JP2010162798A - 射出成形装置及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】型開き時に真空破壊によって金型内にごみ等が入り込むことを抑制できる射出成形装置及び方法を提供すること。
【解決手段】本射出成形装置100では、気体導入路62や流路切換装置63で構成されるリーク装置によって型開き前に通気管47等である減圧路49内を雰囲気圧に戻すことができるので、成形金型40の型開き時に真空破壊が起こることを防止できる。これにより、型開きに際して成形金型40の周囲のごみが成形金型40内に入り込むことを抑制して型面41a,42a等の金型内面を清浄に保つことができ、成形金型40等のメンテナンスの頻度を少なくして成形品MPの歩留まり率を高めることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、光学素子等を射出成形するための射出成形装置及び方法に関し、特に減圧された金型内に樹脂を射出する射出成形装置及び方法に関する。
厚肉部を中空にした成形品のための射出成形装置として、固定金型と可動金型とを備え、可動金型のうち少なくとも成形品の厚肉部に対応する部分を通気性金型とし、通気性金型を真空ポンプ等からなる吸引装置に接続して、成形品の表層を通気性金型の成形面に吸引するものが存在する(特許文献1参照)。
特開平6−15680号公報
しかしながら、特許文献1のような射出成形装置では、型開き時も通気性金型や吸引管が減圧状態に維持され、型開き時に真空破壊が起こるので、金型周辺のごみ等を金型内に呼び込んでしまうおそれがある。
そこで、本発明は、型開き時に真空破壊によって金型内にごみ等が入り込むことを抑制できる射出成形装置及び方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る射出成形装置は、(a)第1金型と第2金型とを有し、第1金型と第2金型とを型閉じすることによって形成される成形空間に連通する減圧路を設けた成形金型と、(b)減圧路を介して成形空間内を減圧するための真空ポンプと、(c)減圧路内を雰囲気圧に戻すためのリーク装置とを備える。
上記射出成形装置では、真空ポンプが減圧路を介して成形空間内を減圧するので、減圧状態の成形空間中に樹脂を射出することができ、成形空間の内面である転写面を精密に転写した成形品を作製することができる。また、上記射出成形装置では、リーク装置によって型開き前に減圧路内を雰囲気圧に戻すことができるので、型開き時に真空破壊が起こることを防止できる。これにより、型開きに際して成形金型の周囲のごみが成形金型内に入り込むことを抑制して転写面等の金型内面を清浄に保つことができ、成形金型等のメンテナンスの頻度を少なくして成形品の歩留まり率を高めることができる。
本発明の具体的な態様又は観点では、上記射出成形装置において、リーク装置が、気体導入路と、気体導入路及び真空ポンプのいずれか一方に減圧路を選択的に連通させる流路切換装置とを有する。この場合、減圧路を介して成形空間内を減圧する動作と、減圧路内を雰囲気圧に戻す動作とを簡易に切り替えて行うことができる。
本発明の別の態様では、流路切換装置が、減圧路を気体導入路に接続する際に、真空ポンプに延びる真空排気管内を気密に保つ。この場合、真空ポンプに延びる真空排気管内を常に減圧状態に維持することができ、成形空間内の減圧を迅速で効率的なものとすることができる。
本発明のさらに別の態様では、気体導入路が、雰囲気の取り込み用の導入口と、導入口で雰囲気の取り込みによって発生する音を低減させる消音器と、取り込まれる雰囲気に付随するごみを除去するフィルタとを有する。この場合、消音器によって型開き時に発生する真空破壊音を低減して騒音の低減を図ることができ、フィルタによって気体導入路からのごみが金型内に入り込むことを防止できる。
また、上記課題を解決するため、本発明に係る射出成形方法は、(a)成形金型を構成する第1金型と第2金型とを型閉じすることによって、成形金型中に成形空間を形成する型閉じ工程と、(b)成形金型中に形成されて成形空間に連通する減圧路を介して、成形空間内を減圧する工程と、(c)成形空間内を減圧した状態で、成形金型の成形空間中に樹脂を射出して成形空間を充填する工程と、(d)成形空間中の樹脂を硬化させる工程と、(e)減圧路に気体を導入することによって減圧路内を雰囲気圧に戻す工程と、(f)減圧路を雰囲気圧に戻した状態で、第1金型と第2金型とを離間させることによって型開きを行う工程とを備える。
上記射出成形方法では、成形空間内を減圧した状態で、成形金型の成形空間中に樹脂を射出して成形空間を充填するので、成形空間の内面である転写面を精密に転写した成形品を作製することができる。また、上記射出成形方法では、減圧路に気体を導入することによって減圧路内を雰囲気圧に戻した状態で、両金型を離間させることによって型開きを行うので、型開き時に真空破壊が起こることを防止できる。これにより、型開きに際して成形金型の周囲のごみが金型内に入り込むことを抑制して転写面等の成形金型内面を清浄に保つことができ、成形金型等のメンテナンスの頻度を少なくして成形品の歩留まり率を上げることができる。
本発明の具体的な態様又は観点では、射出成形方法において、減圧路内を雰囲気圧に戻す工程は、型開きを開始する所定時間前に開始される。この場合、減圧路内を予め雰囲気圧に戻した状態で余裕をもって型開きを行うことができる。
本発明の別の態様では、減圧路内を雰囲気圧に戻す工程が、成形空間中に樹脂を充填して保圧を完了した後に開始される。この場合、成形品を充填する圧力を確保して形状転写を確実にしつつ、余裕をもって型開きを行うことができる。
本発明のさらに別の態様では、成形空間内を減圧するための真空ポンプと、減圧路内を雰囲気圧に戻すための気体導入路とのいずれか一方に減圧路を選択的に連通させる流路切換装置を用い、成形空間内を減圧する工程で、減圧路を真空ポンプに接続し、減圧路内を雰囲気圧に戻す工程で、減圧路を気体導入路に接続する。この場合、流路切換装置によって、減圧路を介して成形空間内を減圧する動作と、減圧路内を雰囲気圧に戻す動作とを簡易に切り替えて実行することが可能になる。
本発明のさらに別の態様では、成形空間内を減圧する工程が、第1金型と第2金型とが接触したタイミングで開始される。この場合、成形空間内の減圧を迅速化することができる。
以下、本発明の一実施形態である射出成形装置及び方法について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態の射出成形装置を説明する概念図である。この射出成形装置100は、成形品MPを射出成形するための本体部分である射出成形機10と、射出成形機10に設けた成形金型40等の温度を調節する温度調節装置18と、成形金型40等の型内圧力を調節する圧力調節装置19と、射出成形装置100の各部の動作状態を統括的に制御する制御装置30とを備える。
射出成形機10は、成形金型40と、固定盤11と、可動盤12と、型締め盤13と、開閉駆動装置15と、射出装置16とを備える。射出成形機10は、可動盤12と固定盤11との間に固定金型41と可動金型42とを挟持して両金型41,42を型締めすることにより成形を可能にする。ここで、射出成形機10は、型開き及び型閉じが横方向となっている。なお、射出成形機10は、縦方向に型開き及び型閉じするタイプの射出成形機とすることができる。
図2は、成形金型40の側断面構造等を説明する図である。図示のように、成形金型40は、第1金型である固定金型41と、第2金型である可動金型42とを備える。固定金型41と可動金型42とは、パーティングラインPLを境として開閉可能になっている。なお、例えば可動金型42の型面42a側の周囲には、溝42cが形成されており、この溝42cには、シール用のOリング43が埋め込まれている。固定金型41と可動金型42と近接させると、まず両金型41,42が接触した状態、すなわちOリング43が固定金型41の型面41aに当接した状態となる。固定金型41と可動金型42とさらに近接するように締め付けると、両金型41,42の型面41a,42a同士が必要な圧力で密着した型締め状態となる。
固定金型41と可動金型42とに対して上記のような型締めを行うことにより、レンズを成形するための複数の成形空間CVが形成されるとともに、各成形空間CVに樹脂を供給するための樹脂流通空間である流路部分FCが形成される。成形空間CVと流路部分FCとは、成形品MPに対応する樹脂充填用の空間となっている。このうち、成形空間CVは、図3(A)に示すように、一対の光学転写面S1,S2に挟まれた本体空間CV1と、一対の周縁転写面S3,S4に囲まれたフランジ空間CV2とを備える。また、流路部分FCは、図2に示すように、中央にスプル部分SPを有し、このスプル部分SPから分岐する複数のランナ部分RPを有し、分岐した各ランナ部分RPの先端部にゲート部分GPを有している。この流路部分FCは、ゲート部分GPを介して成形空間CVと連通する構造となっている。
両金型41,42に挟まれた空間である成形空間CVは、成形品MPの一部を構成する光学素子としてのレンズOL(図3(B)参照)の形状に対応するものとなっている。レンズOLは、プラスチック製で、光学的機能を有する光学的機能部としての中心部OLaと、中心部OLaから外径方向に延在する環状のフランジ部OLbとを備える。中心部OLaは、図3(A)の本体空間CV1の光学転写面S1,S2に対応する光学面OS1,OS2を有し、フランジ部OLbは、図3(A)のフランジ空間CV2の周縁転写面S3,S4に対応するフランジ面FL1,FL2を有する。このレンズOLは、例えば光ピックアップ装置用の対物レンズであり、偏肉比(光学素子の肉厚が急激に変化した状態)が高く、BD、DVD及びCDに対して互換可能で、BD用の波長の光束に対して例えばNA0.85以上を満たすレンズである。
図3(A)に示すように、可動金型42の型面42a上には、成形空間CVのフランジ空間CV2から外側に延びる浅い通気溝46が形成されており、この通気溝46は、両金型41,42が接触された状態で固定金型41内に延びる通気管47に接続される。通気管47の他端は、固定金型41の側面まで延びている。これら通気溝46及び通気管47は、成形空間CVに連通して成形空間CVや流路部分FC内の減圧すなわち排気を可能にする減圧路49を構成する。
図1に戻って、射出成形機10の固定盤11は、可動盤12に対向して支持フレーム14の中央に固定されている。この固定盤11は、固定金型41を着脱可能に支持している。なお、固定盤11は、タイバーを介して型締め盤13に固定されており、成形時の型締めの圧力に耐え得るようになっている。
可動盤12は、スライドガイド15aによって固定盤11に対して進退移動可能に支持されている。この可動盤12は、可動金型42を着脱可能に支持している。可動盤12には、エジェクタ装置50が組み込まれている。このエジェクタ装置50によりエジェクトピン55を動作させ、可動金型42内の成形品MPを対向する固定金型41側に押し出すことができ、不図示の取出し装置による成形品MPの把持及び搬出を可能にする。
型締め盤13は、両金型41,42を必要な圧で締め付ける型締めに際して、開閉駆動装置15の動力伝達部15dを介して可動盤12をその背後から支持する。
開閉駆動装置15は、スライドガイド15aと、動力伝達部15dと、アクチュエータ15eとを備える。スライドガイド15aは、可動盤12を支持するとともに可動盤12の固定盤11に対する進退方向に関する滑らかな往復移動を可能にしている。動力伝達部15dは、制御装置30の制御下で動作するアクチュエータ15eからの駆動力を受けて伸縮する。これにより、固定盤11に対して可動盤12が近接したり離間したり自在に進退移動し、結果的に、固定盤11と可動盤12とを互いに近接・離間させて固定金型41と可動金型42との型締め及び型開きを行う。
射出装置16は、シリンダ16a、原料貯留部16b、スクリュ16c、及び樹脂射出端16dを備える。射出装置16は、制御装置30の制御下で適当なタイミングで動作する部分であり、樹脂射出端16dから温度制御及び圧力制御された状態で溶融樹脂を吐出させることができる。射出装置16は、シリンダ16aの樹脂射出端16dを、固定盤11に設けた開口を介して固定金型41背面に開口するスプル部分SP(図2参照)に対して分離可能に接続することができる。つまり、射出装置16は、固定金型41と可動金型42とを型締めした状態で形成される成形空間CV(図2参照)に連通する流路部分FC(図2参照)に対して溶融樹脂を所望のタイミングで供給することができる。
温度調節装置18は、射出成形機10の金型41,42の温度を調節する部分である。温度調節装置18は、温調回路を有しており、固定金型41と可動金型42との温度調節が可能になっている。具体的には、例えば固定盤11と可動盤12とに設けた流体循環路に温度調節媒体を供給することにより、固定金型41と可動金型42とを必要な温度まで加熱し、或いは冷却する。なお、媒体を用いずにヒータ等を用いて温度調節をしてもよい。
圧力調節装置19は、固定金型41と可動金型42とを型締めした状態で形成される成形空間CV内の圧力を調整可能になっている。圧力調節装置19は、図2に示すように、真空ポンプ61と、気体導入路62と、流路切換装置63と、デジタル圧力スイッチ64と、制御圧供給部65と、圧力制御装置66とを備える。なお、気体導入路62と流路切換装置63とは、通気管47等である減圧路49内を適当なタイミングで雰囲気圧に戻すためのリーク装置を構成する。
圧力調節装置19において、真空ポンプ61は、例えばロータリーポンプ等で構成される減圧装置であり、これから延びる真空排気管61aは、他端側で流路切換装置63のポートに接続されている。真空排気管61aの経路上には、真空ポンプ61を保護するためのフィルタ61cが設けられている。また、真空排気管61aから分岐して真空ポンプ61による真空度監視用の真空計61cが接続されている。
気体導入路62は、流路切換装置63のポートに接続されている気体導入管62aと、気体導入管62aの導入口62bで雰囲気の取り込みによって発生する音を低減させる消音器62dと、導入口62bから取り込まれる雰囲気に付随するごみを除去するフィルタ62eとを備える。気体導入路62は、成形空間CV、通気溝46、通気管47等を雰囲気圧に戻すための気体を外部すなわち射出成形機10周辺の大気から取り込むための部分となっている。
流路切換装置63は、成形金型40の通気管47から延びる配管68を真空ポンプ61と気体導入路62とのいずれか一方に選択的に連通させるための電磁切換弁である。流路切換装置63は、切換弁本体63aとガス駆動部63bとを有しており、ガス駆動部63bに供給される外部パイロット圧の作用方向を電磁的に切り換えることにより、切換弁本体63aの機能すなわち回路接続状態を切換可能になっている。例えば、流路切換装置63が第1の回路接続状態にあるとき、成形金型40から延びる配管68と、真空ポンプ61から延びる真空排気管61aとが接続される。また、流路切換装置63が第2の回路接続状態にあるとき、成形金型40から延びる配管68と、気体導入路62の気体導入管62aとが接続される。なお、ガス駆動部63bは、駆動に際して使用した駆動ガスを気体排出管63cを介して外部に排気するが、この気体排出管63cの先端には、駆動ガスの排出によって発生する音を低減させる消音器63dが接続されている。
デジタル圧力スイッチ64は、図2に示す成形金型40の通気管47から延びる配管68内の圧力をモニタするセンサであり、配管68内の圧力を検出して出力を発生する。デジタル圧力スイッチ64の出力は、圧力制御装置66において監視されている。例えばデジタル圧力スイッチ64の出力に基づいて、図2に示す成形金型40の成形空間CV等が樹脂射出に適して十分に低圧になっているか否かが判断され、成形空間CV等が大気圧に復帰して成形金型40の型開き又は離型の準備が整っているか否かが判断される。
制御圧供給部65は、流路切換装置63のガス駆動部63bに供給すべき外部パイロット圧を発生する。
圧力制御装置66は、真空ポンプ61と流路切換装置63との動作を制御し、デジタル圧力スイッチ64の出力を監視している。これにより、必要なタイミングで、流路切換装置63を第1の回路接続状態として、成形金型40から延びる配管68を真空ポンプ61に接続する。また、必要なタイミングで、流路切換装置63を第2の回路接続状態として、成形金型40から延びる配管68を気体導入路62に接続する。
図1に戻って、制御装置30は、開閉制御部31と、射出装置制御部32と、エジェクタ制御部33とを備える。開閉制御部31は、アクチュエータ15eを動作させることによって両金型41,42の型締めや型開きを可能にする。射出装置制御部32は、スクリュ16c等を動作させることによって両金型41,42間に形成された成形空間CV中に所望の圧力で樹脂を注入させる。エジェクタ制御部33は、エジェクタ装置50を動作させることによって型開き時に可動金型42に残る成形品MPを可動金型42内から押し出させる。
図4は、図1に示す射出成形装置100の動作を概念的に説明するフローチャートである。
まず、射出成形装置100の温度調節装置18を動作させ、両金型41,42を成形に適する温度まで加熱する(ステップS10)。なおこの際、圧力調節装置19は、初期状態として、流路切換装置63を第2の回路接続状態に保持している。つまり、成形金型40から延びる減圧用の配管68が気体導入路62に接続されるとともに、真空ポンプ61から延びる真空排気管61aが気密に保たれる。これにより、成形金型40に形成された通気管47等を含む減圧路49を雰囲気圧すなわち大気に開放した状態とできる。また、真空排気管61aが減圧状態に維持され、以後において真空ポンプ61を利用して成形金型40の成形空間CV内を減圧する際に、その動作を迅速で効率的なものとできる。
次に、開閉駆動装置15を動作させ、可動盤12を前進させて型閉じを開始させる(ステップS11)。開閉駆動装置15の閉動作を継続することにより、固定金型41と可動金型42とが接触する型当たり位置まで可動盤12が固定盤11側に移動して型閉じが完了し、開閉駆動装置15の閉動作を更に継続することにより、固定金型41と可動金型42とを必要な圧力で締め付ける型締めが開始される(ステップS12)。
型当たり後型締め前のタイミングで圧力調節装置19の動作を開始させ、通気溝46及び通気管47で構成される減圧路49を介して成形金型40中の成形空間CV内を減圧する(ステップS13)。具体的には、圧力調節装置19の流路切換装置63を第2の回路接続状態から第1の回路接続状態に切り換えて、成形金型40から延びる配管68を真空ポンプ61に延びる真空排気管61aに接続し、減圧路49延いては成形空間CV及び流路部分FCを減圧状態とする。この際、成形空間CVの気圧は、例えば−0.05MPa以下に設定する。
次に、射出成形機10において、型締めの完了を待って射出装置16を動作させることにより、型締めされた固定金型41と可動金型42との間の成形空間CV中に、流路部分FCを介して加熱された溶融樹脂を必要な圧力で注入する(ステップS14)。これにより、型締めされた固定金型41と可動金型42との間の成形空間CV中に樹脂が射出され充填される充填工程が行われる。この充填工程に際して、射出成形機10は、成形空間CV中の樹脂圧を一定期間(例えば10秒)必要な高圧に保つ保圧を行う。なお、ステップS13で成形空間CVが予め減圧されるとともに、本ステップS14の充填工程の最終段階で保圧を行うので、偏肉比が高く、回折構造等を有するレンズOLであっても、その光学面の転写精度を高めることができる。
成形金型40は、温度調節装置18により、成形空間CVや流路部分FCが適度に加熱されており、射出装置16から供給される溶融樹脂が成形金型40内で緩やかに冷却され、かかる冷却にともなって成形空間CV等の内部に充填された溶融樹脂が固化し成形が完了するのを待つ(ステップS15)。
成形完了後、圧力調節装置19を動作させて、通気溝46及び通気管47で構成される減圧路49に外気を導入することによって、減圧路49内を雰囲気圧に戻す(ステップS16)。具体的には、圧力調節装置19の流路切換装置63を第1の回路接続状態から第2の回路接続状態に切り換えて、成形金型40から延びる配管68を気体導入路62に接続して、成形空間CVや減圧路49等を雰囲気圧すなわち大気に開放した状態とする。この際、真空ポンプ61から延びる真空排気管61aは気密に保たれる。
その後、開閉駆動装置15を動作させて、可動盤12を後退させる型開きが行われる(ステップS17)。これに伴って、可動金型42が後退し、固定金型41と可動金型42とが離間する。この結果、成形品MP、すなわちレンズOLは、可動金型42に保持された状態で固定金型41から離型される。型開きに際しては、減圧路49が雰囲気圧に戻っており、減圧路49内に外気が強く吸引される現象が生じない。
次に、射出成形機10において、エジェクタ装置50を動作させて、成形品MPの突き出しを行わせる(ステップS18)。具体的には、エジェクトピン55を対向する固定金型41側に前進させ、成形品MPを固定金型41側に押し出す。これにより、成形品MPは、可動金型42から離型される。
成形品MPを可動金型42から離型する際に、不図示の取出し装置を動作させて、突き出された成形品MPの適所を把持して外部に搬出する(ステップS19)。なお、レンズOLは、成形品MPから切り離されて完成品となる。
図5は、図4に示す動作の変形例を説明するフローチャートである。この場合、ステップS14の充填工程で保圧が完了するのを待って圧力調節装置19を動作させ、通気溝46及び通気管47で構成される減圧路49に外気を導入することによって、減圧路49内を雰囲気圧に戻す(ステップS116)。つまり、保圧の完了直後であって溶融樹脂が固化する前に、圧力調節装置19の流路切換装置63を第1の回路接続状態から第2の回路接続状態に切り換えて、成形金型40から延びる配管68を気体導入路62に接続することにより、減圧路49等を雰囲気圧すなわち大気に開放した状態とする。この場合、型開きの前に十分な余裕をもって減圧路49等を雰囲気圧まで昇圧することができ、ステップS17の型開きで昇圧を待つ時間を省略することができる。
以上の説明から明らかなように、本実施形態の射出成形装置100では、真空ポンプ61が減圧路49を介して成形空間CV内を減圧するので、減圧状態の成形空間CV中に樹脂を射出することができ、成形空間CVの内面である転写面(光学転写面S1,S2や周縁転写面S3,S4)を精密に転写した成形品MPすなわちレンズOLを作製することができる。また、本射出成形装置100では、気体導入路62や流路切換装置63で構成されるリーク装置によって型開き前に減圧路49内を雰囲気圧に戻すことができるので、成形金型40の型開き時に真空破壊が起こることを防止できる。これにより、型開きに際して成形金型40の周囲のごみが成形金型40内に入り込むことを抑制して型面41a,42a等の金型内面を清浄に保つことができ、成形金型40等のメンテナンスの頻度を少なくして成形品MPの歩留まり率を高めることができる。特に、成形金型40の光学転写面S1,S2にごみが付着した場合、光学性能に影響するにもかかわらずその除去が容易でないが、本実施形態の射出成形装置100では、このような問題が生じない。
以上実施形態に即して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、流路切換装置63は、パイロット圧を用いる電磁切換弁に限らず、他のタイプの電磁切換弁とすることができ、さらに電磁的に動作しない他の種類のバルブや弁からなるものとすることができる。
また、上記実施形態では、ステップS13で成形金型40の型当たりのタイミングで圧力調節装置19の動作を開始させ、減圧路49を介して成形空間CV内を減圧するが、この型当たりは、溝42cやOリング43といったシール手段を設けていない成形金型40の場合、型面41a,42a同士が接触するタイミングを意味することになる。
また、上記実施形態において、固定金型41及び可動金型42で構成される成形金型40等に設ける成形空間CVの形状は、図示のものに限らず、様々な形状とすることができる。すなわち、成形空間CVの形状は、単なる例示であり、レンズOLの用途等に応じて適宜変更することができる。
また、上記実施形態において、射出成形機10は、成形金型40等を開閉できるものであれば、例えば油圧式でも電動式でもよい。
また、上記実施形態において、レンズOLは、プラスチック製に限らず、同様の金型41,42等を組み込んだ射出成形装置100によってガラスレンズを製造することができる。
実施形態の射出成形装置を説明する正面図である。 成形金型の側断面構造や圧力調節装置を説明する図である。 (A)は、図2の成形金型の部分拡大断面図であり、(B)は、レンズの側断面図である。 図1の射出成形装置の動作を説明するフローチャートである。 図4の射出成形装置の動作の変形例を示すフローチャートである。
10…射出成形機、 15…開閉駆動装置、 15a…スライドガイド、 15e…アクチュエータ、 16…射出装置、 18…温度調節装置、 19…圧力調節装置、 30…制御装置、 31…開閉制御部、 32…射出装置制御部、 33…エジェクタ制御部、 40…成形金型、 41…固定金型 、42…可動金型 、41a,42a…型面 、46…通気溝 、47…通気管 、50…エジェクタ装置 、55…エジェクトピン 、61…真空ポンプ 、61a…真空排気管 、62…気体導入路 、62a…気体導入管 、62b…導入口 、62d…消音器 、62e…フィルタ 、63…流路切換装置 、63a…切換弁本体 、63b…ガス駆動部 、64…デジタル圧力スイッチ 、65…制御圧供給部 、66…圧力制御装置 、68…配管 、100…射出成形装置 、CV…成形空間 、FC…流路部分 、MP…成形品 、OL…レンズ 、S1,S2…光学転写面 、SP…スプル部分

Claims (9)

  1. 第1金型と第2金型とを有し、前記第1金型と前記第2金型とを型閉じすることによって形成される成形空間に連通する減圧路を設けた成形金型と、
    前記減圧路を介して前記成形空間内を減圧するための真空ポンプと、
    前記減圧路内を雰囲気圧に戻すためのリーク装置と
    を備えることを特徴とする射出成形装置。
  2. 前記リーク装置は、気体導入路と、前記気体導入路及び前記真空ポンプのいずれか一方に前記減圧路を選択的に連通させる流路切換装置とを有することを特徴とする請求項1に記載の射出成形装置。
  3. 前記流路切換装置は、前記減圧路を前記気体導入路に接続する際に、前記真空ポンプに延びる真空排気管内を気密に保つことを特徴とする請求項2に記載の射出成形方法。
  4. 前記気体導入路は、雰囲気の取り込み用の導入口と、前記導入口で雰囲気の取り込みによって発生する音を低減させる消音器と、取り込まれる雰囲気に付随するごみを除去するフィルタとを有することを特徴とする請求項2及び請求項3のいずれか一項に記載の射出成形方法。
  5. 成形金型を構成する第1金型と第2金型とを型閉じすることによって、前記成形金型中に成形空間を形成する型閉じ工程と、
    前記成形金型中に形成されて前記成形空間に連通する減圧路を介して、前記成形空間内を減圧する工程と、
    前記成形空間内を減圧した状態で、前記成形金型の前記成形空間中に樹脂を射出して前記成形空間を充填する工程と、
    前記成形空間中の樹脂を硬化させる工程と、
    前記減圧路に気体を導入することによって前記減圧路内を雰囲気圧に戻す工程と、
    前記減圧路を雰囲気圧に戻した状態で、前記第1金型と前記第2金型とを離間させることによって型開きを行う工程と、
    を備えることを特徴とする射出成形方法。
  6. 前記減圧路内を雰囲気圧に戻す工程は、型開きを開始する所定時間前に開始されることを特徴とする請求項5に記載の射出成形方法。
  7. 前記減圧路内を雰囲気圧に戻す工程は、前記成形空間中に樹脂を充填して保圧を完了した後に開始されることを特徴とする請求項6に記載の射出成形方法。
  8. 前記成形空間内を減圧するための真空ポンプと、前記減圧路内を雰囲気圧に戻すための気体導入路とのいずれか一方に前記減圧路を選択的に連通させる流路切換装置を用い、
    前記成形空間内を減圧する工程で、前記減圧路を前記真空ポンプに接続し、前記減圧路内を雰囲気圧に戻す工程で、前記減圧路を前記気体導入路に接続することを特徴とする請求項5から請求項7までのいずれか一項に記載の射出成形方法。
  9. 前記成形空間内を減圧する工程は、前記第1金型と前記第2金型とが接触したタイミングで開始されることを特徴とする請求項5から請求項8までのいずれか一項に記載の射出成形方法。
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