JP2022067632A - 希土類化合物粒子及び希土類酸化物粒子の製造方法 - Google Patents

希土類化合物粒子及び希土類酸化物粒子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【解決手段】Y、Nd、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuからなる群から選ばれる1種類以上の希土類元素のイオンと、過酸化水素と、尿素と、ポリビニルピロリドンとを含む水溶液を、80℃以上、かつ水溶液の沸点以下の温度で加熱し、尿素の加水分解生成物と、希土類元素のイオンとの反応により、希土類化合物の粒子を製造し、更に、希土類化合物の粒子を、水溶液から固液分離し、得られた固形分を、酸素を含む雰囲気中、600℃以上の温度で焼成して希土類酸化物粒子を製造する。【効果】希土類化合物粒子を析出させる水溶液中の希土類イオン濃度が高くても、従来の方法と比較して、凝集した粒子がより少ない粒子が得られる。【選択図】図1

Description

本発明は、セラミックスの原料や添加剤として有用な、希土類化合物粒子及び希土類酸化物粒子の製造方法に関する。
希土類元素は、さまざまなセラミックス製品や電子部品中に添加剤として用いられることが多く、これら製品群の高特性化に貢献している。これらの製品に用いられる希土類元素は、化合物、特に酸化物の粉末原料として使用されることが多い。近年、電子部品や機能性セラミックスが小型化するにつれ、より小さい粒子のセラミックス原料が使用されることが多くなっている。そのため、希土類酸化物などの希土類化合物についても、微粒子化が望まれている。
微粒子の希土類炭酸塩や希土類酸化物を得る方法としては、例えば、特開2000-239019号公報(特許文献1)に記載されている方法などがあり、この方法では、尿素を、過酸化水素の共存下、水中で加熱によって加水分解することで、希土類元素イオンから、希土類元素の塩基性炭酸塩を単分散粒子として析出させ、これを固液分離した後、乾燥、焼成することで、希土類酸化物を得ている。
しかし、この方法で希土類化合物を析出させた場合、析出系内の希土類元素イオンの濃度が高くなるにつれて、析出した粒子の凝集が起きやすくなる。粒子の凝集は、希土類元素イオンの濃度がある濃度を超えると急激に増えるのではなく、濃度が高くなるにつれて、徐々に多くなってゆく。このような凝集した粒子は、電子部品などのセラミックス材料として使用される場合、結晶粒の異常粒成長や微細構造の異常などの不具合を引き起こす要因になってしまうため、できるだけ少ない方が良い。
特開2000-239019号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、希土類酸化物などの希土類化合物の粒子として、凝集した粒子がより少ない粒子を製造する方法、特に、このような粒子の製造方法として、生産性が高く、量産に有利な方法を提供することを目的とする。
均一沈澱法では、希土類元素のイオン源である希土類鉱酸塩などと、過酸化水素と、尿素とを含む水溶液を加熱することで希土類元素の塩基性炭酸塩などの希土類化合物の粒子を析出させることができるが、本発明者は、上記課題を解決するため、均一沈澱法による希土類化合物粒子の製造について鋭意検討を重ねた結果、この水溶液に、水溶性高分子であるポリビニルピロリドンを含有させて加熱することで、析出する粒子の凝集状態が改善され、これにより、凝集した粒子が非常に少ない、希土類酸化物粒子などの希土類化合物粒子を製造できることを見出し、本発明に至った。
従って、本発明は、下記の希土類化合物粒子及び希土類酸化物粒子の製造方法を提供する。
1.Y、Nd、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuからなる群から選ばれる1種類以上の希土類元素のイオンと、過酸化水素と、尿素とを含む水溶液を、80℃以上、かつ上記水溶液の沸点以下の温度で加熱し、尿素の加水分解生成物と、上記希土類元素のイオンとの反応により希土類化合物の粒子を生成させる工程を含み、
上記水溶液が、更にポリビニルピロリドンを含むことを特徴とする希土類化合物粒子の製造方法。
2.上記希土類化合物が、希土類元素の塩基性炭酸塩であることを特徴とする1記載の製造方法。
3.1又は2記載の製造方法の上記工程において生成した希土類化合物の粒子を、上記水溶液から固液分離し、得られた固形分を、酸素を含む雰囲気中、600℃以上の温度で焼成することを特徴とする希土類酸化物粒子の製造方法。
4.遠心沈降法で測定した粒度分布の体積基準のメジアン径(D50)が0.05μm以上0.3μm以下の希土類酸化物粒子を製造することを特徴とする3記載の製造方法。
本発明によれば、希土類化合物粒子を析出させる水溶液中の希土類イオン濃度が高くても、従来の方法と比較して、凝集した粒子がより少ない粒子が得られる。そのため、従来と比べて、水溶液に含有させる希土類イオンの濃度を高くしても、凝集した粒子の量が、従来と同等又は少ない、希土類酸化物粒子などの希土類化合物粒子を、高い生産性で製造でき、これにより、特に、近年のセラミックス原料の微粒子化に対応し得る、高特性の粒子、特に分散性が高い微粒子を、低コストで量産することができる。
実施例1で得た希土類化合物粒子の電子顕微鏡像であり、(A)はテルビウム塩基性炭酸塩粒子、(B)は酸化テルビウム粒子の電子顕微鏡写真である。 実施例2で得た希土類化合物粒子の電子顕微鏡像であり、(A)はジスプロシウム塩基性炭酸塩粒子、(B)は酸化ジスプロシウム粒子の電子顕微鏡写真である。 実施例3で得た希土類化合物粒子の電子顕微鏡像であり、(A)はイットリウム塩基性炭酸塩粒子、(B)は酸化イットリウム粒子の電子顕微鏡写真である。 比較例1で得た希土類化合物粒子の電子顕微鏡像であり、(A)はテルビウム塩基性炭酸塩粒子、(B)は酸化テルビウム粒子の電子顕微鏡写真である。 実施例1で得た酸化テルビウム粒子の遠心沈降法による粒度分布測定結果である。 実施例2で得た酸化ジスプロシウム粒子の遠心沈降法による粒度分布測定結果である。 実施例3で得た酸化イットリウム粒子の遠心沈降法による粒度分布測定結果である。 比較例1で得た酸化テルビウム粒子の遠心沈降法による粒度分布測定結果である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明においては、希土類元素のイオンと、過酸化水素と、尿素とを含む水溶液を加熱し、尿素の加水分解生成物と、希土類元素のイオンとの反応により希土類化合物を生成させて、希土類化合物の粒子(微粒子)を製造する。この場合、水溶性の希土類鉱酸塩、例えば、硝酸塩、塩化物などの水溶液とすることにより、希土類元素のイオンを含む水溶液を調製することができる。特に、製造設備内で水溶液が接触する部位に、鉄やSUSなどの金属が用いられている場合、製品中に、接触部位の金属に由来する不純物が増加するおそれの少ない硝酸塩を用いることがより好ましい。
希土類元素のイオンとしては、Y、Nd、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuからなる群から選ばれる1種類以上の希土類元素(第1の希土類元素)のイオンを含むことが好ましい。水溶液中の希土類元素のイオンの濃度は、0.01モル/L以上、特に0.03モル/L以上で、0.08モル/L以下、特に0.06モル/L以下が好ましい。粒子の生産性から考えれば、希土類元素のイオンの濃度は高い方が好ましいが、0.08モル/Lを超える濃度では、後述するポリビニルピロリドンにより粒子の凝集を低減する効果が十分得られないおそれがある。
また、希土類元素のイオンを含む水溶液は、第1の希土類元素のイオンに加えて、更に、これら10種の第1の希土類元素以外の希土類元素のイオン、例えば、Ce、Pr、Sm及びEuからなる群から選ばれる1種類以上の希土類元素(第2の希土類元素)のイオンを含んでいてもよい。その場合、水溶液中の第1及び第2の希土類元素のイオンの合計の濃度が、上述したように、0.01モル/L以上、特に0.03モル/L以上で、0.08モル/L以下、特に0.06モル/L以下であることが好ましく、このうち、第2の希土類元素のイオンの含有率が、第1及び第2の希土類元素のイオンの合計に対して20モル%以下、特に10モル%以下であることが好ましい。
本発明の希土類元素のイオンを含む水溶液には、過酸化水素が含まれる。過酸化水素の量は、製造する粒子の粒径に応じて、希土類元素のイオンの量に対して、モル比で0.01倍以上、特に0.1倍以上で、1倍以下、特に0.5倍以下が好ましい。過酸化水素の量が上記範囲未満の場合、希土類化合物粒子が十分に小さくならないおそれがある。また、過酸化水素の量が上記範囲を超える場合は、希土類化合物粒子が小さくなりすぎて、固液分離の際、希土類化合物の回収量(歩留り)が低下するおそれがある。
本発明の希土類元素のイオンを含む水溶液には、尿素が含まれる。尿素の量は希土類元素のイオンの量に対して、モル比で5倍以上、特に10倍以上で、30倍以下、特に20倍以下が好ましい。尿素の量が上記範囲未満の場合、希土類化合物の生成に時間がかかりすぎる場合があり、希土類化合物の回収量(歩留り)が低下するおそれがある。また、尿素の量が上記範囲を超える場合は、経済性の点で不利となるおそれがある。
本発明の希土類元素のイオンを含む水溶液は、上記成分の他に、更にポリビニルピロリドンを含むことを特徴とする。ポリビニルピロリドンは、市販品を用いることができる。ポリビニルピロリドンは、N-ビニル-2-ピロリドンが重合した水溶性高分子化合物であり、重合度の違いによりK値を指標とする粘度が異なる製品が、製造、販売されているが、本発明で用いるポリビニルピロリドンは、特に限定されるものではないが、例えば、K値が30~90の範囲のものを使用することで、良好な結果が得られる。ポリビニルピロリドンは、粉末状のものを使用しても、溶液状のものを使用してもよい。
ポリビニルピロリドンの添加量は、使用する希土類元素のイオンの濃度、過酸化水素の濃度にもよるが、通常、希土類元素のイオンを含む水溶液1,000L当たり、100~1,000gが好ましい。ポリビニルピロリドンの添加量が上記範囲未満の場合、粒子の凝集を低減する効果が十分に得られなくなるおそれがある。また、ポリビニルピロリドンの添加量が上記範囲を超えても、粒子の凝集を低減する効果は得られるが、添加量の増大に対して、効果がそれほど大きくならないため、経済性の点で不利となるおそれがある。
希土類元素のイオンを含む水溶液への、過酸化水素及び尿素の混合は、各成分を含む水溶液を後述するように加熱する前及び後(加熱中(即ち、昇温中又は所定の温度に達した後))のいずれでもよいが、尿素を混合する前に、過酸化水素を混合することが好ましい。一方、ポリビニルピロリドンの混合は、各成分を含む水溶液を加熱する前及び後のいずれでもよく、希土類元素のイオンと尿素との反応の途中で混合しても、ある程度の効果は得られるが、各成分を含む水溶液を加熱する前に混合することがより好ましい。
本発明の希土類化合物の製造方法においては、各成分を含む水溶液(混合水溶液)を加熱することにより、尿素を加水分解し、加水分解により生成した炭酸イオン、アンモニウムイオンなどの加水分解生成物を、希土類元素のイオンと反応させて、希土類化合物の沈殿を生成させる。加熱温度は80℃以上、特に90℃以上が好ましく、混合水溶液の沸点以下、特に沸点未満とすることが好ましく、例えば、100℃以下とすることがより好ましい。加熱時間は、尿素の添加量が多いほど、また、加熱温度が高いほど、短くしてよいが、通常30~200分間である。
生成した沈殿(固形分)は、沈降性の低いスラリー状になっているが、濾別、デカンテーション、遠心分離等の沈降分離などの方法で固液分離することができる。得られる沈殿は非常に小さい粒子であるため、通常の濾過では、粒子がフィルターを通過してしまうおそれが高いため、遠心沈降法で固液分離することが好ましい。固形分に含まれる未反応の尿素や、残留アニオンなどを除去する場合には、固液分離後に得られた固形分を、純水などで水洗するとよい。固形分は、更に、必要に応じて、大気中などの酸素を含む雰囲気下や、不活性ガス雰囲気下で、乾燥することができる。このようにして得られた希土類化合物の粒子には、希土類元素の種類により、炭酸塩、塩基性炭酸塩、水酸化物などが含まれる。
固形分として得られた希土類化合物粒子(微粒子)は、そのまま使用することができるが、更に、焼成して、希土類酸化物粒子(微粒子)とすることもできる。固液分離後、固形分として回収された希土類化合物は、そのままの状態で焼成すると、多くの場合、凝集、焼結により、塊状になってしまうため、焼成後に得られる希土類酸化物を分散性の良好な粒子として回収するためには、固液分離後、乾燥してから焼成することが好ましい。この乾燥の温度は、150℃以下、特に80℃以下、とりわけ60℃以下が好ましい。希土類元素の種類によっては、乾燥温度が高すぎると、希土類化合物の再結晶が起こり、粒子としての性質を損なうおそれがある。乾燥時間は、1日(24時間)以上であることが好ましく、特に限定されるものではないが、通常、7日(168時間)以下が好ましい。また、乾燥雰囲気は、特に限定されるものではなく、大気中などの酸素を含む雰囲気でも、不活性ガス雰囲気でもよい。
乾燥した希土類化合物は、解砕機などを用いて解砕することが可能である。乾燥された希土類化合物は、粒子同士が水素結合などのごく弱い力で結合していると考えられるため、比較的弱い力で解す程度で、粒子が容易に分離する。解砕機は、ジェットミル、ロールミル、ハンマーミル、ビーズミル、ボールミルなどを用いることができ、解砕により得たい粒子の状態に応じて、適宜選択すればよい。
希土類酸化物を得るための焼成は、大気、酸素ガスなどの酸素を含む雰囲気下で、600℃以上、特に750℃以上で、1,000℃以下、特に900℃以下の温度で実施することが好ましい。焼成時間は、好ましくは2時間以上であり、通常8時間以下である。
本発明の製造方法により、SEM観察による粒径が0.05μm以上、特に0.1μm以上で、1μm以下、特に0.5μm以下、とりわけ0.3μm以下の粒径が揃った希土類酸化物粒子などの希土類化合物粒子を得ることができる。また、本発明の製造方法により、遠心沈降法で測定した粒度分布の体積基準のメジアン径(D50)が0.05μm以上で、0.3μm以下の希土類酸化物粒子などの希土類化合物粒子を得ることができる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
[実施例1]
テルビウムイオン濃度が0.045モル/Lの硝酸テルビウム水溶液1,000Lに、ポリビニルピロリドン(K値90)を500g加えてよく撹拌して溶解させた。次に、この水溶液を98℃に加熱した後、過酸化水素水を過酸化水素濃度が0.01モル/Lとなるように添加し、更に、尿素を0.65モル/Lとなるように添加し、98℃で75分加熱したところ、固体が析出した。
次に、析出物を遠心分離機にて固液分離した後、回収した固形分を、純水約50Lで洗浄した。得られた固形分を、電子顕微鏡で観察したところ、一部に粒子同士の連結は見られるものの、粒子の凝集が非常に少ない、粒径が0.1~0.3μm程度の粒子であることが確認された。この粒子の電子顕微鏡像を図1(A)に示す。また、X線回折により、粒子が非晶質であること、元素分析により、テルビウムの塩基性炭酸塩に相当する組成の粒子であることが確認された。
次に、得られたテルビウム塩基性炭酸塩粒子を、大気中、850℃で4時間焼成した。得られた焼成物を、電子顕微鏡で観察したところ、一部に粒子同士の連結は見られるものの、粒子の凝集が非常に少ない、径が0.1~0.2μm程度の粒径が揃った粒子であることが確認された。この粒子の電子顕微鏡像を図1(B)に示す。また、X線回折により、粒子が酸化テルビウムであることが確認された。更に、得られた粒子を純水中にホモジナイザー(40W、1分間)を用いて分散した後、ディスク遠心式粒子径分布測定装置(日本ルフト(株)製、DC18000)で、遠心沈降法による粒度分布測定を行なった結果を図5に示す。体積基準のメジアン径(D50)は0.26μmであった。
[実施例2]
ジスプロシウムイオン濃度が0.045モル/Lの硝酸ジスプロシウム水溶液1,000Lに、ポリビニルピロリドン(K値90)を650g加えてよく撹拌して溶解させた。次に、この水溶液を98℃に加熱した後、過酸化水素水を過酸化水素濃度が0.01モル/Lとなるように添加し、更に、尿素を0.65モル/Lとなるように添加し、98℃で90分加熱したところ、固体が析出した。
次に、析出物を遠心分離機にて固液分離した後、回収した固形分を、純水約50Lで洗浄した。得られた固形分を、電子顕微鏡で観察したところ、一部に粒子同士の連結は見られるものの、粒子の凝集が非常に少ない、粒径が0.1~0.3μm程度の粒子であることが確認された。この粒子の電子顕微鏡像を図2(A)に示す。また、X線回折により、粒子が非晶質であること、元素分析により、ジスプロシウムの塩基性炭酸塩に相当する組成の粒子であることが確認された。
次に、得られたジスプロシウム塩基性炭酸塩粒子を、大気中、850℃で4時間焼成した。得られた焼成物を、電子顕微鏡で観察したところ、一部に粒子同士の連結は見られるものの、粒子の凝集が非常に少ない、径が0.1~0.2μm程度の粒径が揃った粒子であることが確認された。この粒子の電子顕微鏡像を図2(B)に示す。また、X線回折により、粒子が酸化ジスプロシウムであることが確認された。更に、得られた粒子を純水中にホモジナイザー(40W、1分間)を用いて分散した後、ディスク遠心式粒子径分布測定装置(日本ルフト(株)製、DC18000)で、遠心沈降法による粒度分布測定を行なった結果を図6に示す。体積基準のメジアン径(D50)は0.17μmであった。
[実施例3]
イットリウムイオン濃度が0.035モル/Lの硝酸イットリウム水溶液1,000Lに、ポリビニルピロリドン(K値90)を500g加えてよく撹拌して溶解させた。次に、この水溶液を98℃に加熱した後、過酸化水素水を過酸化水素濃度が0.01モル/Lとなるように添加し、更に、尿素を0.6モル/Lとなるように添加し、98℃で90分加熱したところ、固体が析出した。
次に、析出物を遠心分離機にて固液分離した後、回収した固形分を、純水約50Lで洗浄した。得られた固形分を、電子顕微鏡で観察したところ、一部に粒子同士の連結は見られるものの、粒子の凝集が非常に少ない、粒径が0.1~0.3μm程度の粒子であることが確認された。この粒子の電子顕微鏡像を図3(A)に示す。また、X線回折により、粒子が非晶質であること、元素分析により、イットリウムの塩基性炭酸塩に相当する組成の粒子であることが確認された。
次に、得られたイットリウム塩基性炭酸塩粒子を、大気中、850℃で4時間焼成した。得られた焼成物を、電子顕微鏡で観察したところ、一部に粒子同士の連結は見られるものの、粒子の凝集が非常に少ない、径が0.1~0.2μm程度の粒径が揃った粒子であることが確認された。この粒子の電子顕微鏡像を図3(B)に示す。また、X線回折により、粒子が酸化イットリウムであることが確認された。更に、得られた粒子を純水中にホモジナイザー(40W、1分間)を用いて分散した後、ディスク遠心式粒子径分布測定装置(日本ルフト(株)製、DC18000)で、遠心沈降法による粒度分布測定を行なった結果を図7に示す。体積基準のメジアン径(D50)は0.21μmであった。
[比較例1]
テルビウムイオン濃度が0.045モル/Lの硝酸テルビウム水溶液1,000Lを調製した。次に、この水溶液を98℃に加熱した後、過酸化水素水を過酸化水素濃度が0.01モル/Lとなるように添加し、更に、尿素を0.65モル/Lとなるように添加し、98℃で75分加熱したところ、固体が析出した。
次に、析出物を遠心分離機にて固液分離した後、回収した固形分を、純水約50Lで洗浄した。得られた固形分を、電子顕微鏡で観察したところ、ほとんどの粒子が凝集していることが確認された。この粒子の電子顕微鏡像を図4(A)に示す。また、X線回折により、粒子が非晶質であること、元素分析により、テルビウムの塩基性炭酸塩に相当する組成の粒子であることが確認された。
次に、得られたテルビウム塩基性炭酸塩粒子を、大気中、850℃で4時間焼成した。得られた焼成物を、電子顕微鏡で観察したところ、ほとんどの粒子が凝集していることが確認された。この粒子の電子顕微鏡像を図4(B)に示す。また、X線回折により、粒子が酸化テルビウムであることが確認された。更に、得られた粒子を純水中にホモジナイザー(40W、1分間)を用いて分散した後、ディスク遠心式粒子径分布測定装置(日本ルフト(株)製、DC18000)で、遠心沈降法による粒度分布測定を行なった結果を図8に示す。体積基準のメジアン径(D50)は0.46μmであった。

Claims (4)

  1. Y、Nd、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuからなる群から選ばれる1種類以上の希土類元素のイオンと、過酸化水素と、尿素とを含む水溶液を、80℃以上、かつ上記水溶液の沸点以下の温度で加熱し、尿素の加水分解生成物と、上記希土類元素のイオンとの反応により希土類化合物の粒子を生成させる工程を含み、
    上記水溶液が、更にポリビニルピロリドンを含むことを特徴とする希土類化合物粒子の製造方法。
  2. 上記希土類化合物が、希土類元素の塩基性炭酸塩であることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  3. 請求項1又は2記載の製造方法の上記工程において生成した希土類化合物の粒子を、上記水溶液から固液分離し、得られた固形分を、酸素を含む雰囲気中、600℃以上の温度で焼成することを特徴とする希土類酸化物粒子の製造方法。
  4. 遠心沈降法で測定した粒度分布の体積基準のメジアン径(D50)が0.05μm以上0.3μm以下の希土類酸化物粒子を製造することを特徴とする請求項3記載の製造方法。
JP2021156358A 2020-10-20 2021-09-27 希土類化合物粒子及び希土類酸化物粒子の製造方法 Pending JP2022067632A (ja)

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