JP2004296675A - 表面平滑性に優れたレジスト組成物永久保護皮膜の形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】表面平滑性に優れたプリント配線板永久保護皮膜を得る。又信頼性に優れた皮膜を得る。
【解決手段】導体回路を有するプリント配線板の上に、シートとしたレジスト組成物を配置し、加熱、加圧下にラミネートした後、この上に表面平滑な板を配置して、加熱、加圧、好ましくは、仮接着または本接着、もしくはその両方を真空下に行うことにより密着させ、必要により露光、現像、硬化する。又、レジスト組成物として、シアネート化合物、或いはこれを分子内に取り込んだ樹脂を使用する。
【効果】レジスト皮膜形成において、環境に優しく、表面凹凸が小さいために解像性に優れ、ボイドも無く、半田耐熱性、耐マイグレーション性等に優れたものが得られた。
【解決手段】導体回路を有するプリント配線板の上に、シートとしたレジスト組成物を配置し、加熱、加圧下にラミネートした後、この上に表面平滑な板を配置して、加熱、加圧、好ましくは、仮接着または本接着、もしくはその両方を真空下に行うことにより密着させ、必要により露光、現像、硬化する。又、レジスト組成物として、シアネート化合物、或いはこれを分子内に取り込んだ樹脂を使用する。
【効果】レジスト皮膜形成において、環境に優しく、表面凹凸が小さいために解像性に優れ、ボイドも無く、半田耐熱性、耐マイグレーション性等に優れたものが得られた。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、離型フィルムの片面に付着したシート状のレジスト組成物を導体回路を形成したプリント配線板の表面に配置し、連続的に加熱ロールで基板に熱圧着して、その上に表面平滑な熱板等を配置し、好適には真空下に、加圧してレジスト組成物を溶融させて接着させ、その後、熱硬化するか、光硬化するか、或いは光で選択的に硬化させて未硬化部分を現像除去した後に熱で後硬化して永久保護皮膜付きプリント配線板として使用する。本発明の永久保護レジスト組成物皮膜付きプリント配線板は、表面が平滑となり、特にフリップチップ搭載のCSP等の高密度の小型プリント配線板等として使用される。
【0002】
【従来の技術】
従来、プリント配線板の永久保護皮膜として使用される熱硬化型レジスト、光選択熱硬化型レジスト、及び光硬化型レジストは、導体回路を有するプリント配線板の上に塗布し、加熱して溶剤を飛ばした後に硬化させて永久保護皮膜とする(例えば、特許文献1参照。)。この場合、溶剤を飛ばした時点で導体回路の凹凸に影響されて表面永久保護皮膜表面は大きな凹凸ができ、その後のネガフィルム使用での露光において光の回り込みが発生し、解像度が劣る。又、硬化したものは表面が平滑とならずに凹凸が残る。これはその後の半導体チップ搭載時の接続、樹脂封止等で問題を生じることがあった。更に、シート状のレジストがある(例えば、特許文献2参照。)が、これは導体回路を有するプリント配線板の上に配置し、耐熱ロールを使用して加熱、加圧下に接着させるが、導体回路の凹凸に追随して同様に大きな永久保護皮膜の凹凸が発生していた。
【0003】
また、現在有機溶剤を添加した水溶液、或いは希アルカリ性水溶液による現像タイプの液状光選択熱硬化塗料は、カルボキシル基含有アクリル系樹脂にグリシジル(メタ)アクリレートを反応させて得られる不飽和樹脂に芳香族エポキシ化合物を配合して得られる樹脂組成物(例えば、特許文献3参照。)、ノボラック型エポキシ樹脂と不飽和カルボン酸との反応物に飽和又は不飽和多塩基酸無水物を反応させて得られる化合物に希釈剤を添加したもの(例えば、特許文献4参照。)、(メタ)アクリル酸とラクトン変性ヒドロキシル(メタ)アクリレートを必須成分とするビニル共重合体のカルボキシル基の一部に、脂環式エポキシ基含有(メタ)アクリレートを反応して得られる樹脂にクレゾールノボラック型エポキシ樹脂を配合したもの(例えば、特許文献5参照。)等が知られている。しかしながら、近年ますます高密度化するプリント配線板の表層の永久保護皮膜は、耐熱性、耐マイグレーション性、吸湿処理後の耐熱性等が今一歩であり、信頼性の点からも従来のレジストは問題のあるものであった。その中でも現像性の劣るレジストは現像後に銅表面に残存し、その後のニッケルメッキ、金メッキ不良が発生していた。
【0004】
一方、多官能性シアン酸エステル類と光重合性もしくは光架橋性の単量体或いはプレポリマーとの混合物または予備反応物を主成分とするものが出願されている(特開昭56−141321)が、これは希アルカリ水溶液或いは水に水溶性有機溶剤を添加した水溶液では現像が不可能であり、溶剤で現像すると光硬化した箇所も一部溶解する等のために光選択熱硬化型レジストとしては使用困難であった。更には、多官能性シアン酸エステル化合物は銅との密着性が良好であり、銅と直接接触する場合、有機溶剤でも除去不可能なため、その後のニッケルメッキ、金メッキの付着不良が発生していた。
【0005】
【特許文献1】特開2000−159859号公報
【特許文献2】特開2000−319623号公報
【特許文献3】特開平1−139619号公報
【特許文献4】特開昭61−243869号公報
【特許文献5】特開平8−41150号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上の問題点を解決した、表面平滑なレジスト組成物永保護皮膜を導体回路を有するプリント配線板上に形成する方法を提供する。
【0007】
【発明が課題を解決するための手段】
本発明は、永久保護皮膜レジストにおいて、該永久保護レジストがシートであり、このシートの片面または両面には離型フィルムが接着されており、これを導体回路基板の上に、連続的に加熱ロールで基板に仮接着させた後、この上から表面平滑な熱板で加圧下、好適には、仮接着または本接着、もしくはその両方を真空下に行うことにより接着させ、表面平滑性に優れたレジスト組成物永久保護皮膜を有するプリント配線板を得る。
【0008】
本発明の永久保護皮膜レジスト組成物シートは熱硬化型、光選択熱硬化型、光硬化型のいずれでも使用可能であるが、半導体チップ搭載等の点から、ニッケル、金メッキが必要な場合が多くなってきており、光選択熱硬化型レジスト組成物が好適に使用される。
【0009】
この光選択熱硬化型レジスト組成物として、レジスト組成物の光選択熱硬化成分において、少なくとも(a)エポキシ樹脂5〜35重量%、(b)エポキシアクリレート100重量部と多官能性シアン酸エステル化合物5〜40重量部との反応生成物に、多塩基酸無水物10〜90重量部を反応させた、酸価40〜200mgKOH/g の不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂20〜90重量%、(c)エチレン性不飽和モノマー 1〜30重量%を必須成分として配合したものが、耐熱性、耐マイグレーション性等の特性上から好適に使用される。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の永久保護皮膜レジスト組成物のプリント配線板への接着方法としては、導体回路を形成したプリント配線板の少なくとも片面に永久保護皮膜用レジスト組成物シートを配置し、その外側には離型シートを置き、更にその外側に表面平滑な板、例えば金属板を置き、加熱、加圧、好ましくは真空下に接着させ、その後、必要により選択的にレジスト組成物皮膜を光硬化させて、希アルカリ水溶液で現像、熱硬化させて永久保護皮膜付きプリント配線板とする。
【0011】
プリント配線板にラミネートで仮接着させる条件は、その硬化形態、樹脂組成により選択するが、一般には、温度30〜150℃で、線圧1〜10kgf/cm、ラミネート速度1〜5m/min.で行うが、限定するものではない。これはラミネート接着することにより、仮付け及び予備加熱を同時に達成できる。その後、離型フィルムは剥離せずに、上下に表面平滑な板を配置し、その外側に熱盤を配置して加圧下に成形するか、ラミネート後にそのまま表面平滑な熱盤を上下に配置して加圧下に成形する。一般には、温度80〜250℃で、圧力1〜50kgf/cm2、時間5秒〜10分で行う。好適には成形ボイドを避けるために仮接着または本接着、もしくはその両方を真空下で行う。真空度は一般には30mmHg以下で行う。
【0012】
レジスト組成物シートの上に配置する離型シートは、特に限定はなく、加熱時に耐えるものであれば良い。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、テフロン(登録商標)等の公知の有機フィルム類;金属箔の少なくとも片面に離型樹脂が付着したシート等が挙げられる。
【0013】
この離型シートの更にその外側には表面平滑な板を配置する。これは特に限定はなく、加熱、加圧下に変形しないものであれば良い。具体的には、各種金属の板、銅張積層板、積層板、熱可塑性板等が挙げられる。厚さは特に限定はしないが、厚すぎると作業性、熱伝導性等が悪いため、好適には1〜3mmの板を使用する。また、熱板に直接挟んでも良い。
【0014】
プリント配線板上に接着後、表面の離型シートを必要により剥離し、熱硬化型は一般には100〜250℃、好ましくは110〜200℃で硬化させる。光選択熱硬化型は、接着後に必要により表面の離型シートを剥離し、この上に露光用フィルムを置き、光で選択的に硬化した後、未硬化部分を希アルカリ水溶液等で現像除去し、熱後硬化する。光硬化型レジスト組成物は、接着後、必要により表面の離型シートを剥離し、光で硬化させる。光照射量は、光選択熱硬化型、光硬化型共に、一般には100〜3,000mJ/cm2、好適には200〜2,000mJ/cm2で行う。光選択熱硬化型レジストの後熱硬化は上記熱硬化型レジストと同等である。
【0015】
本発明の永久保護皮膜用レジスト組成物は、熱硬化型レジスト、光選択熱硬化型レジスト、光硬化型レジストとして使用することができる。しかしながら、耐熱性、耐マイグレーション性等の点からは、多官能性シアン酸エステル化合物を配合するか、分子内に反応して取り込んだレジストが好適に使用される。
【0016】
本発明の好適な樹脂成分である多官能性シアン酸エステル化合物とは、分子内に2個以上のシアナト基を有する化合物である。具体的に例示すると、1,3−又は1,4−ジシアナトベンゼン、1,3,5−トリシアナトベンゼン、1,3−、1,4−、1,6−、1,8−、2,6−又は2,7−ジシアナトナフタレン、1,3,6−トリシアナトナフタレン、4,4−ジシアナトビフェニル、ビス(4−ジシアナトフェニル)メタン、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモー4−シアナトフェニル)プロパン、ビス(4−シアナトフェニル)エーテル、ビス(4−シアナトフェニル)チオエーテル、ビス(4−シアナトフェニル)スルホン、トリス(4−シアナトフェニル)ホスファイト、トリス(4−シアナトフェニル)ホスフェート、シアネート化ポリフェニレンエーテル、およびノボラックとハロゲン化シアンとの反応により得られるシアネート類などである。これに1官能のシアネート化合物も添加できる。
【0017】
これらのほかに特公昭41−1928、同43−18468、同44−4791、同45−11712、同46−41112、同47−26853及び特開昭51−63149等に記載の多官能性シアン酸エステル化合物類も用いら得る。また、これら多官能性シアン酸エステル化合物のシアナト基の三量化によって形成されるトリアジン環を有する分子量400〜6,000 のプレポリマーが使用される。このプレポリマーは、上記の多官能性シアン酸エステルモノマーを、例えば鉱酸、ルイス酸等の酸類;ナトリウムアルコラート等、第三級アミン類等の塩基;炭酸ナトリウム等の塩類等を触媒として重合させることにより得られる。このプレポリマー中には一部未反応のモノマーも含まれており、モノマーとプレポリマーとの混合物の形態をしており、このような原料は本発明の用途に好適に使用される。一般には可溶な有機溶剤に溶解させて使用する。
【0018】
また、熱硬化成分として使用されるものでは、エポキシ樹脂が挙げられる。エポキシ樹脂としては、一般に公知のものが使用できる。具体的には、液状或いは固形のビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂;ブタジエン、ペンタジエン、ビニルシクロヘキセン、ジシクロペンチルエーテル等の二重結合をエポキシ化したポリエポキシ化合物類;ポリオール、水酸基含有シリコン樹脂類とエポハロヒドリンとの反応によって得られるポリグリシジル化合物類、エポキシ化ポリブタジエン樹脂、エポキシ化ポリフェニレンエーテル樹脂等が挙げられる。エポキシ樹脂中には必然的に塩素が含まれており、塩素の少ないものを使用するのが好ましい。これらは1種或いは2種類以上が組み合わせて使用され得る。
【0019】
本発明の光選択熱硬化型レジストに使用される(d)成分の不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂は、分子内にカルボキシル基と(メタ)アクリロイル基などの不飽和基を有する樹脂であり、一般に公知のものが使用される。 例えば、特開平1−139619に示される、カルボキシル基有アクリル樹脂とグリシジル(メタ)アクリレートとを反応して得られる不飽和基含有樹脂、特開平8−41150に記載の(メタ)アクリル酸とラクトン変性ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを必須成分とするビニル共重合体のカルボキシル基の一部に、脂環式エポキシ基含有不飽和化合物を反応させた不飽和基含有樹脂、特開昭61−243869に記載のノボラック型エポキシ化合物と不飽和モノカルボン酸との反応物に飽和または不飽和多塩基酸無水物を反応させて得られる樹脂など,一般に公知のものが挙げられる。
【0020】
本発明で使用される光選択熱硬化型レジスト組成物に使用される不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂は特に限定はなく、一般に公知のものが使用可能であるが、この中で好ましいものは、酸価10〜200mgKOH/g、樹脂1kg当たりの二重結合が1.0〜3.5モル、数平均分子量1,000〜50,000の(メタ)アクリル酸とラクトン変性ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを必須成分とするカルボキシル基含有(メタ)アクリル系樹脂と脂環式エポキシ基含有不飽和化合物を反応させた不飽和基含有樹脂、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型或いはそれらのハロゲン化エポキシ樹脂と不飽和カルボン酸とを、酸当量/エポキシ当量の比か0.2〜1.0の範囲で反応させ、得られた反応物の水酸基に飽和或いは不飽和多塩基酸無水物を酸当量/水酸基当量の比が0.2以上で反応させた反応物であり、その酸価が40〜160mgKOH/gの不飽和含有ポリカルボン酸樹脂などが挙げられる。
【0021】
しかしながら、高密度のプリント配線板の永久保護皮膜としては、耐熱性、耐マイグレーション性などが問題となるため、多官能性シアン酸エステル化合物を分子内に取り込んだ不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂(b)が特に好適に使用される。好ましい樹脂としては、エポキシアクリレート100重量部に多官能性シアン酸エステル化合物5〜40重量部反応させた樹脂に多塩基酸無水物10〜90重量部反応させた、酸価40〜200mg KOH/gの不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂が使用される。使用量は20〜90重量%、好ましくは25〜70重量%である。
【0022】
本発明の(b)成分である多官能性シアン酸エステル化合物を分子内に取り込んだ不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂において、原料として使用するエポキシアクリレートは、エポキシ樹脂とアクリル酸との反応物である。例えば、ビスフェノールA型エポキシアクリレート、ビスフェノールF型エポキシアクリレート、ビフェノール・エポキシアクリレート、テトラメチルビフェノール・エポキシアクリレート、ヘキサメチルビフェノール・エポキシアクリレート、キシレンノボラック・エポキシアクリレート等であり、これらは1種或いは2種以上が組み合わせて使用される。
【0023】
本発明の酸変性の反応に使用する多塩基酸無水物としては、1分子内に2個以上の無水カルボン酸を有する一般に公知の酸無水物が使用され得る。具体的には、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ナフタレンー1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、3−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、ドデセニル無水コハク酸、その他無水酸を分子内に有するもの、これらの1種或いは2種以上が組み合わせて使用される。
【0024】
本発明のエポキシアクリレートと多官能性シアン酸エステル化合物を反応する条件は特に限定しないが、一般的には、エポキシアクリレート100重量部に対し、多官能性シアン酸エステル化合物を5〜40重量部、好ましくは10〜30重量部用いて変性させる。反応温度は、50〜100℃、反応時間5〜100時間である。反応時の粘度調整のために溶剤を使用することができる。使用する溶剤は特に限定はしないが、具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のアセテート類;ソルベントナフサ、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類等が、単独或いは2種以上組み合わせて使用され得る。
【0025】
次に、エポキシアクリレートと多官能性シアン酸エステル化合物の反応物を多塩基酸無水物でカルボン酸変性を行い、(b)不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂を得る。変性量は、前述のエポキシアクリレート100重量部に多官能性シアン酸エステル化合物5〜40重量部反応させて変性したものに、多塩基酸無水物を10〜90重量部反応させて変性を行う。変性後に、得られた樹脂は、酸価が40〜200mgKOH/g 、好ましくは50〜160mgKOH/g とする。この場合も、粘度調整のために溶剤を使用することが可能である。具体的には、上記溶剤、更にはプロピレングリコールものメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のエステル類が使用される。光選択熱硬化型レジストとする場合、使用量は樹脂組成物中20〜90重量%、好ましくは25〜80重量%とする。
【0026】
次に本発明のレジスト組成物を光硬化型レジスト、或いは光選択熱硬化型レジストに使用する場合、使用される(c)成分のエチレン性不飽和二重結合を有する光重合性化合物としては、まず、2価以上のアルコール類の(メタ)アクリル酸エステル類が挙げられる。このアルコール類としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,10−デカンジオール、シクロヘプタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のポリエチレングリコール類;ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等のポリプロピレングリコール類;キシレンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ビフェノール、カテコール、レゾルシノール、ピロガロール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリットール、ジペンタエリスリットール、トリペンタエリスリットール、ソルビトール、グルコース、ブタントリオール、1,2,6−トリヒドロキシヘキサン、1,2,4−ベンゼントリオール等が挙げられる。更には(メタ)アクリレート化ポリフェニレンエーテル樹脂が挙げられる。
【0027】
また、アリル化合物、例えばアジピン酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸等のポリアリルエステル類、ポリスルホン酸のポリアリルエステル類、ジアリルエーテル、トリアリルイソシアヌレート等も用いられる。更に、例えばジビニルベンゼン、ジビニルスルホン、ジビニルフタレート、ジビニルテレフタレート等のポリビニル化合物も使用される。その他、公知の化合物、樹脂類などが使用できる。これらの化合物は、1種或いは2種以上が組み合わせて使用される。使用量は、1〜30重量%、好ましくは2〜20重量%である。
【0028】
本発明のレジスト組成物を光硬化型レジスト、或いは光選択熱硬化型レジストとして使用する場合、光で重合させるための光重合開始剤(成分h)が使用される。例えばベンジル、ジアセチル等のα−ジケトン類;ベンゾイル等のアシロイン類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のアシロインエーテル類;チオキサントン、1,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン類;ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;アセトフェノン、1,2’−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、p−メトキシアセトフェノン等のアセトフェノン類;アントラキノン、1,4−ナフトキノン等のキノン類;ジ−t−ブチルパーオキサイド等の過酸化物等が1種或いは2種以上が組み合わせて使用される。使用量は、0.1〜20重量%、好ましくは0.2〜10重量%である。
【0029】
また、エポキシ化合物を配合した場合には、カチオン系光重合開始剤を加えることが好ましい。例えば芳香族スルホニウム塩、η−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1,2,3,4,5,6−η)−(1−メチルエチル)ベンゼン]−アイアン(1+)−ヘキサフルオロフォスフェート(1−)等の鉄の錯体等、一般に公知の重合開始剤の1種或いは2種以上が、エポキシ化合物100重量部に対し 0.1〜10重量部、好適には0.2〜5重量部使用される。
【0030】
本発明のレジスト組成物を熱硬化型レジストとして使用する場合、それ自体は加熱により硬化するが硬化速度が遅く、作業性、経済性等に劣る。その為、使用した熱硬化性樹脂に対して公知の熱硬化触媒を用い得る。プリント配線板に加熱で接着させるため、特に光選択熱硬化型レジスト組成物の場合は、その後の現像で溶解除去できないような量は使用しないようにする。一般には使用量は、0〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%である。
【0031】
本発明のレジスト組成物はそれぞれ溶解する溶剤に予め溶解させて配合するのが好ましい。多官能性シアン酸エステル化合物を溶解する溶剤は、特に制限はなく、例示すれば、酢酸エチルジューキゾール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸イソブチル、酢酸−n−ブチル、エチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールアセテート、ジプロピレングリコールモノアセテート等のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類等が1種或いは2種以上が組み合わせて使用される。好適には、使用時に溶剤が飛散して溶液の粘度が上昇するのを抑えるために、比較的沸点が高く、室温で飛散しにくいものが使用される。
【0032】
また、成分(i)の不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂も上記の溶解する溶剤が使用可能である。それ以外の溶剤としては。例示すれば、エチレングリコールアルキルエーテル類;ジエチレングリコールアルキルエーテル類;プロピレングリコールアルキルエーテル類;ジプロピレングリコールアルキルエーテル類等が挙げられる。これらは1種或いは2種以上が組み合わせて使用される。
【0033】
本発明のレジスト組成物には、組成物本来の特性が損なわれない範囲で、所望により種々の添加物を配合することができる。これらの添加物としては、1官能性以上のマレイミド類、ポリブタジエン、マレイン化ブタジエン、ブタジエンーアクリロニトリル共重合体、ブタジエンースチレン共重合体、アクリルゴム、AS樹脂、ABS樹脂、MBS樹脂、不飽和基含有PPE樹脂、ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリエステル、ポリフェニレンサルファイド、ポリスチレン、ポリウレタン等が挙げられる。また、その他、公知の有機の充填剤、無機の充填剤、染料、顔料、増粘剤、滑剤、消泡剤、分散剤、レベリング剤、光増感剤、チキソ性付与剤、難燃剤等の各種添加剤が、所望に応じて適宜組み合わせて使用される。必要により、反応基を有する化合物は、その硬化剤、触媒が適宜使用される。
【0034】
本発明でのレジスト組成物は、各成分を組み合わせ、均質の無溶剤タイプとするか、樹脂が可溶な溶剤に溶解し、これを押し出し成形でシートにするか、離型フィルム上に塗布して離型フィルム付き樹脂シート等、公知の方法でシートとする。シートとする場合、その後の接着が可能な特性とする。厚さは特に限定はなく、好適には厚さ5〜100μmとする。粘着性がある場合、離型シートでレジスト組成物シート両面を挟んでも良い。
【0035】
本発明の導体回路は、エッチングして凹凸を付けたままでも良いが、密着性を向上させるために予め防錆処理剤等の一般に公知の薬液で表面を処理することが好ましい。防錆処理剤としては一般に公知のものが使用できる。銅キレート剤も一般に公知のものが使用され得る。これらは例えばポリベンズイミダゾール、クロメート処理等が挙げられ、1種或いは2種以上が組み合わせて使用される。例えば(株)メック社製のSL8300Eといった防錆溶液が好適に使用される。
【0036】
本発明のレジスト組成物を光硬化レジスト、光選択熱硬化型レジストとして使用する場合、レジストを光硬化するための活性エネルギー線の照射光原としては、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ或いはメタルハライドランプ等が用いられる。露光量は特に制限はないが、一般には100〜3,000mJ/cm2、好ましくは200〜2,000mJ/cm2 である。その他、電子線、レーザー等も使用できる。
【0037】
本発明の光選択熱硬化型レジストの場合、本発明の塗膜の現像は、スプレー現像法、現像液にプリント配線板を浸せきして振動させるディップ現像法等、一般に公知の方法で実施する。現像液の温度は5〜50℃、好ましくは25〜40℃である。温度が低いと現像時間がかかる、現像性が悪い等の問題が生じる。温度が高いと光照射した硬化部分が溶解してしまう。現像液としては、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム或いはアンモニウムハイドロオキサイドの水溶液等、一般に公知の希アルカリ水溶液が使用できる。また、水に水溶性有機溶剤を添加した水溶液が使用できる。また、水に水溶性有機溶剤を添加した水溶液、水に水溶性有機溶剤とアルカリ剤とを加えた水溶液も使用できる。水溶液中のアルカリ剤の量は0.1〜5重量%が好適である。
【0038】
現像液に使用される 水溶性有機溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、ジエチレングリコール、メタノール、エタノール、プロパノール、γ−ブチロラクトン、メチルセロソルブ等、一般に公知のものが使用できる。これらの溶剤は水溶液全体の10〜80重量%、好ましくは15〜50重量%の範囲で使用される。更に、現像性を高めるために水酸化ナトリウム、珪酸ナトリウム、モノメタノールアミン等のアルカリ剤を添加することもできる。
【0039】
【実施例】
以下に実施例、比較例で本発明を具体的に説明する。尚、特に断らない限り、『部』は重量部を表す。
<:多官能性シアン酸エステルプレポリマーの合成>
(合成例1)
2,2−ビス(4−シアナトフェニル)プロパン1,000部を、150℃に溶融させ、撹拌しながら4時間反応させ、重量平均分子量1,900、融点66℃のプレポリマー(X−1)を得た。これをメチルエチルケトンに溶解し、溶液とした。
【0040】
<成分:不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂の合成>
(合成例2)
フラスコに温度計、攪拌機、環流冷却器、滴下ロート及び窒素吹込管を取りつけ、これにジプロピレングリコールモノメチルエーテル1,000部を仕込み、100℃に加熱した中に、ベンゾイルパーオキサイド14部、メチルメタクリレート420部、ヒドロキシエチルメタクリレート70部、メタクリル酸210部の混合物を2時間かけて滴下し、8時間保持した。得られたアクリル樹脂は、酸価200mgKOH/gであった。次いで、この樹脂にグリシジルメタクリレート210部、トリエチルアミン3.5部、ハイドロキノン0.07部を加え、100℃で5時間反応させ、メタクリロイル基1.7モル/kg、酸価89mgKOH/g の不飽和基含有樹脂(固形成分:B−1)溶液を得た。
【0041】
(合成例3)
ビスフェノールA型エポキシアクリレート(商品名:SP1509、昭和高分子<株>製)1,000部、合成例1の多官能性シアン酸エステルプレポリマー成分を50部、溶剤としてジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/ソルベントナフサ(50/50重量比)を1,050部加え、固形分50重量%とした後、70℃に加熱して攪拌混合しながら反応させ、赤外吸収スペクトルによりシアナト基のピーク(2300cm−1付近)の変化を追跡した。5.5時間後にシアナト基のピークが消滅した時点で反応を終了した。この反応液に無水ピロメリット酸を218部、及び上記混合溶剤を218部加え、温度70℃にて攪拌混合しながら反応を行い、赤外吸収スペクトルにより無水カルボン酸のピーク(1,850cm−1付近)を追跡し、6時間後にピークが消滅した時点で反応を終了した。この樹脂(固形成分をB−2とする)の酸価は90mgKOH/g であった。
【0042】
(合成例4)
合成例3において、多官能性シアン酸エステルプレポリマー成分を300部、テトラヒドロフタル酸無水物を521部加えた以外は合成例2と同様にして樹脂(固形成分B−3とする)を作成した。この樹脂の酸価は100mgKOH/g であった。
【0043】
(合成例5)
合成例3で、ビスフェノールA型シアン酸エステル化合物100部、無水ピロメリット酸を174部加えた以外は合成例2と同様にして樹脂(固形成分:B−4とする)を作成した。この樹脂の酸価は75mgKOH/g であった。
【0044】
(実施例1〜5)
<エポキシ樹脂>
成分aとして、変性キシレン樹脂エポキシ化物(商品名:デナカルT、ナガセ化成工業<株>製、成分A−1とする)、脂環式エポキシ樹脂(商品名:セロキサイド2021、成分A−2とする、商品名:EHPE3150、成分A−3とする、ダイセル化学工業<株>製)を使用した。
<エチレン性不飽和モノマー>
成分cとして、テトラエチレングリコールジアクリレート(成分C−1とする)を使用した。
<光重合開始剤>
d成分として、(商品名:イルガキュア907、チバガイギー<株>製、成分D−1とする)を使用した。
<無機充填剤>
e成分として、硫酸バリウム粉体(平均粒子径:0.7μm、成分E−1とする)
<顔料>
顔料としては緑色顔料、青色顔料と黄色顔料の併用系とを用いた。具体的には、青色顔料(商品名:フタロシアニンブルー山陽色素<株>、成分F−1とする)を使用した。また、黄色顔料としては、イソインドリンイエロー(商品名:C.I.Pigment Yellow 139山陽色素<株>、成分F−2とする)を使用した。青色顔料、黄色顔料の併用に関しては、分子内に塩素は含有されていない。緑色顔料はハロゲンを分子内に含有されているものを用いた(商品名:フタロシアニングリーン山陽色素<株>、成分F−3とする)。
<添加剤>
レベリング剤として、(商品名:BYK055、ビックケミー・ジャパン<株>製、成分G−1とする)、脱泡剤として(商品名:フローレンAC300、共栄社化学<株>製、成分G−2とする)、カップリング剤としてA−187(日本ユニカ<株>製、成分G−3とする)を使用した。
これらを表1に示す組成で配合し、3本ロールで混練して粘ちょうな塗料を得た。
【0045】
(実施例1〜3)
得られた塗料を連続的に厚さ50μmのPETフィルム上に塗布、乾燥して厚さ40μmのレジスト樹脂シートを作製した。この得られたレジスト樹脂シート(実施例1〜5)を、櫛形パターンを50個形成した(使用銅張積層板商品名:CCL−HL830銅箔12μm、三菱ガス化学<株>製、ライン/スペース=60/60μm)回路板上に樹脂層側が回路板側を向くように配置し、温度100℃、圧力4kgf/cm、速度2m/min.で連続的にラミネート接着し、仮接着後に、続けて、この上に厚さ1.0mmのステンレス板を置き、温度110℃で圧力30kgf/cm2、真空10mmHg下で30秒加熱圧着した後、ステンレス板を除去した。この上にネガフィルムを密着させ、500mJ /cm2 の紫外線を照射してから表層のPETフィルムを剥離し、1wt%炭酸ナトリウム水溶液で現像し、更に150℃にて1時間熱硬化させ、表面の絶縁皮膜を得た。
【0046】
(実施例4〜5)
実施例1〜3と同様にシートを作成し、真空ラミネーターを用いて、温度100℃、圧力4kgf/cm、速度2m/min.、真空10mmHg下で仮接着を行い、続けて、この上に厚さ1.0mmのステンレス板を置き、温度110℃で圧力30kgf/cm2、真空10mmHg下で30秒加熱圧着した後、ステンレス板を除去した。その後は同様にネガフィルムを配置し、露光、現像、熱後硬化した。
【0047】
(比較例1〜3)
塗料をスクリーン印刷で塗布し、80℃で加熱して溶剤を除去した後、同様に露光、現像、加熱後硬化した。
(比較例4〜5)
実施例と同様にシートを作製し、これを用いて加熱ロールで、温度110℃、線圧5kgf/cm、速度2m/min.にて連続的にプリント配線板にラミネート接着させ、その後は同様にネガフィルムを配置し、露光、現像、熱後硬化した。
これらを用いて評価した結果を表2に示す。
【0048】
塗膜とした樹脂組成物の特性を以下の方法により評価した。
鉛筆硬度:JIS K 5400 に準じて評価を行った。
密着性:JIS K 5400 に準じて、試験片に1mmの碁盤目を100個作成し、セロファンテープにて引き剥がし試験を行い、碁盤目の剥離状態を見た。表中の分母は試験碁盤目数、分子は残存数である。
半田耐熱性:280℃の半田槽に1分間浸漬後、布膜の異常の有無を目視観察した。
ガラス転移温度:厚さ40μmの塗膜を作成し、TMA法(JIS C6481)にて測定した。
現像性及び耐酸性:現像後、現像面を目視で観察するとともに、無電解ニッケルメッキ(PH 4.5、浸漬 90℃・20分)を施し、ニッケルメッキの付着状態を観察して現像性を判定した。同時にレジスト面の薬品に侵される状態も観察した。
耐マイグレーション性:85℃,85%RH,50VDC条件下で耐マイグレーション性を測定した。
表面凹凸: 表面凹凸試験機にて測定した。凹凸のMax.の値を示した。
ボイド: 塗布したプリント配線板の断面を100個観察し、ボイドの有無を見た。
【0049】
【0050】
【0051】
(実施例6〜7,比較例6〜7)
合成例1で作製した多官能性シアン酸エステルプレポリマー(成分X−1)、実施例1〜5で使用したエポキシ樹脂、これに触媒としてアセチルアセトン鉄(成分H−1)、2エチルイミダゾール(成分H−2)を表3のように配合して熱硬化性樹脂組成物ワニスとした。これに添加剤、難燃剤を加えて熱硬化型レジスト組成物とした。
【0052】
(実施例6〜7)
実施例4〜5と同様にして、樹脂シートを作成し、真空下でラミネートにより仮接着させた後、加熱、加圧、真空下で本接着を行った。硬化は170℃で80分加熱して硬化させた。
【0053】
(比較例6〜7)
比較例1〜3と同様に、スクリーン印刷で塗布し、170℃で80分加熱して硬化させた。
この特性を表4に示した。
【0054】
【0055】
【0056】
<測定方法>
実施例1〜5に示した測定方法に従う。
【0057】
(実施例8,比較例8)
実施例、比較例のエポキシ樹脂(成分A−2,A−3)、エチレン性不飽和モノマー(成分C−2)、光重合開始剤(成分D−1)及びカチオン重合開始剤(商品名:イルガキュア261、チバガイギー<株>製、成分I−1とする)、重合補助剤としてクメンハイドロパーオキサイド(成分J−1とする)を表5に示すように配合し、光硬化性樹脂ワニスとした。これに添加剤を加えて光硬化型レジスト組成物とした。これを、実施例8は実施例4〜5と同様に、比較例8は比較例1〜3と同様に、厚さ40μmとなるように銅箔をエッチング除去した板の上にシートとして熱圧着するか、塗布・乾燥し、UVを1000mJ/cm2 照射して光で硬化させた。この特性を表6に示す。
【0058】
【0059】
【0060】
以上の結果から、本発明のようにレジスト組成物をシート状とし、これを導体回路が形成されたプリント配線板上に配置して、まず加熱、加圧下にラミネートして仮接着した後、上下に表面平滑な板、又は熱盤を配置し、加熱、加圧下、好ましくは、仮接着または本接着、もしくはその両方を真空下に行うことにより密着させ、単に塗布するか、加熱ロールで接着して皮膜とするのに比べて密着性に優れ、ボイドもなく、表面凹凸にも優れ、解像度の優れたものが得られた。
【0061】
【発明の効果】
本発明になるレジスト組成物シートのプリント配線板への皮膜形成方法は、皮膜形成時に溶剤を使用しないので環境に影響が無く、更に得られた永久保護皮膜は表面の凹凸が極めて小さく、このために解像度に優れ、又プリント配線板への密着性に優れるために皮膜の半田耐熱性に優れたものが得られた。
【産業上の利用分野】
本発明は、離型フィルムの片面に付着したシート状のレジスト組成物を導体回路を形成したプリント配線板の表面に配置し、連続的に加熱ロールで基板に熱圧着して、その上に表面平滑な熱板等を配置し、好適には真空下に、加圧してレジスト組成物を溶融させて接着させ、その後、熱硬化するか、光硬化するか、或いは光で選択的に硬化させて未硬化部分を現像除去した後に熱で後硬化して永久保護皮膜付きプリント配線板として使用する。本発明の永久保護レジスト組成物皮膜付きプリント配線板は、表面が平滑となり、特にフリップチップ搭載のCSP等の高密度の小型プリント配線板等として使用される。
【0002】
【従来の技術】
従来、プリント配線板の永久保護皮膜として使用される熱硬化型レジスト、光選択熱硬化型レジスト、及び光硬化型レジストは、導体回路を有するプリント配線板の上に塗布し、加熱して溶剤を飛ばした後に硬化させて永久保護皮膜とする(例えば、特許文献1参照。)。この場合、溶剤を飛ばした時点で導体回路の凹凸に影響されて表面永久保護皮膜表面は大きな凹凸ができ、その後のネガフィルム使用での露光において光の回り込みが発生し、解像度が劣る。又、硬化したものは表面が平滑とならずに凹凸が残る。これはその後の半導体チップ搭載時の接続、樹脂封止等で問題を生じることがあった。更に、シート状のレジストがある(例えば、特許文献2参照。)が、これは導体回路を有するプリント配線板の上に配置し、耐熱ロールを使用して加熱、加圧下に接着させるが、導体回路の凹凸に追随して同様に大きな永久保護皮膜の凹凸が発生していた。
【0003】
また、現在有機溶剤を添加した水溶液、或いは希アルカリ性水溶液による現像タイプの液状光選択熱硬化塗料は、カルボキシル基含有アクリル系樹脂にグリシジル(メタ)アクリレートを反応させて得られる不飽和樹脂に芳香族エポキシ化合物を配合して得られる樹脂組成物(例えば、特許文献3参照。)、ノボラック型エポキシ樹脂と不飽和カルボン酸との反応物に飽和又は不飽和多塩基酸無水物を反応させて得られる化合物に希釈剤を添加したもの(例えば、特許文献4参照。)、(メタ)アクリル酸とラクトン変性ヒドロキシル(メタ)アクリレートを必須成分とするビニル共重合体のカルボキシル基の一部に、脂環式エポキシ基含有(メタ)アクリレートを反応して得られる樹脂にクレゾールノボラック型エポキシ樹脂を配合したもの(例えば、特許文献5参照。)等が知られている。しかしながら、近年ますます高密度化するプリント配線板の表層の永久保護皮膜は、耐熱性、耐マイグレーション性、吸湿処理後の耐熱性等が今一歩であり、信頼性の点からも従来のレジストは問題のあるものであった。その中でも現像性の劣るレジストは現像後に銅表面に残存し、その後のニッケルメッキ、金メッキ不良が発生していた。
【0004】
一方、多官能性シアン酸エステル類と光重合性もしくは光架橋性の単量体或いはプレポリマーとの混合物または予備反応物を主成分とするものが出願されている(特開昭56−141321)が、これは希アルカリ水溶液或いは水に水溶性有機溶剤を添加した水溶液では現像が不可能であり、溶剤で現像すると光硬化した箇所も一部溶解する等のために光選択熱硬化型レジストとしては使用困難であった。更には、多官能性シアン酸エステル化合物は銅との密着性が良好であり、銅と直接接触する場合、有機溶剤でも除去不可能なため、その後のニッケルメッキ、金メッキの付着不良が発生していた。
【0005】
【特許文献1】特開2000−159859号公報
【特許文献2】特開2000−319623号公報
【特許文献3】特開平1−139619号公報
【特許文献4】特開昭61−243869号公報
【特許文献5】特開平8−41150号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上の問題点を解決した、表面平滑なレジスト組成物永保護皮膜を導体回路を有するプリント配線板上に形成する方法を提供する。
【0007】
【発明が課題を解決するための手段】
本発明は、永久保護皮膜レジストにおいて、該永久保護レジストがシートであり、このシートの片面または両面には離型フィルムが接着されており、これを導体回路基板の上に、連続的に加熱ロールで基板に仮接着させた後、この上から表面平滑な熱板で加圧下、好適には、仮接着または本接着、もしくはその両方を真空下に行うことにより接着させ、表面平滑性に優れたレジスト組成物永久保護皮膜を有するプリント配線板を得る。
【0008】
本発明の永久保護皮膜レジスト組成物シートは熱硬化型、光選択熱硬化型、光硬化型のいずれでも使用可能であるが、半導体チップ搭載等の点から、ニッケル、金メッキが必要な場合が多くなってきており、光選択熱硬化型レジスト組成物が好適に使用される。
【0009】
この光選択熱硬化型レジスト組成物として、レジスト組成物の光選択熱硬化成分において、少なくとも(a)エポキシ樹脂5〜35重量%、(b)エポキシアクリレート100重量部と多官能性シアン酸エステル化合物5〜40重量部との反応生成物に、多塩基酸無水物10〜90重量部を反応させた、酸価40〜200mgKOH/g の不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂20〜90重量%、(c)エチレン性不飽和モノマー 1〜30重量%を必須成分として配合したものが、耐熱性、耐マイグレーション性等の特性上から好適に使用される。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の永久保護皮膜レジスト組成物のプリント配線板への接着方法としては、導体回路を形成したプリント配線板の少なくとも片面に永久保護皮膜用レジスト組成物シートを配置し、その外側には離型シートを置き、更にその外側に表面平滑な板、例えば金属板を置き、加熱、加圧、好ましくは真空下に接着させ、その後、必要により選択的にレジスト組成物皮膜を光硬化させて、希アルカリ水溶液で現像、熱硬化させて永久保護皮膜付きプリント配線板とする。
【0011】
プリント配線板にラミネートで仮接着させる条件は、その硬化形態、樹脂組成により選択するが、一般には、温度30〜150℃で、線圧1〜10kgf/cm、ラミネート速度1〜5m/min.で行うが、限定するものではない。これはラミネート接着することにより、仮付け及び予備加熱を同時に達成できる。その後、離型フィルムは剥離せずに、上下に表面平滑な板を配置し、その外側に熱盤を配置して加圧下に成形するか、ラミネート後にそのまま表面平滑な熱盤を上下に配置して加圧下に成形する。一般には、温度80〜250℃で、圧力1〜50kgf/cm2、時間5秒〜10分で行う。好適には成形ボイドを避けるために仮接着または本接着、もしくはその両方を真空下で行う。真空度は一般には30mmHg以下で行う。
【0012】
レジスト組成物シートの上に配置する離型シートは、特に限定はなく、加熱時に耐えるものであれば良い。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、テフロン(登録商標)等の公知の有機フィルム類;金属箔の少なくとも片面に離型樹脂が付着したシート等が挙げられる。
【0013】
この離型シートの更にその外側には表面平滑な板を配置する。これは特に限定はなく、加熱、加圧下に変形しないものであれば良い。具体的には、各種金属の板、銅張積層板、積層板、熱可塑性板等が挙げられる。厚さは特に限定はしないが、厚すぎると作業性、熱伝導性等が悪いため、好適には1〜3mmの板を使用する。また、熱板に直接挟んでも良い。
【0014】
プリント配線板上に接着後、表面の離型シートを必要により剥離し、熱硬化型は一般には100〜250℃、好ましくは110〜200℃で硬化させる。光選択熱硬化型は、接着後に必要により表面の離型シートを剥離し、この上に露光用フィルムを置き、光で選択的に硬化した後、未硬化部分を希アルカリ水溶液等で現像除去し、熱後硬化する。光硬化型レジスト組成物は、接着後、必要により表面の離型シートを剥離し、光で硬化させる。光照射量は、光選択熱硬化型、光硬化型共に、一般には100〜3,000mJ/cm2、好適には200〜2,000mJ/cm2で行う。光選択熱硬化型レジストの後熱硬化は上記熱硬化型レジストと同等である。
【0015】
本発明の永久保護皮膜用レジスト組成物は、熱硬化型レジスト、光選択熱硬化型レジスト、光硬化型レジストとして使用することができる。しかしながら、耐熱性、耐マイグレーション性等の点からは、多官能性シアン酸エステル化合物を配合するか、分子内に反応して取り込んだレジストが好適に使用される。
【0016】
本発明の好適な樹脂成分である多官能性シアン酸エステル化合物とは、分子内に2個以上のシアナト基を有する化合物である。具体的に例示すると、1,3−又は1,4−ジシアナトベンゼン、1,3,5−トリシアナトベンゼン、1,3−、1,4−、1,6−、1,8−、2,6−又は2,7−ジシアナトナフタレン、1,3,6−トリシアナトナフタレン、4,4−ジシアナトビフェニル、ビス(4−ジシアナトフェニル)メタン、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモー4−シアナトフェニル)プロパン、ビス(4−シアナトフェニル)エーテル、ビス(4−シアナトフェニル)チオエーテル、ビス(4−シアナトフェニル)スルホン、トリス(4−シアナトフェニル)ホスファイト、トリス(4−シアナトフェニル)ホスフェート、シアネート化ポリフェニレンエーテル、およびノボラックとハロゲン化シアンとの反応により得られるシアネート類などである。これに1官能のシアネート化合物も添加できる。
【0017】
これらのほかに特公昭41−1928、同43−18468、同44−4791、同45−11712、同46−41112、同47−26853及び特開昭51−63149等に記載の多官能性シアン酸エステル化合物類も用いら得る。また、これら多官能性シアン酸エステル化合物のシアナト基の三量化によって形成されるトリアジン環を有する分子量400〜6,000 のプレポリマーが使用される。このプレポリマーは、上記の多官能性シアン酸エステルモノマーを、例えば鉱酸、ルイス酸等の酸類;ナトリウムアルコラート等、第三級アミン類等の塩基;炭酸ナトリウム等の塩類等を触媒として重合させることにより得られる。このプレポリマー中には一部未反応のモノマーも含まれており、モノマーとプレポリマーとの混合物の形態をしており、このような原料は本発明の用途に好適に使用される。一般には可溶な有機溶剤に溶解させて使用する。
【0018】
また、熱硬化成分として使用されるものでは、エポキシ樹脂が挙げられる。エポキシ樹脂としては、一般に公知のものが使用できる。具体的には、液状或いは固形のビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂;ブタジエン、ペンタジエン、ビニルシクロヘキセン、ジシクロペンチルエーテル等の二重結合をエポキシ化したポリエポキシ化合物類;ポリオール、水酸基含有シリコン樹脂類とエポハロヒドリンとの反応によって得られるポリグリシジル化合物類、エポキシ化ポリブタジエン樹脂、エポキシ化ポリフェニレンエーテル樹脂等が挙げられる。エポキシ樹脂中には必然的に塩素が含まれており、塩素の少ないものを使用するのが好ましい。これらは1種或いは2種類以上が組み合わせて使用され得る。
【0019】
本発明の光選択熱硬化型レジストに使用される(d)成分の不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂は、分子内にカルボキシル基と(メタ)アクリロイル基などの不飽和基を有する樹脂であり、一般に公知のものが使用される。 例えば、特開平1−139619に示される、カルボキシル基有アクリル樹脂とグリシジル(メタ)アクリレートとを反応して得られる不飽和基含有樹脂、特開平8−41150に記載の(メタ)アクリル酸とラクトン変性ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを必須成分とするビニル共重合体のカルボキシル基の一部に、脂環式エポキシ基含有不飽和化合物を反応させた不飽和基含有樹脂、特開昭61−243869に記載のノボラック型エポキシ化合物と不飽和モノカルボン酸との反応物に飽和または不飽和多塩基酸無水物を反応させて得られる樹脂など,一般に公知のものが挙げられる。
【0020】
本発明で使用される光選択熱硬化型レジスト組成物に使用される不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂は特に限定はなく、一般に公知のものが使用可能であるが、この中で好ましいものは、酸価10〜200mgKOH/g、樹脂1kg当たりの二重結合が1.0〜3.5モル、数平均分子量1,000〜50,000の(メタ)アクリル酸とラクトン変性ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを必須成分とするカルボキシル基含有(メタ)アクリル系樹脂と脂環式エポキシ基含有不飽和化合物を反応させた不飽和基含有樹脂、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型或いはそれらのハロゲン化エポキシ樹脂と不飽和カルボン酸とを、酸当量/エポキシ当量の比か0.2〜1.0の範囲で反応させ、得られた反応物の水酸基に飽和或いは不飽和多塩基酸無水物を酸当量/水酸基当量の比が0.2以上で反応させた反応物であり、その酸価が40〜160mgKOH/gの不飽和含有ポリカルボン酸樹脂などが挙げられる。
【0021】
しかしながら、高密度のプリント配線板の永久保護皮膜としては、耐熱性、耐マイグレーション性などが問題となるため、多官能性シアン酸エステル化合物を分子内に取り込んだ不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂(b)が特に好適に使用される。好ましい樹脂としては、エポキシアクリレート100重量部に多官能性シアン酸エステル化合物5〜40重量部反応させた樹脂に多塩基酸無水物10〜90重量部反応させた、酸価40〜200mg KOH/gの不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂が使用される。使用量は20〜90重量%、好ましくは25〜70重量%である。
【0022】
本発明の(b)成分である多官能性シアン酸エステル化合物を分子内に取り込んだ不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂において、原料として使用するエポキシアクリレートは、エポキシ樹脂とアクリル酸との反応物である。例えば、ビスフェノールA型エポキシアクリレート、ビスフェノールF型エポキシアクリレート、ビフェノール・エポキシアクリレート、テトラメチルビフェノール・エポキシアクリレート、ヘキサメチルビフェノール・エポキシアクリレート、キシレンノボラック・エポキシアクリレート等であり、これらは1種或いは2種以上が組み合わせて使用される。
【0023】
本発明の酸変性の反応に使用する多塩基酸無水物としては、1分子内に2個以上の無水カルボン酸を有する一般に公知の酸無水物が使用され得る。具体的には、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ナフタレンー1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、3−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、ドデセニル無水コハク酸、その他無水酸を分子内に有するもの、これらの1種或いは2種以上が組み合わせて使用される。
【0024】
本発明のエポキシアクリレートと多官能性シアン酸エステル化合物を反応する条件は特に限定しないが、一般的には、エポキシアクリレート100重量部に対し、多官能性シアン酸エステル化合物を5〜40重量部、好ましくは10〜30重量部用いて変性させる。反応温度は、50〜100℃、反応時間5〜100時間である。反応時の粘度調整のために溶剤を使用することができる。使用する溶剤は特に限定はしないが、具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のアセテート類;ソルベントナフサ、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類等が、単独或いは2種以上組み合わせて使用され得る。
【0025】
次に、エポキシアクリレートと多官能性シアン酸エステル化合物の反応物を多塩基酸無水物でカルボン酸変性を行い、(b)不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂を得る。変性量は、前述のエポキシアクリレート100重量部に多官能性シアン酸エステル化合物5〜40重量部反応させて変性したものに、多塩基酸無水物を10〜90重量部反応させて変性を行う。変性後に、得られた樹脂は、酸価が40〜200mgKOH/g 、好ましくは50〜160mgKOH/g とする。この場合も、粘度調整のために溶剤を使用することが可能である。具体的には、上記溶剤、更にはプロピレングリコールものメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のエステル類が使用される。光選択熱硬化型レジストとする場合、使用量は樹脂組成物中20〜90重量%、好ましくは25〜80重量%とする。
【0026】
次に本発明のレジスト組成物を光硬化型レジスト、或いは光選択熱硬化型レジストに使用する場合、使用される(c)成分のエチレン性不飽和二重結合を有する光重合性化合物としては、まず、2価以上のアルコール類の(メタ)アクリル酸エステル類が挙げられる。このアルコール類としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,10−デカンジオール、シクロヘプタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のポリエチレングリコール類;ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等のポリプロピレングリコール類;キシレンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ビフェノール、カテコール、レゾルシノール、ピロガロール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリットール、ジペンタエリスリットール、トリペンタエリスリットール、ソルビトール、グルコース、ブタントリオール、1,2,6−トリヒドロキシヘキサン、1,2,4−ベンゼントリオール等が挙げられる。更には(メタ)アクリレート化ポリフェニレンエーテル樹脂が挙げられる。
【0027】
また、アリル化合物、例えばアジピン酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸等のポリアリルエステル類、ポリスルホン酸のポリアリルエステル類、ジアリルエーテル、トリアリルイソシアヌレート等も用いられる。更に、例えばジビニルベンゼン、ジビニルスルホン、ジビニルフタレート、ジビニルテレフタレート等のポリビニル化合物も使用される。その他、公知の化合物、樹脂類などが使用できる。これらの化合物は、1種或いは2種以上が組み合わせて使用される。使用量は、1〜30重量%、好ましくは2〜20重量%である。
【0028】
本発明のレジスト組成物を光硬化型レジスト、或いは光選択熱硬化型レジストとして使用する場合、光で重合させるための光重合開始剤(成分h)が使用される。例えばベンジル、ジアセチル等のα−ジケトン類;ベンゾイル等のアシロイン類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のアシロインエーテル類;チオキサントン、1,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン類;ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;アセトフェノン、1,2’−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、p−メトキシアセトフェノン等のアセトフェノン類;アントラキノン、1,4−ナフトキノン等のキノン類;ジ−t−ブチルパーオキサイド等の過酸化物等が1種或いは2種以上が組み合わせて使用される。使用量は、0.1〜20重量%、好ましくは0.2〜10重量%である。
【0029】
また、エポキシ化合物を配合した場合には、カチオン系光重合開始剤を加えることが好ましい。例えば芳香族スルホニウム塩、η−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1,2,3,4,5,6−η)−(1−メチルエチル)ベンゼン]−アイアン(1+)−ヘキサフルオロフォスフェート(1−)等の鉄の錯体等、一般に公知の重合開始剤の1種或いは2種以上が、エポキシ化合物100重量部に対し 0.1〜10重量部、好適には0.2〜5重量部使用される。
【0030】
本発明のレジスト組成物を熱硬化型レジストとして使用する場合、それ自体は加熱により硬化するが硬化速度が遅く、作業性、経済性等に劣る。その為、使用した熱硬化性樹脂に対して公知の熱硬化触媒を用い得る。プリント配線板に加熱で接着させるため、特に光選択熱硬化型レジスト組成物の場合は、その後の現像で溶解除去できないような量は使用しないようにする。一般には使用量は、0〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%である。
【0031】
本発明のレジスト組成物はそれぞれ溶解する溶剤に予め溶解させて配合するのが好ましい。多官能性シアン酸エステル化合物を溶解する溶剤は、特に制限はなく、例示すれば、酢酸エチルジューキゾール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸イソブチル、酢酸−n−ブチル、エチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールアセテート、ジプロピレングリコールモノアセテート等のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類等が1種或いは2種以上が組み合わせて使用される。好適には、使用時に溶剤が飛散して溶液の粘度が上昇するのを抑えるために、比較的沸点が高く、室温で飛散しにくいものが使用される。
【0032】
また、成分(i)の不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂も上記の溶解する溶剤が使用可能である。それ以外の溶剤としては。例示すれば、エチレングリコールアルキルエーテル類;ジエチレングリコールアルキルエーテル類;プロピレングリコールアルキルエーテル類;ジプロピレングリコールアルキルエーテル類等が挙げられる。これらは1種或いは2種以上が組み合わせて使用される。
【0033】
本発明のレジスト組成物には、組成物本来の特性が損なわれない範囲で、所望により種々の添加物を配合することができる。これらの添加物としては、1官能性以上のマレイミド類、ポリブタジエン、マレイン化ブタジエン、ブタジエンーアクリロニトリル共重合体、ブタジエンースチレン共重合体、アクリルゴム、AS樹脂、ABS樹脂、MBS樹脂、不飽和基含有PPE樹脂、ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリエステル、ポリフェニレンサルファイド、ポリスチレン、ポリウレタン等が挙げられる。また、その他、公知の有機の充填剤、無機の充填剤、染料、顔料、増粘剤、滑剤、消泡剤、分散剤、レベリング剤、光増感剤、チキソ性付与剤、難燃剤等の各種添加剤が、所望に応じて適宜組み合わせて使用される。必要により、反応基を有する化合物は、その硬化剤、触媒が適宜使用される。
【0034】
本発明でのレジスト組成物は、各成分を組み合わせ、均質の無溶剤タイプとするか、樹脂が可溶な溶剤に溶解し、これを押し出し成形でシートにするか、離型フィルム上に塗布して離型フィルム付き樹脂シート等、公知の方法でシートとする。シートとする場合、その後の接着が可能な特性とする。厚さは特に限定はなく、好適には厚さ5〜100μmとする。粘着性がある場合、離型シートでレジスト組成物シート両面を挟んでも良い。
【0035】
本発明の導体回路は、エッチングして凹凸を付けたままでも良いが、密着性を向上させるために予め防錆処理剤等の一般に公知の薬液で表面を処理することが好ましい。防錆処理剤としては一般に公知のものが使用できる。銅キレート剤も一般に公知のものが使用され得る。これらは例えばポリベンズイミダゾール、クロメート処理等が挙げられ、1種或いは2種以上が組み合わせて使用される。例えば(株)メック社製のSL8300Eといった防錆溶液が好適に使用される。
【0036】
本発明のレジスト組成物を光硬化レジスト、光選択熱硬化型レジストとして使用する場合、レジストを光硬化するための活性エネルギー線の照射光原としては、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ或いはメタルハライドランプ等が用いられる。露光量は特に制限はないが、一般には100〜3,000mJ/cm2、好ましくは200〜2,000mJ/cm2 である。その他、電子線、レーザー等も使用できる。
【0037】
本発明の光選択熱硬化型レジストの場合、本発明の塗膜の現像は、スプレー現像法、現像液にプリント配線板を浸せきして振動させるディップ現像法等、一般に公知の方法で実施する。現像液の温度は5〜50℃、好ましくは25〜40℃である。温度が低いと現像時間がかかる、現像性が悪い等の問題が生じる。温度が高いと光照射した硬化部分が溶解してしまう。現像液としては、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム或いはアンモニウムハイドロオキサイドの水溶液等、一般に公知の希アルカリ水溶液が使用できる。また、水に水溶性有機溶剤を添加した水溶液が使用できる。また、水に水溶性有機溶剤を添加した水溶液、水に水溶性有機溶剤とアルカリ剤とを加えた水溶液も使用できる。水溶液中のアルカリ剤の量は0.1〜5重量%が好適である。
【0038】
現像液に使用される 水溶性有機溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、ジエチレングリコール、メタノール、エタノール、プロパノール、γ−ブチロラクトン、メチルセロソルブ等、一般に公知のものが使用できる。これらの溶剤は水溶液全体の10〜80重量%、好ましくは15〜50重量%の範囲で使用される。更に、現像性を高めるために水酸化ナトリウム、珪酸ナトリウム、モノメタノールアミン等のアルカリ剤を添加することもできる。
【0039】
【実施例】
以下に実施例、比較例で本発明を具体的に説明する。尚、特に断らない限り、『部』は重量部を表す。
<:多官能性シアン酸エステルプレポリマーの合成>
(合成例1)
2,2−ビス(4−シアナトフェニル)プロパン1,000部を、150℃に溶融させ、撹拌しながら4時間反応させ、重量平均分子量1,900、融点66℃のプレポリマー(X−1)を得た。これをメチルエチルケトンに溶解し、溶液とした。
【0040】
<成分:不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂の合成>
(合成例2)
フラスコに温度計、攪拌機、環流冷却器、滴下ロート及び窒素吹込管を取りつけ、これにジプロピレングリコールモノメチルエーテル1,000部を仕込み、100℃に加熱した中に、ベンゾイルパーオキサイド14部、メチルメタクリレート420部、ヒドロキシエチルメタクリレート70部、メタクリル酸210部の混合物を2時間かけて滴下し、8時間保持した。得られたアクリル樹脂は、酸価200mgKOH/gであった。次いで、この樹脂にグリシジルメタクリレート210部、トリエチルアミン3.5部、ハイドロキノン0.07部を加え、100℃で5時間反応させ、メタクリロイル基1.7モル/kg、酸価89mgKOH/g の不飽和基含有樹脂(固形成分:B−1)溶液を得た。
【0041】
(合成例3)
ビスフェノールA型エポキシアクリレート(商品名:SP1509、昭和高分子<株>製)1,000部、合成例1の多官能性シアン酸エステルプレポリマー成分を50部、溶剤としてジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/ソルベントナフサ(50/50重量比)を1,050部加え、固形分50重量%とした後、70℃に加熱して攪拌混合しながら反応させ、赤外吸収スペクトルによりシアナト基のピーク(2300cm−1付近)の変化を追跡した。5.5時間後にシアナト基のピークが消滅した時点で反応を終了した。この反応液に無水ピロメリット酸を218部、及び上記混合溶剤を218部加え、温度70℃にて攪拌混合しながら反応を行い、赤外吸収スペクトルにより無水カルボン酸のピーク(1,850cm−1付近)を追跡し、6時間後にピークが消滅した時点で反応を終了した。この樹脂(固形成分をB−2とする)の酸価は90mgKOH/g であった。
【0042】
(合成例4)
合成例3において、多官能性シアン酸エステルプレポリマー成分を300部、テトラヒドロフタル酸無水物を521部加えた以外は合成例2と同様にして樹脂(固形成分B−3とする)を作成した。この樹脂の酸価は100mgKOH/g であった。
【0043】
(合成例5)
合成例3で、ビスフェノールA型シアン酸エステル化合物100部、無水ピロメリット酸を174部加えた以外は合成例2と同様にして樹脂(固形成分:B−4とする)を作成した。この樹脂の酸価は75mgKOH/g であった。
【0044】
(実施例1〜5)
<エポキシ樹脂>
成分aとして、変性キシレン樹脂エポキシ化物(商品名:デナカルT、ナガセ化成工業<株>製、成分A−1とする)、脂環式エポキシ樹脂(商品名:セロキサイド2021、成分A−2とする、商品名:EHPE3150、成分A−3とする、ダイセル化学工業<株>製)を使用した。
<エチレン性不飽和モノマー>
成分cとして、テトラエチレングリコールジアクリレート(成分C−1とする)を使用した。
<光重合開始剤>
d成分として、(商品名:イルガキュア907、チバガイギー<株>製、成分D−1とする)を使用した。
<無機充填剤>
e成分として、硫酸バリウム粉体(平均粒子径:0.7μm、成分E−1とする)
<顔料>
顔料としては緑色顔料、青色顔料と黄色顔料の併用系とを用いた。具体的には、青色顔料(商品名:フタロシアニンブルー山陽色素<株>、成分F−1とする)を使用した。また、黄色顔料としては、イソインドリンイエロー(商品名:C.I.Pigment Yellow 139山陽色素<株>、成分F−2とする)を使用した。青色顔料、黄色顔料の併用に関しては、分子内に塩素は含有されていない。緑色顔料はハロゲンを分子内に含有されているものを用いた(商品名:フタロシアニングリーン山陽色素<株>、成分F−3とする)。
<添加剤>
レベリング剤として、(商品名:BYK055、ビックケミー・ジャパン<株>製、成分G−1とする)、脱泡剤として(商品名:フローレンAC300、共栄社化学<株>製、成分G−2とする)、カップリング剤としてA−187(日本ユニカ<株>製、成分G−3とする)を使用した。
これらを表1に示す組成で配合し、3本ロールで混練して粘ちょうな塗料を得た。
【0045】
(実施例1〜3)
得られた塗料を連続的に厚さ50μmのPETフィルム上に塗布、乾燥して厚さ40μmのレジスト樹脂シートを作製した。この得られたレジスト樹脂シート(実施例1〜5)を、櫛形パターンを50個形成した(使用銅張積層板商品名:CCL−HL830銅箔12μm、三菱ガス化学<株>製、ライン/スペース=60/60μm)回路板上に樹脂層側が回路板側を向くように配置し、温度100℃、圧力4kgf/cm、速度2m/min.で連続的にラミネート接着し、仮接着後に、続けて、この上に厚さ1.0mmのステンレス板を置き、温度110℃で圧力30kgf/cm2、真空10mmHg下で30秒加熱圧着した後、ステンレス板を除去した。この上にネガフィルムを密着させ、500mJ /cm2 の紫外線を照射してから表層のPETフィルムを剥離し、1wt%炭酸ナトリウム水溶液で現像し、更に150℃にて1時間熱硬化させ、表面の絶縁皮膜を得た。
【0046】
(実施例4〜5)
実施例1〜3と同様にシートを作成し、真空ラミネーターを用いて、温度100℃、圧力4kgf/cm、速度2m/min.、真空10mmHg下で仮接着を行い、続けて、この上に厚さ1.0mmのステンレス板を置き、温度110℃で圧力30kgf/cm2、真空10mmHg下で30秒加熱圧着した後、ステンレス板を除去した。その後は同様にネガフィルムを配置し、露光、現像、熱後硬化した。
【0047】
(比較例1〜3)
塗料をスクリーン印刷で塗布し、80℃で加熱して溶剤を除去した後、同様に露光、現像、加熱後硬化した。
(比較例4〜5)
実施例と同様にシートを作製し、これを用いて加熱ロールで、温度110℃、線圧5kgf/cm、速度2m/min.にて連続的にプリント配線板にラミネート接着させ、その後は同様にネガフィルムを配置し、露光、現像、熱後硬化した。
これらを用いて評価した結果を表2に示す。
【0048】
塗膜とした樹脂組成物の特性を以下の方法により評価した。
鉛筆硬度:JIS K 5400 に準じて評価を行った。
密着性:JIS K 5400 に準じて、試験片に1mmの碁盤目を100個作成し、セロファンテープにて引き剥がし試験を行い、碁盤目の剥離状態を見た。表中の分母は試験碁盤目数、分子は残存数である。
半田耐熱性:280℃の半田槽に1分間浸漬後、布膜の異常の有無を目視観察した。
ガラス転移温度:厚さ40μmの塗膜を作成し、TMA法(JIS C6481)にて測定した。
現像性及び耐酸性:現像後、現像面を目視で観察するとともに、無電解ニッケルメッキ(PH 4.5、浸漬 90℃・20分)を施し、ニッケルメッキの付着状態を観察して現像性を判定した。同時にレジスト面の薬品に侵される状態も観察した。
耐マイグレーション性:85℃,85%RH,50VDC条件下で耐マイグレーション性を測定した。
表面凹凸: 表面凹凸試験機にて測定した。凹凸のMax.の値を示した。
ボイド: 塗布したプリント配線板の断面を100個観察し、ボイドの有無を見た。
【0049】
【0050】
【0051】
(実施例6〜7,比較例6〜7)
合成例1で作製した多官能性シアン酸エステルプレポリマー(成分X−1)、実施例1〜5で使用したエポキシ樹脂、これに触媒としてアセチルアセトン鉄(成分H−1)、2エチルイミダゾール(成分H−2)を表3のように配合して熱硬化性樹脂組成物ワニスとした。これに添加剤、難燃剤を加えて熱硬化型レジスト組成物とした。
【0052】
(実施例6〜7)
実施例4〜5と同様にして、樹脂シートを作成し、真空下でラミネートにより仮接着させた後、加熱、加圧、真空下で本接着を行った。硬化は170℃で80分加熱して硬化させた。
【0053】
(比較例6〜7)
比較例1〜3と同様に、スクリーン印刷で塗布し、170℃で80分加熱して硬化させた。
この特性を表4に示した。
【0054】
【0055】
【0056】
<測定方法>
実施例1〜5に示した測定方法に従う。
【0057】
(実施例8,比較例8)
実施例、比較例のエポキシ樹脂(成分A−2,A−3)、エチレン性不飽和モノマー(成分C−2)、光重合開始剤(成分D−1)及びカチオン重合開始剤(商品名:イルガキュア261、チバガイギー<株>製、成分I−1とする)、重合補助剤としてクメンハイドロパーオキサイド(成分J−1とする)を表5に示すように配合し、光硬化性樹脂ワニスとした。これに添加剤を加えて光硬化型レジスト組成物とした。これを、実施例8は実施例4〜5と同様に、比較例8は比較例1〜3と同様に、厚さ40μmとなるように銅箔をエッチング除去した板の上にシートとして熱圧着するか、塗布・乾燥し、UVを1000mJ/cm2 照射して光で硬化させた。この特性を表6に示す。
【0058】
【0059】
【0060】
以上の結果から、本発明のようにレジスト組成物をシート状とし、これを導体回路が形成されたプリント配線板上に配置して、まず加熱、加圧下にラミネートして仮接着した後、上下に表面平滑な板、又は熱盤を配置し、加熱、加圧下、好ましくは、仮接着または本接着、もしくはその両方を真空下に行うことにより密着させ、単に塗布するか、加熱ロールで接着して皮膜とするのに比べて密着性に優れ、ボイドもなく、表面凹凸にも優れ、解像度の優れたものが得られた。
【0061】
【発明の効果】
本発明になるレジスト組成物シートのプリント配線板への皮膜形成方法は、皮膜形成時に溶剤を使用しないので環境に影響が無く、更に得られた永久保護皮膜は表面の凹凸が極めて小さく、このために解像度に優れ、又プリント配線板への密着性に優れるために皮膜の半田耐熱性に優れたものが得られた。
Claims (4)
- 片面または両面に離型フィルムを接着したシート状の永久保護レジストを、必要に応じて片面の離型フイルムを剥離した後、これを導体回路基板の上に、連続的に加熱ロールで基板に仮接着させた後、この上から表面平滑な熱板で加圧下に本接着することを特徴とする表面平滑性に優れたレジスト組成物永久保護皮膜の形成方法。
- 請求項1において、仮接着または本接着、もしくはその両方を真空下に行うことを特徴とする表面平滑性に優れたレジスト組成物永久保護皮膜の形成方法。
- 該レジスト組成物永久保護皮膜が光選択熱硬化型レジスト組成物である請求項1又は2記載の表面平滑性に優れたレジスト組成物永久保護皮膜の形成方法。
- 該レジスト組成物の光選択熱硬化成分において、少なくとも(a)エポキシ樹脂5〜35重量%、(b)エポキシアクリレート100重量部と多官能性シアン酸エステル化合物5〜40重量部との反応生成物に、多塩基酸無水物10〜90重量部を反応させた、酸価40〜200mgKOH/g の不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂20〜90重量%、(c)エチレン性不飽和モノマー 1〜30重量%を必須成分として配合してなることを特徴とする請求項1、2又は3記載の光選択熱硬化型レジスト組成物永久保護皮膜の形成方法。
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