JPH1177049A - 電解イオン水生成装置、電解イオン水生成方法及び洗浄方法 - Google Patents
電解イオン水生成装置、電解イオン水生成方法及び洗浄方法Info
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- JPH1177049A JPH1177049A JP9250120A JP25012097A JPH1177049A JP H1177049 A JPH1177049 A JP H1177049A JP 9250120 A JP9250120 A JP 9250120A JP 25012097 A JP25012097 A JP 25012097A JP H1177049 A JPH1177049 A JP H1177049A
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Abstract
的に安定したアルカリ性水を生成し、しかも酸性水の生
成量とほぼ等しいアルカリ性水の生成量がえられる電解
イオン水生成装置及び方法及びこの装置により生成され
たイオン水、とくにアルカリ性水を用いて半導体ウェー
ハなどを洗浄する方法を提供する。 【解決手段】 陽極4及び陰極5を備えた電気分解装置
1にダミー陽極4′を設け、このダミー陽極と前記陰極
とに電流を通電する。陽極と陰極とに電流を通電して純
水を電気分解する時にダミー陽極と陰極にも電流を通電
することにより、一方の陽極4には規定量の電流を流し
他方の陰極5には過剰分の電流を流して電流バランスを
とるとともに陰極の電解作用の活性化をはかることがで
きるので酸性水とアルカリ性水の等量生成が可能にな
る。ダミー陽極−陰極間に通電される電流により水素ガ
スが多量に陰極に生成されるので電解作用が活性化され
る。
Description
オン水を生成するイオン水生成装置に係り、とくにその
電極構造に関するものである。
されたイオン水は、各分野に利用され、とくに半導体装
置の製造や液晶の製造などに多く用いられている。半導
体装置の製造においては、純水や超純水を電気分解して
得られたイオン水を用いてシリコン半導体などの半導体
基板を洗浄したり、ポリッシング等を行っている。半導
体装置の製造工程において、半導体基板の洗浄などに
は、従来フロンなどの弗素系溶剤が用いられていたが、
これら溶剤は生活環境に悪影響を及ぼすので敬遠され始
め、代わりに純水や超純水などの水が最も安全な溶剤と
して利用されるようになった。純水は、イオン、微粒
子、微生物、有機物などの不純物をほとんど除去した抵
抗率が5〜18MΩcm程度の高純度の水である。超純
水は、超純水製造装置により水中の懸濁物質、溶解物質
及び高効率に取り除いた純水よりさらに純度の高い極め
て高純度の水である。これらの水(以下これらを全て純
水という)を電気分解することによって酸化性の強い陽
極水や還元性の強い陰極水などのイオン水が生成され
る。半導体装置や液晶などの製造において、これら陽極
水や陰極水などの純水を用いて基板の表面を洗浄するこ
とが検討されている。
す。電解槽50は、陰極室52と陽極室53とを備え、
陰極室52には陰極55が配置され、陽極室53には陽
極57が配置されている。そして、これら電極54(陰
極55、陽極57)は共に白金や白金をコートしたチタ
ン基体などから構成されている。陰極室52で形成され
る陰極側イオン水(陰極水)58及び陽極室53で形成
される陽極側イオン水(陽極水)59とを効率よく分離
するために陰極室52と陽極室53とはセラミックや高
分子などの多孔質の隔膜56によって仕切られている。
電解槽50に配置された陰極55は、直流電源66の負
極67に接続され、陽極57は、その正極68に接続さ
れている。電解槽50では直流電源66から電流を通電
して電解槽50に取り付けられた純水供給パイプ61か
ら供給され、純水に、例えば、塩化アンモニウムなどの
支持電解質を添加した希釈電解質溶液(電解水)51を
電気分解する。この電気分解の結果陰極55側で生成さ
れる陰極水は、アルカリ性イオン水(アルカリ性水)で
あり、陽極57側で生成される陽極水は、酸性イオン水
(酸性水)である。
解槽で純水を電気分解すると、陰極側で生成される陰極
水も、陽極側で生成される陽極水もともに酸性を示すこ
とが知られている。陰極室52で生成された陰極水(ア
ルカリ性水)58は、アルカリ性水供給パイプ62から
外部に供給され、陽極室53で生成された陽極水(酸性
水)59は、酸性水供給パイプ63から外部に供給され
る。通常は陰極室52でアルカリ性水が生成されるの
で、例えば、半導体装置の製造に用いられるポリッシン
グ装置を使用する場合、アルカリ性水を用いてポリッシ
ングを行うには、電解槽50に接続されたアルカリ性水
供給パイプ62からアルカリイオン水をポリッシング装
置の研磨布に供給する。この場合、陽極室53で生成さ
れる酸性イオン水は不要なので廃棄されるか、もしくは
半導体ウェーハ洗浄などの他の用途に用いる。したがっ
て、廃棄する場合には酸性水供給パイプ63はイオン水
を排出するイオン水排出パイプに接続される。また、酸
性イオン水を用いてポリッシングを行うには、酸性水供
給パイプ63から酸性水を研磨布に供給する。この場
合、陰極室52で生成されるアルカリイオン水は必要に
応じて廃棄されるか、もしくは他の用途に用いられる。
従って廃棄する場合陰極水供給パイプ62はイオン水排
出パイプに接続される。
より2槽に分離され、各電極は分離されたそれぞれの槽
に配置されるので、それぞれの槽からアルカリ性水又は
酸性水を目的に応じて取り出すことができる。前述のよ
うにイオン水には、アルカリ性水と酸性水があり、電解
槽内で希釈された、例えば、HNO3 、NH4 Cl、N
H4 Fなどの電解質溶液を電解することによって任意の
pHのイオン水が生成される。しかし、この従来方法で
は、金属電極から発生する金属イオンが電極で発生する
電界に引かれ、電解槽、特に陰極室内に多く入り込み、
電解水の純度を低下させていた。最近イオン水を半導体
装置の製造における半導体ウェーハなどの洗浄用として
使用する要求が強くなってきた。このような現状におい
て半導体装置では微量な金属不純物がデバイス特性に大
きな影響を与えるためにイオン水の高純度化が必要とな
っている。
イオン水生成方法では、溶液に含まれる金属イオンや金
属電極から発生する金属イオンも電極から発生する電界
に引かれ、各電解槽、とくに陰極室内に多く入り込み、
電解水の純度を低下させており、イオン水を半導体装置
や液晶等の高精度性を必要とする製造に使用することは
難しかった。また、電解イオン水生成装置から生成され
たイオン水を前述のように半導体ウェーハの洗浄などに
用いる場合、アルカリ性水は、通常半導体ウェーハ上に
付着しているカーボンなどのパーティクルを取り除くた
めに用いられ、酸性水は、メタルを除去するために用い
られる。酸性水やアルカリ性水を半導体ウェーハ洗浄に
用いる場合には一般に純水で希釈される。しかし、酸性
水やアルカリ性水を希釈するとそれらのpH値は、あま
り変化しないがアルカリ性水の場合はその酸化還元電位
(ORP)が大きく変わる。したがってORPを所定の
値に止めて洗浄したい場合には希釈することは難しい。
また、図4に示すように、アルカリ性水は、酸性水と異
なり電解イオン水生成装置から生成された直後からOR
Pが安定せず、数時間後もORP値は大きく変わってい
る。これに対し酸性水は、生成直後から安定し、この状
態は変化しない。
を用いていたが、金属電極は、金属がイオンとなって陽
極に溶出してくるので半導体ウェーハの特性を劣化させ
ることがあり、そのため、炭素などを電極にした装置も
用いられるようになった。また、炭素電極などを用いる
と特に陽極が破損されて高い電圧を維持することができ
ないという問題があった。例えば、炭素電極の場合、電
解電圧は、20〜30V、電流は、2〜3A程度しか使
用できず、このため、特にアルカリ性水は、酸性水に比
較して生成量が十分でないという問題があった。本発明
は、このような事情によりなされたものであり、金属が
電解水に溶け出さない電極を備え、半導体装置や液晶な
どの高純度な環境を必要とする分野にも使用できる金属
イオンの存在の著しく少ない高純度なイオン水、とくに
特性的に安定したアルカリ性水を生成し、しかも酸性水
の生成量とほぼ等しいアルカリ性水の生成量がえられる
電解イオン水生成装置、電解イオン水生成方法及びこの
装置及び方法により生成されたイオン水、とくにアルカ
リ性水を用いて半導体ウェーハなどを洗浄する方法を提
供する。
を解決するために、陽極及び陰極を備えた電気分解装置
にダミー陽極を設け、このダミー陽極と前記陰極とに電
流を通電することを特徴とする。陽極と陰極とに電流を
通電して純水を電気分解する時に、ダミー陽極と陰極に
も電流を通電することにより、一方の陽極4には規定量
の電流を流し他方の陰極5には過剰分の電流を流して電
流バランスをとるとともに、陰極の電解作用の活性化を
はかることができるので酸性水とアルカリ性水の等量生
成が可能になる。ダミー陽極−陰極間に通電される電流
により水素ガスが多量に陰極に生成されるので電解作用
が活性化される。
は、陽極、陰極及びダミー陽極からなる電気分解用電極
と、前記陽極が配置された陽極室と、前記陽極室とは隔
壁によって隔てられ、前記陰極が配置された陰極室と、
前記陰極室とは隔壁によって隔てられ、前記ダミー陽極
が配置されたダミー陽極室と、前記陽極に正極が接続さ
れ、前記陰極に負極が接続された第1の電源と、前記ダ
ミー陽極に正極が接続され、前記陰極に負極が接続され
た第2の電源とを備え、純水もしくは超純水を電気分解
する場合において、前記第1の電源及び前記第2の電源
に電源電流を通電することを特徴としている。本発明の
電解イオン水生成方法は、陽極、陰極及びダミー陽極か
らなる電気分解用電極と、前記陽極が配置された陽極室
と、前記陽極室とは隔壁によって隔てられ、前記陰極が
配置された陰極室と、前記陰極室とは隔壁によって隔て
られ、前記ダミー陽極が配置されたダミー陽極室と、前
記陽極に正極が接続され、前記陰極に負極が接続された
第1の電源と、前記ダミー陽極に正極が接続され、前記
陰極に負極が接続された第2の電源とを具備した電解イ
オン水生成装置の前記第1の電源から前記陽極及び前記
陰極に電流を通電する工程と、前記第2の電源から前記
ダミー陽極及び前記陰極に電流を通電する工程とを備
え、前記陰極室及び前記陽極室に供給された純水もしく
は超純水を電気分解することを特徴としている。また、
本発明の洗浄方法は、前記電解イオン水生成装置により
生成されたイオン水を洗浄槽に供給する工程と、前記イ
オン水を用いて半導体ウェーハを洗浄する工程とを備え
ていることを特徴としている。
の形態を説明する。まず、図1乃至図4を参照して第1
の発明の実施の形態に係る電解イオン水生成装置を説明
する。図1は、電解イオン水生成装置の模式断面図、図
2は、電解イオン水生成装置の斜視図、図3は、図1の
電解イオン水生成装置を利用した半導体ウェーハの洗浄
工程を説明するシステム図、図4は、イオン水のORP
値の時間依存性を説明する特性図である。電解槽1は、
陽極室2と、陰極室3と、ダミー陽極室2′の電極室か
らなる。陽極室2は、通常ここで酸性イオン水が生成さ
れるので酸性水槽といい、陰極室3は、アルカリ性イオ
ン水が生成されるのでアルカリ性水槽という。この電解
槽1は、テフロンや塩化ビニールなどの合成樹脂からな
っていて、例えば、四角柱形状をしており、各電極室に
はそれぞれ少なくとも1つの電極が配置されている。陽
極室2には、陽極4が配置され、陰極室3には陰極5が
配置され、ダミー陽極室2′には、ダミー陽極4′が配
置形成されている。電極は、各電極室ともこの発明の実
施の形態では棒状体であり、それぞれ10本配列してい
るが、例えば、薄い板状体のような他の形状でも良い。
また、電極室は、円筒などの他の形状でも良い。電解槽
1は、断面形状が10cm〜30cm程度の四角形であ
り、その高さは20〜50cm程度である。電極は、電
解槽1の上部蓋に気密に固定されている。
2とを分離する隔膜6及び陰極室3とダミー陽極室2′
とを分離する隔膜6′が配置されている。隔膜6、6′
には、例えば、イオン交換膜が用いられる。陽極4及び
陰極5は、第1の直流電源12に接続されている。第1
の直流電源12の正極は、陽極4に接続され、負極は、
陰極5に接続されている。ダミー陽極4′及び陰極5
は、第2の直流電源13に接続されている。第2の直流
電源13の正極は、ダミー陽極4′に接続され、負極
は、陰極5に接続されている。陽極室2、陰極室3及び
ダミー陽極室2′には、純水を溶媒とし電解質を溶質と
する電解質溶液がそれぞれ電解質溶液供給パイプ8、
9、8′を介して供給される。電解質には、例えば、H
NO3 、NH4 Cl、NH4 Fなどを用いる。この発明
の実施の形態では、陽極室2及びダミー陽極室2′には
HClが電解質として供給され、陰極室3にはHCl+
NH3 が電解質として供給される。陽極室2に供給され
る電解質溶液のHCl濃度は、例えば、1000ppm
であり、陰極室3に供給される電解質溶液のHCl+N
H3 濃度は、例えば、1000ppmであり、ダミー陽
極室2′に供給される電解質溶液のHCl濃度は、例え
ば、1〜10wt%と高濃度である。
て電解質溶液の溶媒である純水が電気分解され、陽極室
2に酸性水が生成され、陰極室3にアルカリ性水が生成
される。そして、ダミー陽極室2′には高濃度酸性水が
生成され、これは排水パイプ10′から排出される。こ
の酸性水は、陽極水(酸性水)供給パイプ10を介して
外部の半導体製造装置などの酸性イオン水を必要とする
製造装置に供給される。アルカリ性水は、陰極水(アル
カリ性水)供給パイプ11を介して外部の半導体製造装
置などのアルカリ性水を必要とする製造装置に供給され
る。
成装置を参照しながらイオン水の生成方法を説明する。
陽極室2にはHCl電解質溶液を供給し、陰極室3には
HCl+NH3 電解質溶液を供給し、ダミー陽極室2′
にはHClの高濃度電解質溶液を供給する。そして、陽
極4及び陰極5には第1の直流電源12から20〜30
V(2〜3A)の電圧が印加される。それと同時に、ダ
ミー陽極4′及び陰極5には第2の直流電源13から数
10A(50〜100V)の電流が通電される。このよ
うに、この電気分解では陽極4と陰極5とを対比して高
電流を陰極5側に流すことを特徴としている。一方の陽
極4には規定量の電流を流して、図4に示すように、経
時的に安定なORP値を有する陽極水を陽極室2に生成
させる。他方の陰極5には過剰分の電流を流すことによ
り電流バランスをとる。イオン水を半導体装置の製造に
利用する場合、イオン水のpH値及びORP値によって
その用途を決定する。したがって、ORP値が従来のよ
うに時と共に変化するのでは所定の用途に決めることが
できない。そこで、本発明の電解イオン水生成装置で生
成されるような安定なイオン水が望まれる。
り、陰極5には水素が十分供給され、アルカリ水の生成
量が多くなると共に、経時的に安定なORP値を有する
アルカリ性水が生成される。アルカリ性水の生成レート
は、酸性水とほぼ等しくなるので、アルカリ性水と酸性
水の等量生成が可能になる。陽極室2から生成される酸
性水は、pH値が2であり、ORP値が+1100mV
以上である。陰極室3から生成されるアルカリ性水は、
pH値が9〜11であり、ORP値が−600mV以下
である。
成装置を利用した半導体ウェーハの洗浄方法を説明す
る。電解イオン水生成装置により生成されたイオン水
は、半導体ウェーハの洗浄に用いられる。半導体装置の
製造工程におけるウェーハ処理工程では、各処理の後処
理工程における半導体ウェーハの洗浄が半導体装置の特
性を維持する上で不可欠である。図3は、例えば、図1
に示した電解イオン水生成装置を半導体ウェーハの洗浄
に適用した半導体製造装置のシステム図である。このシ
ステムは、基本的には、超純水もしくは純水を収容して
いる超純水タンク14、電解槽1を含む電解イオン水生
成装置及び半導体ウェーハ洗浄槽15から構成されてい
る。電解槽には、通常、電解槽内を洗浄するための水を
給水及び排水する洗浄用超純水供給パイプ及び排水パイ
プが取り付けられているがウェーハ洗浄に直接関わって
いないので図示を省略する。イオン水で半導体ウェーハ
を洗浄する場合、イオン水を純水で希釈して使用する方
法と希釈しないでイオン水のまま使用する(この場合で
も塩酸や界面活性剤などを微量添加することがある)方
法とがあるが、このシステムではアルカリ性水の利用に
重点を置き、これに超純水を加えて洗浄する方法を説明
する。
プ16及び第2の超純水パイプ17が導出されている。
第1の超純水パイプ16は、電解質溶液供給パイプ8、
8′を分岐し、電解イオン水生成装置の陽極室2に接続
された酸性水供給パイプ10に接続される。酸性水供給
パイプ10は、洗浄槽などの半導体製造装置に接続して
半導体装置の製造に利用するが、図3ではアルカリ性水
の利用を説明しているので、酸性水供給パイプ10の接
続先は図示を省略する。第2の超純水パイプ17は、電
解質溶液供給パイプ9を分岐し、アルカリ性水供給パイ
プ11に接続される。アルカリ性水供給パイプ11は、
第2の超純水パイプ17と合流した後半導体ウェーハ洗
浄槽15に接続されている。電解質溶液供給パイプ8′
は、ダミー陽極室2′に接続され、高濃度の電解質溶液
をダミー陽極室2′に供給する。ダミー陽極室2′では
酸性水が生成され、これは、排水パイプ10′から外へ
排出される。電解質溶液供給パイプ8は、電解質タンク
18から供給された塩酸(HCl)と超純水とがミキサ
ー19でミキシングされて形成された電解質溶液を電解
槽1の陽極室2に供給する。電解質溶液供給パイプ9
は、電解質タンク20から供給された塩酸(HCl)と
電解質タンク21から供給されたアンモニア(NH3 )
と超純水とがミキサー22でミキシングされて形成され
た電解質溶液を電解槽1の陰極室3に供給する。
給パイプ10で外部へ供給される。酸性水は、希釈後の
溶存塩素濃度が2〜20ppm程度になるように第1の
超純水パイプ16から供給される超純水で希釈され、ミ
キサー23でミキシングされて半導体ウェーハ洗浄装置
などの半導体製造装置へ供給される。陰極室3で生成さ
れたアルカリ性水は、アルカリ性水供給パイプ11で外
部へ供給される。アルカリ性水は、第2の超純水パイプ
17から供給される超純水で希釈され、ミキサー24で
ミキシングされて半導体ウェーハ洗浄槽15へ供給さ
れ、半導体ウェーハ30を洗浄する。その希釈の度合い
は、10〜100倍程度とする。洗浄については、パー
ティクルや金属コンタミの除去効果を上げるため、酸性
水では弗酸(HF)、硝酸(HNO3 )、塩酸(HC
l)等の他の薬液と組み合わせて使用する。アルカリ性
水においても界面活性剤などの薬液と組み合わせて使用
する。薬液の濃度は、0.1〜5%程度が適当である。
HF、HNO3 、HCl等は、薬液タンク25からポン
プ26により吸い上げられ酸性水に混合される。酸性水
は、さらにミキサー23により均一に混合されて半導体
ウェーハ洗浄槽などの半導体製造装置へ供給される。
28により吸い上げられアルカリ性水に混合される。ア
ルカリ性水は、さらにミキサー24により均一に混合さ
れて半導体ウェーハ洗浄槽15へ供給される。電解イオ
ン水を半導体ウェーハの洗浄に用いる場合、金属系電極
を用いればパーティクルは抑えられるものの、金属がイ
オンとなって陽極から溶出してくる。炭素電極単体で
は、陽極が酸化すること(CO2 発生)により表面が浸
食され、炭素片が欠落し多量のパーティクルが発生して
しまう。金属イオンが半導体ウェーハに付着すると半導
体装置の特性を劣化させるので、この発生を極力避けな
ければならない。そのため陽極及び陰極には炭素電極が
良く用いられる。炭素電極は、パーティクルの発生を少
なくするためにグラファイトなどの結晶性炭素成型体と
その表面に堆積させたアモルファス炭素層とから構成さ
れた電極を用いることができる。また、パーティクルの
イオン水への混入を防ぐために、例えば、電極表面を石
英を焼き固めたセラミックフィルタなどのシリカ性の清
浄度の高いフィルタで被覆することもできる。
ボロン(B)などの不純物をドープした単結晶シリコ
ン、不純物をドープした多結晶シリコン、不純物をドー
プしたアモルファスシリコン、炭化珪素、表面が炭化珪
素膜で被覆された導電体などを用いることができる。炭
化珪素で被覆された導電体としては、炭素、チタン、シ
リコンなどがある。また、金属イオンを避けるために陽
極及び陰極には金属を避ける必要がある。しかし、ダミ
ー陽極は、ダミー陽極室で形成されるイオン水は廃棄し
ていまうので金属電極を用いることができる。その結果
ダミー電極には高い電圧を印加することができるという
利点がある。なお、半導体ウェーハを洗浄する場合、パ
ーティクルを除去するにはアルカリ性水が良く、金属を
除去するには酸性水を適用するのが良い。また、半導体
ウェーハを洗浄するに際して任意のpHを有するアルカ
リ性水を要することがある。例えば、RIE(Reactive
Ion Etching)を行うウェーハ処理工程の後処理では、p
Hが7程度で、ORPが任意であるアルカリ性水が半導
体ウェーハ表面のダストを除去するのに効果がある。こ
の様にアルカリ性水のpHを任意に設定するには、電解
イオン水生成装置から生成されたアルカリ性水にアンモ
ニア水を適宜の量加えると得られる。この時、電解イオ
ン水生成装置の陰極室にはHCl電解質溶液を供給す
る。
形態を説明する。図は、電解イオン水生成装置の模式断
面図である。電解槽1は、陽極室2と、陰極室3と、ダ
ミー陽極室2′と、中間室2″と構成されている。陽極
室2は、酸性イオン水が生成されるので酸性水槽とい
い、陰極室3は、アルカリ性イオン水が生成されるので
アルカリ性水槽という。この電解槽1は、テフロンや塩
化ビニールなどの合成樹脂から構成されていて、例え
ば、四角柱形状である。陽極室2には、陽極4が配置さ
れ、陰極室3には陰極5が配置され、ダミー陽極室2′
にはダミー陽極4′が配置形成されている。中間室2″
には電極が配置されていない。この発明の実施の形態で
は電極は、各電極室とも棒状体であり、それぞれ10本
配列しているが、例えば、薄い板状体のような他の形状
でも良い。また、電極室は、円筒などの他の形状でも良
い。各電極は、電解槽1の上部蓋に気密に固定されてい
る。
2とを分離する隔膜6、陰極室3と中間室2″とを分離
する隔膜6′及び中間室2″とダミー陽極室2′とを分
離する隔膜6″が配置されている。隔膜6、6′、6″
には、例えば、イオン交換膜が用いられる。陽極4及び
陰極5は、第1の直流電源12に接続されている。第1
の直流電源12の正極は、陽極4に接続され、負極は、
陰極5に接続されている。ダミー陽極4′及び陰極5
は、第2の直流電源13に接続されている。第2の直流
電源13の正極は、ダミー陽極4′に接続され、負極
は、陰極5に接続されている。陽極室2、陰極室3、中
間室2″及びダミー陽極室2′には純水を溶媒とし電解
質を溶質とする電解質溶液がそれぞれ電解質溶液供給パ
イプ8、9、8′を介して供給される。この発明の実施
の形態では、陽極室2及びダミー陽極室2′にはHCl
が電解質として供給され、陰極室3にはHCl+NH3
が電解質として供給される。陽極室2に供給される電解
質溶液のHCl濃度は、例えば、1000ppmであ
り、陰極室3に供給される電解質溶液のHCl+NH3
濃度は、例えば、1000ppmであり、ダミー陽極室
2′に供給される電解質溶液のHCl濃度は、例えば、
1〜10wt%と高濃度である。
て電解質溶液の溶媒である純水が電気分解され、陽極室
2に酸性水が生成され、陰極室3にアルカリ性水が生成
される。そして、ダミー陽極室2′には高濃度酸性水が
生成され、これは排水パイプ10′から排出される。中
間室2″にはダミー陽極室2′から発生する高濃度の塩
素ガスが浸透していくので、ダミー陽極室2′にはパー
ティクルの含まない酸性水が得られる。酸性水は、陽極
水(酸性水)供給パイプ10を介して外部の半導体製造
装置などの酸性イオン水を必要とする製造装置に供給さ
れる。アルカリ性水は、陰極水(アルカリ性水)供給パ
イプ11を介して外部の半導体製造装置などのアルカリ
性水を必要とする製造装置に供給される。
陰極室3にはHCl+NH3 を供給し、ダミー陽極室
2′にはHClの高濃度電解質溶液を供給する。そし
て、陽極4及び陰極5には第1の直流電源12から20
〜30V(2〜3A)の電圧を印加する。それと同時
に、ダミー陽極4′及び陰極5には第2の直流電源13
から50〜100V(数10A)の電圧を印加する。こ
のように、この電気分解では陽極4と陰極5とを対比し
て高電流を陰極5側に流すことを特徴としている。一方
の陽極4には規定量の電流を流して、図4に示すよう
に、経時的に安定なORP値を有する陽極水を陽極室2
に生成させる他方の陰極5には過剰分の電流を流すこと
により電流バランスをとっている。イオン水を半導体装
置の製造に利用する場合、イオン水のpH値及びORP
値によってその用途を決定する。したがって、ORP値
が従来のように時と共に変化するのでは所定の用途に決
めることができない。そこで、本発明の電解イオン水生
成装置で生成されるような安定なイオン水が望まれる。
このような方法で電気分解を行うことにより、陰極5に
は水素が十分供給されアルカリ水の生成量が多くなると
共に、経時的に安定なORP値を有するアルカリ性水が
生成される。アルカリ性水の生成レートは、酸性水とほ
ぼ等しくなるので、アルカリ性水と酸性水の等量生成が
可能になる。
極には水素が十分供給されアルカリ水の生成量が多くな
ると共に、経時的に安定なORP値を有するアルカリ性
水が生成される。また、アルカリ性水の生成レートは、
酸性水とほぼ等しくなるので、アルカリ性水と酸性水の
等量生成が可能になる。
ウェーハ洗浄のシステム図。
特性図。
ミー陽極室、 2″・・・中間室、 3・・・陰極
室、 4・・・陽極、 4′・・・ダミー陽極、
5・・・陰極、 6、6′、6″・・・隔膜(イオ
ン交換膜)、8、8′、9・・・電解質溶液供給パイ
プ、 10・・・酸性水供給パイプ、10′・・・排水
パイプ、 11・・・アルカリ性水供給パイプ、12
・・・第1の直流電源、 13・・・第2の直流電
源、 14・・・超純水タンク、 15・・・半導
体ウェーハ洗浄槽、 16・・・第1の超純水パイ
プ、 17・・・第2の超純水パイプ、 18、2
0、21・・・電解質タンク、 19、22、23、
24・・・ミキサー、 25、27・・・薬液タンク、
26、28・・・ポンプ、 30・・・半導体ウェー
ハ。
Claims (12)
- 【請求項1】 陽極、陰極及びダミー陽極からなる電気
分解用電極と、 前記陽極が配置された陽極室と、 前記陽極室とは隔壁によって隔てられ、前記陰極が配置
された陰極室と、 前記陰極室とは隔壁によって隔てられ、前記ダミー陽極
が配置されたダミー陽極室と、 前記陽極に正極が接続され、前記陰極に負極が接続され
た第1の電源と、 前記ダミー陽極に正極が接続され、前記陰極に負極が接
続された第2の電源とを備え、 純水もしくは超純水を電気分解する場合において、前記
第1の電源及び前記第2の電源に電源電流を通電するこ
とを特徴とする電解イオン水生成装置。 - 【請求項2】 純水もしくは超純水を電気分解する場合
において、前記第2の電源から前記電極に印加される電
源電流は、前記第1の電源から前記電極に印加される電
源電流より大きいことを特徴とする請求項1に記載の電
解イオン水生成装置。 - 【請求項3】 前記電気分解用電極は、炭素、表面にア
モルファス炭素膜が被覆された結晶性炭素、不純物ドー
プ単結晶シリコン、不純物ドープ多結晶シリコン、不純
物ドープアモルファスシリコン、炭化珪素、表面が炭化
珪素膜で被覆された導電体から選択された1つを用いる
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電解イ
オン水生成装置。 - 【請求項4】 前記隔壁は、イオン交換膜からなること
を特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の
電解イオン水生成装置。 - 【請求項5】 前記ダミー陽極は、金属から構成されて
いることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか
に記載の電解イオン水生成装置。 - 【請求項6】 前記陰極室と前記ダミー陽極室との間に
電極が配置形成されていない中間室を設けることを特徴
とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の電解イ
オン水生成装置。 - 【請求項7】 陽極、陰極及びダミー陽極からなる電気
分解用電極と、前記陽極が配置された陽極室と、前記陽
極室とは隔壁によって隔てられ、前記陰極が配置された
陰極室と、前記陰極室とは隔壁によって隔てられ、前記
ダミー陽極が配置されたダミー陽極室と、前記陽極に正
極が接続され、前記陰極に負極が接続された第1の電源
と、前記ダミー陽極に正極が接続され、前記陰極に負極
が接続された第2の電源とを具備した電解イオン水生成
装置の前記第1の電源から前記陽極及び前記陰極に電流
を通電する工程と、 前記第2の電源から前記ダミー陽極及び前記陰極に電流
を通電する工程とを備え、 前記陰極室及び前記陽極室に供給された純水もしくは超
純水を電気分解することを特徴とする電解イオン水生成
方法。 - 【請求項8】 前記陰極室及び前記陽極室に供給された
純水もしくは超純水にさらにアンモニア水を加えること
を特徴とする請求項7に記載の電解イオン水生成方法。 - 【請求項9】 前記第2の電源から前記電極に通電され
る電流は、前記第1の電源から前記電極に通電される電
流より大きくすることを特徴とする請求項7又は請求項
8に記載の電解イオン水生成方法。 - 【請求項10】 請求項1乃至請求項6のいずれかに記
載された電解イオン水生成装置により生成されたイオン
水を洗浄槽に供給する工程と、 前記イオン水を用いて半導体ウェーハを洗浄する工程と
を備えていることを特徴とする洗浄方法。 - 【請求項11】 前記イオン水は、前記洗浄槽に供給さ
れる前に純水もしくは超純水で希釈することを特徴とす
る請求項10に記載の洗浄方法。 - 【請求項12】 前記電解イオン水生成装置により生成
されたアルカリ性イオン水にアンモニア水を添加するこ
とを特徴とする請求項10又は請求項11に記載の洗浄
方法。
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WO2002014225A1 (en) * | 2000-08-16 | 2002-02-21 | An Jung O | Ionization device which is mounted with gold pole or silver pole |
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JPWO2008044499A1 (ja) * | 2006-10-06 | 2010-02-12 | 森 幸信 | 水素発生装置 |
WO2014208794A1 (ko) * | 2013-06-27 | 2014-12-31 | 솔브레인나노텍 주식회사 | 반도체 공정에 사용되는 전해수 생성장치 |
CN110880449A (zh) * | 2019-09-30 | 2020-03-13 | 王偲偲 | 一种硅片清洗方法 |
-
1997
- 1997-09-01 JP JP25012097A patent/JP3586364B2/ja not_active Expired - Fee Related
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