JP3767134B2 - 反応射出成形方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、好ましくはノルボルネン系モノマーを用いた反応射出成形方法およびそれに用いる反応原液に関する。さらに詳しくは、反応原液を金型内に注入して塊状重合するに際し、特定の粒子を特定量添加させることにより、特別な機構なしに金型内の保圧が行われてボイドや泡の発生が防止ないしは大幅に低減された成形体を得ることができる反応射出成形方法および反応原液に関する。
【0002】
【背景技術】
金型内のガスの除去に金型内の保圧を利用する方法
ノルボルネン系モノマーとメタセシス触媒系を含む反応原液を用い、金型内で塊状重合反応(硬化)させることにより成形体を製造する反応射出成形法では、一般に、モノマーとメタセシス触媒系を含む反応原液(B液)と、モノマーと活性剤を含む反応原液(A液)とを混合ヘッド等の混合部で混合した後、混合液を金型内に注入して反応させる。混合室で混入した泡(ガス)や金型内のガスは、反応原液注入の際に、金型のガスが一番最後に溜まる個所に設けたエアーベントを通じて外部に排出するようにしている。
【0003】
ところが、ノルボルネン系モノマーを含む反応原液を用い、反応射出成形法により成形品を製造すると、多数のボイド(気泡や空孔)が成形品内部や表面に生じる。特に肉厚成形品や変肉部のある成形品においては顕著である。これは反応原液の泡の巻き込みや、ボス・リブ等の閉塞部への充填の不完全さなどに起因する。
【0004】
この問題を解決する手段としては、金型内を保圧する方法が反応射出成形を含む射出成形法全般でよく知られている。反応射出成形で金型内保圧の方法を利用した例としては、ノルボルネン系モノマーとメタセシス触媒系を含む反応原液を金型温度より高温の状態で金型内に注入し金型内に注入した後、金型内を保圧する方法(特開平2−239915号)、ノルボルネン系モノマーとメタセシス触媒系を含む反応原液を金型内に注入して塊状重合するに際し、金型内の圧力を一定水準以上に保持するために金型のエアーベントに保圧機構を設ける方法(特開平4−348122号)などが提案されている。
【0005】
特開平2−239915号記載の方法では、金型内に反応原液を注入した後に加圧装置により保圧するため、加圧時期を精密に制御して反応原液が硬化する直前にタイミングよく保圧しないと良好な成形品が得られない。しかしながら、ノルボルネン系モノマーとメタセシス触媒系を含む反応原液においては、塊状重合反応が極めて短時間に進行することが一般的であり、圧力や温度センサーを多数使用しても加圧のタイミングを決定することは困難であり、センサの利用は金型加工上の制約も伴いコストアップになる。
【0006】
特開平4−348122号記載の方法では、エアーベントに加圧ガスを用いた保圧機構という特別な装置を必要とするため、金型形状や成形作業スペースに制限が生じるだけでなく、型締めから反応原液注入を経て保圧に至るまでの間、金型が変形しても保圧機構を設けたエアーベント以外からガスが漏れないようにする必要がある。このため一般に、精密で非常に剛性の高い金型が要求され、利用できる金型には制限が生じる。
【0007】
金型内のガスの除去にフィルタを利用する方法
良好な反応射出成形体を得る方法としては、泡の巻き込みを防止する方法も知られており、具体的にはフィルタによりガスのみを通過させ反応原液を通過させない方法が知られている。フィルタ利用の方法を採用した例としては、メタセシス重合モノマーをメタセシス重合触媒系の存在下に、成形鋳型内に流し込み架橋重合体成形物を反応射出成形法で得る際に、フィルターを有するガス排出口を設置する方法(特開平1−163033号)がある。
【0008】
特開平1−163033号記載の方法では、閉塞部すべてにフィルターを設ける必要があるため金型の構造が複雑になるだけでなく、複雑化した構造を実現するために必要な強度を確保するために金型材質に制限が生じる。さらに、ガスを通し液体を通さないフィルターとして0.02mm以上0.1mm以下の目開きが採用されているが、このフィルターでは成形回数の増加により目詰まりが生じて成形体の製造数に制限が生じるだけでなく、目詰まりがない際も型内のガスの流出時の通過抵抗が大きいために反応原液注入に必要な時間が増大し、これにより配合液に反応開始時間の制約が生じる。
【0009】
不溶の充填剤を配合液に添加する方法
ノルボルネン系モノマーとメタセシス触媒系を含む反応原液、および他の反応成形法に用いられるエポキシ系やウレタン系の反応原液においては、不溶の充填剤を配合液に添加する方法が一般に知られている。これらの従来の方法における添加の目的は、成形体の材料力学的特性の改良であることから、反応原液の全量に対して少なくとも5重量%以上の添加が常識である。従来方法の例としては、耐衝撃性の改良のためにポリシクロオレフィンにポリエチレンを付与する方法(特開昭59−81315号)がある。
【0010】
特開昭59−81315号では、モノマーに対して少なく5重量%以上で、望ましくは10〜20重量%のポリエチレン粒子が耐衝撃性の改良に必要であるとしており、この例のように従来の常識的な添加量では成形後の製品の材料力学的性質が変化してしまう。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ボイドや泡の発生を防止できる、または大幅に低減することができる成形体を製造するのに適した反応射出成形方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記背景技術の有する課題を克服するために鋭意研究した結果、反応原液に不溶な粒子を微量添加することによって、(1)成形体の材料力学的性質を変化させるために必要な添加量に比べて大幅に少ない粒子添加量であるため反応原液による成形体の性質を変化させることなく、(2)キャビティ部からエアーベント部を備えた液溜部へ反応原液が流出し始めた後に塊状重合反応が急激に進み始める際には、塊状重合反応の進み始めた直後は粘度上昇はわずかであるため全体としては流動性がほとんど変化しないが、製品部と比較して流路の狭い液溜め部へと流出する部分では添加された粒子の効果で反応原液の見かけの粘度が急上昇するため全体としての流動性が確保された状態で流出部のみの見かけの粘度が上昇し金型内の圧力が自動的に保圧され、(3)型内から液溜部以外へと流出するような漏れの生じる金型であっても、漏れの発生する部位で液溜部への流出と同様に型内の内圧が一定水準以上となる機構が発現するため金型の剛性や加工精度に関わらず注入時および注入停止後に型内の圧力が一定水準以上に保持されること、その結果、肉薄成形体、肉厚成形体、偏肉成形体のいずれを製造する場合でも、成形体内部や表面でのボイドの発生やボス・リブ等の閉塞部での充填不足による欠けの発生が極めて少なく、成形体の変形も起こらず、概観および物性が共に優れた成形体を得ることができることを見出した。
【0013】
全体的な流動性が反応開始前とほとんど変化がないまま流出部での反応原液の見かけの粘度が上昇する知見は、本発明者等により初めて見出されたものであり、本発明はこれらの知見に基づいて完成するに至ったものである。
【0014】
かくして本発明の第1の観点に係る反応射出成形方法は、粒径が0.08mm以上0.6mm以下、好ましくは0.1mm以上0.3mm以下で、反応原液に不溶性のポリマー粒子を、反応原液の全量に対して、0.001〜3重量%、好ましくは0.01〜2重量%、特に好ましくは0.02〜1重量%添加させ、その反応原液を用いて金型内で塊状重合することを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る反応原液は、粒径が0.08mm以上0.6mm以下で、反応原液に不溶性のポリマー粒子を、反応原液の全量に対して、0.001〜3重量%添加させてあることを特徴とする。
【0016】
上記範囲の粒径が好ましいのは、小さ過ぎると、保圧上昇の効果が少なく、大き過ぎると、流出部等の流路の狭い部分での粒子による閉塞が発生することから好ましくないからである。また、粒子の添加量として、上記範囲が好ましいのは、添加量が少な過ぎると、保圧上昇の効果が少なく、多過ぎると、成形体の材料力学的性質が変化すると共に、型締め圧力が大きくなることから好ましくないからである。
【0017】
本発明において、好ましく用いられる金型は、成形体の形状を区画するキャビティと、キャビティへ反応原液を注入する口となる注入口と、前記キャビティの最上方位置に連通して形成してある液溜部と、前記キャビティと液溜部とを連絡する狭い通路とを有する。この狭い通路を反応原液が通過する際に、本発明では、反応原液の粘度が上昇し、保圧をかけることが可能になるからである。このような観点からは、通路の隙間は、好ましくは0.8〜3.0mm、さらに好ましくは1.0〜1.5mmである。隙間が小さすぎる場合には、液溜部への反応原液の流通が困難となるために好ましくなく、隙間が大きすぎる場合には、反応原液の粘度の上昇が少ない。
【0018】
本発明の第2の観点に係る反応射出成形方法は、成形体の形状を区画するキャビティと、キャビティへ反応原液を注入する口となる注入口と、前記キャビティの最上方位置に連通して形成してある液溜部と、前記キャビティと液溜部とを連絡する狭い通路とを有する金型を準備し、粒径が0.08mm以上0.6mm以下で、反応原液に不溶性の粒子を、反応原液に添加させ、その反応原液を、前記金型の注入口からキャビティ内へ、前記通路を通して液溜部内へ反応原液が流れ込むまで充填することを特徴とする。
【0019】
反応原液に不溶性の粒子
本発明において、反応原液に対して不溶性のポリマー粒子は、形状が球状に近いことが好ましい。粒子の形状が棒状などの細長形状では、粒子断面形状よりも大きな流路断面であっても流れ場によって流路をふさぐ場合があって金型形状に制限が生じ実用的でない。したがって、使用する粒子形状は、アスペクト比が1.5以下の範囲で、球形に近いほど望ましい。
【0020】
反応原液に対する不溶性は、反応原液中での粒子の分散が少なくとも成形直前までに完了していればよいことから、反応原液保存容器中で粒子の粒径が0.08mm以上0.6mm以下であることが保持される程度の難溶解性があれば必ずしも厳密な意味での不溶性でなくともよく、例えば、通常の反応原液保存容器の温度の上限である35℃以下において溶解し難い粒子であればよい。すなわち、本発明での「不溶性」とは、厳密な意味で用いることなく、反応原液保存容器中で粒子の粒径が0.08mm以上0.6mm以下であることが保持される程度の難溶解性があるものも含むものとする。
【0021】
本発明では不溶性のポリマー粒子を用いる。ポリマー粒子としては、ポリエチレン、ポリスチレン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂などを例示することができる。これらの内、ポリエチレン製の粒子が特に好ましい。
【0022】
本発明で使用する粒子は、全量に対しての添加量が少ないため、反応原液の塊状重合を阻害するものであってもよいが、非常に短時間で重合反応を終了させたい場合や塊状重合により得られる成形体の重合度を非常に高いレベルにする必要のある場合には、塊状重合を阻害しないものが望ましく、このような観点からは、たとえばポリエチレン製粒子が用いられる。さらに、本発明で添加することができる粒子の量は、成形体の材料力学的性質が粒子の添加によって変化しない程度であるが、粒子添加によって成形体中の目視観察が不可能な程度にごく微量な空隙が存在することを避けて、例えば電気絶縁性の粒子添加前後の変動のないようにする場合には、塊状重合時に粒子がノルボルネン系モノマーによって膨潤されて融着するものが望ましく、このような観点から、例えば、中密度及び低密度のポリエチレン製の粒子が好ましく用いられる。
【0023】
本発明では二種類の反応原液を使用する方法に限定されない。たとえば第三番目の容器にモノマーと所望の添加剤を入れて第三の反応原液として使用するなどの各種の変形が可能である。この場合も不溶な粒子は、反応原液全量に対する割合が0.01重量%以上5重量%以下であれば、三種類の反応原液のいずれかに分散させても全ての反応原液に分散させてもよい。なお、反応原液は、通常、窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気下で貯蔵され、また操作される。
【0024】
反応射出成形
本発明において、反応射出成形に用いる反応原液としては、特に限定されないが、ウレタン系、ウレア系、ナイロン系、エポキシ系、不飽和ポリエステル系、フェノール系および、ノルボルネン系などが挙げられ、特に、ノルボルネン系が好ましい。一般的成形条件としては、金型へ射出する前の段階で、反応原液温度は20〜80°C、反応原液の粘性は、たとえば、30°Cにおいて、5cps〜3000cps好ましくは100cps〜1000cps程度である。
【0025】
かかる成形においては、補強材を予め金型内に設置しておき、その中に反応液を供給して重合させることにより強化ポリマー(成形体)を製造することができる。
補強材としては、例えば、ガラス繊維、アラミド繊維、カーボン繊維、超高分子量ポリエチレン繊維、金属繊維、ポリプロピレン繊維、アルミコーティングガラス繊維、木綿、アクリル繊維、ボロン繊維、シリコンカーバイド繊維、アルミナ繊維などを挙げることができる。これらの補強材は、長繊維状またはチョップドストランド状のものをマット化したもの、布状に織ったもの、チョップ形状のままのものなど、種々の形状で使用することができる。これらの補強材は、その表面をシランカップリング材等のカップリング剤で処理したものが、樹脂との密着性を向上させる上で好ましい。使用する量は、特に制限はないが、通常成形品全重量の10重量%以上、好ましくは20〜60重量%である。
【0026】
また、酸化防止剤、充填剤、顔料、着色剤、発泡剤、難燃剤、摺動付与剤、エラストマー、ジシクロペンタジエン系熱重合樹脂およびその水添物など種々の添加剤を配合することにより、得られるポリマーの特性を改質することができる。
【0027】
酸化防止剤としては、フェノール系、リン系、アミン系など各種のプラスチック・ゴム用酸化防止剤がある。充填剤にはミルドガラス、カーボンブラック、タルク、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、雲母、チタン酸カリウム、硫酸カルシウムなどの無機質充填剤がある。エラストマーとしては、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)およびこれらの水素化物などがある。
【0028】
添加剤は、通常、予め反応原液のいずれか一方または双方に混合しておく。なお、本発明においては、上記添加剤が、粒径が0.08mm以上0.6mm以下で、反応原液に対して不溶性の粒子である場合には、当該添加剤は、反応原液の全量に対して、0.001〜3重量%の量で添加させることが好ましい。
【0029】
重合時間は、適宜選択すればよいが、通常、反応液の注入終了後、20秒〜20分程度である。
【0030】
本発明では、反応射出成形時に、金型の温度は、通常、室温以上、好ましくは10〜200°C、より好ましくは、20〜130°C、さらに好ましくは、30〜100°Cに制御される。なお、金型内に反応原液を注入する前に、金型の内部に温風を流通させ、少なくとも金型のキャビティ内部を所定温度に加熱した後、温風の流通を停止し、金型装置のキャビティへ反応原液を流し込み、反応射出成形を行うようにしても良い。特に、金型装置のキャビティ内部に、反応射出成形体と一体になるインサート部材を配置した後、金型装置のキャビティ内部に温風を流通させることが好ましい。前記金型のキャビティ内部に、反応射出成形体と一体になる補強材を配置した後、金型装置のキャビティ内部に温風を流通させることも好ましい。これらインサート部材または補強材を、予熱することにより、これらと成形体との密着性が向上する。
【0031】
本発明において用いられる金型の材質は、特に限定されず、鋳鉄、鉄、ステンレス、アルミニウム、ニッケル電鋳などの金属に限らず、合成樹脂、あるいはその他の材質でも良い。反応射出成形は、比較的低圧での成形が可能であり、必ずしも高剛性の金型を用いる必要はない。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
【0033】
図1は本発明の1実施形態に係る反応射出成形方法に用いる金型の要部断面図である。
【0034】
本実施形態では、ノルボルネン系モノマーとメタセシス触媒系を含む反応原液を使用する。
【0035】
ノルボルネン系モノマー
本実施形態において用いるノルボルネン系モノマーとしては、ノルボルネン環をもつものであればいずれでもよいが、三環体以上の多環ノルボルネン系モノマーを用いると、熱変形温度の高い重合体が得られる。また、生成する開環重合体を熱硬化型とするためには、全モノマー中の少なくとも10重量%、好ましくは30重量%以上の架橋性モノマーを使用してもよい。
【0036】
ノルボルネン系モノマーの具体例としては、ノルボルネン、ノルボルナジエン等の二環体;ジシクロペンタジエン(シクロペンタジエン二量体)、ジヒドロジシクロペンタジエン等の三環体;テトラシクロドデセン等の四環体;シクロペンタジエン三量体等の五環体;シクロペンタジエン四量体等の七環体;これらのアルキル置換体(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル置換体など)、アルケニル置換体(例えば、ビニル置換体など)、アルキリデン置換体(例えば、エチリデン置換体など)、アリール置換体(例えば、フェニル、トリル、ナフチル置換体など)、エステル基、エーテル基、シアノ基、ハロゲン原子などの極性基を有する置換体等が例示される。これらのモノマーは、1種類以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、入手が容易であり、反応性に優れ、得られる樹脂成形体の耐熱性に優れる点から、三環体、四環体、あるいは五環体のモノマーが好ましい。
【0037】
架橋性モノマーは、反応性の二重結合を2個以上有する多環ノルボルネン系モノマーであり、その具体例としてシクロペンタジエン三量体などが例示される。ノルボルネン系モノマーと架橋性モノマーが同一物である場合には格別他の架橋性モノマーを用いる必要はない。
【0038】
なお、本発明の目的を損なわない範囲で、ノルボルネン系モノマーと開環共重合し得るシクロブテン、シクロペンテン、シクロペンタジエン、シクロオクテン、シクロドデセン等の単環シクロオレフィン等を、コモノマーとして用いても良い。
【0039】
メタセシス触媒系
本発明においては、ノルボルネン系モノマーの開環重合用触媒として公知のメタセシス触媒と活性剤とからなるメタセシス触媒系が使用できる。
【0040】
メタセシス触媒は、六塩化タングステン、またはトリドデシルアンモニウムモリブデート、もしくはトリ(トリデシル)アンモニウムモリブデート等のモリブデン酸有機アンモニウム塩等のノルボルネン系モノマーの塊状重合用触媒として公知のメタセシス触媒であれば特に制限はないが、モリブデン酸有機アンモニウム塩が好ましい。
【0041】
活性剤(共触媒)としては、特開昭58−127728号公報、特開平4−226124号公報、特開昭58−129013号公報、特開平4−145247号公報に開示してあるような公知の活性剤であれば、特に制限はないが、例えばエチルアルミニウムジクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド等のアルキルアルミニウムハライド、アルコキシアルキルアルミニウムハライドなどの有機アルミ化合物、有機スズ化合物等が挙げられる。
【0042】
メタセシス触媒は、ノルボルネン系モノマーの1モルに対し、通常、約0.01〜50ミリモル、好ましくは0.1〜20ミリモルの範囲で用いられる。活性剤は、メタセシス触媒成分に体して、好ましくは1〜10(モル比)の範囲で用いられる。メタセシス触媒および活性剤は、いずれもモノマーに溶解して用いる方が好ましいが、生成物の性質を本質的に損なわない範囲であれば少量の溶剤に懸濁または溶解させて用いてもよい。
【0043】
その他の任意成分
ノルボルネン系ポリマーには、酸化防止剤、充填剤、補強剤、顔料、着色剤、エラストマーなどの添加剤を配合することができる。これらの添加剤は、反応原液に溶解ないしは分散させて配合するが、金型内に配設しておく場合もある。
【0044】
反応原液に添加するエラストマーとしては、例えば、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプロペン−スチレン共重合体(SIS)、エチレン−プロピレン−ジエンタ−ポリマー(EPDM)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)およびこれらの水素化物などが挙げられる。これらのエラストマーを反応原液に添加すると、得られるポリマーに耐衝撃性が付与されるだけではなく、反応原液の粘度を調節することができる。
【0045】
反応射出成形用金型
本実施形態では、注入口、キャビティー、およびエアーベントを備えた液溜めを有する反応射出成形用金型を使用する。本実施形態の金型は、通常、割型構造のものであって、図1に示すように、キャビティ型2とコア型1からなり、型が完全に閉まると、成形体を形成する空間(キャビティ6)ができる。
【0046】
後述するように、モノマーとメタセシス触媒を含む反応原液(B液)と、モノマーと活性剤を含む反応原液(A液)を混合ヘッド等のミキシング部で混合した後、混合液(反応原液)を金型内に注入して反応させる。反応後は断面積を小さく絞った注入口からキャビティ内に注入され、内部のガスを追い出しながらキャビティを充満する。
【0047】
前記A液とB液の混合の際に、多くの泡(ガス)が巻き込みやすいため、下側に設置される型2には液溜4が設けられており、両型の合わせ目に設けたキャビティ6から液溜4に至る細い通路5を経て混合初期の反応原液を除去する。液溜4は反応原液注入の際、キャビティ6内の反応原液が充満しにくく、ガスが一番最後に溜まる(一番上)場所に設置する。液溜4の形状と大きさは、成形体の大きさや形状によって適宜定めることができる。なお、図1において、符号3は、シール溝であり、そのシール溝3内には、シール材が挿入され、型1,2の割面間をシールするようになっている。なお、通路5の隙間は、好ましくは0.8〜3.0mmである。
【0048】
塊状重合
ノルボルネン系ポリマーの好ましい製造法では、一般に、ノルボルネン系モノマーを二液に分けて別の容器に入れ、一方にはメタセシス触媒を、他方には活性剤を添加し、二種類の安定な反応原液を調整する。この二種類の反応原液を混合し、次いで所定形状の金型中に注入し、そこで塊状による開環重合を行う。本実施形態においては、従来から反応射出(RIM)成形装置として公知の衝突混合装置を、二種類の反応原液を混合するために使用することができる。この場合、二種類の反応原液を収めた容器は別々の流れの供給源となる。二種類の流れをRIM機のミキシング・ヘッドで瞬間的に混合させ、次いで成形金型中に注入し、そこで即座に塊状重合させて成形体を得る。
【0049】
衝突混合装置以外にも、ダイナミックミキサーやスタチックミキサーなどの低圧注入機を使用することができる。室温におけるポットライフが1時間もあるような場合には、ミキサー中で二種類の反応溶液の混合が完了してから、予備加熱した金型中へ数回にわたって射出あるいは注入してもよく、また、連続的に注入してもよい。この方式の場合には、衝突混合装置に比較して装置を小型化することができ、また、低圧で操作可能という利点を有する。
【0050】
本実施形態では、ノルボルネン系モノマーとメタセシス触媒系を含む反応原液を金型内に注入して塊状重合するに際し、粒径が0.08mm以上0.6mm以下で、望ましくは、0.1mm以上0.3mm以下の、ノルボルネン系モノマーとメタセシス触媒系を含む反応原液に不溶な粒子を、全量に対して0.001〜3重量%、好ましくは0.01重量%以上2重量%以下で、特に好ましくは0.02重量%以上1重量%以下の量で反応原液に添加する。不溶な粒子は、全量に対する割合が0.001重量%以上3重量%以下であれば、二種類の反応原液の一方にのみ分散させても両方に分散させてもよい。
【0051】
ノルボルネン系モノマーとメタセシス触媒系を含む反応原液に不溶な粒子は、粒径が0.08mm以上0.6mm以下で、望ましくは0.1mm以上0.3mm以下で、ノルボルネン系モノマーとメタセシス触媒系を含む反応原液に不溶で形状が球状に近ければ、ノルボルネン系モノマーとメタセシス触媒系を含む反応原液を用いた反応射出成形法において有用なものとして認められている粒子はもちろんそれ以外のものであってもよい。
【0052】
なお、粒子の形状が棒状などの細長形状では、粒子断面形状よりも大きな流路断面であっても流れ場によって流路をふさぐ場合があって、金型形状に制限が生じ実用的でない。使用する粒子形状はアスペクト比が1.5以下の範囲で、球形に近いほど望ましい。
【0053】
粒子のノルボルネン系モノマーとメタセシス触媒系を含む反応原液に対する不溶性は、反応原液中での粒子の分散が少なくとも成形直前までに完了していればよいことから、反応原液保存容器中で粒子の粒径が0.08mm以上0.6mm以下であることが保持される程度の溶解性があれば必ずしも不溶でなくともよく、例えば、通常の反応原液保存容器の温度の上限である35℃以下において溶解しにくい粒子であればよい。
【0054】
本実施形態で使用する粒子の具体例として、ポリエチレン、ポリスチレン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂がある。
【0055】
本実施形態で使用する粒子は、全量に対しての添加量が少ないため、ノルボルネン系モノマーとメタセシス触媒系の塊状重合を阻害するものであってもよいが、非常に短時間で重合反応を終了させたい場合や塊状重合により得られる成形体の重合度を非常に高いレベルにする必要のある場合には、塊状重合を阻害しないものが望ましく、例えば、ポリエチレンが用いられる。さらに、本実施形態で添加する粒子量は成形体の材料力学的性質が粒子の添加によって変化しない程度であるが、粒子添加によって成形体中の目視観察が不可能な程度にごく微量な空隙が存在することを避けて、例えば電気絶縁性の粒子添加前後の変動のないようにする場合には、塊状重合時に粒子がノルボルネン系モノマーによって膨潤されて融着するものが望ましく、例えば、中密度及び低密度のポリエチレンが用いられる。
【0056】
本実施形態において、金型温度は、通常、室温以上、好ましくは40〜200°C、特に好ましくは50〜130°Cである。重合反応に用いる成分類は、窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気下で貯蔵し、かつ操作することが好ましい。
【0057】
ノルボルネン系モノマーとメタセシス触媒系の塊状重合による反応射出成形法における一般的な重合時間は、20分より短く、望ましくは5分以内であるが、本実施形態においては反応原液が金型の製品部分から流出し始めた後に塊状重合反応が急激に進んだ際に型内の内圧が一定水準以上保たれて金型内が保圧されることを利用しているため、一般的な重合時間よりも短い必要があり、本実施形態における重合時間は、3分より短く、望ましくは1分以内である。
【0058】
また、本実施形態では、反応原液が金型から流出し始めた後に液溜め部4へ流入してゆく際に塊状重合反応が急激に進み始める際には、塊状重合反応の進み始めた直後は粘度上昇はわずかであるため全体としては流動性がほとんど変化しないが、製品部と比較して流路の狭い液溜め部4へと流出する部分5では添加された粒子の効果で反応原液の見かけの粘度が急上昇する。これにより全体としての流動性が確保された状態で流出部のみの見かけの粘度が上昇することになり、結果として金型内の圧力が自動的に保圧される。
【0059】
反応原液が金型の製品部分から流出し始めた後に塊状重合反応が急激に進んだ際に型内の内圧が一定水準以上保たれて金型内が保圧されるためには、具体的には、反応原液が金型から流出し始めた時点での反応原液の粘度が、反応開始前の反応原液の粘度と比較して20%以内で、望ましくは10%以内の増加となる反応原液が用いられる。また、全体的な流動性が反応開始前とほとんど変化がないまま流出部での反応原液の見かけの粘度が上昇するためには、反応性の高い反応原液が用いられて、具体的には、重合時間が3分より短く、望ましくは1分以内であるものが用いられる。
【0060】
金型内の保圧水準が過小であるとボイド発生防止効果が小さくなり、逆に保圧水準が過大であると、大型成形体の場合は、特に、多大な型絞め圧力が必要となり実用的ではない。内圧の範囲は、通常、1.2〜10kgf/cm2 で、好ましくは1.5〜7kgf/cm2 である。
【0061】
また、このように反応原液の粘度を増加させて保圧を発生させるためには、図1に示すキャビティ6から液溜部4へと至る通路5の隙間は、好ましくは0.8〜3.0mm、さらに好ましくは1.0〜1.5mmであることが好ましい。隙間が小さすぎる場合には、液溜部4への反応原液の流通が困難となるために好ましくなく、隙間が大きすぎる場合には、反応原液の粘度の上昇が少ない。
【0062】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
【0063】
たとえば、本発明に係る方法は、ノルボルネン系モノマーの反応射出成形方法に用いて好適であるが、これに限定されることなく、その他の反応射出成形に用いることも可能である。
【0064】
【実施例】
以下、本発明を、さらに詳細な実施例および比較例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。なお、以下の説明では、部または%は、特に断らない限り、重量基準である。
【0065】
実施例1
まず、図1に示す金型を準備した。金型はキャビティ型2、コア型1ともに鉄製であり、キャビティ6の形状は、成形体の外形寸法が20cm×50cmで、平均肉厚が5mm、重量が約0.5kgとなるような形状とした。キャビティ6には、隙間1.0mmの通路5を介して、液溜部4を連通させた。
【0066】
反応原液の調整は以下のように行った。すなわち、ジシクロペンタジエン(DCP)85重量%と、トリシクロペンタジエン15重量%とからなる混合モノマーを用い、このモノマー総量100重量部に対し、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(クレイトン1170、シェル社製)を5重量部とフェノール系の酸化防止剤であるイルガノックス1010(チバガイギー社製)を2重量部とを溶解させ、これを2つの容器に入れ、一方には混合モノマーに対しジエチルアルミニウムクロリド(DEAC)を40ミリモル濃度、n−プロパノールを44ミリモル濃度、四塩化ケイ素を20ミリモル濃度となるように添加した(A液)。他方には、混合モノマーに対しトリ(トリデシル)アンモニウムモリブデートを10ミリモル濃度となるように添加した(B液)。
【0067】
一方のB液には、ノルボルネン系モノマーとメタセシス触媒系を含む反応原液に不溶な粒子として、粒径0.1mmの低密度ポリエチレン球を、表1に示すように、反応原液の全量に対して0.1重量%(表1にはPE球の量と記述)の割合で加えた。なお、表1におけるポリエチレン球の粒径(表1にはPE球の粒径と記述)は、平均粒径である。
【0068】
【表1】
Figure 0003767134
【0069】
このようにして調整された両反応原液を衝突混合装置を用いて1:1の比率で混合し、キャビティ型80℃、コア型50℃に加熱した金型内へ、その注入口から注入した。塊状重合反応時間は約20秒であった。
【0070】
また、金型内の圧力がどのように保持されているかを圧力センサにより計測し、その結果を表1に「金型の内圧」として示した。表1における金型の内圧はkgf/cm2 である。実施例1では、金型の内圧は5.5kgf/cm2 であった。
【0071】
反応終了後、金型から成形体を取り出してボイドの数を調べたところ、表1に示すように3であった。なお、成形体のボイドの数は、次の方法により数えた。
【0072】
200Wの電球に成形体を透かし、予め定めておいた10cm×10cm四角の中にあるボイドの数を数える方法により、直径0.5mm以上のボイドの数を数えた。
【0073】
また、この成形体のガラス転移温度(Tg)を測定したところ、150°Cであり、熱変形温度(HDT)は120°C(JIS K−6911、荷重8.5kg)、比重は1.01g/cm2 、曲げ強度は660kg/mm2 、曲げ弾性率は17000kg/mm2 (JIS K−7203)、アイゾット衝撃強度は30kg・cm/cm[JIS K−7110 6.5(ノッチ付)]であり、剛性と可撓性を備え、しかも軽量で耐熱性、耐衝撃性に優れていることが確認された。
【0074】
実施例2
低密度ポリエチレン球の粒径として、0.2mmのものを用いた以外は、前記実施例1と同様にして、成形体を製造し、実施例1と同様にして、金型の内圧とボイドの数を測定した。結果を表1に示す。金型の内圧は6.2kgf/cm2 であり、ボイドの数は3であった。
【0075】
また、この成形体の物性測定値を、前記実施例1と同様にして計測したところ、実施例1と同様な測定値が得られた。すなわち、本実施例2の成形体も、剛性と可撓性を備え、しかも軽量で耐熱性、耐衝撃性に優れていることが確認された。
【0076】
実施例3
低密度ポリエチレン球の添加量を、反応原液の全量に対して1重量%とした以外は、前記実施例1と同様にして、成形体を製造し、実施例1と同様にして、金型の内圧とボイドの数を測定した。結果を表1に示す。金型の内圧は7.3kgf/cm2 であり、ボイドの数は3であった。
【0077】
また、この成形体の物性測定値を、前記実施例1と同様にして計測したところ、実施例1と同様な測定値が得られた。すなわち、本実施例3の成形体も、剛性と可撓性を備え、しかも軽量で耐熱性、耐衝撃性に優れていることが確認された。
【0078】
実施例4
低密度ポリエチレン球の添加量を、反応原液の全量に対して1重量%とした以外は、前記実施例1と同様にして、成形体を製造し、実施例1と同様にして、金型の内圧とボイドの数を測定した。結果を表1に示す。金型の内圧は11.4kgf/cm2 であり、ボイドの数は2であった。
【0079】
また、この成形体の物性測定値を、前記実施例1と同様にして計測したところ、実施例1と同様な測定値が得られた。すなわち、本実施例4の成形体も、剛性と可撓性を備え、しかも軽量で耐熱性、耐衝撃性に優れていることが確認された。
【0080】
比較例1
低密度ポリエチレン球の添加量を、反応原液の全量に対して0重量%とした以外は、前記実施例1と同様にして、成形体を製造し、実施例1と同様にして、金型の内圧とボイドの数を測定した。結果を表1に示す。金型の内圧は0kgf/cm2 であり、ボイドの数は30であった。
【0081】
比較例2
低密度ポリエチレン球として、粒径が0.05mmのものを用いた以外は、前記実施例1と同様にして、成形体を製造し、実施例1と同様にして、金型の内圧とボイドの数を測定した。結果を表1に示す。金型の内圧は0.1kgf/cm2 であり、ボイドの数は26であった。
【0082】
評価
表1の結果から明らかなように、本発明の実施例1〜4では、特別な保圧機構を用いなくとも適切な大きさのノルボルネン系モノマーとメタセシス触媒系を含む反応原液に不溶な粒子を、適量添加させることにより、金型内で塊状重合する際に金型内の保圧が行われてボイドの数を大幅に低減できることが分かる。
【0083】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明に係る反応射出成形方法によれば、金型に特別な保圧機構を設けることなく、金型内へ反応射出成形を射出する際に、反応原液の保圧を実現し、成形体に生じるボイドの数を大幅に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の1実施形態に係る反応射出成形方法に用いる金型の要部断面図である。
【符号の説明】
1… コア型
2… キャビティ型
3… シール溝
4… 液溜部
5… 通路
6… キャビティ

Claims (3)

  1. 成形体の形状を区画するキャビティと、キャビティへ反応原液を注入する口となる注入口と、前記キャビティの最上方位置に連通して形成してある液溜部と、前記キャビティと液溜部とを連絡する隙間0.8〜3.0mmの通路とを有する金型を準備し、
    アスペクト比が1.5以下かつ、粒径が0.08mm以上0.6mm以下で、反応原液に不溶性の球状ポリマー粒子を、反応原液の全量に対して0.01〜3重量%添加させ、その反応原液を、前記金型の注入口からキャビティ内へ、前記通路を通して液溜部内へ反応原液が流れ込むまで充填することを特徴とするノルボルネン系モノマーの反応射出成形方法。
  2. 前記反応原液に不溶性の球状ポリマー粒子とは、35℃以下の反応原液保存容器中で粒子の粒径が0.08mm以上0.6mm以下であることが保持される粒子であることを特徴とする請求項1に記載のノルボルネン系モノマーの反応射出成形方法。
  3. 前記ポリマー粒子は、ポリエチレン、ポリスチレン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂のいずれかであることを特徴とする請求項1又は2に記載のノルボルネン系モノマーの反応射出成形方法。
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