JPH09300387A - 反応射出成形方法および金型装置 - Google Patents

反応射出成形方法および金型装置

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JPH09300387A
JPH09300387A JP11856696A JP11856696A JPH09300387A JP H09300387 A JPH09300387 A JP H09300387A JP 11856696 A JP11856696 A JP 11856696A JP 11856696 A JP11856696 A JP 11856696A JP H09300387 A JPH09300387 A JP H09300387A
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JP
Japan
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mold
mixer
pressure
reaction
reduced
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JP11856696A
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English (en)
Inventor
Masao Torii
正夫 鳥居
Katsuo Suzuki
勝雄 鈴木
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Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ボイドが少なく、電気特性が安定し、補強材
などと樹脂との間の空隙が少なくて密着性に優れ、しか
も機械的強度にも優れ、悪臭も少ない反応射出成形品を
製造すること。また、ポンプを用いることなく、反応原
液を移送させる。 【解決手段】 減圧状態で、金型2に反応原液を注入
し、注入後、減圧状態を一定時間維持し、その後、常圧
近くに戻す。混合機22、金型2あるいは金型2を収容
する箱8を減圧状態にすることにより、反応原液を、混
合機22、次いで金型2のキャビティ内部に順次移送
し、金型2のキャビティ内で反応射出成形を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、反応射出成形方法
とそれに用いる金型装置に関する。
【0002】
【従来の技術】反応射出成形(以下、RIMとも言う)
法は、二つの反応原液をミキシングチャンバで混合して
金型のキャビティに送り込み、金型内で反応させつつ射
出成形を行う製法である。このRIM法は、ノルボルネ
ン系モノマーからポリマー(成形品)を成形する場合な
どに好適に用いられている。
【0003】このRIM法では、原液タンクに貯留され
た反応原液をポンプにて混合機および金型へ送り出すこ
とにより成形を行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特に原
液タンク中の反応原液の残量が少なくなると、たとえば
タンク容量の1割を切ると、タンクの封止ガスと共に、
反応原液が混合機へと送り込まれ、そのガスが成形品中
で気泡(ボイド)として残るという課題を有していた。
成形品にボイドが形成されると、成形品の電気的特性が
不安定になる。また、成形品の機械的強度を向上させる
ために、反応射出成形品中に補強材を含有させることが
あるが、従来の成形方法では、補強材と樹脂との間に生
じるおそれがある空隙をなくすための工夫が困難であっ
た。補強材と樹脂との間に空隙が生じると、これらの密
着性が低下し、成形品の機械的強度を十分に向上させる
ことができないおそれがあった。
【0005】また、補強材を反応原液中に添加した場合
に、補強材によりポンプが摩耗し定量性が低下し、最悪
の場合には、反応原液を金型のキャビティ内へ送ること
ができなくなるおそれがあった。本発明は、このような
実状に鑑みてなされ、ボイドが少なく、電気特性が安定
し、補強材などと樹脂との間の空隙が少なくて密着性に
優れ、しかも機械的強度にも優れ、悪臭も少ない反応射
出成形品を製造することができる反応射出成形方法を提
供することを第1の目的とする。
【0006】また、本発明は、ポンプを摩耗させること
なく、常に一定量の反応原液を金型のキャビティ内へ移
送させることができる反応射出成形方法と金型装置を提
供することを第2の目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、本発明に係る第1の反応射出成形方法は、減
圧状態で、金型に反応原液を注入し、注入後、減圧状態
を一定時間維持し、その後、常圧近くに戻すことを特徴
とする。
【0008】本発明に係る第1の反応射出成形方法にお
いて、減圧状態を維持する一定時間は、特に限定されな
いが、好ましくは0.5秒以上、より好ましくは5秒以
上、特に好ましくは10秒以上である。この時間が余り
に短いと、本発明での効果が少ない。また、この一定時
間は、好ましくは60秒以内、より好ましくは30秒以
内、特に好ましくは20秒以内である。この時間が余り
に長すぎると、未反応単量体が気化した状態で固化する
ことから好ましくない。
【0009】本発明に係る第1の反応射出成形方法にお
いて、「減圧状態」とは、減圧度が通常は300mmH
g以下、好ましくは200mmHg以下、より好ましく
は100mmHg以下であり、「常圧近く」とは、常圧
±100mmHg程度である。常圧近くに戻す際に、そ
の雰囲気は、Ar、N2 などの不活性ガスであることが
好ましい。
【0010】本発明に係る第1の反応射出成形方法で
は、減圧状態で、金型に反応原液を注入し、注入後、減
圧状態を一定時間維持する。その状態で、金型内の反応
原液に泡が出る。泡が出ている状態で、減圧状態を解除
し、雰囲気圧力を常圧近くにする。本発明者等の実験に
よれば、このようにして反応射出成形を行うことで、成
形品の表面及び内部のボイドが少なくなり、成形品の電
気的特性も安定し、反応射出成形品に特有の臭いも低減
できることが確認された。
【0011】上記第2の目的を達成するために、本発明
に係る第2の反応射出成形方法は、混合機、金型あるい
は金型を収容する箱を減圧状態にすることにより、反応
原液を、混合機、次いで金型のキャビティ内部に順次移
送し、金型のキャビティ内で反応射出成形を行うことを
特徴とする。
【0012】上記第2の目的を達成するために、本発明
に係る金型装置は、反応前の二種類以上の反応原液をそ
れぞれ貯留する原液タンクと、各原液タンクに弁を持つ
配管を介して接続される混合機と、前記混合機の内部を
減圧状態にすることができる第1減圧手段と、前記混合
機に弁を持つ配管を介して接続されたキャビティを有す
る金型と、前記金型の内部または前記金型を収容する箱
の内部を減圧状態にすることができる第2減圧手段と、
を有する。
【0013】本発明に係る第2の反応射出成形方法にお
いて、前記第1減圧手段と第2減圧手段とは、同一の真
空ポンプまたは別々の真空ポンプあるいは真空引きされ
たタンクなどで構成される。本発明に係る第2の反応射
出成形方法において、「減圧状態」とは、減圧度が通常
は300mmHg以下、好ましくは200mmHg以
下、より好ましくは100mmHg以下である。混合機
の減圧度と、金型の内部または金型を収容する箱の内部
の減圧度とは、同じでも異なっても良い。好ましくは、
金型の内部または金型を収容する箱の内部が、混合機よ
りも減圧されていることが好ましい。これは、反応原液
を混合機から箱内へガス圧により吸引するためである。
【0014】本発明に係る金型装置を用いた第2の反応
射出成形方法では、混合機、金型あるいは金型を収容す
る箱を順次減圧状態にすることにより、または、弁を順
次開き、減圧状態にされた混合機、金型あるいは金型を
収容する箱を順次連通させることにより、ポンプを用い
ることなく、反応原液を、混合機、次いで金型のキャビ
ティ内部に順次移送することができる。
【0015】したがって、ポンプの摩耗の問題がなくな
り、常に一定量の反応原液を金型のキャビティ内へ移送
させることができ、反応射出成形の生産性が向上する。
本発明において、反応射出成形に用いる反応原液として
は、特に限定されないが、ウレタン系、ウレア系、ナイ
ロン系、エポキシ系、不飽和ポリエステル系、フェノー
ル系および、ノルボルネン系などが挙げられ、一般的成
形条件としては、反応原液温度は20〜80°C、反応
原液の粘性は、たとえば、30°Cにおいて、5cps
〜3000cps好ましくは100cps〜1000c
ps程度である。
【0016】かかる成形においては、補強材を予め金型
内に設置しておき、その中に反応液を供給して重合させ
るか、または補強材を二つの反応原液のどちらかあるい
は両方に添加して重合させることにより強化ポリマー
(成形品)を製造することができる。
【0017】補強材としては、例えば、ガラス繊維、ア
ラミド繊維、カーボン繊維、超高分子量ポリエチレン繊
維、金属繊維、ポリプロピレン繊維、アルミコーティン
グガラス繊維、木綿、アクリル繊維、ボロン繊維、シリ
コンカーバイド繊維、アルミナ繊維などを挙げることが
できる。また、チタン酸カリウムや硫酸カルシウムなど
のウィスカーも挙げることができる。さらに、これらの
補強材は、長繊維状またはチョップドストランド状のも
のをマット化したもの、布状に織ったもの、チョップ形
状のままのものなど、種々の形状で使用することができ
る。これらの補強材は、その表面をシランカップリング
材等のカップリング剤で処理したものが、樹脂との密着
性を向上させる上で好ましい。配合量は、特に制限はな
いが、反応原液全量に対して通常10重量%以上、好ま
しくは20〜60重量%である。
【0018】また、酸化防止剤、充填剤、顔料、着色
剤、発泡剤、難燃剤、摺動付与剤、エラストマー、ジシ
クロペンタジエン系熱重合樹脂およびその水添物など種
々の添加剤を配合することにより、得られるポリマーの
特性を改質することができる。酸化防止剤としては、フ
ェノール系、リン系、アミン系など各種のプラスチック
・ゴム用酸化防止剤がある。充填剤にはミルドガラス、
カーボンブラック、タルク、炭酸カルシウム、水酸化ア
ルミニウム、雲母などの無機質充填剤がある。エラスト
マーとしては、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプ
レン、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、スチ
レン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SB
S)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合
体(SIS)、エチレン−プロピレン−ジエンターポリ
マー(EPDM)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EV
A)およびこれらの水素化物などがある。
【0019】添加剤は、通常、予め反応液のいずれか一
方または双方に混合しておく。反応射出成形に用いる金
型本体は、必ずしも剛性の高い高価な金型である必要は
なく、金属製金型に限らず、樹脂製金型、または単なる
型枠を用いることができる。反応射出成形は、低粘度の
反応液を用い、比較的低温低圧で成形できるためであ
る。金型内は予め不活性ガスでシールし、重合反応に用
いる成分類は窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気下で貯蔵
し、かつ操作することが好ましい。
【0020】金型温度は、好ましくは、10〜150
℃、より好ましくは、30〜120℃、さらに好ましく
は、50〜100℃である。金型圧力は通常0.1〜1
00Kg/cm2 の範囲である。重合時間は、適宜選択
すればよいが、通常、反応液の注入終了後、30秒〜2
0分である。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る反応射出成形
方法および金型装置を、図面に示す実施形態に基づき、
詳細に説明する。第1実施形態 図1は本発明の一実施形態に係る金型装置の概略図であ
る。
【0022】図1に示すように、本実施形態に係る金型
装置は、内部にキャビティを持つ金型2と、反応前の反
応原液をそれぞれ貯留する原液タンク34,36と、各
原液タンク34,36に弁30,32を持つ配管26,
28を介して接続される混合機22とを有する。
【0023】金型2は、上金型4と下金型6とを有し、
これらが組み合わされることにより、内部にキャビティ
が形成される。なお、金型2は、固定型と移動型とから
構成され、必ずしも上下に配置されることなく、左右に
配置されても良い。金型2は、必ずしも剛性の高い高価
な金型である必要はなく、金属製金型に限らず、樹脂製
金型、または単なる型枠を用いることができる。
【0024】本実施形態では、金型2は、箱8の内部に
収容される。箱8の内部は密封空間で構成される。この
箱8には、配管10が接続してある。配管10には、三
方弁12(たとえば電磁弁)が接続してある。三方弁1
2には、三つの配管10,14,16が接続してある。
配管10は箱8の内部に連通している。配管14には、
減圧ポンプが接続してある。配管16には、窒素パージ
用配管が接続してある。
【0025】金型2の図示省略してある注入口には、供
給用配管18が接続してある。供給用配管18には、弁
20が装着してある。この弁20は、特に限定されず、
ボール弁などで構成されるが、電磁弁であることが好ま
しい。この供給用配管18には、混合機22が接続して
ある。混合機22の内部には、プロペラを持つ攪拌機2
4が装着してある。
【0026】混合機22には、配管26を介して第1原
液タンク34と、配管28を介して第2原液タンク36
とが接続してある。配管26,28には、それぞれ弁3
0,32が装着してある。これら弁30,32は、特に
限定されないが、ボール弁などで構成され、電磁弁であ
ることが好ましい。
【0027】各原液タンク34,36には、窒素パージ
用配管38,42がそれぞれ接続してある。これら配管
には、弁40,44がそれぞれ装着してある。弁40,
44は、特に限定されないが、ボール弁などで構成さ
れ、電磁弁であることが好ましい。
【0028】混合機22には、配管46も接続してあ
る。配管46には、三方弁48が装着してある。この三
方弁48も電磁弁であることが好ましい。三方弁48に
は、三つの配管46,50,52が接続してある。配管
46は、混合機22の内部に連通し、配管50は減圧ポ
ンプに連通し、配管52は窒素パージ用配管に接続して
ある。
【0029】第1原液タンク34および第2原液タンク
36には、混合されることにより一定時間経過後に反応
が生じる異なる配合のモノマーを含む反応原液がそれぞ
れ貯留してある。反応射出成形が、ノルボルネン系モノ
マーを用いた反応射出成形である場合には、本実施形態
において使用するモノマーは、ジシクロペンタジエンや
ジヒドロジシクロペンタジエン、テトラシクロドデセ
ン、トリシクロペンタジエン等のノルボルネン環を有す
るシクロオレフィンである。
【0030】ノルボルネン系モノマーを用いた反応射出
成形において使用することができるメタセシス触媒は、
六塩化タングステン、トリドデシルアンモニウムモリブ
デート、トリ(トリデシル)アンモニウムモリブデート
等のモリブデン酸有機アンモニウム塩等のノルボルネン
系モノマーの塊状重合用触媒として公知のメタセシス触
媒であれば特に制限はないが、モリブデン酸有機アンモ
ニウム塩が好ましい。
【0031】活性剤(共触媒)としては、エチルアルミ
ニウムジクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド等の
アルキルアルミニウムハライド、アルコキシアルキルア
ルミニウムハライド、有機スズ化合物等が挙げられる。
反応射出成形の前準備として、ノルボルネン系モノマ
ー、メタセシス触媒及び活性剤を主材とする反応射出成
形用材料をノルボルネン系モノマーとメタセシス触媒と
よりなるA液と、前記のノルボルネン系モノマーと活性
剤とよりなるB液との安定な2液に分けて、それぞれを
別のタンクに入れておく。本実施形態では、A液をタン
ク34に貯留し、B液をタンク36に貯留してある。
【0032】次に、本実施形態に係る反応射出成形方法
について説明する。まず、三方弁12を制御し、箱8の
内部を減圧ポンプに接続し、箱8の内部を減圧状態とす
る。この場合の箱8の内部の減圧度は、好ましくは20
0mmHg以下、さらに好ましくは100mmHg以下
である。同時に、またはその前後に、三方弁48を制御
し、混合機22の内部を減圧ポンプに接続し、混合機2
2の内部を減圧状態とする。この場合の混合機22の内
部の減圧度は、好ましくは200mmHg以下、さらに
好ましくは100mmHg以下である。
【0033】次に、攪拌機24を動作させると同時に、
またはその前後に、弁30,32を開き、圧力差によ
り、各原液タンク34,36内の反応原液を混合機22
内へと導き、原液の混合を行う。タンク34,36から
所定量の原液が混合機22内へ導入された時点で、直ち
に、弁30,32を閉じる。この弁30,32の制御
は、タイマーなどを内蔵したマイコンなどの制御装置で
行うこともできる。弁30,32を閉じた後に、三方弁
48を制御し、窒素パージ用配管に接続してある配管5
2を混合機22の内部に連通させ、混合機22の内部を
窒素ガスで満たし、常圧に近い雰囲気圧力に設定され
る。
【0034】なお、タンク34,36には、それぞれ窒
素パージ用配管38,42から、適宜、窒素ガスが供給
され、常圧に近い雰囲気圧力となっている。混合機22
への反応原液の移送が完了した時点から、好ましくは5
〜60秒後に、弁20を開き、圧力差により、混合機2
2から供給配管18を通して、混合された反応原液を金
型2のキャビティ内へと供給する。金型2のキャビティ
への反応原液の充填が完了した時点から、一定時間後
に、三方弁12を制御装置などにより自動的に動作させ
(または手動)、窒素パージ用配管に接続してある配管
16と箱8の内部とを連通させ、箱8の内部を窒素パー
ジして常圧に近い圧力に戻す。箱8の内部を常圧に近い
圧力に戻すタイミングは、反応原液の充填が完了した時
点から、5〜30秒が好ましい。
【0035】三方弁12による圧力の切り替え常圧に戻
った後、好ましくは10〜60秒後に、型開きを行い、
成形品を金型2内部から取り出す。なお、本実施形態で
は、金型2の温度は、好ましくは、10〜150℃、よ
り好ましくは、30〜120℃、さらに好ましくは、5
0〜100℃である。金型2の型締め圧力は通常0.1
〜100Kg/cm2 の範囲である。重合時間は、適宜
選択すればよいが、通常、反応液の注入終了後、30秒
〜20分である。
【0036】本実施形態に係る反応射出成形方法では、
減圧状態で、金型2に反応原液を注入し、注入後、減圧
状態を一定時間維持する。その状態で、金型2内の反応
原液に泡が出る。泡が出ている状態で、減圧状態を解除
し、雰囲気圧力を常圧近くにする。このようにして反応
射出成形を行うことで、成形品の表面及び内部のボイド
が少なくなり、成形品の電気的特性も安定し、反応射出
成形品に特有の臭いも低減できることが確認された。
【0037】また、本実施形態では、混合機22、金型
2を収容する箱8を減圧状態にした後、弁30,32,
20を順次開き、ポンプを用いることなく、圧力差によ
り、反応原液を、混合機22、次いで金型2のキャビテ
ィ内部に順次移送することができる。
【0038】したがって、ポンプの摩耗の問題がなくな
り、常に一定量の反応原液を金型2のキャビティ内へ移
送させることができ、反応射出成形の生産性が向上す
る。また、ポンプのメンテナンスの必要もなくなるの
で、製造コストも低減できる。さらに、本実施形態で
は、各弁12,20,30,32,40,44,48お
よび減圧ポンプ(あるいは真空ポンプ)をマイコンまた
はパーソナルコンピュータなどを有する制御装置で制御
することにより、成形の自動化が可能になる。
【0039】なお、本発明は、上述した実施形態に限定
されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変する
ことができる。たとえば、上述した実施形態では、箱8
の内部を減圧状態にしたが、本発明では、金型のキャビ
ティ内部を直接減圧状態にしても良い。
【0040】また、前述した実施形態では、混合機22
と箱8とを同時に減圧状態にしたが、混合機22を減圧
状態にした後、箱8の内部を減圧状態に成るように弁1
2,48を制御しても良い。さらに、図1では、反応原
液の重力をも利用して原液の移送を行うために、金型2
の上方に、混合機22を位置させ、その上に、タンク3
4,36を位置させたが、必ずしもこのような位置関係
ではなくても良い。
【0041】さらにまた、上述した実施形態では、ポン
プを用いることなく、原液の移送を行ったが、本発明で
は、箱8の内部または金型2のキャビティ内部を一定時
間減圧状態にすることを条件に、ポンプを用いて原液の
移送を行っても良い。
【0042】
【実施例】以下、本発明を、さらに具体的な実施例に基
づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されな
い。なお、部や%などは、特に断わりがない限り、重量
基準である。
【0043】実施例1 300mm×300mm×10mmの平板成形用金型を、圧力
計および二つの配管18,10が取り付けてある500
mm×500mm×500mmのアクリル製の透明な箱8の中
央部分にセットした。
【0044】一方、ジシクロペンタジエン(DCP)9
0%と非対称型シクロペンタジエン3量体10%とから
成るノルボルネン系モノマーと、モノマーに対し3重量
部のビニルノルボルネンおよびモノマーと同じ重量のシ
リカ(龍森製、CRS−2059−53)とを2つのタ
ンク34,36に入れ、一方にはモノマーに対しジエチ
ルアルミニウムクロリド(DEAC)を40モル濃度、
1,3−ジクロロ−2−プロパノール(dcPrOH)
48モル濃度に成るように添加した(A液)。他方に
は、モノマーに対し、トリ(トリデシル)アンモニウム
モリブデートを10ミリモル濃度となるように添加した
(B液)。これらA液およびB液は、それぞれタンク3
4およびタンク36に貯留した。
【0045】箱8の上部中央に取り付けてある配管18
には弁20を介して、上部に3つの配管26,28,4
6が取り付けられ、プロペラ型の攪拌機24が取り付け
られた、直径100mm、高さ200mmのタンクからなる
混合機22を接続してある。また、もう一方の側面に取
り付けてある配管46には三方弁48を取り付け、三方
弁48の他の1箇所には窒素パージライン用配管52
を、残る1箇所の配管50には減圧ポンプを接続してい
る。
【0046】最初に、金型2を収納してある箱8を減圧
度1mmHgにすると共に、混合機22の内部を減圧度2
00mmHgとした後、攪拌機24を120rpm程度で
回転させ、弁30,32を同時に開き、容器内の配合液
を混合機22に流し込み混合を行う。この時、タンク3
4,36より所定量の反応原液が混合機22に移送され
た後、直ちに、弁30,32を閉じ、混合機22内を窒
素にて常圧に戻した。
【0047】次いで、原液の混合機22への移送が完了
した時点より約5秒後、弁20を開き混合液を金型2内
へと圧力差により移送した。金型2内への注入完了後、
10秒後に箱8内の減圧を解除し、窒素ガスを導入し、
常圧に戻し、注入完了から約5分程度経過した後、型か
ら取り出し、300mm×300mm×10mmの平板状成形
体を得た。
【0048】100ショットの成形でも、最初のショッ
トと同じ寸法精度の平板状成形体を得ることができた。
また、成形品の表面のボイドが少なくなり、成形品の体
積固有抵抗も安定し、反応射出成形品に特有の臭いも低
減できることが確認された。また1μmφ以上のボイド
の数は、反応射出成形品を幅30mm、縦300mmの
短冊状に切断し表面及び切断面を目視により観察したと
ころ、100個の成形品の平均が、3であった。また、
成形品の体積固有抵抗のばらつきは、1×1016〜5×
1016cmΩ(測定温度23°C)であった。体積固有
抵抗の測定は、ASTMD257により行った。
【0049】比較例1 減圧を行わないで、通常の反応射出成形機を用い、成形
を行った以外は、実施例と同様に成形を行った。最初の
内は問題なく、300mm×300mm×10mmの平板状成
形体を成形することができたが、射出注入時間を一定に
成形を繰り返して行くと、除々に成形体の高さが低くな
り、所定よりも射出注入量が減っていることが確認され
た。 100ショットを超えた時点で、成形機のポンプ
部分を解体して調べたところ、ポンプが摩耗しているこ
とが確認された。
【0050】また、1μmφ以上のボイドの数は、実施
例1同様に目視により観察したところ、100個の成形
品の平均が、52であった。また、成形品の体積固有抵
抗のばらつきは、3×1015〜8×1015cmΩ(測定
温度23°C)であった。
【0051】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明に係る
第1の反応射出成形方法では、減圧状態で、金型に反応
原液を注入し、注入後、減圧状態を一定時間維持する。
その状態で、金型内の反応原液に泡が出る。泡が出てい
る状態で、減圧状態を解除し、雰囲気圧力を常圧近くに
する。本発明者等の実験によれば、このようにして反応
射出成形を行うことで、成形品の表面のボイドが少なく
なり、成形品の電気的特性も安定し、反応射出成形品に
特有の臭いも低減できることが確認された。
【0052】本発明に係る金型装置を用いた第2の反応
射出成形方法では、混合機、金型あるいは金型を収容す
る箱を順次減圧状態にすることにより、または、弁を順
次開き、減圧状態にされた混合機、金型あるいは金型を
収容する箱を順次連通させることにより、ポンプを用い
ることなく、反応原液を、混合機、次いで金型のキャビ
ティ内部に順次移送することができる。
【0053】したがって、ポンプの摩耗の問題がなくな
り、常に一定量の反応原液を金型のキャビティ内へ移送
させることができ、反応射出成形の生産性が向上する。
また、ポンプのメンテナンスの必要もなくなるので、製
造コストも低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の1実施形態に係る金型装置の概
略図である。
【符号の説明】
2… 金型 8… 箱 12,20,30,32,40,44,48… 弁 22… 混合機 34,36… 原液タンク

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 減圧状態で、金型に反応原液を注入し、 注入後、減圧状態を一定時間維持し、 その後、常圧近くに戻すことを特徴とする反応射出成形
    方法。
  2. 【請求項2】 混合機、金型あるいは金型を収容する箱
    を減圧状態にすることにより、反応原液を、混合機、次
    いで金型のキャビティ内部に順次移送し、金型のキャビ
    ティ内で反応射出成形を行う反応射出成形方法。
  3. 【請求項3】 反応前の二種類以上の反応原液をそれぞ
    れ貯留する原液タンクと、 各原液タンクに弁を持つ配管を介して接続される混合機
    と、 前記混合機の内部を減圧状態にすることができる第1減
    圧手段と、 前記混合機に弁を持つ配管を介して接続されたキャビテ
    ィを有する金型と、 前記金型の内部または前記金型を収容する箱の内部を減
    圧状態にすることができる第2減圧手段と、 を有する金型装置。
JP11856696A 1996-05-14 1996-05-14 反応射出成形方法および金型装置 Pending JPH09300387A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002137233A (ja) * 2000-11-02 2002-05-14 Hitachi Chem Co Ltd メタセシス重合体の注入成形方法及び注入成形装置
JP2009078384A (ja) * 2007-09-25 2009-04-16 Mixter Kogyo Kk 注型装置
JP2010162798A (ja) * 2009-01-16 2010-07-29 Konica Minolta Opto Inc 射出成形装置及び方法

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