JPH1171192A - 分解性被膜被覆粒状肥料およびその製造方法 - Google Patents

分解性被膜被覆粒状肥料およびその製造方法

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JPH1171192A
JPH1171192A JP10052707A JP5270798A JPH1171192A JP H1171192 A JPH1171192 A JP H1171192A JP 10052707 A JP10052707 A JP 10052707A JP 5270798 A JP5270798 A JP 5270798A JP H1171192 A JPH1171192 A JP H1171192A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被膜の力学的強度に優れ、溶出後の被膜が自
然環境下で分解され、且つ初期溶出の抑制が良好、長期
にわたる溶出制御が可能な分解性被膜被覆粒状肥料の提
供する。 【解決手段】 重量平均分子量300〜10,000の
ポリオレフィンおよび/又は石油ワックスとエチレン−
酢酸ビニル共重合体および/又はエチレンーα−オレフ
ィン共重合体、又は、重量平均分子量300〜10,0
00のポリオレフィンおよび/又は石油ワックスとエチ
レン−酢酸ビニル共重合体および/又はエチレンーα−
オレフィン共重合体、無機充填剤(例えばタルク;5〜
80重量%)および/又は界面活性剤(例えばポリオキ
シエチレンモノステアレート;0.01〜20重量%)
を含有する被膜で粒状肥料を被覆する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は肥料の表面を樹脂や
無機物などで被覆した被覆粒状肥料に関するものであ
り、特に自然環境下に於ける分解性に優れた被膜で被覆
された被覆粒状肥料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、肥料を緩効性にしようとするもの
には次のような技術が知られている。すなわち、まず第
一には化学的緩効性肥料である。これはCDU化成やI
B化成に代表されるように、一定の反応速度を有する化
学反応により肥料成分の溶出を制御する技術である。第
二には、肥料の表面を一定の被膜により被覆することに
より内部の肥料の溶出を制御するものである。
【0003】被膜の種類はこれまでいくつかのものが知
られている。即ち、まず第一には硫黄を主成分とする被
膜により粒状肥料を被覆するものである。しかしながら
硫黄はその酸化物が土壌の酸性化の原因となるととも
に、力学的強度が極めて悪いという欠点を有するもので
あった。第二にはアルキッド樹脂である。アルキッド樹
脂も力学的強度に乏しく、ことに耐衝撃性、耐磨耗性に
乏しいため、結果として、満足のいく緩効性、即ち溶出
コントロール性を発現することができなかった。第三に
はウレタン系樹脂である。ウレタン系樹脂は力学的強度
は比較的高いものの、製造上の問題や高価であるなどの
問題点を有する。第四には特公昭60−37074号公
報等に記載のポリオレフィン系樹脂である。本ポリオレ
フィン系樹脂は力学的強度に優れるとともに溶出特性も
優れているが、溶出後の被膜の自然環境下に於ける分解
性については必ずしも十分満足いくものではなかった。
【0004】以上の技術に加えて近年、溶出後の残留被
膜が自然環境下で主として微生物分解、光分解され、土
壌中に被膜が残留せず、且つ良好な土中溶出制御が可能
な被覆肥料を提供する種々の試みがなされている。米国
特許3,295,950号明細書では被覆材料として硫
黄を使用し、更にこの表面をワックス類を用いてシール
する技術が開示されている。しかし、特開昭55−16
7197号公報に記載の通りこの被膜は脆く溶出コント
ロールは困難であり、シールに使用したワックス類が比
較的早期に微生物分解される為、土壌条件により肥効の
発現が大きく変動する欠点があることが知られている。
また、米国特許3,372,019号明細書、カナダ特
許758,968号明細書にはワックスとエチレン−酢
酸ビニル共重合体の溶融混合物による被覆肥料が記載さ
れているが、これは溶出制御が不十分であり初期溶出の
抑制、長期にわたる溶出制御は困難であった。
【0005】光分解性被膜を利用するものとしては、例
えば特公平7ー91143号公報に記載されているよう
な有機金属錯体を含有するビニル樹脂で被覆する技術、
特公平2−23516号公報に記載のエチレン−一酸化
炭素共重合体、エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重
合体等の光分解性の共重合体を被覆材とする技術、特開
平8−59382号公報に記載のプロピレンとエチレン
および/又はブテン−1を共重合させた非晶質ポリオレ
フィンで被覆する技術が公知であるがこれらはいずれも
光が当たらない土壌中ではほとんど被膜の分解が起こら
ないという欠点を有する。
【0006】微生物分解性被膜を利用したものとして
は、例えば特公平2−23517号公報にはポリ3−ハ
イドロオキシ−3−アルキルプロピオン酸を使用する技
術が、特開平3−146492号公報にはポリカプロラ
クトンを使用する技術が、特開平7ー315976号公
報には脂肪族ポリエステルを使用する技術が、さらに特
開平7−33577号公報にはポリ乳酸を使用する技術
が開示されている。これらの技術では使用されるポリ3
−ハイドロオキシ−3−アルキルプロピオン酸、ポリカ
プロラクトン、脂肪族ポリエステル、ポリ乳酸等の生分
解性樹脂の含有率が高いと被膜の親水性が大きくなるた
め溶出速度が速くなりすぎ、更には溶出期間中に被膜の
分解が起るなどの理由により、短期で溶出が完了する分
解性被膜被覆粒状肥料は得られるものの、長期にわたり
溶出する分解性被膜被覆粒状肥料を得ることができなか
った。一方、生分解性樹脂の含有率が低いと溶出制御は
良好となるが被膜の分解性が不十分となる。
【0007】また、特開平7−33576号公報にはポ
リカプロラクトン等の生分解性樹脂と低分子量ポリエチ
レン、ワックス等の膜材を多層被覆する技術が開示され
ているがこれは被膜の力学的強度が乏しく、初期溶出の
抑制も不十分であった。以上のように従来の技術は溶出
制御性、被膜の力学的強度と被膜の分解性を同時に満た
すものではなかった。本発明者らは特定の重量平均分子
量を有するポリオレフィン及び/又は石油ワックス化合
物を特定量含有する被膜で被覆されていることを特徴と
する被覆粒状肥料が上記問題点を解決することを見出
し、特願平9−35228号として特許出願した。その
技術は溶出制御性と被膜の分解性を同時に満たすもので
はあるがさらに被膜の力学的強度の高いものが望まれて
いる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、被膜の力学
的強度に優れ、溶出後の被膜が自然環境下で分解され、
初期溶出の抑制が良好であり、長期にわたる溶出制御可
能な分解性被膜被覆粒状肥料およびその製造方法を提供
することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題点
について種々検討した結果、特定の重量平均分子量を有
するポリオレフィン及び/又は石油ワックス特定量とエ
チレン−酢酸ビニル共重合体とを含有し、かつ、前記エ
チレン−酢酸ビニル共重合体と前記ポリオレフィンおよ
び/又は石油ワックスの重量比が特定値である被膜で被
覆されていることを特徴とする被覆粒状肥料が上記問題
点を解決することを見出し、本発明の完成に至った。即
ち、本発明は下記の通りである。
【0010】(1)重量平均分子量300〜10,00
0のポリオレフィンおよび/又は石油ワックス10重量
%以上と、エチレン−酢酸ビニル共重合体および/又は
重量平均分子量が20,000以上、重量平均分子量と
数平均分子量の比が1〜3であり、かつ密度が0.8〜
0.9g/cm3 であるエチレンーα−オレフィン共重
合体とを含有し、かつ、前記エチレン−酢酸ビニル共重
合体および/又はエチレンーα−オレフィン共重合体と
前記ポリオレフィンおよび/又は石油ワックスとの重量
比が0.01〜2.0である分解性被膜で被覆されてい
ることを特徴とする被覆粒状肥料。
【0011】(2)重量平均分子量300〜10,00
0のポリオレフィンおよび/又は石油ワックス10重量
%以上と、エチレン−酢酸ビニル共重合体および/又は
重量平均分子量が20,000以上、重量平均分子量と
数平均分子量の比が1〜3であり、かつ密度が0.8〜
0.9g/cm3 であるエチレンーα−オレフィン共重
合体と、無機充填材および/又は界面活性剤とを含有
し、かつ、前記エチレン−酢酸ビニル共重合体および/
又はエチレンーα−オレフィン共重合体と前記ポリオレ
フィンおよび/又は石油ワックスの重量比が0.01〜
2.0である分解性被膜で被覆されていることを特徴と
する(1)に記載の被覆粒状肥料。
【0012】(3)重量平均分子量300〜10,00
0のポリオレフィンおよび/又は石油ワックス10〜9
4重量%、エチレン−酢酸ビニル共重合体および/又は
重量平均分子量が20,000以上、重量平均分子量と
数平均分子量の比が1〜3であり、かつ密度が0.8〜
0.9g/cm3 であるエチレンーα−オレフィン共重
合体1〜60重量%、および無機充填材5〜80重量%
を含有する分解性被膜で被覆されていることを特徴とす
る(2)に記載の被覆粒状肥料。 (4)重量平均分子量300〜10,000のポリオレ
フィンおよび/又は石油ワックス10〜98.99重量
%、エチレン−酢酸ビニル共重合体および/又は重量平
均分子量が20,000以上、重量平均分子量と数平均
分子量の比が1〜3であり、かつ密度が0.8〜0.9
g/cm3 であるエチレンーα−オレフィン共重合体1
〜60重量%、および界面活性剤0.01〜20重量%
を含有する分解性被膜で被覆されていることを特徴とす
る(2)に記載の被覆粒状肥料。
【0013】(5)重量平均分子量300〜10,00
0のポリオレフィンおよび/又は石油ワックス10〜9
3.99重量%、エチレン−酢酸ビニル共重合体および
/又は重量平均分子量が20,000以上、重量平均分
子量と数平均分子量の比が1〜3であり、かつ密度が
0.8〜0.9g/cm3 であるエチレンーα−オレフ
ィン共重合体1〜60重量%、無機充填材5〜80重量
%、および界面活性剤0.01〜20重量%を含有する
分解性被膜で被覆されていることを特徴とする(2)記
載の被覆粒状肥料。 (6)被膜構成成分を含有してなる分散液または溶液ま
たは溶融液を流動または転動状態の粒状肥料に噴霧状で
供給することにより粒状肥料の表面に被膜を形成させる
工程を含むことを特徴とする(1)〜(5)のいずれか
に記載の被覆粒状肥料の製造方法。
【0014】以下、本発明につき詳述する。本発明に於
けるポリオレフィンの具体例としては、高密度、ないし
は低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プ
ロピレン共重合物、ポリブテン、ブテン−エチレン共重
合物、ブテン−プロピレン共重合物などであるが、これ
らの中でもポリエチレン、ポリプロピレンを好適に使用
することができ、微生物分解性が優れているという点か
らポリエチレンを最も好適に使用することができる。ポ
リオレフィンは通常の重合反応によって得られる物の他
に高分子量の物を熱分解、ないしは酸化分解により低分
子量化した物も使用可能である。又、微量のカルボキシ
ル基などの官能基によって変性された物も使用可能であ
る。
【0014】本発明に於ける石油ワックスは、パラフィ
ンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロタ
ムなどの石油系ワックスを言い、特にパラフィンワック
ス、マイクロクリスタリンワックスを好適に使用するこ
とができる。石油ワックスの融点は50〜120℃が好
ましい。融点が50℃より小さいと被覆時の付着性が問
題となり、120℃より大きいものは工業的に入手困難
である。これらのポリオレフィン及び/又は石油ワック
スは各々単独で使用しても良いし、両者の2種以上を混
合して使用しても良い。しかし、微生物分解速度が速す
ぎず、適切な速度であり、さらに被膜の力学的強度がよ
り優れている点からポリオレフィンが好ましく使用さ
れ、とりわけポリエチレンを最も好適に使用することが
できる。この際、効果を損なわない範囲でポリエチレン
に少量の他のモノマーが共重合されていても良い。
【0015】本発明に於いてはこれらのポリオレフィン
及び石油ワックスの重量平均分子量は300〜10,0
00である必要がある。重量平均分子量が300より小
さいと被膜の土中での生分解速度が速く溶出期間中に被
膜の分解が起こる恐れがあり、又、被膜強度も低下する
ことより溶出制御が困難となる。分子量が10,000
より大きいと溶出終了後の被膜の分解性が不十分とな
る。生分解速度が適切であることと被膜の力学強度のバ
ランスからより好ましい分子量範囲は630〜10,0
00であり、更に好ましくは630〜8、000、特に
好ましくは630〜5,100であり、最も好ましくは
630〜3,000である。
【0016】本発明に於ける重量平均分子量はゲルパー
メーションクロマトグラフィー(GPC)により測定さ
れた値を言う。重量平均分子量300〜10,000の
ポリオレフィン及び/又は石油ワックスの被膜全体に対
する含有率は10重量%以上である。含有率が10重量
%より小さいと被膜の分解性が不十分である。被膜の分
解性の観点から、より好ましくは20〜95重量%であ
り、更に好ましくは30〜95重量%である。
【0017】本発明に於けるエチレン−酢酸ビニル共重
合体はエチレンと酢酸ビニルより成る共重合体であり、
酢酸ビニルの含有率、分子量は特には限定されないが、
酢酸ビニルの含有率は十分な力学的強度を得るためには
5重量%以上、被覆時の付着防止という観点からは50
重量%以下のものが好ましく使用される。重量平均分子
量は被覆時の付着防止、被膜の力学的強度という観点か
らは50,000以上、好ましくは110,000以
上、より好ましくは180,000以上であり、良好な
分解性を付与するという点からは250,000以下の
物が好ましく使用される。
【0018】エチレン−酢酸ビニル共重合体のメルトフ
ローレート(JIS−K6730)は良好な分解性を付
与するという点からは、1dg/min以上であり、被
覆時の付着防止、被膜の力学的強度という観点からは5
00dg/min以下、好ましくは30dg/min以
下、より好ましくは3.5dg/min以下のものが使
用される。また、加水分解、不飽和カルボン酸による変
性物、塩化ビニルなどによるグラフト重合による変性
物、その他のモノマーを一部共重合した物も使用するこ
とができる。製造法は特に限定されず通常の高圧ラジカ
ル重合法、溶液重合法、エマルジョン重合法などにより
得られた物が使用できる。
【0019】本発明に於けるエチレンーα−オレフィン
共重合体はゲルパーメーションクロマトグラフィー(G
PC)により測定された重量平均分子量が20,000
以上、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)
の比(Mw/Mn)が1〜3であり、かつ、ASTM−
D792の方法により測定された密度が0.8〜0.9
g/cm3 であるエチレンとα−オレフィンの共重合体
である。好ましくはエチレンと炭素数6〜12のα−オ
レフィンの少なくとも1種以上のランダム共重合体であ
り、炭素数6〜12のα−オレフィンとしては、例え
ば、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、ヘプテン
−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1、ウンデ
セン−1、ドデセン−1等が挙げられる。
【0020】本発明に用いられるエチレンーα−オレフ
ィン共重合体は公知のメタロセン系触媒により製造する
ことが好ましい。メタロセン系触媒とは、チタン、ジル
コニウム等のIV族金属のシクロペンタジエニル誘導体
と助触媒からなり、重合触媒として高活性であるだけで
なく、従来の触媒、例えばチーグラー系触媒と比較し
て、得られる重合体の分子量分布が狭く、共重合体中の
コモノマーである炭素数6〜12のα−オレフィンの分
布が均一であることを特徴としている。エチレンーα−
オレフィン共重合体のMw/Mnが1〜3であり、密度
が0.8〜0.9g/cm3 であることが被膜の力学的
強度向上、初期溶出の抑制の点から好ましい。
【0021】エチレンーα−オレフィン共重合体の重量
平均分子量は被覆時の付着防止、被膜の力学的強度とい
う観点からは30,000以上、より好ましくは70,
000以上、更に好ましくは130,000以上であ
り、良好な分解性を付与するという点からは250,0
00以下の物が好ましく使用される。メルトフローレー
ト(ASTM−D1238)は良好な分解性を付与する
という点からは、0.1dg/min以上であり、被覆
時の付着防止、被膜の力学的強度という観点からは好ま
しくは30dg/min以下、より好ましくは5dg/
min以下、更に好ましくは0.5dg/min以下の
物が使用される。
【0022】本発明に於いてエチレン−酢酸ビニル共重
合体および/又はエチレンーα−オレフィン共重合体を
含有する被膜とすることで被膜の力学強度を大幅に向上
させ、初期溶出を抑制することができる。本発明に於い
てはエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレンーα−オ
レフィン共重合体を各々単独あるいは両者を同時に用い
ることができる、実用的にはコスト面からエチレン−酢
酸ビニル共重合体がより好ましく用いられる。エチレン
−酢酸ビニル共重合体および/又はエチレンーα−オレ
フィン共重合体の被膜全体に対する含有率は1〜60重
量%が好ましい。含有率が1重量%より小さいと効果が
十分でなく、60重量%より大きいと被膜の分解性が低
下する。好ましくは1〜47.5重量%、より好ましく
は5〜40重量%であり、更に好ましくは5〜20重量
%である。
【0023】また、本発明に於いてエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体および/又はエチレンーα−オレフィン共重
合体と重量平均分子量300〜10,000のポリオレ
フィン及び/又は石油ワックスの重量比は良好な被膜の
力学的強度、初期溶出抑制と分解性とを併せ持たせるた
めには0.01〜2.0である必要がある。重量比が
0.01より小さいと効果が十分でなく、2.0より大
きいと被膜の分解性が低下する。重量比はより好ましく
は0.02〜2.0であり、更に好ましくは0.05〜
1.0であり、最も好ましくは0.1〜0.7である。
【0024】本発明に於ける無機充填材としては、タル
ク、クレー、炭酸カルシウム、ベントナイト、シリカ、
ケイソウ土、酸化チタンなどの金属酸化物、硫黄粉末な
どが挙げられるが、初期溶出の抑制効果が優れている点
から、特にタルクを好適に使用することができる。無機
充填材の粒度は初期溶出の良好な抑制という観点から、
好ましくは平均粒径50μm(レーザー回折法による)
以下であり、より好ましくは20μm以下である。無機
充填材を含有させることで溶出制御、特に初期溶出の良
好な抑制が可能な分解性被覆粒状肥料を得ることができ
る。無機充填材の含有率が5重量%より小さいとこの効
果が十分でなく、80重量%より大きいと被膜強度が低
下し、溶出制御性も低下する恐れがある。被膜全体に対
して無機充填材10〜70重量%を含有することがより
好ましく、20〜60重量%含有することが更に好まし
い。
【0025】本発明に於ける界面活性剤としては、アニ
オン、ノニオン、カチオン、両性イオン界面活性剤を使
用することができるが、中でもアルキレンオキサイドの
重合単位を有するノニオン界面活性剤が好ましい。本発
明に於けるノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエ
チレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキル
エーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエー
テル等に加えてポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール、エチレンオキサイド−プロピレンオキサ
イド共重合体等のポリアルキレングリコール、ポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレン
オキサイド−プロピレンオキサイド共重合体の少なくと
も一方の主鎖末端がメチルエーテルであるポリアルキレ
ングリコール誘導体も含むものである。
【0026】ポリアルキレングリコール誘導体の分子量
は特に限定されないが、例えば200〜500,000
の範囲のものが用いられる。界面活性剤のHLBとして
は8〜20のものが好適に使用される。少量の添加で溶
出速度を速めるにはHLB13〜20のものを使用する
ことが好ましい。界面活性剤を含有する被膜とすること
で良好な溶出制御ができ、任意の溶出期間を設定するこ
とができる。界面活性剤の含有率が0.01重量%より
小さいとこの効果が十分でなく、20重量%より大きい
と被膜の親水性が大きくなりすぎ、溶出制御性が低下す
る恐れがある。被膜全体に対し界面活性剤を0.01〜
10重量%を含有することがより好ましく、0.1〜5
重量%含有することが更に好ましい。
【0027】本発明に於いては、重量平均分子量300
〜10,000のポリオレフィン及び/又は石油ワック
ス10重量%以上と、エチレン−酢酸ビニル共重合体お
よび/又はエチレンーα−オレフィン共重合体と無機充
填材および/又は界面活性剤を含有する被膜とすること
が好ましく、重量平均分子量300〜10,000のポ
リオレフィン及び/又は石油ワックス10〜94重量%
とエチレン−酢酸ビニル共重合体および/又はエチレン
ーα−オレフィン共重合体1〜60重量%と無機充填材
5〜80重量%を含有する被膜とすること、重量平均分
子量300〜10,000のポリオレフィン及び/又は
石油ワックス10〜98.99重量%とエチレン−酢酸
ビニル共重合体および/又はエチレンーα−オレフィン
共重合体1〜60重量%と界面活性剤0.01〜20重
量%を含有する被膜とすることがさらに好ましい。
【0028】また、重量平均分子量300〜10,00
0のポリオレフィン及び/又は石油ワックス10〜9
3.99重量%とエチレン−酢酸ビニル共重合体および
/又はエチレンーα−オレフィン共重合体1〜60重量
%と無機充填材5〜80重量%及び界面活性剤0.01
〜20重量%を含有する被膜とすることが最も好まし
い。重量平均分子量300〜10,000のポリオレフ
ィン及び/又は石油ワックスとエチレン−酢酸ビニル共
重合体および/又はエチレンーα−オレフィン共重合体
に無機充填材及び界面活性剤を組合せて用いることによ
り、より優れた力学的強度、適切な速度の被膜分解性、
且つ初期溶出の良好な抑制及び長期にわたる溶出制御性
を有する分解性被膜被覆粒状肥料を得ることができる。
【0029】上記の無機充填材、界面活性剤、あるいは
両者を含む被膜に於いて、重量平均分子量300〜1
0,000のポリオレフィン及び/又は石油ワックス
は、より好ましくは20〜90重量%であり、更に好ま
しくは30〜80重量%である。エチレン−酢酸ビニル
共重合体および/又はエチレンーα−オレフィン共重合
体の被膜全体に対する含有率は、好ましくは1〜47.
5重量%であり、より好ましくは5〜40重量%であ
り、更に好ましくは5〜20重量%である。また、重量
平均分子量300〜10,000のポリオレフィン及び
/又は石油ワックス及びエチレン−酢酸ビニル共重合体
および/又はエチレンーα−オレフィン共重合体の合計
重量は、被膜の分解性から、無機充填材を除いた被膜重
量に対して40重量%以上含有されることが好ましく、
70重量%以上含有されることが更に好ましい。
【0030】本発明に於いては、澱粉、変性澱粉、穀物
粉、セルロース、寒天、キサントンの中から選ばれる一
種以上の生分解性物質を被膜に含むことが好ましい。こ
れらの生分解性物質を被膜に含むことにより被膜分解速
度を変化させることができる。本発明の生分解性物質の
被膜全体に対する含有率は0.5〜20重量%が好まし
い。含有率が0.5重量%より小さいと添加効果が不十
分であり、20重量%より大きいと被膜の力学的強度の
点から好ましくない。
【0031】本発明に於いては光分解促進剤および/又
は酸化分解促進剤を被膜に含むことにより、微生物によ
る分解と光分解、酸化分解との相乗効果が得られより好
ましい。光分解促進剤としては有機金属錯体が好まし
い。具体例としては、鉄、コバルト、ニッケル、銅、マ
ンガン、銀、パラジウム、モリブデン、クロム、タング
ステン、セリウムの中から選ばれる金属を含む有機金属
錯体を好適に使用することができる。好ましい錯形成剤
としては、アセチルアセトンをはじめとするβージケト
ン類、βーケトエステル類、並びにジアルキルジチオカ
ーバメート、ジアルキルジチオホスフェート、アルキル
キサンテート、メルカプトベンゾチアゾールが例示さ
れ、より具体的には、ニッケルジブチルジチオカーバメ
ート、ニッケルジエチルジチオカーバメート、鉄のアセ
チルアセトン錯体が好ましく用いられる。有機金属錯体
は被膜重量に対し、0.02〜20×10-6モル/g含
有される必要があり、好ましくは0.1〜10×10-6
モル/gである。含有率が0.02×10-6モル/gよ
り小さいと添加効果が不十分であり、20×10-6モル
/gより大きいと経済性の点から好ましくない。
【0032】酸化分解促進剤としては−C=C−不飽和
結合を有する化合物、遷移金属、遷移金属化合物が好ま
しい。−C=C−不飽和結合を有する化合物としては不
飽和脂肪酸、例えば、オレイン酸、リノール酸、リノレ
ン酸、アラキドン酸、エルカ酸、パルミトール酸、リシ
ノール酸、エレオステアリン酸等、不飽和脂肪酸エステ
ル、例えばオレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラ
キドン酸、エルカ酸、パルミトール酸、リシノール酸、
エレオステアリン酸等のメチルエステル、エチルエステ
ル、プロピルエステル、イソブチルエステル等、油脂
類、例えば乾性油であるアマニ油、大豆油、桐油、半乾
性油である菜種油、綿実油、不乾性油であるオリーブ
油、椿油、ヒマシ油等の植物油、鯨油、牛脂、魚油、肝
油等の動物油、ジエン系共重合体例えばポリブタジエ
ン、ポリイソブテン、スチレン−ブタジエン共重合体、
スチレン−イソプレン共重合体、アクリロニトリル−ブ
タジエン共重合体が挙げられる。
【0033】遷移金属、遷移金属化合物としては銅、
銀、亜鉛、カドミウム、クロム、モリブデン、鉄、コバ
ルト、ニッケル等の微細粉末、酸化物、ハロゲン化物、
無機金属塩、有機金属塩等が挙げられる。
【0034】本発明に於いて被膜にその他の樹脂、着色
剤、潤滑剤およびその他の添加剤等を含むことができ
る。上記その他の樹脂としては、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸メチ
ル(括弧内の文字は読んでも読まなくてもよいものとす
る。以下同じ。)、エチレン−(メタ)アクリル酸共重
合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合
体、エチレン−一酸化炭素共重合体、ポリ塩化ビニル、
ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重
合物、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロブ
レン、ブタジエン−スチレン共重合物、EPDM、スチ
レン−イソプレン共重合物などのジエン系(共)重合物
などを使用することができる。さらにこれらの他に、石
油樹脂、天然ゴム、ロジンなどの天然樹脂、硬化油、固
形脂肪酸などの油脂、及びこれらの変性物、密ロウ、木
ロウなどのワックスなども使用することができる。着色
剤としては、カーボンブラック、チタンホワイトなど従
来公知の顔料、ないしは染料を使用することができる。
また、固結防止のために被膜表面にシリカフラワー等の
固結防止剤を付着させることができる。
【0035】被覆される粒状肥料に特に制限はなく、従
来公知のものが使用できる。好ましい態様例を列挙する
ならば、尿素、アルデヒド縮合尿素、イソブチルアルデ
ヒド縮合尿素、ホルムアルデヒド縮合尿素、硫酸グアニ
ル尿素、オキサミド等の含チッソ有機化合物、硝酸アン
モニウム、燐酸二水素アンモニウム、燐酸水素二アンモ
ニウム、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸ナ
トリウム等のアンモニウム、及び硝酸化合物、硝酸カリ
ウム、燐酸カリウム 硫酸カリウム、塩化カリウムなど
のカリウム塩、燐酸カルシウム、硫酸カルシウム、硝酸
カルシウム、塩化カルシウムなどのカルシウム塩、硝酸
マグネシウム、塩化マグネシウム、燐酸マグネシウム、
硫酸マグネシウムなどのマグネシウム塩、硝酸第一鉄、
硝酸第二鉄、燐酸第一鉄、燐酸第二鉄、硫酸第一鉄、硫
酸第二鉄、塩化第一鉄、塩化第二鉄などの鉄塩、及びこ
れらの複塩、ないしはこれらを2つ以上複合したものを
使用することができる。
【0036】これらの粒状肥料は粒状としての形態と力
学的強度を維持する目的で従来公知の結着剤が含まれて
いる場合がある。結着剤の例としては、廃糖蜜、リグニ
ンスルホン酸塩、およびそれらの変性物がその例として
あげられる。また、被覆される粒状肥料に対する被膜の
重量は1〜50重量%が好ましく、より好ましくは、3
〜20重量%、さらに好ましくは、3〜15重量%であ
る。この下限を逸脱すると、肥料としての溶出成分のコ
ントロールが困難となる。また、この上限を逸脱する
と、肥料としての品位の低下という問題が生じる。本発
明の被覆粒子の粒子径に特に制限はないが、通常 0.
5〜10mm、好ましくは1〜5mmである。また、形
状は球状に近いものが好ましい。
【0037】本発明の分解性被膜で被覆した被覆粒状肥
料の製造方法としては、被膜構成成分を含有してなる分
散液または溶液または溶融液を流動または転動状態の粒
状肥料に噴霧状で供給することにより粒状肥料の表面に
被膜を形成させる工程を含むことを特徴とする製造方法
が好適に用いられる。本発明に於いては初期溶出の抑制
が良好であるという理由から、分散液または溶液を使用
する製造方法が溶融液を利用する方法よりより好まし
い。
【0038】粒状肥料を流動状態にするには例えば、噴
流装置に粒状肥料を導入し、噴流を起こさせればよく、
転動状態にするには例えばドラム型あるいは糖衣機等の
パン型の装置を用いればよい。噴流装置は従来公知のも
のを使用することができる。本発明の製造法に使用する
噴流装置の一例の概略図を図1に示す。また、本発明の
製造法に使用する転動被覆装置の一例の概略図を図2に
示す。これらの装置については、例えば、特公昭54ー
3104号公報に開示されている。即ち、噴流塔本体
に、ガスを送風するためのブロアー、分散液、溶液また
は溶融液を送液するための溶液ポンプ、及びスプレーノ
ズル、温度計などを取り付けた装置である。噴流塔内に
被覆しようとする粒状肥料を導入し、ブロアー等から所
定の温度のガスを送風して塔内で肥料の噴流が安定に起
こるようにガス流量を調整する。
【0039】塔内が所望の温度になったら、スプレーノ
ズルから特定の分散液、溶液または溶融液を噴霧状で供
給することにより粒状肥料の表面に被膜を形成させる。
この際の温度、送風量等の条件は組成等により適宜変更
することができる。上記転動被覆装置の場合も同様に装
置内被覆しようとする粒状肥料を導入し、ブロアー等か
ら所定の温度のガスを送風して肥料の転動が安定に起こ
るように回転速度を調整する。装置内が所望の温度にな
ったら、スプレーノズルから特定の分散液、溶液または
溶融液を噴霧状で供給することにより粒状肥料の表面に
被膜を形成させる。この際の温度、送風量等の条件は組
成等により適宜変更することができる。
【0040】分散液、溶液または溶融液は、重量平均分
子量300〜10,000のポリオレフィン及び/又は
石油ワックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体および/
又はエチレンーα−オレフィン共重合体、無機充填材、
界面活性剤、その他の成分を所定量含有しているもので
あり、該成分のみ又は該成分および溶剤より構成され
る。該成分のみの場合は加熱により溶融液とし無溶剤で
噴霧することができ、溶剤を使用する場合は溶液又は分
散液状態で噴霧することができる。
【0041】本発明に使用する溶剤に特に制限はない
が、好ましいものを例示するなら、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、メシチレンなどの芳香族系溶剤、ヘキサ
ン、ヘプタン、n−オクタン、2ーエチルヘキサン、2
ーエチルシクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素、ジクロ
ルメタン、トリクロロメタン、テトラクロロメタン、ト
リクロロエチレン、テトラクロロエチレンなどの塩素化
炭化水素などが挙げられる。これらの溶剤と混合される
物質は、この溶剤に溶解するものと溶解しないものがあ
ってよい。かかる見地から本明細書においてはこれらの
混合物を分散液または溶液と記述した。本溶剤に対し、
重量平均分子量300〜10,000のポリオレフィン
及び/又は石油ワックス、エチレン−酢酸ビニル共重合
体および/又はエチレンーα−オレフィン共重合体、界
面活性剤、およびこれ以外の樹脂は溶解することが好ま
しいが、無機充填材は溶解しないで分散体として使用さ
れることが多い。
【0042】なお、固形分とは全分散液または溶液中に
おける溶剤以外の部分をいい、固形分濃度とは、溶剤を
含む全混合物の重量に対する溶剤以外の重量の占める割
合を百分率表示したものをいう。固形分濃度は、該分散
液または溶液を130℃で24時間乾燥させ、その前後
の重量を測定することによって測定される。本発明に於
ける溶剤を使用する場合の固形分濃度は、1〜20重量
%が好ましく、さらに好ましくは3〜15重量%であ
る。被膜形成時の温度については特に制限はないが、通
常、30℃以上で、且つ、粒子同士の付着が起こらない
温度が設定される。具体的には30〜150℃程度の範
囲、さらに好ましくは30〜100℃の範囲が選ばれ
る。噴流装置に於いての熱風は、肥料粒子を安定に噴流
させ、かつ、上記温度を維持するに必要な温度と風量に
設定されるべきである。これらの技術は従来公知の技術
を応用することが可能である。
【0043】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例、及び比較
例を具体的に示す。なお、実施例、比較例中の試験は下
記の方法によった。 <分子量測定>ポリマーラボラトリー社製高温GPC装
置(PL−GPC 210型)に、同社製カラム(PL
gel MIXED−B、2本)を装着し、オーブン
温度140℃、オルトジクロロベンゼンを溶離液として
用い分析を行った。分子量の較正は同社の標準ポリエチ
レン試料を使用して実施した。
【0044】<溶出試験>畑地土壌を風乾して10メッ
シュふるいでふるい、ふるい下を得た。ふるい下250
gに被覆粒状肥料2gを混合し、500mlのポリ瓶に
いれ、最大容水量の60%の水分量となるように水を加
えた後25℃で静置した。所定期間後サンプルを含む土
壌を10メッシュふるいでふるい、ふるい上に残る被覆
粒状肥料を拾い上げ乳鉢にてすりつぶし、水を加えて溶
解、ろ過した。ろ液中の肥料成分を全農型土壌分析器Z
A−II型にてチッソ、燐酸、カリなどの濃度を測定し
た。尿素については該液を紫外吸光光度法により定量し
た。溶出率は、もとの被覆粒状肥料に含まれていた肥料
成分に対する溶出してきた成分の百分率で表示する。表
1には肥料成分が80%溶出するのに要する日数、およ
び3日後の溶出率(初期溶出率を表す)を示した。
【0045】<分解試験>畑地土壌1kgに被覆肥料6
0gを混合し、底のない枠に入れて屋外に放置した。3
年経過後の被覆肥料のうち、もとの被膜の形状を全く維
持していないものの全体に対する割合を持って分解率を
示した。なお、上記混合物は1回/月の頻度で混合操作
を行った。 <耐磨耗試験>被覆肥料15g、250gのシリカサン
ド日光4号(川鉄鉱業(株)製)、磁製ボール(25m
mφ)3個をボールミルに入れ、3時間回転(78rp
m)させた。この試験前と試験後の被覆肥料について各
々溶出試験を行い、3日目の溶出率の差で表す。数値が
小さいものほど耐磨耗性が高い。 <耐衝撃試験>被覆肥料20kgをポリエチレン製袋に
入れ2mの高さから10回落下後、底部の被覆肥料を採
取する。この試験前と試験後の被覆肥料について各々溶
出試験を行い3日目の溶出率の差で表す。数値が小さい
ものほど耐衝撃性が高い。
【0046】
【実施例1】図1に示す噴流装置を使用し被覆肥料を製
造した。即ち、重量平均分子量910、数平均分子量5
20のポリエチレン9重量部、エチレン−酢酸ビニル共
重合体(酢酸ビニル含有率25重量%、メルトフローレ
ート2dg/min、重量平均分子量210,000)
1重量部に90重量部のテトラクロルエチレンを加え、
該溶剤の沸点まで加熱リフラックスさせて溶解した。2
〜4mmで篩分した平均粒子径3.0mmの粒状燐硝安
カリ(N、P2 5 、K2 O成分は各々15%)100
重量部を噴流装置に投入し、熱風を送風して装置内の温
度が60℃で安定な噴流状態を起こさせた。次に、上記
溶液を送液ポンプによりスプレーノズルから8分を要し
て噴流装置に供給した。この間、噴流装置内は60±2
℃となるよう熱風の温度を調節した。溶液の供給終了
後、熱風を冷風に切り替え、35℃以下になった時点で
噴流装置から内容物を取り出した。
【0047】製造された被覆肥料は110重量部であ
り、供給された固形分のほぼ全量が、被覆されているこ
とがわかった。さらに被覆粒子を乳鉢にてすりつぶし、
水を加えて溶解、ろ過した。ろ過、乾燥後の被膜をオル
トジクロロベンゼンに溶解して上記の方法で被膜の分子
量測定を行った。その結果、重量平均分子量は仕込みポ
リエチレンの値と同じであることを確認した。更に上述
した方法に従い得られた被覆粒状肥料の溶出試験、分解
試験、耐磨耗試験、耐衝撃試験を実施した。これらの結
果は表1に示した。
【0048】
【実施例2】重量平均分子量910、数平均分子量52
0のポリエチレン3.95重量部、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体(酢酸ビニル含有率25重量%、メルトフロ
ーレート2dg/min、重量平均分子量210,00
0)1重量部、タルク(平均粒径10μm)5重量部、
ポリオキシエチレンモノステアレート(HLB=8)
0.05重量部のテトラクロルエチレン分散液を用いる
こと以外は実施例1と同様な方法で被覆肥料を得た。更
に同様な方法で分子量測定、溶出試験、分解試験、耐磨
耗試験、耐衝撃試験を実施した。これらの結果は表1に
示した。
【0049】
【実施例3】重量平均分子量910、数平均分子量52
0のポリエチレン4.8重量部、エチレン−酢酸ビニル
共重合体(酢酸ビニル含有率46重量%、メルトフロー
レート95dg/min、重量平均分子量81,00
0)0.1重量部、タルク(平均粒径10μm)5重量
部、ポリオキシエチレンモノステアレート(HLB=
8)0.1重量部のテトラクロルエチレン分散液を用い
ること以外は実施例1と同様な方法で被覆肥料を得た。
更に同様な方法で分子量測定、溶出試験、分解試験、耐
磨耗試験、耐衝撃試験を実施した。これらの結果は表1
に示した。
【0050】
【実施例4】重量平均分子量910、数平均分子量52
0のポリエチレン2.99重量部、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体(酢酸ビニル含有率25重量%、メルトフロ
ーレート2dg/min、重量平均分子量210,00
0)2重量部、タルク(平均粒径10μm)5重量部、
ポリオキシエチレンモノステアレート(HLB=8)
0.01重量部のテトラクロルエチレン分散液を用いる
こと以外は実施例1と同様な方法で被覆肥料を得た。更
に同様な方法で分子量測定、溶出試験、分解試験、耐磨
耗試験、耐衝撃試験を実施した。これらの結果は表1に
示した。
【0051】
【実施例5】重量平均分子量910、数平均分子量52
0のポリエチレン2.45重量部、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体(酢酸ビニル含有率14重量%、メルトフロ
ーレート3.5dg/min、重量平均分子量180,
000)2.5重量部、タルク(平均粒径10μm)5
重量部、ポリオキシエチレンモノステアレート(HLB
=8)0.05重量部のテトラクロルエチレン分散液を
用いること以外は実施例1と同様な方法で被覆肥料を得
た。更に、同様な方法で分子量測定、溶出試験、分解試
験、耐磨耗試験、耐衝撃試験を実施した。これらの結果
は表1に示した。
【0052】
【実施例6】重量平均分子量910、数平均分子量52
0のポリエチレン4.45重量部、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体(酢酸ビニル含有率33重量%、メルトフロ
ーレート30dg/min、重量平均分子量110,0
00)0.5重量部、タルク(平均粒径10μm)5重
量部、ポリオキシエチレンモノステアレート(HLB=
8)0.05重量部のテトラクロルエチレン分散液を用
いること、及び粒状燐硝安カリに代えて粒状尿素を用い
ること以外は実施例1と同様な方法で被覆肥料を得た。
更に同様な方法で分子量測定、溶出試験、分解試験、耐
磨耗試験、耐衝撃試験を実施した。これらの結果は表1
に示した。
【0053】
【実施例7】重量平均分子量910、数平均分子量52
0のポリエチレン8.05重量部、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体(酢酸ビニル含有率28重量%、メルトフロ
ーレート400dg/min、重量平均分子量57,0
00)0.9重量部、タルク(平均粒径10μm)1重
量部、ポリオキシエチレンモノステアレート(HLB=
8)0.05重量部のテトラクロルエチレン分散液を用
いること以外は実施例1と同様な方法で被覆肥料を得
た。更に同様な方法で分子量測定、溶出試験、分解試
験、耐磨耗試験、耐衝撃試験を実施した。これらの結果
は表1に示した。
【0054】
【実施例8】重量平均分子量910、数平均分子量52
0のポリエチレン1.3重量部、エチレン−酢酸ビニル
共重合体(酢酸ビニル含有率25重量%、メルトフロー
レート2dg/min、重量平均分子量210,00
0)1.5重量部、タルク(平均粒径10μm)7重量
部、ポリオキシエチレンモノステアレート(HLB=
8)0.2重量部のテトラクロルエチレン分散液を用い
ること以外は実施例1と同様な方法で被覆肥料を得た。
更に同様な方法で分子量測定、溶出試験、分解試験、耐
磨耗試験、耐衝撃試験を実施した。これらの結果は表1
に示した。
【0055】
【実施例9】重量平均分子量5100、数平均分子量1
600のポリエチレン4.75重量部、エチレン−酢酸
ビニル共重合体(酢酸ビニル含有率25重量%、メルト
フローレート2dg/min、重量平均分子量210,
000)0.2重量部、タルク(平均粒径10μm)5
重量部、ポリオキシエチレンモノステアレート(HLB
=8)0.05重量部のテトラクロルエチレン分散液を
用いること以外は実施例1と同様な方法で被覆肥料を得
た。更に、同様な方法で分子量測定、溶出試験、分解試
験、耐磨耗試験、耐衝撃試験を実施した。これらの結果
は表1に示した。
【0056】
【実施例10】重量平均分子量530、数平均分子量3
30のパラフィンワックス(融点70℃)2.95重量
部、エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有率
25重量%、メルトフローレート2dg/min、重量
平均分子量210,000)2重量部、タルク(平均粒
径10μm)5重量部、ポリオキシエチレンモノステア
レート(HLB=8)0.05重量部のテトラクロルエ
チレン分散液を用いること以外は実施例1と同様な方法
で被覆肥料を得た。更に同様な方法で分子量測定、溶出
試験、分解試験、耐磨耗試験、耐衝撃試験を実施した。
これらの結果は表1に示した。
【0057】
【実施例11】重量平均分子量910、数平均分子量5
20のポリエチレン3.95重量部、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体(酢酸ビニル含有率25重量%、メルトフ
ローレート2dg/min、重量平均分子量210,0
00)1重量部、タルク(平均粒径10μm)5重量
部、ポリオキシエチレンモノステアレート(HLB=
8)0.05重量部、鉄アセチルアセトン錯体0.00
177重量部、ニッケルジブチルジチオカーバメート
0.00071重量部のテトラクロルエチレン分散液を
用いること以外は実施例1と同様な方法で被覆肥料を得
た。更に同様な方法で分子量測定、溶出試験、分解試
験、耐磨耗試験、耐衝撃試験を実施した。これらの結果
は表1に示した。
【0058】
【実施例12】重量平均分子量910、数平均分子量5
20のポリエチレン3.95重量部、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体(酢酸ビニル含有率25重量%、メルトフ
ローレート2dg/min、重量平均分子量210,0
00)1重量部、タルク(平均粒径10μm)5重量
部、ポリオキシエチレンモノステアレート(HLB=1
4)0.05重量部、鉄アセチルアセトン錯体0.00
177重量部、ニッケルジブチルジチオカーバメート
0.00071重量部のテトラクロルエチレン分散液を
用いること、及び粒状燐硝安カリに代えて粒状尿素を用
いること以外は実施例1と同様な方法で被覆肥料を得
た。更に同様な方法で分子量測定、溶出試験、分解試
験、耐磨耗試験、耐衝撃試験を実施した。これらの結果
は表1に示した。
【0059】
【実施例13】図2に示す転動型被覆装置を使用し被覆
肥料を製造した。即ち、重量平均分子量630、数平均
分子量580のポリエチレン7.3重量部、エチレン−
酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有率25重量%、メ
ルトフローレート2dg/min、重量平均分子量21
0,000)0.2重量部、タルク(平均粒径10μ
m)2重量部、ポリオキシエチレンノニルフェニルエー
テル(HLB=13)0.5重量部を120℃で加熱溶
融させた。2〜4mmで篩分した平均粒子径3.0mm
の粒状燐硝安カリ(N、P2 5 、K2 O成分は各々1
5%)100重量部を転動型被覆装置に投入し、転動さ
せつつ熱風を送風して装置内の温度を80℃をとした。
次に、上記溶融液を送液ポンプによりスプレーノズルか
ら20分を要して装置に供給した。この間、装置内は8
0±10℃となるよう熱風の温度を調節した。溶液の供
給終了後、熱風を冷風に切り替え、35℃以下になった
時点で装置から内容物を取り出した。
【0060】製造された被覆肥料は110重量部であ
り、供給された固形分のほぼ全量が、被覆されているこ
とがわかった。さらに被覆粒子を乳鉢にてすりつぶし、
水を加えて溶解、ろ過した。ろ過、乾燥後の被膜をオル
トジクロロベンゼンに溶解して上記の方法で被膜の分子
量測定を行った。その結果、重量平均分子量は仕込みポ
リエチレンの値と同じであることを確認した。更に上述
した方法に従い得られた被覆粒状肥料の溶出試験、分解
試験、耐磨耗試験、耐衝撃試験を実施した。これらの結
果は表1に示した。
【0061】
【実施例14】重量平均分子量910、数平均分子量5
20のポリエチレン3.95重量部、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体(酢酸ビニル含有率25重量%、メルトフ
ローレート2dg/min、重量平均分子量210,0
00)1重量部、タルク(平均粒径10μ)4重量部、
ポリオキシエチレンモノステアレート(HLB=8)
0.05重量部、澱粉(コーンスターチ、平均粒径20
μ、280メッシュ通過品)1重量部のテトラクロルエ
チレン分散液を用いること以外は実施例1と同様な方法
で被覆肥料を得た。更に同様な方法で分子量測定、溶出
試験、分解試験、耐磨耗試験、耐衝撃試験を実施した。
これらの結果は表1に示した。
【0062】
【実施例15】重量平均分子量910、数平均分子量5
20のポリエチレン3.7重量部、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体(酢酸ビニル含有率25重量%、メルトフロ
ーレート2dg/min、重量平均分子量210,00
0)1重量部、タルク(平均粒径10μ)5重量部、片
末端がメチル化されたポリエチレングリコール(分子量
2000、ユニオックスM2000、日本油脂製)0.
3重量部のテトラクロルエチレン分散液を用いること以
外は実施例1と同様な方法で被覆肥料を得た。更に同様
な方法で分子量測定、溶出試験、分解試験、耐磨耗試
験、耐衝撃試験を実施した。これらの結果は表1に示し
た。
【0063】
【実施例16】重量平均分子量910、数平均分子量5
20のポリエチレン4.45重量部、エチレン−オクテ
ン−1共重合体(メルトフローレート0.5dg/mi
n、密度0.868g/cm3、Mw/Mn=2.3、
重量平均分子量130,000、エンゲージ8150、
デュポンダウエラストマーズ社製)0.5重量部、タル
ク(平均粒径10μm)5重量部、ポリオキシエチレン
モノステアレート(HLB=8)0.05重量部のテト
ラクロルエチレン分散液を用いること以外は実施例1と
同様な方法で被覆肥料を得た。更に同様な方法で分子量
測定、溶出試験、分解試験、耐磨耗試験、耐衝撃試験を
実施した。これらの結果は表2に示した。
【0064】
【実施例17】重量平均分子量910、数平均分子量5
20のポリエチレン4.45重量部、エチレン−オクテ
ン−1共重合体(メルトフローレート5dg/min、
密度0.870g/cm3、Mw/Mn=2.4、重量
平均分子量70,000、エンゲージ8200、デュポ
ンダウエラストマーズ社製)0.5重量部、タルク(平
均粒径10μm)5重量部、ポリオキシエチレンモノス
テアレート(HLB=8)0.05重量部のテトラクロ
ルエチレン分散液を用いること以外は実施例1と同様な
方法で被覆肥料を得た。更に同様な方法で分子量測定、
溶出試験、分解試験、耐磨耗試験、耐衝撃試験を実施し
た。これらの結果は表2に示した。
【0065】
【比較例1】重量平均分子量910、数平均分子量52
0のポリエチレン10重量部のテトラクロルエチレン溶
液を用いること以外は実施例1に述べたのと同様な方法
で被覆肥料を得た、更に同様な方法で分子量測定、溶出
試験、分解試験、耐磨耗試験、耐衝撃試験を実施した。
これらの結果は表1に示した。
【0066】
【比較例2】重量平均分子量910、数平均分子量52
0のポリエチレン4.95重量部、タルク(平均粒径1
0μm)5重量部、ポリオキシエチレンモノステアレー
ト(HLB=8)0.05重量部のテトラクロルエチレ
ン分散液を用いること以外は実施例1と同様な方法で被
覆肥料を得た。更に同様な方法で分子量測定、溶出試
験、分解試験、耐磨耗試験、耐衝撃試験を実施した。こ
れらの結果は表1に示した。
【0067】
【比較例3】重量平均分子量95000、数平均分子量
9500の低密度ポリエチレン2.5重量部、エチレン
−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有率25重量%、
メルトフローレート2dg/min、重量平均分子量2
10,000)2.5重量部、タルク(平均粒径10μ
m)5重量部のテトラクロルエチレン分散液を用いるこ
と以外は実施例1と同様な方法で被覆肥料を得た。更に
同様な方法で分子量測定、溶出試験、分解試験、耐磨耗
試験、耐衝撃試験を実施した。これらの結果は表1に示
した。
【0068】
【比較例4】重量平均分子量910、数平均分子量52
0のポリエチレン2.5重量部、エチレン−酢酸ビニル
共重合体(酢酸ビニル含有率25重量%、メルトフロー
レート2dg/min、重量平均分子量210,00
0)7.5重量部のテトラクロルエチレン溶液を用いる
こと以外は実施例1と同様な方法で被覆肥料を得た。更
に同様な方法で分子量測定、溶出試験、分解試験、耐磨
耗試験、耐衝撃試験を実施した。これらの結果は表1に
示した。
【0069】
【表1】
【0070】
【表2】
【0071】
【発明の効果】本発明の特定分子量のポリオレフィンお
よび/又は石油ワックスとエチレン−酢酸ビニル共重合
体および/又はエチレンーα−オレフィン共重合体とを
含有する分解性被膜で被覆した被覆粒状肥料は、被膜の
力学的強度に優れ、溶出後の被膜が自然環境下で分解さ
れ、なお且つ初期溶出の抑制が良好である。さらに、無
機充填材および/又は界面活性剤を併用することにより
初期溶出の抑制がさらに良好で、長期にわたり溶出制御
可能な被覆粒状肥料を提供することができ、その被覆肥
料としての価値は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造法に使用する噴流装置の一例の概
略図である。
【図2】本発明の製造法に使用する転動被覆装置の一例
の概略図である。
【符号の説明】
1 ブロワー 2 オリフィス 3 加熱器 4 送液ポンプ 5 スプレーノズル 6 肥料投入口 7 排出口 8 肥料 T1 およびT2 温度計 11 タンク 12 液配管 13 送液ポンプ 14 回転パン 15 スプレーノズル 16 熱風吹き込み口

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量平均分子量300〜10,000の
    ポリオレフィンおよび/又は石油ワックス10重量%以
    上と、エチレン−酢酸ビニル共重合体および/又は重量
    平均分子量が20,000以上、重量平均分子量と数平
    均分子量の比が1〜3であり、かつ密度が0.8〜0.
    9g/cm3 であるエチレンーα−オレフィン共重合体
    を含有し、かつ、前記エチレン−酢酸ビニル共重合体お
    よび/又はエチレンーα−オレフィン共重合体と前記ポ
    リオレフィンおよび/又は石油ワックスの重量比が0.
    01〜2.0である分解性被膜で被覆されていることを
    特徴とする被覆粒状肥料。
  2. 【請求項2】 重量平均分子量300〜10,000の
    ポリオレフィンおよび/又は石油ワックス10重量%以
    上と、エチレン−酢酸ビニル共重合体および/又は重量
    平均分子量が20,000以上、重量平均分子量と数平
    均分子量の比が1〜3であり、かつ密度が0.8〜0.
    9g/cm3 であるエチレンーα−オレフィン共重合体
    と、無機充填材および/又は界面活性剤とを含有し、か
    つ、前記エチレン−酢酸ビニル共重合体および/又はエ
    チレンーα−オレフィン共重合体と前記ポリオレフィン
    および/又は石油ワックスの重量比が0.01〜2.0
    である分解性被膜で被覆されていることを特徴とする請
    求項1記載の被覆粒状肥料。
  3. 【請求項3】 重量平均分子量300〜10,000の
    ポリオレフィンおよび/又は石油ワックス10〜94重
    量%、エチレン−酢酸ビニル共重合体および/又は重量
    平均分子量が20,000以上、重量平均分子量と数平
    均分子量の比が1〜3であり、かつ密度が0.8〜0.
    9g/cm3 であるエチレンーα−オレフィン共重合体
    1〜60重量%、および無機充填材5〜80重量%を含
    有する分解性被膜で被覆されていることを特徴とする請
    求項2記載の被覆粒状肥料。
  4. 【請求項4】 重量平均分子量300〜10,000の
    ポリオレフィンおよび/又は石油ワックス10〜98.
    99重量%、エチレン−酢酸ビニル共重合体および/又
    は重量平均分子量が20,000以上、重量平均分子量
    と数平均分子量の比が1〜3であり、かつ密度が0.8
    〜0.9g/cm3 であるエチレンーα−オレフィン共
    重合体1〜60重量%、および界面活性剤0.01〜2
    0重量%を含有する分解性被膜で被覆されていることを
    特徴とする請求項2記載の被覆粒状肥料。
  5. 【請求項5】 重量平均分子量300〜10,000の
    ポリオレフィンおよび/又は石油ワックス10〜93.
    99重量%、エチレン−酢酸ビニル共重合体および/又
    は重量平均分子量が20,000以上、重量平均分子量
    と数平均分子量の比が1〜3であり、かつ密度が0.8
    〜0.9g/cm3 であるエチレンーα−オレフィン共
    重合体1〜60重量%、無機充填材5〜80重量%、お
    よび界面活性剤0.01〜20重量%を含有する分解性
    被膜で被覆されていることを特徴とする請求項2記載の
    被覆粒状肥料。
  6. 【請求項6】 被膜構成成分を含有してなる分散液また
    は溶液または溶融液を流動または転動状態の粒状肥料に
    噴霧状で供給することにより粒状肥料の表面に被膜を形
    成させる工程を含むことを特徴とする請求項1〜5のい
    ずれかに記載の被覆粒状肥料の製造方法。
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