JPH09300384A - 反応射出成形品の製造方法および金型装置 - Google Patents

反応射出成形品の製造方法および金型装置

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JPH09300384A
JPH09300384A JP11738396A JP11738396A JPH09300384A JP H09300384 A JPH09300384 A JP H09300384A JP 11738396 A JP11738396 A JP 11738396A JP 11738396 A JP11738396 A JP 11738396A JP H09300384 A JPH09300384 A JP H09300384A
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temperature
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reaction
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Hiroshi Ozeki
宏 大関
Tadao Hamada
忠男 浜田
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Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形品の任意の表面に外観および手触りなど
に優れたスキン層を形成することができる反応射出成形
品の製造方法および金型装置を提供することと、金型の
温度が相違しても、熱膨張による成形品の寸法精度への
悪影響を防止すること。 【解決手段】 線膨張率の大きな材質で形成された第1
金型4と線膨張率の小さな材質で形成された第2金型6
とを有する金型装置2を用い、第2金型6の温度を第1
金型4の温度よりも高い状態で、金型装置2のキャビテ
ィ8内に反応原液を注入し、反応射出成形を行う。第2
金型6と第1金型4とが、線膨張率が異なる材質で構成
してあり、第2金型6と第1金型4との温度差により、
これら金型4,6の熱膨張量の絶対値が略等しくなるよ
うな材質で構成してある。すなわち、第1金型4が鋳造
アルミニウム製金型、第2金型6が電鋳製金型である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、反応射出成形品の
製造方法および金型装置に関する。
【0002】
【従来の技術】反応射出成形(以下、RIMとも言う)
法は、二以上の反応原液をミキシングチャンバで混合し
て金型のキャビティに送り込み、金型内で反応させつつ
射出成形を行う製法である。このRIM法は、ノルボル
ネン系モノマーからポリマー(成形品)を成形する場合
などに好適に用いられている。
【0003】このRIM法では、原液タンクに貯留され
た反応原液をポンプにて混合機を通して金型のキャビテ
ィへ送り出すことにより成形を行っている。金型の温度
は、混じりあった反応原液により反応が開始できる程度
の温度に設定され、しかも、反応開始後は、反応熱によ
る過熱が生じないように温度制御され、通常、10〜1
50°C程度の温度に設定される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、成形品
の外観を向上させることができる反応射出成形について
鋭意検討した結果、成形品の外部側表面に接する凹状金
型の温度を、凸状金型の温度よりも高く設定することに
より、得られる成形品の外表面にスキン層が形成され、
外観が向上することを見い出した。このように成形品の
外表面にスキン層が形成される理由は、温度が高い方の
金型に接する側に位置する反応原液から反応が促進し、
成形品の肉厚方向にヒケが生じるためと考えられる。
【0005】なお、金型の温度を異ならしめると、金型
の材質が同じ場合には、熱膨張に差が生じ、成形品の寸
法形状に悪影響を与えるおそれがある。たとえば成形品
の肉厚方向のバラツキが大きくなったり、金型の割面の
跡が成形品に大きく残ることになる。
【0006】本発明は、このような実状に鑑みてなさ
れ、成形品の任意の表面に外観および手触りなどに優れ
たスキン層を形成することができる反応射出成形品の製
造方法および金型装置を提供することを目的とする。ま
た、本発明は、金型の温度が相違する場合でも、熱膨張
による成形品の寸法精度への悪影響を防止することがで
きる金型装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る反応射出成形品の製造方法は、線膨張
率の大きな材質で形成された第1金型と線膨張率の小さ
な材質で形成された第2金型とを有する金型装置を用
い、第2金型の温度を第1金型の温度よりも高い状態
で、金型装置のキャビティ内に反応原液を注入し、反応
射出成形を行うことを特徴とする。
【0008】本発明に係る金型装置は、線膨張率の大き
な材質で形成された第1金型と線膨張率の小さな材質で
形成された第2金型とが割面で組み合わされることによ
り、内部にキャビティが形成される反応射出成形用の金
型装置であり、前記第2金型の温度が第1金型の温度よ
りも高くなるように、これら金型内に熱媒体を循環させ
る温度制御手段を有する。
【0009】前記第2金型と、前記第1金型とが、線膨
張率が異なる材質で構成してあり、第2金型と第1金型
との温度差により、これら金型の熱膨張量の絶対値が略
等しくなるような材質で構成してあることが好ましい。
このような材質の組合せとしては、第1金型が鋳造アル
ミニウム製金型、第2金型がニッケルなどの高融点金属
層がレジコンで裏打ちされた電鋳製金型である組合せで
ある。レジコンとは、樹脂とアルミ粉末などを含むコン
クリート製型材である。
【0010】本発明において、温度制御手段とは、金型
の内部を循環する熱媒体用流路と、その流路に熱媒体を
循環させるポンプと、熱媒体を一定温度に保持する熱交
換部とを含む。熱媒体としては、温水、オイル、スチー
ム、電熱ヒーターなどが用いられる。熱交換部には、ヒ
ータまたは冷却装置が装着してある。なお、温度制御手
段は、金型の内部に直接埋め込まれたヒータなどの加熱
手段や、冷却素子などの冷却手段であっても良い。
【0011】本発明において、第2金型の温度は、第1
金型の温度より、好ましくは10〜50°C、さらに好
ましくは20〜30°C程度高いことが好ましい。第1
金型の温度は、好ましくは30〜70°C、さらに好ま
しくは40〜60°Cである。
【0012】第1金型が鋳造アルミニウム製金型、第2
金型がニッケルメッキ電鋳製金型である場合には、それ
ぞれの線膨張率は、α1 =23×10-6/°K、α2
13.3×10-6/°Kである。室温を10°Cと仮定
し、鋳造アルミニウム製第1金型を45°Cに設定し、
ニッケルメッキ電鋳製第2金型を70°Cに設定したと
して、それぞれの線膨張度を求めると、第1金型では、
α1 ×(45−10)=8.05×10-4であり、第2
金型では、α2 ×(70−10)=7.98×10-4
あり、両者はほぼ等しくなる。したがって、第1金型と
第2金型との間に温度差を設けても、両者の熱膨張の絶
対量は略等しくなり、成形品の寸法精度に悪影響を与え
ることがない。
【0013】本発明において、成形品の外表面にスキン
層を形成したい場合には、第1金型が凸状金型(コア
型)であり、第2金型が凹状金型(キャビティ型)であ
ることが好ましい。成形品の内表面にスキン層を形成し
たい場合には、その逆であることが好ましい。
【0014】本発明に係る金型装置を用いた反応射出成
形品の製造方法では、金型の温度を相互に異ならしめた
ので、成形品の任意の表面に外観および手触りなどに優
れたスキン層を形成することができる。また、本発明で
は、金型の温度が相違する場合でも、第2金型と第1金
型とを線膨張率が異なる材質で構成し、第2金型と第1
金型との温度差によりこれら金型の熱膨張量の絶対値が
略等しくなるような材質で構成することで、熱膨張によ
る成形品の寸法精度への悪影響を防止することができ
る。
【0015】本発明において、反応射出成形に用いる反
応原液としては、特に限定されないが、ウレタン系、ウ
レア系、ナイロン系、エポキシ系、不飽和ポリエステル
系、フェノール系および、ノルボルネン系などが挙げら
れ、一般的成形条件としては、反応原液温度は20〜8
0°C、反応原液の粘性は、たとえば、30°Cにおい
て、5cps〜3000cps好ましくは100cps
〜1000cps程度である。
【0016】かかる成形においては、補強材を予め金型
内に設置しておき、その中に反応液を供給して重合させ
ることにより強化ポリマー(成形品)を製造することが
できる。補強材としては、例えば、ガラス繊維、アラミ
ド繊維、カーボン繊維、超高分子量ポリエチレン繊維、
金属繊維、ポリプロピレン繊維、アルミコーティングガ
ラス繊維、木綿、アクリル繊維、ボロン繊維、シリコン
カーバイド繊維、アルミナ繊維などを挙げることができ
る。また、チタン酸カリウムや硫酸カルシウムなどのウ
ィスカーも挙げることができる。さらに、これらの強化
剤は、長繊維状またはチョップドストランド状のものを
マット化したもの、布状に織ったもの、チョップ形状の
ままのものなど、種々の形状で使用することができる。
これらの補強材は、その表面をシランカップリング材等
のカップリング剤で処理したものが、樹脂との密着性を
向上させる上で好ましい。配合量は、特に制限はない
が、通常10重量%以上、好ましくは20〜60重量%
である。
【0017】また、酸化防止剤、充填剤、顔料、着色
剤、発泡剤、難燃剤、摺動付与剤、エラストマー、ジシ
クロペンタジエン系熱重合樹脂およびその水添物など種
々の添加剤を配合することにより、得られるポリマーの
特性を改質することができる。酸化防止剤としては、フ
ェノール系、リン系、アミン系など各種のプラスチック
・ゴム用酸化防止剤がある。充填剤にはミルドガラス、
カーボンブラック、タルク、炭酸カルシウム、水酸化ア
ルミニウム、雲母などの無機質充填剤がある。エラスト
マーとしては、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプ
レン、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、スチ
レン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SB
S)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合
体(SIS)、エチレン−プロピレン−ジエンターポリ
マー(EPDM)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EV
A)およびこれらの水素化物などがある。
【0018】添加剤は、通常、予め反応液のいずれか一
方または双方に混合しておく。金型内は不活性ガスでシ
ールし、重合反応に用いる成分類は窒素ガスなどの不活
性ガス雰囲気下で貯蔵し、かつ操作することが好まし
い。金型圧力は通常0.1〜100Kg/cm2 の範囲
である。重合時間は、適宜選択すればよいが、通常、反
応液の注入終了後、30秒〜20分、好ましくは、5分
以下である。
【0019】本発明に係る反応射出成形品の具体的用途
は、特に限定されず、バスタブ、バンパー、水槽または
浄化槽の槽体などである。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る反応射出成形
品の製造方法および金型装置を、図面に示す実施形態に
基づき、詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態に
係る金型装置の概略断面図、図2は図1に示す金型の要
部断面図である。
【0021】図1に示すように、本実施形態に係る金型
装置2は、上金型4(第1金型)と下金型6(第2金
型)とを有する。これら金型4,6の割面を合わせるこ
とで、金型装置2内部には、キャビティ8が形成され
る。本実施形態では、上金型4が凸状金型(コア型)で
あり、下金型6が凹状金型(キャビティ型)である。
【0022】これら金型4,6の内部には、図2に示す
ように、熱媒体用流路14が形成してあり、金型4,6
のキャビティ8側温度をそれぞれ一定温度に成るように
してある。熱媒体用流路14は、金型に空隙を形成する
ことにより金型に直接形成しても良いが、パイプなどを
埋め込むことにより形成しても良い。熱媒体用流路14
は、できる限りキャビティ8に近い位置に設けることが
好ましい。キャビティ8の温度制御を行うためである。
【0023】この熱媒体用流路14には、ポンプなどの
循環手段が装着してあり、熱交換部で一定温度に加熱さ
れた温水を循環させるようになっている。熱交換部で
は、ヒータなどの加熱手段または冷却素子などの冷却手
段により、流路14に流れる熱媒体の温度を一定に保つ
ように制御する。
【0024】本実施形態では、上金型4を鋳造アルミニ
ウムで構成してある。下金型6は、電鋳製金型で構成し
てある。図2に示すように、電鋳製金型から成る下金型
6は、金属メッキ層12の裏面をレジコン10で裏打ち
してある。金属メッキ層12は、たとえばニッケル、銅
などで構成してあり、その層厚は、好ましくは1〜10
mm、さらに好ましくは3〜6mmである。レジコン10
は、エポキシ樹脂、ポリエステルなどの樹脂と、アルミ
ニウム粉末などとを含むコンクリートで構成してある。
電鋳製の下金型6には、図2に示すように、金属メッキ
層12の近くのレジコン10内部に熱媒体用流路14が
形成してある。本実施形態では、下金型6に埋め込まれ
る熱媒体用流路14の配置間隔が、上金型4に埋め込ま
れる熱媒体用流路14の配置間隔よりも狭いことが好ま
しい。アルミニウム製金型よりも電鋳製金型の方が熱が
こもり易いので、流路14の配置間隔を密にして、温度
制御を正確にするためである。
【0025】本実施形態では、熱媒体による温度制御に
より、上金型4を45°Cに設定し、下金型6を70°
Cに設定する。本実施形態では、反応射出成形は、ノル
ボルネン系モノマーを用いた反応射出成形である。本実
施形態において使用するモノマーは、ジシクロペンタジ
エンやジヒドロジシクロペンタジエン、テトラシクロド
デセン、トリシクロペンタジエン等のノルボルネン環を
有するシクロオレフィンである。
【0026】ノルボルネン系モノマーを用いた反応射出
成形において使用することができるメタセシス触媒は、
六塩化タングステン、トリドデシルアンモニウムモリブ
デート、トリ(トリデシル)アンモニウムモリブデート
等のモリブデン酸有機アンモニウム塩等のノルボルネン
系モノマーの塊状重合用触媒として公知のメタセシス触
媒であれば特に制限はないが、モリブデン酸有機アンモ
ニウム塩が好ましい。
【0027】活性剤(共触媒)としては、エチルアルミ
ニウムジクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド等の
アルキルアルミニウムハライド、これらのアルコキシア
ルキルアルミニウムハライド、有機スズ化合物等が挙げ
られる。反応射出成形の前準備として、ノルボルネン系
モノマー、メタセシス触媒及び活性剤を主材とする反応
射出成形用材料をノルボルネン系モノマーとメタセシス
触媒とよりなるA液と、前記のノルボルネン系モノマー
と活性剤とよりなるB液との安定な2液に分けて、それ
ぞれを別のタンクに入れておく。
【0028】反応射出成形に際しては、この2液を混合
し、次いで、この混合液を、図1に示す金型装置2のキ
ャビティ8に注入し、キャビティ8内で塊状重合して、
ポリノルボルネン系樹脂製成形品を得る。反応射出成形
に際しては、金型装置2内は不活性ガスでシールし、重
合反応に用いる成分類は窒素ガスなどの不活性ガス雰囲
気下で貯蔵し、かつ操作することが好ましい。各金型
4,6の温度は、45°C及び70°Cに設定される。
金型圧力は通常0.1〜100kg/cm2 の範囲であ
る。重合時間は、適宜選択すればよいが、反応液の注入
終了後、通常30秒〜20分、好ましくは5分以下であ
る。
【0029】本実施形態に係る金型装置2を用いた反応
射出成形品の製造方法では、下金型6の温度を、上金型
4の温度よりも25°C程度に高く設定したので、金型
のキャビティ8内に反応原液が注入されると、温度が高
い下金型6に接する部分からより速く反応が開始し、得
られる成形品の外表面にスキン層が形成される。その結
果、成形品の外観および肌触りが向上する。図1に示す
形状の成形品では、その内表面は、人目に触れない部分
なので、スキン層が形成されなくても良い。
【0030】また、本実施形態では、上金型4が鋳造ア
ルミニウム製金型、下金型6がニッケルメッキ電鋳製金
型であり、それぞれの線膨張率は、α1 =23×10-6
/°K、α2 =13.3×10-6/°Kである。室温を
10°Cと仮定し、上金型4を45°Cに設定し、下金
型6を70°Cに設定したとして、それぞれの線膨張度
を求めると、上金型4では、α1 ×(45−10)=
8.05×10-4であり、下金型6では、α2 ×(70
−10)=7.98×10-4であり、両者はほぼ等しく
なる。したがって、上金型4と下金型6との間に温度差
を設けても、両者の熱膨張の絶対量は略等しくなり、成
形品の寸法精度に悪影響を与えることがない。たとえ
ば、成形品の板厚のバラツキが絶対値で0.5mm以内に
収まり、製造歩留まりは良好である。また、金型の線膨
張差による金型4,6間のかじりもなく、成形を安定し
て行うことができる。さらに、得られる成形品には、金
型の割面の跡が出難くなる。 なお、本発明は、上述し
た実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内
で種々に改変することができる。
【0031】たとえば、成形品の内表面にスキン層を形
成したい場合には、図1に示す上金型4を電鋳製とし、
下金型6を鋳造アルミニウム製とし、上金型4の温度を
70°C、下金型6の温度を45°Cとしてもよい。さ
らに、キャビティ8の形状は、図1に示す例に限定され
ず、種々に改変可能である。キャビティ8には、何らか
の挿入体を予め配置し、その挿入体と金型内周面との間
に反応射出成形することもできる。
【0032】
【実施例】以下、本発明を、さらに具体的な実施例に基
づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されな
い。なお、部や%などは、特に断わりがない限り、重量
基準である。
【0033】実施例1 ジシクロペンタジエン(DCP)90%と非対称型シク
ロペンタジエン3量体10%とから成るノルボルネン系
モノマーと、モノマーに対し3重量部のビニルノルボル
ネンおよびモノマーと同じ重量のシリカ(龍森製、RS
xxx)とを2つのタンクに入れ、一方にはモノマーに
対しジエチルアルミニウムクロリド(DEAC)を40
モル濃度、1,3−ジクロロ−2−プロパノール(dc
PrOH)48モル濃度に成るように添加した(A
液)。他方には、モノマーに対し、トリ(トリデシル)
アンモニウムモリブデートを10ミリモル濃度となるよ
うに添加した(B液)。これらA液およびB液は、それ
ぞれのタンクに貯留した。
【0034】図1に示す鋳造アルミニウム製上金型4お
よびニッケルメッキ層を有する電鋳製下金型6の内部に
装着された熱媒体流路14に温水を流すことで、上金型
4の温度を45°Cに設定し、下金型6の温度を70°
Cに設定した。次に、図示省略してある注入口からキャ
ビティ8内に、同容量のA液とB液とを混合して注入
し、約5分程度経過した後、金型内から反応射出成形品
を取り出した。
【0035】成形品の外表面を観察したところ、スキン
層が形成されたことが確認された。また、100ショッ
トの成形を行い、成形品の板厚(設計値で6mm)のバラ
ツキを調べたところ、絶対値で0.5mm以内に収まり、
製造歩留まりは良好であることが確認された。
【0036】また、成形品に生じた金型の割面の跡の高
さも、0.2mm以下であり、割面の跡が出にくいことが
確認された。比較例1 上金型4と下金型6とを、同じ鋳造アルミニウム製金型
で構成した以外は、前記実施例1と同様にして、反応射
出成形を行い、反応射出成形品を取り出した。
【0037】ショット20回を越える頃から、金型のガ
イドピンにかじりが生じ、成形品の外表面を観察したと
ころ、金型接合面の跡が見られ、成形品側板の厚みが増
加したことが確認された。比較例2 上金型4および下金型6の設定温度を同じ50°Cとし
た以外は、前記実施例1と同様にして、反応射出成形を
行い、反応射出成形品を取り出した。
【0038】成形品の外表面を観察したところ、スキン
層が形成されなかった。また、100ショットの成形を
行い、成形品の板厚(設計値で6mm)のバラツキを調べ
たところ、絶対値で2.0mmであった。また、成形品に
生じた金型の割面の跡の高さは、1.0mmであった。
【0039】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明に係る
金型装置を用いた反応射出成形品の製造方法によれば、
金型の温度を相互に異ならしめたので、成形品の任意の
表面に外観および手触りなどに優れたスキン層を形成す
ることができる。また、本発明では、金型の温度が相違
しても、第2金型と第1金型とを線膨張率が異なる材質
で構成し、第2金型と第1金型との温度差によりこれら
金型の熱膨張量の絶対値が略等しくなるような材質で構
成することで、熱膨張による成形品の寸法精度への悪影
響を防止することができる。たとえば、成形品の板厚の
バラツキが絶対値で0.5mm以内に収まり、製造歩留ま
りは良好である。また、金型の線膨張差による金型間の
かじりもなく、成形を安定して行うことができる。さら
に、得られる成形品には、金型の割面の跡が出難くな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施形態に係る金型装置の概
略断面図である。
【図2】図2は図1に示す金型の要部断面図である。
【符号の説明】
2… 金型装置 4… 上金型(材質:鋳造アルミニウム) 6… 下金型(材質:ニッケルメッキ電鋳) 8… キャビティ 10… レジコン 12… 金属メッキ層 14… 熱媒体用流路
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29C 45/78 B29C 45/78 // B29K 55:00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 線膨張率の大きな材質で形成された第1
    金型と線膨張率の小さな材質で形成された第2金型とを
    有する金型装置を用い、 第2金型の温度を第1金型の温度よりも高い状態で、金
    型装置のキャビティ内に反応原液を注入し、反応射出成
    形を行うことを特徴とする反応射出成形品の製造方法。
  2. 【請求項2】 線膨張率の大きな材質で形成された第1
    金型と線膨張率の小さな材質で形成された第2金型とが
    割面で組み合わされることにより、内部にキャビティが
    形成される反応射出成形用の金型装置であり、 前記第2金型の温度が第1金型の温度よりも高くなるよ
    うに、これら金型内に熱媒体を循環させる温度制御手段
    を有する金型装置。
  3. 【請求項3】 前記第2金型と、前記第1金型とが、第
    2金型と第1金型との温度差により、これら金型の熱膨
    張量の絶対値が略等しくなるような材質で構成してある
    請求項2に記載の金型装置。
JP11738396A 1996-05-13 1996-05-13 反応射出成形品の製造方法および金型装置 Pending JPH09300384A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007210292A (ja) * 2006-02-13 2007-08-23 Mitsubishi Electric Corp 成形方法および成形金型
JP2010510111A (ja) * 2006-11-20 2010-04-02 ザ・ボーイング・カンパニー 熱膨張ツーリングコールを使用してハット型に強化された複合部品を形成する装置及び方法

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