JPH1175519A - コンバイン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 穀物タンク内の穀物を取出す穀物排出
オーガの穀物詰まりのない良好な排出を可能とさせる。 【解決手段】 穀物タンク（１５）内の穀物を取出す
穀物排出オーガ（１７）を備えたコンバインにおいて、
前記排出オーガ（１７）先端の排出口（５６）に籾の滞
留を検出する籾センサ（５７）を設け、前記排出口（５
６）に滞留籾を検出するとき排出オーガ（１７）を一定
量上昇させるように設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は脱穀部で脱穀及び選
別処理された穀粒を穀物タンクに貯留すると共に、穀物
タンク内の穀物を外部に取出すコンバインに関する。

【０００２】

【発明が解決しようとする課題】従来、穀物タンク内の
穀物を穀物排出オーガで運搬車の荷台に取出しする作業
中にあって、例えばオーガより荷台に排出される穀物が
排出口位置まで上昇して、穀物表面層と排出口とが接触
する状態となるときには、排出口から排出される穀物が
排出口内に貯まって排出オーガに穀物詰まりが発生す
る。

【０００３】

【課題を解決するための手段】したがって本発明は、穀
物タンク内の穀物を取出す穀物排出オーガを備えたコン
バインにおいて、前記排出オーガ先端の排出口に穀物の
滞留を検出する穀物センサを設け、前記排出口に滞留穀
物を検出するとき排出オーガを一定量上昇させて、排出
オーガの排出口に穀物詰まりの発生するのを防止して、
排出オーガによる穀物のスムーズな排出を促進させるも
のである。

【０００４】また、排出口に滞留穀物を検出するとき排
出オーガを一定量上昇させると共に、排出オーガの駆動
を停止させて、排出口に穀物が滞留する状態となるとき
には、排出オーガの上昇と排出オーガの駆動停止とでも
って排出口の穀物詰まりの発生を確実に防止するもので
ある。

【０００５】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて詳述する。図１はコンバインの全体側面図、図２
は同平面図であり、図中（１）は走行クローラ（２）を
装設するトラックフレーム、（３）は前記トラックフレ
ーム（１）に架設する機台、（４）はフィードチェン
（５）を左側に張架し扱胴（６）及び処理胴（７）を内
蔵している脱穀部、（８）は刈刃（９）及び穀稈搬送機
構（１０）などを備える刈取部、（１１）は刈取フレー
ム（１２）を介して刈取部（８）を昇降させる油圧シリ
ンダ、（１３）は排藁チェン（１４）終端を臨ませる排
藁処理部、（１５）は脱穀部（４）からの穀粒を揚穀筒
（１６）を介して搬入する穀物タンク、（１７）は前記
タンク（１５）の穀粒を機外に搬出する上部排出オー
ガ、（１８）は運転操作部（１９）及び運転席（２０）
を備える運転キャビン、（２１）は運転キャビン（１
８）下方に設けるエンジンであり、連続的に穀稈を刈取
って脱穀するように構成している。

【０００６】また、図３に示す如く、図中（２２）は機
体の前後方向に軸架する軸流型の扱胴（６）を内設させ
る扱室、（２３）は前記扱室（２２）に穀稈を挿入する
扱口、（２４）は前記扱室（２２）下方に張架させるク
リンプ網、（２５）は前記クリンプ網（２４）下方に前
端を臨ませて前後方向に揺動自在に支持する揺動選別
盤、（２６）（２７）は前記クリンプ網（２４）の下方
に上下２段に配設する選別盤（２５）の前後フィードパ
ン、（２８）は前フィードパン（２６）の後端側に上下
揺動自在に設ける選別篩い線、（２９）は後フィードパ
ン（２７）後端後方に連設するチャフシーブ、（３０）
はチャフシーブ（２９）下方に配設するグレンシーブ、
（３１）は前後フィードパン（２６）（２７）の上下間
に選別風を送給するプレヒートファン、（３２）はチャ
フシーブ（２９）とグレンシーブ（３０）間及びグレン
シーブ（３０）下方に選別風を送給するメインの送風装
置である唐箕、（３３）は揚穀筒（１６）に連通させて
穀物タンク（１５）に穀粒を取出す１番コンベア、（３
４）は２番物を２番還元コンベア（３５）を介し前記選
別盤（２５）の篩い線（２８）上方に還元する２番コン
ベア、（３６）は前記選別盤（２５）を前後及び上下に
揺動させる駆動軸、（３７）は前記選別盤（２５）の後
端上方に配設する吸排塵ファンであり、前記扱胴（６）
及び処理胴（７）により脱穀された穀粒を揺動選別盤
（２５）で選別し整粒のみを前記穀物タンク（１５）に
取出すと共に、排藁を排藁チェン（１４）を介し排藁処
理部（１３）に送り込んで排藁カッタ（１３ａ）による
切断後機外に排出させるように構成している。なお（３
８）は排藁チェン（１４）の下方に配設する４番樋であ
る。

【０００７】さらに、図４乃至図６に示す如く、前記穀
物タンク（１５）の後部外側に揚穀筒（１６）を立設さ
せ、左側に隣接配置する脱穀部（４）上方にタンク（１
５）の左側上部を張り出させるもので、タンク（１５）
の左側上部に膨出部（３９）を設け、該膨出部（３９）
を脱穀部（４）上方に被せる状態に配設させ、タンク
（１５）の貯留容量を増大させ、該タンク（１５）内に
穀粒が貯留されたときにも左右バランスを保って、湿田
での走行性能の向上が図れるように構成している。

【０００８】前記揚穀筒（１６）の揚穀コンベア（４
０）下端を中継コンベア（４１）を介し１番コンベア
（３３）に連動連結させるもので、１番コンベア（３
３）の右端を脱穀部（４）より右外側に突出させ、前後
方向の中継コンベア（４１）の前端に１対のベベルギヤ
（４２）を介して連動連結させると共に、中継コンベア
（４１）の後端に揚穀コンベア（４０）の下端を１対の
ベベルギヤ（図示省略）を介し連動連結させ、平面視略
Ｌ形状の中継コンベア路を形成する中継ケース（４３）
で脱穀部（４）と揚穀筒（１６）間を接続させ、脱穀部
（４）で脱穀された穀粒を穀物タンク（１５）後部の揚
穀筒（１６）上部の投入口（１６ａ）よりタンク（１
５）内に投入して貯留するように構成している。

【０００９】また、前記穀物タンク（１５）底部に横送
オーガ（４４）を設け、上部の排出オーガ（１７）と横
送オーガ（４４）の間に縦送オーガ（４５）を取付け、
脱穀部（４）後側位置の４番樋（３８）とタンク（１
５）後部側壁との間の余剰空間に揚穀筒（１６）を立設
させ、タンク（１５）の後部で縦送オーガ（４５）と揚
穀筒（１６）とを並列状に近接させて立設させ、保守点
検作業などの簡略化を図るように構成している。

【００１０】図４、図７に示す如く、前記穀物タンク
（１５）内には６つの第１〜第６籾量検出スイッチ（４
６）（４７）（４８）（４９）（５０）（５１）からな
る籾量センサ（５２）を設けて、穀物タンク（１５）内
の籾貯留量を籾量センサ（５２）で検出するもので、最
下位の第１籾検出スイッチ（４６）のオン時には満杯時
の略１／６の籾貯留量を検出し、これより上方の第２〜
第６の籾検出スイッチ（４７）〜（５１）が順次オンと
なる毎に籾貯留量の略１／６の増加を検出し、全検出ス
イッチ（４６）〜（５１）のオンによって満杯を検出す
るように構成している。

【００１１】また、前記穀物タンク（１５）内の籾の含
有水分値を検出する水分計（５３）をタンク（１５）内
に設けて、該水分計（５３）の検出値に基づいて前記プ
レヒートファン（３２）の回転を増減速させて風量の自
動調整を行うように構成している。

【００１２】さらに、図７に示す如く、前記排出オーガ
（１７）の後側基部を中心に前側先端部を昇降させる油
圧昇降シリンダ（５４）を設け、前記縦送オーガ（４
５）上端部に排出オーガ（１７）基部を水平軸芯回りに
上下回動自在に連結させると共に、縦送オーガ（４５）
の上半分を軸芯回りに回転させる電動旋回モータ（５
５）を設け、縦送オーガ（４５）の略垂直な軸芯回りに
縦送オーガ（４５）上半分及び排出オーガ（１７）を一
体回転させるもので、前記昇降シリンダ（５４）制御に
よって排出オーガ（１７）先端の排出口（５６）を昇降
させると共に、前記旋回モータ（５５）制御によって排
出オーガ（１７）先端の排出口（５６）を左右に旋回さ
せるように構成している。

【００１３】図９に示す如く、前記排出口（５６）内の
籾の滞留などを検出する籾センサ（５７）を排出口（５
６）に設けると共に、前記排出口（５６）からの排出籾
を受取る運搬車荷台や籾袋の大きさ或いは籾充填状態を
検出する投入容器センサ（５８）を排出オーガ（１７）
の排出口（５６）近傍位置に設けて、各センサ（５７）
（５８）の検出に基づいて排出オーガ（１７）の上昇制
御や駆動停止制御を行うように構成している。

【００１４】図８に示す如く、前記排出口（５６）先端
の左外側面に遠隔操作ボックス（５９）を設けると共
に、前記排出オーガ（１７）を昇降及び旋回操作するク
ロス形オーガ操作レバー（６０）と、各オーガ（１７）
（４４）（４５）のオーガクラッチ（６１）の入切を行
うオーガクラッチスイッチ（６２）と、機体外側の排出
位置まで旋回した排出オーガ（１７）を自動で元のオー
ガレスト（６３）位置まで戻すオートリターン操作用の
オートリターンスイッチ（６４）とを前記ボックス（５
９）に設けて、運転席（２０）より離れた排出作業位置
でこれらレバー（６０）と各スイッチ（６２）（６４）
による排出オーガ（１７）の操作を可能とさせるように
構成している。

【００１５】また図２、図１０に示す如く、運転席（２
０）近傍のオーガ操作パネル（６５）にも、前述同様の
オーガ操作レバー（６０）と、オーガクラッチスイッチ
（６２）、オートリターンスイッチ（６４）を設けると
共に、前記排出オーガ（１７）を自動でオーガレスト
（６３）の収納位置から機体外側の排出位置まで旋回す
るオートセット操作用のオートセットスイッチ（６６）
と、この排出位置を任意に設定するポテンショメータ型
のオートセット設定ボリウム（６７）とを設けて、運転
席（２０）で排出オーガ（１７）の各種操作を行うよう
に構成している。

【００１６】そして図１０に示す如く、前記操作レバー
（６０）の昇降及び旋回操作を検出するオーガ操作レバ
ースイッチ（６８）と、電磁操作式の脱穀クラッチ（６
９）の入切を行う脱穀スイッチ（７０）と、タンク警報
ブザー（７１）の鳴動を停止させるブザー停止スイッチ
（７２）と、各スイッチ（６２）（６４）（６６）と、
各センサ（５２）（５７）（５８）と、設定ボリウム
（６７）と、水分計（５３）とをマイクロコンピュータ
で構成するコントローラ（７３）に接続させると共に、
前記昇降シリンダ（５４）と、旋回モータ（５５）と、
電磁操作式のオーガクラッチ（６１）と、電磁操作式の
脱穀クラッチ（６９）と、前記プレヒートファン（３
１）の変速機構（７４）と、タンク警報ブザー（７１）
とにコントローラ（７３）を接続させて、排出オーガ
（１７）の自動旋回制御や自動昇降制御などを行うよう
に構成している。

【００１７】なお（７５）は前記排出口（５６）に設け
る柔軟製の投口ガイドである。

【００１８】而して図１１に示す如く、運搬車の荷台に
穀物タンク（１５）内の籾を排出する籾排出作業中、荷
台上籾貯留量が増大して籾の表面層と排出口（５６）と
が接触し、排出される籾が排出口（５６）内に滞留状態
となることを前記籾センサ（５７）で検出するとき、運
搬荷台の籾量が満杯以下で貯留量に余裕がある場合に
は、前記昇降シリンダ（５４）制御によってオーガ（１
７）を一定量である１ステップ上昇させて、排出口（５
６）内に滞留状態の籾を開放して排出作業を続行させ
る。一方、排出口（５６）内に籾が滞留状態で、運搬車
荷台も満杯でそれ以上の貯留が困難なときには、前記旋
回モータ（５５）の駆動を停止させ排出オーガ（１７）
の上昇を停止させると同時に、オーガクラッチ（６１）
を切としてオーガ（１７）（４４）（４５）の駆動も停
止させて、排出口（５６）内での籾詰まりを防止するも
のである。なお袋詰め作業において前記籾センサ（５
７）が排出口（５６）内の籾の滞留を検出するときに
も、排出オーガ（１７）の上昇を停止させ、オーガ（１
７）（４４）（４５）の駆動を停止させるものである。

【００１９】また図１２に示す如く、穀物タンク（１
５）内の籾貯留量に応じ警報ブザー（７１）を鳴動させ
るもので、第１乃至第４籾検出スイッチ（４６）〜（４
９）がオンとなる満杯時の４／６まで籾が貯留されると
き、ブザー（７１）をＮ回（例えば４回）断続鳴動させ
てブザー（７２）の作動を自動停止させ、次に第１乃至
第５籾さ検出スイッチ（４６）〜（５０）がオンとなる
満杯時の５／６まで籾が貯留されるとき、ブザー停止ス
イッチ（７２）で停止させるまでブザー（７１）を断続
鳴動させ、第１乃至第６籾検出スイッチ（４６）〜（５
１）の全てがオンとなる満杯時には、脱穀スイッチ（７
０）で脱穀部（４）の駆動を停止させるまで、ブザー
（７１）を連続鳴動させるものである。このように３段
階でブザー（７１）による警報を行うことによって、穀
物タンク（１５）が満杯となるまでの時間を早くから感
知して、タンク（１５）の籾排出時期に合わせた刈取行
程を選択しての効率良好な作業を可能とさせることがで
きるものである。

【００２０】

【発明の効果】以上実施例から明らかなように本発明
は、穀物タンク（１５）内の穀物を取出す穀物排出オー
ガ（１７）を備えたコンバインにおいて、前記排出オー
ガ（１７）先端の排出口（５６）に籾の滞留を検出する
籾センサ（５７）を設け、前記排出口（５６）に滞留籾
を検出するとき排出オーガ（１７）を一定量上昇させる
ものであるから、排出オーガ（１７）の排出口（５６）
に穀物詰まりの発生するのを防止でき、排出オーガ（１
７）による穀物のスムーズな排出を促進させることがで
きるものである。

【００２１】また、排出口（５６）に滞留穀物を検出す
るとき排出オーガ（１７）を一定量上昇させると共に、
排出オーガ（１７）の駆動を停止させるものであるか
ら、排出口（５６）に穀物が滞留する状態となるときに
は、排出オーガ（１７）の上昇と排出オーガ（１７）の
駆動停止とで排出口（５６）の穀物詰まりの発生を確実
に防止することができるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】コンバインの全体側面図である。

【図２】コンバインの全体平面図である。

【図３】脱穀部の断面説明図である。

【図４】タンク部の背面説明図である。

【図５】脱穀部の平面説明図である。

【図６】タンク部の平面図である。

【図７】タンク後部の側面説明図である。

【図８】排出口の説明図である。

【図９】排出口の断面説明図である。

【図１０】制御回路図である。

【図１１】フローチャートである。

【図１２】フローチャートである。

【符号の説明】

（１５） 穀物タンク （１７） 排出オーガ （５６） 排出口 （５７） 籾センサ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 穀物タンク内の穀物を取出す穀物排出オ
   ーガを備えたコンバインにおいて、前記排出オーガ先端
   の排出口に穀物の滞留を検出する穀物センサを設け、前
   記排出口に滞留穀物を検出するとき排出オーガを一定量
   上昇させるように設けたことを特徴とするコンバイン。
2. 【請求項２】 排出口に滞留穀物を検出するとき排出オ
   ーガを一定量上昇させると共に、排出オーガの駆動を停
   止させるように設けたことを特徴とする請求項１記載の
   コンバイン。