JP2000319623A - 光選択熱硬化性皮膜シート - Google Patents

光選択熱硬化性皮膜シート

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JP2000319623A
JP2000319623A JP12505499A JP12505499A JP2000319623A JP 2000319623 A JP2000319623 A JP 2000319623A JP 12505499 A JP12505499 A JP 12505499A JP 12505499 A JP12505499 A JP 12505499A JP 2000319623 A JP2000319623 A JP 2000319623A
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film
resin
weight
thermosetting
sheet
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JP12505499A
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English (en)
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Nobuyuki Ikeguchi
信之 池口
Takafumi Omori
貴文 大森
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 1度の皮膜形成加工で、孔埋め性
に優れ、ソリが無く、且つ各種特性に優れたプリント配
線板用の光選択熱硬化型永久保護膜用のフィルム付き皮
膜シートを得る。 【解決手段】 アルミ蒸着フィルム、或いはその
表面にポリプロピレンフィルムを接着したフィルムの片
面に、好ましくは多官能性シアン酸エステル化合物を配
合した、または該シアン酸エステル化合物を反応して得
られた、光選択熱硬化樹脂組成物を、厚さ40〜100μmと
なるように塗布、乾燥し、ラミネートした場合の樹脂流
れが100μm〜1mmとなる皮膜シートとする。その後、露
光、現像し、熱硬化させて永久保護皮膜とする。 【効果】 1度の皮膜形成で、厚さ40〜100μm
の均等な皮膜を表裏に形成できるためにソリが無く、孔
埋め性に優れ、加えて、プレッシャークッカー後の電気
絶縁性、耐マイグレーション性等の特性に優れたものが
得られた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回路を形成したプ
リント配線板等の表面に、加熱ロール等で加熱、加圧下
に接着し、光で選択的に硬化させ、未硬化部分を現像除
去した後、熱で後硬化して得られる永久保護皮膜に用い
る光選択熱硬化性皮膜シートに関する。得られたプリン
ト配線板は、高密度の小型プリント配線板として、新規
な半導体プラスチックパッケージ用等に使用される。
【0002】
【従来の技術】従来、プリント配線板の永久保護皮膜と
して、スクリーン印刷法による薄膜絶縁塗料が使用され
ていた。これは印刷時に樹脂のブリード、ダレ等が生じ
たり、印刷の位置ズレが生じたりして、近年ますます精
密な位置精度、高解像度を必要とするプリント配線板へ
の永久保護皮膜としては不十分であった。この対応とし
て、近年、アルカリ性水溶液で現像可能な光選択熱硬化
性塗料の開発がなされてきたが、塗布厚みがスクリーン
印刷機の印刷能力、使用しているレジストの溶剤飛散等
で変わるために、特に厚みが薄い基材での表裏の厚みバ
ラツキ等によるソリの発生は避けられなかった。また、
スクリーン印刷では、1回塗りで40μm以上、特に50μm
以上の厚みを塗布することができなかった。現在、希ア
ルカリ性水溶液或いは水溶性有機溶剤とアルカリ剤との
水溶液により現像する液状光選択熱硬化性塗料は、カル
ボキシル基含有アクリル系樹脂にグリシジル(メタ)ア
クリレートを反応させて得られる不飽和樹脂に芳香族エ
ポキシ化合物を配合して得られる樹脂組成物(特開平1-
139619)、ノボラック型エポキシ樹脂と不飽和カルボン
酸との反応物に飽和又は不飽和多塩基酸無水物を反応さ
せて得られる化合物に希釈剤を添加したもの(特開昭61
-243869)、(メタ)アクリル酸とラクトン変性ヒドロキ
シル(メタ)アクリレートとを必須成分とするビニル共
重合体のカルボキシル基の一部に、脂環式エポキシ基含
有(メタ)アクリレートを反応して得られる樹脂にクレ
ゾールノボラック型エポキシ樹脂を配合したもの(特開
平8-41150)等が知られている。このような樹脂は、本発
明の光選択熱硬化性皮膜シートの樹脂成分(b)として使
用できるが、耐熱性、耐マイグレーション性或いはプレ
ッシャークッカー処理後の電気絶縁性等の点からも今一
歩の感があった。更に、塗料として溶剤を含むため、塗
布し、乾燥する際の溶剤飛散による、環境等の点からも
好ましいものではなかった。
【0003】また、多官能性シアン酸エステル類と光重
合性もしくは光架橋性の単量体或いはプレポリマーとの
混合物または予備反応物を主成分とするものが提案され
ている(特開昭56-141321)が、これは希アルカリ性水溶
液或いは水溶性有機溶剤とアルカリ剤との水溶液では現
像が不可能であり、光選択熱硬化性塗料としては使用で
きないものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上の問題
点を解決した永久保護皮膜となる使用時に溶剤を含まな
い光選択熱硬化性皮膜シートを提供する。
【0005】
【発明が課題を解決するための手段】本発明は、好まし
くは、多官能性シアン酸エステル化合物を混合物で配合
するか、或いは事前に反応させてから配合した塗料を使
用し、これを離型シートの片面に塗布し、加熱乾燥して
溶剤を除去して得られる、融点50〜100℃で、且つ120
℃、1kgfのホットロールでラミネートした時の樹脂流れ
が100μm〜2mmのホットメルト型シートである光選択熱
硬化性皮膜シートを提供する。得られた該熱硬化性皮膜
シートを、回路を形成したプリント配線板の両面に加熱
ロール等で加熱、圧着してから、光、特に紫外線を選択
的に照射後、未照射の部分を希アルカリ性水溶液あるい
は水溶性有機溶剤とアルカリ剤とからなる水溶液で現像
除去し、その後加熱硬化させて得られるプリント配線板
用の永久保護皮膜が提供される。
【0006】
【発明の実施の形態】すなわち、光選択熱硬化性樹脂成
分において、熱硬化成分として、少なくとも(a)多官能
性シアン酸エステル化合物 15〜50重量%を含み、光硬化
成分として、少なくとも(b)酸価40〜200mgKOH/gの
不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂20〜80重量%と、(c)エ
チレン性不飽和モノマー 1〜30重量%とを含んでなる無
溶剤或いは溶剤に溶解または懸濁分散して得られた溶液
に、(d)光重合開始剤 0.1〜20重量%及び(e)熱硬化触媒
0.01〜5重量%を配合してなることを特徴とする光選択熱
硬化性塗料が好ましく使用される。この塗料は、離型シ
ートの片面に塗布、乾燥して溶剤を除去した後、好適に
は銅箔表面を化学処理した銅導体からなるプリント配線
板の表面に、加熱ロールで接着させ、光を選択的に照射
して後、光の照射していない未硬化成分を希アルカリ性
の現像液にて溶解除去し、次いで熱硬化成分を加熱硬化
させてプリント配線板の一部として使用される。また、
光選択熱硬化性樹脂成分において、熱硬化成分として、
少なくとも(f)エポキシ樹脂5〜30重量%、光硬化成分と
して(g)エポキシアクリレート100重量部に対して多官能
性シアン酸エステルプレポリマー5〜40重量部を反応し
て得られた、樹脂を多塩基酸無水物10〜90重量部と反応
させた酸価40〜200mgKOH/gの樹脂を20〜90重量%、
(c)エチレン性不飽和モノマー1〜30重量%、(e)光重合開
始剤 0.5〜20重量% を配合してなることを特徴とする光
選択熱硬化性塗料が好ましく使用される。この塗料を離
型シートの片面に塗布、乾燥して溶剤を除去して得られ
る光選択熱硬化性樹脂皮膜シートを、銅導体からなるプ
リント配線板の上に重ね、加熱ロール等で、樹脂皮膜を
溶融接着させ、紫外線等の光を選択的に照射してから、
未硬化部分を希アルカリ水溶液で溶解除去した後、加熱
により熱硬化成分を硬化させてプリント配線板の一部と
して使用される。
【0007】本発明の熱硬化性樹脂分である(a)多官能
性シアン酸エステル化合物とは、分子内に2個以上のシ
アナト基を有する化合物である。具体的に例示すると、
1,3-又は1,4-ジシアナトベンゼン、1,3,5-トリシアナト
ベンゼン、1,3-、1,4-、1,6-、1,8-、2,6-又は2,7-ジシ
アナトナフタレン、1,3,6-トリシアナトナフタレン、4,
4-ジシアナトビフェニル、ビス(4-ジシアナトフェニル)
メタン、2,2-ビス(4-シアナトフェニル)プロパン、2,2-
ビス(3,5-ジブロモー4-シアナトフェニル)プロパン、ビ
ス(4-シアナトフェニル)エーテル、ビス(4-シアナトフ
ェニル)チオエーテル、ビス(4-シアナトフェニル)スル
ホン、トリス(4-シアナトフェニル)ホスファイト、トリ
ス(4-シアナトフェニル)ホスフェート、およびノボラッ
クとハロゲン化シアンとの反応により得られるシアネー
ト類などである。これらのほかに特公昭41-1928、同43-
18468、同44-4791、同45-11712、同46-41112、同47-268
53及び特開昭51-63149号公報等に記載の多官能性シアン
酸エステル化合物類も用いられ得る。また、これら多官
能性シアン酸エステル化合物のシアナト基の三量化によ
って形成されるトリアジン環を有する分子量200〜6,000
のプレポリマーが使用される。このプレポリマーは、上
記の多官能性シアン酸エステルモノマーを、例えば鉱
酸、ルイス酸等の酸類;ナトリウムアルコラート等、第
三級アミン類等の塩基;炭酸ナトリウム等の塩類等を触
媒として重合させることにより得られる。このプレポリ
マー中には一部未反応のモノマーも含まれており、モノ
マーとポリマーとの混合物の形態をしており、このよう
な原料は本発明の用途に好適に使用される。一般には可
溶な有機溶剤に溶解させて使用する。エポキシアクリレ
ートと反応させるプレポリマーとして上記プレポリマー
が使用される。また、光選択熱硬化性塗料の、その他の
熱硬化成分として添加できるものでは、エポキシ樹脂が
大半である。このエポキシ樹脂としては、一般に公知の
ものが使用できる。具体的には、液状或いは固形のビス
フェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキ
シ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾ
ールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂;
ブタジエン、ペンタジエン、ビニルシクロヘキセン、ジ
シクロペンチルエーテル等の二重結合をエポキシ化した
ポリエポキシ化合物類;ポリオール、水酸基含有シリコ
ン樹脂類とエポハロヒドリンとの反応によって得られる
ポリグリシジル化合物類等が挙げられる。これらは1種
或いは2種類以上が組み合わせて使用され得る。またポ
リイミド樹脂も使用され得る。これらは一般に公知のも
のが使用される。具体的には、特公昭57-005406号公報
に記載の末端三重結合のポリイミド類が挙げられる。こ
れらの熱硬化性樹脂は、単独でも使用されるが、特性の
バランスを考え、適宜組み合わせて使用するのが良い。
【0008】本発明の熱硬化性樹脂組成物には、組成物
本来の特性が損なわれない範囲で、所望に応じて種々の
添加物を配合することができる。これらの添加物として
は、不飽和ポリエステル等の重合性二重結合含有モノマ
ー類及びそのプレポリマー類;ポリブタジエン、エポキ
シ化ブタジエン、マレイン化ブタジエン、ブタジエン-
アクリロニトリル共重合体、ポリクロロプレン、ブタジ
エン-スチレン共重合体、ポリイソプレン、ブチルゴ
ム、フッ素ゴム、天然ゴム等の低分子量液状〜高分子量
のelasticなゴム類;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リブテン、ポリ-4-メチルペンテン、ポリスチレン、AS
樹脂、ABS樹脂、MBS樹脂、スチレン-イソプレンゴム、
ポリエチレン-プロピレン共重合体、4-フッ化エチレン-
6-フッ化エチレン共重合体類;ポリカーボネート、ポリ
フェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリエステル、ポ
リフェニレンサルファイド等の高分子量プレポリマー若
しくはオリゴマー;ポリウレタン等が例示され、適宜使
用される。また、その他、公知の有機の充填剤、染料、
顔料、増粘剤、滑剤、消泡剤、分散剤、レベリング剤、
光増感剤、難燃剤、光沢剤、重合禁止剤、チキソ性付与
剤等の各種添加剤が、所望に応じて適宜組み合わせて用
いられる。必要により、反応基を有する化合物は硬化
剤、触媒が適宜配合される。本発明で使用される(b)成
分の不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂は、分子内にカル
ボキシル基と(メタ)アクリロイル基などの不飽和基を
有する樹脂であり、一般に公知のものが使用される。例
えば、特開平1-139619号公報に示される、カルボキシル
基含有アクリル樹脂とグリシジル(メタ)アクリレート
とを反応して得られる不飽和基含有樹脂、特開平8-4115
0に記載の(メタ)アクリル酸と楽トン変性ヒドロキシ
アルキル(メタ)アクリレートを必須成分とするビニル
共重合体のカルボキシル基の一部に、脂環式エポキシ基
含有不飽和化合物を反応させた不飽和基含有樹脂、特開
昭61-243869号公報に記載のノボラック型エポキシ化合
物と不飽和モノカルボン酸との反応物に飽和または不飽
和多塩基酸無水物を反応させて得られる樹脂などが挙げ
られる。不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂は必ずしもこ
れらに限定されるものではない。本発明の(b)成分の使
用量は20〜80重量%、好ましくは25〜70重量%である。量
が少ない場合、希アルカリ水溶液での現像性に欠ける。
量が多いと硬化後の塗膜の特性が悪くなる。本発明で使
用される(b)成分である不飽和基含有ポリカルボン酸樹
脂の中で好ましいものは、酸価10〜200mgKOH/g、樹脂1k
g当たりの二重結合が1.0〜3.5モル、数平均分子量1,000
〜50,000の(メタ)アクリル酸とラクトン変性ヒドロキ
シアルキル(メタ)アクリレートを必須成分とするカル
ボキシル基含有(メタ)アクリル系樹脂と脂環式エポキ
シ基含有不飽和化合物を反応させた不飽和基含有樹脂、
フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型或い
はそれらのハロゲン化エポキシ樹脂と不飽和カルボン酸
とを、酸当量/エポキシ当量の比か0.2〜1.0の範囲で反
応させ、得られた反応物の水酸基に飽和或いは不飽和多
塩基酸無水物を酸当量/水酸基当量の比が0.2以上で反
応させた反応物であり、その酸価が40〜160mgKOH/gの不
飽和含有ポリカルボン酸樹脂などが挙げられる。次に本
発明で使用される(c)成分のエチレン性不飽和二重結合
を有する光重合性化合物としては、まず、2価以上のア
ルコール類の(メタ)アクリル酸エステル類が挙げられ
る。このアルコール類としては、例えば、エチレングリ
コール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオー
ル、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、ヘキ
サンジオール、ヘプタンジオール、ネオペンチルグリコ
ール、1,10-デカンジオール、シクロヘプタンジオー
ル、1,4-シクロヘキサンジメタノール等;ジエチレング
リコール、トリエチレングリコール等のポリエチレング
リコール類;ジプロピレングリコール、トリプロピレン
グリコール等のポリプロピレングリコール類;キシレン
ジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、ビフェノ
ール、カテコール、レゾルシノール、ピロガロール、グ
リセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロ
パン、ペンタエリスリットール、ジペンタエリスリット
ール、トリペンタエリスリットール、ソルビトール、グ
ルコース、ブタントリオール、1,2,6-トリヒドロキシヘ
キサン、1,2,4-ベンゼントリオール等が挙げられる。ま
た、アリル化合物、例えばアジピン酸、フタル酸、テレ
フタル酸、トリメリット酸等のポリアリルエステル類、
ポリスルホン酸のポリアリルエステル類、ジアリルエー
テル、トリアリルイソシアヌレート等も用いられる。更
に、例えばジビニルベンゼン、ジビニルスルホン、ジビ
ニルフタレート、ジビニルテレフタレート等のポリビニ
ル化合物も使用される。その他、公知の化合物、樹脂類
などが使用できる。これらの化合物は、1種或いは2種以
上が組み合わせて使用される。使用量は、1〜30重量%、
好ましくは2〜20重量%である。本発明の成分(f)として
使用される、エポキシ樹脂としては、一般に公知の、分
子内に少なくとも1個以上のエポキシ基を有するものが
挙げられるが、具体的には、脂環式エポキシ基を1個有
し、不飽和基を1個以上有する、エポキシシクロヘキサ
ンメタノールのアクリル酸エステルである3,4-エポキシ
シクロヘキシルメチルアクリレート、エポキシシクロヘ
キサンメタノールのメタククリル酸エステルである3,4-
エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレートなどが挙
げられる。更には、特開平01-2899820号公報に記載の化
合物も使用できる。また、脂環式エポキシ基を2個以上
有する脂環式エポキシ樹脂が好適に使用され得る。更に
は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF
型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹
脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂などが挙げら
れ、1種或いは2種以上が組み合わせて使用され得る。
【0009】本発明の成分(g)の一部として使用される
エポキシアクリレートは、エポキシ樹脂とアクリル酸と
の反応物で、例えば、ビスフェノールA型エポキシアク
リレート、ビスフェノールF型エポキシアクリレート、
ビフェノール・エポキシアクリレート、テトラメチルビ
フェノール・エポキシアクリレート、ヘキサメチルビフ
ェノール・エポキシアクリレート、キシレンノボラック
・エポキシアクリレート等であり、これらを単独或いは
2種以上配合してなる組成物または反応物が挙げられ
る。また、本発明の成分(g)の一部として使用される
多塩基酸無水物としては、1分子中に2個以上のカルボ
ン酸を有するもので、例えば、無水フラル酸、無水トリ
メリット酸、無水ピロメリット酸、ナフタレンー1,
4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノ
ンテトラカルボン酸無水物、テトラヒドロ無水フタル
酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、4−メチルヘキサヒド
ロ無水フタル酸、3−メチルヘキサヒドロ無水フタル
酸、無水コハク酸、ドデセニル無水コハク酸、エチレン
グリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、グリセ
リンビス(アンヒドロトリメテート)、3,3’,4,
4’ージフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、
4,4’−オキシジフタル酸無水物、その他無水酸を分
子内に有しているものが挙げられ、これらは単独或いは
2種以上が組み合わせて使用される。エポキシアクリレ
ートと多官能性シアン酸エステルプレポリマーと反応さ
せる場合、エポキシアクリレート100重量部に対し、5〜
40重量部、好ましくは10〜30重量部を変性する。反応温
度は50〜100℃で行う。反応時間は5〜100時間である。
反応時には粘度調整のために溶剤を使用できる。これら
の溶剤としては、特に限定はしないが、具体的には、ア
セトン、メチルエチルケトン等のケトン類;ジプロピレ
ングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピ
レングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチ
レンエーテルグリコールモノメチルエーテルアセテート
等のグリコール類のアセテート、ソルベントンフサ、ト
ルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素
類等が単独或いは2種以上が組み合わせて使用される。
【0010】この得られた反応物に対し、多塩基酸10〜
90重量部を反応させて、樹脂の酸価が40〜200mgKOH/g
、好ましくは45〜160mgKOH/g となるようにする。
本発明で使用される光選択熱硬化性塗料には、光で重合
させるための光重合開始剤(成分d)が使用される。例え
ばベンジル、ジアセチル等のα-ジケトン類;ベンゾイ
ル等のアシロイン類;ベンゾインメチルエーテル、ベン
ゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテ
ル、ベンゾインイソブチルエーテル等のアシロインエー
テル類;チオキサントン、1,4-ジエチルチオキサントン
等のチオキサントン類;ベンゾフェノン、4,4'-ビス
(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン
類;アセトフェノン、1,2'-ジメトキシ-2-フェニルアセ
トフェノン、p-メトキシアセトフェノン等のアセトフ
ェノン類;アントラキノン、1,4-ナフトキノン等のキノ
ン類;ジ-t-ブチルパーオキサイド等の過酸化物等が1
種或いは2種以上が組み合わせて使用される。使用量
は、0.1〜20重量%、好ましくは0.2〜10重量%である。
【0011】また、エポキシ化合物を配合した場合に
は、カチオン系光重合開始剤を加えることが好ましい。
例えば芳香族スルホニウム塩、η5-2,4-シクロペンタ
ジエン-1-イル)[(1,2,3,4,5,6-η)-(1-メチルエチ
ル)ベンゼン]-アイアン(1+)-ヘキサフルオロフォスフ
ェート(1-)等の鉄の錯体等、一般に公知の重合開始剤の
1種或いは2種以上が、エポキシ化合物100重量部に対
し 0.1〜10重量部、好適には0.2〜5重量部使用される。
【0012】本発明の熱硬化性樹脂組成物は、それ自体
は加熱により硬化するが硬化速度が遅く、作業性、経済
性等に劣るため使用した熱硬化性樹脂に対して公知の熱
硬化触媒(e)を用い得る。使用量は、0.01〜5重量%、好
ましくは0.015〜3重量%である。
【0013】本発明での塗料組成物は、固形分または半
固形分を主とする樹脂組成物を溶剤に溶解或いは懸濁さ
せて配合した溶液て使用されるのが好ましい。
【0014】本発明の樹脂組成物はそれぞれ溶解する溶
剤に予め溶解させて配合するのが好ましい。多官能性シ
アン酸エステル化合物を溶解する溶剤は、溶解するもの
であれば特に制限はなく、例えばアセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;酢酸
エチル、酢酸イソブチル、酢酸-n-ブチル、エチレング
リコールモノアセテート、プロピレングリコールアセテ
ート、ジプロピレングリコールモノアセテート等のエス
テル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類等が
1種或いは2種以上が組み合わせて使用される。好適に
は、使用時に溶剤が飛散して溶液の粘度が上昇するのを
抑えるために、比較的沸点が高く、室温で飛散しにくい
ものが使用される。また、成分(b)の不飽和基含有ポリ
カルボン酸樹脂も上記の溶解する溶剤が使用可能であ
る。それ以外の溶剤としては。例えばエチレングリコー
ルアルキルエーテル類;ジエチレングリコールアルキル
エーテル類;プロピレングリコールアルキルエーテル
類;ジプロピレングリコールアルキルエーテル類等が挙
げられる。これらは1種或いは2種以上が組み合わせて
使用される。
【0015】本発明の溶剤溶解型光選択熱硬化性塗料
は、離型シートの片面に塗布、乾燥してホットメルト型
シートとして使用される。塗布厚みは好適には40〜100
μmである。乾燥温度は、好適には60〜150℃であり、現
像性を保持するとともに、目的とする樹脂流れを有する
シートとする。
【0016】銅導体からなるプリント配線板等の上に、
溶融温度よりやや高い温度、例えば60〜120℃の加熱ロ
ールにて加熱。加圧下に接着させる。樹脂流れは、ラミ
ネートした場合に、流れ距離が、好ましくは100μm以上
であり、2mm以下とする。流れた樹脂は、プリント配線
板に形成されたスルーホール、ブラインドビアホールな
どの孔を充填し、且つ表面を平滑に保つ。ラミネートの
圧力は、好適には0.2〜2kgfである。ラミネートする場
合、ホットロールで行う、プレスで接着させるなど、一
般に公知の方法が使用し得る。両面を同時にラミネート
する方法、片面ずつラミネートする方法など、適宜選択
する。 その後、樹脂を選択的に光硬化させてから、未
硬化部分を希アルカリ水溶液等で現像除去し、その後、
熱を加えて後硬化を行い、必要により電解、無電解のニ
ッケルメッキ、金メッキを行い、半導体チップ搭載用等
のプリント配線板として使用する。このプリント配線板
表裏の塗膜の厚みがほとんどなく、ソリのないものが得
られる。
【0017】離型シートは、特に限定しないが、好適に
は厚さ25〜50μmの光を遮断するアルミ蒸着フィルム、
そのアルミ蒸着側にポリプロピレンフィルムを貼り付け
たフィルム等が用いられる。もちろんポリエチレンテレ
フタレート等の透明フィルム、これに光遮断加工したフ
ィルムも使用可能である。この樹脂付着面に離型剤を付
着させたものも使用できる。
【0018】このアルミ蒸着面、或いはポリプロピレン
張り付け面に、上記ロールコーター法等で連続的に塗料
を塗布、乾燥し、光選択熱硬化性樹脂を、好適には40〜
100μm付着させて皮膜シートとする。
【0019】離型シートに塗布後、加熱して前乾燥を行
って溶剤を除去する。乾燥温度は 30〜100℃、好ましく
は50〜80℃である。温度が低いと乾燥時間が長くなりす
ぎ作業効率が悪い。また温度が高いと樹脂同士が反応し
て現像液に溶解しにくくなる。時間は10分〜2時間、好
ましくは15〜60分である。
【0020】本発明に使用するプリント配線板の銅導体
は、光選択熱硬化性塗料を塗布する前に、研磨する方
法、パターン化された銅導体表面を予め銅キレート剤等
が配合された防錆処理で処理を行う方法、黒色酸化銅処
理等の化学処理を施す方法等、公知の方法が採用し得
る。処理を行うことにより、銅導体と樹脂との密着性を
向上させることができ、プレッシャークッカー処理後の
絶縁性劣化が少なくなる、剥離がなくなる等の改善を行
うことができる。
【0021】得られた樹脂皮膜シートを、銅導体のプリ
ント配線板の上に重ね、真空ラミネーター、プレス等で
加熱、圧着して表面に接着させ、その上にフィルムを配
置し、平行光で活性エネルギー線を照射して必要な部分
を光硬化させる。光の照射されない部分は現像液で溶解
除去し、その後、熱で後硬化する。銅導体表面に防錆処
理、キレート剤等を付着させている場合は、これを公知
の方法で除去し、ニッケルメッキ、金メッキを施してプ
リント配線板とする。
【0022】本発明の光選択熱硬化性皮膜を光で硬化す
るための活性エネルギー線の照射光源としては、低圧水
銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノ
ンランプ或いはメタルハライドランプ等が用いられる。
露光量は特に制限はないが、一般には1002000mJ/cm
2、好ましくは300〜1000mJ/cm2である。その他、電
子線、レーザー等も使用できる。
【0023】本発明の塗膜の現像は、スプレー現像法、
現像液にプリント配線板を浸せきして振動させるディッ
プ現像法等、一般に公知の方法で実施する。現像液の温
度は5〜50℃、好ましくは25〜40℃である。温度が低い
と現像時間がかかる、現像性が悪い等の問題が生じる。
温度が高いと光照射した硬化部分が溶解することがあ
る。現像液としては、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウ
ム或いはアンモニウムハイドロオキサイドの水溶液等、
一般に公知の希アルカリ水溶液が使用できる。また、水
に水溶性有機溶剤を添加した水溶液が使用できる。ま
た、水に水溶性有機溶剤とアルカリ剤とを加えた水溶液
も使用できる。水溶液中のアルカリ剤の量は0.1〜5重量
%が好適である。
【0024】水溶性有機溶剤としては、エチレングリコ
ールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロ
ピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸メチル、乳
酸エチル、乳酸ブチル、ジエチレングリコール、メタノ
ール、エタノール、プロパノール、γ-ブチロラクト
ン、メチルセロソルブ等、一般に公知のものが使用でき
る。これらの溶剤は水溶液全体の10〜80重量%、好まし
くは15〜50重量%の範囲で使用される。これに、現像性
を高めるために水酸化ナトリウム、珪酸ナトリウム、モ
ノメタノールアミン等のアルカリ剤を添加する。
【0025】本発明の光選択熱硬化性塗料は、現像後に
加熱硬化させる。硬化温度は100〜250℃、好ましくは12
0〜180℃である。その後、銅導体表面に付着した防錆
剤、キレート剤を公知の方法で除去し、ニッケルメッ
キ、金メッキを行う。
【0026】
【実施例】以下に実施例、比較例で本発明を具体的に説
明する。尚、特に断らない限り、『部』は重量部を表
す。
【0027】<成分(a):多官能性シアン酸エステルプレ
ポリマーの合成> 合成例1 2,2-ビス(4-シアナトフェニル)プロパン1,000部を、150
℃に熔融させ、撹拌しながら4時間反応させ、重量平均
分子量1,900、融点66℃のプレポリマー(成分A-1)を得
た。これをメチルエチルケトンに溶解し、溶液とした。
【0028】<成分(b):不飽和基含有ポリカルボン酸樹
脂の合成> 合成例2 フラスコに温度計、攪拌機、環流冷却器、滴下ロート及
び窒素吹込管を取りつけ、これにプロピレングリコール
モノメチルエーテル1,000部、t−ブチルパーオキサイ
ド 20部を仕込んだ。攪拌しながら90℃に昇温後、メタ
クリル酸 310部、メタクリル酸メチル120部、ラクトン
変性2-ヒドロキシエチルメタクリレート90部をビス(4-
t-ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート 2
2部とともに、滴下ロートで窒素雰囲気下のフラスコ中
に3時間かけて滴下し、更に7時間熟成させてカルボキシ
ル基を有するビニル共重合体を得た。この溶液にエポキ
シシクロヘキサンメタノールのアクリル酸エステル(商
品名:サイクロマーA200、ダイセル化学工業<株>製)36
5部、ジメチルベンジルアミン 3.5部、ハイドロキノン
モノメチルエーテル 1.8部を加え、100℃にて攪拌しな
がら空気雰囲気下で16時間エポキシ基の開環付加反応を
行い、樹脂の酸価53.1mgKOH/g、固形分濃度49.7%、樹脂
1kg当たりの不飽和基 2.23mol、数平均分子量7,200(ス
チレン換算)の不飽和基含有樹脂(固形成分をB-1とす
る、融点70℃以上)溶液を得た。
【0029】合成例3 合成例2と同様の装置にジプロピレングリコールモノメ
チルエーテル 1.000部、t-ブチルパーオキサシ-2-エチ
ルヘキサノエート 17部を仕込み、90℃に昇温してか
ら、メタクリル酸 275部、メタクリル酸エチル 60部、
ラクトン変性2-ヒドロキシエチルメタクリレート 85部
を2,2'-アゾビスイソブチロニトリル 13部とともに、滴
下ロートにて窒素雰囲気下に3時間かけて滴下し、更に7
時間熟成することによりカルボキシル基を有するビニル
共重合体溶液を得た。この溶液にエポキシシクロヘキサ
ンメタノールのメタクリル酸エステル(商品名:サイク
ロマーM100、ダイセル化学工業<株>製)304部、トリフ
ェニルホスフィン 2.9部、ハイドロキノンモノメチルエ
ーテル 1.8部を加え、100℃に昇温して空気雰囲気下に
攪拌しながらエポキシ基の開環付加反応を行なった。14
時間後、樹脂の酸価60.5mgKOH/g、固形分濃度43.3%、樹
枝1kg当たりの不飽和基 2.20mol、数平均分子量7,500
(スチレン換算)の不飽和基含有樹脂(固形成分をB-2と
する、融点70℃以上)溶液を得た 合成例4 フラスコに温度計、攪拌機、環流冷却器、滴下ロート及
び空気吹込管を取りつけ、これにセロソルブアセテート
1,000部、クレゾ−ルノボラック型エポキシ樹脂(商品
名:ESCN220F、住友化学工業<株>製) 1,500部、そして
メタクリル酸をエポキシ基に対して当量比で1:1 となる
ように加え、触媒としてトリフェニルホスフィン7部を
加えて乾燥空気を吹き込みながら80℃で12時間反応させ
た。次に、この反応で生じた2級の水酸基1当量に対し、
酸の当量が0.8当量となるように無水マレイン酸を加え8
5℃で2時間反応させ、樹脂の酸価124mgKOH/g の不飽和
基含有樹脂(固形成分B-3とする、融点70℃以上)溶液
を得た。これを減圧下に溶剤の一部を飛ばした後、プロ
ピレングリコールモノメチルエーテルを加え、溶解して
溶液とした。
【0030】<成分(g)の合成> 合成例5 ビスフェノールA型エポキシアクリレート(昭和高分子
社製;商品名SP1509)1000部、実施例1のシアン酸エス
テルプレポリマー成分A-1を50部、溶剤としてジプロピ
レングリコールモノメチルエーテルアセテート/ソルベ
ントナフサ(50/50部)を1050部加え、固形分50重量%と
した後、70℃に加熱して、攪拌混合しながら、赤外線吸
収スペクトルによりシアナト基のピーク(2300cm-1付
近)を追跡した。5.5時間後にシアナト基のピークが消
滅した時点で反応を終了した。この反応液に無水ピロメ
リット酸を218部、及び上記混合溶剤を218部加え、温度
70℃にて攪拌混合しながら反応を行い、赤外吸収スペク
トルにより無水カルボン酸のピーク(1850cm-1)を追跡
し、6時間後にピークが消滅した時点で反応終了した。
この樹脂(G-1)の酸価は90mgKOH/g であった。
【0031】合成例6 合成例1において、シアン酸エステルプレポリマー成分
A-1 を300部、テトラヒドロフタル酸無水物を521部加え
た以外は合成例1と同様にして樹脂(G-2)を作成した。
この樹脂の酸価は100mgKOH/g であった。
【0032】合成例7 合成例5のビスフェノールA型エポキシアクリレート(SP1
509)1000部、テトラヒドロフタル酸無水物を157部、溶
剤としてジプロピレングリコールモノメチルエーテルア
セテート/ソルベントナフサ(50/50部)を1157部加え、
固形分50重量%の溶液とした。70℃に加熱して、攪拌混
合しながら、無水カルボン酸のピークが消滅するまで6
時間反応した。この樹脂(G-3)の酸価は50mgKOH/g であ
った。
【0033】実施例1〜6、比較例1〜3 添加成分(f)として、クレゾールノボラック型エポキシ
樹脂(商品名:ESCN220F、住友化学工業<株>製、成分F-
1とする)、脂環式エポキシ樹脂(商品名:セロキサイ
ド2021、ダイセル化学業<株>製、成分F-2とする)を用
いた。樹脂成分(a)のA-1、成分(b)のB-1〜3、及び(c)成
分として、テトラエチレングリコールジアクリレート
(成分C-1とする)及びトリメチロールプロパントリアク
リレート(成分C-2とする)、(d)成分として2-メチル-1-
[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン
-1-オン(成分D-1とする)、カチオン系光重合開始剤と
して芳香族スルホニウム塩[商品名:サンエイドSI-100
L、三新化学工業<株>製、成分D-2とする]、η5-2,4-シ
クロペンタジエン-1-イル)[1,2,3,4,5,6-η)-(1-メチ
ルエチル)ベンゼン]-アイアン(1+)-ヘキサフルオロフ
ォスフェート(1-)(成分D-3とする)、(e)成分としてオ
クチル酸亜鉛(成分E-1とする)、2-エチルイミダゾー
ル(成分E-2)を用いた。G成分として上記G1〜3、更に、
その他の成分として、ビス(4-マレイミドフェニル)メ
タン(成分H-1とする)、フタロシアニングリーン(成
分H-2とする)、ベンゾインイソブチルエーテル(成分H
-3とする)及びタルク(成分H-4とする)を使用し
た。
【0034】これらを表1及び表2に示す組成で配合
し、3本ロールで混練して粘ちょうな塗料を得た。これ
を25μmのポリエチレンテレフタレートの片面にアルミ
蒸着したフィルム(フィルムI-1)、または、そのアルミ
蒸着面に25μmの厚みのポリプロピレンフィルムを熱圧
着したフィルム(フィルムI-2)に、アルミ蒸着面、ポリ
プロピレン面に厚さ50〜80μmになるように塗布、乾燥
して皮膜付きシートを作成した。
【0035】得られた皮膜シートを、櫛形パターン(使
用銅張積層板商品名:CCC-HL830、18μm銅箔、三菱
ガス化学<株>製、ライン/パターン=70/70μm、
銅パターンは研磨または黒色酸化銅処理)が形成され、
孔径が200μmのスルーホールが50x50mmの基板上に400個
作成され、スルーホールメッキされたプリント配線板の
表裏に配置し、120℃のホットロールで、線圧1.0kgf、
真空度30mmHg以下にてラミネートして、スルーホールを
樹脂充填した。この表面にネガフィルムを当て、1,000m
J/cm2の紫外線を照射し、1%炭酸ナトリウム水溶液で未
露光部分を現像除去した。その後、160℃にて1時間熱硬
化させた。一方、比較として、表1及び表2の配合で得
られた塗料溶液をスクリーン印刷法にて塗布、乾燥した
が、一回の塗布では厚さ20〜35μmしか形成できず、表
裏各2回塗りとした。その後、同様にネガフィルムを密
着させ、1,000mJ/cm2の紫外線を照射してからアルカリ
性水溶液で現像し、更に160℃にて1時間熱硬化させ、表
面の絶縁皮膜を得た。測定結果を表3に示した。
【0036】塗膜とした樹脂組成物の特性を以下の方法
により評価した。 鉛筆硬度: JIS K 5400 に準じて評価を行った。 密着性 : JIS K 5400 に準じて、試験片に1mmの碁
盤目を100個作成し、セロテープにて引き剥がし試験を
行い、碁盤目の剥離状態を見た。表中の分母は試験碁盤
目数、分子は残存数である。 半田耐熱性: 260℃の半田槽に30秒間浸漬後、皮膜の
異常の有無を目視観察した。 ガラス転移温度: 塗膜を重ね塗りして厚さ0.5mmの板
を作成し、紫外線1000mJ/cm2照射、160℃で1時
間硬化後DMA法にて測定した。 現像性及び耐酸性: 現像後、現像面を目視で観察する
とともに、無電解ニッケルメッキ(PH 4.5、浸漬 90℃・
20分)を施し、ニッケルメッキの付着状態を観察して現
像性を判定した。同時にレジスト面の薬品に侵される状
態も観察した。 プレッシャークッカー後の電気絶縁性: 前述の櫛形パ
ターンに塗布した試験片を用い、121℃、203kPaで所定
時間処理してから25℃、60%RHの雰囲気下に90分放置
後、絶縁抵抗値を測定した。 耐マイグレーション性: 前述の櫛形パターンに塗布し
た試験片を用い、85℃、85%RH、50VDC印加でのマイグレ
ーションを測定した。 プリント配線板表裏塗布厚みバラツキ: 板厚み0.1mm
を使用し、クロスセクションの写真をとり、厚みのバラ
ツキを測定した。 スルーホール孔埋め度: 板厚み0.4mmのクロスセクシ
ョンの写真をとり、孔埋め状況を観察した。p/400 ; 40
0 孔のうち、p個の孔が全部の面積充填していないこと
を表す。 ソリ:板厚さ0.1mmの250x250mmのプリント配線板ワーク
サイズを定盤上でソリの最大値を測定した。 樹脂流れ:厚さ0.2mmの両面銅張積層板の上に、そのサ
イズより小さめに切ったフィルム付き皮膜を置き、120
℃、1kgfの線圧でラミネートし、樹脂の流れを見た。そ
の最大値を示す。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】※:表中の○印は下記を示す。 I-1; I-1のフィルムを使用して皮膜シートとした。 I-2; I-2 のフィルムを使用して皮膜シートとした。 J-1: 銅導体が研磨だけ J-2: 銅導体に黒色酸化銅処理を実施 K-1:シートでの張り合わせ K-2:スクリーン印刷表裏2回塗り
【0040】
【表3】
【0041】
【発明の効果】本発明になる光選択熱硬化性皮膜シート
を使用することにより、使用時に溶剤を含まないため
に、作業環境面に優しく、スルーホールなどの孔の充填
度に優れ、且つ、表裏に均一の塗膜を形成できるため
に、プリント配線板のソリが殆ど無く、更には、多官能
性シアン酸エステル化合物を塗料に配合するか、事前に
反応させて分子内に取り込むことにより、得られた保護
膜は、プレッシャークッカー後の電気絶縁性、耐マイグ
レーション性などに優れ、プリント配線板の永久保護皮
膜として好適なものが得られた。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B32B 15/08 B32B 15/08 J 4J040 27/32 27/32 Z 5E314 C08F 283/01 C08F 283/01 C08J 7/04 C08J 7/04 Z C09D 4/02 C09D 4/02 5/00 5/00 C 163/00 163/00 201/00 201/00 C09J 163/00 C09J 163/00 H05K 3/28 H05K 3/28 D Fターム(参考) 4D075 BB24Z BB26Z BB77Z CA23 DA04 DB36 DC21 EA19 EA21 EB22 EB35 EC37 4F006 AA12 AB32 AB34 AB43 BA08 CA08 DA04 EA02 4F100 AB10B AH01A AH01H AK01B AK25A AK53A AK80A AL05A AR00B BA02 BA10A BA10B CA02A CA30A CC00A EH66B GB43 JA04A JA20A JB13A JB14A JL12A JL14B YY00A 4J027 AE02 AE03 AE04 BA19 BA20 BA24 BA25 BA26 CA10 CA25 CA26 CA27 CA29 CB03 CC05 CD08 CD10 4J038 DB351 DB371 DB381 FA012 FA251 KA04 PA17 PA19 4J040 EC062 EC071 EC072 EC151 EC152 EC321 EC322 EH021 EH022 FA062 FA072 FA142 FA172 FA231 FA232 FA241 FA242 FA261 FA262 GA07 HB19 HC18 HC25 JA09 JB01 JB02 JB08 KA13 KA14 LA01 LA08 MA02 MA11 MB03 NA20 PA30 PA32 PA33 PA41 PA42 5E314 AA27 AA32 AA33 CC01 FF01 GG03 GG05 GG21

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光照射による樹脂の選択的硬化、未照射
    部分の溶解除去後、熱硬化により永久保護皮膜として使
    用する光選択熱硬化性樹脂組成物を離型シートの片面に
    塗布して一体化したシートにおいて、 該シートに塗布された光選択熱硬化性樹脂組成物の融点
    が50〜100℃であり、120℃、1kgfのホットロールでラミ
    ネートした時の樹脂流れが100μm〜2mmのホットメルト
    型シートであることを特徴とする光選択熱硬化性皮膜シ
    ート。
  2. 【請求項2】 光選択熱硬化性樹脂が、熱硬化成分とし
    て少なくとも(a)多官能性シアン酸エステル化合物15〜5
    0重量%、光硬化成分として(b)酸価40〜200mgKOH/g
    の不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂 20〜80重量%、(c)
    エチレン性不飽和モノマー 1〜30重量%、(d)光重合開始
    剤 0.1〜20重量%、及び(e)熱硬化触媒0.01〜5重量%を含
    有する樹脂組成物であり、該樹脂組成物を離型シートの
    片面に塗布、加熱、乾燥して得られることを特徴とする
    請求項1記載の光選択熱硬化性皮膜シート。
  3. 【請求項3】 光選択熱硬化性樹脂が、熱硬化成分とし
    て少なくとも(f)エポキシ樹脂5〜30重量%、光硬化成分
    として少なくとも(g)エポキシアクリレート100重量部と
    多官能性シアン酸エステル化合物5〜40重量部との反応
    生成物を、多塩基酸無水物10〜90重量部と反応させた酸
    価40〜200mgKOH/gの樹脂20〜90重量%、(c)エ
    チレン性不飽和モノマー1〜30重量%、及び(d)光重合開
    始剤0.1〜20重量%を含有する樹脂組成物であり、該樹脂
    組成物を離型シートの片面に塗布し、加熱、乾燥して得
    られることを特徴とする請求項1記載の光選択熱硬化性
    皮膜シート。
  4. 【請求項4】 光選択熱硬化性皮膜シートが、樹脂皮膜
    の厚みを40〜100μm有することを特徴とする請求項1,
    2又は3記載の光選択熱硬化性皮膜シート。
  5. 【請求項5】 光選択熱硬化性皮膜の光未照射部分を溶
    解除去する現像液が、希アルカリ性水溶液又は水溶性有
    機溶剤とアルカリ剤とを含む水溶液であることを特徴と
    する請求項1、2,3又は4記載の光選択熱硬化性皮膜
    シート。
  6. 【請求項6】 離型シートが、アルミ蒸着フィルム或い
    はその上にポリプロピレンフィルムを接着したシートで
    あることを特徴とする請求項1,2,3、4又は5記載
    の光選択熱硬化性皮膜シート。
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