JP3787396B2 - コンバイン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は脱穀部で脱穀及び選別処理された穀粒を穀物タンクに取出して貯留するコンバインに関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
従来、本機のオーガレストに支持させた格納位置の排出オーガをトラック荷台などの穀粒排出位置に自動的に移動させていたが、排出オーガの最上昇位置を上昇スイッチによって検出して旋回させる場合、上昇スイッチを設ける必要があり、また上昇スイッチの動作不良によって旋回動作が中止される不具合がある。また、排出オーガが収納位置に下降する動作を収納スイッチによって検出する場合、収納スイッチを設ける必要があり、また収納スイッチの動作不良によって下降動作が継続される不具合がある。また、設定位置に排出オーガを自動的に旋回させるとき、旋回方向が自動的に決定され、作業者の希望する方向に旋回させることができない不具合があった。
【0003】
【課題を解決するための手段】
然るに、本発明は、穀物タンクに排出オーガを設けると共に、前記排出オーガを昇降させる昇降部材と、前記排出オーガを旋回させる旋回部材を設け、格納位置乃至穀粒排出位置に排出オーガを自動的に移動させるコンバインにおいて、刈取部を昇降させる刈取昇降バルブの油圧回路下手側に、排出オーガを昇降させるオーガ昇降バルブを設け、車速センサが走行停止を検出し、オーガ最上昇スイッチ(69)がオンとなったとき、またはオーガ最上昇スイッチ(69)がオフでかつ前記排出オーガ(17)の上昇時間を計数し、実上昇時間が設定以上になったとき、に排出オーガ(17)を所定位置に旋回させ、かつ、例えば前記排出オーガをオーガレストに支持させる収納位置を基準にして排出オーガの旋回位置を検出するオーガ位置センサによって検出する排出オーガ旋回量がセットボリュームのセット位置と一致したとき、オーガ旋回モータを停止させかつオーガ旋回ブレーキを動作させるように構成したもので、排出オーガの上昇動作が中止されても上昇途中の高さで旋回するのを防止し得ると共に、排出オーガの上昇駆動構造の簡略化並びに自動旋回機能の向上などを容易に図り得るものである。
しかも、刈取部を昇降させる刈取昇降バルブの油圧回路下手側に、排出オーガを昇降させるオーガ昇降バルブが設けられているため、刈取部の昇降を優先する油圧回路にオーガ昇降バルブが配置され、刈取部の昇降と排出オーガの昇降とに同一油圧ポンプが兼用され、各動作が不具合なく行われる。
【0005】
また、刈取部を昇降させる刈取昇降バルブの油圧回路下手側に、排出オーガを昇降させるオーガ昇降バルブを設けたもので、刈取部の昇降を優先する油圧回路にオーガ昇降バルブを配置し得、刈取部の昇降と排出オーガの昇降とに同一油圧ポンプを兼用して各動作を不具合なく行わせ得るものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。図1はコンバインの全体側面図、図2は同平面図であり、図中(1)は走行クローラ(2)を装設するトラックフレーム、(3)は前記トラックフレーム(1)に架設する機台、(4)はフィードチェン(5)を左側に張架し扱胴(6)及び処理胴(7)を内蔵している脱穀機である脱穀部、(8)は刈刃(9)及び穀稈搬送機構(10)などを備える刈取部、(11)は刈取フレーム(12)を介して刈取部(8)を昇降させる油圧刈取シリンダ、(13)は排藁チェン(14)終端を臨ませる排藁処理部、(15)は脱穀部(4)からの穀粒を揚穀筒(16)を介して搬入する穀物タンク、(17)は前記タンク(15)の穀粒を機外に搬出する上部排出オーガ、(18)は運転操作部(19)及び運転席(20)を備える運転キャビン、(21)は運転キャビン(18)下方に設けるエンジンであり、連続的に穀稈を刈取って脱穀するように構成している。
【0008】
また、図3に示す如く、図中(22)は機体の前後方向に軸架する軸流型の扱胴(6)を内設させる扱室、(23)は前記扱室(22)に穀稈を挿入する扱口、(24)は前記扱室(22)下方に張架させるクリンプ網、(25)は前記クリンプ網(24)下方に前端を臨ませて前後方向に揺動自在に支持する揺動選別盤、(26)(27)は前記クリンプ網(24)の下方に上下2段に配設する選別盤(25)の前後フィードパン、(28)は前フィードパン(26)の後端側に上下揺動自在に設ける選別篩い線、(29)は後フィードパン(27)後端後方に連設するチャフシーブ、(30)はチャフシーブ(29)下方に配設するグレンシーブ、(31)は前後フィードパン(26)(27)の上下間に選別風を送給するプレファンである送塵ファン、(32)はチャフシーブ(29)とグレンシーブ(30)間及びグレンシーブ(30)下方に選別風を送給するメインの送風装置である唐箕、(33)は揚穀筒(16)に連通させて穀物タンク(15)に穀粒を取出す1番コンベア、(34)は2番物を2番還元コンベア(35)を介し前記選別盤(25)の篩い線(28)上方に還元する2番コンベア、(36)は前記選別盤(25)を前後及び上下に揺動させる駆動軸、(37)は前記選別盤(25)の後端上方に配設する吸排塵ファンであり、前記扱胴(6)及び処理胴(7)により脱穀された穀粒を揺動選別盤(25)で選別し整粒のみを前記穀物タンク(15)に取出すと共に、排藁を排藁チェン(14)を介し排藁処理部(13)に送り込んで排藁カッタ(13a)による切断後機外に排出させるように構成している。なお(38)は排藁チェン(14)の下方に配設する4番樋である。
【0009】
さらに、図4及び図5及び図6に示す如く、前記穀物タンク(15)の後部外側に揚穀筒(16)を立設させ、左側に隣接配置する脱穀部(4)上方にタンク(15)の左側上部を張り出させるもので、タンク(15)の左側上部に膨出部(39)を設け、該膨出部(39)を脱穀部(4)上方に被せる状態に配設させ、タンク(15)の貯留容量を増大させ、該タンク(15)内に穀粒が貯留されたときにも左右バランスを保って、湿田での走行性能の向上が図れるように構成している。
【0010】
前記揚穀筒(16)の揚穀コンベア(40)下端を中継コンベア(41)を介し1番コンベア(33)に連動連結させるもので、1番コンベア(33)の右端を脱穀部(4)より右外側に突出させ、前後方向の中継コンベア(41)の前端に1対のベベルギヤ(42)を介して連動連結させると共に、中継コンベア(41)の後端に揚穀コンベア(40)の下端を1対のベベルギヤ(図示省略)を介し連動連結させ、平面視略L形状の中継コンベア路を形成する中継ケース(43)で脱穀部(4)と揚穀筒(16)間を接続させ、脱穀部(4)で脱穀された穀粒を穀物タンク(15)後部の揚穀筒(16)上部の投入口(16a)よりタンク(15)内に投入して貯留するように構成している。
【0011】
また、前記穀物タンク(15)底部に横送オーガ(44)を設け、上部の排出オーガ(17)と横送オーガ(44)の間に縦送オーガ(45)を取付け、脱穀部(4)後側位置の4番樋(38)とタンク(15)後部側壁との間の余剰空間に揚穀筒(16)を立設させ、タンク(15)の後部で縦送オーガ(45)と揚穀筒(16)とを並列状に近接させて立設させ、保守点検作業などの簡略化を図るように構成している。
【0012】
さらに、図7に示す如く、前記排出オーガ(17)の後側基部を中心に前側先端部を昇降させる油圧オーガ昇降シリンダ(46)を設け、前記縦送オーガ(45)上端部に排出オーガ(17)基部を水平軸芯回りに回転自在に連結させると共に、縦送オーガ(45)の上半分を軸芯回りに回転させる電動オーガ旋回モータ(47)を設け、縦送オーガ(45)の略垂直な軸芯回りに縦送オーガ(45)上半分及び排出オーガ(17)を回転させるもので、前記オーガ昇降シリンダ(46)制御によって排出オーガ(17)先端の排出口(48)を昇降させると共に、前記旋回モータ(47)制御によって排出オーガ(17)先端の排出口(48)を左右に旋回させるように構成している。
【0013】
さらに、図8に示す如く、前記エンジン(21)によって駆動する油圧ポンプ(49)を設け、上昇及び下降ソレノイド(50)(51)を有する電磁油圧刈取昇降バルブ(52)を介して油圧ポンプ(49)に前記刈取シリンダ(11)を油圧接続させ、前記バルブ(52)制御によって刈取部(8)を昇降させると共に、上昇及び下降ソレノイド(53)(54)を有する電磁油圧オーガ昇降バルブ(55)を油圧ポンプ(49)に前記刈取昇降バルブ(52)を介して油圧接続させ、各バルブ(52)(55)を介して油圧ポンプ(49)に前記オーガ昇降シリンダ(46)を油圧接続させ、刈取昇降バルブ(52)が中立に維持されている状態でオーガ昇降バルブ(55)制御によって排出オーガ(17)を昇降させるもので、刈取部(8)の昇降を優先する油圧回路を利用してオーガ昇降シリンダ(46)を設け、単一の油圧ポンプ(49)によって刈取部(8)の昇降と排出オーガ(17)の昇降の両方を行わせるように構成している。
【0014】
さらに、図9に示す如く、前記排出オーガ(17)先端の排出口(48)外側に遠隔操作ボックス(56)を着脱自在に設けると共に、上昇スイッチ(57)、下降スイッチ(58)、左旋回スイッチ(59)、右旋回スイッチ(60)、オーガクラッチ入スイッチ(61)、オーガクラッチ切スイッチ(62)を、前記遠隔操作ボックス(56)に取付けると共に、図7に示す如く、旋回モータ(47)を連結させる縦送オーガ(45)の旋回ギヤ(63)に、多回転ポテンショメータ型オーガ位置センサ(64)を連結させ、排出オーガ(17)をオーガレスト(65)に支持させる収納位置を基準にして排出オーガ(17)の旋回位置を前記オーガ位置センサ(64)によって検出させるように構成している。
【0015】
さらに、図10に示す如く、前記走行クローラ(2)の回転を検出するピックアップ型車速センサ(66)と、前記排出オーガ(17)の旋回方向(左回りまたは右回り)を手動操作により選択して初期設定する旋回方向切換スイッチ(67)と、穀粒を排出するセット位置とオーガレスト(65)の収納位置に排出オーガ(17)を自動的に移動させるオーガ自動スイッチ(68)と、排出オーガ(17)の最上昇動作を検出するリミットスイッチ型オーガ最上昇スイッチ(69)と、穀粒を排出するセット位置を手動操作によって初期設定するオーガセットボリューム(70)と、異常動作を作業者に知らせる警報ブザー(71)と、オーガ旋回モータ(47)に内設させてこの回転をロックする電磁オーガ旋回ブレーキ(72)と、排出オーガ(17)などに駆動力を伝える電磁オーガクラッチ(73)と、前記各スイッチ(57)〜(62)と、前記オーガ位置センサ(64)を、マイクロコンピュータで構成する排出オーガコントローラ(74)に接続させる。
【0016】
また、前記刈取部(8)を昇降制御する刈取昇降コントローラ(75)を前記排出オーガコントローラ(74)に接続させ、刈取昇降制御によって排出オーガ制御を規制するもので、手動操作によって刈取部(8)を昇降させる手動スイッチ(76)と、刈取作業高さの刈取部(8)を旋回高さに上昇させる動作と旋回高さの刈取部(8)を刈取作業高さに下降させる動作を行わせる自動昇降スイッチ(77)と、刈取部(8)の対本機高さを検出する刈取高さポテンショメータ(78)と、前記刈取昇降バルブ(52)を、前記刈取昇降コントローラ(75)に接続させ、手動操作または自動制御によって刈取昇降バルブ(52)を作動させて刈取部(8)を昇降させるように構成している。
【0017】
そして、図11のフローチャートに示す如く、穀粒排出位置に排出オーガ(17)を移動させる排出オーガセット制御が行われるもので、オーガ自動スイッチ(68)を自動セット操作したとき、車速センサ(66)が走行停止を検出し、かつ車速センサ(66)入力が正常のとき、オーガセットボリューム(70)及び旋回方向切換スイッチ(67)及びオーガ位置センサ(64)から入力させ、オーガ昇降シリンダ(46)を作動させて排出オーガ(17)を上昇動作させ、この上昇時間をカウントする。前記上昇時間のカウントの合計が一定以上になる途中で、スイッチ(76)(77)操作により刈取部(8)の昇降動作が行われると、上昇時間のカウントを刈取部(8)の昇降が中止されるまで中止すると共に、排出オーガ(17)の最上昇によってオーガ最上昇スイッチ(69)がオンになったとき、または前記上昇時間のカウントの合計が設定時間以上になって初期設定した上昇時間が経過したとき、排出オーガ(17)の上昇動作を終了させ、かつオーガ旋回モータ(47)を作動させ、旋回方向切換スイッチ(67)操作によって選択した指定旋回方向に、オーガセットボリューム(70)のセット位置まで排出オーガ(17)を旋回させると共に、排出オーガ(17)の旋回動作が所定負荷以下で行われ、オーガ位置センサ(64)によって検出する排出オーガ(17)旋回量がセットボリューム(70)のセット位置と一致したとき、オーガ旋回モータ(47)を停止させ、かつオーガ旋回ブレーキ(72)を動作させて排出オーガ(17)を制動固定させ、本機傾斜などによって排出オーガ(17)が傾斜下方側に自由に旋回するのを防いでいる。
【0018】
上記から明らかなように、穀物タンク(15)に排出オーガ(17)を設けると共に、前記排出オーガ(17)を昇降させる昇降部材であるオーガ昇降シリンダ(46)と、前記排出オーガ(17)を旋回させる旋回部材であるオーガ旋回モータ(47)を設け、格納位置乃至穀粒排出位置に排出オーガ(17)を自動的に移動させるコンバインにおいて、前記排出オーガ(17)の上昇時間を計数し、実上昇時間が設定以上になったときに排出オーガ(17)を所定位置に旋回させるように構成し、排出オーガ(17)の上昇動作が中止されても上昇途中の高さで旋回するのを防ぐと共に、排出オーガ(17)の上昇駆動構造の簡略化並びに自動旋回機能の向上などを図れるように構成している。
【0019】
また、刈取部(8)を昇降させる刈取昇降バルブ(52)の油圧回路下手側に、排出オーガ(17)を昇降させるオーガ昇降バルブ(55)を設け、刈取部(8)の昇降を優先する油圧回路にオーガ昇降バルブ(55)を配置させ、刈取部(8)の昇降と排出オーガ(17)の昇降とに同一油圧ポンプ(49)を兼用して各動作を不具合なく行わせると共に、排出オーガ(17)をセット位置に自動的に旋回させるときの旋回方向を初期設定する旋回方向選択部材である旋回方向切換スイッチ(67)を設け、排出オーガ(17)の旋回方向を作業者が決定し、排出オーガ(17)の旋回方向を認識し乍ら圃場枕地に移動したり、障害物を回避し乍ら排出オーガ(17)を旋回させる作業を行わせ、穀粒排出作業性の向上などを図れるように構成している。
【0020】
さらに、図12のフローチャートに示す如く、オーガレスト(65)収納位置に排出オーガ(17)を戻す排出オーガ収納制御が行われるもので、オーガ自動スイッチ(68)を自動収納操作したとき、車速センサ(66)が走行停止を検出し、かつ車速センサ(66)入力が正常のとき、旋回方向切換スイッチ(67)及びオーガ位置センサ(64)から入力させ、オーガ昇降シリンダ(46)を作動させて排出オーガ(17)を上昇動作させ、この上昇時間をカウントする。前記上昇時間のカウントの合計が一定以上になる途中で、スイッチ(76)(77)操作により刈取部(8)の昇降動作が行われると、上昇時間のカウントを刈取部(8)の昇降が中止されるまで中止すると共に、排出オーガ(17)の最上昇によってオーガ最上昇スイッチ(69)がオンになったとき、または前記上昇時間のカウントの合計が設定時間以上になって初期設定した上昇時間が経過したとき、排出オーガ(17)の上昇動作を終了させ、かつオーガ旋回モータ(47)を作動させ、旋回方向切換スイッチ(67)操作によって選択した指定旋回方向と逆の方向に、オーガレスト(65)の略直上位置まで排出オーガ(17)を旋回させると共に、排出オーガ(17)の旋回動作が所定負荷以下で行われ、オーガ位置センサ(64)によって検出する排出オーガ(17)旋回量がオーガレスト(65)基準位置になったとき、オーガ旋回モータ(47)を停止させ、かつオーガ旋回ブレーキ(72)を動作させて排出オーガ(17)の旋回を禁止し、オーガ昇降シリンダ(46)制御によって排出オーガ(17)を下降動作させ、この下降時間をカウントする。前記下降時間のカウントの合計が一定以上になる途中で、スイッチ(76)(77)操作により刈取部(8)の昇降動作が行われると、下降時間のカウントを刈取部(8)の昇降が中止されるまで中止すると共に、前記下降時間のカウントの合計が設定時間以上になって初期設定した下降時間が経過したとき、オーガ旋回ブレーキ(72)を解除し、排出オーガ(17)下降動作を停止し、オーガレスト(65)に排出オーガ(17)を支持させるものである。
【0021】
上記から明らかなように、収納位置上方に復動した排出オーガ(17)が下降するとき、排出オーガ(17)の下降時間を計数し、実下降時間が設定以上になるまで排出オーガ(17)を下降させるように構成し、排出オーガ(17)の収納位置への下降動作が中止されても収納位置に下降するまで下降動作が繰返し行われ、収納位置に下降することによって下降動作を終了させ、下降途中で排出オーガ(17)が支持されたり、下降しても下降動作が継続される不具合をなくし、排出オーガ(17)の下降駆動構造の簡略化並びに自動収納機能の向上などを図れるように構成している。
【0022】
さらに、図13に示す如く、排出オーガ(17)をトラック荷台上の穀粒排出位置に図11の制御によって移動させたとき、トラック荷台上の作業者によって排出口(48)の遠隔操作ボックス(56)の各スイッチ(57)〜(62)を操作し、排出オーガ手動制御を行うもので、オーガ左旋回またはオーガ右旋回スイッチ(59)(60)操作により、図11の自動旋回制御よりも遅い低速動作で排出オーガ(17)を左または右旋回動作させると共に、オーガ上昇及びオーガ下降スイッチ(57)(58)操作により、排出オーガ(17)の排出口(48)を上昇または下降動作させ、またオーガクラッチ入スイッチ(61)操作によって排出オーガ(17)を駆動し、穀物タンク(15)の穀粒をトラック荷台に搬出させる一方、オーガクラッチ切スイッチ(62)操作によって排出オーガ(17)を停止させ、図12の自動収納制御を行わせるものである。
【0023】
さらに、図14のフローチャートに示す如く、オーガ旋回ブレーキ(72)の制御が行われるもので、車速センサ(66)が故障して出力が異常のとき、または走行クローラ(2)が駆動されている走行中のとき、またはオーガレスト(65)位置に排出オーガ(17)が支持されているとき、または排出オーガ(17)が駆動されて穀粒を搬出しているときのいずれかの条件によってオーガ旋回ブレーキ(72)が解除されると共に、車速センサ(66)出力が正常のとき、並びに走行クローラ(2)が停止している走行停止のとき、並びにオーガレスト(65)位置以外に排出オーガ(17)が支持されているとき、並びに排出オーガ(17)を停止させて穀粒搬出が行われていないとき、この全ての条件に基づいてオーガ旋回ブレーキ(72)を作動させ、排出オーガ(17)が旋回するのを阻止するものである。
【0024】
【発明の効果】
以上実施例から明らかなように本発明は、穀物タンク(15)に排出オーガ(17)を設けると共に、前記排出オーガ(17)を昇降させる昇降部材(46)と、前記排出オーガ(17)を旋回させる旋回部材(47)を設け、格納位置乃至穀粒排出位置に排出オーガ(17)を自動的に移動させるコンバインにおいて、刈取部を昇降させる刈取昇降バルブの油圧回路下手側に、排出オーガを昇降させるオーガ昇降バルブを設け、車速センサが走行停止を検出し、オーガ最上昇スイッチ(69)がオンとなったとき、またはオーガ最上昇スイッチ(69)がオフでかつ前記排出オーガ(17)の上昇時間を計数し、実上昇時間が設定以上になったとき、に排出オーガ(17)を所定位置に旋回させ、かつ排出オーガの旋回位置を検出するオーガ位置センサによって検出する排出オーガ旋回量がセット位置と一致したとき、オーガ旋回モータを停止させかつオーガ旋回ブレーキを動作させるように構成したもので、排出オーガ(17)の上昇動作が中止されても上昇途中の高さで旋回するのを防止できると共に、排出オーガ(17)の上昇駆動構造の簡略化並びに自動旋回機能の向上などを容易に図ることができるものである。
しかも、刈取部を昇降させる刈取昇降バルブの油圧回路下手側に、排出オーガを昇降させるオーガ昇降バルブが設けられているため、刈取部の昇降を優先する油圧回路にオーガ昇降バルブが配置され、刈取部の昇降と排出オーガの昇降とに同一油圧ポンプが兼用され、各動作が不具合なく行われる。
【0026】
また、刈取部(8)を昇降させる刈取昇降バルブ(52)の油圧回路下手側に、排出オーガ(17)を昇降させるオーガ昇降バルブ(55)を設けたもので、刈取部(8)の昇降を優先する油圧回路にオーガ昇降バルブ(55)を配置でき、刈取部(8)の昇降と排出オーガ(17)の昇降とに同一油圧ポンプ(49)を兼用して各動作を不具合なく行わせることができるものである。
【0027】
また、排出オーガ(17)をセット位置に自動的に旋回させるときの旋回方向を初期設定する旋回方向選択部材(67)を設けたもので、排出オーガ(17)の旋回方向を作業者が決定するから、排出オーガ(17)の旋回方向を認識し乍ら圃場枕地に移動したり、障害物を回避し乍ら排出オーガ(17)を旋回させる作業を容易に行うことができ、穀粒排出作業性の向上などを容易に図ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンバインの全体側面図。
【図2】コンバインの全体平面図。
【図3】脱穀部の断面説明図。
【図4】タンク部の背面説明図。
【図5】脱穀部の平面説明図。
【図6】タンク部の平面図。
【図7】排出オーガの説明図。
【図8】昇降油圧回路図。
【図9】排出口部の説明図。
【図10】排出オーガ制御回路図。
【図11】排出オーガセット制御フローチャート。
【図12】排出オーガ収納制御フローチャート。
【図13】排出オーガ手動制御フローチャート。
【図14】オーガ旋回ブレーキ制御フローチャート。
【符号の説明】
(8) 刈取部
(15) 穀物タンク
(17) 排出オーガ
(46) オーガ昇降シリンダ(昇降部材)
(47) オーガ旋回モータ(旋回部材)
(52) 刈取昇降バルブ
(55) オーガ昇降バルブ
(67) 旋回方向切換スイッチ(旋回方向選択部材)
Claims (1)
- 穀物タンクに排出オーガを設けると共に、前記排出オーガを昇降させる昇降部材と、前記排出オーガを旋回させる旋回部材を設け、格納位置乃至穀粒排出位置に排出オーガを自動的に移動させるコンバインにおいて、
刈取部を昇降させる刈取昇降バルブの油圧回路下手側に、排出オーガを昇降させるオーガ昇降バルブが設けられ、
車速センサが走行停止を検出し、
前記排出オーガの最上昇動作を検出するオーガ最上昇スイッチがオンとなったとき、または前記オーガ最上昇スイッチがオフでかつ前記排出オーガの上昇時間を計数し、実上昇時間が設定以上になったときに排出オーガを所定位置に旋回させ、かつ
排出オーガの旋回位置を検出するオーガ位置センサによって検出する排出オーガ旋回量がセット位置と一致したとき、オーガ旋回モータを停止させかつオーガ旋回ブレーキを動作させるように構成したことを特徴とするコンバイン。
Priority Applications (1)
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