JPH11165308A - コンクリート打設用パネル - Google Patents

コンクリート打設用パネル

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Publication number
JPH11165308A
JPH11165308A JP34701197A JP34701197A JPH11165308A JP H11165308 A JPH11165308 A JP H11165308A JP 34701197 A JP34701197 A JP 34701197A JP 34701197 A JP34701197 A JP 34701197A JP H11165308 A JPH11165308 A JP H11165308A
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JP
Japan
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panel
concrete
panels
concrete casting
mold
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Application number
JP34701197A
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English (en)
Inventor
Yasushi Tanaka
靖司 田中
Toshio Nakamura
俊夫 中村
Akira Mano
昭 間野
Makoto Yamaguchi
誠 山口
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Ebara Corp
Zeon Corp
Original Assignee
Ebara Corp
Nippon Zeon Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 合成樹脂製でありながら、耐衝撃性に優れ、
しかもコンクリート打設に際して型枠内部を観察するこ
とができる透明性の高いコンクリート打設用パネルを提
供すること。 【解決手段】 メタセシス触媒の存在下に、ノルボルネ
ン系モノマーを金型内で塊状重合させて得られるコンク
リート打設用パネルにおいて、前記パネルの透明性を示
す曇価が50%以下、好ましくは30%以下となるよう
に調整された透明性の高いパネル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンクリート打設
用型枠として用いられるパネルに係り、さらに詳しく
は、合成樹脂製でありながら、耐衝撃性に優れ、しかも
コンクリート打設に際して型枠内部を観察することがで
きる透明性の高いコンクリート打設用パネルに関する。
【0002】
【従来の技術】現在、コンクリート打設用パネルとして
多く用いられているのは、ベニヤ板製のパネルと鉄板製
のパネルであり、最近では、軽量化を図るために、アル
ミニウム合金製や合成樹脂製のコンクリート打設用パネ
ルも少ないながら使用されるようになってきた。
【0003】今のところ、南洋材のラワン材を用いたベ
ニヤ板製のパネルが安価であることから、大量のベニヤ
板製パネルが使用され、使い捨てに近い状態で廃棄さ
れ、焼却処分されている。今後の熱帯雨林保護や炭酸ガ
ス排出規制などにより、このような状況が許されなくな
ることは確実である。
【0004】こうした社会環境の中で、コンクリート打
設パネルを、ベニヤ板から他の材料に切り換えようとす
る開発努力が成されているが、金属製のものは重く、合
成樹脂製のものは価格と耐久性の問題で、ベニヤ板に取
って代わるような状況にはなっていない。
【0005】そこで、靭性に富み、エンジニアリングプ
ラスチックとして優れた性質を持つノルボルネン系モノ
マーの反応射出成形体樹脂(以下、RIMとも言う)に
着目し、これをコンクリート打設用型枠として用いるこ
とが提案されている(特開平7−108520号公
報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この公
報に開示された技術では、得られる型枠の耐衝撃性改良
と反応原液の粘度調整のために、EPDMを、モノマー
100重量部当たり3重量部程度含ませてあるため、得
られる型枠は透明ではなく、打設した直後のコンクリー
トの内部を型枠の外側から見ることはできなかった。打
設した直後のコンクリートの内部には、ボイドが入り込
むことがあり、従来では、型枠をハンマーなどで叩い
て、その音を聞き分けてボイドを追い出す必要があっ
た。
【0007】なお、RIM以外のその他の合成樹脂で透
明なコンクリート打設用型枠を作製することも考えられ
るが、その他の合成樹脂では、衝撃に弱く、しかも熱や
太陽光線に対して不安定であるという課題を有してい
る。
【0008】本発明は、このような実状に鑑みてなさ
れ、合成樹脂製でありながら、耐衝撃性に優れ、しかも
コンクリート打設に際して型枠内部を観察することがで
きる透明性の高いコンクリート打設用パネルを提供する
ことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、合成樹脂
製でありながら、耐衝撃性に優れ、しかもコンクリート
打設に際して型枠内部を観察することができる透明性の
高いコンクリート打設用パネルについて鋭意検討した結
果、メタセシス触媒の存在下に、ノルボルネン系モノマ
ーを金型内で塊状重合させて得られるコンクリート打設
用パネルにおいて、原料の配合を特定し、且つ製造管理
をより厳密なものとすることで、耐衝撃性および透明性
に優れ、且つ像鮮明度の高いコンクリート打設用パネル
が得られることを見出し、本発明を完成させるに至っ
た。
【0010】すなわち、本発明に係るコンクリート打設
用パネルは、メタセシス触媒の存在下に、ノルボルネン
系モノマーを金型内で塊状重合させて得られるコンクリ
ート打設用パネルにおいて、前記パネルの透明性を示す
曇価が50%以下、好ましくは30%以下となるように
調整された透明性の高いパネルであることを特徴とす
る。
【0011】本発明において、曇価(ヘーズ)は、ヘー
ズメータにより測定する。曇価を50%以下に保ちなが
ら、パネルの耐衝撃性を保持するために、本発明では、
パネルを製造するための反応原液中に、エラストマーを
配合させない。あるいは、耐衝撃性改良剤として、パネ
ルの曇価を50%以下に保持するエラストマーまたは合
成樹脂を含ませることが好ましい。このようなエラスト
マーまたは合成樹脂の例示については後述する。また、
本発明では、反応射出成形に用いる金型の型内周面を、
できる限り平滑にし、傷などを付けないように管理する
ことが好ましい。金型の型内周面の表面粗さは、JIS
B0651で規定する表面粗さの最大高さRmaxが
0.1μm〜20μmであることが好ましい。得られる
パネルの表面の平滑度を確保し、パネル表面での光の散
乱を抑制し、透明性を向上させるためである。
【0012】本発明に係るコンクリート打設用パネルの
反コンクリート側表面(裏面)には、リブを一体に成形
しても良いが、単なる平板状のパネルであることが好ま
しい。ただし、パネルの周囲には、他のパネルとの連結
を容易にするための枠材を一体に成形しても良い。
【0013】パネルの裏面にリブを一体に成形しない方
が好ましいのは、リブを成形することで、リブが形成さ
れた位置に対応するパネルの表面(コンクリート側表
面)に、ひけなどによる凹部が形成され易いからであ
る。パネルの表面に凹部が形成されると、硬化して得ら
れるコンクリートの表面には、その凹部に対応する凸部
模様が成形されることから好ましくない。
【0014】ノルボルネン系モノマー 本発明において、反応射出成形は、メタセシス触媒の存
在下に、ノルボルネン系モノマーを金型内で塊状重合す
るものであり、使用するモノマーは、ノルボルネン環を
有するものであればいずれでも良いが、耐熱性に優れた
成形体パネルが得られることから、三環体以上の多環ノ
ルボルネン系モノマーおよびそれらの混合物を用いるこ
とが好ましい。
【0015】ノルボルネン系モノマーの具体例として
は、ノルボルネン、ノルボルナジエン等の二環体;ジシ
クロペンタジエン(シクロペンタジエン二量体)、ジヒ
ドロジシクロペンタジエン等の三環体;テトラシクロド
デセン等の四環体;シクロペンタジエン三量体等の五環
体;シクロペンタジエン四量体等の七環体;これらのメ
チル、エチル、プロピル、ブチルなどのアルキル、ビニ
ル等のアルケニル、エチリデン等のアルキリデン、フェ
ニル、トリル、ナフチル等のアリール等の置換体;更に
これらのエステル基、エーテル基、シアノ基、ハロゲン
原子などの極性基を有する置換体などが例示される。こ
れらのモノマーは、1種以上を組み合わせて用いても良
い。入手が容易であり、反応性に優れ、得られる樹脂成
形体の耐熱性に優れる点から、三環体、四環体、あるい
は五環体のモノマーおよびこれらを主成分とする混合物
が好ましい。
【0016】また、生成する開環重合体は熱硬化型とす
ることが好ましく、そのためには、上記ノルボルネン系
モノマーの中でも、シクロペンタジエン三量体等の反応
性の二重結合を二個以上有する架橋性モノマーを少なく
とも含むものが用いられる。全ノルボルネン系モノマー
中の架橋性モノマーの割合は、2〜30重量%が好まし
い。
【0017】なお、本発明の目的を損なわない範囲で、
ノルボルネン系モノマーと開環共重合し得るシクロブテ
ン、シクロペンテン、シクロペンタジエン、シクロオク
テン、シクロドデセン等の単環シクロオレフィン等を、
コモノマーとして用いても良い。
【0018】メタセシス触媒 ノルボルネン系モノマーを用いた反応射出成形において
使用することができるメタセシス触媒は、タングステン
やモリブデンなどの遷移金属の化合物であり、トリドデ
シルアンモニウムモリブデート、もしくはトリ(トリデ
シル)アンモニウムモリブデート等のモリブデン酸有機
アンモニウム塩等のモリブデン系メタセシス触媒が好ま
しい。
【0019】メタセシス触媒の使用量は、反応液全体で
使用するモノマー1モルに対し、通常、0.01ミリモ
ル以上、好ましくは0.1ミリモル以上、50ミリモル
以下、好ましくは20ミリモル以下である。メタセシス
触媒の使用量が少なすぎると重合活性が低すぎて反応に
時間がかかるため生産効率が悪く、使用量が多すぎると
反応が激しすぎるため型内に十分に充填される前に硬化
したり、触媒が析出し易くなり均質に保存することが困
難になる。メタセシス触媒は、通常、モノマーに溶解し
て用いるが、RIM法による成形体の性質を本質的に損
なわれない範囲であれば、少量の溶剤に懸濁させ溶解さ
せた上で、モノマーと混合することにより、析出しにく
くしたり、溶解性を高めて用いても良い。
【0020】活性剤 活性剤(共触媒)としては、特開昭58−127728
号公報、特開平4−226124号公報、特開昭58−
129013号公報、特開平4−145247号公報に
開示してあるような公知の活性剤であれば、特に制限は
ないが、本発明においては、例えばエチルアルミニウム
ジクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド等のアルキ
ルアルミニウムハライド、アルコキシアルキルアルミニ
ウムハライドなどの有機アルミ化合物が好ましく用いら
れる。
【0021】活性剤の使用量は、特に限定されないが、
通常、反応液全体で使用するメタセシス触媒1モルに対
して、0.1モル以上、好ましくは1モル以上、かつ1
00モル以下、好ましくは10モル以下である。活性剤
を用いないか、または活性剤の使用量が少なすぎると、
重合活性が低すぎて反応に時間がかかるため生産効率が
悪くなる。また逆に、使用量が多すぎると、反応が激し
すぎるため型内に十分に充填される前に硬化することが
ある。活性剤は、モノマーに溶解して用いるが、RIM
法による成形体の性質を本質的に損なわない範囲であれ
ば、少量の溶剤に懸濁させた上で、モノマーと混合する
ことにより、析出しにくくしたり、溶解性を高めて用い
ても良い。
【0022】本発明においては、一般に、上記活性剤に
活性調節剤を併用する。活性調節剤を併用することによ
って、反応速度や、反応液の混合から反応開始までの時
間、反応活性などを変化させることができる。
【0023】活性調節剤としては、メタセシス触媒を還
元する作用を持つ化合物などが用いられ、活性調節剤と
しては、アルコール類、ハロアルコール類、エステル
類、エーテル類、ニトリル類などが例示される。この中
で、たとえばアルコール類の具体例としては、n−プロ
パノール、n−ブタノール、n−ヘキサノール、2−ブ
タノール、イソブチルアルコール、イソプロプルアルコ
ール、t−ブチルアルコールなどが挙げられ、ハロアル
コール類の具体例としては、1,3−ジクロロ−2−プ
ロパノール、2−クロロエタノール、1−クロロブタノ
ールなどが挙げられる。なお、活性調整剤の添加量は、
用いる化合物によって変わり、一様ではない。
【0024】その他の任意成分 所望により、酸化防止剤、充填剤、顔料、着色剤、発泡
剤、摺動付与剤、エラストマー、ジシクロペンタジエン
系熱重合樹脂およびその水添物など種々の添加剤を反応
原液に配合することができ、それにより得られるRIM
製品の特性を改質することができる。
【0025】特に機械的強度の高い成形体を得る目的
で、補強材を金型内に予め充填しておき、次いで重合反
応液を金型内に注入し、硬化させることもできる。補強
材の充填量は、特に制限はないが、通常、モノマー重量
の10重量%以上、好ましくは20〜60重量%であ
る。充填量が少なければ、機械的強度の割合が小さい。
充填量が多すぎると、均一に充填せずにむらができた
り、充填阻害が生じる傾向にある。
【0026】補強材としては、パネルの透明性を阻害し
ないものが用いられ、例えば、ガラス繊維、アラミド繊
維、カーボン繊維、超高分子量ポリエチレン繊維、金属
繊維、ポリプロピレン繊維、アルミコーティングガラス
繊維、木綿、アクリル繊維、ボロン繊維、シリコンカー
バイド繊維、アルミナ繊維などを挙げることができる。
これらの補強材は、長繊維状またはチョップドストラン
ド状のものをマット化したもの、布状に織ったもの、チ
ョップ形状のままのものなど、種々の形状で使用するこ
とができる。これらの補強材は、その表面をシランカッ
プリング材等のカップリング剤で処理したものが、樹脂
との密着性を向上させる上で好ましい。
【0027】酸化防止剤としては、フェノール系、リン
系、アミン系など各種のプラスチック・ゴム用酸化防止
剤がある。充填剤にはミルドガラス、カーボンブラッ
ク、タルク、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、雲
母、チタン酸カリウム、硫酸カルシウムなどの無機質充
填剤がある。
【0028】本発明において、得られるパネルの耐衝撃
性をさらに向上させるために、任意に含有させることが
できるエラストマーとしては、得られるパネルの曇価が
50%以下となるように選択され、天然ゴム;ポリブタ
ジエン、ポリイソプレン等の炭化水素ゴム;ニトリルゴ
ム、クロロプレンゴム、シリコンゴム、アクリルゴム、
フッ素ゴムなどの炭化水素基以外の基を有する特殊ゴ
ム;スチレン/ブタジエン共重合ゴム(SBR)、スチ
レン/ブタジエンブロック共重合ゴム(ブロックSB
R)、スチレン/ブタジエン/スチレンブロック共重合
ゴム(SBS)、スチレン/イソプレン/スチレンブロ
ック共重合ゴム(SIS)などの芳香族/ジエン共重合
ゴム;スチレン/ブタジエン/スチレンブロック共重合
ゴムの水素添加物、スチレン/イソプレン/スチレンブ
ロック共重合ゴムの水素添加物などの芳香族/ジエン共
重合ゴムの水素添加物;エチレン/酢酸ビニル共重合ゴ
ム;エチレン/プロピレン共重合ゴム(EPM)、エチ
レン/プロピレン/ジエン共重合ゴム(EPDM)など
のEPラバーなどを挙げることができる。これらの中で
も得られるコンクリートパネルの透明性に優れる点で、
ポリブタジエン、ポリイソプレン等の炭化水素ゴム;S
BR、ブロックSBR、SISなどの芳香族/ジエン共
重合ゴムが好ましい。エラストマーの添加量は、反応原
液の30°Cにおける粘度が5cps以上、好ましくは
50cps以上、かつ1000cps以下、好ましくは
500cps以下となるように適宜選択される。
【0029】なお、本発明においては、得られるパネル
の透明性を阻害するエラストマーは含有させないことが
好ましく、エラストマーを何ら含まなくても良い。また
は、エラストマーの代わりに、ポリエチレン、ポリプロ
ピレンなどの樹脂を添加しても良い。その添加量は、反
応原液の30°Cにおける粘度が5cps以上、好まし
くは50cps以上、かつ1000cps以下、好まし
くは500cps以下となるように適宜選択される。
【0030】添加剤は、通常、予め反応液のいずれか一
方または双方に混合しておく。
【0031】反応射出成形方法 反応射出成形の前準備として、ノルボルネン系モノマ
ー、メタセシス触媒及びアルミニウム系活性剤を主材と
する反応射出成形用材料を、ノルボルネン系モノマーと
メタセシス触媒とよりなるB液と、前記のノルボルネン
系モノマーとアルミニウム系活性剤とよりなるA液との
安定な2液に分けて、それぞれを別のタンクに入れてお
く。
【0032】A液またはB液から成る反応原液の温度は
20〜80°C、反応原液の粘性は、たとえば、30°
Cにおいて、5cps〜3000cps好ましくは10
0cps〜1000cps程度である。
【0033】反応射出成形においては、補強材を予め金
型内に設置しておき、その中に反応液を供給して重合さ
せることにより強化ポリマー(成形体)を製造すること
ができる。反応射出成形を開始するには、ミキサーを制
御し、タンクからのA液およびB液を混合し、その混合
液を反応原液として金型のキャビティ内に充填する。キ
ャビテ内に充填された反応原液は、キャビティの内部に
行き渡る。
【0034】重合時間は、適宜選択すればよいが、通
常、反応液の注入終了後、20秒〜20分程度である。
本発明では、反応射出成形時に、金型の温度は、好まし
くは、10〜150°C、より好ましくは、20〜12
0°C、さらに好ましくは、30〜100°Cに制御さ
れる。
【0035】本発明において用いられる金型の材質は、
特に限定されず、鉄、鋳鉄、ステンレス、アルミニウ
ム、ニッケル電鋳などの金属に限らず、合成樹脂、ある
いはその他の材質でも良い。反応射出成形は、比較的低
圧での成形が可能であり、必ずしも高剛性の金型を用い
る必要はない。
【0036】キャビティでの反応射出成形が終了し、成
形体が固化した段階で、型開きすれば、ノルボルネン系
モノマーの反応射出成形体から成る透明なコンクリート
打設用パネルが得られる。
【0037】本発明においては、得られるパネルの大き
さは、特に限定されないが、矩形板の場合、縦が900
〜1800mm、横が300〜600mm、板状部の厚
みが2〜8mm程度が取り扱い易く好ましい。
【0038】
【作用】本発明に係るコンクリート打設用パネルは、メ
タセシス触媒の存在下に、ノルボルネン系モノマーを金
型内で塊状重合(反応射出成形;RIM)させて得られ
るパネルであるため、耐衝撃性および耐久性に優れ、し
かも成形が容易であるために低コストである。したがっ
て、価格的にも、ベニヤ板製コンクリート打設用パネル
に対抗することができる。また、本発明に係るコンクリ
ート打設用パネルは、ベニヤ板に比較して、軽くて取り
扱い易く、しかも剥離材を表面に塗らなくとも、硬化し
たコンクリートから容易に剥がれ、繰り返し使用に耐え
る(たとえば20回以上)ことが判明した。
【0039】又、使用しているうちに曇価があがって来
たら、表面をカンナで削ったり、布やすり(エメリーク
ロス)等で研摩して透明性を回復させて使用することも
できる。
【0040】さらに、本発明に係るコンクリート打設用
パネルでは、木材を用いないので、熱帯雨林を保護する
という利点も有する。ちなみにノルボルネン系モノマー
は、合成ゴムの製造過程で出る廃棄物の中に含まれてお
り、従来は燃焼して工場エネルギーとして用いていたも
のであるが、本発明では、そのノルボルネン系モノマー
を燃やさずに有効に利用してパネルを成形するため、炭
酸ガス排出の抑制にもつながり、環境対策上好ましい。
【0041】さらにまた、本発明に係るコンクリート打
設用パネルは、透明性があり、コンクリートコンクリー
ト打設前の配筋や電気配線のための電包管などの配置状
況を、このパネルを通して明確に確認することができる
ので、配筋や電包管の配置ミスを無くすことができる。
【0042】また、打設するコンクリートの充填状況を
パネル越しに観察することができるので、たとえばボイ
ドがコンクリート中に含まれている場合に、素早く発見
し、ボイドを抜くなどの対策をとることができる。結果
的に、コンクリート構造体の品質が向上する。
【0043】さらに、コンクリート打設用パネルを組み
立てた状態で、パネルが透明であることから、外光がパ
ネルを透過し、作業場が暗くならず、作業場の照明の数
をも大幅に低減することができ、エネルギー節減にも寄
与する。
【0044】
【実施例】以下、本発明を、実施例に基づき詳細に説明
するが、本発明は、これら実施例に限定されない。な
お、部や%などは、特に断わりがない限り、重量基準で
ある。
【0045】実施例1 まず、組み合わされて内部にキャビティが形成される一
対の金型を準備した。これら金型は、鋳造アルミニウム
で構成した。金型のキャビティ内周面は、その表面粗さ
が、JISB0651で規定する表面粗さの最大高さR
maxが8μmとなるように研磨した。
【0046】また、シクロペンタジエン二量体(DC
P)90%と、シクロペンタジエン三量体10%とから
成るノルボルネン系モノマーと、該混合モノマー100
重量部に対し3重量部のビニルノルボルネン(遅延剤)
とを2つのタンクに入れ、一方にはモノマーに対しジエ
チルアルミニウムクロリド(DEAC)を40モル濃
度、1,3−ジクロロ−2−プロパノール(dcPrO
H)48モル濃度に成るように添加した(A液)。他方
には、モノマーに対し、トリ(トリデシル)アンモニウ
ムモリブデートを10ミリモル濃度となるように添加し
た(B液)。これらA液およびB液は、それぞれAタン
クおよびBタンクに貯留した。
【0047】これら反応原液A,Bの温度は、25°C
であり、その温度での粘度は、それぞれ300cpsで
あった。
【0048】前記のようにして調整したA液およびB液
を、1時間混合および脱泡後、それぞれギヤーポンプに
て1対1の容積比となるようにミキサーに送液し、次い
で、金型の注入口からキャビティに、注入圧力2.0K
g/cm2 以下で注入した。反応原液の注入速度は、1
kg/cm2 あった。金型の温度は、キャビティ側で7
0°Cとし、コア側で50°Cに設定した。
【0049】金型のキャビティ内部の温度が110秒後
に最高到達温度に達した。原液の注入から10分後、型
開きを行い、反応射出成形体から成るコンクリート打設
用パネルを取り出した。
【0050】パネルの厚みは4.4mmであり、大きさ
は、縦1800mm×横300であった。このパネルの
曇価をヘーズメーター(スカ試験材株式会社製SMカラ
ーコンピューターModel SM−4)にて測定した
ところ、6.0%であり、十分に透明であることが確認
された。
【0051】また、このパネルのガラス転移温度(T
g)を測定したところ、136°Cであり、熱変形温度
(HDT)は116°C(JIS K−6911、荷重
8.5kg)、比重は1.03g/cm3 、曲げ強度は
6.3kg/mm2 、曲げ弾性率は190kg/mm2
(JIS K−7203)、アイゾット衝撃強度は5.
8kg・cm/cm[JIS K−7110 6.5
(ノッチ付)]であり、剛性と可撓性を備え、しかも軽
量で耐熱性、耐衝撃性に優れていることが確認された。
【0052】図1に示すように、このようにして得られ
たコンクリート打設用パネル2を締め付け金具3を用い
て実際に組み立て、パネル2,2の間に鉄筋を配置した
ところ、パネル2,2の外側から鉄筋の配置を確認する
ことができた。また、これらパネル2,2の間に、コン
クリートを打設したところ、パネルの外側からボイドの
観察が可能であった。さらに、コンクリートの硬化後
に、パネル2,2をコンクリートの表面から剥がしたと
ころ、剥離材を表面に塗らなくとも、硬化したコンクリ
ートから容易に剥がれ、繰り返し使用に耐えることが判
明した。
【0053】同じパネルを用いてコンクリート打設を繰
り返し行ったところ、図2中の黒丸のカーブに示すよう
に、使用回数と共に、曇価が上がり透明性は低下する
が、100回の使用でも、曇価は、31.9%であり、
パネル内部の鉄筋の配置を識別することが可能であっ
た。すなわち、100回以上の繰り返し使用が可能であ
ることが確認された。
【0054】実施例2 シクロペンタジエン二量体(DCP)90%と、シクロ
ペンタジエン三量体10%とから成るノルボルネン系モ
ノマーとから成る混合モノマー100重量部に対し、ス
チレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(クイ
ンタック3421、日本ゼオン社製)を7重量部の量で
添加した以外は、前記実施例1と同様にして反応原液を
準備し、実施例1と同様にして反応射出成形を行った。
【0055】このパネルの曇価を実施例1と同様にして
測定したところ、20.2%であり、十分に透明である
ことが確認された。
【0056】また、このパネルのガラス転移温度(T
g)を測定したところ、148°Cであり、熱変形温度
(HDT)は110°C(JIS K−6911、荷重
8.5kg)、比重は1.04g/cm3 、曲げ強度は
7.5kg/mm2 、曲げ弾性率は200kg/mm2
(JIS K−7203)、アイゾット衝撃強度は40
kg・cm/cm[JIS K−7110 6.5(ノ
ッチ付)]であり、剛性と可撓性を備え、しかも軽量で
耐熱性、耐衝撃性に優れていることが確認された。
【0057】図1に示すように、このようにして得られ
たコンクリート打設用パネル2を締め付け金具3を用い
て実際に組み立て、パネル2,2の間に鉄筋を配置した
ところ、パネル2,2の外側から鉄筋の配置を確認する
ことができた。また、これらパネル2,2の間に、コン
クリートを打設したところ、パネルの外側からボイドの
観察が可能であった。さらに、コンクリートの硬化後
に、パネル2,2をコンクリートの表面から剥がしたと
ころ、剥離材を表面に塗らなくとも、硬化したコンクリ
ートから容易に剥がれ、繰り返し使用に耐えることが判
明した。
【0058】同じパネルを用いてコンクリート打設を繰
り返し行ったところ、パネルの表面に傷などが形成され
ることから、図2中の白丸のカーブに示すように、使用
回数と共に、曇価が上がり透明性は低下するが、100
回の使用でも、曇価は、59.5%であり、パネル内部
の鉄筋の配置を識別することが可能であった。すなわ
ち、100回以上の繰り返し使用が可能であることが確
認された。
【0059】比較例1 実施例1と同じ寸法でガラス繊維強化ポリプロピレンで
構成したコンクリート打設用パネルを準備した。このパ
ネルの曇価は、図2中、黒三角で示すように、95%程
度であり、不透明であり、このパネルを通して鉄筋の配
置状況を確認することはできなかった。
【0060】比較例2 シクロペンタジエン二量体(DCP)90%と、シクロ
ペンタジエン三量体10%とから成るノルボルネン系モ
ノマーとから成る混合モノマー100重量部に対し、E
PDM(三井石油化学工業社製EPT−4070)を7
重量部の量で添加した以外は、前記実施例1と同様にし
て反応原液を準備し、実施例1と同様にして反応射出成
形を行った。
【0061】このパネルの曇価を実施例1と同様にして
測定したところ、89%であり、不透明であり、このパ
ネルを通して鉄筋の配置状況を確認することはできなか
った。
【0062】参考例1 金型のキャビティ内周面の表面粗さが、JISB065
1で規定する表面粗さの最大高さRmaxが300μm
である金型を用いた以外は、実施例1と同様にして反応
射出成形を行い、コンクリート打設用パネルを得た。
【0063】このパネルの曇価をヘーズメーターにて測
定したところ、65%であり、パネルを通して鉄筋を観
察できる程度に透明ではあるが、実施例1に比較すれば
曇価が高く、金型のキャビティ内周面の表面粗さを管理
することが、透明性の向上に寄与することが確認され
た。
【0064】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、メタセシス触媒の存在下に、ノルボルネン系モノマ
ーを金型内で塊状重合(反応射出成形;RIM)させて
得られるパネルであるため、耐衝撃性および耐久性に優
れ、しかも成形が容易であるために低コストである。し
たがって、価格的にも、ベニヤ板製コンクリート打設用
パネルに対抗することができる。また、本発明に係るコ
ンクリート打設用パネルは、ベニヤ板に比較して、軽く
て取り扱い易く、しかも剥離材を表面に塗らなくとも、
硬化したコンクリートから容易に剥がれ、繰り返し使用
に耐える(たとえば20回以上)。
【0065】さらに、本発明に係るコンクリート打設用
パネルでは、木材を用いないので、熱帯雨林を保護する
という利点も有する。ちなみにノルボルネン系モノマー
は、合成ゴムの製造過程で出る廃棄物の中に含まれてお
り、従来は燃焼して工場エネルギーとして用いていたも
のであるが、本発明では、そのノルボルネン系モノマー
を燃やさずに有効に利用してパネルを成形するため、炭
酸ガス排出の抑制にもつながり、環境対策上好ましい。
【0066】さらにまた、本発明に係るコンクリート打
設用パネルは、透明性があり、コンクリートコンクリー
ト打設前の配筋や電気配線のための電包管などの配置状
況を、このパネルを通して明確に確認することができる
ので、配筋や電包管の配置ミスを無くすことができる。
【0067】また、打設するコンクリートの充填状況を
パネル越しに観察することができるので、たとえばボイ
ドがコンクリート中に含まれている場合に、素早く発見
し、ボイドを抜くなどの対策をとることができる。結果
的に、コンクリート構造体の品質が向上する。
【0068】さらに、コンクリート打設用パネルを組み
立てた状態で、パネルが透明であることから、外光がパ
ネルを透過し、作業場が暗くならず、作業場の照明の数
をも大幅に低減することができ、エネルギー節減にも寄
与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に係るコンクリート打設用パネル
を組み立てた状態を示す要部断面図である。
【図2】図2は本発明に係るコンクリート打設用パネル
の曇価と使用回数との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
2… コンクリート打設用パネル 3… 締め付け金具
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 間野 昭 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内 (72)発明者 山口 誠 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メタセシス触媒の存在下に、ノルボルネ
    ン系モノマーを金型内で塊状重合させて得られるコンク
    リート打設用パネルにおいて、 前記パネルの透明性を示す曇価が50%以下となるよう
    に調整された透明性の高いコンクリート打設用パネル。
  2. 【請求項2】 パネルの曇価を50%以下に保持するエ
    ラストマーを含む請求項1に記載のコンクリート打設用
    パネル。
JP34701197A 1997-12-02 1997-12-02 コンクリート打設用パネル Pending JPH11165308A (ja)

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