JPH1180595A - 樹脂組成物およびワニスならびにそれらの応用 - Google Patents

樹脂組成物およびワニスならびにそれらの応用

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JPH1180595A
JPH1180595A JP26268597A JP26268597A JPH1180595A JP H1180595 A JPH1180595 A JP H1180595A JP 26268597 A JP26268597 A JP 26268597A JP 26268597 A JP26268597 A JP 26268597A JP H1180595 A JPH1180595 A JP H1180595A
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武尚 山村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性および接着性のみならず保存安定性に
も優れ、塗布や含浸などの分野に容易に適用可能であ
り、かつその硬化物の可撓性に優れた樹脂組成物および
ワニスを提供する。 【解決手段】 本発明の樹脂組成物は、下記成分(A)
と下記成分(B)とを反応率が30〜90%となるまで
反応させて得られる反応混合物と、下記成分(C)と、
からなることを特徴とする。 (A)マレイミド化合物 (B)アルケニルフェノール化合物 (C)アクリロイル基、メタクリロイル基、および芳香
環に結合したビニル基から選択される基を、一分子中に
一個以上有する重合性不飽和化合物 本発明の樹脂組成物またはこれと有機溶剤とからなるワ
ニスは、耐熱性接着剤、耐熱性接着テープ、樹脂付き銅
箔、この樹脂付き銅箔を用いた積層板、耐熱性フィル
ム、プリプレグおよびこのプリプレグを用いた積層板と
して有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性に優れた硬
化物を与える樹脂組成物およびこの樹脂を有機溶剤に溶
解させたワニスに関し、さらには、この樹脂組成物また
はワニスを用いた耐熱性接着剤および耐熱性接着テー
プ、ならびに、このワニスを用いた樹脂付き銅箔および
この樹脂付き銅箔を用いた積層板、耐熱性フィルム、プ
リプレグおよびこのプリプレグを用いた積層板に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、電気機器用の絶縁材料として広く
用いられているエポキシ樹脂は、低粘度で作業性がよ
く、ガラスクロスやマイカなどの絶縁基材との親和性も
高く、また銅箔などの金属との接着強度にも優れてい
る。しかし、このエポキシ樹脂は耐熱性が低いという欠
点を有している。
【0003】一方、マレイミド化合物とアルケニルフェ
ノール化合物とからなる樹脂組成物は公知であり、耐熱
性材料として用いられている。例えば、特開平3−28
1512号公報には、マレイミド化合物、アルケニルフ
ェノール化合物および重合性不飽和化合物を混合した液
状硬化性樹脂組成物が開示されている。しかし、この組
成物は保存中にマレイミド化合物の結晶が析出しやす
く、また銅箔などとの接着性や耐熱老化性が不足する場
合があった。さらに、この組成物は粘度が高く流れ性に
欠けるため、塗布や含浸などの分野に使用するには制限
があった。また、本発明者らは、アルケニルフェノール
化合物およびマレイミド化合物からなる樹脂組成物を提
案している(特開平8−302273号公報)。しかし
ながら、この樹脂組成物からなるワニスは、その保存安
定性の面で改良の余地があることがわかった。また、こ
の樹脂組成物によると、硬化物の可撓性が不十分となる
場合があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐熱
性および接着性のみならず保存安定性にも優れ、塗布や
含浸などの分野に容易に適用可能であり、かつその硬化
物の可撓性に優れた樹脂組成物およびワニスを提供し、
さらに、この樹脂組成物またはワニスを用いた耐熱性接
着剤および耐熱性接着テープ、ならびに、このワニスを
用いた樹脂付き銅箔およびこの樹脂付き銅箔を用いた積
層板、耐熱性フィルム、プリプレグおよびこのプリプレ
グを用いた積層板を提供することにある。本発明の他の
目的は、上記特長を備えるともに長期間の加熱後にも耐
熱性および接着性の低下が少ない樹脂組成物およびワニ
スを提供し、さらに、この樹脂組成物またはワニスを用
いた耐熱性接着剤および耐熱性接着テープ、ならびに、
このワニスを用いた樹脂付き銅箔およびこの樹脂付き銅
箔を用いた積層板、耐熱性フィルム、プリプレグおよび
このプリプレグを用いた積層板を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、マレイミ
ド化合物とアルケニルフェノール化合物とを所定の反応
率で反応させた後、この反応物に所定の重合性不飽和化
合物を混合することにより、塗布や含浸が容易であり、
かつ保存安定性および硬化物の可撓性に優れた樹脂組成
物となることを見出した。さらに、上記アルケニル化合
物として特定のアルケニル基を有する化合物を用いるこ
とにより、銅箔などとの接着性および耐熱老化性が良好
となることを見出して、本発明を完成したのである。
【0006】即ち、本発明における第1発明の樹脂組成
物は、下記成分(A)と下記成分(B)とを、ゲルパー
ミエーションクロマトグラフィーの面積比から算出した
反応率が30〜90%となるまで反応させて得られる反
応混合物と、下記成分(C)と、からなることを特徴と
する。 (A)マレイミド化合物 (B)アルケニルフェノール化合物 (C)アクリロイル基、メタクリロイル基、および芳香
環に結合したビニル基から選択される基を、一分子中に
一個以上有する重合性不飽和化合物
【0007】第1発明の樹脂組成物は、上記成分(A)
と上記成分(B)とを部分的に、具体的には反応率が3
0〜90%となる範囲で反応させているので、上記成分
(A)と上記成分(B)とを単に混合した組成物や、反
応率が上記範囲外の組成物に比べて保存安定性に優れ、
この樹脂組成物からワニスを調整した場合において沈殿
を生じにくい。また、上記成分(A)および上記成分
(B)に加えて上記成分(C)を含有することにより、
この組成物から形成された硬化物の可撓性が向上する。
さらに、上記成分(A)と上記成分(B)との反応率を
上記範囲とすることにより、この組成物あるいはこの組
成物からなるワニスは、塗布や含浸などの工程における
流れ性が適度なものとなる。
【0008】上記成分(B)は、第2発明のように、一
分子中に二個以上のメタリル基を有するアルケニルフェ
ノール化合物であることが好ましい。これにより、一分
子中に二個以上のアリル基を有するアルケニルフェノー
ル化合物を用いる場合などに比べて、硬化物の架橋密度
が過剰に高くなることが防止されて、硬化物の接着性お
よび耐熱老化性が向上する。
【0009】また、上記成分(B)は、第3発明のよう
に、一分子中に二個以上のアルケニル基を有し、20℃
において固体または半固体のアルケニルフェノール化合
物であることが好ましい。
【0010】上記成分(A)は、第4発明のように、一
分子中に二個以上のマレイミド基を有するマレイミド化
合物であることが好ましい。これにより、得られた硬化
物の耐熱性が向上し、塗布や含浸などに適した流れ性を
有する組成物あるいはワニスを得やすいという効果が得
られる。
【0011】本発明における第5発明のワニスは、第1
発明〜第4発明のいずれか一項に記載の樹脂組成物と、
有機溶剤とからなることを特徴とする。このワニスは、
第1発明〜第4発明により得られる効果を有するととも
に、有機溶剤による粘度調節が可能である。したがっ
て、塗布や含浸などの工程を伴う分野において、具体的
には例えば第6発明〜第11発明の用途に好ましく利用
される。また、第6発明および第7発明の用途に対して
は、第5発明のワニスのみならず、第1発明の樹脂組成
物も好適に利用することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】(1)成分(A)について 本発明における成分(A)マレイミド化合物は、下記式
(I)で表される化合物である。ここで、下記式(I)
におけるZは、脂肪族、芳香族、脂環式および複素環式
残基のいずれであっても良い。
【0014】
【化1】 (式中、Zは一価以上の残基であり、nは1以上の整数
である)
【0015】成分(A)の具体例としては、下記(a−
1)〜(a−3)に示すものが挙げられる。これらのう
ち、一種のみを用いてもよいし、二種以上を併用しても
よい。
【0016】(a−1)一分子中に一個のマレイミド基
を有する化合物 N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−
シクロヘキシルマレイミドおよびN−フェニルマレイミ
ド等のモノマレイミド化合物。
【0017】(a−2)一分子中に二個のマレイミド基
を有する化合物 ビス(4−マレイミドフェニル)メタン、ビス(3−マ
レイミドフェニル)メタン、ビス(4−マレイミドシク
ロヘキシル)メタン、ビス(3−マレイミドシクロヘキ
シル)メタン、ビス(3−メチル−4−マレイミドフェ
ニル)メタン、ビス(3,5−ジメチル−4−マレイミ
ドフェニル)メタン、ビス(3−エチル−4−マレイミ
ドフェニル)メタン、ビス(3,5−ジエチル−4−マ
レイミドフェニル)メタン、ビス(3−プロピル−4−
マレイミドフェニル)メタン、ビス(3,5−ジプロピ
ル−4−マレイミドフェニル)メタン、ビス(3−ブチ
ル−4−マレイミドフェニル)メタン、ビス(3,5−
ジブチル−4−マレイミドフェニル)メタン、ビス(3
−エチル−4−マレイミド−5−メチルフェニル)メタ
ン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2
−ビス[4−(4−マレイミドフェニルオキシ)フェニ
ル]プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオ
ロ−2,2−ビス(4−マレイミドフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(4−マレイミドフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェニルオキ
シ)フェニル]プロパン、ビス(4−マレイミドフェニ
ル)エーテル、ビス(3−マレイミドフェニル)エーテ
ル、ビス(4−マレイミドフェニル)ケトン、ビス(3
−マレイミドフェニル)ケトン、ビス(4−マレイミド
フェニル)スルホン、ビス(3−マレイミドフェニル)
スルホン、ビス[4−(4−マレイミドフェニルオキ
シ)フェニル]スルホン、ビス(4−マレイミドフェニ
ル)スルフィド、ビス(3−マレイミドフェニル)スル
フィド、ビス(4−マレイミドフェニル)スルホキシ
ド、ビス(3−マレイミドフェニル)スルホキシド、ビ
ス(4−マレイミドフェニル)ジフェニルシラン、1,
4−ビス(4−マレイミドフェニル)シクロヘキサン、
1,4−ジマレイミドナフタレン、2,3−ジマレイミ
ドナフタレン、1,5−ジマレイミドナフタレン、1,
8−ジマレイミドナフタレン、2,6−ジマレイミドナ
フタレン、2,7−ジマレイミドナフタレン、4,4'
−ジマレイミドビフェニル、3,3' −ジマレイミ
ドビフェニル、3,4' −ジマレイミドビフェニル、
2,5−ジマレイミド−1,3−キシレン、1,5−ジ
マレイミドアントラキノン、1,2−ジマレイミドアン
トラキノン、2,7−ジマレイミドフルオレン、9,9
−ビス(4−マレイミドフェニル)フルオレン、9,9
−ビス(4−マレイミド−3−メチルフェニル)フルオ
レン、9,9−ビス(3−エチル−4−マレイミドフェ
ニル)フルオレン、3,7−ジマレイミド−2−メトキ
シフルオレン、9,10−ジマレイミドフェナントレ
ン、1,2−ジマレイミドアントラキノン、1,5−ジ
マレイミドアントラキノン、2,6−ジマレイミドアン
トラキノン、1,2−ジマレイミドベンゼン、1,3−
ジマレイミドベンゼン、1,4−ジマレイミドベンゼ
ン、1,4−ビス(4−マレイミドフェニル)ベンゼ
ン、2−メチル−1,4−ジマレイミドベンゼン、2,
3−ジメチル−1,4−ジマレイミドベンゼン、2,5
−ジメチル−1,4−ジマレイミドベンゼン、2,6−
ジメチル−1,4−ジマレイミドベンゼン、4−エチル
−1,3−ジマレイミドベンゼン、5−エチル−1,3
−ジマレイミドベンゼン、4,6−ジメチル−1,3−
ジマレイミドベンゼン、2,4,6−トリメチル−1,
3−ジマレイミドベンゼン、2,3,5,6−テトラメ
チル−1,4−ジマレイミドベンゼンおよび4−メチル
−1,3−ジマレイミドベンゼン等のビスマレイミド化
合物。
【0018】(a−3)一分子中に三個以上のマレイミ
ド基を有する化合物 トリス(4−マレイミドフェニル)メタン等のトリスマ
レイミド;ビス(3,4−ジマレイミドフェニル)メタ
ン等のテトラキスマレイミド;ポリ(4−マレイミドス
チレン)およびポリ(3−マレイミドスチレン)ならび
にアニリンとホルムアルデヒドの反応により得られるア
ニリン樹脂等の芳香族ポリアミンをマレイミド化したポ
リマレイミド等。
【0019】これらの中でも、塗布や含浸などに適した
流れ性を有する組成物あるいはワニスを得やすいことか
ら、成分(A)としては一分子中に二個以上のマレイミ
ド基を有する化合物が好ましい。そして、耐熱性に優れ
た硬化物を容易に得られることから、特に芳香族系ビス
マレイミド化合物が好ましい。
【0020】(2)成分Bについて 本発明における成分(B)アルケニルフェノール化合物
としては、例えば、下記(b−1)〜(b−4)に記載
の化合物を挙げることができる。これらのうち、一種の
みを用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
【0021】(b−1)ジアルケニルビフェニルジオー
ル化合物 3,3'−ビス(2−プロペニル)−4,4'−ビフェニ
ルジオール、3,3'−ビス(2−プロペニル)−2,
2'−ビフェニルジオール、3,3'−ビス(2−メチル
−2−プロペニル)−4,4'−ビフェニルジオールお
よび3,3'−ビス(2−メチル−2−プロペニル)−
2,2'−ビフェニルジオール。
【0022】(b−2)ジアルケニルビスフェノール化
合物 2,2−ビス[4−ヒドロキシ−3−(2−プロペニ
ル)フェニル]プロパン、ビス[4−ヒドロキシ−3−
(2−プロペニル)フェニル]メタン、ビス[4−ヒド
ロキシ−3−(2−プロペニル)フェニル]スルホキシ
ド、ビス[4−ヒドロキシ−3−(2−プロペニル)フ
ェニル]スルフィド、ビス[4−ヒドロキシ−3−(2
−プロペニル)フェニル]エーテル、ビス[4−ヒドロ
キシ−3−(2−プロペニル)フェニル]スルホン、
1,1−ビス[4−ヒドロキシ−3−(2−プロペニ
ル)フェニル]−1−フェニルエタン、1,1−ビス
[4−ヒドロキシ−3−(2−プロペニル)フェニル]
シクロヘキサン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフル
オロ−2,2−ビス−[4−ヒドロキシ−3−(2−プ
ロペニル)フェニル]プロパン、ビス[4−ヒドロキシ
−3−(2−プロペニル)フェニル]ケトン、9,9−
ビス[4−ヒドロキシ−3−(2−プロペニル)フェニ
ル]フルオレン、3,3−ビス[4−ヒドロキシ−3−
(2−プロペニル)フェニル]フタリド、ビス[2−ヒ
ドロキシ−3−(2−プロペニル)フェニル]メタン、
2,2−ビス[4−ヒドロキシ−3−メチル−5−(2
−プロペニル)フェニル]プロパン、ビス[2−ヒドロ
キシ−3−(2−プロペニル)フェニル]ケトン、2−
ヒドロキシ−3−(2−プロペニル)フェニル 4−ヒ
ドロキシ−3−(2−プロペニル)フェニルケトン、
2,2−ビス[4−ヒドロキシ−3−(2−メチル−2
−プロペニル)フェニル]プロパン、ビス[4−ヒドロ
キシ−3−(2−メチル−2−プロペニル)フェニル]
メタン、ビス[4−ヒドロキシ−3−(2−メチル−2
−プロペニル)フェニル]スルホキシド、ビス[4−ヒ
ドロキシ−3−(2−メチル−2−プロペニル)フェニ
ル]スルフィド、ビス[4−ヒドロキシ−3−(2−メ
チル−2−プロペニル)フェニル]エーテル、ビス[4
−ヒドロキシ−3−(2−メチル−2−プロペニル)フ
ェニル]スルホン、1,1−ビス[4−ヒドロキシ−3
−(2−メチル−2−プロペニル)フェニル]エチルベ
ンゼン、1,1−ビス[4−ヒドロキシ−3−(2−メ
チル−2−プロペニル)フェニル]シクロヘキサン、
1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビ
ス−[4−ヒドロキシ−3−(2−メチル−2−プロペ
ニル)フェニル]プロパン、ビス[4−ヒドロキシ−3
−(2−メチル−2−プロペニル)フェニル]ケトン、
9,9−ビス[4−ヒドロキシ−3−(2−メチル−2
−プロペニル)フェニル]フルオレン、3,3−ビス
[4−ヒドロキシ−3−(2−メチル−2−プロペニ
ル)フェニル]フタリド、ビス[2−ヒドロキシ−3−
(2−メチル−2−プロペニル)フェニル]メタン、
2,2−ビス[4−ヒドロキシ−3−メチル−5−(2
−メチル−2−プロペニル)フェニル]プロパン、ビス
[2−ヒドロキシ−3−(2−メチル−2−プロペニ
ル)フェニル]ケトンおよび2−ヒドロキシ−3−(2
−メチル−2−プロペニル)フェニル 4−ヒドロキシ
−3−(2−メチル−2−プロペニル)フェニルケト
ン。
【0023】(b−3)モノアルケニルフェノ−ル化合
物 2−(2−プロペニル)フェノ−ル、4−(2−プロペ
ニル)フェノ−ル、2−(2−メチル−2−プロペニ
ル)フェノ−ル、4−(2−メチル−2−プロペニル)
フェノ−ル、2−(2−プロペニル)−4−メチルフェ
ノ−ル、2−(2−メチル−2−プロペニル)−4−メ
チルフェノ−ル、2−(2−プロペニル)−4−ter
t−ブチルフェノ−ルおよび2−(2−プロペニル)−
4−tert−ブチルフェノ−ル。
【0024】(b−4)その他のアルケニルフェノール
系化合物 2,3−ビス(2−プロペニル)−1,4−ベンゼンジ
オール、2,5−ビス(2−プロペニル)−1,4−ベ
ンゼンジオール、3,5,6−トリス(2−プロペニ
ル)−1,2,5−ベンゼントリオール、2,4−ジヒ
ドロキシ−3,5−ビス(2−プロペニル)アセトフェ
ノン、2,5−ジヒドロキシ−3,4−ビス(2−プロ
ペニル)アセトフェノン、2,5−ジヒドロキシ−3,
6−ビス(2−プロペニル)アセトフェノン、2,6−
ジヒドロキシ−3,5−ビス(2−プロペニル)アセト
フェノン、3,5−ジヒドロキシ−2,4−ビス(2−
プロペニル)アセトフェノン、3,5−ジヒドロキシ−
2,6−ビス(2−プロペニル)アセトフェノン、1,
8−ジヒドロキシ−2,7−ビス(2−プロペニル)ア
ントラキノン、2,4−ジヒドロキシ−3,4−ビス
(2−プロペニル)ベンズアルデヒド、2,5−ジヒド
ロキシ−3,4−ビス(2−プロペニル)ベンズアルデ
ヒド、2,5−ジヒドロキシ−3,6−ビス(2−プロ
ペニル)ベンズアルデヒド、3,4−ジヒドロキシ−
2,5−ビス(2−プロペニル)ベンズアルデヒド、ト
リス[4−ヒドロキシ−3−(2−プロペニル)フェニ
ル]メタン、1,1,1−トリス[4−ヒドロキシ−3
−(2−プロペニル)フェニル]エタン、2,2'−ジ
ヒドロキシ−3,3'−(2−プロペニル)アゾベンゼ
ン、1−[1−メチル−1−(4−ヒドロキシ−3−
(2−プロペニル)フェニル)エチル]−4−[1,1
−ビス(4−ヒドロキシ−3−(2−プロペニル)フェ
ニル)エチル]ベンゼン、1,3−ジヒドロキシ−2,
4−ビス(2−プロペニル)ナフタレン、1,4−ジヒ
ドロキシ−2,3−ビス(2−プロペニル)ナフタレ
ン、1,5−ジヒドロキシ−2,6−ビス(2−プロペ
ニル)ナフタレン、1,6−ジヒドロキシ−2,5−ビ
ス(2−プロペニル)ナフタレン、1,6−ジヒドロキ
シ−2,7−ビス(2−プロペニル)ナフタレン、2,
6−ジヒドロキシ−1,5−ビス(2−プロペニル)ナ
フタレン、2,6−ジヒドロキシ−1,7−ビス(2−
プロペニル)ナフタレン、2,6−ジヒドロキシ−3,
7−ビス(2−プロペニル)ナフタレン、2,6−ジヒ
ドロキシ−3,5−ビス(2−プロペニル)ナフタレ
ン、2,7−ジヒドロキシ−3,6−ビス(2−プロペ
ニル)ナフタレン、2,7−ジヒドロキシ−1,6−ビ
ス(2−プロペニル)ナフタレン、2,7−ジヒドロキ
シ−1,8−ビス(2−プロペニル)ナフタレン、1,
4−ジヒドロキシ−2,3−ビス(2−プロペニル)ア
ントラキノン、1,5−ジヒドロキシ−2,6−ビス
(2−プロペニル)アントラキノン、1,8−ジヒドロ
キシ−2,7−ビス(2−プロペニル)アントラキノ
ン、5,8−ジヒドロキシ−6,7−ビス(2−プロペ
ニル)−1,4−ナフトキノン、2,3−ビス(2−メ
チル−2−プロペニル)−1,4−ベンゼンジオール、
2,5−ビス(2−メチル−2−プロペニル)−1,4
−ベンゼンジオール、3,5,6−トリス(2−メチル
−2−プロペニル)−1,2,5−ベンゼントリオー
ル、2,4−ジヒドロキシ−3,5−ビス(2−メチル
−2−プロペニル)アセトフェノン、2,5−ジヒドロ
キシ−3,4−ビス(2−メチル−2−プロペニル)ア
セトフェノン、2,5−ジヒドロキシ−3,6−ビス
(2−メチル−2−プロペニル)アセトフェノン、2,
6−ジヒドロキシ−3,5−ビス(2−メチル−2−プ
ロペニル)アセトフェノン、3,5−ジヒドロキシ−
2,4−ビス(2−メチル−2−プロペニル)アセトフ
ェノン、3,5−ジヒドロキシ−2,6−ビス(2−メ
チル−2−プロペニル)アセトフェノン、1,8−ジヒ
ドロキシ−2,7−ビス(2−メチル−2−プロペニ
ル)アントラキノン、2,4−ジヒドロキシ−3,4−
ビス(2−メチル−2−プロペニル)ベンズアルデヒ
ド、2,5−ジヒドロキシ−3,5−ビス(2−メチル
−2−プロペニル)ベンズアルデヒド、2,5−ジヒド
ロキシ−3,6−ビス(2−メチル−2−プロペニル)
ベンズアルデヒド、3,4−ジヒドロキシ−2,5−ビ
ス(2−メチル−2−プロペニル)ベンズアルデヒド、
トリス[4−ヒドロキシ−3−(2−メチル−2−プロ
ペニル)フェニル]メタン、1,1,1−トリス[4−
ヒドロキシ−3−(2−メチル−2−プロペニル)フェ
ニル]エタン、2,2'−ジヒドロキシ−3,3'−(2
−メチル−2−プロペニル)アゾベンゼン、1−[1−
メチル−1−(4−ヒドロキシ−3−(2−メチル−2
−プロペニル)フェニル)エチル]−4−[1,1−ビ
ス(4−ヒドロキシ−3−(2−メチル−2−プロペニ
ル)フェニル)エチル]ベンゼン、1,3−ジヒドロキ
シ−2,4−ビス(2−メチル−2−プロペニル)ナフ
タレン、1,4−ジヒドロキシ−2,3−ビス(2−メ
チル−2−プロペニル)ナフタレン、1,5−ジヒドロ
キシ−2,6−ビス(2−メチル−2−プロペニル)ナ
フタレン、1,6−ジヒドロキシ−2,5−ビス(2−
メチル−2−プロペニル)ナフタレン、1,6−ジヒド
ロキシ−2,7−ビス(2−メチル−2−プロペニル)
ナフタレン、2,6−ジヒドロキシ−1,5−ビス(2
−メチル−2−プロペニル)ナフタレン、2,6−ジヒ
ドロキシ−1,7−ビス(2−メチル−2−プロペニ
ル)ナフタレン、2,6−ジヒドロキシ−3,7−ビス
(2−メチル−2−プロペニル)ナフタレン、2,6−
ジヒドロキシ−3,5−ビス(2−メチル−2−プロペ
ニル)ナフタレン、2,7−ジヒドロキシ−3,6−ビ
ス(2−メチル−2−プロペニル)ナフタレン、2,7
−ジヒドロキシ−1,6−ビス(2−メチル−2−プロ
ペニル)ナフタレン、2,7−ジヒドロキシ−1,8−
ビス(2−メチル−2−プロペニル)ナフタレン、1,
4−ジヒドロキシ−2,3−ビス(2−メチル−2−プ
ロペニル)アントラキノン、1,5−ジヒドロキシ−
2,6−ビス(2−メチル−2−プロペニル)アントラ
キノン、1,8−ジヒドロキシ−2,7−ビス(2−メ
チル−2−プロペニル)アントラキノンおよび5,8−
ジヒドロキシ−6,7−ビス(2−メチル−2−プロペ
ニル)−1,4−ナフトキノン。
【0025】これらの中でも、塗布や含浸などに適した
流れ性を有する組成物あるいはワニスを得やすいことか
ら、成分(B)としては一分子中に二個以上のアルケニ
ル基を有する化合物が好ましい。
【0026】また、このアルケニル基としては、下記式
(II)で表されるものが好ましい。このような基は、下
記式(II)におけるmが0である基(すなわちアリール
基)に比べて立体障害が大きく、硬化物の架橋密度が過
剰に高くなることが防止される。このため、硬化物中に
発生する熱応力が比較的少なくなり硬化物の接着性およ
び耐熱老化性が向上する。一方、下記式(II)における
mが4以上の整数であると、アルケニル基の反応性が低
くなりすぎて組成物の硬化性が不足したり、成分(A)
と成分(B)との反応において所定の反応率なるまでに
長時間を要して組成物の生産性が低下したり、硬化物の
耐熱性が不十分となったりする場合がある。
【0027】
【化2】 CH2=C(Cm2m+1)CH2− ・・・(II) (ただし、mは1、2または3)
【0028】これらの中でも、原料が入手しやすく、ま
た適度な架橋密度を有する硬化物が得られやすいことか
ら、一分子中に二個以上のメタリル基を有するアルケニ
ルフェノール化合物を用いることが好ましく、下記式
(III)で表される化合物がより好ましい。このうち、
下記式(III)におけるn=0、u=1で、X2がイソプ
ロピレン基またはメチレン基である化合物を用いると、
耐熱性および接着性が共に向上するので好ましい。
【0029】
【化3】
【0030】また、本発明における成分(B)は、20
℃において固体または半固体であることが好ましい。こ
のようなアルケニルフェノール化合物の具体例として
は、上記式(III)にけるn=0、u=1で、X2がイソ
プロピレン基である化合物が挙げられる。
【0031】(3)成分(A)と成分(B)との反応に
ついて 本発明においては、成分(C)を混合する前に、成分
(A)と成分(B)とを部分的に反応させる。この反応
における両成分の割合は特に限定されないが、成分
(A)および成分(B)の合計重量を基準として成分
(A)が30〜80重量%であるのが好ましい。成分
(A)が80重量%を越えると架橋密度が高くなるため
硬化物が脆くなる恐れがある。一方、成分(A)が30
重量%未満では硬化物の耐熱性が低下する恐れがある。
【0032】反応温度は70〜200℃が好適であり、
より好ましくは120〜180℃である。また、反応時
間は、反応温度および後記反応率との兼ね合いで決定さ
れるものであるが、通常0.5〜24時間である。ま
た、前記反応は有機溶剤中で行うことが好ましく、この
有機溶剤としてはN,N−ジメチルアセトアミド、N−
メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミドなど
が挙げられる。さらに、反応を行うにあたり、ラジカル
開始剤の使用の有無は問わないが、反応途中で反応制御
が困難となり系内がゲル化する恐れがあるため、開始剤
を用いないことが好ましい。
【0033】本発明において使用される反応混合物は、
前記成分(A)および成分(B)を、ゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフィー(以下、「GPC」という。)
の面積比から算出した反応率が30〜90%となるまで
反応させて得られるものであり、反応率がこの範囲にな
るように前記反応温度および反応時間等を調整する。こ
の反応混合物には未反応の成分(A)および成分(B)
が合計10〜70%残存する。反応率が30%未満の場
合には、ワニスとして調整した際に沈澱が生じたり、組
成物またはワニスの流れ性が高くなりすぎて塗布や含浸
などに使用し難くなったりする恐れがある。一方、反応
率が90%を越えると、流れ性が不足して塗布や含浸な
どを伴う分野に使用し難くなったり、接着性が低下した
りする場合がある。
【0034】(4)成分(C)について 本発明における成分(C)は、アクリロイル基、メタク
リロイル基、および芳香環に結合したビニル基から選択
される基を、一分子中に一個以上有する重合性不飽和化
合物である。このような化合物のうち、一種のみを用い
てもよいし、二種以上を併用してもよい。この成分
(C)は、成分(A)と成分(B)とを反応させて得ら
れる反応混合物に混合される。これは、成分(A)と成
分(B)との反応を成分(C)の存在下で行うと、反応
系がゲル化する恐れがあるためである。このゲル化を防
止するため、成分(C)の混合は反応混合物を100℃
以下、より好ましくは70℃まで冷却した後に行うこと
が好ましい。
【0035】本発明において使用できる成分(C)の具
体例としては、下記(c−1)および(c−2)に示す
化合物が挙げられる。なお、以下において、「アクリレ
ート及び/又はメタクリレート」を「(メタ)アクリレ
ート」と、「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」を
「(メタ)アクリル酸」という。
【0036】(c−1)(メタ)アクリレート系化合物
類 メチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル
(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メ
タ)アクリレート、1,4−ブタンジオール(メタ)ア
クリレート、ネオペンチルグリコール(メタ)アクリレ
ート、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、
(メタ)アクリロイロキシエチルサクシネート、トリメ
チロールプロパントリ(メタ)アクリレート、2−ヒド
ロキシ−3−トリプロピル(メタ)アクリレート、2−
ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレ
ート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレー
ト、ビスジエチレングリコールフタレート(メタ)アク
リレート、ビスフェノールFジオキシジエチレングリコ
ールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFジオ
キシプロピレングリコールのジ(メタ)アクリレート、
ビスフェノールAジオキシジエチレングリコールのジ
(メタ)アクリレート、ビスフェノールF型エポキシジ
(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型エポキシジ
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリロ
イルホスフェート、ビス(2−ヒドロキシエチルアクリ
ロイル)ホスフェート、2−ヒドロキシエチルアクリロ
イルエチルホスフェート、二塩基酸またはその酸無水物
類とジオール類と(メタ)アクリル酸とを反応させて得
られるポリエステル(メタ)アクリレート、ジイソシア
ネート類とジオール類と(メタ)アクリル酸とを反応さ
せて得られるウレタン(メタ)アクリレートなど。
【0037】(c−2)芳香族ビニル化合物類 スチレン、α―メチルスチレン、ジビニルベンゼン、ビ
ニルトルエンなど。
【0038】本発明の成分(C)としては、その粘度が
500〜100,000mPa・s/25℃であるもの
が好ましく、20,000〜80,000mPa・s/
25℃であるものがより好ましい。また、硬化物の可撓
性の点から好ましい成分(C)は、不飽和基としてアク
リロイル基又はメタクリロイル基を有する化合物であ
る。特に好ましい成分(C)としては、接着力の点か
ら、ビスフェノールAポリエチレンオキサイド2モル付
加物ジグリシジルーテルのアクリル酸付加物が挙げられ
る。
【0039】この成分(C)の好ましい使用量は、成分
(A)と成分(B)との反応生成物と成分(C)との合
計に対して50重量%以下であり、より好ましくは10
〜30重量%である。成分(C)の使用量が50重量%
を超えると、得られる硬化物の耐熱性が低下する。一
方、成分(C)の使用量が10重量%未満であると、硬
化物の可撓性が不足しやすい。
【0040】(5)ワニスについて 本発明におけるワニスは、成分(A)〜(C)からなる
樹脂組成物を有機溶剤に溶解させて得られるものであ
る。前記有機溶剤としては、メチルエチルケトン、イソ
ブチルメチルケトンおよびシクロヘキサノン等のケトン
類、酢酸エチルおよび酢酸ブチル等のエステル類、トル
エンおよびキシレン等の炭化水素類、塩化メチレンおよ
び1,1,1−トリクロロエタン等のハロゲン炭化水素
類、ジオキサンおよびテトラヒドロフラン等のエ−テル
類、セロソルブアセテ−ト等のエ−テルエステル類、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセ
トアミド、ジメチルスルホキシドおよびスルホラン等の
非プロトン性有機溶剤が挙げられる。これらの有機溶剤
は、1種または2種以上を混合して使用することができ
る。
【0041】有機溶剤の使用量は、用途および有機溶剤
の種類に応じて種々異なり、明確に規定することは困難
であるが、ワニス全重量に対して10〜95重量%、よ
り好ましくは20〜90重量%用いるのが適当である。
使用する有機溶剤が10重量%よりも少ないと、ワニス
の粘度が高くなるため作業性および保存安定性が低下す
る恐れがある。また、使用する有機溶剤が95重量%よ
りも多い場合は、ワニスの粘度が下がるため均一に塗布
しにくくなる恐れがある。
【0042】(6)その他の成分について 本発明の樹脂組成物またはワニスは、上記成分(A)〜
(C)の他に、必要に応じて、ラジカル重合開始剤、難
燃剤、着色剤、他の樹脂、無機質フィラー、チキソ性付
与剤、消泡剤、レベリング剤、およびシランカップリン
グ剤等を添加してもよい。
【0043】前記ラジカル重合開始剤としては、過酸化
クミル、過酸化tert−ブチル、過酸化アセチル、過
酸化プロピオニル、過酸化ベンゾイル、過酸化−2−ク
ロロベンゾイル、過酸化ラウロイル、ペルオキシ炭酸ジ
イソプロピル、テトラリンヒドロペルオキシドおよび
2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパ−
オキシ)ヘキサン等の有機過酸化物が挙げられる。
【0044】前記難燃剤としては、テトラブロモビスフ
ェノ−ルA、テトラブロモビスフェノ−ルAのジ(メ
タ)アクリレ−ト反応物、テトラブロモビスフェノ−ル
Aジアリルエ−テル、ヘキサブロモベンゼン、トリス
(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレ−ト、2,
2−ビス(4−ヒドロキシエトキシ−3,5−ジブロモ
フェニル)フェニルプロパン、デカブロモジフェニルエ
−テルおよび臭素化ポリカ−ボネ−ト等の有機難燃剤、
酸化アンチモン、水酸化アルミ、水酸化マグネシウム、
水酸化ジルコニウムおよび酸化スズ等の無機系難燃剤、
トリフェニルホスフェ−トおよびトリキシレニルホスフ
ェ−ト等の芳香族リン酸エステル系難燃剤等が挙げられ
る。これらの中でも、分解温度が高いことおよびワニス
に添加した際に沈殿し難いことから臭素化ポリカ−ボネ
−トが好ましい。これらの難燃剤は1種または2種以上
を併用して使用することができる。
【0045】前記他の樹脂は、例えば、本発明の樹脂組
成物またはワニスから形成された硬化物を強靱化するな
どの目的で添加される。その代表例としては、エポキシ
樹脂、ポリエチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレンテ
レフタレート、スチレン−アクリロニトリル共重合体、
スチレン−N−フェニルマレイミド共重合体、ポリテト
ラフルオロエチレン、ポリエーテルイミド、ポリアミ
ド、ポリフェニレンオキサイド、ポリエーテルスルホ
ン、ブタジエンゴム、ATBN(末端アミノ化ブタジエ
ン−アクリロニトリル共重合体)、CTBN(末端カル
ボキシル化ブタジエン−アクリロニトリル共重合体)、
NBR(ニトリルゴム)などが挙げられる。これらの樹
脂は、単独でまたは二種以上混合して用いることができ
る。
【0046】前記無機フィラーは、例えば、硬化物の寸
法精度向上や線膨張係数コントロールなどの目的で添加
される。使用し得る無機フィラーの代表例としては、シ
リカ粉、ケイ酸ジルコニウム、アルミナ、炭酸カルシウ
ム、石英ガラス粉、クレー、タルク、硫酸バリウム、酸
化ジルコニウムなどが挙げられる。これらの無機フィラ
ーは、単独でまたは二種以上混合して用いることができ
る。また、これら無機フィラーの添加量は使用目的に応
じて決定されるが、一般的に樹脂組成物の全容量に対し
て5〜75容量%の範囲内とするのが適当である。
【0047】前記シランカップリング剤としては、成分
(A)〜(C)と反応する官能基を有する化合物であれ
ば特に限定されない。具体的には、γ−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピル
トリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチル
ジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジ
エトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリメトキシ
シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチ
ルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロ
ヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−
エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシ
ラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエ
チル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−
メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリ
ロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシ
プロピルトリメトキシシランおよびN−[β−(N−ビ
ニルベンジルアミノ)エチル]−γ−アミノプロピルト
リメトキシシラン塩酸塩等を挙げることができる。これ
らの中でも、反応性および接着性の向上等の理由によ
り、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランおよ
びβ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリ
メトキシシラン等のエポキシ基含有シランカップリング
剤、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミ
ノプロピルトリメトキシシランおよびN−(β−アミノ
エチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等の
アミノ基含有シランカップリング剤が好ましい。これら
シランカップリング剤は、所望により1種もしくは2種
以上混合して使用することができる。
【0048】(7)使用方法について 本発明の樹脂組成物またはワニスの、合成樹脂フィル
ム、合成樹脂シートや金属箔上へのコーティングは、通
常のディップ、スプレー、グラビアコーティング、ロー
ルコーティング等の方法により行うことができる。コー
トの厚みは、通常1〜200μm、好ましくは10〜1
00μmである。ワニスの場合には、コーティング後に
乾燥して溶媒を除去する。このとき、好ましい乾燥温度
は室温〜250℃(より好ましくは100〜200
℃)、好ましい乾燥時間は数分〜4時間(より好ましく
は数分〜0.5時間)である。
【0049】本発明の樹脂組成物またはワニスを硬化さ
せる際には、この組成物または有機溶剤除去後のワニス
を、例えば100〜300℃の恒温槽で10分〜5時間
加熱すればよい。
【0050】また、硬化方法として、公知の方法の光照
射を行うことができる。光源としては、例えば高圧水銀
灯、低圧水銀灯、キセノンランプ、太陽光線、あるいは
波長が200〜400nmの紫外線、特に好ましくは3
10〜400nmの紫外線が使用でき、他の電磁波も同
様に利用できる。本発明の光照射の条件即ち照射時間、
照射雰囲気等について特に制限はない。照射強度は通常
10〜2000W/cm2、好ましくは500〜100
0W/cm2であり、照射時間は製品として要求される
物性により5秒〜30分の間で適当に決めることができ
る。また、照射を酸素雰囲気下で行った場合にも、本発
明の組成物またはワニスの架橋および/または高分子化
反応はそれほど阻害されない。照射効率から言えば、照
射時の成形物のガラス転移温度以上、融点以下の温度で
照射を実施することが好ましい。
【0051】その他の硬化方法として電子線照射方法が
ある。電子線照射装置としては、エレクトロカーテン方
式およびエレクトロスキャンニング方式、照射雰囲気と
して空気中および不活性ガス中が使用されているが、い
ずれもそれに限定されるものではない。照射条件として
は、加速電圧100〜750kVで好ましくは150〜
300kV、照射線量は0.1kV〜500Mradで
ある。
【0052】本発明において、紫外線照射により硬化さ
せる場合、その光重合を促進させるために、光開始剤を
添加する事ができる。具体例としては、ベンジルアルデ
ヒド、ジメチルアセタール等のアセタール類、ベンゾイ
ンメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾ
インイソプロピルエーテル、ベンゾイン、α−メチルベ
ンゾイン等のベンゾイン類、アントラキノン、1−クロ
ロアントラキノン、2−クロロアントラキノン、2−エ
チルアントラキノン等のアントラキノン類、ベンゾフェ
ノン、p−クロロベンゾフェノン、p−ジメチルアミノ
ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、1−フェニル−
2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−
(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−
メチルプロパン−1−オン等の1−フェニルプロパン−
1−オン類、ジベンゾスペロン等のスペロン類、ジフェ
ニルジスルフィド等の含硫黄化合物、メチレンブルー、
エオシン、フルオレセン等の色素等が挙げられ、単独も
しくは2種以上併用することができる。
【0053】(8)樹脂組成物またはワニスの応用 以下、本発明の樹脂組成物またはワニスを用いた具体的
な応用について説明する。
【0054】(8−1)耐熱性接着剤 本発明の樹脂組成物またはワニスを用いた耐熱性接着剤
は、この接着剤の硬化温度において溶融しない基材であ
れば、基材の表面処理の有無にかかわらず、銅箔、銅
板、ステンレス板、鉄板、アルミなどの金属基材、ポリ
イミド、ポリエーテルイミド、ポリスルホンなどのプラ
スチック基材などに適用できる。その使用方法として
は、これらの基材に本発明の耐熱性接着剤を塗布して相
手材と貼り合わせ、50〜300℃の温度で0.1〜2
4時間硬化させればよい。ここで、耐熱性接着剤が溶媒
を含む場合には、基材に塗布後、乾燥させてから相手材
と貼り合わせる。
【0055】(8−2)耐熱性接着テープ 本発明の樹脂組成物またはワニスを用いた耐熱性接着テ
ープを得るには、例えば、ポリイミド、ポリエチレンテ
レフタレートなどの基材の上に本発明の樹脂組成物また
はワニスを所定厚になるように塗布し、室温〜200℃
の温度で0.1〜24時間乾燥または反応させればよ
い。なお、本発明における耐熱性接着テープの樹脂は、
完全に硬化させるのではなく、B−ステージ状態で止め
ておくことが望ましい。
【0056】(8−3)樹脂付き銅箔 本発明のワニスを用いた樹脂付き銅箔を得る方法として
は、例えば、銅箔の粗面にワニスを所定厚になるよう塗
布し、室温〜200℃の温度で0.1〜24時間乾燥ま
たは反応させることにより、樹脂付き銅箔を作成する。
使用する銅箔は特に限定されず、用途により圧延銅箔お
よび電解銅箔等を用いることができる。なお、本発明に
おける樹脂付き銅箔の樹脂は、完全に硬化させた樹脂で
はなく、B−ステージ状態で止めておくことが望まし
い。
【0057】(8−4)耐熱性フィルム 近年、フレキシブルプリント回路板が、エレクトロニク
ス分野で広く用いられ、機器の小型化、軽量化に貢献し
ている。フレキシブルプリント回路板は、合成樹脂フィ
ルム基板に銅箔を接着積層して、銅張積層シートとし、
この銅箔面にスクリーン印刷またはフォトレジスト法に
より回路パターンを形成し、次いで湿式エッチング法で
銅箔の不溶部分を除去して、銅回路を形成せしめたもの
である。合成樹脂フィルムとしては、電気特性、耐熱
性、耐薬品性、機械的性質等の点から、ポリイミドフィ
ルム、エポキシ樹脂シート、アラミドペーパー等が用い
られている。しかし、例えばフレキシブルプリント回路
板用の基板フィルム、カバーレイフィルムとして使用す
る場合は260℃以上のハンダ浴及び350℃以上の熱
圧着に耐えなければならないが、現在用いられているポ
リエステルフィルムは耐熱性が劣り問題となっている。
本発明のワニスを用いることにより、フレキシブルプリ
ント回路板用に用いるに適した260℃以上のハンダ
浴、350℃以上の熱圧着に耐えうる耐熱性フィルムを
提供できる。
【0058】(8−5)プリプレグ 本発明のワニスを用いたプリプレグを得る方法として
は、例えば、ガラス繊維布、アラミド繊維布、セルロー
ス紙等の基材に含浸させて、100〜200℃の範囲で
適当時間加熱して半硬化状のプリプレグを調製すればよ
い。
【0059】(8−6)積層板 前記樹脂付き銅箔を用いて積層板を作成する場合には、
ガラスクロス入り積層板に前記樹脂付き銅箔を室温〜2
50℃の温度でラミネートし、さらに必要に応じて70
〜250℃、好ましくは150〜250℃の温度で0.
5〜24時間硬化させて積層板を作成する。必要に応じ
てこの操作を数回繰り返し多層化しても良い。なお、ラ
ミネート方法および積層方法は特に限定されるものでは
ない。また、前記プリプレグを用いて積層板を作成する
場合には、前記プリプレグを1枚もしくは2枚以上を銅
箔と共に加熱加圧して銅張りの耐熱性積層板を作成すれ
ばよい。
【0060】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明する。
【0061】(1)ワニスの調整とその保存安定性評価 (実施例1)冷却管、攪拌機および温度計を取り付けた
1リットル三口フラスコに、ビス(4−マレイミドフェニ
ル)メタン100.6g、2,2−ビス[4−ヒドロキ
シ−3−(2−メチル−2−プロペニル)フェニル]プ
ロパン75.5gおよびN,N−ジメチルアセトアミド
58.9gを仕込み、150℃で75分反応させた。反
応物のGPC分析を行った結果、未反応のビス(4−マ
レイミドフェニル)メタンと2,2−ビス〔4−ヒドロ
キシ−3−(2−メチル−2−プロペニル)フェニル〕
プロパンとの合計量は52.6%であった(反応率4
7.4%)。反応液を50℃まで冷却した後、メチルエ
チルケトン172.8g、エポキシアクリレート(共栄
社化学株式会社製、商品名「エポキシエステル3002
A」)44.0gおよびジクミルパーオキシド11.6
gを配合し、均一になるまで攪拌してワニスを調整し
た。得られたワニスを室温下で3カ月間放置したとこ
ろ、沈殿、増粘などは認められなかった。
【0062】(実施例2)実施例1で用いたエポキシア
クリレートに代えて、他のエポキシアクリレート(共栄
社化学株式会社製、商品名「エポキシエステル200P
A」)を用いた点以外は、実施例1と同様にワニスを調
整した。得られたワニスを室温下で3カ月間放置したと
ころ、沈殿、増粘などは認められなかった。
【0063】(実施例3)実施例1で用いたエポキシア
クリレートに代えて、ポリエステルアクリレート(東亞
合成株式会社製、商品名「アロニックスM−625
0」)を用いた点以外は、実施例1と同様にワニスを調
整した。得られたワニスを室温下で3カ月間放置したと
ころ、沈殿、増粘などは認められなかった。
【0064】(実施例4)冷却管、攪拌機および温度計
を取り付けた1リットル三口フラスコに、ビス(4−マレイ
ミドフェニル)メタン100.6g、2,2−ビス[4
−ヒドロキシ−3−(2−プロペニル)フェニル]プロ
パン69.2gおよびN,N−ジメチルアセトアミド5
8.9gを仕込み、150℃で75分反応させた。反応
物のGPC分析を行った結果、未反応のビス(4−マレ
イミドフェニル)メタンと2,2−ビス〔4−ヒドロキ
シ−3−(2−プロペニル)フェニル〕プロパンとの合
計量は43.2%であった(反応率56.8%)。反応
液を50℃まで冷却した後、メチルエチルケトン16
5.0g、エポキシアクリレート(共栄社化学株式会社
製、商品名「エポキシエステル3002A」)42.5
gおよびジクミルパーオキシド11.6gを配合し、均
一になるまで攪拌してワニスを調整した。得られたワニ
スを室温下で3カ月間放置したところ、沈殿、増粘など
は認められなかった。
【0065】(比較例1)反応温度を130℃、反応時
間を15分とした点以外は、実施例1と同様にワニスを
調整した。反応物のGPC分析を行った結果、未反応の
ビス(4−マレイミドフェニル)メタンと2,2−ビス
〔4−ヒドロキシ−3−(2−メチル−2−プロペニ
ル)フェニル〕プロパンとの合計量は90%であった
(反応率10%)。得られたワニスを室温下で放置した
ところ、一日で沈殿が析出した。
【0066】(比較例2)反応温度を150℃、反応時
間を210分とした点以外は、実施例1と同様にワニス
を調整した。反応物のGPC分析を行った結果、未反応
のビス(4−マレイミドフェニル)メタンと2,2−ビ
ス〔4−ヒドロキシ−3−(2−メチル−2−プロペニ
ル)フェニル〕プロパンとの合計量は8%であった(反
応率92%)。得られたワニスを室温下で放置したとこ
ろ、沈殿、増粘などは認められなかった。しかし、上記
反応物は高粘度で取り扱いが困難であった。
【0067】(比較例3)反応混合物にエポキシアクリ
レートを配合しない点以外は、実施例1と同様にワニス
を調整した。得られたワニスを室温下で3カ月間放置し
たところ、沈殿、増粘などは認められなかった。
【0068】(2)耐熱性接着剤 (2−1)接着性および耐熱老化性 ポリイミド(デュポン社製、商品名「カプトン」、厚み
50μm)基材に、実施例1〜4のワニスを乾燥後の樹
脂厚みが20μmになるようにバーコーターを用いて塗
布し、140℃で5分間乾燥させた。その後、樹脂面に
電解銅箔(厚み35μm)の粗面を170℃×5分、1
5kg/cm2の条件で接着し、さらに200℃のオー
ブンで3時間硬化させて試験片を得た。各樹脂付き銅箔
につき、ポリイミドと銅箔との180度Peel強度
を、23℃および150℃で測定した。さらに、試験片
を200℃で30日間曝露した後の23℃における18
0度Peel強度を測定した。その結果を下記表1に示
す。
【0069】
【表1】 表 1 ――――――――――――――――――――――――――― Peel強度(kgf/cm) 23℃ 150℃ 老化後23℃ ――――――――――――――――――――――――――― 実施例1 1.51 1.40 1.45 実施例2 1.42 1.35 1.33 実施例3 1.32 1.24 1.26 実施例4 1.22 0.98 0.78 ―――――――――――――――――――――――――――
【0070】表1より、成分(B)としてメタリル基を
有するアルケニルフェノール化合物を用いた実施例1〜
3のワニスは、実施例4に比べて高温における接着性が
より高く、また熱老化後においても接着力の低下が少な
いことが判る。
【0071】(2−2)ハンダ耐熱試験 上記試験片につき、JIS C 6481記載の方法に
準じてハンダ耐熱試験(試験条件:280℃×3分)を
行った結果、いずれも合格であった。
【0072】(3)耐熱性接着テープ ポリイミド(デュポン社製、商品名「カプトン」、厚み
50μm)基材に、実施例1〜3および比較例3のワニ
スを乾燥後の樹脂厚みが20μmになるようにバーコー
ターを用いて塗布し、140℃で5分間乾燥させて接着
テープを得た。この接着テープを180度に折り曲げた
後の樹脂面の状態を観察した。その結果を下記表2に示
す。
【0073】
【表2】 表 2 ――――――――――――――――――――――――――― 用いたワニス 折り曲げ後の状態 ――――――――――――――――――――――――――― 実施例1 変化なし 実施例2 変化なし 実施例3 変化なし 比較例3 ひび割れおよび基材からの剥離 ―――――――――――――――――――――――――――
【0074】(4)樹脂付き銅箔 (実施例5)実施例1のワニスに、難燃化剤としての臭
素化ポリカーボネート(帝人化成株式会社製、商品名
「ファイヤーガード8500」)31.0g、シランカ
ップリング剤としてのβ−(3,4−エポキシシクロヘ
キシル)エチルトリメトキシシラン(日本ユニカー社
製、商品名「A−186」)6.3gおよびメチルエチ
ルケトン37.3gを加えて均一なワニスを得た。得ら
れたワニスを室温下で3カ月間放置したところ、沈殿、
増粘などは認められなかった。このワニスを、電解銅箔
(厚み35μm)の粗面に、乾燥後の厚みが50μmと
なるようにバーコーターを用いて塗布し、150℃で5
分間乾燥させて樹脂付き銅箔を得た。この樹脂付き銅箔
を180度に後の樹脂面の状態を観察したところ、樹脂
のひび割れや銅箔からの剥離は認められなかった。
【0075】(4−3)積層板 (実施例6)上記実施例5で得られた樹脂付き銅箔をF
R−4基板(厚み1.0mm、銅箔エッチング済)に9
0℃で真空ラミネートし、さらに200℃で3時間オー
ブンで硬化させて積層板を得た。この積層板につき、銅
箔の90度Peel強度を23℃および150℃で測定
した結果、23℃では1.72kgf/cm、150℃
では1.51kgf/cmであった。また、JIS C
6481記載の方法に準じてハンダ耐熱試験(試験条
件:280℃×3分)を行った結果、上記積層板は合格
であった。
【0076】(5)耐熱性フィルム (実施例7)実施例1で得たワニス120gに、クレゾ
ールノボラック型エポキシ樹脂(住友化学工業(株)
製:ESCN−100T)32gおよび不飽和ポリエス
テル40gを添加し、均一に混練したのち100μm膜
厚のポリエステルフィルム上に乾燥後の膜厚が20〜3
0μmになるようコートした。次に100℃にて10分
間加熱乾燥させるとともに硬化させて、形成されたフィ
ルムをポリエステルフィルムから剥し、さらにこのフィ
ルムを150℃10時間程ポストキュアーさせた。得ら
れた耐熱性フィルムをJIS C 6481により、2
60℃にて20秒間浸漬したところ、外観変化は認めら
れなかった。また、このフィルムは十分な可撓性を示し
た。
【0077】(比較例4)比較例3で得たワニス120
gを用いた点以外は、実施例5と同様にして耐熱性フィ
ルムを得た。得られた耐熱性フィルムをJIS C 6
481により、260℃にて20秒間浸漬したところ、
外観変化は認められなかった。しかし、このフィルムは
脆く、可撓性が不足していた。
【0078】(6)プリプレグおよびこれを用いた積層
板 (実施例8)実施例2で得たワニスをガラスクロス(旭
シュエーベル(株)製:7628)に含浸させ、170
℃にて20分間乾燥させて樹脂含量35%のプリプレグ
を調製した。このプリプレグ8枚を厚さ35μmの銅箔
で挟み、220℃にて30分間加熱しつつ、プレス機に
て30kg/cm2の加圧を行い、プレス機から取り出
してから、更に250℃にて1時間、熱風循環炉中でポ
ストキュアーを行い、厚さ1.6mmの銅張り積層板を
得た。得られた積層板を沸騰水中に10時間浸漬後、2
80℃ハンダ浴に1分間浸漬したが、外観上の変化は認
められなかった。
【0079】(比較例5)比較例1で得たワニスを上記
ガラスクロスに含浸させ、170℃にて20分間乾燥さ
せて樹脂含量35%のプリプレグを調製した。このプリ
プレグを用いて、実施例6と同様に銅張り積層板を作成
した。しかし、樹脂の流れ性が大きすぎるため、所望の
厚みの積層板は得られなかった。
【0080】(比較例6)比較例2で得たワニスを上記
ガラスクロスに含浸させた。しかし、樹脂の流れ性が小
さいため、積層板中に気泡が残ってしまった。
【0081】尚、本発明においては、前記具体的実施例
に示すものに限られず、目的、用途に応じて本発明の範
囲内で種々変更した実施例とすることができる。
【0082】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、成分(A)と成
分(B)とを所定の反応率で反応させているので、この
樹脂組成物からワニスを調整した場合において沈殿を生
じにくい。また、上記反応率とすることにより、この組
成物またはワニスは、塗布や含浸などの工程における流
れ性が適度なものとなる。さらに、上記成分(A)およ
び上記成分(B)に加えて上記成分(C)を含有するの
で、可撓性に優れた硬化物が得られる。特に、成分
(B)として一分子中に二個以上のメタリル基を有する
アルケニルフェノール化合物を用いた場合には、硬化物
の架橋密度が過剰に高くなることが防止されて、硬化物
の接着性および耐熱老化性が向上する。また、本発明の
組成物からなるワニスは、上記効果を有するとともに、
有機溶剤による粘度調節が可能である。したがって、塗
布や含浸などの工程を伴う分野において特に有用であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 馨 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1 東 亞合成株式会社名古屋総合研究所内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記成分(A)と下記成分(B)とを、
    ゲルパーミエーションクロマトグラフィーの面積比から
    算出した反応率が30〜90%となるまで反応させて得
    られる反応混合物と、 下記成分(C)と、からなることを特徴とする樹脂組成
    物。 (A)マレイミド化合物 (B)アルケニルフェノール化合物 (C)アクリロイル基、メタクリロイル基、および芳香
    環に結合したビニル基から選択される基を、一分子中に
    一個以上有する重合性不飽和化合物
  2. 【請求項2】 上記成分(B)が、一分子中に二個以上
    のメタリル基を有するアルケニルフェノール化合物であ
    る請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 上記成分(B)が、一分子中に二個以上
    のアルケニル基を有し、20℃において固体または半固
    体のアルケニルフェノール化合物である請求項1または
    2記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 上記成分(A)が、一分子中に二個以上
    のマレイミド基を有するマレイミド化合物である請求項
    1、2または3記載の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1から4のいずれか一項に記載の
    樹脂組成物と、有機溶剤と、からなることを特徴とする
    ワニス。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の樹脂組成物または請求項
    5記載のワニスを用いた耐熱性接着剤。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の樹脂組成物または請求項
    5記載のワニスを用いた耐熱性接着テープ。
  8. 【請求項8】 請求項5記載のワニスを用いた樹脂付き
    銅箔。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の樹脂付き銅箔を用いた積
    層板。
  10. 【請求項10】 請求項5記載のワニスを用いた耐熱性
    フィルム。
  11. 【請求項11】 請求項5記載のワニスを用いたプリプ
    レグ。
  12. 【請求項12】 請求項11記載のプリプレグを用いた
    積層板。
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