JP2007125789A - キャビティの真空を解除する金型装置とその金型装置を含む成形装置 - Google Patents

キャビティの真空を解除する金型装置とその金型装置を含む成形装置 Download PDF

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Abstract

【課題】成形品をエジェクタピンで突き出す金型装置で、成形品を突き出す直前にのみ成形品とキャビティの境界を真空解除する金型装置が望まれる。
【解決手段】成形品31をエジェクタピン42で突き出す金型装置において、エジェクタプレート41の背後に形成された、エジェクタピンを成形位置から所定距離後退可能にする隙間Gと、エジェクタピンが移動可能に密接するキャビティ30側とエジェクタ室45側の貫通孔の間にあってエジェクタピンの外周に通気可能な空間を有する通気路61と、通気路を金型装置の外面に開口して外部の加圧気体発生源71に接続する供給口62とを備え、エジェクタピンのキャビティ側の貫通孔22aの長さ寸法が、隙間Gより小さく形成され、成形品を突き出す直前にエジェクタピンを所定距離後退させて貫通孔22aを開口して、加圧気体をキャビティに供給して真空解除する。
【選択図】図1

Description

本発明は、キャビティに溶融樹脂を充填して成形品をエジェクタピンによって突き出す金型装置とそれを含む成形装置に関し、特に、成形品の突き出しの際に発生する成形品とキャビティの境界面での負圧を解消する金型装置とその金型装置を含む成形装置に関する。また、本発明は、充填直前にキャビティを真空吸引することを付加した上記の金型装置とその成形装置に関する。
成形直後の成形品はキャビティの成形面に密着している。それで、成形品の突き出しの際に成形品とキャビティの境界に瞬間的に真空に近い負圧が発生する。この負圧状態は、成形品が薄板状成形品あるいは深物成形品、もしくは軟質弾性成形品(例えば、ゴム等のエラストマ成形品、LIM等)である場合に多いに問題になる。成形品の突き出し箇所に突き出し力が集中して、この箇所に白化あるいは変形が発生し、最悪な場合に孔があくからである。
この場合、成形品の突き出し直前に成形品とキャビティ表面の境界面に負圧が発生するのを解消すること(以下、真空解除という。)が有効的である。そのため、両者の隙間に空気や不活性ガス等の気体を噴出することが行われている。それらは、例えば、特許文献1(特開平2−198814号公報)や特許文献2(特開平4−5010号公報)に開示されている。
特許文献1に開示される装置は、深物成形品を成形する装置である。その装置は、成形品の内面を成形するコアとその外面を成形する可動駒と底面を成形するゲートブッシュの下端面とで区画されるキャビティと、ゲートブッシュの外周端と可動駒との間に形成されるはめあい部と、ゲートブッシュと可動駒との間の空間部と、その空間部に連通される高圧気体の通気路と、を備える。そして、可動駒は、型開操作の際に高圧気体が通気路より空間部に供給されたときに、成形品と共に下降するように構成される。それで、可動駒が成形品と共に下降して成形品をゲートブッシュの下端面から離隔させると共に、高圧気体が成形品とゲートブッシュの下端面の境界面に供給されて真空状態が解除される。
特許文献2に開示される装置は、レンズ成形のための型と離型方法を開示している。この成形型は、レンズ上面に接着された樹脂層を形成する装置であり、入子とスリーブがその樹脂層を押圧しながら成形する装置である。離型の際には入子が後退すると共に入子とスリーブの隙間に気体が噴出されて、入子と樹脂層の真空状態が解除される。その後、スリーブも後退させ、そのスリーブを樹脂層より剥離することによって離型を完了する。
しかしながら、上記の特許文献の装置は、その装置自体で必要なタイミングのみに気体を噴出することはできないと推察される。特許文献1では、型締めを完了したタイミングの後には、はめあい部が閉じているために確かに気体噴出を停止するが、その他のタイミングには、加圧気体の供給装置からの管路を遮断することなく噴出を停止することはできない。特許文献2でも、供給装置からの管路の遮断なくして噴出停止はない。これは、特許文献1の可動駒、特許文献2の入子及びスリーブの何れにおいても、それらの移動方向が気体噴出中と突き出し動作中のいずれでも同じであるからである。そのうえ、何れの装置も、成形品をエジェクタピンで突き出す、一般的な金型装置に必ずしも採用できるものではない。特許文献1に開示された装置は、成形品を固定側金型から離型する装置に特化され、型開き動作に同期して真空が解除される装置である。また、特許文献2に開示される装置は、レンズ成形に特化された装置である。
特開平2−198814号公報 (第1図) 特開平4−5010号公報 (第1図)
したがって、成形品の突き出し直前のタイミングでのみ成形品とキャビティの境界を真空解除する技術は、未だ充分に開発されていない。しかも、先願にあるその種の技術は、可動側で成形品をエジェクタピンで突き出す、一般的な金型装置に採用できる技術ではない。
そこで、本発明は、エジェクタピンを有する一般的な金型装置において、エジェクタピンで成形品を突き出す直前に、キャビティに加圧気体を供給して、その後に突き出しを開始させることによって、突き出しの際に成形品とキャビティの境界に発生する負圧を解消する、すなわち、真空を解除して、突き出しを容易にすることができる金型装置とそのための成形装置を提案することを目的とする。そのうえ、本発明は、上記真空解除する金型装置に充填直前にキャビティを真空吸引する技術を付加した金型装置を提案することも目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の金型装置は、固定側金型と、可動側金型と、それらの間に形成させるキャビティとを有して、前記キャビティで成形される成形品を、エジェクタプレートを介して前進させるエジェクタピンによって突き出す金型装置において、前記可動側金型部材の中に、前記エジェクタプレートの背後に形成された、前記エジェクタピンを成形位置からさらに所定距離後退可能にする隙間と、前記エジェクタプレートを該エジェクタプレートの後退方向に押圧する圧縮コイルばねと、前記エジェクタピンが移動可能に密接するキャビティ側の貫通孔と、前記エジェクタピンが移動可能に密接するエジェクタ室側の貫通孔と、前記貫通孔の間にあって前記エジェクタピンの外周に通気可能な空間を有する通気路と、前記通気路を前記金型装置の外面に開口して外部の加圧気体発生源に接続される供給口とを備え、前記エジェクタピンのキャビティ側の貫通孔の長さ寸法が、前記隙間より小さく形成されることによって、前記エジェクタピンが所定距離後退する際に該エジェクタピンのキャビティ側の貫通孔を開口して、前記キャビティを前記通気路に連通させて該キャビティに加圧気体を供給する。
また、上記の金型装置を備えた成形装置において、前記成形品の突き出し工程の直前には、エジェクタロッドを後退させて前記エジェクタピンを前記隙間の所定距離を後退させることによって、前記加圧気体を前記キャビティに供給し、その後つぎの成形サイクルでの突き出し工程の直前までの間には、まず突き出し工程の際に前記エジェクタロッドを進退させて前記エジェクタピンを進退させて、その後の工程の際に前記エジェクタロッドを成形位置に保持させて、前記エジェクタピンのキャビティ側の貫通孔を閉口させることによって、前記加圧気体の前記キャビティへの供給を停止させる。
また、上記の金型装置を備えた成形装置において、前記金型装置の前記供給口と外部の前記加圧気体発生源を少なくとも2つの経路で接続して、前記経路毎に前記供給口への加圧気体の流量を調節する流量制御弁と前記経路毎に開閉弁とを備えて、まず、前記成形品の突き出し工程の直前に、所定の1つの前記経路が備える前記開閉弁のみを開放させて、エジェクタロッドを後退させて前記エジェクタピンを前記隙間の所定距離を後退させることによって、所定流量の前記加圧気体を前記キャビティに供給して、つぎに、突き出し工程で、前記エジェクタロッドを進退させて前記エジェクタピンを進退させて、前記成形品を突き出すと共に、前記エジェクタピンのキャビティ側の貫通孔を閉口して前記加圧気体の供給を停止している間に、つぎの所定の1つの前記経路が備える前記開閉弁のみを開放させて、前記エジェクタロッドを後退させて前記エジェクタピンを成形位置から前記隙間の所定距離を後退させることによって、つぎの所定流量の前記加圧気体を供給させた後、ふたたび、前記成形品の突き出しから前記加圧気体の供給までの一連の動作を所定回数繰り返して、その後つぎの成形サイクルの突き出し工程の直前までの間には、前記エジェクタロッドを復帰させ前記エジェクタピンを成形位置に復帰させるか、または、前記エジェクタロッドを進退させて前記エジェクタピンを進退させて、その後の工程の際に前記エジェクタロッドを成形位置に保持することによって、前記前記エジェクタピンのキャビティ側の貫通孔を閉口して前記加圧気体のキャビティへの供給を停止させる。
また、上記の成形装置において、前記成形装置が備える前記金型装置の供給口に外部の真空吸引装置が切換弁を介してさらに接続されることによって、充填開始直前には、前記切換弁が前記供給口を前記真空吸引装置側に接続して、前記エジェクタロッドを後退させて前記エジェクタピンを前記隙間の所定距離を後退させることによって、前記キャビティを真空吸引し、所定の真空度が得られたときに、直ちに前記エジェクタロッドを復帰させて前記エジェクタピンを成形位置に復帰させることによって、前記キャビティの真空吸引を停止させて、その後直ちに充填を開始して、前記成形品の突き出し工程の直前には、前記切換弁が前記供給口を前記加圧気体発生源側に接続して、前記エジェクタロッドが後退して、前記エジェクタピンを前記隙間の所定距離を後退させることによって前記キャビティに加圧気体を供給する。
本発明の金型装置によれば、エジェクタピンが、エジェクタプレートの背後に形成された隙間によって成形位置に対して所定距離を後退可能にとり付けられ、エジェクタピンのその所定距離の後退のみによって、キャビティへの貫通孔が開口する。したがって、本来備えているエジェクタピンの前進後退動作を利用するだけでキャビティと加圧気体発生源の連通を開閉できるので、金型装置が特に複雑になることは全くない。
また、本発明の成形装置によれば、上記の金型装置を採用した成形装置は、突き出し工程の直前のみのエジェクタロッドの後退動作によってキャビティに加圧気体が供給されることから、従来のエジェクタロッドの成形位置と突き出し位置の制御に加えて、エジェクタピンの貫通孔を開口させるために、突き出し工程の直前にエジェクタロッドを所定距離後退させる制御を行うだけで済む。そのうえ、外部の加圧気体発生源と供給口との間に開閉弁を設けても突出し工程の度にその開閉制御を行う必要がない。したがって、制御の変更がほとんど必要なく、制御自体が複雑化することもない。そのうえ、その成形装置によれば、その他の工程中において加圧気体の供給が停止されるので無駄に加圧気体が噴出されることがない。
また、より離型が難しい成形品に対応するため、本発明の成形装置によれば、上記の金型装置に加えて供給口と加圧気体発生源を少なくとも2つの経路で接続し、その経路毎に流量制御弁と開閉弁を備える成形装置は、各開閉弁の制御を追加することで供給口に流量の違う加圧気体を切換えて供給できる。したがって、突き出し工程の直前から突き出し工程までの間に少なくとも2回キャビティに加圧気体を供給する際に、そのたびに流量の違う加圧気体を供給することができる。
また、本発明の成形装置によれば、上記の金型装置に加えて切換弁と真空吸引装置を採用した成形装置は、その供給口に切換弁を介して加圧気体発生源と真空吸引装置を切換可能に接続する。これにより、キャビティへ加圧気体を供給する時のエジェクタロッドの後退動作と同様に、キャビティを真空吸引する時にエジェクタロッドが所定距離を後退する動作と、切換弁の切換制御を追加するだけで、キャビティに加圧気体を供給するか、または、キャビティを真空吸引するかを切換えることができる。
本発明の一実施例を以下に示す。実施例1の金型装置1は、図1の断面で示されるように、少なくとも固定側金型10と可動側金型20と両者の間に形成されるキャビティ30とを含む。この構成は、金型装置の最も基本的なものである。まず、金型装置の従来公知の構成と同じものが説明される。なお、図1は、型閉じ完了後から射出工程直前までの状態を示す。
固定側金型10は、固定側型板11と固定側取付け板12とスプルブッシュ13とロケートリング14とを含む。可動側金型20は、受け板21とコア22と可動側型板23と可動側取付け板24とスペーサブロック25とを含む。成形品が成形されるキャビティ30は、ランナ32によってスプルブッシュ13のスプル孔に連通する。
エジェクタ装置40は、エジェクタプレート41とそれに固定されたエジェクタピン42とリターンピン43とを含む。エジェクタプレート41は、受け板21と可動側取付け板24とスペーサブロック25とで区画された空間すなわちエジェクタ室45内でリターンピン43にガイドされて移動する。受け板21とエジェクタプレート41との間には、エジェクタプレート41を後退方向(図1では下降方向)に付勢する圧縮コイルばね46がリターンピン43に沿って装着され、エジェクタプレート41の後退が、この圧縮コイルばね46の付勢力によって行われる。50は、図示省略された可動プラテンに内蔵された駆動装置によって駆動されるエジェクタロッドである。ただし、エジェクタプレート41は、エジェクタピン42の先端面がキャビティ30の成形面の一部を形成して成形品31を成形する成形位置にあるときにストップピン26に当接していない、図示の位置であることにおいて従来と異なる。
つぎに、本発明の特有の構成が説明される。本金型装置1には、図1の成形位置にあるエジェクタピン42がさらに後退可能であるように、エジェクタプレート41とストップピン26との間に隙間Gが形成される。また、金型装置1は、エジェクタピン42が移動可能に密接するキャビティ30側の貫通孔22a、および、エジェクタ室45側の貫通孔21aと、それら貫通孔21a、22aの間にあってエジェクタピン42の外周に通気可能な空間を有する通気路61と、その通気路61を金型装置1の外面に開口した供給口62と、を含む。通気路61は受け板21の外面近傍とコア22の外面近傍を除いた中間部位に形成され、供給口62は受け板21、または、可動側型板23の外面に開口している。また、供給口62には、加圧気体を供給する外部の加圧気体発生源71が配管72によって接続される。
より具体的には、通気路61は、図2のA−A断面矢視図である図3に示されるように、エジェクタピン42の外径より大きい内径の孔である。そして、通気路61は、そのキャビティ30側の貫通孔22aやエジェクタ室45側の貫通孔21aでエジェクタピン42自身によってキャビティ30やエジェクタ室45に対して閉じられている。当然、貫通孔21a、22aのピン孔とエジェクタピン42の間隙は、エジェクタピン42の動作を妨げない限りにおいて最小限に形成されている。そのうえ、図2に示されるように、特にエジェクタピン42のキャビティ30側の貫通孔22aの長さ寸法Lは、エジェクタピン42の後退可能な隙間Gの距離より小さく形成されている。それで、エジェクタピン42が隙間Gの距離を後退したときに通気路61がキャビティ30に開口する。したがって、加圧気体の噴出は、エジェクタピン42が隙間Gの距離を後退したときにのみ行われる。
また、本発明の金型装置1では、エジェクタプレート41がストップピン26から隙間Gの距離だけ離隔した位置にあるときにリターンピン43の先端が固定側型板11に当接して、エジェクタロッド50が上記の成形位置にある。それは、エジェクタピン42やリターンピン43は、従来のそれより隙間Gの距離だけ短い長さ寸法に形成されているからである。したがって、エジェクタロッド50が真空解除の際に後に説明されるように後退するとき、エジェクタプレート41が成形位置よりさらに後退する。このことは、従来の金型装置と異なることである。従来の金型装置では、エジェクタピン42が成形位置にあるときにリターンピン43の先端とエジェクタプレート41がそれぞれ固定側型板11とストップピン26に当接している。
70は、加圧気体供給装置である。加圧ポンプや蓄圧タンクを含む従来公知の加圧気体発生源71は、噴出配管72によって供給口62に接続される。加えて、圧力スイッチ74や異常時に動作する開閉弁73を必要に応じて適宜に含む。図示省略された成形機の制御装置は、通常の制御に加えて、後に説明されるように型開閉動作と、エジェクタロッド50の操作とを制御する。
なお、本発明の金型装置1では、スプル33の末端にスプルロックピンが設けられることが多い。44は、そのスプルロックピンであるが、以下において、センタピン44と称される。このセンタピン44は、後に説明されるように成形品31の突き出し直前に後退するので、その先端がフック形でなく真直なものに形成されてロック機能を有さないからである。したがって、型開き時のスプル33の可動側金型20へのロックは、フックによってでなく図示の逆テーパのコールドスラグウエルによって達成される。このセンタピン44もエジェクタピン42と同様に隙間Gの距離だけ短い。
以上説明された金型装置1は、図示省略された固定プラテンと可動プラテンからなる型締装置に搭載される。固定側金型10は固定側取付け板12を介して固定プラテンに固定され、可動側金型20は可動側取付け板24を介して可動プラテンに固定される。図示省略された成形機の射出装置のノズルがスプルブッシュ13に当接され、図示省略された成形機の制御装置が型締装置を制御して、金型装置1が図4および図5に示されるように制御される。溶融樹脂充填後から成形品31の突き出しまでの成形過程は、図4の(a)、(b)そして(c)で示される。キャビティ30で成形される成形品は31で示される。また、1サイクルの成形過程に対応するエジェクタピン42の動作位置及びキャビティ30内の圧力状態は図5で示される。なお、図4の(b)及び(c)では、エジェクタピン42の動作が理解されやすいように、あえて可動側金型20を同一位置に表示し、図5の工程を示す横軸の長さ(間隔)は、実際の成形運転においてはこれほど間延びしてはいない。
まず、図1の型閉じ状態で従来のように射出が行われて溶融樹脂がキャビティ30に充填される。キャビティ30内の圧力は、樹脂の充填圧力に応じて上昇し、その後の保圧工程の間に徐々に低下していく。成形品31の冷却が終了して図4の(a)の状態になると、つぎに可動側金型20が開いて図4の(b)のように型開きが完了する。そして、成形品31の突き出しが開始されるが、この直前に、エジェクタピン42が隙間Gの距離を後退して、加圧気体発生源71が加圧気体を供給口62から成形品31とコア22の間の境界に供給される。また、金型装置1がセンタピン44を含む場合には、このとき、センタピン44も後退する。
つぎに、エジェクタピン42は、図4の(c)のように後退位置から反転して前進して、成形品31を突き出し、この前進動作によって通気路61を閉口させて加圧気体の供給を停止させる。このときの反転前進の動作は、たとえば、設定可能な所定時間後に開始されるようにすると良い。もっとも、この時間は極短時間で十分である。また、その動作は、圧力スイッチ74によって所定の圧力に到達したときに開始されるようにしても良い。このような突き出し工程においては、成形品31とコア22の間の境界に加圧気体が供給され、真空が解除されているので、突き出しによって成形品31に損傷が与えられることはない。そして、一旦突き出しが始まった境界には周囲から気体が一気に供給される。成形品31が取り出されてエジェクタピン42を成形位置まで復帰させて加圧気体の供給停止を維持して、金型が再び閉じられると、上記と同様に成形工程が再び繰り返される。
本装置によれば、突き出し直前にのみエジェクタピン42が設定可能な所定時間後退する。その所定時間は、短時間であり、この動作のみによって上記の境界に気体が供給される。それで、その突き出し直前のタイミングを除く他のタイミングで気体が供給されることはなく蓄圧タンク内の加圧気体が無駄に消費されることは全くない。また、開閉弁73も成型運転中を通して開放のままでよいので、その開閉制御も必要ない。開閉弁73は、保守点検の際、あるいは異常の際に閉じられるだけである。
以上説明した本発明の金型装置1を搭載した成形装置1は、つぎのような制御を追加するだけで簡単にその金型装置1に対応することができる。まず、エジェクタロット50の制御に関して、成形装置1は、通常の成形位置と突き出し位置の制御に加えて、突き出し工程直前に隙間Gの後退制御を追加する。もちろん、その後退を開始するタイミングは調整可能に制御される。そして、成形装置1は、設定可能な所定の短時間の後にエジェクタロッド50の復帰動作と突き出し動作を行って加圧気体の供給を停止する。開閉弁73の開閉制御に関しては、成形サイクルの工程に応じた開閉制御を要しない。また、図示省略された成形機の制御装置は、圧力スイッチ74からのフィードバック信号を受けて、異常監視等を行うと共に、異常時に開閉弁73を閉じるように制御しても良い。
ところで、成形品31が突き出したエジェクタピン42の先端面に張り付いて、エジェクタピン42の復帰動作でキャビティ30に戻ってしまうような場合がある。このような場合などには、以上の金型装置1、および、それを搭載した成形装置1は、突き出し工程の直前に加圧気体をキャビティ30に供給することに加えて、突き出し工程中においても加圧気体をキャビティ30に少なくとも1回供給する機能を追加して多段階で供給するようにしても良い。また、キャビティ30に供給する加圧気体の流量をその段階に応じて変更可能にしても良い。そのような金型装置は、以下実施例2として図4、図6、および、図7で金型装置2として説明される。金型装置2は、金型装置1の供給口62と外部の加圧気体発生源71を2つの経路で接続して、その経路のそれぞれに流量制御弁76、77と、開閉弁78、79を備えた構成である。したがって、基本的な構成を金型装置1と同じくしているので、同じ構成要素には同一符号が付与されてその説明が省略される。
金型装置2では、その構成から外部の加圧気体発生源71から開閉弁78と流量制御弁76を介して供給口に接続される第一経路と、同様に開閉弁79と流量制御弁77を介して接続される第二経路に分けられる。各経路が備える流量制御弁76、77は、各経路から供給口62に別々に供給される加圧気体をそれぞれ所定流量の第一流量と第二流量に調節可能にする。そして、各経路が備える開閉弁78、79は、どちらか一方の開閉弁のみを開放することにより、第一経路、または、第二経路のみを供給口62に連通させることで、第一流量か、または、第二流量の加圧気体の供給を適宜に切換えることができる。たとえば、加圧気体の第一流量は真空解除のため流量を小さく、第二流量は加圧気体を吹き付けて離型するだけのため流量を大きく調節しても良い。また、その成形機の制御装置は、通常の制御に加えて、後に説明されるように型開閉動作と、エジェクタロッド50の操作と、開閉弁78、79の開閉操作と、を制御する。
具体的には、突き出し工程の直前に第一経路の開閉弁78のみを開放させて、供給口62に第一流量の加圧気体を供給させる。つぎに実施例1と同様にエジェクタピン42を隙間Gの所定距離を後退させることによって、キャビティ30に第一流量の加圧気体を供給させて、その後、突き出し工程においてエジェクタピン42を進退させて、成形品31を突き出すと共に、その供給を停止させている間に、第二経路の開閉弁79のみを開放させて、供給口62に第二流量の加圧気体を供給させる。つぎにエジェクタピン42をふたたび隙間Gの所定距離を後退させて、キャビティ30に第二流量の加圧気体を供給させる。このように2段階で、かつ、流量を変えることで場合に応じて必要な流量の加圧気体をキャビティ30に供給することができる。
以上説明された金型装置2では、実施例1と同様に図示省略された固定プラテンと可動プラテンからなる型締装置に搭載される。そして、図示省略された成形機の射出装置のノズルがスプルブッシュ13に当接され、図示省略された成形機の制御装置が型締装置を制御して、金型装置2が図4と図7に示されるように制御される。溶融樹脂充填後から成形品31の突き出しまでの成形過程は、実施例1と同じで図4の(a)、(b)そして(c)で示される。また、実施例2で追加される2回目のキャビティ30への加圧気体の供給も、同様に図4の(b)と(c)で示される。また、1サイクルの成形過程に対応するエジェクタピン42の動作位置、キャビティ30内の圧力状態、および、開閉弁78、79の開閉状態は、図7で示される。なお、図7の工程を示す横軸の長さ(間隔)は、実際の成形運転においてはこれほど間延びしてはいない。
まず、図6の型閉じ状態で従来のように射出が行われて溶融樹脂がキャビティ30に充填される。キャビティ30内の圧力は、樹脂の充填圧力に応じて上昇し、その後の保圧工程の間に徐々に低下していく。成形品31の冷却が終了して実施例1と同様に図4の(a)の状態になると、つぎに可動側金型20が開いて図4の(b)のように型開きが完了する。そして、成形品31の突き出しが開始されるが、この直前に、第一経路の開閉弁78のみを開放させて、供給口62に第一流量の例えば小さい流量の加圧気体を供給させる。つぎにエジェクタピン42が隙間Gの距離を後退して、第一流量の加圧気体が供給口62から成形品31とコア22の間の境界に供給される。
つぎに、エジェクタピン42は、図4の(c)のように後退位置から反転して前進して、成形品31を突き出し、この前進動作によって通気路61を閉口させて加圧気体の供給を停止させる。このときの反転前進の動作を開始するタイミングも実施例1と同じである。また、成形品31とコア22の間の境界に加圧気体が供給され、真空が解除されているので、突き出しによって成形品31に損傷を与えられることがないのも実施例1と同様である。つぎにエジェクタピン42を成形位置まで復帰させて加圧気体の供給停止を維持させる。しかし、このとき成形品31が突き出したエジェクタピン42の先端面に張り付いて、エジェクタピン42の復帰動作でキャビティ30に戻ってしまうような場合には、まず、キャビティ30への加圧気体の供給を停止している間に、第二経路の開閉弁79のみを開放させて、供給口62に第二流量の例えば大きい流量の加圧気体を供給させる。つぎに、ふたたび図4の(b)のようにエジェクタピン42が隙間Gの距離を後退して、第二流量の加圧気体を供給口62からふたたび成形品31とコア22の間の境界に供給される。これにより成形品31に加圧気体が吹き付けられキャビティから離型される。つぎに、エジェクタピン42は、後退位置から反転して前進して成形位置に復帰して通気路61を閉口させて加圧気体の供給を停止して、そして成形位置を維持させる。このときの反転前進の動作を開始するタイミングも、実施例1と同じである。また、その後に図4の(c)のように加圧気体の供給停止を維持したままエジェクタピン42を前進して成形品31の突き出し動作をさせた後、ふたたび成形位置まで復帰させる動作を追加しても良い。その後、金型が再び閉じられると、上記と同様に成形工程が再び繰り返される。
以上説明した本発明の金型装置2を搭載した成形装置2は、実施例1の成形装置1の制御に加えて、つぎのような制御を追加するだけで簡単に本金型装置2に対応することができる。まず、エジェクタロッド50の制御に関しては、突き出し工程中に隙間Gの後退制御を追加する。もちろん、その後退を開始するタイミングは調整可能に制御される。そして、成形装置2は、設定可能な所定の短時間の後にエジェクタロッド50の復帰動作と突き出し動作によって加圧気体の供給を停止する。
この実施例では、開閉弁78、79の制御も追加される。その開閉弁78、79の制御に関しては、突き出し工程の直前には、エジェクタロッド50が後退する前に、第一経路の開閉弁78を開放させて供給口62に第一流量の加圧気体を供給させる。つぎに突き出し工程においてエジェクタロッド50が成形位置から突き出し位置までを進退する間に、開閉弁78を閉鎖させて、その後に第二経路の開閉弁79を開放させて供給口62に第二流量の加圧気体を供給させる。つぎにエジェクタロッド50が成形位置に復帰したら開閉弁79を閉鎖させる。もちろん、開閉弁78、79の開閉のタイミングは調整可能に制御される。また、図示省略された成形機の制御装置は、圧力スイッチ74からのフィードバック信号を受けて、異常監視等を行うと共に、異常時に開閉弁78、79をすべて閉じるように制御しても良い。
以上の実施例2では、供給口62と加圧気体発生源71を2つの経路で接続し、2段階でキャビティ30へ加圧気体を供給する例が説明されたが、その経路数、および、供給の回数を限定するものではない。
以上の金型装置1とそれを搭載する成形装置1、または、金型装置2とそれを搭載した成形装置2は、充填工程の直前にキャビティ30内の空気を吸引する真空吸引機能が追加されても良い。そのような金型装置は、以下実施例3として図4、および、図8から図10で金型装置3として説明される。図では、代表として金型装置2に追加された構成で示す。金型装置3は、金型装置1、または、金型装置2に切換弁175を追加した構成で示される。したがって、基本的な構成を金型装置1、または、金型装置2と同じくしているので、同じ構成要素には同一符号が付与されてその説明が省略される。
金型装置3では、供給口62が切換弁175を介して加圧気体発生源71側か、または、真空吸引装置170側に切換可能に接続される。すなわち、供給口62は、加圧気体発生源71側に接続された噴出配管72と、真空吸引装置170側へ接続された吸引配管172とに切換弁175を介して接続される。このような切換弁175には、例えば方向切換弁が採用される。
170は、真空吸引装置である。真空ポンプ等の、従来公知の真空源171は、吸引配管172によって、切換弁175を介して供給孔62に連通して気体を吸引する。そして、真空吸引装置170は、負圧を検出する真空スイッチ174を含み、この真空スイッチ174が検出する配管172中の圧力、すなわちキャビティ30内の圧力も、図示省略された成形機の制御装置にフィードバックされる。また、その成形機の制御装置は、通常の制御に加えて、後に説明されるように型開閉動作と、エジェクタロッド50の操作と、切換弁175の切換操作と、を制御する。
具体的には、切換弁175が充填工程の開始直前に供給口62を真空吸引装置170側に連通させてから、実施例1で説明したようにエジェクタピン42を隙間Gの距離を後退させることによって、通気路61をキャビティ30に開口させる。すなわち、キャビティ30を真空吸引することができる。一方、切換弁175が成形品31の突き出し工程の直前に供給口62を加圧気体発生源71側に連通させることで、実施例1と同様にキャビティ30に加圧気体を供給することができる。また、切換弁175は、どちらにも接続しない中立位置を備えても良い。
以上説明された金型装置3では、実施例1と同様に図示省略された固定プラテンと可動プラテンからなる型締装置に搭載される。そして、図示省略された成形機の射出装置のノズルがスプルブッシュ13に当接され、図示省略された成形機の制御装置が型締装置を制御して、金型装置3が図4、図9および図10に示されるように制御される。キャビティ30の真空吸引から溶融樹脂充填までの成形過程は、図9の(a)、(b)で示される。また、溶融樹脂充填後から成形品31の突き出しまでの成形過程は、実施例1と同じで図4の(a)、(b)そして(c)で示される。キャビティ30で成形される成形品は31で示される。また、1サイクルの成形過程に対応するエジェクタピン42の動作位置、キャビティ30内の圧力状態、および、切換弁175の切換方向は、図10で示される。なお、図10では、実施例2に対応した場合の開閉弁の状態も示される。また、図10の工程を示す横軸の長さ(間隔)は、実際の成形運転においてはこれほど間延びしてはいない。
まず、図8のように型閉じが完了した後、充填工程の直前に、図9の(a)に示されるようにキャビティ30内の気体が真空吸引される。この吸引は、まず、供給口62が切換弁175を介して真空吸引装置170側に接続されてから、エジェクタピン42が隙間Gの距離を後退して、通気路61をキャビティ30に開口させて真空吸引される。
その後、図9の(b)のようにエジェクタピン42が隙間Gの距離を前進させて本来の成形位置に復帰させてキャビティ30内の真空吸引を停止してから、射出充填が行われると共に、切換弁175を中立位置に戻して真空吸引装置170側との接続を遮断させる。このとき、キャビティ30内の圧力はそのまま真空状態に維持されるので、この射出において充填不良が発生することはない。射出が開始されると、キャビティ30内の圧力は、図8に示されるように、樹脂の充填圧力に応じて上昇し、その後の保圧工程の間に徐々に低下してゆく。やがて、実施例1と同様に図4の(a)のように成形品31の冷却が終了すると、図4の(b)のように可動側金型20が開いて型開きを完了する。
つぎに成形品31の突き出しが開始されるが、その直前に、供給口62と切換弁175を介して加圧気体発生源71側に接続されてからは、実施例1、または、実施例2で説明されたように、成形品31とコア22の境界の真空解除と成形品31の突き出し動作が実施され、その後、エジェクタピン42の状態は成形位置にあるので、切換弁175を中立位置に戻して加圧気体発生源71側との接続を遮断して、金型が再び閉じられると、上記と同様に成形工程が再び繰り返される。
以上説明した本発明の金型装置3を搭載した成形装置3は、実施例1の成形装置1、または、実施例2の成形装置2の制御に加えて、つぎのような制御を追加するだけで簡単に本金型装置3に対応することができる。
まず、エジェクタロッド50の制御に関しては、キャビティ30の真空吸引のために充填工程の直前に隙間Gの後退制御を追加する。もちろん、その後退を開始するタイミングは調整可能に制御される。そして、それにともなうエジェクタロッド50の復帰動作は、真空スイッチ174からの所定の真空度に到達したときのフィードバック信号を受けて開始されると良い。
さらに、切換弁175の制御も追加される。その切換弁175の制御に関しては、充填工程前の直前には、エジェクタロッド50が後退する前に供給口62を真空吸引装置170側に連通するように中立位置から切換え、つぎにエジェクタロッド50が成形位置に復帰した後、真空吸引装置170側との連通を遮断するため切換弁175を中立位置に復帰させる。また、突き出し工程の直前には、実施例1、または、実施例2で説明された加圧気体の供給のためのエジェクタロッド50の後退を開始する前に供給口62を加圧気体発生源71側に連通するように中立位置から切換え、加圧気体の供給がすべて完了し、エジェクタロッド50が成形位置に復帰した後、加圧気体発生源71側との連通を遮断するため切換弁175を中立位置に復帰させる。もちろん、切換弁175を切換える、または、復帰させるタイミングは調整可能に制御される。また、図示省略された成形機の制御装置は、圧力スイッチ74と真空スイッチ174からのフィードバック信号を受けて、異常監視等を行うと共に、異常時に切換弁を中立位置に復帰させて連通を遮断するように制御しても良い。
キャビティ30への真空吸引は、型閉じ後に吸引するので、型閉じ後射出開始までの短時間でキャビティ30が充分に真空度を得ることは、従来と同じである。そのうえ、加圧気体の供給と同様に、真空吸引時においても充填工程の直前の必要なタイミングを除く他のタイミングで真空源71が無駄に真空吸引することはない。
本発明の金型装置1の断面図である。 本発明の金型装置1の、エジェクタピンと通気路との形態を示す断面図である。 図2のA−A矢視断面図である。 本発明の金型装置1から3の、溶融樹脂充填後から成形品の突き出しまでの金型の状態図である。 本発明の金型装置1の、成形過程途中のエジェクタピン位置、および、キャビティ内圧力の変化図である。 本発明の金型装置2の断面図である。 本発明の金型装置2の、成形過程途中のエジェクタピン位置、第一経路と第二経路の開閉弁、および、キャビティ内圧力の変化図である。 本発明の金型装置3の断面図である。 本発明の金型装置3の、キャビティの真空吸引から溶融樹脂充填までの金型の状態図である。 本発明の金型装置3の、成形過程途中のエジェクタピンの位置、切換弁の切換方向、第一経路と第二経路の開閉弁、および、キャビティ内圧力の変化図である。
符号の説明
21a エジェクタピンのエジェクタ室側の貫通孔
22a エジェクタピンのキャビティ側の貫通孔
30 キャビティ
31 成形品
41 エジェクタプレート
42 エジェクタピン
45 エジェクタ室
46 圧縮コイルばね
50 エジェクタロッド
61 通気路
62 供給口
71 加圧気体発生源
76 第一経路の流量制御弁
77 第二経路の流量制御弁
78 第一経路の開閉弁
79 第二経路の開閉弁
170 真空吸引装置
175 切換弁
G 隙間
L エジェクタピンのキャビティ側の貫通孔の長さ寸法

Claims (4)

  1. 固定側金型と、可動側金型と、それらの間に形成させるキャビティとを有して、前記キャビティで成形される成形品を、エジェクタプレートを介して前進させるエジェクタピンによって突き出す金型装置において、前記可動側金型部材の中に、前記エジェクタプレートの背後に形成された、前記エジェクタピンを成形位置からさらに所定距離後退可能にする隙間と、前記エジェクタプレートを該エジェクタプレートの後退方向に押圧する圧縮コイルばねと、前記エジェクタピンが移動可能に密接する前記キャビティ側の貫通孔と、前記エジェクタピンが移動可能に密接するエジェクタ室側の貫通孔と、前記貫通孔の間にあって前記エジェクタピンの外周に通気可能な空間を有する通気路と、前記通気路を前記金型装置の外面に開口して外部の加圧気体発生源に接続される供給口とを備えて、
    前記エジェクタピンのキャビティ側の貫通孔の長さ寸法が、前記隙間より小さく形成されることによって、前記エジェクタピンが所定距離後退する際に該エジェクタピンのキャビティ側の貫通孔を開口して、前記キャビティを前記通気路に連通させて該キャビティに加圧気体を供給することを特徴とする金型装置。
  2. 請求項1記載の前記金型装置を備えた成形装置において、前記成形品の突き出し工程の直前には、エジェクタロッドを後退させて前記エジェクタピンを前記隙間の所定距離を後退させることによって、前記加圧気体を前記キャビティに供給し、その後つぎの成形サイクルでの突き出し工程の直前までの間には、まず突き出し工程の際に前記エジェクタロッドを進退させて前記エジェクタピンを進退させて、その後の工程の際に前記エジェクタロッドを成形位置に保持させて、前記エジェクタピンのキャビティ側の貫通孔を閉口させることによって、前記加圧気体の前記キャビティへの供給を停止させることを特徴とする成形装置。
  3. 請求項1記載の前記金型装置を備えた成形装置において、前記金型装置の前記供給口と外部の前記加圧気体発生源を少なくとも2つの経路で接続して、前記経路毎に前記供給口への前記加圧気体の流量を調節する流量制御弁と前記経路毎に開閉弁とを備えて、まず、前記成形品の突き出し工程の直前に、所定の1つの前記経路が備える前記開閉弁のみを開放させて、エジェクタロッドを後退させて前記エジェクタピンを前記隙間の所定距離を後退させることによって、所定流量の前記加圧気体を前記キャビティに供給して、つぎに、突き出し工程で、前記エジェクタロッドを進退させて前記エジェクタピンを進退させて、前記成形品を突き出すと共に、前記エジェクタピンのキャビティ側の貫通孔を閉口して前記加圧気体の供給を停止している間に、つぎの所定の1つの前記経路が備える前記開閉弁のみを開放させて、前記エジェクタロッドを後退させて前記エジェクタピンを成形位置から前記隙間の所定距離を後退させることによって、つぎの所定流量の前記加圧気体を供給させた後、ふたたび、前記成形品の突き出しから前記加圧気体の供給までの一連の動作を所定回数繰り返して、その後つぎの成形サイクルの突き出し工程の直前までの間には、前記エジェクタロッドを復帰させて前記エジェクタピンを成形位置に復帰させるか、または、前記エジェクタロッドを進退させて前記エジェクタピンを進退させて、その後の工程の際に前記エジェクタロッドを成形位置に保持することによって、前記エジェクタピンのキャビティ側の貫通孔を閉口して前記加圧気体の前記キャビティへの供給を停止させることを特徴とする成形装置。
  4. 請求項2、または、請求項3記載の前記成形装置において、前記成形装置が備える前記金型装置の供給口に外部の真空吸引装置が切換弁を介してさらに接続されることによって、充填開始直前には、前記切換弁が前記供給口を前記真空吸引装置側に接続して、前記エジェクタロッドを後退させて前記エジェクタピンを前記隙間の所定距離を後退させることによって、前記キャビティを真空吸引し、所定の真空度が得られたときに、直ちに前記エジェクタロッドを復帰させて前記エジェクタピンを成形位置に復帰させることによって、前記キャビティの真空吸引を停止させて、その後直ちに充填を開始して、前記成形品の突き出し工程の直前には、前記切換弁が前記供給口を前記加圧気体発生源側に接続して、前記エジェクタロッドが後退して、前記エジェクタピンを前記隙間の所定距離を後退させることによって前記キャビティに前記加圧気体を供給することを特徴とする成形装置。
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