JP2010083045A - 金型構造、射出成形装置、及び成形方法 - Google Patents

金型構造、射出成形装置、及び成形方法 Download PDF

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Abstract

【課題】低粘度の樹脂等であってもこれを用いて光学素子を容易に成形することができ、エジェクタ機構の動作を確保することができる金型構造及びこれを組み込んだ射出成形装置並びに成形方法を提供すること。
【解決手段】エジェクタ機構82が、キャビティCVの内部側に相当する所定位置に対向して可動金型62側に設けられるので、成形品MPの周囲及び中心部を突き出して可動金型62から離型させることができる。この際、エジェクタ機構82が、上記所定位置に設けられた樹脂シール63b及びシーリング部材63cを突き出すので、エジェクタ機構82が成形中にシールされることになり、エジェクタ機構82の挿通孔である突出孔H1,H2に樹脂が浸入することを防止でき、離型時のエジェクタ機構82の確実な動作を確保することができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、光学素子の成形技術に関し、特に、エネルギー硬化性樹脂を用いて光学素子を成形するための金型構造、射出成形装置、及び成形方法に関する。
射出成形装置として、固定盤と可動盤との間に固定金型と可動金型とを挟持して型締めを行うものが存在する(例えば特許文献1参照)。この射出成形装置は、可動盤を進退させるためのトグル機構を備え、トグル機構の動作によって固定盤と可動盤とを締めつけて、両金型の型締めを行う。この際、両金型によって形成されるキャビティは、樹脂の射出に伴って、内部の空気を例えば金型の隙間から排出できるようになっている。
特開平7−68610号公報
上記のような射出成形装置では、成形時に粘度の低い樹脂を流し込むと、金型の隙間やエジェクタ機構の挿通孔から樹脂が外部に漏れやすく、成形圧力を高めることができないことがある。また、エジェクタ機構の挿通孔に樹脂が浸入して硬化した場合、エジェクタ機構が動作しなくなり、エジェクタ機構や金型を破損する可能性がある。エジェクタ機構は、成形品の変形等を防止する観点で金型のキャビティの適所に対向して配置することが望ましいので、特に低粘度の樹脂の場合、エジェクタ機構の挿通孔に樹脂が浸入することを防止する必要がある。
そこで、本発明は、低粘度の樹脂等であってもこれを用いて光学素子を容易に成形することができ、エジェクタ機構の動作を確保することができる金型構造及びこれを組み込んだ射出成形装置並びに成形方法を提供することを目的とする。
本発明に係る金型構造は、(a)第1の金型と、(b)第1の金型に対して開閉可能な第2の金型と、(c)型締めされた第1の金型と第2の金型とによって形成されるキャビティの内部側に相当する所定位置に設けられて、所定位置でキャビティ内の樹脂が外部に漏れ出すことを防止するためのシーリング部材と、(d)所定位置に対向して第2金型側に設けられてシーリング部材を突き出すエジェクタ機構とを備える。ここで、エジェクタ機構とは、ピンや空気等による突き出し機構をいう。
上記金型構造では、エジェクタ機構が、キャビティの内部側に相当する所定位置に対向して第2金型側に設けられるので、成形品の適所を突き出して第2の金型から離型させることができる。この際、エジェクタ機構が、上記所定位置に設けられたシーリング部材を突き出すので、エジェクタ機構が成形中にシールされることになり、エジェクタ機構の挿通孔に樹脂が浸入することを防止でき、離型時のエジェクタ機構の確実な動作を確保することができる。
本発明の具体的な態様によれば、上記金型構造において、シーリング部材が、エジェクタ機構の突出孔を塞ぐように配置される。この場合、シーリング部材によってエジェクタ機構の突出孔を直接シールでき、エジェクタ機構の挿通孔に樹脂が浸入することを未然に防止できる。
本発明の別の態様によれば、シーリング部材が、エジェクタ機構の前進に伴って移動することにより成形品を離型方向に付勢する係止部を有する。この場合、エジェクタ機構を前進させることによって、シーリング部材を介して成形品を確実に突き出して離型させることができる。
本発明のさらに別の態様によれば、シーリング部材が、第1の金型と第2の金型との間に挟持され、係止部が、第1の金型側で第2の金型側よりも細径化する段差である。この場合、成形中、第1の金型と第2の金型とによってシーリング部材をキャビティ内に確実に保持することができ、離型時にも成形品の突き出しを容易にすることができる。
本発明のさらに別の態様によれば、シーリング部材が、第2の金型と当接するとともに第1の金型と離間し、係止部が、シーリング部材の第1の金型側の端面である。この場合、シーリング部材が成形品に確実に固定され、成形品の突き出しが容易になる。
本発明のさらに別の態様によれば、キャビティの外周部に設けられて第1の金型と第2の金型との接合部をシールするシーリング環を備える。この場合、樹脂を金型にきちんと転写させるために必要な高圧力下での成形条件においても、両金型の隙間に樹脂が浸入してキャビティ外に漏れ出すことを防止できる。
本発明のさらに別の態様によれば、シーリング部材とシーリング環とが、第2の金型に密着して嵌め込むように取り付けられる。この場合、両金型の型閉じ前に第2の金型の適所にシーリング部材とシーリング環とを隙間なく固定することができる。
本発明のさらに別の態様によれば、エジェクタ機構の突き出し装置をさらに備える。この場合、突き出し装置の駆動力に応じた適当なタイミングでエジェクタ機構が突き出し動作する。
本発明の射出成形装置は、上述の金型構造を有することを特徴とする。本射出成形装置によれば、本発明の金型構造を組み込んでおり、型開き後、エジェクタ機構によって成形品の適所を突き出して第2の金型から離型させることができる。この際、エジェクタ機構が、シーリング部材を突き出すので、エジェクタ機構の挿通孔に樹脂が浸入することを防止でき、離型時のエジェクタ機構の確実な動作を確保することができる。
本発明の成形方法は、上述の金型構造を用いる成形方法であって、シーリング部材をエジェクタ機構で突き出すことによって成形品を第2の金型から離型することを特徴とする。本成形方法によれば、エジェクタ機構によって成形品の適所を突き出して第2の金型から離型させることができる。この際、エジェクタ機構が、シーリング部材を突き出すので、エジェクタ機構の挿通孔に樹脂が浸入することを防止でき、離型時のエジェクタ機構の確実な動作を確保することができる。
〔第1実施形態〕
本発明の第1実施形態である射出成形装置及び成形方法について、図面を参照しつつ説明する。まず、図1は、本実施形態の射出成形装置の構造を概念的に説明する正面図である。
本実施形態の射出成形装置100は、射出成形機10と、取出し装置20と、温度調節装置51と、減圧装置53とを備える。射出成形機10は、射出成形を行って成形品MPを作製する部分であり、取出し装置20は、射出成形機10から成形品MPを取り出す部分であり、温度調節装置51は、射出成形機10の金型61,62の温度を調節する部分であり、減圧装置53は、射出成形機10の金型内を真空引きする部分である。ここで、射出成形装置100は、型開き及び型閉じが横方向となっている。
射出成形機10は、固定盤11と、可動盤12と、型締め盤13と、開閉駆動装置15と、射出装置16とを備える。射出成形機10は、固定盤11と可動盤12との間に第1の金型である固定金型61と第2の金型である可動金型62とを挟持して両金型61,62を型締めすることによりキャビティCVを形成して成形を可能にする。
固定盤11は、支持フレーム14の中央側上面に固定されており、取出し装置20をその上部に支持する。固定盤11の内側は、固定金型61を着脱可能に支持しており、可動盤12の内側に対向している。なお、固定盤11は、タイバー64a,64bを介して型締め盤13に固定されており、成形時の型締め(すなわちロックアップ)の圧力に耐え得るようになっている。
上側タイバー64aと下側タイバー64bとは、それぞれ固定盤11と型締め盤13との間に架設されている。上側タイバー64aと下側タイバー64bとは、実際には2本ずつあり、固定盤11及び型締め盤13の四隅に支持されて、互いに平行に延びている。可動盤12の四隅には、タイバー64a,64bを貫通させるための貫通孔が形成されており、可動盤12は、タイバー64a,64bに対して摺動可能である。
可動盤12は、後述するスライドガイド15aによって固定盤11に対して進退移動可能に支持されている。可動盤12の内側は、可動金型62を着脱可能に支持しており、固定盤11の内側に対向している。なお、可動盤12には、エジェクタ81が組み込まれている。このエジェクタ81は、離形時に可動金型62に残る成形品MPを可動金型62内から押し出して取出し装置20による移送を可能にする。
型締め盤13は、支持フレーム14の端部側上面に固定されているが、タイバー64a,64bが延びている方向に関して位置調整が可能になっており、固定盤11と可動盤12との間隔調整を可能にしている。型締め盤13は、型締めに際して、開閉駆動装置15の動力伝達部15dを介して可動盤12をその背後から支持する。
開閉駆動装置15は、スライドガイド15aと、動力伝達部15dと、アクチュエータ15eとを備える。スライドガイド15aは、支持フレーム14上であって可動盤12の直下に設けられており、可動盤12を支持するとともに可動盤12の固定盤11に対する進退方向に関する滑らかな往復移動を可能にしている。動力伝達部15dは、それぞれトグルリンク等で構成され、アクチュエータ15eからの駆動力を受けて伸縮する。これにより、型締め盤13に対して可動盤12が近接したり離間したり自在に変位し、結果的に、可動盤12と固定盤11とを互いに近接するように締め付けることができる。
以上の開閉駆動装置15により、固定盤11と可動盤12とに挟まれた固定金型61と可動金型62とを型閉じすることができ、或いは、可動盤12と固定盤11とを互いに離間させてこれらに挟まれた固定金型61と可動金型62とを型開きすることができる。さらに、型閉じに際しては、アクチュエータ15eの駆動によって可動盤12を固定盤11側に極めて大きな圧力で押し付けることができ、固定金型61と可動金型62とを十分な力で型締めすることができる。
射出装置16は、シリンダ16a、原料貯留部16b、スクリュ駆動部16c等を備え、射出端16dから温度制御された状態で溶融樹脂を吐出することができる。射出装置16は、シリンダ16aの射出端16dを固定盤11のゲート(後述)に対して分離可能に接続することができ、固定盤11を介して、固定金型61と可動金型62とを型締めした状態で形成されるキャビティCV(図3参照)中に溶融樹脂を所望のタイミングで供給することができる。
取出し装置20は、成形品MPを把持することができるハンド21と、ハンド21を3次元的に移動させる3次元駆動装置22とを備える。取出し装置20は、固定金型61と可動金型62とを離間させて型開きする際に、固定金型61や可動金型62に残る成形品MPを把持して外部に搬出する役割を有する。なお、成形品MPが光学素子である場合、光学面を有する成形品MP本体を傷つけないように、成形に付随して形成される不要部分であるスプル部71g(図6参照)等がハンド21に把持される。
温度調節装置51は、固定金型61と可動金型62との温度調節が可能になっている。具体的には、固定盤11と可動盤12とに設けた流体循環路に温度調節媒体を供給することにより、固定金型61と可動金型62とを必要な温度まで加熱して、固定金型61と可動金型62との間に形成されたキャビティCV中に射出された透明樹脂を硬化させる。
減圧装置53は、固定金型61と可動金型62とで形成されるキャビティCV内の真空引きを可能にする真空ポンプ53aと、真空ポンプ53aからの排気経路を開閉するバルブVとを備える。真空ポンプ53aは、バルブVを介して、固定金型61に設けられた後述する真空引き用の孔52(図3参照)とつながれており、この孔52からキャビティCV内の空気を抜くことができる。
以下、第1実施形態に係る成形用の金型について、図面を参照しつつ説明する。なお、図2(A)は、成形用の金型のうち可動金型62の内面側を説明する図であり、図2(B)は、成形用の金型のうち固定金型61の内面側を説明する図であり、図3は、固定金型61及び可動金型62並びにその周辺を説明する正面断面図である。また、図4(A)、(B)は、それぞれ図3の領域P1,P2の拡大図である。なお、図3において、成形品MPのパターンに相当する転写部は省略している。
固定金型61と可動金型62とを型合わせ又は型閉じして締め付けることにより、両金型61,62間にキャビティCVが形成され、このキャビティCV中にエネルギー硬化性樹脂である熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂等を充填した後に、熱処理、紫外線処理等をすることにより、成形品MPを成形することができる。ここで、熱硬化性樹脂として、例えばシリコーン樹脂、アリルエステル、アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド、ウレタン系樹脂等がある。また、紫外線硬化性樹脂として、例えばシリコーン樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド、ウレタン系樹脂等がある。
図2(B)に示すように、固定金型61は、円柱状の外形を有し、内側の型面61sには、2次元的に配列された多数の素子転写部61aと、これら素子転写部61a間をつなぐ支持体転写部61bとを備える。各素子転写部61aは、成形品MPを構成するレンズ素子に対応する部分であり、円形の外周を有し、中央側の円形の光学転写面61dと、周辺側の環状の周縁転写面61eとを備える。
また、固定金型61は、真空引き用の孔52をさらに備える。なお、固定金型61の下側には、樹脂を注入するためのスプル部61gが形成されている。スプル部61gのキャビティCV側の先端部は、樹脂注入の入り口となるゲートGAとなっている。ゲートGAは、この例では、成形品MPの中心より下側に対応する位置に設けられている。
図2(A)に示すように、可動金型62は、円柱状の外形を有し、内側の型面62sには、2次元的に配列された多数の素子転写部62aと、これら素子転写部62a間をつなぐ支持体転写部62bとを備える。各素子転写部62aは、固定金型61の素子転写部61aに対向して配置されるべきものであり、円形の外周を有し、中央側の円形の光学転写面62dと、周辺側の環状の周縁転写面62eとを備える。
また、可動金型62には、固定金型61のスプル部61gに対抗する位置にスプル部62gが形成されている。
なお、固定金型61と、可動金型62とを型閉じ及び型締めしてキャビティCVを形成した場合、素子転写部61a、62aとによってレンズ素子に対応する部分キャビティPCが形成される。
また、可動金型62は、型面62sの外側に、O−リング63aをさらに備える。O−リング63aは、環状であって、可動金型62に設けられた周溝64aに嵌め込まれている。ここで、O−リング63aは、キャビティCV内の気密性を保つことができガスを発生しない材料を用いる。O−リング63aの材料として例えばフッ素樹脂等が用いられる。
また、可動金型62は、図3及び図4(A)に示すように、型面62sとO−リング63aとの間にシーリング環である樹脂シール63bをさらに備える。樹脂シール63bは、環状であって、固定金型61側の突起部E1と可動金型62側の嵌合部E2とで構成される。嵌合部E2は、突起部E1よりも可動金型62の内部側に向かって幅が大きくなっている。また、嵌合部E2は、可動金型62に設けられた周溝64bの環状凹部64cに嵌め込まれている。なお、突起部E1と嵌合部E2との間は段差形状となっており、段差面S3が係止部K1における成形品MPとの当接面となる。ここで、係止部K1は、エジェクタ機構82の前進に伴って移動することにより、成形品MP(図1参照)を離型方向(固定金型61側)に付勢する部分である。
樹脂シール63bは突起部E1に端面S1を有し、端面S1は型締め時に固定金型61の型面61sに密着する。一方、樹脂シール63bは嵌合部E2に端面S2を有し、端面S2は型締め時に可動金型62の型面62sに密着する。
なお、樹脂シール63bは、シールすべきエネルギー硬化性樹脂に侵されないこと等の特性を有する材料を用いる。例えばシリコーン樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド、66ナイロン、パーフロロエラストマー等が用いられる。
また、可動金型62は、図3及び図4(B)に示すように、型面62sの中央部にシーリング部材63cをさらに備える。シーリング部材63cは、円形であって、固定金型61側の小径部E3と中心部の大径部E4と可動金型62側の挿入部E5とで構成される。小径部E3及び挿入部E5は略同径となっており、大径部E4は小径部E3及び挿入部E5と同軸でありこれらよりも大きい径となっている。また、大径部E4及び挿入部E5は、可動金型62に設けられた型面62s上の第2拡径部64e及び第1拡径部64dにそれぞれ嵌め込まれている。なお、小径部E3と大径部E4との間は段差形状となっており、段差面S6が後述する係止部K2における成形品MPとの当接面となる。また、大径部E4と挿入部E5との間も同様に段差形状となっており、段差面S7は第1拡径部64dと第2拡径部64eとの間に形成される段差面との当接面となる。ここで、係止部K2は、係止部K1と同様にエジェクタ機構82の前進に伴って移動することにより、成形品MP(図1参照)を離型方向(固定金型61側)に付勢する部分である。
シーリング部材63cは、固定金型61側の小径部E3に端面S4を有し、端面S4は型締め時に固定金型61の型面61sに密着する。一方、シーリング部材63cは、可動金型62側の挿入部E5に端面S5を有し、端面S5は型締め時に可動金型62の型面62sに密着する。
なお、シーリング部材63cは、樹脂シール63bと同様に、シールすべきエネルギー硬化性樹脂に侵されないこと等の特性を有する材料を用いる。例えばシリコーン樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド、66ナイロン、パーフロロエラストマー等が用いられる。
また、可動金型62の環状凹部64c及び第1拡径部64dには、それぞれエジェクタ機構82の突出孔H1,H2が設けられている。すなわち、樹脂シール63b及びシーリング部材63cに対応する位置に、複数のエジェクタ機構82が設けられる構造となっており、樹脂シール63b及びシーリング部材63cは、エジェクタ機構82の突出孔H1,H2を塞ぐように配置されている。これらのエジェクタ機構82は、図1に示すエジェクタ81に連結されている。エジェクタ機構82は、可動金型62の型面62sに対して垂直方向に貫通し、進退可能となっている。
図5は、図1に示す射出成形装置100の動作を概念的に説明するフローチャートである。まず、金型温度調節機51により、両金型61,62を成形に適する温度まで加熱する(ステップS10)。
次に、開閉駆動装置15を動作させ、固定盤11を前進させて型閉じを開始させる(ステップS11)。開閉駆動装置15の閉動作を継続することにより、固定金型61と可動金型62とが接触する型当たり位置まで固定盤11が可動盤12側に移動して型閉じが完了する。この際、射出装置16の射出端16dを固定金型61の樹脂注入孔61hに対して気密に当接させてバルブVが開かれ、真空ポンプ53aにより、孔52からキャビティCV中の空気が排出される。開閉駆動装置15の閉動作を更に継続することにより、樹脂シール63b及びシーリング部材63cと固定金型61との接触部分が密閉した状態となり、固定金型61と可動金型62とを必要な圧力で締め付ける型締めが行われる(ステップS12)。この際、樹脂シール63b及びシーリング部材63cが押しつぶされ、キャビティCVが密閉された状態となる。
次に、射出成形機10において、射出装置16を動作させて、型締めされた固定金型61と可動金型62との間のキャビティCV中に、必要な圧力でエネルギー硬化性樹脂である、例えば熱硬化性樹脂を注入する射出を行わせる(ステップS13)。この際、樹脂シール63b及びシーリング部材63cは、それぞれ環状凹部64c及び第1拡径部64dに密着状態となっているため、エジェクタ機構82の突出孔H1,H2から樹脂が入り込まないようになっている。
溶融樹脂をキャビティCVに導入した後は、熱硬化性樹脂の硬化が完了する前にさらに型締めされ、固定金型61の合わせ面と可動金型62の合わせ面とが完全に密着した状態となる。(ステップS14)。
熱硬化性樹脂の硬化が完了した後、射出成形機10において、開閉駆動装置15を動作させて、固定盤11を後退させる型開きが行われる(ステップS15)。これに伴って、可動金型62が後退し、固定金型61と可動金型62とが離間する。この結果、成形品MPすなわちレンズOLは、可動金型62に保持された状態で固定金型61から離型される。
次に、射出成形機10において、取出し装置20を動作させてスプル部71g(図6参照)等がハンド21に把持させ、エジェクタ81を動作させて成形品MPの突き出しを行わせる(ステップS16)。具体的には、エジェクタ機構82により樹脂シール63b及びシーリング部材63cを押し出すことにより、可動金型62から成形品MPが取り出される。
最後に、取出し装置20を動作させて、突き出された成形品MPの適所をハンド21で把持して外部に搬出する(ステップS17)。
図6は、図1の射出成形装置100によって形成された成形品MP、すなわちレンズアレイを説明する図である。図6(A)は、レンズアレイ71の平面図であり、図6(B)は、レンズアレイ71の側面図であり、図6(C)は、レンズアレイ71から切り出した光学素子の側面図である。
図6(A)、図6(B)に示したレンズアレイ71は、円板状の外形を有し、2次元的に配列された多数の光学素子部分71aと、これら光学素子部分71a間をつなぐ支持体71bとを備える。ここで、光学素子部分71aは、図2(B)及び図2(A)の金型61,62に設けた素子転写部61a,62aに対応し、支持体71bは、金型61,62に設けた支持体転写部61b,62bに対応する。前者の光学素子部分71aは、金型61,62の光学転写面61d,62dに挟まれて形成される光学素子本体71dと、金型61,62の周縁転写面61e,62eに挟まれて形成されるフランジ部71eとを備える。
図6(C)に示す光学素子、すなわちレンズにおいて、光学素子本体71dの上側面は、第1光学面71jとなっており、光学素子本体71dの下側面は、第2光学面71kとなっており、この場合、両光学面71j,71kによって凸凹レンズが形成されている。なお、レンズアレイ71の端付近には、三角錐状のスプル部71gが形成されている。
以上説明した射出成形装置100において、エジェクタ機構82が、キャビティCVの内部側に相当する所定位置に対向して可動金型62側に設けられるので、成形品MPの周囲及び中心部を突き出して可動金型62から離型させることができる。この際、エジェクタ機構82が、上記所定位置に設けられた樹脂シール63b及びシーリング部材63cを突き出すので、エジェクタ機構82が成形中にシールされることになり、エジェクタ機構82の挿通孔である突出孔H1,H2に樹脂が浸入することを防止でき、離型時のエジェクタ機構82の確実な動作を確保することができる。また、成形品MPの中心部に相当する型面62sに設けたエジェクタ機構82で突き出すことにより、比較的大きい成形品MPを成形する場合であっても成形品MPが割れるのを防ぐことができる。
また、樹脂シール63b及びシーリング部材63cが固定金型61と可動金型62との間に挟持され、係止部K1,K2が固定金型61側で可動金型62側よりも細径化する段差となっているため、成形中、固定金型61と可動金型62とによって樹脂シール63b及びシーリング部材63cをキャビティCV内に確実に保持することができ、離型時にも成形品MPの突き出しを容易にすることができる。
また、キャビティCVの外周部に固定金型61と可動金型62との接合部をシールする樹脂シール63bを備えることにより、樹脂を金型61,62にきちんと転写させるために必要な高圧力下での成形条件においても、両金型61,62の隙間に樹脂が浸入してキャビティCV外に漏れ出すことを防止できる。
〔第2実施形態〕
以下、第2実施形態に係る射出成形装置及び成形方法について説明する。なお、第2実施形態に係る射出成形装置及び成形方法は、第1実施形態を変形したものであり、特に説明しない部分については、第1実施形態と同様であるものとする。
図7は、本実施形態における固定金型61及び可動金型62並びにその周辺を説明する正面断面図である。なお、図7において、成形品MPのパターンに相当する転写部は省略している。
本実施形態における射出成形装置に組み込まれる金型構造のキャビティCVは、図7に示すように、図3の金型構造のキャビティCVよりも小さく、樹脂シール63bを設けずにシーリング部材63cのみが設けられている。
以上説明した第2実施形態の射出成形装置及び成形方法によれば、高価で精度が要求される樹脂シール63bを設けないため、安定して成形するためにキャビティCVは図3のキャビティCVより小さいものとなる。この金型構造は、シーリング部材63cのみ用いるため、例えばテスト用金型等、安価で簡易に成形する必要があるときに有効である。
以上実施形態に即して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、エネルギー硬化性樹脂に熱硬化性樹脂を用いて金型61、62を加熱することにより樹脂を硬化させたが、紫外線硬化性樹脂等を用いた場合には、成形時に紫外線を照射する等、樹脂の性質に即した処理を行い、硬化させてもよい。具体的には、紫外線硬化性樹脂を用いて射出成形する場合、キャビティCV内に紫外線が照射されるように、可動金型62を透明にする。
また、上記実施形態において、ゲートGAを成形品MPの中心より下側に設けず、中心又は任意の位置に設けてもよい。
また、上記実施形体において、樹脂シール63b及びシーリング部材63cの形状は、図3等に示したものに限らず、突出孔H1,H2を塞ぐことができ、成形品MPを係止できるものであればよい。例えば、係止部K1,K2は、段差ではなく樹脂シール63b及びシーリング部材63cの根元側の径が広くなるような傾斜面を設けることでも成形品MPを係止することができる。
また、上記実施形態において、図8に示すように、シーリング部材163cを可動金型62のみに当接し、固定金型61と離間する構造とすることもできる。この場合、係止部K2はシーリング部材163cの固定金型61側の端面となる。なお、シーリング部材163cは、樹脂が突出孔H2に入り込まないように予め圧入等により密着して固定されている。このシーリング部材163cを用いることにより、図8に示すように、シーリング部材163cがスプル部61gに対抗した金型構造とすることができ、成形品MPのうち製品部分の割合を多くすることができる。
射出成形装置の構造を概念的に説明する正面図である。 (A)は、成形用の金型のうち可動金型の内面側を説明する図であり、(B)は、成形用の金型のうち固定金型の内面側を説明する図である。 固定金型及び可動金型の周辺を説明する図である。 (A)、(B)は、それぞれ図3の樹脂シール及びシーリング部材の部分拡大図である。 図1に示す射出成形装置の動作を概念的に説明するフローチャートである。 (A)は、成形品の平面図であり、(B)は、成形品の側面図であり、(C)は、成形品から切り出した光学素子の側面図である。 図3に示す固定金型及び可動金型の周辺の変形例を説明する図である。 図3に示す固定金型及び可動金型の周辺の別の変形例を説明する図である。
符号の説明
10…射出成形機、 11…固定盤、 12…可動盤、 13…型締め盤、 15…型開閉・型締装置、 20…取出し装置、 51…温度調節装置、 53…減圧装置、 16…射出装置、 16d…射出端、 61…固定金型、 62…可動金型、 63a…O−リング、 63b…樹脂シール、 63c…シーリング部材、 100…射出成形装置、 CV…キャビティ、 GA…ゲート、 V…バルブ、 MP…成形品

Claims (10)

  1. 第1の金型と、
    前記第1の金型に対して開閉可能な第2の金型と、
    型締めされた前記第1の金型と前記第2の金型とによって形成されるキャビティの内部側に相当する所定位置に設けられて、前記所定位置で前記キャビティ内の樹脂が外部に漏れ出すことを防止するためのシーリング部材と、
    前記所定位置に対向して前記第2金型側に設けられて前記シーリング部材を突き出すエジェクタ機構と、
    を備えることを特徴とする金型構造。
  2. 前記シーリング部材は、エジェクタ機構の突出孔を塞ぐように配置されることを特徴とする、請求項1に記載の金型構造。
  3. 前記シーリング部材は、前記エジェクタ機構の前進に伴って移動することにより成形品を離型方向に付勢する係止部を有することを特徴とする、請求項2に記載の金型構造。
  4. 前記シーリング部材は、前記第1の金型と前記第2の金型との間に挟持され、前記係止部は、前記第1の金型側で前記第2の金型側よりも細径化する段差であることを特徴とする、請求項3に記載の金型構造。
  5. 前記シーリング部材は、前記第2の金型と当接するとともに前記第1の金型と離間し、前記係止部は、前記シーリング部材の前記第1の金型側の端面であることを特徴とする、請求項3に記載の金型構造。
  6. 前記キャビティの外周部に設けられて前記第1の金型と前記第2の金型との接合部をシールするシーリング環を備えることを特徴とする、請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の金型構造。
  7. 前記シーリング部材と前記シーリング環とは、前記第2の金型に密着して嵌め込むように取り付けられることを特徴とする、請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の金型構造。
  8. 前記エジェクタ機構の突き出し装置をさらに備えることを特徴とする、請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の金型構造。
  9. 請求項1から請求項8までのいずれか一項記載の金型構造を有することを特徴とする射出成形装置。
  10. 請求項1から請求項8までのいずれか一項記載の金型構造を用いる成形方法であって、
    前記シーリング部材を前記エジェクタ機構で突き出すことによって成形品を前記第2金型から離型することを特徴とする成形方法。
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