JPH1179742A - イットリア/ガドリニア/ユーロピア共沈単分散球状粒子の製造方法及びそれにより得られるイットリア/ガドリニア/ユーロピア共沈単分散球状粒子 - Google Patents
イットリア/ガドリニア/ユーロピア共沈単分散球状粒子の製造方法及びそれにより得られるイットリア/ガドリニア/ユーロピア共沈単分散球状粒子Info
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- JPH1179742A JPH1179742A JP9251301A JP25130197A JPH1179742A JP H1179742 A JPH1179742 A JP H1179742A JP 9251301 A JP9251301 A JP 9251301A JP 25130197 A JP25130197 A JP 25130197A JP H1179742 A JPH1179742 A JP H1179742A
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Abstract
リニア/ユーロピア共沈単分散球状粒子の製造方法及び
それにより得られるイットリア/ガドリニア/ユーロピ
ア共沈単分散球状粒子を提供する。 【解決手段】 予め80℃以上沸点以下に加熱したイッ
トリウム/ガドリニウム/ユーロピウムの鉱酸塩水溶液
に80℃以上沸点以下の温度を維持しながら尿素を添加
してイットリウム/ガドリニウム/ユーロピウムの塩基
性炭酸塩を析出させ、得られた沈殿を固液分離し、66
0〜1300℃で焼成する製造方法、並びに前記製造方
法で得られる組成式(Ya Gdb Euc )2 O3 (ここ
でa、b、cは原子比で、0.01≦a≦0.98、
0.01≦b≦0.98、0.01≦c≦0.10、a
+b+c=1)を有するイットリア/ガドリニア/ユー
ロピア共沈単分散球状粒子。
Description
ジョンテレビやプラズマディスプレーなどのより高細精
化が指向されているが、それに伴い使用する蛍光体につ
いても従来のものより小粒子化が望まれている。また、
小粒子化と共に、粒度分布のシャープなことや、単分散
性もこれらの蛍光体にとって重要な要素である。本発明
は、赤色蛍光体の原料として有用な、小粒子で粒度分布
がシャープで単分散した球状のイットリア/ガドリニア
/ユーロピア共沈単分散球状粒子の製造方法及びそれに
より得られるイットリア/ガドリニア/ユーロピア共沈
単分散球状粒子に関するものである。
の一つであるが、従来、蛍光体の原料である希土類元素
の共沈酸化物を製造する方法としては、希土類元素を含
有する溶液に蓚酸や炭酸塩などの沈殿剤を添加して希土
類元素の蓚酸塩や炭酸塩を作り、これを焼成することで
特定の組成の酸化物粒子を得る方法が一般的である。
の方法では、サブミクロンサイズの酸化物粒子を得るこ
とは難しく、粒子形状も一定していないのが普通で、粒
度分布の範囲が1μm以下のものを得ることは難しい。
本発明は、希土類元素の共沈酸化物のうちでディスプレ
ー用蛍光体原料として有用な、小粒子で粒度分布がシャ
ープで単分散した球状のイットリア/ガドリニア/ユー
ロピア共沈単分散球状粒子の製造方法及びそれにより得
られるイットリア/ガドリニア/ユーロピア共沈単分散
球状粒子を提供しようとするものである。
上沸点以下に加熱したイットリウム/ガドリニウム/ユ
ーロピウムの鉱酸塩水溶液に80℃以上沸点以下の温度
を維持しながら尿素を添加してイットリウム/ガドリニ
ウム/ユーロピウムの塩基性炭酸塩を析出させ、得られ
た沈殿を固液分離し、660〜1300℃で焼成するこ
とを特徴とするイットリア/ガドリニア/ユーロピア共
沈単分散球状粒子の製造方法、並びに前記製造方法で得
られる組成式(Ya Gdb Euc )2 O3 (ここでa、
b、cは原子比で、0.01≦a≦0.98、0.01
≦b≦0.98、0.01≦c≦0.10で、かつa+
b+c=1.00)を有するイットリア/ガドリニア/
ユーロピア共沈単分散球状粒子である。
に説明する。イットリウム/ガドリニウム/ユーロピウ
ムの鉱酸塩水溶液を80℃以上沸点以下に加熱する。こ
の水溶液の温度が80℃未満にならないように尿素を加
える。この時尿素の溶解熱によって液温が低下するが、
液温が80℃未満まで低下すると尿素の加水分解速度が
極端に遅くなるため析出反応初期の粒子の核発生が十分
起こらなくなり、粒子同士が凝集して単分散粒子が得ら
れなくなってしまう。さらに80℃以上の温度で加熱を
続ける。加熱により不溶性で球状の単分散したイットリ
ウム/ガドリニウム/ユーロピウムの塩基性炭酸塩を析
出させることができる。単分散した球状の酸化物粒子を
得るにはこの時点で単分散した球状の塩基性炭酸塩を得
ていることが重要である。こうして得られた単分散した
球状のイットリウム/ガドリニウム/ユーロピウムの塩
基性炭酸塩を固液分離し、空気中もしくは酸化性雰囲気
中で焼成することで、イットリア/ガドリニア/ユーロ
ピア共沈単分散球状粒子を得ることができる。
溶性希土類元素鉱酸塩としては、塩酸塩、硝酸塩、硫酸
塩等が用いられるが、最終製品に不純物根を残さないた
めには硝酸塩が好ましい。イットリウム、ガドリニウ
ム、及びユーロピウムを合わせた全希土類元素濃度は
0.02〜0.08モル/リットルが良く、0.02モ
ル/リットル未満では生産性が劣り、0.08モル/リ
ットルを超えると不溶性塩であるイットリウム/ガドリ
ニウム/ユーロピウムの塩基性炭酸塩同士の凝集が起こ
り、単分散した球状粒子を得ることが困難になる。ま
た、イットリウム、ガドリニウム及びユーロピウムの濃
度の比率は、イットリウムとガドリニウムに関しては全
希土類元素濃度の1〜98原子%のどの値にしても良い
が、ユーロピウムについては、濃度が高くても低くても
生成するイットリア/ガドリニア/ユーロピア共沈単分
散球状粒子の蛍光強度が落ちるため1〜10原子%、好
ましくは3〜8原子%が良い。
00倍当量が良く、3倍当量未満では不溶性の塩基性炭
酸塩の析出に時間がかかるため経済性が悪く、100倍
当量を超えると尿素の製造コストに占める比率が上がる
ためやはり経済性が悪く好ましくない。ただし、これ以
外の尿素濃度ではイットリウム/ガドリニウム/ユーロ
ピウムの塩基性炭酸塩の単分散球状粒子が得られないと
いうわけではない。また、尿素の添加量、加熱温度によ
って、生じる塩基性炭酸塩の大きさ、ひいてはイットリ
ア/ガドリニア/ユーロピア共沈単分散球状粒子の大き
さをコントロールすることができ、尿素の添加量を少な
くするとより大きな粒子が得られ、加熱温度を低くする
とより大きな粒子が得られる。尚、塩基性炭酸塩の析出
時に、粒子の分散性を上げる等の目的のために水溶性の
有機高分子を添加することもある。
0℃が良く、好ましくは700〜1000℃である。6
60℃未満の焼成温度では生成するイットリア/ガドリ
ニア/ユーロピア共沈単分散球状粒子中の炭素の含有率
が多くなり、1300℃を超えるとイットリア/ガドリ
ニア/ユーロピア共沈単分散球状粒子の焼結が始まり、
単分散した球状粒子ではなくなってしまう。
ピア共沈単分散球状粒子は組成式(Ya Gdb Euc )
2 O3 有し、a、b、cはそれぞれ原子比で、0.01
≦a≦0.98、0.01≦b≦0.98、0.01≦
c≦0.10、かつa+b+c=1.00である。
/ユーロピア共沈単分散球状粒子を電子顕微鏡で観察し
たところ、粒子の90vol %以上が球状粒子であった。
また、この球状粒子100個を無作為に選択して、電子
顕微鏡写真に投影した投影図の長径をL1、短径をL2
として式(1)より偏径指数Sを計算すると、平均値が
0.1以下という円形に近い値を示した。 S=2(L1−L2)/(L1+L2) … 式(1) 更に、平均粒径D50は0.2〜1.0μm、粒度分布の
範囲W(D90とD10の差と規定する)は1μm以下と非
常に狭い範囲を示した。上記のように、本発明により得
られる粒子はその90vol %以上がほぼ完全な球状の小
粒子で粒度分布がシャープであり、形状と大きさが揃っ
ているため分散性に優れ、蛍光体の原料として非常に有
用である。
するが、本発明はこれらに何等制限されるものではな
い。 (物性測定方法) (1)希土類元素の塩基性炭酸塩及び希土類元素酸化物
の分析:X線回折法及びICP発光分光分析法によって
行った。 (2)粒子の偏径指数S:球状粒子100個を無作為に
選択して、電子顕微鏡写真に投影した該粒子の投影図か
ら長径L1と短径L2を測定し、式(1)より計算し
た。 (3)平均粒径D50及び粒度分布範囲W(D90とD10の
差):レーザー光の散乱のドップラー効果を測定するこ
とで粒子の大きさを測定する粒度分布測定装置(マイク
ロトラックUPA:マイクロトラック社製商品名)によ
って測定した。
度を0.038モル/リットル、硝酸ガドリニウムの濃
度を0.009モル/リットル、硝酸ユーロピウムの濃
度を0.003モル/リットルとし、全希土類元素濃度
を0.05モル/リットルに調製した反応溶液1000
リットルを95℃に加熱した。この反応溶液に尿素を4
8kg加え、攪拌して溶解した。尿素の溶解によって溶
液の温度が約90℃に低下したが、約5分で95℃に回
復した。さらに反応溶液を97℃で60分間保持した
後、生じた沈殿をブフナー漏斗で濾別した。得られたケ
ーキを石英容器に入れ、800℃で4時間焼成した後放
冷したところ約6.3kgの粉末が得られた。得られた
粉末を分析したところ組成式(Y0.76Gd0.18E
u0.06)2 O3 で示される酸化イットリウムと酸化ガド
リニウムと酸化ユーロピウムの共沈酸化物であった。こ
のイットリウム/ガドリニウム/ユーロピウム共沈酸化
物を電子顕微鏡で観察したところ、粒径が約0.5μm
程度で、単分散した球状粒子であり、粒子の90vol %
以上が球状であった(図1参照)。また、偏径指数Sの
平均値は約0.08で完全な球に近かった。更に、この
イットリア/ガドリニア/ユーロピア共沈単分散球状粒
子の粒度分布を測定したところ、平均粒径D50は約0.
54μm、粒度分布の範囲Wは0.42μmと1μm以
下の非常にシャープな粒度分布が得られた(図2参
照)。
度を0.038モル/リットル、硝酸ガドリニウムの濃
度を0.009モル/リットル、硝酸ユーロピウムの濃
度を0.003モル/リットルとし、全希土類元素濃度
を0.05モル/リットルに調製した約20℃の反応溶
液1000リットルに尿素を48kg加え、攪拌して溶
解した。その後反応溶液を97℃まで加熱し、さらに9
7℃で60分間保持した後生じた沈殿をブフナー漏斗で
濾別した。得られたケーキを石英容器に入れ、800℃
で4時間焼成した後放冷したところ約6.3kgの粉末
が得られた。得られた粉末を分析したところ組成式(Y
0.76Gd0.18Eu0.06)2 O3 で示される酸化イットリ
ウムと酸化ガドリニウムと酸化ユーロピウムの共沈酸化
物であった。このイットリウム/ガドリニウム/ユーロ
ピウム共沈酸化物を電子顕微鏡で観察したところ一部球
状粒子も観察されたが、球状粒子が凝集したような不定
形で粒径が1μm以上の粒子が多く、偏径指数を測定し
ようとしたが、凝集粒子のため測定できなかった(図3
参照)。更に、このイットリア/ガドリニア/ユーロピ
ア共沈粒子の粒度分布を測定したところ平均粒径D50は
約1.57μmで、粒度分布の範囲Wは1.88μmと
1μm以上とかなり大きな値となり、非常にブロードな
粒度分布が得られた(図4参照)。
ガドリニア/ユーロピア共沈単分散球状粒子が簡便な工
程でかつ経済的に製造でき、産業上その利用価値は極め
て高い。
共沈単分散球状粒子の電子顕微鏡写真である。
共沈単分散球状粒子の粒度分布を示したグラフである。
共沈粒子の電子顕微鏡写真である。
共沈粒子の粒度分布を示したグラフである。
Claims (6)
- 【請求項1】 予め80℃以上沸点以下に加熱したイッ
トリウム/ガドリニウム/ユーロピウムの鉱酸塩水溶液
に80℃以上沸点以下の温度を維持しながら尿素を添加
してイットリウム/ガドリニウム/ユーロピウムの塩基
性炭酸塩を析出させ、得られた沈殿を固液分離し、66
0〜1300℃で焼成することを特徴とするイットリア
/ガドリニア/ユーロピア共沈単分散球状粒子の製造方
法。 - 【請求項2】 請求項1記載の製造方法で得られる、組
成式(Ya Gdb Euc )2 O3 (ここでa、b、cは
原子比で、0.01≦a≦0.98、0.01≦b≦
0.98、0.01≦c≦0.10、かつa+b+c=
1.00)を有するイットリア/ガドリニア/ユーロピ
ア共沈単分散球状粒子。 - 【請求項3】 請求項1記載の製造方法で得られる、粒
子の90vol %以上が球状であるイットリア/ガドリニ
ア/ユーロピア共沈単分散球状粒子。 - 【請求項4】 請求項1記載の製造方法で得られる、平
均粒径D50が0.2〜1.0μmであるイットリア/ガ
ドリニア/ユーロピア共沈単分散球状粒子。 - 【請求項5】 請求項1記載の製造方法で得られる、粒
度分布の範囲Wが1μm以下であるイットリア/ガドリ
ニア/ユーロピア共沈単分散球状粒子。 - 【請求項6】 請求項1記載の製造方法で得られる、球
状粒子100個を無作為に選択したときの偏径指数Sの
平均値が0.1以下であるイットリア/ガドリニア/ユ
ーロピア共沈単分散球状粒子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25130197A JP3565472B2 (ja) | 1997-09-01 | 1997-09-01 | イットリア/ガドリニア/ユーロピア共沈単分散球状粒子の製造方法及びそれにより得られるイットリア/ガドリニア/ユーロピア共沈単分散球状粒子 |
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1179742A true JPH1179742A (ja) | 1999-03-23 |
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ID=17220777
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP25130197A Expired - Lifetime JP3565472B2 (ja) | 1997-09-01 | 1997-09-01 | イットリア/ガドリニア/ユーロピア共沈単分散球状粒子の製造方法及びそれにより得られるイットリア/ガドリニア/ユーロピア共沈単分散球状粒子 |
Country Status (1)
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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KR100983193B1 (ko) * | 2002-03-22 | 2010-09-20 | 니치아 카가쿠 고교 가부시키가이샤 | 질화물 형광체와 그 제조 방법 및 발광 장치 |
US8114311B2 (en) | 2008-02-01 | 2012-02-14 | Samsung Sdi Co., Ltd. | Red phosphor and display device including the same |
-
1997
- 1997-09-01 JP JP25130197A patent/JP3565472B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (9)
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US6919060B2 (en) | 2002-02-26 | 2005-07-19 | Sumitomo Chemical Company, Limited | Process for producing particles of a metal compound |
CN1298806C (zh) * | 2002-02-26 | 2007-02-07 | 住友化学工业株式会社 | 生产金属化合物颗粒的方法 |
KR100996394B1 (ko) | 2002-02-26 | 2010-11-24 | 도꾸리쯔교세이호진 상교기쥬쯔 소고겡뀨죠 | 금속 화합물 입자의 제조 방법 |
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