JPH1181361A - マンホール蓋およびその製造方法 - Google Patents

マンホール蓋およびその製造方法

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JPH1181361A
JPH1181361A JP9257894A JP25789497A JPH1181361A JP H1181361 A JPH1181361 A JP H1181361A JP 9257894 A JP9257894 A JP 9257894A JP 25789497 A JP25789497 A JP 25789497A JP H1181361 A JPH1181361 A JP H1181361A
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grain
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Hiroshi Ozeki
宏 大関
Kaname Fujiwara
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量であり取り扱い易く、騒音が少なく、し
かもマンホール蓋として要求される機械的強度を十分に
有し、且つ上面が滑りにくいマンホール蓋およびその製
造方法を提供すること。 【解決手段】 シボ模様2aが上面に形成された反応射
出成形体で構成してあるマンホール蓋。第1金型41と
第2金型42とを有する金型装置40を用い、キャビテ
ィ内周面にシボ模様転写面84が形成された第2金型4
2の温度を第1金型41の温度よりも高い状態で、金型
装置のキャビティ43内に反応原液を注入し、反応射出
成形を行い、第2金型42に接触するマンホール蓋2の
上面にシボ模様2aを成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シボ模様が表面に
形成された反応射出成形体から成るマンホール蓋および
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば地中に埋設された下水道、上水
道、電気配線、ガス配管、浄化槽などのメンテナンスを
行うために、地面に形成されたマンホール孔にマンホー
ル蓋が取り外し自在に装着される。
【0003】従来のマンホール蓋としては、金属製のも
のが良く知られている。しかしながら、金属製マンホー
ル蓋は、重量が重く、取り扱いが不便であるという課題
を有する。また、マンホールの上を自動車が通過した場
合などには、騒音が発生するという課題もある。
【0004】そこで、合成樹脂製のマンホール蓋が提案
されている。たとえばFRP製のマンホール蓋やノルボ
ルネン系モノマーを反応射出成形(RIM)して得られ
るマンホール蓋が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、FRP製のマ
ンホール蓋では、その製造に時間を要し、製造コストが
嵩むという課題を有していた。これに対して、ノルボル
ネン系モノマーの反応射出成形は、成形時間が短く、製
造コストの低減を図ることができ、しかも成形体は優れ
た機械的強度を持つことから、マンホール蓋として用い
て好適であろうと考えられている。
【0006】ところが、従来のノルボルネン系RIM技
術では、表面がすべりやすいマンホール蓋しかできなか
った。
【0007】本発明は、このような実状に鑑みてなさ
れ、軽量であり取り扱い易く、騒音が少なく、しかもマ
ンホール蓋として要求される機械的強度を十分に有し、
且つ上面が滑りにくいマンホール蓋およびその製造方法
を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係るマンホール蓋は、シボ模様が上面に形
成されたノルボルネン系モノマーの反応射出成形体で構
成してある。
【0009】マンホール蓋の上面には、滑り防止及び水
がたまることを防止するために、凹部および凸部を形成
することが好ましい。一般的な反応射出成形によれば、
直径が300mm以上程度の円形凸部または円形凹部
は、容易に成形することができる。
【0010】さらに滑り止め効果を高めるために、凸部
の頂面に、さらに微細な凹凸模様、たとえばシボ模様を
成形する。シボ模様としては、梨地状シボ模様、皮地状
シボ模様、布地状シボ模様、石目状シボ模様、木目状シ
ボ模様、幾何学模様のシボ模様、あるいはその他のシボ
模様などがあるが、これらのシボ模様は、日本工業規格
(JIS)で規定する表面粗さの最大高さRmaxが2
5s〜1000s程度であり、あるいは凸部の最大高さ
(凸部の頂部と凹部の底部との間の最大距離)が0.5
〜5mmである。さらに、シボ模様を構成する微小凸部
または微小凹部の最小直径または最小幅は、3.0mm
以下である。
【0011】従来のノルボルネン系RIMでは、表面に
微小なシボ模様を形成しようとして、金型表面にシボ加
工をしても、成形品表面が金型表面に追随しないため、
シボ加工は困難であった。
【0012】本発明に係るマンホール蓋の製造方法は、
第1金型と第2金型とを有する金型装置を用い、キャビ
ティ内周面にシボ模様転写面が形成された第2金型の温
度を第1金型の温度よりも高い状態で、金型装置のキャ
ビティ内に反応原液を注入し、反応射出成形を行い、第
2金型に接触するマンホール蓋の上面にシボ模様を成形
することを特徴とする。このような特定の成形方法によ
り、従来の方法では不可能であった金型のシボ模様の成
形品への転写が初めて可能となった。
【0013】前記第2金型と、前記第1金型とが、線膨
張率が異なる材質で構成してあり、第2金型と第1金型
との温度差により、これら金型の熱膨張量の絶対値が略
等しくなるような材質で構成してあることが好ましい。
このような材質の組合せとしては、第1金型が鋳造アル
ミニウム製金型、第2金型がニッケルなどの高融点金属
層がレジコンで裏打ちされた電鋳製金型である組合せで
ある。レジコンとは、樹脂とアルミ粉末などを含むコン
クリート製型材である。
【0014】本発明において、第2金型の温度は、第1
金型の温度より、好ましくは20〜50°C、さらに好
ましくは20〜40°C程度高いことが好ましい。第1
金型の温度は、好ましくは30〜70°C、さらに好ま
しくは40〜60°Cである。このような温度範囲に設
定することで、第2金型のキャビティ内周面に形成され
たシボ模様転写面の形状が成形体に良好に転写される。
【0015】第1金型が鋳造アルミニウム製金型、第2
金型がニッケルメッキ電鋳製金型である場合には、それ
ぞれの線膨張率は、α1 =23×10-6/K、α2 =1
3.3×10-6/Kである。室温を10°Cと仮定し、
鋳造アルミニウム製第1金型を45°Cに設定し、ニッ
ケルメッキ電鋳製第2金型を70°Cに設定したとし
て、それぞれの線膨張度を求めると、第1金型では、α
1 ×(45−10)=8.05×10-4であり、第2金
型では、α2 ×(70−10)=7.98×10-4であ
り、両者はほぼ等しくなる。したがって、第1金型と第
2金型との間に温度差を設けても、両者の熱膨張の絶対
量は略等しくなり、成形品の寸法精度に悪影響を与える
ことがない。
【0016】本発明において、マンホール蓋の上面側
は、中央部で盛り上がる凸面形状を有することが好まし
い。蓋の上に雨水などが貯まらないようにするためであ
る。また、排水を良くするために、蓋の上面には、排水
用溝を形成しても良い。また、排水用溝とは別に、滑り
止め用の溝や凹凸を形成しても良い。いずれにしても、
本発明では、排水用溝、滑り止め用の溝や凹凸とは別
に、これら溝や凹凸よりも細かな凹凸模様であるシボ模
様が、マンホール蓋の少なくとも上面側表面に形成して
ある。
【0017】本発明において、マンホール蓋には、把手
部を1ヶ所又は2ヶ所有することが好ましい。把手部が
2ヶ所の場合、図1に示すように、リブの無い所に位置
し、左右対称となる位置にあることが好ましく、実施形
態では蓋本体8の底面側に突出するように、把手部形成
溝10が形成してある。把手部形成溝10には、図2に
示すように、嵌合孔12が形成され、そこに金属棒など
の把手部が嵌着するようになっている。
【0018】また、マンホール蓋の上面には、蓋の成形
時に合成樹脂により一体に把手を成形しても良いが、金
属などで構成される把手を蓋の上面に後で取り付けても
良い。
【0019】本発明において、マンホール蓋の外形は、
特に限定されず、円形以外に、楕円形、矩形などであっ
ても良い。また、本発明において、「マンホール蓋」の
語は、通常のマンホール蓋以外に、チェッカープレート
などを含む広義の意味で用いる。すなわち、本発明にお
けるマンホール蓋は、何らかの目的で地面に形成された
孔に取り外し自在に装着されるものを意味する。
【0020】本発明において、反応射出成形に用いる反
応原液としては、ノルボルネン系モノマーを含むものが
用いられる。
【0021】ノルボルネン系モノマー 本発明において、反応射出成形は、メタセシス触媒の存
在下に、ノルボルネン系モノマーを金型内で塊状重合す
るものであり、使用するモノマーは、ノルボルネン環を
有するものであればいずれでも良いが、耐熱性に優れた
成形体が得られることから、三環体以上の多環ノルボル
ネン系モノマーを用いることが好ましい。
【0022】ノルボルネン系モノマーの具体例として
は、ノルボルネン、ノルボルナジエン等の二環体;ジシ
クロペンタジエン(シクロペンタジエン二量体)、ジヒ
ドロジシクロペンタジエン等の三環体;テトラシクロド
デセン等の四環体;シクロペンタジエン三量体等の五環
体;シクロペンタジエン四量体等の七環体;これらのメ
チル、エチル、プロピル、ブチルなどのアルキル、ビニ
ル等のアルケニル、エチリデン等のアルキリデン、フェ
ニル、トリル、ナフチル等のアリール等の置換体;更に
これらのエステル基、エーテル基、シアノ基、ハロゲン
原子などの極性基を有する置換体などが例示される。こ
れらのモノマーは、1種以上を組み合わせて用いても良
い。入手が容易であり、反応性に優れ、得られる樹脂成
形体の耐熱性に優れる点から、三環体、四環体、あるい
は五環体のモノマーが好ましい。
【0023】また、生成する開環重合体は熱硬化型とす
ることが好ましく、そのためには、上記ノルボルネン系
モノマーの中でも、シクロペンタジエン三量体等の反応
性の二重結合を二個以上有する架橋性モノマーを少なく
とも含むものが用いられる。全ノルボルネン系モノマー
中の架橋性モノマーの割合は、2〜30重量%が好まし
い。
【0024】なお、本発明の目的を損なわない範囲で、
ノルボルネン系モノマーと開環共重合し得るシクロブテ
ン、シクロペンテン、シクロペンタジエン、シクロオク
テン、シクロドデセン等の単環シクロオレフィン等を、
コモノマーとして用いても良い。
【0025】メタセシス触媒 ノルボルネン系モノマーを用いた反応射出成形において
使用することができるメタセシス触媒は、RIM法でノ
ルボルネン系モノマーを開環重合できるものであれば特
に限定されず、公知のもので良い。例えば、タングステ
ンまたはモリブデンなどのハロゲン化物、オキシハロゲ
ン化物、酸化物、アンモニウム塩、ヘテロポリ酸
(P5+、As5+、Si4+、Ge4+、Ce4+、Th4+、M
4+、Ni4+、Te6+、I7+、Co3+、Al3+、C
3+、Cu2+などのヘテロ原子とタングステンまたはモ
リブデンとの化合物)などが使用される。本発明では、
好ましくは、トリドデシルアンモニウムモリブデート、
トリ(トリデシル)アンモニウムモリブデート等の有機
モリブデン酸、アンモニウム酸等のモリブデン酸有機ア
ンモニウム塩等のモリブデン系メタセシス触媒が用いら
れる。
【0026】メタセシス触媒の使用量は、反応液全体で
使用するモノマー1モルに対し、通常、0.01ミリモ
ル以上、好ましくは0.1ミリモル以上、50ミリモル
以下、好ましくは20ミリモル以下である。メタセシス
触媒の使用量が少なすぎると重合活性が低すぎて反応に
時間がかかるため生産効率が悪く、使用量が多すぎると
反応が激しすぎるため型内に十分に充填される前に硬化
したり、触媒が析出し易くなり均質に保存することが困
難になる。メタセシス触媒は、通常、モノマーに溶解し
て用いるが、RIM法による成形体の性質を本質的に損
なわれない範囲であれば、少量の溶剤に懸濁させ溶解さ
せた上で、モノマーと混合することにより、析出しにく
くしたり、溶解性を高めて用いても良い。
【0027】活性剤 活性剤(共触媒)としては、特開昭58−127728
号公報、特開平4−226124号公報、特開昭58−
129013号公報、特開平4−145247号公報に
開示してあるような公知の活性剤であれば、特に制限は
ないが、本発明においては、例えばエチルアルミニウム
ジクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド等のアルキ
ルアルミニウムハライド、アルコキシアルキルアルミニ
ウムハライドなどの有機アルミ化合物が好ましく用いら
れる。
【0028】活性剤の使用量は、特に限定されないが、
通常、反応液全体で使用するメタセシス触媒1モルに対
して、0.1モル以上、好ましくは1モル以上、かつ1
00モル以下、好ましくは10モル以下である。活性剤
を用いないか、または活性剤の使用量が少なすぎると、
重合活性が低すぎて反応に時間がかかるため生産効率が
悪くなる。また逆に、使用量が多すぎると、反応が激し
すぎるため型内に十分に充填される前に硬化することが
ある。活性剤は、モノマーに溶解して用いるが、RIM
法による成形体の性質を本質的に損なわない範囲であれ
ば、少量の溶剤に懸濁させた上で、モノマーと混合する
ことにより、析出しにくくしたり、溶解性を高めて用い
ても良い。
【0029】本発明においては、一般に、上記活性剤に
活性調節剤を併用する。活性調節剤を併用することによ
って、反応速度や、反応液の混合から反応開始までの時
間、反応活性などを変化させることができる。
【0030】活性調節剤としては、メタセシス触媒を還
元する作用を持つ化合物などが用いられ、活性調節剤と
しては、アルコール類、ハロアルコール類、エステル
類、エーテル類、ニトリル類などが例示される。この中
で、たとえばアルコール類の具体例としては、n−プロ
パノール、n−ブタノール、n−ヘキサノール、2−ブ
タノール、イソブチルアルコール、イソプロプルアルコ
ール、t−ブチルアルコールなどが挙げられ、ハロアル
コール類の具体例としては、1,3−ジクロロ−2−プ
ロパノール、2−クロロエタノール、1−クロロブタノ
ールなどが挙げられる。なお、活性調整剤の添加量は、
用いる化合物によって変わり、一様ではない。
【0031】その他の任意成分 所望により、酸化防止剤、充填剤、顔料、着色剤、発泡
剤、難燃剤、摺動付与剤、エラストマー、ジシクロペン
タジエン系熱重合樹脂およびその水添物など種々の添加
剤を反応原液に配合することができ、それにより得られ
るRIM製品の特性を改質することができる。
【0032】特に機械的強度の高い成形体を得る目的
で、補強材を金型内に予め充填しておき、次いで重合反
応液を金型内に注入し、硬化させることもできる。補強
材の充填量は、特に制限はないが、通常、モノマー重量
の10重量%以上、好ましくは20〜60重量%であ
る。充填量が少なければ、機械的強度の割合が小さい。
充填量が多すぎると、均一に充填せずにむらができた
り、充填阻害が生じる傾向にある。
【0033】補強材としては、例えば、ガラス繊維、ア
ラミド繊維、カーボン繊維、超高分子量ポリエチレン繊
維、金属繊維、ポリプロピレン繊維、アルミコーティン
グガラス繊維、木綿、アクリル繊維、ボロン繊維、シリ
コンカーバイド繊維、アルミナ繊維などを挙げることが
できる。これらの補強材は、長繊維状またはチョップド
ストランド状のものをマット化したもの、布状に織った
もの、チョップ形状のままのものなど、種々の形状で使
用することができる。これらの補強材は、その表面をシ
ランカップリング材等のカップリング剤で処理したもの
が、樹脂との密着性を向上させる上で好ましい。補強材
の配合量は、特に制限はないが、モノマー全重量を10
0重量%として、通常10重量%以上、好ましくは20
〜60重量%である。このような範囲で補強材を配合さ
せることで、マンホール蓋の機械的強度を向上させるこ
とができる。
【0034】また、マンホール蓋の機械的強度をさらに
向上させる目的で、反応射出成形を行う金型内に、予め
金属棒または金属板などをインサートしておき、その後
反応射出成形を行う(インサート成形)こともできる。
このインサート成形により、金属棒または金属板が一体
成形された、機械的強度に優れたマンホール蓋を得るこ
とができる。
【0035】酸化防止剤としては、フェノール系、リン
系、アミン系など各種のプラスチック・ゴム用酸化防止
剤がある。充填剤にはミルドガラス、カーボンブラッ
ク、タルク、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、雲
母、チタン酸カリウム、硫酸カルシウムなどの無機質充
填剤がある。
【0036】エラストマーとしては、天然ゴム、ポリブ
タジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重
合体(SBR)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロ
ック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチ
レンブロック共重合体(SIS)、エチレン−プロピレ
ン−ジエンターポリマー(EPDM)、エチレン酢酸ビ
ニル共重合体(EVA)およびこれらの水素化物などが
ある。エラストマーの添加量は、反応原液の30°Cに
おける粘度が5cps以上、好ましくは50cps以
上、かつ1000cps以下、好ましくは500cps
以下となるように適宜選択される。添加剤は、通常、予
め反応液のいずれか一方または双方に混合しておく。
【0037】反応射出成形方法 反応射出成形の前準備として、ノルボルネン系モノマ
ー、メタセシス触媒及びアルミニウム系活性剤を主材と
する反応射出成形用材料を、ノルボルネン系モノマーと
メタセシス触媒とよりなるB液と、前記のノルボルネン
系モノマーとアルミニウム系活性剤とよりなるA液との
安定な2液に分けて、それぞれを別のタンクに入れてお
く。
【0038】A液またはB液から成る反応原液の温度は
20〜80°C、反応原液の粘性は、たとえば、30°
Cにおいて、5cps〜3000cps好ましくは10
0cps〜1000cps程度である。
【0039】反応射出成形においては、補強材を予め金
型内に設置しておき、その中に反応液を供給して重合さ
せることにより強化ポリマー(成形体)を製造すること
ができる。または金属材などを予め金型内に設置してお
き、インサート成形しても良い。
【0040】反応射出成形を開始するには、ミキサーを
制御し、タンクからのA液およびB液を混合し、その混
合液を反応原液として金型のキャビティ内に充填する。
キャビテ内に充填された反応原液は、キャビティの内部
に行き渡る。
【0041】重合時間は、適宜選択すればよいが、通
常、反応液の注入終了後、20秒〜20分程度である。
金型圧力は、通常0〜100Kg/cm2 の範囲であ
る。重合時間は、適宜選択すればよいが、通常、反応液
の注入終了後、30秒〜20分である。また、反応原液
の注入圧は、2×105 〜5×105 Paであることが
好ましい。この注入圧が低すぎると、第2金型のキャビ
ティ内周面に形成されたシボ模様転写面の転写が良好に
行われない傾向にあり、注入圧が高すぎると、金型の剛
性を高くしなければならず経済的でない。
【0042】また、本発明では、金型装置のキャビティ
内への反応原液の注入開始から反応が急激に進んで、生
成樹脂の表面よりわずかに白煙が上がるまでの時間t’
と、注入開始から充填完了までの充填時間tとの比であ
るゲルタイム比(t’/t)は、通常1.5〜20であ
り、好ましくは2〜15であり、より好ましくは4〜1
2である。ゲルタイムが上記の範囲より大きいと、反応
が遅いので、成形体の表面外観が悪くなり、また、サイ
クルが遅く量産できない。反対にゲルタイムが小さい
と、シボは形成されず、また充填が不十分となる。
【0043】上記t’は、成形体の大きさにもよるが、
通常、100秒〜300秒であり、好ましくは、150
秒〜250秒である。また、上記tは、成形体の大きさ
にもよるが、通常、5秒〜100秒であり、好ましく
は、8秒〜50秒である。成形体がマンホール蓋の場
合、tは、10秒〜30秒である。
【0044】このような範囲となるように、反応を調節
する方法としては、公知の方法に従えばよく、例えば、
特開平3−146516号公報、特開平4−33731
8号公報に開示されている方法がある。特開平3−14
6516号公報には、反応の調節剤として5−ビニルビ
シクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン(ビニルノルボ
ルネン)、5−イソプロペニルビシクロ[2,2,1]
ヘプト−2−エンのような5−アルケニル−2−ノルボ
ルネン類を用いるノルボルネン系ポリマーの製造方法が
記載されており、特開平4−337318号公報には、
活性調節剤として、5−エチニル−2−ノルボルネンな
どの5−アルキニル−2−ノルボルネン類を用いること
が示されている。ゲルタイム比を上述した範囲に設定す
ることで、第2金型のキャビティ内周面に形成されたシ
ボ模様転写面の転写が良好となる。
【0045】キャビティでの反応射出成形が終了し、成
形体が固化した段階で、型開きすれば、ノルボルネン系
モノマーの反応射出成形体が得られる。
【0046】シボ模様 本発明の方法により得られるマンホール蓋の表面に形成
されたるシボ模様としては、特に限定されず、JISで
規定する表面粗さの最大高さRmaxが25s〜100
0s程度(好ましくは50s〜900s)のシボ模様で
も、あるいは、シボ模様の凹凸をJISで規定すること
ができない場合には、凸部の最大高さ(凸部の頂部と凹
部の底部との間の最大距離;シボが形成された平面に垂
直方向距離)が0.5〜5.0mm(好ましくは1.0〜
4.0mm)のシボ模様でも良い。これらのシボ模様を構
成する微小凸部または微小凹部の最小直径または最小幅
は、3.0mm以下である。
【0047】なお、シボ模様の種類としては、定性的に
は、梨地状シボ模様、皮地状シボ模様、布地状シボ模
様、石目状シボ模様、木目状シボ模様、ダイヤモンドカ
ット形状などの幾何学模様状シボ模様などがあり、これ
らシボ模様は、絵柄模様あるいは文字模様と組み合わせ
て用いることができる。梨地状シボ模様、皮地状シボ模
様、布地状シボ模様などは、JISの表面粗さの規定に
よれば、Rmaxが25s〜1000s程度となり、J
ISにより特定することが可能である。ところが、石目
状シボ模様、木目状シボ模様などは、JISの表面粗さ
の規定により特定することが困難であり、JISに代わ
る基準として、凸部の最大高さを用い、特定することが
できる。この基準によれば、石目状シボ模様、木目状シ
ボ模様などは、凸部の最大高さが0.5〜5mmであるシ
ボ模様として、特定することができる。
【0048】なお、本発明においては、反応射出成形後
に、成形体の表面にサンドブラスト法などにより凹凸を
つけてもよい。反応射出成形後の蓋の表面にシボ模様な
どのすべり止めを形成する方法の一例として、サンドブ
ラスト法(エアーブラスト法、ウェットブラスト法)が
ある。エアーブラスト法は、ガラスビーズ、くるみ殻
粉、砂、アルミニウム、ウィートなどの硬い粒を投射材
として、加圧空気などの力で成形表面に吹き付けて、物
理的に表面を粗面化する方法である。また、ウェットブ
ラスト法は、ガラスビーズ、アルミニウム、ウィートな
どの硬い粒を投射材として、加圧水などの力で、成形品
表面に吹き付けて、物理的に成形品表面を粗面化する方
法である。
【0049】サンドブラスト法に用いる投射材の粒径
は、一般には80〜500μm程度であるが、マンホー
ル蓋の表面を粗面化する場合には、100〜300μm
程度が好ましい。また、投射材を吹き付ける圧力は、流
体圧力により制御することができ、圧縮空気の場合に
は、0.2〜5kgf/cm2 である。さらに、投射材
を吹き付ける角度は、特に限定されないが、加工しよう
とする面に対して、0〜90度と任意であるが、効果的
に粗面化するためには、10〜80度程度が適当であ
る。
【0050】これらの方法により、凹凸の大きさ又は表
面粗さなどを、Rmaxで25〜1000s程度の任意
の微小凹凸をマンホール蓋の表面に形成することができ
る。
【0051】
【作用】本発明に係るマンホール蓋の製造方法では、キ
ャビティ内周面にシボ模様転写面が形成された第2金型
の温度を第1金型の温度よりも高い状態で、金型装置の
キャビティ内に反応原液を注入し、反応射出成形を行
う。その結果、従来では不可能と考えられていたシボ模
様を持つ反応射出成形体から成るマンホール蓋の成形が
可能になる。第2金型のシボ模様転写面の形状が良好に
反応射出成形体の表面に転写されるためである。
【0052】このように第2金型のシボ模様転写面の形
状が良好に反応射出成形体の表面に転写される理由は、
第2金型の温度を第1金型の温度よりも高く設定するこ
とで、温度が高い第2金型のキャビティ内周面に接する
部分から、より早く反応原液の反応が開始するためと考
えられる。
【0053】本発明に係るマンホール蓋は、反応射出成
形体で構成してあることから、金属製マンホールに比較
して軽量であり、マンホール孔の開き閉め作業が容易で
ある。また、金属製マンホールに比較して、騒音が少な
い。しかも、本発明では、好ましくはノルボルネン系モ
ノマーを用いた反応射出成形体によりマンホール蓋を構
成してあるので、マンホール蓋として要求される必要且
つ十分な機械的強度を有する。
【0054】さらに、マンホール蓋の上面にシボ模様が
形成してあるので、マンホール蓋の上面での滑りを有効
に防止することができる。また、マンホール蓋の美観も
向上する。
【0055】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、図面に示す実施
形態に基づき説明する。
【0056】図1は本発明の1実施形態に係るマンホー
ル蓋の平面図、図2は図1に示すII−II線に沿う概略断
面図、図3(A)はマンホール蓋に成形された梨地状シ
ボ模様の平面図、図3(B)は同図(A)に示すB−B
線に沿う要部断面図、図4は金型装置の概略構成図、図
5は金型のキャビティ内周面を示す要部断面図、図6
(A)は本発明の他の実施形態に係る皮地状シボ模様の
平面図、図6(B)は同図(A)に示すB−B線に沿う
要部断面図、図7は布地状シボ模様の平面図、図8は石
目状シボ模様の平面図、図9は木目状シボ模様の要部断
面図、図10(A)は本発明の他の実施形態に係るマン
ホール蓋の半分を示す平面図、図10(B)は同図
(A)のB−B線に沿う概略断面図である。
【0057】図1および図2に示すように、本発明の1
実施形態に係るマンホール蓋2は、円形の外形を有し、
その中心部に、底面側に突出するように円形の肉厚部4
が一体的に成形してある。マンホール蓋2の外周には、
底面側に突出するリング状のフランジ部6が一体に成形
してある。フランジ部6と肉厚部4との間には、比較的
薄肉の円盤状蓋本体8が一体に形成してある。蓋本体8
は、肉厚部4からフランジ部6へ向けて均一の厚み、あ
るいはフランジ部6に向けて除々に薄い厚みを有し、そ
の最小厚みt1は、6〜25mmである。
【0058】肉厚部4とフランジ部6との間に位置する
蓋本体8の底面側には、肉厚部4とフランジ部6とを連
結するように放射状に延びるリブ14が一体的に成形し
てある。リブ14の高さt4は、特に限定されず、好ま
しくは0〜40mm程度である。リブ14の配置ピッチ
角度θ1は、特に限定されず、好ましくは30〜180
度であるが、本実施形態では、45度であり、合計8つ
の放射状リブ14が形成してある。各リブ14の幅は、
特に限定されないが、本実施形態では、外径側に行くほ
ど厚くなるようにしてあり、リブ14の幅を規定するリ
ブ幅角度θ2は、好ましくは0〜35度、さらに好まし
くは5〜25度程度である。なお、本発明では、必ずし
もリブ14を形成する必要はなく、しかもリブ14の高
さt4、配置ピッチθ1およびリブ幅角度θ2は、特に
限定されず、種々に改変することができる。また、放射
状リブ14とクロスするリブを設けても良い。
【0059】図1に示すように、本実施形態では、リブ
の無いところに位置し、左右対称となる位置に、蓋本体
8の底面側に突出するように、把手部形成溝10が形成
してある。把手部形成溝10には、図2に示すように、
嵌合孔12が形成され、そこに金属棒などの把手部が嵌
着するようになっている。なお、把手部を反応射出成形
体樹脂により一体に成形しても良い。
【0060】また、図1に示すように、把手部形成溝1
0に対して90度ずれている円盤状蓋本体8の底面位置
には、蓋の表裏面を貫通する一対のロック孔16が形成
してあり、これらのロック孔16には、ロック片が装着
され、マンホール蓋2の開閉をロックできるようになっ
ている。
【0061】図2に示すように、マンホール蓋2の上面
は、平坦または中央部で盛り上がっており、雨水などが
マンホール蓋2の上面に貯まらないようになっている。
この蓋2の上面には、排水を良くするために、排水用溝
22が形成してある。排水用溝22と排水用溝22との
間には、凸部20が形成される。排水用溝22および凸
部20の最小幅は、5〜20mm程度である。本実施形
態では、後述するように、排水用溝22の間に位置する
凸部20の頂面に、シボ模様が形成してある。
【0062】本実施形態において、肉厚部4の面積S2
は、蓋2の全体の面積S1に比較して、S2/S1の比
が、好ましくは0.02〜0.8、さらに好ましくは
0.05〜0.7、特に好ましくは0.07〜0.6と
なるように決定してある。このような面積比とすること
で、軽量でありながら、機械的強度に優れたマンホール
蓋2を実現することができる。
【0063】また、肉厚部4の厚みt2に対して、蓋本
体8の最小厚みt1の比(t1/t2)の比が、0.0
5〜0.8、好ましくは0.1〜0.7、さらに好まし
くは0.15〜0.6となるように決定してある。この
比t1/t2が大きすぎると、肉厚部4を形成した効果
が少なく、小さすぎると、成形が困難であると共に、中
心部での重量分布と周辺部での重量分布との重量バラン
スが悪くなり、マンホール蓋2の強度向上に寄与しな
い。
【0064】本実施形態では、蓋2の外周に形成してあ
るリング状のフランジ部6の厚みt3は、蓋本体8の肉
厚部の厚みt2に対して、t3/t2の比が、好ましく
は0.05〜2、さらに好ましくは0.7〜1.3とな
るように決定してある。また、フランジ部6の半径方向
幅bは、好ましくは5〜30mm、さらに好ましくは1
0〜25mmである。このフランジ部6は、マンホール
孔の縁に直接接触する部分なので、所定範囲の厚みと幅
が必要である。フランジ部6の外側面は、蓋2の底面か
ら上面に向けてテーパ状に外径が大きくなる傾斜面7と
なっている。マンホール蓋2をマンホール孔に取り付け
た状態で、蓋2が孔の中に落ちないようにするためであ
る。
【0065】本実施形態では、このように構成されたマ
ンホール蓋の上面側に形成された凸部20の頂面に、滑
り止め効果を高めるための目的で、図3(A),(B)
に示す梨地状のシボ模様2aが形成してある。梨地状の
シボ模様2aは、果物の梨の表面のような模様であり、
相互に独立した微小凸部がランダム状に形成してある模
様である。この梨地状シボ模様2aの表面粗さは、JI
Sの最大高さRmaxで表示すれば、25s〜1000
s、好ましくは50s〜900sである。
【0066】このような本実施形態のマンホール蓋は、
ノルボルネン系モノマーの反応射出成形(RIM)によ
り製造する。図4に示すように、反応射出成形に用いる
金型装置40は、第1金型41と第2金型42とを有す
る。これら金型41,42の割面を合わせることで、金
型装置40内部には、キャビティ43が形成される。本
実施形態では、第1金型41が凹状金型(キャビ型)で
あり、第2金型42が凸状金型(コア型)である。キャ
ビティ43の形状は、得られる成形品の形状に対応し、
本実施形態では、図1,2に示すマンホール蓋2を成形
するために適した形状である。
【0067】キャビティ43には、ゲート44から反応
原液の注入が可能になっている。このようにゲート44
をキャビティ43の下端1箇所に形成することで、ゲー
ト44からキャビティ43内に反応原液が都合良く入り
込み、キャビティ43内部に未充填箇所が形成され難く
なる。また、注入時に、キャビティ43内のガスが、金
型割面または別途設けた逃し口から都合良く抜けて行く
ので、反応原液に泡などが生じ難くなる。
【0068】図4に示す金型41,42の内部には、図
5に示すように、熱媒体用流路82が形成してあり、金
型41,42のキャビティ43側温度をそれぞれ一定温
度に制御してある。熱媒体用流路82は、金型に空隙を
形成することにより金型に直接形成しても良いが、パイ
プなどを埋め込むことにより形成しても良い。熱媒体用
流路82は、できる限りキャビティ43に近い位置に設
けることが好ましい。キャビティ43の温度制御を行う
ためである。
【0069】この熱媒体用流路82には、ポンプなどの
循環手段が装着してあり、熱交換部で一定温度に加熱さ
れた温水を循環させるようになっている。熱交換部で
は、ヒータなどの加熱手段または冷却素子などの冷却手
段により、流路82に流れる熱媒体の温度を一定に保つ
ように制御する。
【0070】本実施形態では、第1金型41を鋳造アル
ミニウムで構成してある。第2金型42は、電鋳製金型
で構成してある。図5に示すように、電鋳製金型から成
る第2金型42は、金属メッキ層80の裏面をレジコン
81で裏打ちしてある。金属メッキ層80は、たとえば
ニッケル、銅などで構成してあり、その層厚は、好まし
くは1〜10mm、さらに好ましくは3〜6mmである。レ
ジコン81は、エポキシ樹脂、ポリエステルなどの樹脂
と、アルミニウム粉末などとを含むコンクリートで構成
してある。電鋳製の第2金型42には、図5に示すよう
に、金属メッキ層80の近くのレジコン81内部に熱媒
体用流路82が形成してある。本実施形態では、第2金
型42に埋め込まれる熱媒体用流路82の配置間隔が、
図4に示す第1金型41に埋め込まれる熱媒体用流路の
配置間隔よりも狭いことが好ましい。アルミニウム製金
型よりも電鋳製金型の方が熱がこもり易いので、流路8
2の配置間隔を密にして、温度制御を正確にするためで
ある。
【0071】本実施形態では、熱媒体による温度制御に
より、第2金型42の温度を第1金型41の温度よりも
好ましくは20〜50°C、さらに好ましくは20〜4
0°C程度高く設定する。具体的には、第1金型41を
45°Cに設定し、第2金型42を75°Cに設定す
る。
【0072】しかも本実施形態では、電鋳製金型である
第2金型42のキャビティ内周面に装着された金属メッ
キ層80の表面に、シボ模様転写面84が形成してあ
る。このシボ模様転写面84は、シボ模様の原型母型か
ら反転して転写して作製され、電鋳加工により作製され
る。このシボ模様転写面84の反転シボ模様が、キャビ
ティ43で成形される反応射出成形体の表面に反転して
転写され、マンホール蓋となる成形体の表面には、図3
に示すようなシボ模様が形成される。
【0073】次に、本実施形態に係る反応射出成形方法
について説明する。まず、図4に示す金型41,42相
互の割面を合わせ、型締めする。型締め時の圧力は、特
に限定されないが、0〜100Kg/cm2 である。型
閉の時点では、金型内部には、反応原液が注入されてお
らず、金型内の温度は、温度制御された金型自体の温度
であり、第1金型41の温度は45°Cであり、第2金
型42の温度は75°C程度である。
【0074】型締めと同時に、本実施形態では、図示省
略してあるパージ手段により、キャビティ内部を乾燥さ
せるため、ドライエア又は窒素をパージしても良い。こ
のパージにより、図4に示すキャビティ43の内部は、
窒素ガスで置換され、キャビティ43の内部は、0〜3
kg/cm2 (ゲージ圧)程度の窒素ガスで満たされ
る。窒素パージを行うことで、キャビティ内の湿気を追
い出し、反応原液の失活を防止することができ、成形体
の表面での反応性が良好になり、かつ金型の内周面の汚
れも防止できる。この窒素パージは、反応原液の注入開
始直前まで行われる。
【0075】本実施形態では、反応射出成形は、ノルボ
ルネン系モノマーを用いた反応射出成形である。
【0076】本実施形態で用いられる反応原液として
は、ノルボルネン系モノマー、メタセシス触媒、活性
剤、活性調節剤および任意成分を、2液以上に分けて調
整したものが用いられる。これらの反応原液は、1液の
みでは塊状重合しないが、全ての液を混合すると各成分
が所定の割合となり、ノルボルネン系モノマーが塊状重
合する。
【0077】たとえば、ノルボルネン系モノマー、メタ
セシス触媒、および任意成分からなる液と、ノルボルネ
ン系モノマー、活性剤、活性調節剤および任意成分から
なる液は、それぞれそのままでは重合しない。2液に含
まれる各成分の総量が本実施形態における各成分の使用
量であれば、この2液はそれぞれ本実施形態で用いられ
る反応原液であり、両者を混合すると反応して塊状重合
する。
【0078】作業性の良いように、通常2液の反応原液
を用いて塊状重合させているが、3液以上の反応原液を
用いても良い。反応原液の混合後に、ノルボルネン系モ
ノマー中にその他の成分が十分に拡散できるように、通
常、どの反応原液にもノルボルネン系モノマーが含有さ
れており、その他の成分は、ノルボルネン系モノマー中
に溶解、または分散していることが好ましいが、ノルボ
ルネン系モノマーが含有されていない反応原液があって
も良い。また、ノルボルネン系モノマー、メタセシス触
媒、活性剤の三者を一つの反応原液に含有させると塊状
重合が開始するので、通常、メタセシス触媒と活性剤を
一つの反応原液に含有させることはない。
【0079】反応原液を混合する方法としては、ミキシ
ング・ヘッドで瞬間的に混合させる方法が一般的であ
る。この場合、攪拌原液を収めた容器は別々の流れの供
給源となる。ミキシング・ヘッドとしては、衝突混合装
置、ダイナミックミキサーやスタティックミキサーなど
の低圧注入機などが使用できる。
【0080】反応液の混合後、予備加熱した型内へ数回
に亘って射出、あるいは注入してもよく、また、連続的
に注入しても良いので、装置を軽装化することができ、
低圧で操作可能であり、大型や肉厚の成形体が製造でき
る。更にガラス繊維などの充填材の充填量が多い場合な
どは注入スピードを遅くすることにより型内に均一に反
応液を充填させることが可能となる低圧注入機を用いる
ことが望ましい。
【0081】なお、上記のRIM工程は、触媒の失活な
どの問題を避けるために、型内をN2 などの不活性ガス
をパージするなどしてイナート雰囲気にすることも可能
である。また、フィラー、繊維補強材などを充填する場
合は、吸着水を含んでいる場合は予め乾燥するなどして
吸着水を除去しても良い。
【0082】反応射出成形に際し、注入開始から注入終
了までの充填時間tは、成形体の大きさなどにより決定
される。本実施形態では、反応原液となる配合液の配合
活性は、充填時間tの4〜12倍に設定してある。
【0083】また、本実施形態では、金型装置のキャビ
ティ内への反応原液の注入開始から反応が急激に進ん
で、生成樹脂の表面よりわずかに白煙が上がるまでの時
間t’と、注入開始から充填完了までの充填時間tとの
比であるゲルタイム比(t’/t)は、通常1.5〜2
0であり、好ましくは2〜15であり、より好ましくは
4〜12である。ゲルタイムが上記の範囲より大きい
と、反応が遅いので、成形体の表面外観が悪くなり、ま
た、サイクルが遅く量産できない。反対にゲルタイムが
小さいと、シボは形成されず、また充填が不十分とな
る。
【0084】上記t’は、成形体の大きさにもよるが、
通常、100秒〜300秒であり、好ましくは、150
秒〜250秒である。また、上記tは、成形体の大きさ
にもよるが、通常、5秒〜100秒であり、好ましく
は、8秒〜50秒である。成形体がマンホール蓋の場
合、tは、10秒〜30秒である。
【0085】このような範囲となるように、反応を調節
する方法としては、公知の方法に従えばよく、例えば、
特開平3−146516号公報、特開平4−33731
8号公報に開示されている方法がある。特開平3−14
6516号公報には、反応の調節剤として5−ビニルビ
シクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン(ビニルノルボ
ルネン)、5−イソプロペニルビシクロ[2,2,1]
ヘプト−2−エンのような5−アルケニル−2−ノルボ
ルネン類を用いるノルボルネン系ポリマーの製造方法が
記載されており、特開平4−337318号公報には、
活性調節剤として、5−エチニル−2−ノルボルネンな
どの5−アルキニル−2−ノルボルネン類を用いること
が示されている。その量についても記載されている。ゲ
ルタイム比を上述した範囲に設定することで、第2金型
のキャビティ内周面に形成されたシボ模様転写面の転写
が良好となる。
【0086】本実施形態では、反応原液の注入圧は、2
×105 〜5×105 Paであることが好ましい。この
注入圧が低すぎると、第2金型42のキャビティ内周面
に形成されたシボ模様転写面84の転写が良好に行われ
ない傾向にあり、注入圧が高すぎると、金型41,42
の剛性を高くしなければならず経済的でない。
【0087】注入終了後に重合反応が開始し、反応終了
後、除冷され、注入終了後の約120〜150秒後に、
型開きされ、成形体が取り出される。
【0088】本実施形態では、第2金型42の温度を、
第1金型41の温度よりも約30°C程度に高く設定し
たので、金型のキャビティ43内に反応原液が注入され
ると、温度が高い第2金型42に接する部分からより速
く反応が開始し、得られる成形体の表面に、図3(A)
に示すようなシボ模様2aが良好に転写して形成され
る。なお、従来では、このようなシボ模様を反応射出成
形体の表面に転写することは不可能であると考えられて
いた。
【0089】このようにして得られた本実施形態に係る
シボ模様を持つ反応射出成形体であるマンホール蓋2
は、ポリノルボルネン系樹脂で構成してあるので、きわ
めて破壊し難く、耐衝撃性に優れている。しかも、マン
ホール蓋2の凸部20の表面にシボ模様2aが形成して
あるので、滑り難く、外観的にも優れている。さらに、
このようなシボ模様2aは、反応射出成形時に一体的に
形成されるので、シボ模様を形成するための特別な作業
工程を必要とせず、製造コストの低減にも寄与する。ま
た、本実施形態に係るマンホール蓋2は、反応射出成形
体樹脂で構成してあることから、金属製マンホールに比
較して軽量であり、マンホール孔の開き閉め作業が容易
である。また、金属製マンホールに比較して、騒音が少
ない。しかも、本実施形態では、マンホール蓋2の中央
部に肉厚部4を一体に形成することで、マンホール蓋2
の機械的強度が飛躍的に向上し、マンホール蓋2として
要求される機械的強度を十分に満足することができる。
【0090】なお、本発明は、上述した実施形態に限定
されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変する
ことができる。
【0091】たとえば、本発明の方法によりマンホール
蓋2の凸部20の表面に形成されるシボ模様は、図3に
示す模様に限定されず、種々に改変することができる。
たとえば図6(A),(B)に示すような獣の皮を模し
たような皮地状シボ模様2bでも、図7に示すような布
地の表面を模したような布地状シボ模様2cでも良い。
これら皮地状シボ模様2bおよび布地状シボ模様2c
は、JISで規定する表面粗さの最大高さRmaxが2
5s〜1000s程度(好ましくは50s〜900s)
のシボ模様である。
【0092】また、図8に示すように、石の表面を模し
たような石目状シボ模様2dでも、図9に示すように、
木材の表面の模様を模したような木目状シボ模様2eで
あっても良い。これら石目状シボ模様、木目状シボ模様
などは、JISの表面粗さの規定により特定することが
困難であり、JISに代わる基準として、凸部の最大高
さを用い、特定することができる。この基準によれば、
石目状シボ模様2d、木目状シボ模様2eなどは、凸部
の最大高さが0.5〜5.0mm(好ましくは1.0〜
4.0mm)であるシボ模様として、特定することができ
る。また、本発明に係るマンホール蓋の具体的形状は、
特に限定されず、たとえば、図10(A),(B)に示
すように、マンホール蓋(チェッカープレート)2Aを
矩形状に成形しても良い。その場合には、マンホール蓋
2Aの中央部は、矩形状のマンホール蓋2Aの角部を結
ぶ対角線の交点を含む領域となり、その中央部に形成さ
れる肉厚部4Aも矩形状となる。また、傾斜面7Aが形
成されたフランジ部6Aも矩形リング形状となり、フラ
ンジ部6Aと肉厚部4Aとの間に位置する蓋本体8Aの
形状も矩形となる。
【0093】ただし、肉厚部4Aの面積S2と蓋2Aの
面積S1との関係、肉厚部4Aの厚みt2と最小厚みt
1との関係、フランジ部6Aの幅bおよび厚みt3は、
前記の実施形態と同様である。また、この蓋2Aも、前
記の実施形態と同様にノルボルネン系モノマーの反応射
出成形により一体に成形され、マンホール蓋2Aの上面
には、図2に示すような排水用溝22と凸部20とが形
成され、凸部20の表面にシボ模様が形成される。な
お、排水用溝22や凸部20を形成することなく、マン
ホール蓋の上面全体にシボ模様のみを成形しても良い。
【0094】さらに、上述した実施形態では、マンホー
ル蓋の表面に形成するシボ模様を、反応射出成形時に、
金型の転写面から転写して一体に成形したが、本発明で
は、シボ模様が成形されていない成形体を成形し、その
後、その表面にサンドブラスト法を用いることによりシ
ボ模様を形成しても良い。
【0095】サンドブラスト法(エアーブラスト法、ウ
ェットブラスト法)のうち、エアーブラスト法は、ガラ
スビーズ、くるみ殻粉、砂、アルミニウム、ウィートな
どなどの硬い粒(好ましくはガラスビーズ、砂)を投射
材として、加圧空気などの力で成形表面に吹き付けて、
物理的に表面を粗面化する方法である。また、ウェット
ブラスト法は、ガラスビーズ、アルミニウム、ウィート
などの硬い粒(好ましくはガラスビーズ)を投射材とし
て、加圧水などの力で、成形品表面に吹き付けて、物理
的に成形品表面を粗面化する方法である。
【0096】サンドブラスト法に用いる投射材の粒径
は、一般には80〜500μm程度であるが、マンホー
ル蓋の表面を粗面化する場合には、100〜300μm
程度が好ましい。また、投射材を吹き付ける圧力は、流
体圧力により制御することができ、圧縮空気の場合に
は、0.2〜5kgf/cm2 である。さらに、投射材
を吹き付ける角度は、特に限定されないが、加工しよう
とする面に対して、0〜90度と任意であるが、効果的
に粗面化するためには、10〜80度程度が適当であ
る。
【0097】これらの方法により、凹凸の大きさ又は表
面粗さなどを、Rmaxで25〜1000s程度の任意
の微小凹凸をマンホール蓋の表面に形成することができ
る。
【0098】
【実施例】以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づ
き説明するが、本発明は、これら実施例に限定されな
い。なお、部や%などは、特に断わりがない限り、重量
基準である。
【0099】実施例1 図4に示す第1金型41を鋳造アルミニウムで構成し、
第2金型42を電鋳製金型で構成し、そのキャビティ側
内周面に、図5に示すようなシボ模様転写面84を、電
気鋳造加工により形成した。シボ模様転写面84に形成
された反転シボ模様は、JISで規定する表面粗さの最
大高さRmaxが300sであるような図3に示す梨地
状シボ模様の反転シボ模様である。
【0100】また、シクロペンタジエン二量体(DC
P)90%と、シクロペンタジエン三量体10%とから
成るノルボルネン系モノマーとを2つのタンクに入れ、
一方にはモノマーに対しジエチルアルミニウムクロリド
(DEAC)を40モル濃度、1,3−ジクロロ−2−
プロパノール(dcPrOH)48モル濃度に成るよう
に添加した(A液)。他方には、モノマーに対し、トリ
(トリデシル)アンモニウムモリブデートを10ミリモ
ル濃度となるように添加すると共に、ビニルノルボルネ
ン6%を添加した(B液)。これらA液およびB液は、
それぞれAタンクおよびBタンクに貯留した。これらの
反応原液のアルコキシ化比は、1.1であり、ゲルタイ
ム比(t’/t)は、tが約30秒、t’が約180秒
であったので、6となった。
【0101】図4に示す鋳造アルミニウム製第1金型4
1およびニッケルメッキ層を有する電鋳製第2金型42
の内部に装着された熱媒体流路82(図5参照)に温水
を流すことで、第1金型41の温度を45°Cに設定
し、第2金型42の温度を75°Cに設定した。この時
のそれぞれの金型の線膨張係数は、第1金型においては
α1 =23×10-6/Kであり、第2金型ではα2 =1
3.3×10-6/Kであった。
【0102】次に、タンクから液温が各々25°Cの同
容量のA液およびB液を、金型のキャビティ内に混合し
て注入し、約10分程度経過した後、反応射出成形体か
ら成るマンホール蓋2を取り出した。
【0103】マンホール蓋2における外径は680mm
であり、蓋の全面積S1は、約363000mm2 であ
った。また、中央部に形成された円形の肉厚部4の外径
は200mmであり、その面積S2は約31400mm
2 であった。すなわち、S2/S1は、約0.087で
あった。
【0104】また、蓋本体8の最小厚みt1は、約8m
mであり、肉厚部4の厚みt2は、35mmであり、t
2/t1は、約4.38であった。また、フランジ部6
の厚みt3は30mmであり、t3/t1は約3.75
であった。また、フランジ部6の幅bは13mmであっ
た。
【0105】さらに、リブ14は、周方向に等間隔に4
つ形成し、4つのリブ14の配置ピッチ角度θ1は90
度であり、リブ幅角度θ2は6度であった。また、リブ
14の高さt4は20mmであった。
【0106】金型から取り出したマンホール蓋におい
て、第2金型42と接する表面を観察したところ、図5
に示す第2金型42のシボ模様転写面84の反転シボ模
様が、成形体の表面に良好に反転して転写され、図3に
示す良好なシボ模様2aが形成されたことが確認され
た。
【0107】また、100ショットの成形を行い、成形
品の板厚(設計値で6mm)のバラツキを調べたところ、
絶対値で0.5mm以内に収まり、製造歩留まりは良好で
あることが確認された。
【0108】さらに、このマンホール蓋2を用いて、耐
荷重試験および耐衝撃試験を行った。耐荷重試験では、
試験台の上に置かれたマンホール蓋2の上面に厚み6m
mのゴム板を乗せ、その上に加重体を起き鉛直方向にゆ
っくりとさらに荷重を加え、破損した時の荷重を測定
し、その1/4を試験値とした。試験値は、250kg
であった。なお、試験は常温で行った。
【0109】また、耐衝撃試験では、マンホール蓋を試
験台の上に置き、その中央部に重量1kgの鋼鉄製球状
錘を高さ1mの位置から落下させ、破損の有無を調べ
た。本実施例では、破損は何ら観察されなかった。
【0110】実施例2 図4に示す第1金型41を鋳造アルミニウムで構成し、
第2金型42を電鋳製金型で構成し、そのキャビティ側
内周面に、シボ模様転写面を、電気鋳造加工により形成
した。シボ模様転写面に形成された反転シボ模様は、凸
部の最大高さが3.0mmである図8に示す石目状シボ模
様2dの反転シボ模様であった。
【0111】シボ模様が異なる以外は、実施例1と同様
にして、反応射出成形を行い、金型内から反応射出成形
体から成るマンホール蓋を取り出した。
【0112】取り出した成形体において、第2金型42
と接する表面を観察したところ、反転シボ模様が、成形
体の表面に良好に反転して転写され、図8に示す良好な
石目状シボ模様2dが形成された。
【0113】また、100ショットの成形を行い、成形
品の板厚(設計値で6mm)のバラツキを調べたところ、
絶対値で0.5mm以内に収まり、製造歩留まりは良好で
あることが確認された。
【0114】また、耐荷重試験および耐衝撃試験でも、
実施例1と同じ結果が得られた。
【0115】実施例3 図4に示す第1金型41を鋳造アルミニウムで構成し、
第2金型42を電鋳製金型で構成し、そのキャビティ側
内周面に、図9に示すような木目状シボ模様2eに対応
するシボ模様転写面を、電気鋳造加工により形成した。
シボ模様転写面に形成された反転シボ模様は、凸部の最
大高さが1.5mmである図9に示す木目状シボ模様2d
の反転シボ模様であった。
【0116】シボ模様が異なる以外は、実施例1と同様
にして、反応射出成形を行い、金型内から反応射出成形
体から成るマンホール蓋を取り出した。図9に示す木目
状シボ模様2eが良好に成形してあることが確認でき
た。
【0117】また、100ショットの成形を行い、成形
品の板厚(設計値で6mm)のバラツキを調べたところ、
絶対値で0.5mm以内に収まり、製造歩留まりは良好で
あることが確認された。
【0118】さらに、耐荷重試験および耐衝撃試験で
も、実施例1と同じ結果が得られた。
【0119】実施例4 シボ模様転写面が形成されていない金型を用いた以外
は、前記実施例1と同様にして、反応射出成形を行い、
マンホール蓋を成形した後、そのマンホール蓋の表面
に、サンドブラスト法により、シボ模様を形成した。
【0120】サンドブラストの条件は、投射材として、
粒径100μmのガラスビーズを用い、吹き付け角度が
45度で、空気圧が2.5kgf/cm2 であった。得
られた成形体の表面を観察したところ、すりガラスのよ
うなシボ模様が形成されたことが確認され、滑りにくく
なった。
【0121】また、製造歩留まり、耐荷重試験および耐
衝撃試験でも、実施例1と同じ結果が得られた。
【0122】比較例1 第1金型41と第2金型42の設定温度を同じ50°C
とした以外は、前記実施例1と同様にして、反応射出成
形を行い、反応射出成形体から成るマンホール蓋を取り
出した。
【0123】成形体の第2金型側表面を観察したとこ
ろ、10cm角の面積内に、0.1〜0.5mmの微小泡
が観察され、良好な転写が行われず、シボ模様が形成さ
れなかった。また、100ショットの成形を行い、成形
品の板厚(設計値で6mm)のバラツキを調べたところ、
絶対値で2.0mmであった。
【0124】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、軽量であり取り扱い易く、騒音が少なく、しかもマ
ンホール蓋として要求される機械的強度を十分に有する
マンホール蓋を実現することができる。また、本発明に
係るマンホール蓋の上面にはシボ模様が形成してあるの
で、マンホール蓋の上面での滑りを有効に防止すること
ができる。また、マンホール蓋の美観も向上する。さら
に、本発明の方法によれば、このようにシボ模様を持つ
マンホール蓋を、極めて容易且つ低コストで実現するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の1実施形態に係るマンホール蓋
の平面図である。
【図2】図2は図1に示すII−II線に沿う概略断面図で
ある。
【図3】図3(A)はマンホール蓋に成形された梨地状
シボ模様の平面図、図3(B)は同図(A)に示すB−
B線に沿う要部断面図である。
【図4】図4は金型装置の概略構成図である。
【図5】図5は金型のキャビティ内周面を示す要部断面
図である。
【図6】図6(A)は本発明の他の実施形態に係る皮地
状シボ模様の平面図、図6(B)は同図(A)に示すB
−B線に沿う要部断面図である。
【図7】図7は布地状シボ模様の平面図である。
【図8】図8は石目状シボ模様の平面図である。
【図9】図9は木目状シボ模様の要部断面図である。
【図10】図10(A)は本発明の他の実施形態に係る
マンホール蓋の半分を示す平面図、図10(B)は同図
(A)のB−B線に沿う概略断面図である。
【符号の説明】
2,2A… マンホール蓋 2a〜2e… シボ模様 4,4A… 肉厚部 6,6A… フランジ部 8,8A… 蓋本体 14… リブ 20… 凸部 22… 排水用溝

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シボ模様が上面に形成されたノルボルネ
    ン系モノマーの反応射出成形体で構成してあるマンホー
    ル蓋。
  2. 【請求項2】 第1金型と第2金型とを有する金型装置
    を用い、 キャビティ内周面にシボ模様転写面が形成された第2金
    型の温度を第1金型の温度よりも高い状態で、金型装置
    のキャビティ内に反応原液を注入し、反応射出成形を行
    い、第2金型に接触するマンホール蓋の上面にシボ模様
    を成形することを特徴とするマンホール蓋の製造方法。
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