JP2005073985A - プレフィルドシリンジの薬液投与装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】シリンジホルダにプレフィルドシリンジを装填するときに薬液を漏出する恐れのないプレフィルドシリンジの薬液投与装置を提供する。
【解決手段】薬液を封入したプレフィルドシリンジ11をシリンジホルダ16に装填し、上記プレフィルドシリンジ11に内装されたガスケット14をロッド12で押し込むことによって薬液を投与する装置において、上記ロッド12の前端にシリンジホルダ16の内面に向けて広がる爪18を設け、上記シリンジホルダ16に装填したプレフィルドシリンジ11をロックするカム15を設けてなり、プレフィルドシリンジ11を装填するとき、その後端が爪18を介してロッド12を押し上げ内筒19に至ると爪18が窄みプレフィルドシリンジ11の後端は環状空域17に収まる。
【選択図】図1

Description

この発明はプレフィルドシリンジによる薬液投与に関する。
プレフィルドシリンジの古いタイプとしては、図6に示すものがあり、シリンジ61の先端には図示しないキャップが被せられ後端からロッド62が差し込まれ、全体を図示しないプラスチックチューブで包装されたものを挙げることができ、薬液を投与するときは上記包装を破り、キャップを外して注射針63を装着しロッド62を押すものである。
また、図4に示すようにガスケット44を内装したシリンジに薬液を封入したプレフィルドシリンジ41が予め用意されており、これを前端にロックカム45を設けたシリンジホルダ46に装填し、このシリンジホルダ46の後方からロッド42と共に上記ガスケット44を押し込んで薬液を投与するものがある。
また、図5に示すように前端にロックカム55を設けたシリンジホルダ56とロッド52とが取り付けられ、ロッド52のストロークと薬液投与速度を設定できる薬液投与装置50のシリンジホルダ56にプレフィルドシリンジ(図4参照)を装填し、起動ボタン57を押すことにより所要量の薬液を所要の速さで投与する装置がある。
上記従来の装置では、図4に示すようにシリンジホルダにプレフィルドシリンジ41を装填するとき、ロッド42を後方に後退させておく必要があり、もしこれを忘れるとロッド42の摺動抵抗によりガスケット44が押されて同図(b)の如く薬液を漏出させてしまう恐れがある。
上記問題に鑑みこの発明は、シリンジホルダにプレフィルドシリンジを装填するとき、薬液を漏出する恐れのないプレフィルドシリンジの薬液投与装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するためにこの発明は、薬液を封入したプレフィルドシリンジをシリンジホルダに装填し、上記プレフィルドシリンジに内装されたガスケットをロッドで押し込むことによって薬液を投与する装置において、上記ロッドの前端、またはプレフィルドシリンジの後端に、装填されるプレフィルドシリンジと共にロッドを後退させる手段を設け、上記シリンジホルダに装填したプレフィルドシリンジをロックする手段を設けてなり、上記装填されるプレフィルドシリンジと共にロッドを後退させる手段は、A、ロッドの先端にシリンジホルダの内面に向けて広がる係止片を設ける。B、ロッドの先端にシリンジホルダの内面に向けて拡張するエラストマからなる羽根を装着する。C、ロッドの先端に環状コーン形プラスチック発泡体を設け、上記AからCにおいては、該シリンジホルダの後端には上記プレフィルドシリンジの後端を受け入れる環状空域を形成してなる。
また、上記装填されるプレフィルドシリンジと共にロッドを後退させる手段は、上記プレフィルドシリンジの後端に、後方に向け求心的テーパーを形成した膜を設けてなり、上記膜の中心に、ロッド先端の外径より小さい孔を穿設し、該膜に放射状のスリットを形成したものとすることができる。
上記の如く構成するこの発明によれば、プレフィルドシリンジをシリンジホルダに装填するとき、予めロッドを後退させておく必要はなく、プレフィルドシリンジを装填すると、ロッドの先端に設けた上記係止片、または環状コーン形発泡体、あるいはプレフィルドシリンジの後端に設けた求心的テーパー膜の存在によりロッドは共に後退するので薬液の漏出の心配は完全になくなる。
次にこの発明の第一実施形態を、図1を参照しながら説明する。シリンジホルダ16の前端にプレフィルドシリンジ11をロックするカム15があり、上端の内側にはプレフィルドシリンジ11の上端を収容する環状空域17が形成されている。
ロッド12の下端にはトーションスプリングS1によりピンP1を軸に外側に付勢された爪18が設けられている。
プレフィルドシリンジ11を装填するときは、カム15をトーションスプリングS2の付勢に抗して広げて挿入すると、プレフィルドシリンジ11の後端は爪18に当接し、その状態でロッド12は後退し、環状空域17を形成する内筒19に至ると爪18は窄められ内筒19の内側に入り、プレフィルドシリンジ11の後端は環状空域に収まり、プレフィルドシリンジ全体がシリンジホルダ16内に収まると、カム15がトーションスブリングS2に付勢されて横向きになり(図1(b)の状態)ロックされ、この状態になるとロッド12の頭部13を押して薬液を投与できる。
次にこの発明の第二実施形態を、図2を参照しながら説明する。シリンジホルダ26の前端にプレフィルドシリンジ21をロックするカム25があり、後端の内側にはプレフィルドシリンジ21の後端を収容する環状空域27が形成されており、ロッド22の前端には上面テーパーの環状コーン形のプラスチック発泡体28が取り付けられている。
プレフィルドシリンジ21をシリンジホルダ26に装填するときは、カム25をトーションスプリングS2の付勢に抗して広げて挿入すると、プレフィルドシリンジ21の後端は環状コーン形のプラスチック発泡体28に当接し、その状態でロッド22は後退し、環状空域27を形成する内筒29に至るとプラスチック発泡体28は窄められて筒29の内側に入り、プレフィルドシリンジの後端は環状空域に収まり、プレフィルドシリンジ全体がシリンジホルダ26内に収まると、カム25がトーションスブリングS2に付勢されて横向きになり(図2(b)の状態)ロックされ、この状態になるとロッド22の頭部23を押して薬液を投与できる。なお、上記環状コーン形のプラスチック発泡体28に替えて後端に向け傾斜したエラストマからなる羽根を設けることもできる。
次にこの発明の第三実施形態を、図3を参照しながら説明する。シリンジホルダ36の前端にプレフィルドシリンジ31をロックするカム35がある。
プレフィルドシリンジ31の後端には、後方に向け求心的テーパーを形成した膜38が貼り付けられている。なお、この膜38は周囲が厚肉でロッド32の直径と同径か僅かに小さい内径で薄肉とし、放射状のスリットまたはハーフカットの切り目を入れると効果的である。または、中心にロッド32より僅かに小さい径の孔を設け、放射状のスリットまたはハーフカットの切り目を入れたものでもよい。
プレフィルドシリンジ31を装填するときは、カム35をトーションスプリングS2の付勢に抗して広げて挿入すると、プレフィルドシリンジ31後端の求心的テーパー膜によってロッド32は後退し、プレフィルドシリンジ31全体がシリンジホルダ36内に収まり、カム35がトーションスブリングS2に付勢されて横向きになってロックされ、ロッド32の頭部33を押して薬液を投与できる状態となる。
ロッド32の頭部33を押すと、膜38は破れてロッド32がガスケット34に向けて進入し、ガスケット34を押すと薬液が投与される。
第一実施形態の(a)シリンジ装填状態の断面図、(b)装填完了状態の断面図 第二実施形態の(a)シリンジ装填状態の断面図、(b)装填完了状態の断面図 第三実施形態のシリンジ装填状態の断面図 従来例の(a)シリンジ装填状態の断面図、(b)装填完了状態の断面図 従来の薬液投与装置の概略斜視図 旧来のプレフィリングシリンジの一部切欠き正面図
符号の説明
10,20,30,40,50 薬液投与装置
11,21,31,41,51,61 プレフィルドシリンジ
12,22,32,42,52,62 ロッド
13,23,33,43,63 頭部
14,24,34,44 ガスケット
15,25,35,45 カム
16,26,36,46,56 シリンジホルダ
17,27 環状空域
18 爪
19,29,39 内筒
28 環状コーン形プラスチック発泡体
38 膜
55 ロックカム
P1,P2 ピン
S1,S2 トーションスプリング

Claims (6)

  1. 薬液を封入したプレフィルドシリンジをシリンジホルダに装填し、上記プレフィルドシリンジに内装されたガスケットをロッドで押し込むことによって薬液を投与する装置において、上記ロッドの前端、またはプレフィルドシリンジの後端に、装填されるプレフィルドシリンジと共にロッドを後退させる手段を設け、上記シリンジホルダの前端に、装填したプレフィルドシリンジをロックする手段を設けたことを特徴とするプレフィルドシリンジの薬液投与装置。
  2. 上記装填されるプレフィルドシリンジと共にロッドを後退させる手段は、ロッドの前端に、シリンジホルダの内面に向けて広がる係止片を設け、該シリンジホルダの後端には内筒を設けて上記プレフィルドシリンジの後端を受け入れる環状空域を形成したことを特徴とする請求項1に記載のプレフィルドシリンジの薬液投与装置。
  3. 上記装填されるプレフィルドシリンジと共にロッドを後退させる手段は、ロッドの前端にシリンジホルダの内面に向けて拡張するエラストマからなる羽根を装着し、該シリンジホルダの後端には内筒を設けて上記プレフィルドシリンジの後端を受け入れる環状空域を形成したことを特徴とする請求項1に記載のプレフィルドシリンジの薬液投与装置。
  4. 上記装填されるプレフィルドシリンジと共にロッドを後退させる手段は、ロッドの前端に環状コーン形プラスチック発泡体を設け、該シリンジホルダの後端には内筒を設けて上記プレフィルドシリンジの後端を受け入れる環状空域を形成したことを特徴とする請求項1に記載のプレフィルドシリンジの薬液投与装置。
  5. 上記装填されるプレフィルドシリンジと共にロッドを後退させる手段は、上記プレフィルドシリンジの後端に、後方に向け求心的テーパーを形成した膜を設けたことを特徴とする請求項1に記載のプレフィルドシリンジの薬液投与装置。
  6. 上記膜の中心に、ロッド先端の外径より小さい孔を穿設し、該膜に放射状のスリットを形成したことを特徴とする請求項1または5に記載のプレフィルドシリンジの薬液投与装置。

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