JP5206501B2 - 射出成形方法及び装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光学素子等を射出成形するための射出成形方法及び装置に関し、特に減圧された金型内に被射出溶融物を射出することによって成形を行う射出成形方法及び装置に関する。
公知の射出成形装置として、上型と下型とを型締めする型締め装置に、型締めシリンダと、型締め位置検出装置と、連通切換弁とを設けたものが存在する(特許文献1)。この装置では、連通切換弁が、位置検出装置の信号により、上型及び下型の間に形成されるキャビティと、型締めシリンダに連結されて駆動されるタンク状の真空装置とを連通させることによって、樹脂注入の際にキャビティを減圧する。
射出成形装置用の金型として、注湯口の反対側に設けたガス抜き路に介挿された開閉弁を開放した状態で、注湯口を介してキャビティ内に被射出溶融物を注入するとともにプランジャで押し出すものが存在する(特許文献2)。この装置では、プランジャで注湯口が閉塞された後所定時間経過後に、ガス抜き路を開放状態から真空引きに切り換え、その後キャビティの充填が完了した段階で、開閉弁を閉止して真空引きを停止させるとともにガス抜き路を遮断する。
射出成形装置用の別の金型として、キャビティの近傍にバキュームタンクを設け、バキュームバルブの開閉制御によってキャビティ内の空気を吸引排気するものが存在する(特許文献3)。この装置では、射出前にバキュームバルブをオンにしてキャビティとバキュームタンクとを連通させ、射出完了後保圧の前にバキュームバルブをオフにして排気流路を遮断する。
特開昭62−50105号公報 特開平4−123858号公報 特開2002−166448号公報
しかし、上記特許文献1〜3の装置では、キャビティ内の減圧のため真空タンクを用いており、真空タンクの真空度の調整は容易であっても、樹脂注入の前のキャビティ内の真空度を精密に管理することは容易でない。また、減圧用の真空タンクはある程度の容積を必要とし、装置が大型化する。
なお、真空タンクを用いないで、真空ポンプによって樹脂注入の前にキャビティを直接減圧することも考えられるが、以下のような問題が生じる。すなわち、キャビティ減圧のための排気流量が大きいと、キャビティ内の真空度が高まることから、溶融樹脂に溶け込んでいるガスが微量であるが分離してキャビティ内の深い窪み部分に溜まる傾向が生じると考えられる。例えば、光学部品のように表面形状の要求精度が高い場合、上記のような残留ガスによって波模様状の外観不良(以下フローマーク)が発生し、成形品の性能が劣化する場合があることを、本発明者は実験的に確認した。一方、キャビティ減圧のための排気流量が小さいと、キャビティ内の真空度をガスの発生を抑制できる程度に低くできると考えられるが、目標の真空度に達する時間も長くなって、成形のサイクルタイムが増大してしまう。
そこで、本発明は、残留ガスによって成形品の性能が劣化することを防止しつつ、成形のサイクルタイムを維持又は短縮できる射出成形方法及び装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る射出成形方法は、(a)成形金型を構成する第1金型と第2金型とを型閉じすることによって、成形金型中に成形空間を形成する型閉じ工程と、(b)成形金型中に形成されて成形空間に連通する減圧路を介して成形空間内から排気することによって成形空間内を所定の真空度にする減圧工程と、(c)減圧動作の抑制又は停止によって、成形空間内を所定の真空度よりも低下させる緩和工程と、(d)緩和工程によって成形空間の真空度の低下を許容した状態で、成形金型の成形空間中に被射出溶融物を射出して成形空間を充填する射出工程とを備える。
上記射出成形方法では、成形空間内を減圧工程によって達成された所定の真空度よりも低下させる緩和工程によって成形空間内を比較的低い真空度にした状態で、成形金型の成形空間中に被射出溶融物を射出して成形空間を充填するので、成形空間の迅速な減圧に適する真空引きの流量に対応する高い真空度の状態と、被射出溶融物によって成形空間を充填する際の低い真空度の状態とを使い分けることができる。これにより、成形空間を迅速に減圧できるとともに、必要以上に高い真空度によって被射出溶融物に溶け込んでいるガスが被射出溶融物から分離することを防止できる。このように、成形空間を迅速に減圧することで、射出成形のサイクルタイムを短縮できる。また、被射出溶融物に溶け込んでいるガスが被射出溶融物から分離することを防止することにより、このようなガスが成形空間と被射出溶融物との間に閉じ込められることを防止でき、成形品の表面にフローマーク(波模様の外観不良)等が形成されることを防止できる。
本発明の具体的な態様又は観点では、上記射出成形方法において、減圧工程で、成形空間に連通する減圧路に対して第1の流量で真空引きを行い、緩和工程で、減圧路に対して第1の流量よりも小さな第2の流量で真空引きを行うことと、減圧路に対する真空引きを中止することとのいずれか一方によって、成形空間の真空度の低下を許容する。この場合、真空引きする際の流量の減少や中止といった流量の調整により、被射出溶融物によって成形空間を充填する際の真空度を簡易に適切な範囲に設定することができる。
本発明の別の態様では、減圧工程で減圧路に連結する流路と、緩和工程で減圧路に連結する流路とを、流路切換装置を利用して所定のタイミングで切り換える。この場合、切り替えのタイミングの調整が簡易で確実なものとなる。
本発明のさらに別の態様では、成形金型を動作させる成形機本体が発生するタイミング信号に基づいて、減圧工程から緩和工程への切り換えを行う。この場合、成形機本体が行う型開閉等に際しての動作信号を利用して、型閉じや型締め等のタイミングに対して精密な同期をとることができる。
本発明のさらに別の態様では、成形空間中の被射出溶融物を冷却する工程と、減圧路を雰囲気圧に戻した状態で第1金型と第2金型とを離間させることによって型開きを行う工程と、をさらに備える。この場合、型開き時に真空破壊が起こることを防止きる。これにより、型開きに際して成形金型の周囲のごみが金型内入り込むことを抑制して転写面等の成形金型内面を清浄に保つことができる。
本発明のさらに別の態様では、成形空間は、周辺部よりも中央部で大きな厚みを有し、周辺部の所定位置に設けられた導入口を介して成形空間中に被射出溶融物を射出する。この場合、中央部に対応する金型の転写面において空気が溜まりやすくなるが、上記のように、緩和工程によって適度な真空度になった状態で被射出溶融物を射出させることができるので、被射出溶融物のから脱離ガスの発生が低減され、フローマークの形成を抑制することができる。
本発明のさらに別の態様では、成形空間中の被射出溶融物を冷却により硬化させることによって光学素子を形成する。この場合、成形品たる光学素子の光機能面等を含む表面を脱離ガスによるフローマークのない高精度の状態に加工することができる。
本発明に係る射出成形装置は、(a)第1金型と第2金型とを有し、第1金型と第2金型とを型閉じすることによって形成される成形空間に連通する減圧路を設けた成形金型と、(b)減圧路を介して成形空間内を減圧するための真空ポンプと、(c)成形空間内を減圧することによって所定の真空度にする第1流路と、減圧動作の抑制又は停止によって、成形空間内を所定の真空度よりも低下させる第2流路とを切り換えて減圧路に選択的に連通させる流路切換装置と、(c)流路切換装置によって第1流路を減圧路に選択的に連通させた状態から第1流路を減圧路に選択的に連通させた状態に切り換えた後に、射出装置から成形空間中に被射出溶融物を射出させる制御装置とを備える。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の一実施形態である射出成形方法及び装置について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態の方法を実施するための射出成形装置を説明する概念図である。この射出成形装置100は、成形品MPを射出成形するための機械的機構である射出成形機10と、射出成形機10に設けた成形金型40等の温度を調節する温度調節装置18と、成形金型40等の型内圧力を調節する圧力調節装置19と、射出成形装置100の各部の動作状態を統括的に制御する制御装置30とを備える。なお、制御装置30は、射出成形機10とともに射出成形の基本的な動作を行う成形機本体を構成する。
射出成形機10は、成形金型40と、固定盤11と、可動盤12と、型締め盤13と、開閉駆動装置15と、射出装置16とを備える。射出成形機10は、可動盤12と固定盤11との間に固定金型41と可動金型42とを挟持して両金型41,42を型締めすることにより成形を可能にする。ここで、射出成形機10は、型開き及び型閉じが横方向となっている。なお、射出成形機10は、横方向に型開き及び型閉じするタイプに限らず、縦方向に型開き及び型閉じするタイプの射出成形機とすることができる。
図2は、成形金型40の側断面構造等を説明する図である。図示のように、成形金型40は、第1金型である固定金型41と、第2金型である可動金型42とを備える。固定金型41と可動金型42とは、パーティングラインPLを境として開閉可能になっている。なお、例えば可動金型42の型面42a側の周囲には、溝42cが形成されており、この溝42cには、シール用のOリング43が埋め込まれている。固定金型41と可動金型42とを近接させると、まず両金型41,42が接触した状態、すなわちOリング43が固定金型41の型面41aに当接した初期シール状態(型当たり状態)となる。固定金型41と可動金型42とをさらに近接するように締め付けると、両金型41,42の型面41a,42a同士が必要な圧力で密着した型締め状態となる。
固定金型41と可動金型42とに対して上記のような型締めを行うことにより、レンズを成形するための複数の成形空間CVが形成されるとともに、各成形空間CVに溶融樹脂を供給するための樹脂流通空間として流路部分FCが形成される。成形空間CVと流路部分FCとは、成形品MPに対応する樹脂充填用の空間となっている。このうち、成形空間CVは、図3(A)に示すように、一対の光学転写面S1,S2に挟まれた本体空間CV1と、一対の周縁転写面S3,S4に囲まれたフランジ空間CV2とを備える。この場合、成形空間CVは、凸レンズの外面形状に対応する内面形状を有しており、中央部である本体空間CV1の厚みが周辺部であるフランジ空間CV2の厚みよりも大きくなっている。また、流路部分FCは、図2に示すように、中央にスプル部分SPを有し、このスプル部分SPから分岐する複数のランナ部分RPを有し、分岐した各ランナ部分RPの先端部にゲート部分GPを有している。この流路部分FCは、ゲート部分GPを介して成形空間CVと連通する構造となっている。なお、ゲート部分GPは、成形空間CVのうちフランジ空間CV2の側面部分に連結されている。つまり、成形空間CVとゲート部分GPとの境界は、流路部分FCを通過した溶融樹脂を中央が特に厚いディスク状の成形空間CV内に側面方向から射出させるための導入口ILとなっている。
両金型41,42に挟まれた空間である成形空間CVは、成形品MPの一部を構成する光学素子としてのレンズLE(図3(B)参照)の形状に対応するものとなっている。レンズLEは、プラスチック製で、光学的機能を有する光学的機能部としての中心部OLaと、中心部OLaから外径方向に延在する環状のフランジ部OLbとを備える。中心部OLaは、図3(A)の本体空間CV1に対応し、フランジ部OLbは、図3(A)のフランジ空間CV2に対応する。このレンズLEは、例えば携帯端末機器内蔵用の撮像レンズ、光ピックアップ装置用の対物レンズであり、図示の例では、偏肉比(光学素子の肉厚が急激に変化した状態)が高くなっている。このように、中心部OLaの周辺での傾き角αが50°かそれ以上となっている場合、成形空間CVにおいて対応する本体空間CV1の見込み角βも50°かそれ以上となり、本体空間CV1の頂点あたりにガスが溜まって閉じこめられやすくなる。このようなガスの除去については後述する。
図3(A)に示すように、可動金型42の型面42a上には、成形空間CVのフランジ空間CV2から外側に延びる浅い通気溝46が形成されており、この通気溝46は、両金型41,42が接触した状態で固定金型41内に延びる通気管47に接続される。通気管47の他端は、固定金型41の側面まで延びている。これら通気溝46及び通気管47は、成形空間CVに連通して成形空間CVや流路部分FC内の減圧すなわち排気を可能にする減圧路49を構成する。なお、通気管47と成形空間CVとの境界である排気口OLは、フランジ空間CV2の側面部分のうち中央の本体空間CV1を挟んで導入口ILに対向する位置に設けられている。つまり、真空排気用の排気口OLと樹脂注入用の導入口ILとは、成形空間CVの排気の確実性等を考慮して、成形空間CVを挟んで最も離れた位置に配置されている。
図1に戻って、射出成形機10の固定盤11は、可動盤12に対向して支持フレーム14の中央に固定されている。この固定盤11は、固定金型41を着脱可能に支持している。なお、固定盤11は、タイバーを介して型締め盤13に固定されており、成形時の型締めの圧力に耐え得るようになっている。
可動盤12は、スライドガイド15aによって固定盤11に対して進退移動可能に支持されている。この可動盤12は、可動金型42を着脱可能に支持している。可動盤12には、エジェクタ装置50が組み込まれている。このエジェクタ装置50によりエジェクトピン55を動作させ、可動金型42内の成形品MPを対向する固定金型41側に押し出すことができ、不図示の取出し装置による成形品MPの把持及び搬出を可能にする。
型締め盤13は、両金型41,42を必要な圧で締め付ける型締めに際して、開閉駆動装置15の動力伝達部15dを介して可動盤12をその背後から支持する。
開閉駆動装置15は、スライドガイド15aと、動力伝達部15dと、アクチュエータ15eとを備える。スライドガイド15aは、可動盤12を支持するとともに可動盤12の固定盤11に対する進退方向に関する滑らかな往復移動を可能にしている。動力伝達部15dは、制御装置30の制御下で動作するアクチュエータ15eからの駆動力を受けて伸縮する。これにより、固定盤11に対して可動盤12が近接したり離間したり自在に進退移動し、結果的に、固定盤11と可動盤12とを互いに近接・離間させて固定金型41と可動金型42との型締め及び型開きを行う。
射出装置16は、シリンダ16a、原料貯留部16b、スクリュ16c、及び樹脂射出端16dを備える。射出装置16は、制御装置30の制御下で適当なタイミングで動作する部分であり、樹脂射出端16dから温度制御及び圧力制御された状態で溶融樹脂を吐出させることができる。射出装置16は、シリンダ16aの樹脂射出端16dを、固定盤11に設けた開口を介して固定金型41背面に開口するスプル部分SP(図2参照)に対して分離可能に接続することができる。つまり、射出装置16は、固定金型41と可動金型42とを型締めした状態で形成される成形空間CV(図2参照)に連通する流路部分FC(図2参照)に対して、被射出溶融物としての溶融樹脂を所望のタイミングで供給することができる。
温度調節装置18は、射出成形機10の金型41,42の温度を調節する部分である。温度調節装置18は、温調回路を有しており、固定金型41と可動金型42との温度調節が可能になっている。具体的には、例えば固定盤11と可動盤12とに設けた流体循環路に温度調節媒体を供給することにより、固定金型41と可動金型42とを必要な温度まで加熱し、或いは冷却する。なお、媒体を用いずにヒータ等を用いて温度調節をしてもよい。
圧力調節装置19は、固定金型41と可動金型42とを型締めした状態で形成される成形空間CV内の圧力を調整可能になっている。圧力調節装置19は、図2に詳細な構造を示すように、分岐部61と、第1流路切換装置62と、第2流路切換装置63と、真空ポンプ64と、制御圧供給部65と、デジタル圧力スイッチ71と、流量計72と、真空計73と、圧力制御装置79とを備える。圧力調節装置19によって成形金型40内の成形空間CVを減圧する際には、配管81aと、分岐部61と、第1流路切換装置62と、配管81bと、第2流路切換装置63と、配管81cと、真空ポンプ64とを順につないだ流路が形成される。また、成形金型40内の成形空間CVの減圧状態を緩和する際には、第1流路切換装置62の状態を変更することにより、分岐部61内の流路を切り換えて真空引きを抑制又は停止する。また、成形金型40内の成形空間CVを大気に開放する際には、第2流路切換装置63の状態を変更することにより、配管81aと、分岐部61と、第1流路切換装置62と、配管81bと、第2流路切換装置63と、空気導入部82とを順につないだ流路が形成される。なお、デジタル圧力スイッチ71は、成形金型40と分岐部61との間の配管81aに接続されており、流量計72は、第1流路切換装置62と第2流路切換装置63との間の配管81b上に組み込まれており、真空計73は、第2流路切換装置63と真空ポンプ64との間の配管81cに接続されている。
分岐部61は、配管81aから2分岐しており、第1流路に対応する第1チューブ61aと、第2流路に対応する第2チューブ61bとを備える。第1チューブ61aは、分岐点61cと第1流路切換装置62の第1の切換ポート62aとを接続するように設けられ、第2チューブ61bは、分岐点61cと第1流路切換装置62の第2の切換ポート62bとを接続するように設けられている。このうち、第2流路としての第2チューブ61b上には、流量調整バルブ61dが介挿されており、圧力制御装置79からの制御によって、第2チューブ61bの流量を所望の程度に制限することができるようになっている。具体的に説明すると、例えば流量調整バルブ61dを開放すると、第2チューブ61b内の空気の流量を第1チューブ61aを利用する場合に第1チューブ61aによって達成される標準的な第1の流量に等しくすることができる。また、流量調整バルブ61dを部分的に開放すると、第2チューブ61b内の空気の流量を第1チューブ61aの標準的な第1の流量よりも少ない所望の流量(第2の流量)に設定することができる。さらに、流量調整バルブ61dを部分的に閉止すると、第2チューブ61b内の空気の流れを遮断することができる。
第1流路切換装置62は、第1チューブ61aと第2チューブ61bとのいずれか一方を、第3流路切換装置63から延びる配管81bに対して選択的に連通させるための電磁切換弁である。第1流路切換装置62は、切換弁本体62dとガス駆動部62eとを有しており、ガス駆動部62eに供給される外部パイロット圧の作用方向を電磁的に切り換えることにより、切換弁本体62dの機能すなわち回路接続状態を切換可能になっている。例えば、第1流路切換装置62が第1の回路接続状態にあるとき、流量を相対的に多くできる第1チューブ61aと、第2流路切換装置63から延び真空ポンプ64に接続可能な配管81bとが接続される。また、第1流路切換装置62が第2の回路接続状態にあるとき、流量を相対的に少なくできる第2チューブ61bと、第2流路切換装置63から延びる配管81bとが接続される。なお、第1流路切換装置62において、基本ポート62cは配管81bに接続されている。
第2流路切換装置63は、第1流路切換装置62から延びる配管81bを、真空ポンプ64から延びる配管81cと、大気開放用の空気導入部82とのいずれか一方に選択的に連通させるための電磁切換弁である。第2流路切換装置63は、切換弁本体63dとガス駆動部63eとを有しており、ガス駆動部63eに供給される外部パイロット圧の作用方向を電磁的に切り換えることにより、切換弁本体63dの機能すなわち回路接続状態を切換可能になっている。例えば、第2流路切換装置63が第1の回路接続状態にあるとき、第1流路切換装置62を介して成形金型40につながる配管81bと、真空ポンプ64から延びる配管81cとが接続される。また、第2流路切換装置63が第2の回路接続状態にあるとき、第1流路切換装置62から延びる配管81bと、消音器を備える空気導入部82とが接続される。なお、第2流路切換装置63において、基本ポート63aは配管81bに接続されている。また、第2流路切換装置63の第1の切換ポート63bは配管81cに接続され、第2流路切換装置63の第2の切換ポート63cは空気導入部82に接続されている。
真空ポンプ64は、例えばロータリーポンプ等で構成される減圧装置であり、これから延びる配管81c上には、真空ポンプ64を保護するためのフィルタ64bが設けられている。
制御圧供給部65は、第1流路切換装置62のガス駆動部62eと、第2流路切換装置63のガス駆動部63eとに供給すべき外部パイロット圧を発生する。
デジタル圧力スイッチ71は、成形金型40の減圧路49から延びる配管81a内の圧力を計測するセンサであり、配管81a内の圧力(型締め時には成形空間CV内の圧力)に応じた出力を発生する。デジタル圧力スイッチ71の出力は、圧力制御装置79において監視されている。例えばデジタル圧力スイッチ71の出力に基づいて、成形金型40の成形空間CV等が溶融樹脂射出の前段階として十分に低圧になっているか否かが判断され、成形空間CV等が大気圧に復帰して成形金型40の型開き又は離型の準備が整っているか否かが判断される。
流量計72は、第1流路切換装置62と第2流路切換装置63とを接続する配管81a内の気体の流量を計測するセンサであり、配管81a内の気体流量に応じた出力を発生する。流量計72の出力は、圧力制御装置79において監視されており、第1流路切換装置62による分岐部61内の流路の切り換え動作を監視する際に利用される。また、流量計72の出力は、圧力制御装置79において、分岐部61に設けた流量調整バルブ61dの開放度を調整するためのフィードバック信号としても利用することができる。
真空計73は、真空ポンプ64から延びる配管81c内の真空度を計測するセンサであり、配管81c内の真空度に応じた出力を発生する。真空計73の出力は、圧力制御装置79において監視されており、真空ポンプ64の動作を監視する際に利用される。
圧力制御装置79は、第1流路切換装置62と、第2流路切換装置63と、真空ポンプ64との動作を制御し、デジタル圧力スイッチ71と、流量計72と、真空計73との出力を監視している。これにより、必要なタイミングで、制御圧供給部65を介して第2流路切換装置63の状態を切り換える。具体的には、第2流路切換装置63を第2の回路接続状態から第1の回路接続状態に切り換えることで、成形金型40から延びる配管81aを真空ポンプ64に接続して成形金型40内を真空排気状態とすることができる。これにより、成形金型40内の成形空間CVの減圧を開始することができる。また、第2流路切換装置63を第1の回路接続状態から第2の回路接続状態に切り換えることで、成形金型40から延びる配管81aを空気導入部82に接続して大気開放状態とすることができる。これにより、成形金型40の型開きを簡易に開始することができる。一方、第2流路切換装置63が第1の回路接続状態にある場合において、第1流路切換装置62を第1の回路接続状態に設定することで第1チューブ61aが選択され、標準的な第1の流量で成形金型40内の減圧路49ひいては成形空間CVが減圧される。また、第2流路切換装置63が第1の回路接続状態にある場合において、第1流路切換装置62を第2の回路接続状態に設定することで第2チューブ61bが選択され、標準的な第1の流量よりも少ない第2の流量で成形金型40内の減圧路49ひいては成形空間CVが減圧され、減圧の動作が抑制される。この場合、成形空間CVの真空度が徐々に上昇する。なお、第1流路切換装置62を第2の回路接続状態に設定して第2チューブ61bを選択した場合、成形金型40内の減圧路49ひいては成形空間CVが外部から切り離され、減圧の動作が停止される。この場合も、リークや溶融樹脂からのガスによって成形空間CVの真空度がわずかながら徐々に上昇する。
なお、圧力制御装置79は、第1流路切換装置62や第2流路切換装置63の動作タイミングを制御するため、タイマーを内蔵しており、このタイマーは、制御装置30に内蔵されたタイマーと一致するように時刻の調整がなされている。このようなタイマーは、後述する制御装置30から出力されたタイミング信号との同期をとるためのシンクロナイザに置き換えることができる。
図1に戻って、制御装置30は、開閉制御部31と、射出装置制御部32と、エジェクタ制御部33とを備える。開閉制御部31は、アクチュエータ15eを動作させることによって両金型41,42の型締めや型開きを可能にする。射出装置制御部32は、スクリュ16c等を動作させることによって両金型41,42間に形成された成形空間CV中に所望の圧力で溶融樹脂を注入させる。エジェクタ制御部33は、エジェクタ装置50を動作させることによって型開き時に可動金型42に残る成形品MPを可動金型42内から押し出させる。なお、制御装置30は、開閉駆動装置15、射出装置16、温度調節装置18、圧力調節装置19等に対して、動作を指示するコマンド信号やタイミング信号を出力する。
以下、図4のフローチャート等を参照して、図1及び図2に示す射出成形装置100の動作について説明する。なお、図5は、射出成形装置100の動作を圧力調節装置19の動作に関連して補助的に説明するタイミングチャートである。
まず、射出成形装置100の温度調節装置18を制御装置30の制御下で動作させ、両金型41,42を成形に適する温度まで加熱する(ステップS10)。この際、圧力調節装置19は、制御装置30によって初期状態とされ、第1流路切換装置62を第1の回路接続状態に保持し、第2流路切換装置63を第2の回路接続状態に保持している。つまり、成形金型40から延びる減圧用の配管81aが第1及び第2流路切換装置62,63を介して空気導入部82に接続されるとともに、真空ポンプ64から延びる配管81cが気密に保たれる。これにより、成形金型40に形成された減圧路49等を雰囲気圧すなわち大気に開放した状態とできる。
次に、制御装置30の制御下で開閉駆動装置15を動作させ、可動盤12を前進させて型閉じを開始させる(ステップS11)。図5では、この型閉じの開始タイミングをT0としている。型閉じ工程から型締動作開始する直前に、制御装置30の制御下で圧力調節装置19が急速排気状態に切り換えられて、第1流路切換装置62を第1の回路接続状態に維持したままで、第2流路切換装置63を第1の回路接続状態に切り換える(ステップS12)。つまり、第1流路切換装置62によって第1チューブ61aが流路として選択された状態で、真空ポンプ64によって比較的大きな第1の流量(例えば10L/min)で排気が行われる。図5では、この急速排気の開始タイミングをT1としている。
これと並行して、型閉じ動作すなわち開閉駆動装置15の閉動作を継続させることにより、固定金型41と可動金型42とが接触する型当たり位置まで可動盤12が固定盤11側に移動して型閉じが完了し、開閉駆動装置15の閉動作を更に継続することにより、固定金型41と可動金型42とを必要な圧力で締め付ける型締めが開始される(ステップS13)。図5では、この型締め開始のタイミングをT2としている。この際、型締めされた固定金型41と可動金型42との間に成形空間CVが形成され、上述した比較的大きな第1の流量(例えば10L/min)で、成形空間CVから配管81aを介して排気が行われる。つまり、成形空間CV内を目標値まで急速に減圧する減圧工程を実行することができる。なお、上記のような減圧工程又は減圧動作によって達成される成形空間CV内の真空度P1は、大気開放状態を0MPaとして例えば0.1MPa程度となる。
次に、制御装置30の制御下で圧力調節装置19が減圧緩和状態に切り換えられて、第2流路切換装置63を第1の回路接続状態に維持したままで、第1流路切換装置62を第2の回路接続状態に切り換える(ステップS14)。つまり、第1流路切換装置62によって第2チューブ61bが流路として選択され、比較的小さな第2の流量(例えば0より大きく1.0L/min以下)で成形空間CVから配管81aを介して排気が行われる。これにより、成形空間CVの減圧が緩和され、成形空間CV内の真空度をステップS12の減圧動作に比較して緩やかであるが比較的迅速に降下させることができる。なお、このような成形空間CVの減圧抑制を緩和動作と呼ぶものとする。図5では、この緩和動作の開始タイミングをT3としている。以上のように、急速排気状態から減圧緩和状態に切り換える緩和工程を設けることにより、成形空間CVを迅速に目標の真空度に変化させることができるだけでなく、成形空間CV内の真空度が過度に高くなることを防止して溶融樹脂の充填に適した圧力環境を実現できる。なお、成形空間CV内の真空度が過度に高くなると、後述するように、成形空間CVに射出された溶融樹脂に溶け込んでいるガスが溶融樹脂から分離しやすくなって問題が生じる。
次に、射出成形機10において、型締めの完了を待って射出装置16を動作させることにより、型締めされた固定金型41と可動金型42との間の成形空間CV中に、流路部分FCを介して加熱された溶融樹脂を必要な圧力で射出させる(ステップS15)。図5では、この射出工程の開始タイミングをT4としている。この際、ステップS13で開始した減圧の緩和動作によって、成形空間CV内の真空度が目標値まで降下している。この目標値の真空度P2は、例えば0.04MPa程度かそれ以上とする。このように、成形空間CV内を適度な真空度P2に保つことにより、溶融樹脂から分離した脱離ガスが成形空間CVと溶融樹脂との間に閉じ込められることを防止できる。溶融樹脂の射出を継続することにより、型締めされた固定金型41と可動金型42との間の成形空間CV中に溶融樹脂が充填される充填工程すなわち射出工程が行われる。なお、この成形空間CVを充填する射出工程を完了した後、射出成形機10は、成形空間CV中の溶融樹脂圧を一定期間(例えば10秒)必要な高圧に保つ保圧を行う。
以上の射出工程において、成形空間CV内の真空度がP2以下に保たれるので、溶融樹脂から分離した脱離ガスが成形空間CVと溶融樹脂との間に閉じ込められることを防止でき、硬化後の成形品の表面にフローマークが形成されることを防止できる。つまり、偏肉比が高く、回折構造等を有するレンズLEであっても、面転写不良を防止して、その光学面の転写精度を高めることができる。
成形金型40については、温度調節装置18により、成形空間CVや流路部分FCが適度に加熱されており、射出装置16から供給されて成形空間CV等に充填された溶融樹脂は、成形金型40内で緩やかに冷却され、かかる冷却にともなって徐々に硬化する(ステップS16)。
溶融樹脂が成形金型40内で硬化する前であって、溶融樹脂が成形金型40内である程度冷却された段階において、制御装置30の制御下で圧力調節装置19が大気開放準備状態に切り換えられる。つまり、第1流路切換装置62を第2の回路接続状態から第1の回路接続状態に切り換えて通常の状態に戻す。図5では、この大気開放準備の開始タイミングをT5としている。
その後、溶融樹脂が成形金型40内で十分に冷却された段階において、制御装置30の制御下で圧力調節装置19が大気開放状態に切り換えられる(ステップS17)。つまり、第2流路切換装置63を第1の回路接続状態から第2の回路接続状態に切り換えて、成形金型40から延びる配管81aを気体導入路82に接続し、成形空間CVや減圧路49等を雰囲気圧すなわち大気に開放した状態とする。
次に、開閉駆動装置15を動作させて、可動盤12を後退させる型開きが行われる(ステップS18)。これに伴って、可動金型42が後退し、固定金型41と可動金型42とが離間する。この結果、成形品MP、すなわちレンズLEは、可動金型42に保持された状態で固定金型41から離型される。図5では、この型開き動作の開始タイミングをT7としている。型開きに際しては、減圧路49が雰囲気圧に戻っており、減圧路49内に外気が強く吸引される現象が生じない。
次に、射出成形機10において、エジェクタ装置50を動作させて、成形品MPの突き出しを行わせる(ステップS19)。具体的には、エジェクトピン55を対向する固定金型41側に前進させ、成形品MPを固定金型41側に押し出す。これにより、成形品MPは、可動金型42から離型される。
成形品MPを可動金型42から離型する際に、不図示の取出し装置を動作させて、突き出された成形品MPの適所を把持して外部に搬出する(ステップS20)。なお、レンズLEは、成形品MPから切り離されて完成品となる。
以後は、ステップS11に戻って以上で説明した処理が繰り返され、成形品MPの連続的な生産が可能になる。このような連続生産の周期を、サイクルタイムTとして図5のチャートに示した。
なお、以上の射出成形において、真空度P1,P2の値は例示であり、成形空間CVの個数、サイズ及び形状、成形の材料である溶融樹脂の種類、成形の温度や湿度、配管系の容量等に応じて適宜調整することができる。
また、減圧動作開始のタイミングT1、減圧緩和動作の開始タイミングT3、溶融樹脂射出のタイミングT4等は、成形空間CVのサイズ、真空ポンプ64の性能、配管系の容量等に依存するものであり、デジタル圧力スイッチ71、流量計72等の出力を利用して適宜ずらすように調整することができる。
また、ステップS16中で行われる大気開放準備、ステップS17で行われる大気開放等の工程は、必須のものではない。つまり、型開きのために流路切換装置62,63の状態を切り換える必要はない。
以上説明した本実施形態の射出成形方法によれば、成形空間CV内を減圧工程(ステップS13)によって達成された真空度P1よりも低下させる緩和工程(ステップS14)によって成形空間CV内を比較的低い真空度P2にした状態で、成形金型40の成形空間CV中に溶融樹脂を射出して成形空間CVを充填する。したがって、成形空間CVの迅速な減圧に適する真空引きの流量に対応する高い真空度P1(例えば0.1MPa程度)の状態と、溶融樹脂によって成形空間CVを充填する際の低い真空度P2(例えば0.04MPa程度かそれ以上)の状態とを使い分けることができる。これにより、成形空間CVを迅速に減圧できるとともに、必要以上に高い真空度によって溶融樹脂に溶け込んでいるガスが溶融樹脂から分離することを防止できる。このように、成形空間CVを迅速に減圧することで、射出成形のサイクルタイムを短縮できる。また、ガスが溶融樹脂から分離することを防止することにより、このようなガスが成形空間CVと溶融樹脂との間に閉じ込められることを防止でき、レンズLEの表面にフローマーク等が形成されることを防止できる。
以上実施形態に即して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、流路切換装置62,63は、パイロット圧を用いる電磁切換弁に限らず、他のタイプの電磁切換弁とすることができ、さらに電磁的に動作しない他の種類のバルブや弁からなるものとすることができる。
また、固定金型41及び可動金型42で構成される成形金型40等に設ける成形空間CVの形状は、図示のものに限らず、様々な形状とすることができる。すなわち、成形空間CVの形状は、単なる例示であり、レンズLEその他の成形品MPの用途等に応じて適宜変更することができる。つまり、射出成形機10によって得れる成形品MPは、撮像レンズ、光ピ対物レンズ等に限らず、微細構造を有する導光板等とすることもできる。
また、上記実施形態において、射出成形機10は、成形金型40等を開閉できるものであれば、例えば油圧式でも電動式でもよい。
実施形態の射出成形装置を説明する正面図である。 成形金型の側断面構造や圧力調節装置を説明するブロック図である。 (A)は、図1の成形金型の部分拡大断面図であり、(B)は、レンズの側断面図である。 図1の射出成形装置の動作を説明するフローチャートである。 図4の射出成形装置の動作を補助的に説明するタイミングチャートである。
10…射出成形機、 11…固定盤、 12…可動盤、 15…開閉駆動装置、 16…射出装置、 18…温度調節装置、 19…圧力調節装置、 30…制御装置、 31…開閉制御部、 32…射出装置制御部、 33…エジェクタ制御部、 40…成形金型、 41,42…金型、 46…通気溝、 47…通気管、 49…減圧路、 50…エジェクタ装置、 61…分岐部、 61a…第1チューブ、 61b…第2チューブ、 61d…流量調整バルブ、 62…第1流路切換装置、 63…第2流路切換装置、 64…真空ポンプ、 65…制御圧供給部、 71…デジタル圧力スイッチ、 72…流量計、 73…真空計、 79…圧力制御装置、 82…空気導入部、 100…射出成形装置、 CV…成形空間、 FC…流路部分、 GP…ゲート部分、 IL…導入口、MP…成形品、 OL…排気口

Claims (8)

  1. 成形金型を構成する第1金型と第2金型とを型閉じすることによって、前記成形金型中に成形空間を形成する型閉じ工程と、
    前記成形金型中に形成されて前記成形空間に連通する減圧路を介して前記成形空間内から排気することによって前記成形空間内を所定の真空度にする減圧工程と、
    減圧動作の抑制又は停止によって、前記成形空間内を前記所定の真空度よりも低下させる緩和工程と、
    前記緩和工程によって前記成形空間の真空度の低下を許容した状態で、前記成形金型の前記成形空間中に被射出溶融物を射出して前記成形空間を充填する射出工程と、を備えることを特徴とする射出成形方法。
  2. 前記減圧工程で、前記成形空間に連通する前記減圧路に対して第1の流量で真空引きを行い、
    前記緩和工程で、前記減圧路に対して前記第1の流量よりも小さな第2の流量で真空引きを行うことと、前記減圧路に対する真空引きを中止することとのいずれか一方によって、前記成形空間の真空度の低下を許容することを特徴とする請求項1に記載の射出成形方法。
  3. 前記減圧工程で前記減圧路に連結する流路と、前記緩和工程で前記減圧路に連結する流路とを、流路切換装置を利用して所定のタイミングで切り換えること特徴とする請求項1及び請求項2のいずれか一項に記載の射出成形方法。
  4. 成形金型を動作させる成形機本体が発生するタイミング信号に基づいて、前記減圧工程から前記緩和工程への切り換えを行うこと特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の射出成形方法。
  5. 前記成形空間中の被射出溶融物を冷却する工程と、前記減圧路を雰囲気圧に戻した状態で前記第1金型と前記第2金型とを離間させることによって型開きを行う工程と、をさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の射出成形方法。
  6. 前記成形空間は、中央部の厚みが周辺部の厚みよりも大きな形状を有し、
    前記周辺部の所定位置に設けられた導入口を介して前記成形空間中に被射出溶融物を射出することを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の射出成形方法。
  7. 前記成形空間中の被射出溶融物を冷却により硬化させることによって光学素子を形成すること特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の射出成形方法。
  8. 第1金型と第2金型とを有し、前記第1金型と前記第2金型とを型閉じすることによって形成される成形空間に連通する減圧路を設けた成形金型と、
    前記減圧路を介して前記成形空間内を減圧するための真空ポンプと、
    前記成形空間内を減圧することによって所定の真空度にする第1流路と、減圧動作の抑制又は停止によって、前記成形空間内を前記所定の真空度よりも低下させる第2流路とを切り換えて前記減圧路に選択的に連通させる流路切換装置と、
    前記流路切換装置によって前記第1流路を前記減圧路に選択的に連通させた状態から前記第1流路を前記減圧路に選択的に連通させた状態に切り換えた後に、射出装置から前記成形空間中に被射出溶融物を射出させる制御装置と、を備えることを特徴とする射出成形装置。
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