JPH1136265A - 水路構造体 - Google Patents

水路構造体

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JPH1136265A
JPH1136265A JP9205210A JP20521097A JPH1136265A JP H1136265 A JPH1136265 A JP H1136265A JP 9205210 A JP9205210 A JP 9205210A JP 20521097 A JP20521097 A JP 20521097A JP H1136265 A JPH1136265 A JP H1136265A
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JP
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concrete
mold
canal
buried
reaction
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Application number
JP9205210A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Ozeki
宏 大関
Hideki Hamanaka
英樹 浜中
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Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/20Hydro energy

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  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 通路内の内壁に貝などの生物が付着せず、破
損しにくく耐久性および耐磨耗性に優れ、しかも施工し
易いコンクリート製水路構造体を提供すること。 【解決手段】 水が流れる水路が内部に形成されたコン
クリート本体6と、前記コンクリート本体6の水路側内
周面に張り巡らされた埋捨型枠8とを有し、前記埋捨型
枠8が、反応射出成形体であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば発電プラ
ントの冷却水取排水口などとして用いられる水路構造体
に係り、さらに詳しくは、通路内の内壁に貝やフジツボ
などの海洋生物が付着しにくく、付着しても剥離しやす
く、且つ破損しにくく耐久性および耐磨耗性に優れ、し
かも施工し易いコンクリート製水路構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば海に近い発電プラントでは、水
路構造体を通して、海水を冷却水として取水し、使用後
の冷却水を海に戻している。このような発電プラントの
冷却水取排水口として用いられる水路構造体は、一般に
コンクリートで構成してある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなコンクリート製水路構造体の内壁面には、貝などの
生物が付着し易いと言う課題を有している。水路の内壁
面に貝やフジツボなどの海洋生物が付着した場合には、
水路の粗度係数が大きくなり、結果として圧力損失が大
きくなり、循環水ポンプの負荷が増大するという課題を
有する。また、コンクリートに直接に海水が接触するこ
とは、水路構造体の耐久性を低下させている。
【0004】なお、海洋生物が付着することを前提とし
て、水路構造体を設計することも考えられるが、その場
合には、水路構造体を構成するコンクリート構造物の断
面が大きくなり、コストアップにつながり好ましくな
い。
【0005】そこで、コンクリート製水路構造体の水路
内壁面に、繊維強化プラスチック(FRP)板を接着剤
で張り巡らす構造が提案されている。しかしながら、F
RP板を水路構造体の水路内壁面に接着剤で接着する構
造では、経年変化により、FRP板が剥がれるおそれが
あり、耐久性の点で難点がある。また、水路の内壁面に
FRP板を接着剤で張り巡らす作業は、著しく困難な作
業である。
【0006】また、水路の内壁面に、フッ素樹脂などの
表面コーティングを行い、内壁面を平滑面とし、海洋生
物などを付着し難くする構造も考えられる。しかしなが
ら、この構造では、コーティング作業が著しく煩雑であ
ると共に、経年変化により劣化しやすいことから、数年
後に表面コーティングをし直さなければならず、そのメ
ンテナンスのためのコストが増大する。
【0007】さらに、水中ロボットにより水路の内部を
定期的に清掃することも考えられるが、現時点では、満
足できるレベルの水中ロボットは実用化されていない。
【0008】本発明は、このような実状に鑑みてなさ
れ、通路内の内壁に貝などの海洋生物に付着しにくく、
付着しても剥離しやすく、且つ破損しにくく耐久性およ
び耐磨耗性に優れ、しかも施工し易いコンクリート製水
路構造体を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る水路構造体は、水が流れる水路が内部
に形成されたコンクリート本体と、前記コンクリート本
体の水路側内周面に張り巡らされた埋捨型枠とを有し、
前記埋捨型枠が、反応射出成形体であることを特徴とす
る。
【0010】(埋捨型枠)本発明において、埋捨型枠と
は、コンクリート本体をコンクリート打設により成形す
る際の内側の型枠として用いられ、コンクリート打設後
には、取り外されることなく、そのまま水路側内壁面に
残されて、水路内を流通する水と接触する部分となるも
のを言う。
【0011】埋捨型枠の形状は、内部に水路を形成する
ような管形状(筒形状)であり、その断面は、矩形でも
円形でも良い。本発明では、水路の断面が大きいものを
想定しているので、可搬性および作業性の観点から、埋
捨型枠は、反応射出成形体で構成された複数の板材を組
み合わせて製作されることが好ましいが、単一の管形状
に一体に成形しても良い。板材を組み合わせて埋捨型枠
を製作する場合には、周方向に2つまたはそれ以上、特
に好ましくは4〜8の部分に分割して成形しておき、現
場にて成形することが好ましい。しかも、分割して成形
する場合には、できるだけ対称な形に分割することが好
ましい。たとえば対称に4分割すれば、部品の種類は1
種類まで少なくすることができる。また、対称に8分割
すれば、角部用板材と平板状板材との2種類にすること
ができ、しかも平板状板材の組み合せ数を変化させるこ
とで、種々の大きさの水路断面に対応することができ
る。
【0012】板材相互の接合部(周方向の接続部のみで
なく長手方向の接続部)には、水路側に突出しない接合
部を形成することが好ましい。水路側内壁面を滑らかに
するためである。接続部としては、フランジやその他の
接続片(はめ込み構造を含む)が例示されるが、フラン
ジであることが好ましい。フランジは、コンクリート側
に突出することから、コンクリートに対する食い込み突
起を兼ねることになり、コンクリートに対する接合が良
好となるからである。また、フランジを設けることで、
埋捨型枠の強度も向上する。
【0013】また、接続部相互を接続するために、ボル
ト・ナットあるいは、接着剤などが用いられることが好
ましい。接着剤としては、たとえばエポキシ系接着剤、
ウレタン系接着剤、ゴム系接着剤、ポリエステル系など
が用いられる。
【0014】埋捨型枠の肉厚は、構造体の寸法に依存し
て決定され、特に限定されないが、好ましくは3〜40
0mm、さらに好ましくは5〜200mm、特に好まし
くは5〜50mmである。構造体の寸法が2m角以下の
小型のものについては、埋捨型枠の肉厚は、好ましくは
3〜20mm、特に好ましくは5〜10mmである。
【0015】本発明では、埋捨型枠は、反応射出成形体
により構成される。埋捨型枠を成形するために、反応射
出成形に用いる反応原液としては、特に限定されない
が、ウレタン系、ウレア系、ナイロン系、エポキシ系、
不飽和ポリエステル系、フェノール系および、ノルボル
ネン系などが挙げられるが、耐水性があり、施工しやす
く、貝やフジツボ等の海洋生物が付着しにくく、付着し
た海洋生物が剥離しやすい点でノルボルネン系が好まし
い。一般的成形条件としては、反応原液温度は20〜8
0°C、反応原液の粘性は、たとえば、30°Cにおい
て、5cps〜3000cps好ましくは100cps
〜1000cps程度である。
【0016】かかる成形においては、補強材を予め金型
内に設置しておき、その中に反応液を供給して重合させ
ることにより強化重合体(成形体)を製造することがで
きる。
【0017】補強材としては、例えば、ガラス繊維、ア
ラミド繊維、カーボン繊維、超高分子量ポリエチレン繊
維、金属繊維、ポリプロピレン繊維、アルミコーティン
グガラス繊維、木綿、アクリル繊維、ボロン繊維、シリ
コンカーバイド繊維、アルミナ繊維などを挙げることが
できる。これらの補強材は、長繊維状またはチョップド
ストランド状のものをマット化したもの、布状に織った
もの、チョップ形状のままのものなど、種々の形状で使
用することができる。これらの補強材は、その表面をシ
ランカップリング材等のカップリング剤で処理したもの
が、樹脂との密着性を向上させる上で好ましい。補強材
の配合量は、特に制限はないが、単量体全重量を100
重量%として、通常10重量%以上、好ましくは20〜
60重量%である。
【0018】また、酸化防止剤、充填剤、顔料、着色
剤、発泡剤、難燃剤、摺動付与剤、エラストマー、ジシ
クロペンタジエン系熱重合樹脂およびその水添物など種
々の添加剤を配合することにより、得られる重合体の特
性を改質することができる。
【0019】酸化防止剤としては、フェノール系、リン
系、アミン系など各種のプラスチック・ゴム用酸化防止
剤がある。充填剤にはミルドガラス、タルク、炭酸カル
シウム、水酸化アルミニウム、雲母、チタン酸カリウ
ム、硫酸カルシウムなどの無機質充填剤がある。エラス
トマーとしては、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリイソ
プレン、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、ス
チレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SB
S)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合
体(SIS)、エチレン−プロピレン−ジエンターポリ
マー(EPDM)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EV
A)およびこれらの水素化物などがある。
【0020】添加剤は、通常、予め反応液のいずれか一
方または双方に混合しておく。
【0021】埋捨型枠を反応射出成形するために用いる
金型は、必ずしも金属製ではなく、耐熱性のある材質で
構成されることが好ましく、特に限定されないが、たと
えばテフロン、ポリエステル、エポキシ、砂、木材、セ
ラミック、ジシクロペンタジエンの反応射出成形型など
を例示することができる。反応射出成形は、低粘度の反
応液を用い、比較的低温低圧で成形できるため、必ずし
も剛性の高い高価な金型を用いる必要はない。金型内は
不活性ガスでシールしてもよい。重合反応に用いる反応
液は窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気下で貯蔵し、かつ
操作することが好ましい。
【0022】金型温度は、好ましくは、10〜150°
C、より好ましくは、20〜120°C、さらに好まし
くは、30〜100°Cである。金型の温度制御は、金
型内に熱媒体用の通路を設け、熱媒体を流通させること
などにより行うことができる。金型圧力は通常0〜10
0Kg/cm2 、好ましくは0〜10Kg/cm2の範
囲である。重合時間は、適宜選択すれば良いが、通常、
反応液の注入終了後、好ましくは30秒〜20分であ
る。
【0023】本発明において、埋捨型枠には、コンクリ
ート側に突出する食い込み用突起が一体に成形してある
ことが好ましい。この食い込み用突起は、埋捨型枠を補
強するためのリブを兼ねても良い。または、食い込み用
突起とは別に、埋捨型枠のコンクリート側には、補強用
リブを形成しても良い。補強用リブは、埋捨型枠の長手
方向に対して平行でも垂直でも斜めであっても良い。ま
たは異方向のリブが相互にクロスするようなリブであっ
ても良い。
【0024】前記補強リブは、埋捨型枠の長手方向に対
して、好ましくは30〜60度、さらに好ましくは40
〜50度、特に好ましくは約45度の角度を有するもの
と、それらのリブに対して略垂直(70〜110度、好
ましくは80〜100度、特に好ましくは約90度)な
向きのリブとがクロスして設けられることが好ましい。
埋捨型枠の重量を増大させることなく、その機械的強度
をバランス良く向上させることができるからである。
【0025】補強用リブの高さは、埋捨型枠を構成する
板材の厚みの0.2〜10倍、好ましくは0.4〜5
倍、特に好ましくは0.5〜3倍程度が好ましい。この
ようなリブが設けられている部分の面積は、埋捨型枠に
おいてコンクリートに接触する面の面積の0.5〜90
%、好ましくは2〜50%程度である。この範囲にある
ときに、埋捨型枠の重量と強度が高度にバランスして好
適である。
【0026】本発明において、埋捨型枠により形成され
る水路は、単一でも良いが、2以上であっても良い。
【0027】(コンクリート本体)本発明において、コ
ンクリート本体は、内部に水路が形成されるものであ
り、その断面形状は特に限定されないが、矩形が好まし
い。また、コンクリート本体の内部に形成される水路の
数も特に限定されず、複数であっても良い。水路を構成
するコンクリート本体の外径寸法は、特に限定されない
が、高さが1〜10m、幅が1〜20m程度である。
【0028】本発明において、コンクリートとしては、
特に限定されず、モルタルも含む意味で用いる。コンク
リート原料は、一般に、セメントと、細骨材と、粗骨材
と、混和剤とを含む。これらの配合割合は、特に限定さ
れない。細骨材としては、砂などが用いられ、粗骨材と
しては、砂利などが用いられる。混和剤としては、たと
えばAE減水剤などが用いられる。
【0029】本発明において、コンクリート本体は、型
枠内にコンクリート材料を打ち込む(打設)することに
より成形される。本発明では、外側には、取り外し可能
な外側型枠を配置し、その外側型枠の内部に、所定の隙
間で、管状に組み立てられた前記埋捨型枠を配置する。
外側型枠と埋捨型枠とを所定間隔に保持するためには、
スペーサ用ボルトなどが用いられる。その所定間隔が、
コンクリート本体の厚みとなる。
【0030】本発明では、管状に組み立てられた埋捨型
枠には、コンクリートとの食い付き性を良好にするため
に、食い込み用突起を型枠と一体成形したり、型枠の外
周面にエポキシ樹脂系接着剤層を予め塗布形成しておく
こともできる。
【0031】エポキシ樹脂系接着剤を、埋捨型枠の外周
面に予め塗布しておき硬化させておくことで、コンクリ
ート打設時に埋捨型枠とコンクリートとの一体化がきわ
めて良好になる。
【0032】エポキシ樹脂系接着剤としては、使用直前
に混合する二液型接着剤が好ましく、(a)常温で液状
のエポキシ樹脂と、(b)常温硬化型硬化剤とで構成さ
れる。
【0033】(a)の例としては、常温で液状またはペ
ースト状のエポキシ樹脂であり、ビスフェノール縮合
物、ヒダントイン系エポキシ樹脂、ノボラック型エポキ
シ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、ダイマー酸変性エポキシ
樹脂、NBR変性エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ
樹脂などの広い種類のエポキシ樹脂が含まれる。特に好
ましいエポキシ樹脂の例としては、ビスフェノールAま
たはビスフェノールFにエピクロルヒドリンなどのエポ
キシ基含有化合物を反応させて得られる初期縮合物など
が挙げられる。また、ビスフェノールAにエチレンオキ
シドまたはプロピレンオキシドを2〜20モル付加した
化合物から誘導されるエポキシ樹脂も使用することがで
きる。
【0034】(b)の例としては、たとえば、エチレン
ジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラ
ミン、テトラエチレンペンタミン、ヘキサメチレンジア
ミン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、N−アミ
ノエチルピペラジン、3,9−ビス(3−アミノプロピ
ル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5.
5)ウンデカン、m−キシレンジアミン、各種ダイマー
酸とジアミンの添加物よりなるポリアミドアミンなどの
脂肪族アミン化合物などを挙げることができる。これら
の硬化剤は1種を用いることができ、あるいは2種以上
を組み合わせて用いることができる。これらの硬化剤
は、通常、常温(15〜40°C)においてエポキシ樹
脂の硬化反応に使用されるものである。
【0035】接着剤の塗布に際しては、上記のエポキシ
樹脂と、上記のエポキシ樹脂用常温硬化型硬化剤を接着
剤の塗布直前に混合する。大量の該エポキシ樹脂と硬化
剤とを混合する場合には、ディスパー、ニーダー、三本
ロール、パドルミキサー、プラネタリーミキサーなどの
混練機を使用することもできるが、接着剤塗布面積が比
較的小さい場合には、少量の該エポキシ樹脂と硬化剤と
を手作業で混合することができる。
【0036】なお、接着剤には、作業性改良のために、
無機フィラーなどが配合されていても良い。無機フィラ
ーとしては、砂、珪砂、炭酸カルシウム、などが例示さ
れる。
【0037】接着剤の塗布前には、埋捨型枠の外周面に
エポキシ接着剤系プライマー処理を行うことが好まし
い。
【0038】埋捨型枠の外周面に接着剤を塗布し、接着
剤層を形成した後、その硬化前には、コンクリートとの
アンカー効果をさらに向上させる目的で次のような処理
を行っても良い。
【0039】粒形の大きい無機系骨材(砂、石、金
属、セメント系硬化物)を、接着剤層の表面に散布、あ
るいは添加する。 金属あるいは合成樹脂製のネットを、接着剤層の表面
に付着させる。 合成樹脂製不織布を、接着剤層の表面に積層(セメン
トスラリーが内部に浸透しアンカー効果発揮)する。 接着剤層の表面に沿って、金属あるいは合成樹脂製の
棒を設置する。 接着剤層の表面に沿って、金属あるいは合成樹脂製の
繊維を散布する。
【0040】接着剤層の表面に沿って、クシ目鏝など
を用いて、凸凹面を付ける。
【0041】硬化後の接着剤層の厚みは、特に限定され
ないが、好ましくは0.05〜5.0μm、さらに好ま
しくは0.5〜2.5μm程度である。この厚みがあま
りに薄いと、コンクリートと埋捨型枠との一体化が不完
全になる傾向にあり、あまりに厚いと、不経済である。
【0042】コンクリートの打設は、現場または工場内
にて行い、外側型枠と埋捨型枠との間の隙間にコンクリ
ートを打ち込む。コンクリート打設後、放置または養生
することで、コンクリートが固化し、水路を形成する管
状の埋捨型枠が一体化されたコンクリート本体から成る
水路構造体が得られる。外側型枠は、コンクリートの固
化後に外される。
【0043】
【作用】本発明に係る水路構造体では、水路側内壁面が
反応射出成形体で構成してある。反応射出成形体、特に
ノルボルネン系単量体を用いた反応射出成形体は、耐衝
撃特性、耐久性に優れ、経年により劣化、磨耗、破損な
どを起こし難い。また、成形体の表面が平滑面であるの
で、水路内表面に貝やフジツボなどの海洋生物が付着し
にくく、付着しても剥離し易くなり、粗度係数の増大に
よる循環ポンプの負荷増大を有効に防止することができ
る。
【0044】さらに、反応射出成形体から成る埋捨型枠
は、コンクリート本体に良好に一体化してあるので、こ
の埋捨型枠が剥がれることはなく、耐久性に優れてい
る。
【0045】さらにまた、この埋捨型枠は、コンクリー
ト本体を成形する際に、同時にコンクリート本体の内部
に埋め込まれるので、施工も容易である。
【0046】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、図面に示す実施
形態に基づき説明する。
【0047】図1は本発明の一実施形態に係る水路構造
体の一部断面斜視図、図2(A)は同実施形態に係る水
路構造体の要部断面図、同図(B)は突起の配置図、図
3は同実施形態に係る水路構造体の製造工程を示す要部
斜視図である。
【0048】第1実施形態 図1に示すように、本実施形態に係る水路構造体2は、
水が流れる断面矩形状の水路10が内部に形成された長
手方向に延びる直方体形状のコンクリート本体6を有す
る。コンクリート本体6は、基礎コンクリート4の上に
設置される。
【0049】コンクリート本体6の水路側内周面には、
埋捨型枠8が張り巡らしてあり、水路10を流れる水
は、埋捨型枠8に接触し、コンクリート本体6には接触
しないようになっている。
【0050】埋捨型枠8は、本実施形態では、長手方向
に細長い複数の板材8a,8bで構成してある。本実施
形態では、2種類の板材8a,8bを、それぞれ4個、
合計8個の板材で埋捨型枠8の全周を構成してある。板
材8aは、断面矩形状の水路10の四隅に配置され、断
面L字形状である。板材8bは、平板状の板材である。
本実施形態では、埋捨型枠8を対称に8つの板材8a,
8bで分割してあるので、埋捨型枠8を構成する部品の
種類を2種類と少なくすることができる。また、断面L
字形状の板材8aと平板状の板材8bとの組み合せによ
り埋捨型枠8を構成し、板材8bの組み合せ数を変える
ことにより、種々の寸法の水路断面も対応することがで
きるので都合が良い。
【0051】図3に示すように、断面L字形状の板材8
aと平板状の板材8bとの接続部には、接続用フランジ
20が形成してある。また、図示省略してあるが、板材
8a,8bの長手方向の接続部にも接続用フランジが形
成してある。フランジ20は、水路10側ではなく、外
周側に突出して形成され、水路10の内周面に突起など
を形成しないようになっている。フランジ20をコンク
リート側に突出させることで、このフランジ20が、後
述する食い込み用突起14と同じような作用を有する。
【0052】フランジ20の合わせ面には接着剤を塗布
しても良く、板材8a,8bを組合せることにより、内
部に水路10が形成された管状の埋捨型枠8を構成して
いる。接着剤としては、たとえばエポキシ系の接着剤が
用いられる。なお、板材8a,8bはボルトナット21
で固定しても良い。この場合の板材8a,8bの接合部
には、パッキンを入れることが好ましく、パッキンの材
質としては、天然ゴム;ブタジエンゴム,ブタジエンア
クリロニトリルゴム,ウレタンゴム,フッ素ゴム,シリ
コンゴムなどの合成ゴム;発泡ポリエチレン,発泡ポリ
ウレタンなどの発泡体を挙げることができる。
【0053】図1および3には省略してあるが、図2に
示すように、埋捨型枠8を構成する板材8a,8bのコ
ンクリート側表面には、食い込み用突起14が一体に成
形してある。
【0054】食い込み用突起14の厚みは、特に限定さ
れないが、3〜20mm程度が好ましい。また、突起1
4の高さは、コンクリート本体6の厚みを超えないこと
を条件に、10〜200mm程度である。また、突起1
4の配置ピッチ間隔は、好ましくは20〜500mm程
度である。
【0055】本実施形態では、食い込み用突起14は、
各板材8a,8bの補強用リブも兼ねている。
【0056】これら補強リブを兼ねた突起14の配置形
状は、図2(B)に示すように、格子形状であり、一方
向に平行な突起14の列が、埋捨型枠8の長手方向Aに
対して傾斜角度θ=約45度で傾斜してあり、これに略
垂直(約90度)に他の平行な突起14の列がクロスす
るようになっている。
【0057】なお、これら突起14は周期的に配置され
ていなくても良い。さらに突起14には、食いつきを良
くするための食い込み用孔12や凹凸を設けても良い。
食い込み用孔12などを形成することで、この孔12内
にもコンクリートが入り込むことになり、埋捨型枠8と
コンクリート本体6との一体化が促進される。
【0058】本実施形態では、コンクリート本体6の厚
みは、200〜2000mm程度である。また、埋捨型
枠8の厚みtは、3〜20mmである。また、水路構造
体の大きさは、巾1〜20m、高さ1〜10mである。
【0059】(埋捨型枠を構成する各板材の製造方法)
本実施形態では、埋捨型枠8を構成する各板材8a,8
bは、以下に示すノルボルネン系単量体の反応射出成形
により成形される。
【0060】本実施形態において使用する単量体は、ノ
ルボルネン環を有するものであればいずれでも良いが、
耐熱性に優れた成形体が得られることから、三環体以上
の多環ノルボルネン系単量体およびそれらの混合物を用
いることが好ましい。
【0061】ノルボルネン系単量体の具体例としては、
ノルボルネン、ノルボルナジエン等の二環体;ジシクロ
ペンタジエン(シクロペンタジエン二量体)、ジヒドロ
ジシクロペンタジエン等の三環体;テトラシクロドデセ
ン等の四環体;シクロペンタジエン三量体等の五環体;
シクロペンタジエン四量体等の七環体;これらのメチ
ル、エチル、プロピル、ブチルなどのアルキル、ビニル
等のアルケニル、エチリデン等のアルキリデン、フェニ
ル、トリル、ナフチル等のアリール等の置換体;更にこ
れらのエステル基、エーテル基、シアノ基、ハロゲン原
子などの極性基を有する置換体などが例示される。これ
らの単量体は、1種以上を組み合わせて用いても良い。
反応活性、海洋生物の付着しにくさなどから極性基を持
たないものが好ましい。さらに、入手が容易であり、反
応性に優れ、得られる樹脂成形体の耐熱性に優れる点か
ら、三環体、四環体、あるいは五環体の単量体およびこ
れらを主成分とする混合物が好ましい。
【0062】また、生成する開環重合体は熱硬化型とす
ることが好ましく、そのためには、上記ノルボルネン系
単量体の中でも、シクロペンタジエン三量体等の反応性
の二重結合を二個以上有する架橋性単量体を少なくとも
含むものが用いられる。全ノルボルネン系単量体中の架
橋性単量体の割合は、通常、2〜30重量%である。
【0063】なお、本発明の目的を損なわない範囲で、
ノルボルネン系単量体と開環共重合し得るシクロブテ
ン、シクロペンテン、シクロペンタジエン、シクロオク
テン、シクロドデセン等の単環シクロオレフィン等を、
コモノマーとして用いても良い。
【0064】本発明においてノルボルネン系単量体を重
合するのに好適に用いられる触媒は、メタセシス触媒で
ある。メタセシス触媒は、反応射出成形(RIM)法で
ノルボルネン系単量体を開環重合できるものであれば特
に限定されず、公知のもので良い。例えば、六塩化タン
グステン、トリドデシルアンモニウムモリブデート、ト
リ(トリデシル)アンモニウムモリブデート等の有機モ
リブデン酸、アンモニウム酸等のモリブデン酸有機アン
モニウム塩等が用いられる。
【0065】メタセシス触媒の使用量は、反応液全体で
使用する単量体1モルに対し、通常、0.01ミリモル
以上、好ましくは0.1ミリモル以上、50ミリモル以
下、好ましくは20ミリモル以下である。メタセシス触
媒の使用量が少なすぎると重合活性が低すぎて反応に時
間がかかるため生産効率が悪く、使用量が多すぎると反
応が激しすぎるため型内に十分に充填される前に硬化し
たり、触媒が析出し易くなり均質に保存することが困難
になる。メタセシス触媒は、通常、単量体に溶解して用
いるが、RIM法による成形体の性質を本質的に損なわ
れない範囲であれば、少量の溶剤に懸濁させ溶解させた
上で、単量体と混合することにより、析出しにくくした
り、溶解性を高めて用いても良い。
【0066】本発明においては、メタセシス共触媒とも
言われる活性剤をメタセシス触媒と共に用いてRIM成
形を行う。活性剤はRIM法でノルボルネン系単量体を
開環重合できるメタセシス触媒を活性化できるものであ
れば特に限定されず、公知のもので良い。例えば、特開
昭58−127728号公報、特開平4−226124
号公報、特開昭58−129013号公報および特開平
6−145247号公報に示すように、アルキルアルミ
ニウム、アルキルアルミニウムハライド、アルコキシア
ルキルアルミニウムハライド、アリールアルキルアルミ
ニウムハライドなどの有機アルミニウム合金、有機スズ
化合物などが挙げられる。これらの活性剤は、それぞれ
単独でまたは二種以上を組み合わせて用いられる。
【0067】活性剤の使用量は、特に限定されないが、
通常、反応液全体で使用するメタセシス触媒1モルに対
して、0.1モル以上、好ましくは1モル以上、かつ1
00モル以下、好ましくは10モル以下である。活性剤
を用いないか、または活性剤の使用量が少なすぎると、
重合活性が低すぎて反応に時間がかかるため生産効率が
悪くなる。また逆に、使用量が多すぎると、反応が激し
すぎるため型内に十分に充填される前に硬化することが
ある。活性剤は、単量体に溶解して用いるが、RIM法
による成形体の性質を本質的に損なわない範囲であれ
ば、少量の溶剤に懸濁させた上で、単量体と混合するこ
とにより、析出しにくくしたり、溶解性を高めて用いて
も良い。
【0068】本発明においては、一般に、上記活性剤に
活性調節剤を併用する。活性調節剤を併用することによ
って、反応速度や、反応液の混合から反応開始までの時
間、反応活性などを変化させることができる。
【0069】活性調節剤としては、メタセシス触媒を還
元する作用を持つ化合物などが用いられ、活性調節剤と
しては、アルコール類、ハロアルコール類、エステル
類、エーテル類、ニトリル類などが例示される。この中
で、たとえばアルコール類の具体例としては、n−プロ
パノール、n−ブタノール、n−ヘキサノール、2−ブ
タノール、イソブチルアルコール、イソプロプルアルコ
ール、t−ブチルアルコールなどが挙げられ、ハロアル
コール類の具体例としては、1,3−ジクロロ−2−プ
ロパノール、2−クロロエタノール、1−クロロブタノ
ールなどが挙げられる。
【0070】活性調整剤の添加量は、用いる化合物によ
って変わり、一様ではない。
【0071】所望により、酸化防止剤、充填剤、顔料、
着色剤、発泡剤、摺動付与剤、難燃化剤、可燃剤、エラ
ストマー、ジシクロペンタジエン系熱重合樹脂およびそ
の水添物など種々の添加剤を反応原液に配合することが
でき、それにより得られるRIM製品の特性を改質する
ことができる。
【0072】特に機械的強度の高い成形体を得る目的
で、ガラス繊維、カーボンファイバー又はこれらをマッ
ト化したものなどの補強材を金型内に予め充填してお
き、次いで重合反応液を金型内に注入し、硬化させるこ
ともできる。補強材の充填量は、特に制限はないが、通
常、単量体の全重量の10重量%以上、好ましくは20
〜60重量%である。充填量が少なければ、機械的強度
の割合が小さい。充填量が多すぎると、均一に充填せず
にむらができたり、充填阻害が生じる傾向にある。
【0073】また、反応原液の粘度調節の目的で、反応
原液にエラストマーを配合しても良い。エラストマーを
反応原液に添加することにより、得られる成形体の耐衝
撃性も向上する。エラストマーの添加量は、反応原液の
30°Cにおける粘度が5cps以上、好ましくは50
cps以上、かつ1000cps以下、好ましくは50
0cps以下となるように適宜選択される。
【0074】これらの添加剤は、予め反応原液のいずれ
か一方、または双方に混合しておくか、あるいは金型の
キャビティに入れておけば良い。
【0075】本実施形態で用いられる反応原液として
は、ノルボルネン系単量体、メタセシス触媒、活性剤、
活性調節剤および任意成分を、2液以上に分けて調整し
たものが用いられる。これらの反応原液は、1液のみで
は塊状重合しないが、全ての液を混合すると各成分が所
定の割合となり、ノルボルネン系単量体が塊状重合す
る。
【0076】たとえば、ノルボルネン系単量体、メタセ
シス触媒、および任意成分からなる液と、ノルボルネン
系単量体、活性剤、活性調節剤および任意成分からなる
液は、それぞれそのままでは重合しない。2液に含まれ
る各成分の総量が本実施形態における各成分の使用量で
あれば、この2液はそれぞれ本実施形態で用いられる反
応原液であり、両者を混合すると反応して塊状重合す
る。
【0077】作業性の良いように、通常2液の反応原液
を用いて塊状重合させているが、3液以上の反応原液を
用いても良い。反応原液の混合後に、ノルボルネン系単
量体中にその他の成分が十分に拡散できるように、通
常、どの反応原液にもノルボルネン系単量体が含有され
ており、その他の成分は、ノルボルネン系単量体中に溶
解、または分散していることが好ましいが、ノルボルネ
ン系単量体が含有されていない反応原液があっても良
い。また、ノルボルネン系単量体、メタセシス触媒、活
性剤の三者を一つの反応原液に含有させると塊状重合が
開始するので、通常、メタセシス触媒と活性剤を一つの
反応原液に含有させることはない。
【0078】反応原液を混合する方法としては、ミキシ
ング・ヘッドで瞬間的に混合させる方法が一般的であ
る。この場合、攪拌原液を収めた容器は別々の流れの供
給源となる。ミキシング・ヘッドとしては、衝突混合装
置、ダイナミックミキサーやスタティックミキサーなど
の低圧注入機などが使用できる。
【0079】反応液の混合後、予備加熱した型内へ数回
に亘って射出、あるいは注入してもよく、また、連続的
に注入しても良いので、装置を軽装化することができ、
低圧で操作可能であり、大型や肉厚の成形体が製造でき
る。更にガラス繊維などの充填材の充填量が多い場合な
どは注入スピードを遅くすることにより型内に均一に反
応液を充填させることが可能となる低圧注入機を用いる
ことが望ましい。
【0080】なお、上記のRIM工程は、触媒の失活な
どの問題を避けるために、型内をN2 などの不活性ガス
をパージするなどしてイナート雰囲気にすることも可能
である。また、フィラー、繊維補強材などを充填する場
合は、吸着水を含んでいる場合は予め乾燥するなどして
吸着水を除去しても良い。
【0081】反応射出成形に際し、金型の温度は、好ま
しくは、10〜150°C、より好ましくは、15〜1
20°C、さらに好ましくは、25〜100°Cであ
る。金型の型締め圧力は通常0〜100Kg/cm2
範囲である。重合時間は、適宜選択すれば良いが、通
常、反応液の注入終了後、30秒〜20分である。な
お、金型は、一般に、キャビティ型とコア型との二つの
型で構成されるが、一方の型の温度を、たとえば10〜
50°C程度高く構成しても良い。一方の型の温度を高
く設定することで、温度の高い側の金型面から反応が進
行し、成形体の表面にスキン層を成形し易くなる。
【0082】(水路構造体の製造方法)本実施形態で
は、上述したような方法で成型された各板材8a,8b
を、図3に示すように、接着剤やボルトナットなどを用
いて管状に組み立てて埋捨型枠8とし、外側型枠30,
30内に、所定の隙間が形成されるように配置する。外
側型枠30は、例えば支持棒材32などにより基礎コン
クリート4の上に支持される。これら外側型枠30およ
び支持棒材32は、通常のコンクリート成形に用いる材
料、たとえば木材などで構成される。また、外側型枠3
0と埋捨型枠8との間の隙間、および埋捨型枠8と基礎
コンクリート4との間の隙間は、図1に示すコンクリー
ト本体6の厚みに相当する部分である。これら隙間は、
図示省略してあるスペーサボルトなどにより保持され
る。なお、埋捨型枠8を構成する各板材8a,8bの外
周面には、図3に示す食い込み用突起14が形成してあ
る。
【0083】このようにして埋捨型枠外側型枠30の内
側に配置した後、外側型枠30,30で囲まれた空間に
コンクリートスラリーを打ち込む(打設)。コンクリー
ト打ち込みの前には、型枠間の空間内に鉄筋などを配設
しても良い。コンクリートの打ち込み後、常温にて養生
を行った後、脱型すると、図1に示すコンクリート本体
6が得られ、水路構造体2が完成する。埋捨型枠8は、
食い込み用突起14の作用によりコンクリート本体6に
対して良好に一体化される。
【0084】本実施形態に係る水路構造体2では、水路
側内壁面を構成する埋捨型枠8がノルボルネン系単量体
の反応射出成形体で構成してある。ノルボルネン系単量
体を用いた反応射出成形体は、耐衝撃特性、耐久性に優
れ、経年により劣化、磨耗、破損などを起こし難い。ま
た、成形体の表面が平滑面であるので、水路10内表面
に貝などの海洋生物が付着しにくくなり、付着しても剥
れ易くなり、粗度係数の増大による循環ポンプの負荷増
大を有効に防止することができる。
【0085】さらに、反応射出成形体から成る埋捨型枠
8は、コンクリート本体6に良好に一体化してあるの
で、この埋捨型枠が剥がれることはなく、耐久性に優れ
ている。
【0086】さらにまた、この埋捨型枠8は、コンクリ
ート本体6を成形する際に、同時にコンクリート本体6
の内部に埋め込まれるので、施工も容易である。
【0087】第2実施形態 本実施形態では、図3に示すように、埋捨型枠8を外側
型枠30の内側に配置する前に、埋捨型枠8の外周面
に、エポキシ樹脂系接着剤層を形成する。接着剤層の厚
みは、特に限定されないが、好ましくは0.05〜5.
0mm、さらに好ましくは0.5〜2.5mm程度であ
る。接着剤の塗布方法は、たとえば刷毛塗り、鏝塗りな
どが採用される。
【0088】エポキシ樹脂系接着剤としては、使用直前
に混合する二液型接着剤が用いられ、(a)常温で液状
のエポキシ樹脂と、(b)常温硬化型硬化剤とで構成さ
れる。
【0089】埋捨型枠8の外周面に接着剤層を形成した
後、好ましくは、8時間以上、さらに好ましくは24時
間以上放置し、養成後、この埋捨型枠8を外側型枠30
の内側に配置する。
【0090】その後に、外側型枠30,30で囲まれた
空間にコンクリートスラリーを打ち込む(打設)。コン
クリート打ち込みの前には、型枠間の空間内に鉄筋など
を配設しても良い。コンクリートの打ち込み後、常温に
て養生を行った後、脱型すると、図1に示すコンクリー
ト本体6が得られ、水路構造体2が完成する。埋捨型枠
8は、接着剤層の作用によりコンクリート本体6に対し
て良好に一体化される。
【0091】なお、本発明は、上述した実施形態に限定
されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変する
ことができる。
【0092】たとえば、上述した実施形態では、埋捨型
枠8を複数の板材8a,8bを組み合わせて構成した
が、これに限定されず、ノルボルネン系単量体の反応射
出成形体で一体成形された管部材で構成することもでき
る。
【0093】また、本発明に係る水路構造体に形成する
水路は、上述した実施形態に示すように、必ずしも単一
ではなく、複数であっても良い。図4に示す水路構造体
2Aは、埋捨型枠8を水平に二つ並べて配置することに
より、水路10を二つとしている。また、図5に示す水
路構造体2Bでは、埋捨型枠を水平に二つ上下に二段と
することにより、水路10を4つにしている。
【0094】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、水路側内壁面が反応射出成形体、特にノルボルネン
系単量体を用いた反応射出成形体で構成してあるので、
経年により劣化、磨耗、破損などを起こし難い。また、
成形体の表面が平滑面であるので、水路内表面に貝やフ
ジツボなどの海洋生物が付着しにくく、付着しても剥れ
易くなり、粗度係数の増大による循環ポンプの負荷増大
を有効に防止することができる。
【0095】さらに、反応射出成形体から成る埋捨型枠
は、コンクリート本体に良好に一体化してあるので、こ
の埋捨型枠が剥がれることはなく、耐久性に優れてい
る。
【0096】さらにまた、この埋捨型枠は、コンクリー
ト本体を成形する際に、同時にコンクリート本体の内部
に埋め込まれるので、施工も容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施形態に係る水路構造体の
一部断面斜視図である。
【図2】図2(A)は同実施形態に係る水路構造体の要
部断面図、同図(B)は突起の配置図である。
【図3】図3は同実施形態に係る水路構造体の製造工程
を示す要部斜視図である。
【図4】図4は本発明の他の実施形態に係る水路構造体
の一部断面斜視図である。
【図5】図5は本発明の他の実施形態に係る水路構造体
の一部断面斜視図である。
【符号の説明】
2,2A,2B… 水路構造体 4… 基礎コンクリート 6… コンクリート本体 8… 埋捨型枠 10… 水路 12… 食い込み用孔 14… 食い込み用突起 20… フランジ(接続部) 30… 外側型枠 32… 支持棒

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水が流れる水路が内部に形成されたコン
    クリート本体と、 前記コンクリート本体の水路側内周面に張り巡らされた
    埋捨型枠とを有し、 前記埋捨型枠が、反応射出成形体である水路構造体。
  2. 【請求項2】 前記埋捨型枠が、ノルボルネン系単量体
    を用いた反応射出成形体から成る板材を管状に組み合わ
    せて構成してある請求項1に記載の水路構造体。
  3. 【請求項3】 前記埋捨型枠には、コンクリート側に突
    出する食い込み用突起が一体に成形してある請求項1ま
    たは2に記載の水路構造体。
JP9205210A 1997-07-15 1997-07-15 水路構造体 Pending JPH1136265A (ja)

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JP9205210A JPH1136265A (ja) 1997-07-15 1997-07-15 水路構造体

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012133347A1 (ja) * 2011-03-28 2012-10-04 ダイキン工業株式会社 水生生物付着防止シート及び水生生物付着防止塗料
CN110409387A (zh) * 2019-06-21 2019-11-05 武昌理工学院 衬砌结构混凝土通水冷却水温控制方法
JP2021188501A (ja) * 2020-05-28 2021-12-13 日鉄ケミカル&マテリアル株式会社 水路用コンクリート構造物の補強方法及び補強構造

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WO2012133347A1 (ja) * 2011-03-28 2012-10-04 ダイキン工業株式会社 水生生物付着防止シート及び水生生物付着防止塗料
CN110409387A (zh) * 2019-06-21 2019-11-05 武昌理工学院 衬砌结构混凝土通水冷却水温控制方法
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