JPH1176405A - プレフィルドシリンジ - Google Patents

プレフィルドシリンジ

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JPH1176405A
JPH1176405A JP9250314A JP25031497A JPH1176405A JP H1176405 A JPH1176405 A JP H1176405A JP 9250314 A JP9250314 A JP 9250314A JP 25031497 A JP25031497 A JP 25031497A JP H1176405 A JPH1176405 A JP H1176405A
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cylindrical container
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正彦 加藤
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次一 荒井
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誠 垣内
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    • A61M2005/31508Means for blocking or restricting the movement of the rod or piston provided on the piston-rod

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 プレフィルドシリンジにおいて、構造が簡単
で操作も容易で、且つ、注射針から筒状容器内に空気を
引込む恐れがないと共に確実にプランジャロッドを一時
停止させることのできる一時停止手段を設ける。 【解決手段】 プレフィルドシリンジは、前端及び後端
が開口された筒状容器1と、筒状容器の前端部及び後端
部の外周に嵌着されたフロントアセンブリ15及びフィ
ンガーグリップ12と、筒状容器内で注射液の前方及び
後方に配設された前方封止部材3及び後方封止部材4
と、筒状容器内を移動自在に設けられたプランジャロッ
ド2と、フィンガーグリップによる係止に基づきプラン
ジャロッドを一時停止させることにより、後方封止部材
を筒状容器の所定位置で一時停止させる一時停止手段
と、プランジャロッドを移動させることなく、フィンガ
ーグリップによる一時停止手段の係止を解除する係止解
除手段とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、あらかじめ薬剤が
充填された使い捨てタイプの注射器、いわゆるプレフィ
ルドシリンジに関し、更に詳しくは、用時にプランジャ
ロッドを前方に押圧する際に、プランジャロッドを所定
位置に一時停止させる一時停止手段を備えるプレフィル
ドシリンジに関する。
【0002】
【従来の技術】2成分、例えば、粉末薬剤と薬液が、夫
々、筒状容器の前室と後室に収容された2成分型プレフ
ィルドシリンジにおいて、注射液の投与の前に、プラン
ジャロッドを押圧して後室の薬液が前室に完全に流入し
た状態でプランジャロッドを一時停止させ、その状態で
筒状容器を振って粉末薬剤を薬液に十分に溶解又は分散
させることにより、注射液が生成される。その後、プラ
ンジャロッドを更に押圧することにより、注射液が投与
される。
【0003】実開平7−7650号には、図17と図1
8に示すように、筒状容器52の後端部外周に嵌着され
たフィンガーグリップ55のフランジ55aの内周部に
1対の凸部61を設ける一方、プランジャロッド60の
十字状のリブ62の間に、各リブ62を挟んで互いに隣
接すると共に軸方向に離隔して1対の第1ストッパ板6
5と1対の第2ストッパ板66を設け、更に、凸部61
と第2ストッパ板66を当接することにより、プランジ
ャロッド60を一時停止させるプレフィルドシリンジが
開示されている。しかしながら、このプレフィルドシリ
ンジでは、プランジャロッド60の前端フランジ63に
形成した凹部64に凸部61を挿通して、第1ストッパ
板65が凸部61に当接した後、プランジャロッド60
を若干後方に引き戻して回動させて、凸部61を第1ス
トッパ板65が設置されていないリブ62の間に移動さ
せた後、プランジャロッド60を更に押圧することによ
り、凸部61が第2ストッパ板66に当接する。それか
ら、凸部61が第2ストッパ板66の設置されていない
リブ62の間に位置するまで、プランジャロッド60を
回転させることにより、凸部61と第2ストッパ板66
の当接を解除した後、プランジャロッド60を更に押圧
して注射液が投与される。従って、この公知のプレフィ
ルドシリンジは、構造が複雑であるばかりでなく、操作
も煩雑で困難であるという欠点を有する。
【0004】又、特開平8−229122号公報には、
図19に示すように、斜め前方に且つ半径方向で外方に
延在する棒状突起70がプランジャロッド75に一体に
形成されているため、保管中等に衝撃等の外力が印加さ
れても、棒状突起70の先端がフィンガーグリップ73
に当接することにより、プランジャロッド75を一時停
止させてプランジャロッド75の不用意な移動を防止す
る結果、充填されている薬剤を注射針から漏出させない
ように構成したプレフィルドシリンジが開示されてい
る。
【0005】図19のプレフィルドシリンジでは、プラ
ンジャロッド75を一時停止させた後、プランジャロッ
ド75の凹溝76に棒状突起70を収納して、棒状突起
70の先端面の尖鋭部70aを凹溝76の凹部76aに
係合させてから、プランジャロッド75を押圧して注射
液が投与される。しかしながら、プランジャロッド75
が一時停止している時、棒状突起70の先端がフィンガ
ーグリップ73に当接している。従って、この状態で棒
状突起70を押下げようとすると、棒状突起70の先端
は更に強くフィンガーグリップ73に押圧されるため、
棒状突起70を凹溝76に収納することは困難である。
その結果、このプレフィルドシリンジでは、棒状突起7
0を凹溝76に収納する際に、プランジャロッド75を
後退させることにより、フィンガーグリップ73に当接
している棒状突起70をフィンガーグリップ73から離
隔させた後、棒状突起70を凹溝76に収納しなければ
ならないから、プランジャロッド75の後退操作により
空気が注射針から筒状容器71内に引込まれるという問
題点がある。更に、このプレフィルドシリンジでは、斜
め前方に且つ半径方向で外方に突出する棒状突起70の
先端をフィンガーグリップ73の後端面に当接させるこ
とからプランジャロッド75の押圧により、棒状突起7
0の先端がフィンガーグリップ73の後端面上を上方に
摺動し易い等の原因によりプランジャロッド75の一時
停止が不安定になるという不具合が生じる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の
上記問題点に鑑みて、構造が簡単で操作も容易で、且
つ、注射針から筒状容器内に空気を引込む恐れがないと
共に確実にプランジャロッドを一時停止させることので
きる一時停止手段を備えるプレフィルドシリンジを提供
することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のプレフィルドシリンジは、前端及び後端が
開口された筒状容器と、筒状容器の前端部の外周に嵌着
されたフロントアセンブリと、筒状容器の後端部の外周
に嵌着されたフィンガーグリップと、筒状容器内で注射
液の前方に配設された前方封止部材と、筒状容器内で注
射液の後方に配設された後方封止部材と、筒状容器内を
移動自在に設けられたプランジャロッドと、フィンガー
グリップによる係止に基づきプランジャロッドを一時停
止させることにより、後方封止部材を筒状容器の所定位
置で一時停止させる一時停止手段と、プランジャロッド
を移動させることなく、フィンガーグリップによる一時
停止手段の係止を解除する係止解除手段とを備える。
【0008】一時停止手段は、プランジャロッドの軸心
に対して斜め後方に且つプランジャロッドから半径方向
で外方に突出するようにプランジャロッドと一体に弾性
的に形成された係止部材から成ると共に、係止部材の基
部がフィンガーグリップの後端面に当接することによ
り、係止部材がフィンガーグリップに係止され、更に、
係止解除手段は、係止部材を収納するようにプランジャ
ロッドに形成された凹所を備えてもよい。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の各実施形態を図
面を参照して説明する。図1(A)、図1(B)、図2
(A)と図2(B)は、夫々、本発明の第1実施形態に
かかる2成分型プレフィルドシリンジの第1操作位置
(保管位置)乃至第4操作位置を示す。この2成分型プ
レフィルドシリンジは、前端及び後端が開口された細長
い中空状の筒状容器1と、筒状容器1の前端部に装着さ
れた第1封止部材3と、筒状容器1の後端部に装着され
た第2封止部材4と、筒状容器1内で第1封止部材3と
第2封止部材4の間に摺動自在に挿入されて、図1
(A)の第1操作位置(保管位置)において筒状容器1
の内部空間を第1封止部材3側の第1室6と第2封止部
材4側の第2室7に分割する中間封止部材5と、前端の
係合部2aで第2封止部材4に係止された移動自在のプ
ランジャロッド2を備える。粉末薬剤Pが第1室6に収
容される一方、薬液Lが第2室7に収容される。
【0010】注射針10と、注射針10を保護するよう
に注射針10を覆う合成樹脂製のキャップ11を備える
フロントアセンブリ15が筒状容器1の前端部の外周に
嵌着されている。又、合成樹脂製のフィンガーグリップ
12が、筒状容器1の後端部の外周に嵌着されている。
【0011】ガラス又は合成樹脂より成る筒状容器1に
は、第1室6に相当する位置にバイパス1aが形成され
ている。バイパス1aは、筒状容器1の第1室6の周壁
の円周方向の一部を半径方向で外方に突出させた膨出部
によって形成されている。用時に中間封止部材5の前端
を一時停止させる位置を表示する標識線(一時停止線)
1bが、筒状容器1のバイパス1aの前方に引かれてい
る。
【0012】図3と図4に示すように、合成樹脂製のプ
ランジャロッド2は、円形断面又はリブ8aとリブ8b
から成る十字断面のロッド本体2bを有すると共に、前
端と後端に、夫々、係合部2aと円形又は多角形のグリ
ップ2cを備える。又、軸部2dが係合部2aとロッド
本体2bの間に設けられている。薬液Lが第2室7から
漏れるのを防止するために、吸液材16が軸部2dに被
着されている。
【0013】図4に明示されているように、プランジャ
ロッド2の軸心に対して斜め後方に且つプランジャロッ
ド2から半径方向で外方に突出する係止部材17がプラ
ンジャロッド2と一体に弾性的に形成されている。更
に、プランジャロッド2の軸心と大略垂直に延在する係
止部17aが、係止部材17の基部の前部に設けられて
いると共に、係止部材17の先端面に突部17bが設け
られている。後述するように、用時にプランジャロッド
2を押圧する際に、係止部材17の係止部17aがフィ
ンガーグリップ12の後端面12aに当接して、プラン
ジャロッド2を一時停止させることにより、中間封止部
材5の前端を筒状容器1の標識線1bで一時停止させる
ように構成されている。即ち、図1の2成分型プレフィ
ルドシリンジでは、係止部材17が、プランジャロッド
2を一時停止させる一時停止手段として機能する。又、
係止部材17を収納する凹所18が、係止部材17と対
向するようにプランジャロッド2に形成されていると共
に、係止部材17が凹所18に収納された時に突部17
bを受承する凹部18aがプランジャロッド2のリブ8
aに形成されている。更に、係止部材17に弾性を付与
するように係止部材17の基部より前方に延在する切欠
き18bが凹所18に設けられている。
【0014】中間封止部材5は、互いに隣接した前方側
中間封止部材5aと後方側中間封止部材5bから成る。
しかしながら、中間封止部材5を上記したように2個の
部品で構成せずに、1個の部品で構成してもよい。第1
封止部材3、第2封止部材4と中間封止部材5は合成ゴ
ム等のエラストマーによって形成されている。
【0015】以下に、上記構成の2成分型プレフィルド
シリンジの操作を図1と図2を参照して説明する。先
ず、図1(A)の第1操作位置(保管位置)において
は、プランジャロッド2の係合部2aを第2封止部材4
に係止することにより、プランジャロッド2を第2封止
部材4に装着する。この時、係止部材17は、プランジ
ャロッド2の軸心に対して斜め後方に且つプランジャロ
ッド2から半径方向で外方に突出している。更にこの
時、粉末薬剤Pと薬液Lが、夫々、筒状容器1の第1室
6と第2室7に収容されていると共に、中間封止部材5
の前端は第1室6のバイパス1aの後方に位置してい
る。
【0016】次に、図1(B)の第2操作位置では、プ
ランジャロッド2を矢印方向に、即ち、前方へ押圧する
ことにより、係止部材17の係止部17aがフィンガー
グリップ12の後端面12aに当接して、プランジャロ
ッド2が一時停止させられることにより、第2封止部材
5の前端がバイパス1aを越えて標識線1bで一時停止
させられる。この時、第1封止部材3はフロントアセン
ブリ15内に停止している一方、第2封止部材4は中間
封止部材5と当接している。中間封止部材5の前端の第
1操作位置から第2操作位置の標識線1bまでの移動中
に、中間封止部材5がバイパス1a内に位置している
時、第1室6と第2室7がバイパス1aを介して連通す
るので、第2封止部材4によって第2室7内の薬液Lが
バイパス1aから第1室6内の粉末薬剤Pに注入され
る。その後、筒状容器1を振って粉末薬剤Pを薬液Lに
十分に溶解又は分散させることにより、注射液Iが生成
される。
【0017】次に、図2(A)の第3操作位置では、プ
ランジャロッド2を第2操作位置に維持したまま、即
ち、中間封止部材5の前端が標識線1bに位置した状態
で、係止部材17を指で押下げることにより、係止部材
17を弾性変形させて凹所18に収納する。これによ
り、係止部材17とフィンガーグリップ12の当接が解
除されるから、プランジャロッド2を更に前方に押圧す
ることが可能になる。この時、係止部材17の突部17
bが凹所18の凹部18aに受承されるので、係止部材
17は凹所18に保持される。
【0018】それから、キャップ11を取外して、プラ
ンジャロッド2を押して注射針10をその先端まで注射
液Iで満たすことにより注射針10から空気を抜いた
後、中間封止部材5が第2封止部材4と共に第1封止部
材3に当接するまでプランジャロッド2を押圧すること
により、注射液Iが投与される結果、図2(B)の第4
操作位置に到達する。
【0019】図5(A)、図5(B)、図6(A)と図
6(B)は、夫々、本発明の第2実施形態にかかる2成
分型プレフィルドシリンジの第1操作位置(保管位置)
乃至第4操作位置を示す。この2成分型プレフィルドシ
リンジでは、プランジャロッド2を一時停止させる一時
停止手段が、プランジャロッド2から半径方向で外方に
突出するようにプランジャロッド2に進退自在に装着さ
れる枠体20を備える。
【0020】図10に示すように、枠体20は、前端面
20a、縦スロット20c、横スロット20dと後端面
に設けた1対の突起20bを有する。横スロット20d
の前方側で1対の脚部20eが縦スロット20cを挟
み、又、横スロット20dの後方側で脚部20eよりも
長く下方に延在する1対の脚部20fが縦スロット20
cを挟む。
【0021】図7乃至図9に示すように、プランジャロ
ッド2は、前方側円形リブ21aと後方側円形リブ21
bの間に、円形リブ21aと21bより直径の小さい円
形リブ22を備える。又、空隙23が、円形リブ22と
後方側円形リブ21の間に形成されている。枠体20が
プランジャロッド2から半径方向で外方に突出する時と
枠体20がプランジャロッド2内に収納された時に、夫
々、枠体20の突起20bを受承する上方スリット24
aと下方スリット24bが後方側円形リブ21bに形成
されている。枠体20をプランジャロッド2に装着する
時、枠体20がプランジャロッド2から半径方向で外方
に突出するように、枠体20の突起20bがプランジャ
ロッド2の後方側円形リブ21bの上方スリット24a
に受承される。更にこの時、リブ8aが枠体20の縦ス
ロット20cに挿入されて、脚部20eと20fがリブ
8aを挟持する一方、円形リブ22が横スロット20d
に挿入されて、脚部20eと20fが円形リブ22を挟
持する。この2成分型プレフィルドシリンジの他の構造
は図1の2成分型プレフィルドシリンジと同様であるの
で、その説明を省略する。
【0022】以下に、上記構成の2成分型プレフィルド
シリンジの操作を図5と図6を参照して説明する。先
ず、図5(A)の第1操作位置(保管位置)では、プラ
ンジャロッド2の係合部2aを第2封止部材4に係止す
ることにより、プランジャロッド2を第2封止部材4に
装着する。この時、枠体20の突起20bはプランジャ
ロッド2の上方スリット24aに受承されているので、
枠体20はプランジャロッド2から半径方向で外方に突
出している。更にこの時、粉末薬剤Pと薬液Lが、夫
々、筒状容器1の第1室6と第2室7に収容されている
と共に、中間封止部材5の前端は第1室6のバイパス1
aの後方に位置している。
【0023】次に、図5(B)の第2操作位置では、プ
ランジャロッド2を矢印方向に、即ち、前方へ押圧する
ことにより、枠体20の前端面20aがフィンガーグリ
ップ12の後端面12aに当接して、プランジャロッド
2が一時停止させられる結果、第2封止部材5の前端が
バイパス1aを越えて標識線1bで一時停止させられ
る。その後、図1の2成分型プレフィルドシリンジと同
様に、筒状容器1を振って粉末薬剤Pを薬液Lに十分に
溶解又は分散させることにより、注射液Iが生成され
る。
【0024】次に、図6(A)の第3操作位置では、プ
ランジャロッド2を第2操作位置に維持したまま、即
ち、中間封止部材5の前端が標識線1bに位置した状態
で、枠体20を指で押下げてプランジャロッド2内に収
納させる。この時、枠体20の突起20bがプランジャ
ロッド2の下方スリット24bに受承される。これによ
り、枠体20とフィンガーグリップ12の当接が解除さ
れるから、プランジャロッド2を更に前方に押圧するこ
とが可能になる。
【0025】それから、キャップ11を取外して、プラ
ンジャロッド2を押して注射針10をその先端まで注射
液Iで満たすことにより注射針10から空気を抜いた
後、中間封止部材5が第2封止部材4と共に第1封止部
材3に当接するまでプランジャロッド2を押圧すること
により、注射液Iが投与される結果、図6(B)の第4
操作位置に到達する。
【0026】図11(A)、図11(B)、図12
(A)と図12(B)は、夫々、本発明の第3実施形態
にかかる2成分型プレフィルドシリンジの第1操作位置
(保管位置)乃至第4操作位置を示す。この2成分型プ
レフィルドシリンジでは、プランジャロッド2を一時停
止させる一時停止手段が、プランジャロッド2の外周に
設けられた1対の突部31と、突部31によってプラン
ジャロッド2の軸方向に係止されるように、プランジャ
ロッド2の外周に回転自在に挿通されたリング30を備
える。
【0027】図14と図15に示すように、プランジャ
ロッド2のリブ8aの上面と下面の各々に突部31と、
突部31より小さい凸部32が互いに軸方向に少し離隔
して設けられている。
【0028】又、図13、図14と図16に示すよう
に、リング30は、前端面30aを有すると共に、1対
の溝30bと1対のくぼみ30cを備える。溝30bは
突部31の通過を許容する寸法に設定されている。一
方、くぼみ30cは、凸部32を受承するが突部31の
通過を許容しない寸法に設定されている。溝30bを結
ぶ直線とくぼみ30cを結ぶ直線は互いに直交する。リ
ング30をプランジャロッド2の外周に挿通する時、凸
部32がくぼみ30cに受承されることにより、リング
30は、凸部32によってプランジャロッド2の円周方
向に係止されると共に、突部31によってプランジャロ
ッド2の軸方向に係止される。しかしながら、凸部32
とくぼみ30cの間の係合力は小さいので、この位置か
らリング30を上記係合力を越える力で90°回転する
ことにより、くぼみ30cが凸部32を乗越えて溝30
bが突部31と合致して、プランジャロッド2の軸方向
の突部31によるリング30の係止が解除されるので、
プランジャロッド2を更に前方に押圧することが可能に
なる。この2成分型プレフィルドシリンジの他の構造は
図1の2成分型プレフィルドシリンジと同様であるの
で、その説明を省略する。
【0029】以下に、上記構成の2成分型プレフィルド
シリンジの操作を図11と図12を参照して説明する。
先ず、図11(A)の第1操作位置(保管位置)では、
プランジャロッド2の係合部2aを第2封止部材4に係
止することにより、プランジャロッド2を第2封止部材
4に装着する。この時、プランジャロッド2の凸部32
はリング30のくぼみ30cに受承されているので、リ
ング30は、凸部32によってプランジャロッド2の円
周方向に係止されると共に、突部31によってプランジ
ャロッド2の軸方向に係止される。更にこの時、粉末薬
剤Pと薬液Lが、夫々、筒状容器1の第1室6と第2室
7に収容されていると共に、中間封止部材5の前端は第
1室6のバイパス1aの後方に位置している。
【0030】次に、図11(B)の第2操作位置では、
プランジャロッド2を矢印方向に、即ち、前方へ押圧す
ることにより、リング30の前端面30aがフィンガー
グリップ12の後端面12aに当接して、プランジャロ
ッド2が一時停止させられる結果、第2封止部材5の前
端がバイパス1aを越えて標識線1bで一時停止させら
れる。その後、図1の2成分型プレフィルドシリンジと
同様に、筒状容器1を振って粉末薬剤Pを薬液Lに十分
に溶解又は分散させることにより、注射液Iが生成され
る。
【0031】次に、図12(A)の第3操作位置では、
プランジャロッド2を第2操作位置に維持したまま、即
ち、中間封止部材5の前端が標識線1bに位置した状態
で、リング30を90°回転することにより、溝30b
が突部31と合致して、プランジャロッド2の軸方向の
突部31によるリング30の係止が解除されるので、プ
ランジャロッド2を更に前方に押圧することが可能にな
る。
【0032】それから、キャップ11を取外して、プラ
ンジャロッド2を押して注射針10をその先端まで注射
液Iで満たすことにより注射針10から空気を抜いた
後、中間封止部材5が第2封止部材4と共に第1封止部
材3に当接するまでプランジャロッド2を押圧すること
により、注射液Iが投与される結果、図12(B)の第
4操作位置に到達する。
【0033】本発明の上記の各実施形態は2成分型プレ
フィルドシリンジに適用されている。しかしながら、本
発明は、2成分型プレフィルドシリンジに限定されるも
のではなく、1成分型プレフィルドシリンジ、3成分型
プレフィルドシリンジ等にも適用し得る。
【0034】
【発明の効果】本発明のプレフィルドシリンジでは、プ
ランジャロッド2の軸心に対して斜め後方に且つプラン
ジャロッド2から半径方向で外方に突出するようにプラ
ンジャロッド2と一体に弾性的に形成された係止部材1
7が、プランジャロッド2を一時停止させる一時停止手
段として機能する。即ち、用時にプランジャロッド2を
前方に押圧する際に、係止部材17の基部の前部に設け
た係止部17aがフィンガーグリップ12の後端面12
aに当接して、プランジャロッド2が一時停止させられ
ることにより、第2封止部材5の前端が標識線1bで一
時停止させられる。その状態で、係止部材17を指で押
下げて、係止部材17を凹所18に収納することによ
り、係止部材17とフィンガーグリップ12の当接を解
除した後、プランジャロッド2を更に前方に押圧して注
射液Iが投与される。従って、本発明のプレフィルドシ
リンジでは、係止部材17から成る一時停止手段は、構
造が簡単で操作も容易であると共に、確実にプランジャ
ロッド2を一時停止させることができる。更に、本発明
のプレフィルドシリンジでは、係止部材17を凹所18
に収納する時にプランジャロッド2を後退させる必要が
ないので、空気が注射針10から筒状容器1内に引込ま
れる恐れがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)と(B)は、夫々、本発明の第1実施
形態にかかる2成分型プレフィルドシリンジの第1操作
位置(保管位置)と第2操作位置を示す概略断面図であ
る。
【図2】 (A)と(B)は、夫々、図1の2成分型プ
レフィルドシリンジの第3操作位置と第4操作位置を示
す概略断面図である。
【図3】 本発明の図1の2成分型プレフィルドシリン
ジのプランジャロッドの斜視図である。
【図4】 図3のプランジャロッドの正面図である。
【図5】 (A)と(B)は、夫々、本発明の第2実施
形態にかかる2成分型プレフィルドシリンジの第1操作
位置(保管位置)と第2操作位置を示す概略断面図であ
る。
【図6】 (A)と(B)は、夫々、図5の2成分型プ
レフィルドシリンジの第3操作位置と第4操作位置を示
す概略断面図である。
【図7】 図5の2成分型プレフィルドシリンジのプラ
ンジャロッドの斜視図である。
【図8】 図7のプランジャロッドの正面図である。
【図9】 図8のプランジャロッドの部分平面図であ
る。
【図10】 (A)、(B)と(C)は、夫々、図5の
2成分型プレフィルドシリンジの枠体の拡大正面図、拡
大左側面図と拡大底面図である。
【図11】 (A)と(B)は、夫々、本発明の第3実
施形態にかかる2成分型プレフィルドシリンジの第1操
作位置(保管位置)と第2操作位置を示す概略断面図で
ある。
【図12】 (A)と(B)は、夫々、図11の2成分
型プレフィルドシリンジの第3操作位置と第4操作位置
を示す概略断面図である。
【図13】 図11の2成分型プレフィルドシリンジの
プランジャロッドの斜視図である。
【図14】 図13のプランジャロッドの正面図であ
る。
【図15】 図14のプランジャロッドの部分平面図で
ある。
【図16】 図11の2成分型プレフィルドシリンジの
リングの正面図である。
【図17】 従来のプレフィルドシリンジの部分斜視図
である。
【図18】 図17のプレフィルドシリンジの部分断面
側面図である。
【図19】 別の従来のプレフィルドシリンジの部分断
面正面図である。
【符号の説明】
1 筒状容器 2 プランジャロッド 3 第1封止部材 4 第2封止部材 5 中間封止部材 6 第1室 7 第2室 10 注射針 11 キャップ 12 フィンガーグリップ 15 フロントアセンブリ 17 係止部材 20 枠体 30 リング 31 突部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前端及び後端が開口された筒状容器と、
    筒状容器の前端部の外周に嵌着されたフロントアセンブ
    リと、筒状容器の後端部の外周に嵌着されたフィンガー
    グリップと、筒状容器内で注射液の前方に配設された前
    方封止部材と、筒状容器内で注射液の後方に配設された
    後方封止部材と、筒状容器内を移動自在に設けられたプ
    ランジャロッドと、フィンガーグリップによる係止に基
    づきプランジャロッドを一時停止させることにより、後
    方封止部材を筒状容器の所定位置で一時停止させる一時
    停止手段と、プランジャロッドを移動させることなく、
    フィンガーグリップによる一時停止手段の係止を解除す
    る係止解除手段とを備えることを特徴とするプレフィル
    ドシリンジ。
  2. 【請求項2】 一時停止手段は、プランジャロッドの軸
    心に対して斜め後方に且つプランジャロッドから半径方
    向で外方に突出するようにプランジャロッドと一体に弾
    性的に形成された係止部材から成ると共に、係止部材の
    基部がフィンガーグリップの後端面に当接することによ
    り、係止部材がフィンガーグリップに係止され、更に、
    係止解除手段は、係止部材を収納するようにプランジャ
    ロッドに形成された凹所を備える請求項1に記載のプレ
    フィルドシリンジ。
  3. 【請求項3】 フィンガーグリップの後端面に当接する
    ように、プランジャロッドの軸心と大略垂直に延在する
    係止部を係止部材の基部の前部に設けた請求項2に記載
    のプレフィルドシリンジ。
  4. 【請求項4】 一時停止手段は、プランジャロッドから
    半径方向で外方に突出するようにプランジャロッドに進
    退自在に装着された枠体から成ると共に、枠体の前端面
    がフィンガーグリップの後端面に当接することにより、
    枠体がフィンガーグリップに係止され、更に、係止解除
    手段は、枠体を収納するようにプランジャロッドに形成
    された空隙を備える請求項1に記載のプレフィルドシリ
    ンジ。
  5. 【請求項5】 一時停止手段は、プランジャロッドの外
    周に設けられた突部と、突部によってプランジャロッド
    の軸方向に係止されるように、プランジャロッドの外周
    に回転自在に挿通されたリングを備えると共に、リング
    の前端面がフィンガーグリップの後端面に当接すること
    により、リングがフィンガーグリップに係止され、更
    に、係止解除手段は、突部の通過を許容するようにリン
    グの内周に形成された溝を備える請求項1に記載のプレ
    フィルドシリンジ。
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