JPH11182028A - 樹脂製型枠 - Google Patents

樹脂製型枠

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JPH11182028A
JPH11182028A JP36395497A JP36395497A JPH11182028A JP H11182028 A JPH11182028 A JP H11182028A JP 36395497 A JP36395497 A JP 36395497A JP 36395497 A JP36395497 A JP 36395497A JP H11182028 A JPH11182028 A JP H11182028A
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thick
resin
concrete
skin layer
mold
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JP36395497A
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Toshio Nakamura
俊夫 中村
Akira Mano
昭 間野
Makoto Yamaguchi
誠 山口
Takayuki Mihira
能之 三平
Hiroshi Ozeki
宏 大関
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Ebara Corp
Zeon Corp
Original Assignee
Ebara Corp
Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂による一体成形品で、しかも軽量で十分
な剛性及び日射によって発生する熱の遮断性を有する樹
脂製型枠を提供する。 【解決手段】 コンクリート打設面を有する平板状の堰
板部を有する樹脂製型枠10において、前記堰板部は、
樹脂成形された発泡構造の厚肉部12と、この厚肉部の
前記コンクリート打設面側に一体に設けられたより緻密
なスキン層部14を有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、ビルなど
の建築物の建設に使用されるコンクリート打設用の型枠
に関し、詳しくは、軽量で耐久性に優れた樹脂製の型枠
に関する。
【0002】
【従来の技術】ビルなどの建築物の建設に使用されるコ
ンクリート打設用の型枠は、その大半(約97%、年間
約105万m3 )がラワン合板(ベニヤ板)で作られて
いる。しかし、この種の木製の型枠は、吸湿、表面の剥
離、端面の損傷などにより、通常、2〜3回の使用で廃
棄される。従って、これらのラワン合板の原料を得るた
めの熱帯雨林の大量伐採、及び廃棄型枠の焼却処分によ
る二酸化炭素の大量排出等が、共に地球規模の環境問題
として取り上げられている。
【0003】また、上記の木製の型枠は精密な成形が困
難であり、ビルなどの建築物を建設する作業において、
作業の合理化や機械化による作業環境の改善、効率化、
コストの低減には不向きである。そこで、近年、例えば
熱可塑性樹脂製の型枠が徐々に普及し始めているが、こ
の場合には大型の射出成形機や高価な金型が必要とな
る。そこで、成形条件の緩いRIM法によって成形し、
より安価に樹脂型枠を提供することも提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、RIM
法により成形した平板状の型枠においては、特に大型の
ものにおいては剛性に問題がある。さらに、薄肉の場
合、日射によって発生する熱がコンクリートに対向する
面を早期に乾燥させて荒らし、コンクリートの剥離性を
低下させるために硬化後のコンクリートから型枠を外す
際に大きな力が必要となり、型枠が大きく歪むため型枠
としての寿命が低下する。これらを防止するため、厚さ
を大きくすることは可能であるが、重量が増して取扱い
が不便となり、また、素材コストも上昇する。
【0005】本発明は上記に鑑み、樹脂による一体成形
品で、しかも軽量で十分な剛性及び日射によって発生す
る熱の遮断性を有する樹脂製型枠を提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、コンクリート打設面を有する平板状の堰板部を有す
る樹脂製型枠において、前記堰板部は、樹脂成形された
発泡構造の厚肉部と、この厚肉部の前記コンクリート打
設面側に一体に設けられたより緻密なスキン層部を有す
ることを特徴とする樹脂製型枠である。
【0007】これにより、厚肉部を発泡構造として十分
な剛性を確保すると同時に軽量化を図り、しかも厚肉部
の少なくとも片面をより緻密なスキン層部として、打設
面の耐用期間を延ばすとともに、コンクリート打設面の
仕上がり変形量を所望の値以下に抑えることができる。
【0008】請求項2に記載の発明は、前記厚肉部と前
記スキン層の少なくとも一方がジシクロペンタジエンを
主原料とした反応射出成形法により成形されていること
を特徴とする請求項1に記載の樹脂製型枠である。ジシ
クロペンタジエンを主原料とする樹脂は低粘度の液状で
あるので常温で成形用型に対して均一に充填させること
ができ、また、原料成分には高度な化学的活性があり、
キャビティ内で急速に重合固化して弾性力または剛性の
あるポリマーを形成する。
【0009】請求項3に記載の発明は、前記厚肉部と前
記スキン層が同一の反応射出成形工程により成形されて
いることを特徴とする請求項2に記載の樹脂製型枠であ
る。この場合、素材は同一であっても、あるいは異種の
素材の組み合わせであってもよい。発泡性の制御やスキ
ン層の表面の平坦化のために、型温度の制御あるいは加
圧などの種々の周知の方法を用いることができる。
【0010】請求項4に記載の発明は、前記厚肉部と前
記スキン層が、別々に成形された後に貼り合わせられて
いることを特徴とする請求項1に樹脂製型枠である。こ
の場合も、素材は同一であっても、あるいは異種の素材
の組み合わせであってもよい。
【0011】請求項5に記載の発明は、前記厚肉部に該
厚肉部の一部をくり抜いた形状の空洞部を設けたことを
特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の樹脂製型
枠である。これにより、空洞部を介して、コンクリート
打設前の配筋や電気配線のための電包管の配置状態の確
認や、打設するコンクリートの充填状態等を確認するこ
とができる。
【0012】請求項6に記載の発明は、前記厚肉部の幅
方向の中央部に治具取付用薄肉部を形成したことを特徴
とする請求項1乃至5のいずれかに記載の樹脂製型枠で
ある。これにより、互いに側端面を突合せつつ型枠を横
方向に敷き並べた後、市販のスペーサ治具を治具取付用
薄肉部に取り付けて、型枠相互間を均一の間隔に保持す
ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1乃至図3は、本発明の第1の
実施の形態を示すもので、この実施の形態の樹脂製型枠
10は、コンクリート打設面を有する平板状の堰板部を
構成するものである。この樹脂製型枠10は、例えば幅
Wと長さL(W×L)が一定の規格(600mm×30
00mm、または900mm×1800mm)に設定さ
れ、肉厚t1 が例えば60mmの発泡構造の矩形平板状
の厚肉部12を有している。そして、厚肉部12の両面
には、表面が平坦で内部より緻密なスキン層部14,1
4が該発泡構造の厚肉部12と同一材によってこれと一
体に設けられている。
【0014】更に、厚肉部12の裏面側の幅方向に沿っ
た中央部には、その肉厚t2 が、一般の既存の木製の型
枠の板厚と同じ厚さの12mmに設定された治具取付用
薄肉部16が該厚肉部12の長手方向に沿って所定のピ
ッチで設けられている。これは、互いに側端面を突合わ
せつつ樹脂製型枠10同士、或いは樹脂製型枠10と既
存の木製型枠を横方向に敷き並べ、市販のスペーサ治具
を治具取付用薄肉部16に取り付けて、型枠相互間を均
一の間隔に保持するために設けられている。
【0015】樹脂製型枠10は、反応液の中に適量の発
泡剤を添加した樹脂による反応射出成形法により一体に
成形されている。本発明において、反応射出成形(RI
M)は、メタセシス触媒の存在下に、ノルボルネン系モ
ノマーを金型内で塊状重合するものが好ましく用いられ
る。このRIMで使用するモノマーは、ノルボルネン環
を有するものであればいずれでも良いが、耐熱性に優れ
た型枠が得られることから、三環体以上の多環ノルボル
ネン系モノマーおよびそれらの混合物を用いることが好
ましい。
【0016】ノルボルネン系モノマー ノルボルネン系モノマーの具体例としては、ノルボルネ
ン、ノルボルナジエン等の二環体;ジシクロペンタジエ
ン(シクロペンタジエン二量体)、ジヒドロジシクロペ
ンタジエン等の三環体;テトラシクロドデセン等の四環
体;シクロペンタジエン三量体等の五環体;シクロペン
タジエン四量体等の七環体;これらのメチル、エチル、
プロピル、ブチルなどのアルキル、ビニル等のアルケニ
ル、エチリデン等のアルキリデン、フェニル、トリル、
ナフチル等のアリール等の置換体;更にこれらのエステ
ル基、エーテル基、シアノ基、ハロゲン原子などの極性
基を有する置換体などが例示される。これらのモノマー
は、1種以上を組み合わせて用いても良い。入手が容易
であり、反応性に優れ、得られる樹脂成形体の耐熱性に
優れる点から、三環体、四環体、あるいは五環体のモノ
マーおよびこれらを主成分とする混合物が好ましい。
【0017】また、生成する開環重合体は熱硬化型とす
ることが好ましく、そのためには、上記ノルボルネン系
モノマーの中でも、シクロペンタジエン三量体等の反応
性の二重結合を二個以上有する架橋性モノマーを少なく
とも含むものが用いられる。全ノルボルネン系モノマー
中の架橋性モノマーの割合は、2〜30重量%が好まし
い。
【0018】なお、本発明の目的を損なわない範囲で、
ノルボルネン系モノマーと開環共重合し得るシクロブテ
ン、シクロペンテン、シクロペンタジエン、シクロオク
テン、シクロドデセン等の単環シクロオレフィン等を、
コモノマーとして用いても良い。
【0019】メタセシス触媒 ノルボルネン系モノマーを用いた反応射出成形において
使用することができるメタセシス触媒は、タングステン
やモリブデンなどの遷移金属の化合物であり、トリドデ
シルアンモニウムモリブデート、もしくはトリ(トリデ
シル)アンモニウムモリブデート等のモリブデン酸有機
アンモニウム塩等のモリブデン系メタセシス触媒が好ま
しい。
【0020】メタセシス触媒の使用量は、反応液全体で
使用するモノマー1モルに対し、通常、0.01ミリモ
ル以上、好ましくは0.1ミリモル以上、50ミリモル
以下、好ましくは20ミリモル以下である。メタセシス
触媒の使用量が少なすぎると重合活性が低すぎて反応に
時間がかかるため生産効率が悪く、使用量が多すぎると
反応が激しすぎるため型内に十分に充填される前に硬化
したり、触媒が析出し易くなり均質に保存することが困
難になる。メタセシス触媒は、通常、モノマーに溶解し
て用いるが、RIM法による成形体の性質を本質的に損
なわれない範囲であれば、少量の溶剤に懸濁させ溶解さ
せた上で、モノマーと混合することにより、析出しにく
くしたり、溶解性を高めて用いても良い。
【0021】活性剤 活性剤(共触媒)としては、特開昭58−127728
号公報、特開平4−226124号公報、特開昭58−
129013号公報、特開平4−145247号公報に
開示してあるような公知の活性剤であれば、特に制限は
ないが、本発明においては、例えばエチルアルミニウム
ジクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド等のアルキ
ルアルミニウムハライド、アルコキシアルキルアルミニ
ウムハライド等の有機アルミ化合物が好ましく用いられ
る。
【0022】活性剤の使用量は、特に限定されないが、
通常、反応液全体で使用するメタセシス触媒1モルに対
して、0.1モル以上、好ましくは1モル以上、かつ1
00モル以下、好ましくは10モル以下である。活性剤
を用いないか、または活性剤の使用量が少なすぎると、
重合活性が低すぎて反応に時間がかかるため生産効率が
悪くなる。また逆に、使用量が多すぎると、反応が激し
すぎるため型内に十分に充填される前に硬化することが
ある。活性剤は、モノマーに溶解して用いるが、RIM
法による成形体の性質を本質的に損なわない範囲であれ
ば、少量の溶剤に懸濁させた上で、モノマーと混合する
ことにより、析出しにくくしたり、溶解性を高めて用い
ても良い。
【0023】本発明においては、一般に、上記活性剤に
活性調節剤を併用する。活性調節剤を併用することによ
って、反応速度や、反応液の混合から反応開始までの時
間、反応活性などを変化させることができる。
【0024】活性調節剤としては、メタセシス触媒を還
元する作用を持つ化合物などが用いられ、活性調節剤と
しては、アルコール類、ハロアルコール類、エステル
類、エーテル類、ニトリル類などが例示される。この中
で、例えばアルコール類の具体例としては、n−プロパ
ノール、n−ブタノール、n−ヘキサノール、2−ブタ
ノール、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、t−ブチルアルコールなどが挙げられ、ハロアルコ
ール類の具体例としては、1,3−ジクロロー2−プロ
パノール、2−クロロエタノール、1−クロロブタノー
ルなどが挙げられる。なお、活性調節剤の添加量は、用
いる化合物によって変わり、一様ではない。
【0025】その他の任意成分 所望により、酸化防止剤、充填剤、顔料、着色料、発泡
剤、摺動付与剤、エラストマー、ジシクロペンタジエン
系熱重合樹脂およびその水添物など種々の添加剤を反応
原液に配合することができ、それにより得られるRIM
製品の特性を改質することができる。特に機械的強度の
高い成形体を得る目的で、補強材を金型内に予め充填し
ておき、次いで重合反応液を金型内に注入し、硬化させ
ることもできる。
【0026】酸化防止剤としては、フェノール系、リン
系、アミン系など各種のプラスチック・ゴム用酸化防止
剤がある。充填剤にはミルドガラス、カーボンブラッ
ク、タルク、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、雲
母、チタン酸カリウム、硫酸カルシウム等の無機質充填
剤がある。
【0027】本発明において、得られる型枠の耐衝撃性
をさらに向上させるために、任意に含有させることがで
きるエラストマーとしては、天然ゴム;ボリブタジエ
ン、ポリイソプレン等の炭化水素ゴム;ニトリルゴム、
クロロプレンゴム、シリコンゴム、アクリルゴム、フッ
素ゴムなどの炭化水素基以外の基を有する特殊ゴム;ス
チレン/ブタジエン共重合ゴム(SBR)、スチレン/
ブチジエンブロック共重合ゴム(ブロックSBR)、ス
チレン/ブタジエン/スチレンブロック共重合ゴム(S
BS)、スチレン/イソプレン/スチレンブロック共重
合ゴム(SIS)などの芳香族/ジエン共重合ゴム;ス
チレン/ブダジエン/スチレンブロック共重合ゴムの水
素添加物、スチレン/イソプレン/スチレンブロック共
重合ゴムの水素添加物などの芳香族/ジエン共重合ゴム
の水素添加物;エチレン/酢酸ビニル共重合ゴム;エチ
レン/プロピレン共重合ゴム(EPM),エチレン/プ
ロピレン/ジエン共重合ゴム(EPDM)などのEPラ
バーなどを挙げることができる。これらの中でも反応液
との相溶性に優れることから、ポリブタジエン、ポリイ
ソプレン等の炭化水素ゴム;SBR、ブロックSBR、
SISなどの芳香族/ジエン共重合ゴムが好ましい。エ
ラストマーの添加量は、反応原液の30℃における粘度
が5cps以上、好ましくは50cps以上、かつ10
00cps以下、好ましくは500cps以下となるよ
うに適宜選択される。
【0028】または、エラストマーの代わりに、ポリエ
チレン、ポリプロピレン等の樹脂を添加しても良い。そ
のこれらのエラストマーまたは樹脂の添加量は、反応原
液の30℃における粘度が5cps以上、好ましくは5
0cps以上、かつ1000cps以下、好ましくは5
00cps以下となるように適宜選択される。添加剤
は、通常、予め反応液のいずれか一方または双方に混合
しておく。
【0029】反応射出成形方法 反応射出成形の前準備として、ノルボルネン系モノマ
ー、メタセシス触媒及びアルミニウム系活性剤を主材と
する反応射出成形用材料を、ノルボルネン系モノマーと
メタセシス触媒とよりなるB液と、前記のノルボルネン
系モノマーとアルミニウム系活性剤とよりなるA液との
安定な2液に分けて、それぞれを別のタンクに入れてお
く。
【0030】A液またはB液からなる反応原液の温度は
20〜80℃、反応原液の粘性は、例えば、30℃にお
いて、5cps〜3000cps好ましくは100cp
s〜1000cps程度である。
【0031】反応射出成形においては、補強材を予め金
型内に設置しておき、その中に反応液を供給して重合さ
せることにより強化ポリマー(成形体)を製造すること
ができる。反応射出成形を開始するには、ミキサーを制
御し、タンクからのA液およびB液を混合し、その混合
液を反応原液として金型のキャビティ内に充填する。キ
ャビティ内に充填された反応原液は、キャビティの内部
に行き渡る。
【0032】重合時間は、適宜選択すればよいが、通
常、反応液の注入終了後、20秒〜20分程度である。
本発明では、反応射出成形時に、金型の温度は、好まし
くは、10〜150℃、より好ましくは、20〜120
℃、さらに好ましくは、30〜100℃に制御される。
【0033】本発明において用いられる金型の材質は、
特に限定されず、鉄、鋳鉄、ステンレス、アルミニウ
ム、ニッケル電鋳などの金属に限らず、合成樹脂、ある
いはその他の材質でも良い。反応射出成形は、比較的低
圧での成形が可能であり、必ずしも高剛性の金型を用い
る必要はない。
【0034】キャビティでの反応射出成形が終了し、成
形体が固化した段階で、型開きすれば、ノルボルネン系
モノマーの反応射出成形体からなるコンクリート打設用
型枠が得られる。
【0035】本発明においては、得られる型枠の大きさ
は、特に限定されないが、矩形板の場合、縦が900〜
1800mm、横が300〜600mm、板状部の厚み
が2〜8mm程度が取り扱い易く好ましい。
【0036】この混合の際、またはこれに先だって、ア
ゾ系発泡剤、スルホヒドラジド系発泡剤、ニトロソ系発
泡剤等の適量の発泡剤を樹脂に添加することにより、R
IM成形工程において、厚肉部の内部に発泡構造が形成
される。また、スキン層の形成は、成形用型の表面の温
度を制御したり、あるいは成形の過程で加圧したりする
ことにより得られる。
【0037】ジシクロペンタジエンを主原料とする樹脂
は、低粘度の液状であるため、流し込みによって成形を
行うことができ、しかも樹脂を成形用型に対して均一に
充填させることができる。また、原料成分には高度な化
学的活性があり、これらの液状原料は、キャビティ内で
急速に重合固化して弾性力または剛性のあるポリマーを
形成する。
【0038】このような構成の樹脂製型枠は、肉厚が大
きいので、例えば600mm×3000mmといった大
型の外壁用型枠を構築しても、打設されるコンクリート
に十分に耐え得る型枠としての十分な剛性を有する。し
かも、内部に発泡構造を有するので重量は比較的小さ
い。すなわち、肉厚t1 が60mmであっても、一般に
板厚が12mmのラワン合板(ベニヤ板)からなる既存
の木製の型枠とほぼ同等な重量であり、作業者が容易に
持ち運ぶことができる。
【0039】しかも、スキン層部14,14が厚肉部1
2の表面に設けられているので、コンクリート打設面の
仕上がり変形量を、±1mm以下(内壁部;±2mm以
下)に抑えることができる。また、充分な厚さを持って
いるので、長時間の日照を受けても、コンクリート打設
面が日射によって発生する熱による乾燥によって変質し
て表面性状が悪くなるような事態を回避することがで
き、従って、充分な耐用期間が得られる。
【0040】図4は、第1の実施の形態の変形例を示す
もので、これは、樹脂製型枠10の発泡構造の厚肉部1
2のコンクリート打設面のみにスキン層部14を形成し
たものである。コンクリート打設面以外の面は、特に平
坦でも緻密でもある必要が無いので、このようにするこ
とでさらなる軽量化を図ることができる。
【0041】図5は、本発明の第2の実施の形態を示す
もので、この実施の形態の樹脂製型枠10aは、平坦で
緻密なスキン層部14aと発泡構造の厚肉部12をRI
M成形の工程において貼り合わせるようにしたものであ
る。この実施の形態では発泡構造の厚肉部12を低密度
ポリエチレンで形成し、スキン層部14a,14aをジ
シクロペンタジエンにより形成している。この成形は、
表面を最初に成形し、完全に固化しない内にバックアッ
プの発泡する材料を成形する二段成形、あるいは金型に
あたる部分が発泡しないような液組成の原料を注入しス
キン層を形成させ、内部を発泡させる方法等によって行
われる。
【0042】このように、厚肉部12とスキン層部14
aを異種材で一体に成形することによって、成形上のヒ
ケや反りが生じてしまうことを防止することができる。
また、それぞれの特長を併せ持つような性質を持つ樹脂
製型枠が作製される。具体的には、内部に発泡構造を作
りやすくかつ強度が高いものを用い、スキン層部に耐摩
耗性や日射によって発生する熱の遮断性が良いものを用
いることで、より軽量でかつ剛性の高いものが得られ
る。
【0043】図6は、第2の実施の形態の変形例を示す
もので、これは、樹脂製型枠10aの発泡構造の厚肉部
12のコンクリートと直接接触する片面のみにスキン層
部14aを形成したものである。
【0044】図7は、本発明の第3の実施の形態を示す
もので、この実施の形態の樹脂製型枠10bは、第2の
実施の形態と同様な低密度ポリエチレン等の発泡構造を
有する厚肉部12の両面に、厚肉部12とは別体に形成
したスキン層部14b,14bを、接着剤20等によっ
て機械的に貼り付けて構成したものである。この実施の
形態にあっても、図5の実施の形態と同様の効果を得る
ことができる。
【0045】図8は、第3の実施の形態の変形例を示す
もので、これは、樹脂製型枠10bの発泡構造の厚肉部
12のコンクリート打設面のみにスキン層部14bを形
成したものである。
【0046】図9は、本発明の第4の実施の形態を示す
もので、この実施の形態の樹脂製型枠10cは、図5な
いし図8の実施の形態と同様に発泡構造の厚肉部12と
スキン層部14aを一体に形成し、さらに厚肉部12の
一部をくり抜いて空洞部22を設けたものである。そし
て、特にスキン層部14aを透明な材質の樹脂で形成し
ている。スキン層部14aの形成は、RIM成形工程で
行っても、別体に構成したスキン層部14aを貼り付け
て行っても良い。
【0047】このように、空洞部22を設けることによ
り、この空洞部22及び透明なスキン層部14aを介し
て、コンクリート打設前の配筋や電気配線のための電包
管の配置状態の確認、さらには打設するコンクリートの
充填状態の確認等を行なうことができる。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
厚肉部を発泡構造として十分な剛性を確保すると同時に
軽量化を図り、しかも厚肉部の少なくとも片面をより緻
密なスキン層部として、打設面の耐用期間を延ばすとと
もに日射によって発生する熱の遮断性を改善し、しか
も、コンクリート打設面の仕上がり変形量を所望の値以
下に抑えることができるような樹脂製型枠を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の裏面側から見た樹
脂製型枠の斜視図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】図2の一部拡大断面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態の変形例を示す一部
拡大断面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態を示す一部拡大断面
図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態の変形例を示す一部
拡大断面図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態を示す一部拡大断面
図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態の変形例を示す一部
拡大断面図である。
【図9】本発明の第4の実施の形態を示す一部拡大断面
図である。
【符号の説明】
10,10a,10b,10c 樹脂製型枠 12 厚肉部 14,14a,14b スキン層部 16 治具取付用薄肉部 20 接着剤 22 空洞部
フロントページの続き (72)発明者 山口 誠 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内 (72)発明者 三平 能之 神奈川県川崎市川崎区夜光1−2−1 日 本ゼオン株式会社総合開発センター内 (72)発明者 大関 宏 東京都千代田区丸の内2−6−1 日本ゼ オン株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンクリート打設面を有する平板状の堰
    板部を有する樹脂製型枠において、 前記堰板部は、樹脂成形された発泡構造の厚肉部と、こ
    の厚肉部の前記コンクリート打設面側に一体に設けられ
    たより緻密なスキン層部を有することを特徴とする樹脂
    製型枠。
  2. 【請求項2】 前記厚肉部と前記スキン層の少なくとも
    一方がジシクロペンタジエンを主原料とした反応射出成
    形法により成形されていることを特徴とする請求項1に
    記載の樹脂製型枠。
  3. 【請求項3】 前記厚肉部と前記スキン層が同一の反応
    射出成形工程により成形されていることを特徴とする請
    求項2に記載の樹脂製型枠。
  4. 【請求項4】 前記厚肉部と前記スキン層が、別々に成
    形された後に貼り合わせられていることを特徴とする請
    求項1に記載の樹脂製型枠。
  5. 【請求項5】 前記厚肉部に該厚肉部の一部をくり抜い
    た形状の空洞部を設けたことを特徴とする請求項1乃至
    4のいずれかに記載の樹脂製型枠。
  6. 【請求項6】 前記厚肉部の幅方向の中央部に治具取付
    用薄肉部を形成したことを特徴とする請求項1乃至5の
    いずれかに記載の樹脂製型枠。
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