお、座席、操縦桿のほか、使用者3や、他の使用者のヘルメットや服にも再帰性反射面13を生成することも可能である。
また、一般に、再帰性反射材料は、透明度が高いため、キャノピー92にも塗布することが可能である。塗布の厚みに応じて、実景の映像と、プロジェクタ装置11からの映像との重畳度の調整が可能であるので、GPWS(Ground Proximity Warning System:対地接近警報装置)、TCAS(Traffic alert & Collision Avoidance System:衝突防止警報装置)などと連動させることによって効果的な警報表示が可能である。
図11は、フライトシミュレータ用の模擬コックピット90Bを示している。この模擬コックピット90Bでは、次のように、実機の場合とは異なる箇所に再帰性反射面13を生成するのが好ましい。
たとえば、図11において再帰性反射面13をハッチング領域で示してあるように、キャノピーに相当する箇所に再帰性反射面13を生成して、キャノピーからの視界の映像を映し出すことが可能である。また、計器盤に相当する箇所に再帰性反射面13を生成して、計器盤の映像を映し出すことも可能である。
このキャノピーに相当する箇所としては、板材を嵌め込み、この板材の表面に再帰性反射面13を生成することも可能である。また、通常の航空機の透明な風防ガラス板または樹脂板に再帰性反射面13を生成することも可能であるが、この場合には、投影する映像の視認性を高めるために、再帰性反射材の塗布厚を厚めにするほうがよいであろう。
以上のように、本願発明に係る投影装置は、ヘルメット・マウンテッド・プロジェクタを改良し、特に、プロジェクタ装置をパイロットなどの使用者の頭部に配置する必要がない、つまり、光源分離型のヘルメット・マウンテッド・プロジェクタを実現することが要求される航空機ならびに航空機用シミュレータの用途にも適用可能である。
本願発明の実施の形態に係る投影装置の基本構成を示す模式図である。 図1に示した投影装置のコンバイナの回転双曲面形状を説明するための図である。 図2に示した回転双曲面の特性を説明するための図であり、説明の簡略化のため双曲線で説明している。 図3に示した条件でプロジェクタ装置の位置ずれが発生したときの状態を説明するための図である。 図4に示したプロジェクタの位置ずれの現実的な許容範囲の演算例を示す図である。 図5の演算に使用した一般的な再帰性反射材料の再帰反射特性(反射光が入射光方向に帰る精度)を示すグラフであり、横軸に反射角、縦軸に輝度をそれぞれ取ってある。 図6と同じ再帰性反射材料の再帰反射特性(再帰反射が可能な角度範囲)を示すグラフであり、横軸に反射角、縦軸に輝度をそれぞれ取ってある。 本願発明の別の実施の形態に係る投影装置を示す模式図であり、プロジェクタ装置とコンバイナが使用者から完全に分離されている。 本願発明のさらに別の実施の形態に係る投影装置のプロジェクタ装置の制御系を示すブロック図である。 本願発明のさらに別の実施の形態に係る投影装置を示す模式図であり、実際の航空機のコックピットでの使用例を示している。 本願発明のさらに別の実施の形態に係る投影装置を示す模式図であり、航空機用シミュレータでの使用例を示している。 従来の投影装置の原理を説明するための模式図であり、(a)はHMD、(b)はHMPを示している。 従来のHMPの作用の別の例を説明するための模式図である。 従来のHMPの具体的な全体構成と、その装着例を示す模式図である。
符号の説明
3 使用者
3a 眼
10 投影装置
11 プロジェクタ装置
12 コンバイナ(ハーフミラー)
13 再帰性反射面
90 コックピット
90B 模擬コックピット
91 計器類
92 キャノピー

Claims (11)

  1. プロジェクタ装置を使用者の眼の位置に対して共役な位置に配置し、前記プロジェクタ装置から前記使用者による観察の対象となる物体の画像を投影し、投影した画像をコンバイナを介して再帰性反射面に映し出す投影装置であって、
    前記コンバイナは、回転双曲の少なくとも一部を有し、前記使用者の頭部周囲を眼の高さで覆う環状をなしており、
    前記使用者の眼は、前記回転双曲の一方の焦点に配置され
    前記プロジェクタ装置は、前記回転双曲の一方の焦点異なる他方の焦点に配置されていることを特徴とする投影装置。
  2. 前記コンバイナは、ハーフミラーからなり、
    前記プロジェクタ装置は、前記使用者の頭部から分離して配置されていることを特徴とする請求項1に記載の投影装置。
  3. 前記コンバイナは、前記回転双曲面をz方向に所定範囲切り出した環状形状をなしていることを特徴とする請求項1記載の投影装置。
  4. 前記コンバイナは、前記使用者の頭部から分離して配置してあることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載の投影装置。
  5. 前記コンバイナは、前記使用者が装着するヘルメットのバイザの形状をなし、該バイザの機能を兼用するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載の投影装置。
  6. 上記請求項1乃至5のいずれか1つに記載の投影装置と、
    計器類に相当する部分以外の領域に前記再帰性反射面を配置してあるコックピットと
    を備えることを特徴とする航空機。
  7. プロジェクタ装置を使用者の眼の位置に対して共役な位置に配置し、前記プロジェクタ装置から前記使用者による観察の対象となる物体の画像を投影し、投影した画像をコンバイナを介して再帰性反射面に映し出す投影装置と、
    計器類に相当する部分以外の領域に前記再帰性反射面を配置してあるコックピットとを備え、
    前記コンバイナは、回転双曲の少なくとも一部を有し、
    前記使用者の眼は、前記回転双曲の一方の焦点に配置され
    前記プロジェクタ装置は、前記回転双曲の一方の焦点異なる他方の焦点に配置されていることを特徴とする航空機。
  8. キャノピーに前記再帰性反射面を配置してあることを特徴とする請求項6又は7に記載の航空機。
  9. 上記請求項1乃至5のいずれかに記載の投影装置と、
    少なくともキャノピーに相当する領域に前記再帰性反射面を配置してある模擬コックピットと
    を備えることを特徴とする航空機用シミュレータ。
  10. プロジェクタ装置を使用者の眼の位置に対して共役な位置に配置し、前記プロジェクタ装置から前記使用者による観察の対象となる物体の画像を投影し、投影した画像をコンバイナを介して再帰性反射面に映し出す投影装置と、
    少なくともキャノピーに相当する領域に前記再帰性反射面を配置してある模擬コックピットとを備え、
    前記コンバイナは、回転双曲の少なくとも一部を有し、
    前記使用者の眼は、前記回転双曲の一方の焦点に配置され
    前記プロジェクタ装置は、前記回転双曲の一方の焦点異なる他方の焦点に配置されていることを特徴とする航空機用シミュレータ。
  11. 計器類に相当する領域に前記再帰性反射面を配置してあることを特徴とする請求項9又は10に記載の航空機用シミュレータ。
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