JPH1172963A - トナー母粒子、及びトナー並びに現像剤 - Google Patents

トナー母粒子、及びトナー並びに現像剤

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JPH1172963A
JPH1172963A JP23573597A JP23573597A JPH1172963A JP H1172963 A JPH1172963 A JP H1172963A JP 23573597 A JP23573597 A JP 23573597A JP 23573597 A JP23573597 A JP 23573597A JP H1172963 A JPH1172963 A JP H1172963A
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JP
Japan
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water
toner
pigment
och
yellow toner
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JP23573597A
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English (en)
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Masaaki Kaneko
正明 金子
Akio Sato
昭生 佐藤
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、フルカラーの複写機やプリンター
等を使用してフルカラー画像を形成した時に、鮮明で十
分な色再現性、発色性が得られる静電荷像現像用トナー
母粒子、及びトナー並びに現像剤を提供することを目的
とする。 【解決手段】 ジクロロベンジジン又はテトラクロロベ
ンジジンをテトラゾ成分とし、特定のアセトアセトアニ
リド類と特定のピラゾロン類から選ばれる少なくとも一
種の化合物を主カップラー成分とし、特定の塩基性カッ
プラー及び特定の酸性カップラーから選ばれる少なくと
も一種の化合物とを混合カップリングすることにより得
られる不溶性アゾ顔料(A)、水溶性の無機塩(B)、
及び水溶性の溶剤(C)の少なくとも3つの成分からな
る混合物を機械的に混練して不溶性アゾ顔料(A)を微
細化し、その後水溶性の無機塩(B)及び水溶性の溶剤
(C)を水洗除去して成る処理不溶性アゾ顔料(D)を
含有することを特徴とする静電荷像現像用トナー母粒
子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真、静電記
録、静電印刷等に於ける静電潜像を現像する時に使用さ
れる静電荷像現像用イエロートナー母粒子、及び該トナ
ー母粒子を使用して形成される現像剤に関する。複写等
を行った時に、鮮明で十分な色再現性、発色性が得られ
る静電荷像現像用イエロートナー母粒子、及び該イエロ
ートナー母粒子を使用して形成されたイエロートナー並
びにイエロー現像剤に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、複写機及びプリンター等に於いて
フルカラー画像への展開が急速に進みつつあり、その実
用化も大きくなされている。しかし写真や印刷物等と比
較すると、現在実用化されているフルカラー電子写真画
像は、必ずしも満足し得る画質まで到達しているとは言
い難い。また近年、コンピュータやハイビジョン等の進
歩発展により、更に高精細なフルカラー画像を形成する
方法が強く要望されている。この為に、フルカラー電子
写真画像を更に高品質化することが強く求められてい
る。
【0003】電子写真法は、一般に静電潜像をトナーを
用いて現像する。その方法には大きく分類して、トナー
をキャリアと呼ばれる媒体に少量分散させた二成分系現
像剤を用いる方法と、キャリアを用いない一成分系現像
剤を用いる方法がある。フルカラーの電子写真の場合、
キャリアとトナーを混合攪拌して用いる二成分系現像剤
がしばしば使用される。
【0004】フルカラー電子写真法によるカラー画像形
成は、一般に3原色であるマゼンタ、シアン、イエロー
の3色、好ましくは墨入れ用としてブラックの4色のカ
ラートナーを用いて全ての色の再現を行うものである。
その方法は例えば、先ず原稿からの光をアナログ又はデ
ジタル的に色分解し、感光体の光導電層に導き、1色目
の静電潜像を形成する。続いて現像、転写工程を経てト
ナーは紙の様な被記録体上に保持される。更に2色目以
降についても前述の工程を順次複数回行い、同一被記録
体上に複数色のトナーが重ね合わせられ、一回の定着に
よって最終のフルカラー画像が得られる。
【0005】フルカラー複写機やフルカラープリンター
等を使用して、オーバー・ヘッド・プロジェクター(以
下、OHPと省略する。)用シートの様な透明基材上に
フルカラー画像を形成することも増加してきた今日、フ
ルカラーの画像形成に供されるトナーには、従来の最も
一般的な黒色のトナーの場合と同様に、種々の特性、例
えば安定した帯電性や良好な流動性が求められる他に、
透明性、鮮明性、色再現性等がさらに要求される。即
ち、フルカラー画像は、上記したように被転写材上に複
数色のトナーが重ね合わせられる事によって得られる為
に、個々のトナーの光透過性が不足すると、色再現性が
悪化し、鮮明な画像を得ることが困難となる。特にOH
P用シートの様な透明基材上にフルカラー画像を形成し
た時にこの現象は著しく、良好な透明画像が得難い。
【0006】その対策として顔料の分散の程度を上げ
る、即ちトナー中の顔料粒径をより小さくすることが考
えられる。一般に顔料の粒子径を小さくして分散度を上
げていくと顔料分散体の透明性が向上する。しかし、サ
ンドミル、3本ロールミル、ボールミル、エクストルー
ダー等の通常の分散機は、主に顔料の二次粒子(一次粒
子が弱く凝集している)を壊して一次粒子にするだけで
あり、これら通常の分散機では顔料をより微細化するこ
とは困難である。高速のサンドミル等を用いることによ
って、顔料の種類によってはさらに顔料を微細化するこ
とも可能ではあるが、非常に多大なエネルギーを必要と
する。
【0007】顔料を微細化する他の方法として、顔料と
固形樹脂を加熱しながら2本ロールやバンバリーミキサ
ー等で強力に練り込む方法も知られている。しかし、顔
料は一般に高温下では結晶成長するので、かかる方法で
は機械的な破砕と結晶成長とが平衡状態になった時に終
点となり、顔料の微細化には限界がある。
【0008】更に顔料の一次粒子を細かくする方法とし
て、顔料と食塩等の水溶性無機塩の混合物を少量の水溶
性の溶剤で湿潤したものを、ニーダー等で強く練り込ん
だ後、無機塩と溶剤を水洗除去、乾燥して一次粒子の細
かい顔料を得る方法がある。この方法は、一般には食塩
を磨砕剤として用い、粗製銅フタロシアニンを水溶性の
有機溶剤の共存下で機械的に磨砕するβ型銅フタロシア
ニンの顔料化方法として知られている。この場合,水溶
性の有機溶剤は、粘結剤としての働きとβ型結晶がニー
ダーによる機械的剪断力によりα型結晶に結晶転移する
のを防ぐ為に用いられる。一般的には、この方法はソル
ベントソルトミリングと呼ばれ、単に磨砕剤を用いない
で機械的に微細化する方法(ドライミリングと呼ばれて
いる)とは区別されている。又、広義ではソルベントを
用いないソルトミリングもドライミリングと呼ばれる。
しかし、この方法では乾燥の際に顔料が強い二次凝集を
起こし易く、顔料粒径が大きくなってしまう問題があ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した従
来の方法の問題点を解決し、フルカラーの複写機やプリ
ンター等を使用してフルカラー画像を形成した時に、鮮
明で十分な色再現性、発色性が得られる静電荷像現像用
イエロートナー及び該イエロートナーとキャリアを含有
するイエロー現像剤の提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決する為の手段】第1の発明は,ジクロロベ
ンジジン又はテトラクロロベンジジンをテトラゾ成分と
し、下記一般式(1)及び一般式(2)から選ばれる少
なくとも一種の化合物を主カップラー成分として、下記
一般式(3)及び一般式(4)から選ばれる少なくとも
一種の化合物とを混合カップリングすることにより得ら
れる不溶性アゾ顔料(A)、水溶性の無機塩(B)、及
び水溶性の溶剤(C)の少なくとも3つの成分からなる
混合物を機械的に混練して不溶性アゾ顔料(A)を微細
化し、その後水溶性の無機塩(B)及び水溶性の溶剤
(C)を水洗除去して成る処理不溶性アゾ顔料(D)を
含有することを特徴とする静電荷像現像用イエロートナ
ー母粒子である。
【0011】一般式(1)
【化5】
【0012】(R1 、R 2及びR3 は、それぞれ独立に
H、CH3 、OCH3 、OC 2 5またはClを表
す。)
【0013】一般式(2)
【化6】
【0014】(R 4はH、CH3 、OCH3 、Cl、O
H又はCOOC 2 5を表し、R5 はH、CH3 、OC
3 又はCOOC 2 5を表す。)
【0015】一般式(3)
【化7】
【0016】(R6 、R7 、R 8は、それぞれ独立に、
H、CH3 、OCH3 、OC 2 5、Cl、NH 2、X
−NR 9 9’又はX−NH(CH 2n NR 9 9
を表し(但し、R6 、R7 、R 8のうち、少なくとも一
つは、NH 2、X−NR 9 9’またはX−NH(CH
2n NR 9 9’である。)、Xは直接結合又はS、
C、N、O、Hから選ばれる2〜50個の原子で構成さ
れる化学的に合理的な組み合わせから成る2価の結合基
を表し、nは1〜4の整数を表し、R 9、R 9’はそれ
ぞれ独立に水素原子、炭素数1〜18のアルキル基を表
すか、又はR 9、R 9’とで窒素原子又は酸素原子を含
んでも良い、炭素数5以下のアルキル基を置換基として
有してもよい5員又は6員のヘテロ環を表す。)
【0017】一般式(4)
【化8】
【0018】(R10、R11、R12は、それぞれ独立に、
H、CH3 、OCH3 、OC 2 5、Cl、SO3 H、
COOH、COOM又はSO3 Mを表し(但し、R10
11、R12のうち、少なくとも一つは、SO3 H、CO
OH、COOM又はSO3 Mである。)、Mは金属又は
アミン塩を表す。)
【0019】第2の発明は、水溶性の溶剤(C)に対し
て、水溶性の無機塩(B)を重量比で2〜20倍使用す
ることを特徴とする第1の発明記載の静電荷像現像用イ
エロートナー母粒子である。
【0020】第3の発明は,第1又は第2の発明記載の
静電荷像現像用イエロートナー母粒子と、外添剤とを混
合して成ることを特徴とする静電荷像現像用イエロート
ナーである。
【0021】第4の発明は、第3の発明記載の静電荷像
現像用イエロートナーと、キャリアとを混合して成るこ
とを特徴とするイエロー現像剤である。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明では、特定の不溶性アゾ顔
料(A)に、破砕助剤として水溶性の無機塩(B)を加
え、かかる混合物に湿潤剤として少量の水溶性の溶剤
(C)を加え、ニーダー等で強く練り込んだ後、水中に
投入し水溶性の無機塩(B)、水溶性の溶剤(C)を溶
解させスラリー状とし、次にこのスラリーの濾過、水洗
を繰り返して無機塩(B)と溶剤(C)を除去すること
によって、微細化された処理不溶性アゾ顔料(D)(以
下、処理顔料(D)と略す)を得、かかる処理顔料
(D)をトナー母粒子の着色剤として用いることによっ
て、従来法より透明で且つ鮮明性に優れた画像を得るこ
とができるようになったものである。
【0023】本発明における不溶性アゾ顔料(A)は、
上記したようにテトラゾ成分と,複数のカップラー成分
とを反応せしめるものであるが、特にテトラゾ成分とし
て3、3’─ ジクロロベンジジン又は2、2’、5、
5’─ テトラクロロベンジジンを用い、一般式(1)
で表されるアセトアセトアニリド類及び一般式(2)で
表されるピラゾロン類から選ばれる一種又は2種以上の
カップリング成分と塩基性カップラー又は酸性カップラ
ーとを混合カップリングすることにより得られる不溶性
アゾ顔料であることが望ましい。
【0024】一般式(1)で表されるアセトアセトアニ
リド類の具体例として、アセトアセトアニリド、アセト
アセト−m−キシリド、アセトアセト−o−トルイジ
ド、アセトアセト−p−トルイド、アセトアセト−o−
アニシジド、アセトアセト−p−アニシジド、アセトア
セト−p−エトキシアニリド、アセトアセト−o−クロ
ロ−p−メトキシアニリド、アセトアセト−2、5−ジ
メトキシアニリド、アセトアセト−p−クロロアニリ
ド、アセトアセト−2、5−ジメトキシ−4−クロロア
ニリドが挙げられる。一般式(2)で表されるピラゾロ
ン類の具体例としては、N−フェニル−3−メチルピラ
ゾロン、N−p−トリル−3−メチルピラゾロン、N−
フェニル−3−プロピオニルオキシピラゾロンが挙げら
れる。
【0025】混合カップリングによって得られた顔料
は、化学構造が異なる分子が結晶構想中でランダムに配
列するため、それぞれ別々にカップリングして得られた
顔料と比較して粒子の大きさ、形、表面積、結晶性等が
異なる。特にアセトアセトアニリド類と塩基性カップラ
ー又は酸性カップラーとの混合カップリングではその効
果が著しく、ソルトミリング時での耐熱性に優れた微細
な顔料が得られる。
【0026】一般式(3)の塩基性カップラーの具体例
としては、4−アセトアセチルアミノ−N−〔3−(ジ
エチルアミノ)プロピル〕ベンゼンスルホンアミド、4
−アセトアセチルアミノ−N−〔3−(2−メチルピペ
コリル)プロピル〕ベンゼンスルホンアミド、4−アセ
トアセチルアミノ−N−〔3−(ジエチルアミノ)プロ
ピル〕−3−クロロベンゼンカルボアミド、4−アセト
アセチルアミノ−N−〔3−(ジプロピルアミノ)プロ
ピル〕−3−メチルベンジルアミン、4−アセトアセチ
ルアミノベンズアミド、アセトアセトオルソ−N−メチ
ルアミノアニリド、アセトアセトオルソ−N−ステアリ
ルアミノアニリド、アセトアセト−2−クロロ−4−
N、N−ジメチルアミノアニリド、アセトアセト−2−
ヒドロキシ−4−N、N−ジメチルアミノアニリド、3
−アセトアセチルアミノベンゼンスルホニルアミド等が
挙げられる。
【0027】一般式(4)の酸性カップラーの具体例と
しては、アセトアセト−2−カルボキシアニリド、アセ
トアセト−2−カルボキシ−4−クロロアニリド、アセ
トアセト−2−カルボキシ−4−メチルアニリド、アセ
トアセト−2−カルボキシ−5−メチルアニリド、アセ
トアセト−2−カルボキシ−4−ヒドロキシアニリド、
アセトアセト−p−スルホニルアニリド、アセトアセト
−2−スルホニル−4−クロロアニリド、アセトアセト
−2−スルホニル−5−ヒドロキシアニリド、4−アセ
トアセトアミノベンゼンスルホン酸、並びに此れらのナ
トリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、バリウム塩、
ストロンチウム塩、マンガン塩、亜鉛塩、マグネシウム
塩、アルミニウム塩、4級アンモニウム塩等が挙げられ
る。
【0028】テトラゾ化の方法、カップリング方法は公
知の方法で良い。酸性又は塩基性カップラーの添加量
は、カップラー成分中0.1〜30重量%、好ましくは
1から10重量%である。この量が多いと顔料の分散に
悪い影響を与え、少ないとニーディングの際の耐熱性に
効果を十分に発揮出来ない。このカップリングスラリー
をそのまま加熱するか、若しくは水酸化ナトリウムを加
えてpH10以上のアルカリ側にしてロジンのナトリウ
ム塩を加え、80℃まで加熱攪拌し、30分放置後、塩
酸を加えpH5以下の酸性にして顔料表面をロジンで被
覆する。これを濾過、水洗する。この乾燥顔料を粉砕機
で粉砕してパウダー状にする。
【0029】ソルトミリングに使用される水溶性の無機
塩(B)としては、食塩、塩化カリウム、芒硝等が挙げ
られる。
【0030】又、ソルトミリングに使用される水溶性の
溶剤(C)は、水溶性であれば特に限定されないが、ソ
ルトミリング時に温度が上昇し、溶剤が蒸発し易い状態
になる為に、安全性の点からも高沸点の溶剤が好まし
い。例として、2−(メトキシメトキシ)エタノール、
2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)
エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエ
チレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエ
ーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレン
グリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、液体ポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−
プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、1−
エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコー
ル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプ
ロピレングリコールモノエチルエーテル、低分子量ポリ
プロピレングリコール等が用いられる。
【0031】上記化合物の他に、ソルトミリング時に分
散剤、可塑剤等の添加剤を併用しても良く、又は2種以
上の顔料を混合して処理しても良い。本発明において
は、上記のようなソルトミリング処理を行った処理顔料
(D)を着色剤として用い、静電荷像現像用トナー母粒
子を形成する。好ましい処理顔料の粒子径としては、レ
ーザー散乱による測定において平均粒径が1.0μm以
下、更に好ましくは0.2mμ以下である。このような
粒径であると、画像を形成した時に透明性及び鮮明性が
極めて優れる。
【0032】本発明のトナー母粒子は、常法に従い、得
ることができる。即ち、上記処理顔料(D)にバインダ
ー樹脂、必要に応じてその他荷電制御剤や添加剤等を加
えて、ヘンシェルミキサー等で予備混合を行い、その後
エクストルーダー等を用いて溶融混練を行う。次いで冷
却後ハンマーミル等で粗粉砕し、ジェットミル等で微粉
砕すし、風力分級機等で分級し、平均粒径5〜20μm
程度の所定の粒度分布を有する分級品を得ればよい。
【0033】本発明のトナー母粒子のバインダー樹脂と
しては、従来公知のものが広く使用可能であるが、画像
の透明性を考慮すると無色透明の樹脂がより好適であ
る。例えばポリスチレン、スチレン−アクリル酸エステ
ル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化樹
脂、スチレン−酢酸ビニル共重合体、ロジン変性マレイ
ン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステ
ル樹脂、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレ
ン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン
樹脂、ロジン・エステル、ロジン等を挙げる事が出来
る。何れの樹脂もその製造方法は特に制約されるもので
はない。
【0034】本発明のトナー母粒子は、荷電制御剤を配
合することも好ましい。荷電制御剤としては、正・負帯
電いずれも公知のものが全て使用出来るが、画像の色調
に影響を与えない無色又は淡色の荷電制御剤が好まし
い。例えばアルキル置換サリチル酸の金属錯体(例えば
ジターシャリーブチルサリチル酸のクロム錯体、アルミ
ニウム錯体、又は亜鉛錯体等)の様な有機金属錯体等が
好適に使用できる。
【0035】本発明のトナー母粒子には、流動性向上
剤、クリーニング助剤等として、種々の粒子を外添剤と
して配合することも好ましい。外添剤としては公知のも
のが全て使用出来る。例えば0.01〜0.5μmのシ
リカ、アルミナ、酸化チタン等の金属酸化物、炭化珪
素、炭化タングステン等の研磨剤、ステアリン酸亜鉛、
ステアリン酸アルミニウム等の脂肪酸金属塩等の滑剤、
その他1〜50μmのポリテトラフロロエチレン、ポリ
ビニリデンフロライド、ポリメタアクリレート、ポリス
チレン、シリコーン等の微粉末を添加することが好適で
ある。此れ等の混合物、更に此れ等微粉末を各種表面処
理した外添剤を添加することも好適である。
【0036】本発明の現像剤は、上記トナーとキャリア
とを混合してなるものであり、従来公知の方法で得るこ
とができ、特に制約されるものではない。本発明の現像
剤に用いられるキャリアとしては、既知のキャリアは全
て使用可能である。一般に二成分現像剤を構成するキャ
リアは導電性キャリアと絶縁性キャリアに大別される。
導電性キャリアとしては、通常、酸化又は未酸価の鉄粉
等が用いられる。絶縁性キャリアとしては、一般に強磁
性体より成るキャリアコア材粒子の表面を絶縁性樹脂に
より均一に被覆したキャリアが代表的である。キャリア
のコア材としては、例えば、酸化鉄(マグネタイト)、
還元鉄、銅、フェライト、ニッケル、コバルト等やこれ
らと亜鉛、アルミニウム等との合金の粒子を挙げること
が可能である。被覆樹脂としては、アクリル樹脂、エポ
キシ樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、ポリアセタ
ール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、フ
ェノール樹脂、酢酸ビニル樹脂、セルロース樹脂、ポリ
オレフィン樹脂、フッ素樹脂、アミノ樹脂等の公知の材
料のいずれのものでもよい。キャリアとしては20〜2
00μm程度の大きさのものが好ましい。また、一般的
に現像剤中にはトナーを1〜30重量%含有することが
好ましい。
【0037】
【実施例】以下実施例に基づいて本発明を説明する。例
中部とあるは、重量部を示す。 [実施例1]3、3’−ジクロロベンジジン25.3部
を常法に従ってテトラゾ溶液を得た。一方、アセトアセ
ト−o−トルイジド36.3部、塩基性カップラーであ
る4−アセトアセチルアミノ−N−[3−(ジエチルア
ミノ)プロピル]ベンゼンスルホンアミド3.7部を用
いて常法に従って下漬液を調整した。この下漬液にテト
ラゾ溶液を加えてカップリングさせてなる顔料スラリー
を80℃まで加熱後30分放置し、このスラリーを濾
過、水洗し、乾燥した。粉砕機で粉砕してパウダー状に
した。この顔料(A−1):250部、塩化ナトリウ
ム:2500部、及びジエチレングリコール200部
(東京化成製)をステンレス製1ガロンニーダー(井上
製作所製)に仕込み、3時間混練した。次にこの混合物
を2.5リットルの温水に投入し、約80℃に加熱しな
がらハイスピードミキサーで約1時間撹拌してスラリー
状とした後、濾過、水洗を5回繰り返して塩化ナトリウ
ム及び溶剤を除き、これを乾燥粉砕して、処理顔料(ト
ナー用着色剤)として用いる。
【0038】 上記トナー用着色剤 3.0部 不飽和ポリエステル樹脂 100.0部 負帯電荷電制御剤 3.0部 上記各処方量をヘンシェルミキサーで予備混合を行い、
二軸エクストルーダーにて溶融混練を行う。冷却後、ハ
ンマーミルを用いて粗粉砕し、更にジェットミルにて微
粉砕した後、風力分級機で平均粒径10.0μmのトナ
ー母粒子を得る。上記トナー母粒子100部に酸化チタ
ン微粉末を0.4部添加し、ヘンシェルミキサーで混合
して、トナーを得る。
【0039】得られたトナーをフェライト100部に対
し6部加え、ボールミル混合機で混合して現像剤を得
た。この現像剤を用い市販のフルカラー複写機(CLC
350、キャノン製)により画像を得たところ、鮮明で
十分な色再現性、発色性が得られた。又、得られたトナ
ーを熱プレスにより溶融させ、ガラス板上に均一な薄層
を作り、光学顕微鏡により顔料の分散状態を観察したと
ころ、凝集の無い非常に良好な分散状態になっているこ
とが確認出来た。
【0040】[実施例2]実施例1のアセトアセト−o
−トルイジドの代わりにアセトアセト−o−アニシジド
36.0部、アセトアセト−2、5−ジメトキシ−4−
クロロアニリド5.2部、塩基性カップラーとして4−
アセトアセチルアミノベンズアミド1.5部を用いた他
は実施例1と同様にして顔料(A−2)を得た。これを
用い実施例1と同様にして、処理顔料を得、その後、実
施例1と同様にして静電荷像現像用トナー母粒子、及び
トナー並びに現像剤を形成した。その結果は実施例1と
同様であった。
【0041】[実施例3]実施例1のアセトアセト−o
−トルイジドの代わりにアセトアセト−o−クロロアニ
リド42.3部、塩基性カップラーとして4−アセトア
セチルアミノ−N−[3−(ジメチルアミノ)プロピ
ル]ベンベンカルボアミド4.0部を用いた他は実施例
1と同様にして顔料(A−3)を得た。これを用い実施
例1と同様にして、処理顔料を得、その後、実施例1と
同様にして静電荷像現像用トナー母粒子、及びトナー並
びに現像剤を形成した。その結果は実施例1と同様であ
った。
【0042】〔実施例4〕実施例1のアセトアセト−o
−トルイジドの代わりにアセトアセトアニリド33.6
部、塩基性カップラーとして4−アセトアセチルアミノ
−N−〔3−(ジエチルアミノ)プロピル〕ベンジルア
ミン3.2部を用いた他は実施例1と同様にして顔料
(A−4)を得た。これを用い実施例1と同様にして、
処理顔料を得、その後、実施例1と同様にして静電荷像
現像用トナー母粒子、及びトナー並びに現像剤を形成し
た。その結果は実施例1と同様であった。
【0043】〔実施例5〕実施例1のアセトアセト−o
−トルイジドの代わりにアセトアセトアニリド33.6
部、塩基性カップラーとして4−アセトアセチルアミノ
−N−〔3−(2−メチルピペコニル)プロピル〕ベン
ジルアミン4.0部を用いた他は実施例1と同様にして
顔料(A−5)を得た。これを用い実施例1と同様にし
て、処理顔料を得、その後、実施例1と同様にして静電
荷像現像用トナー及び現像剤を形成した。その結果は実
施例1と同様であった。
【0044】〔実施例6〕実施例1のアセトアセト−o
−トルイジドの代わりにアセト−m−キシリド35.2
部、塩基性カップラーの代わりに酸性カップラーとして
4−アセトアセチルアミノベンゼンスルホン酸ソーダ
2.3部を用いた他は実施例1と同様にして顔料(A−
6)を得た。これを用い実施例1と同様にして、処理顔
料を得、その後、実施例1と同様にして静電荷像現像用
トナー母粒子、及びトナー並びに現像剤を形成した。そ
の結果は実施例1と同様であった。
【0045】〔実施例7〕アセトアセト−o−トルイジ
ド34.4部、塩基性カップラーの代わりに酸性カップ
ラーとしてアセトアセト−o−カルボキシアニリド4.
4部を用いた他は実施例1と同様にして顔料(A−7)
を得た。これを用い実施例1と同様にして、処理顔料を
得、その後、実施例1と同様にして静電荷像現像用トナ
ー母粒子、及びトナー並びに現像剤を形成した。その結
果は実施例1と同様であった。
【0046】〔実施例8〕アセトアセト−o−トルイジ
ドの代わりにアセトアセト−p−トルイジド34.4部
塩基性カップラーの代わりに酸性カップラーとしてアセ
トアセト−2−カルボキシ−4−ヒドロキシアニリド
4.7部を用いた他は実施例1と同様にして顔料(A−
8)を得た。これを用い実施例1と同様にして、処理顔
料を得、その後、実施例1と同様にして静電荷像現像用
トナー母粒子、及びトナー並びに現像剤を形成した。そ
の結果は実施例1と同様であった。
【0047】[実施例9]3、3’−ジクロロベンジジ
ン25.3部を常法に従ってテトラゾ溶液を得た。一
方、N−フェニル−3−メチルピラゾロン31.3部と
塩基性カップラーである4−アセトアセチルアミノベン
ゼンスルホン酸第4アンモニウム塩4.5部を用いて常
法に従って下漬液を調整した。この下漬液にテトラゾ溶
液を加えてカップリングさせて成る顔料スラリー80℃
まで加熱後30分放置し、このスラリーを濾過、水洗
し、乾燥し、粉砕機で粉砕してパウダー状にした。この
顔料(A−9)を用い実施例1と同様にして処理顔料を
得、その後、実施例1と同様にして静電荷像現像用トナ
ー母粒子、及びトナー並びに現像剤を形成した。その結
果は実施例1と同様であった。
【0048】〔比較例1〕アセトアセト−o−トルイジ
ドを38.2部用い,塩基性のカップラーを使用しなか
った以外は実施例1と同様にして顔料を得た。これを用
い実施例1と同様にして、固形分50%の顔料水性分散
体を得、乾燥して処理顔料を得、その後、実施例1と同
様にして静電荷像現像用トナー母粒子、及びトナー並び
に現像剤を形成し,同様にして画像を得たところ著しく
画質が低下していた。
【0049】
【発明の効果】本発明により、トナー中の顔料粒径が小
さく、鮮明で十分な色再現性、発色性が得られる静電荷
像現像用トナー母粒子、及びトナー並びに現像剤が得ら
れた。光学顕微鏡によるトナー中の顔料の分散状態を観
察したところ、凝集の無い非常に良好な分散状態になっ
ていることが確認出来た。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジクロロベンジジン又はテトラクロロベ
    ンジジンをテトラゾ成分とし、下記一般式(1)及び一
    般式(2)から選ばれる少なくとも一種の化合物を主カ
    ップラー成分として、下記一般式(3)及び一般式
    (4)から選ばれる少なくとも一種の化合物とを混合カ
    ップリングすることにより得られる不溶性アゾ顔料
    (A)、水溶性の無機塩(B)、及び水溶性の溶剤
    (C)の少なくとも3つの成分からなる混合物を機械的
    に混練して不溶性アゾ顔料(A)を微細化し、その後水
    溶性の無機塩(B)及び水溶性の溶剤(C)を水洗除去
    して成る処理不溶性アゾ顔料(D)を含有することを特
    徴とする静電荷像現像用イエロートナー母粒子。 一般式(1) 【化1】 (R1 、R 2及びR3 は、それぞれ独立にH、CH3
    OCH3 、OC 2 5またはClを表す。) 一般式(2) 【化2】 (R 4はH、CH3 、OCH3 、Cl、OH又はCOO
    2 5を表し、R5 はH、CH3 、OCH3 又はCO
    OC 2 5を表す。) 一般式(3) 【化3】 (R6 、R7 、R 8は、それぞれ独立に、H、CH3
    OCH3 、OC 2 5、Cl、NH 2、X−NR
    9 9’又はX−NH(CH 2n NR 9 9’を表し
    (但し、R6 、R7 、R 8のうち、少なくとも一つは、
    NH 2、X−NR 9 9’またはX−NH(CH 2n
    NR 9 9’である。)、Xは直接結合又はS、C、
    N、O、Hから選ばれる2〜50個の原子で構成される
    化学的に合理的な組み合わせから成る2価の結合基を表
    し、nは1〜4の整数を表し、R 9、R 9’はそれぞれ
    独立に水素原子、炭素数1〜18のアルキル基を表す
    か、又はR 9、R 9’とで窒素原子又は酸素原子を含ん
    でも良い、炭素数5以下のアルキル基を置換基として有
    してもよい5員又は6員のヘテロ環を表す。) 一般式(4) 【化4】 (R10、R11、R12は、それぞれ独立に、H、CH3
    OCH3 、OC 2 5、Cl、SO3 H、COOH、C
    OOM又はSO3 Mを表し(但し、R10、R11、R12
    うち、少なくとも一つは、SO3 H、COOH、COO
    M又はSO3 Mである。)、Mは金属又はアミン塩を表
    す。)
  2. 【請求項2】 水溶性の溶剤(C)に対して、水溶性の
    無機塩(B)を重量比で2〜20倍使用することを特徴
    とする請求項1記載の静電荷像現像用イエロートナー母
    粒子。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の静電荷像現像用イ
    エロートナー母粒子と、外添剤とを混合して成ることを
    特徴とする静電荷像現像用イエロートナー。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の静電荷像現像用イエロー
    トナーと、キャリアとを混合して成ることを特徴とする
    イエロー現像剤。
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