JPH10291880A - 分解性被膜被覆粒状肥料とその製造方法 - Google Patents

分解性被膜被覆粒状肥料とその製造方法

Info

Publication number
JPH10291880A
JPH10291880A JP10051289A JP5128998A JPH10291880A JP H10291880 A JPH10291880 A JP H10291880A JP 10051289 A JP10051289 A JP 10051289A JP 5128998 A JP5128998 A JP 5128998A JP H10291880 A JPH10291880 A JP H10291880A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
molecular weight
coated
average molecular
fertilizer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP10051289A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuichi Sakai
裕一 酒井
Keiji Tada
啓司 多田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP10051289A priority Critical patent/JPH10291880A/ja
Publication of JPH10291880A publication Critical patent/JPH10291880A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fertilizers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶出後の皮膜が自然環境下で分解され、且つ
初期溶出の抑制が良好であり、長期にわたり溶出制御可
能な分解性被膜で被覆された粒状肥料を提供する。 【解決手段】 重量平均分子量300〜10000のポ
リオレフィン及び/又は石油ワックスと無機充填材(例
えばタルク;5〜80重量%)及び/又は界面活性剤
(例えばポリオキシエチレンモノステアレート;0.0
1〜20重量%)を含有する皮膜で粒状肥料を被覆す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は肥料の表面を樹脂や
無機物などで被覆した被覆粒状肥料に関するものであ
り、ことに自然環境下に於ける分解性に優れた被膜で被
覆された分解性被膜被覆粒状肥料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、肥料を緩効性にしようとするもの
には次のような技術が知られている。即ち、まず第一に
は、化学的緩効性肥料である。これはCDU(クロトニ
リデン二尿素)化成やIB(イソブチリデン二尿素)化
成に代表されるように、一定の反応速度を有する化学反
応により肥料成分の溶出を制御する技術である。第二に
は、肥料の表面を一定の被膜により被覆することにより
内部の肥料の溶出を制御するものである。
【0003】被膜の種類はこれまでいくつかのものが知
られている。即ち、まず第一には硫黄を主成分とする被
膜により粒状肥料を被覆するものである。しかしなが
ら、硫黄はその酸化物が土壌の酸性化の原因となるとと
もに、力学的強度が極めて悪いという欠点を有するもの
であった。第二にはアルキッド樹脂である。アルキッド
樹脂も力学的強度に乏しく、ことに耐衝撃性、耐磨耗性
に乏しいため、結果として、満足のいく緩効性、即ち溶
出コントロール性を発現することができなかった。第三
にはウレタン系樹脂である。ウレタン系樹脂は力学的強
度は比較的高いものの、製造上の問題や高価であるなど
の問題点を有する。第四には特公昭60−37074号
公報等に記載のポリオレフィン系樹脂である。該系樹脂
は力学的強度に優れるとともに溶出特性も優れている
が、溶出後の被膜の自然環境下に於ける分解性について
は必ずしも十分満足いくものではなかった。
【0004】以上の技術に加えて近年、溶出後の残留被
膜が自然環境下で主として微生物分解、光分解され、土
壌中に被膜が残留せず、且つ良好な土中溶出制御が可能
な被覆肥料を提供する種々の試みがなされている。米国
特許3,295,950号明細書には被覆材料として硫
黄を使用し、更にこの表面をワックス類を用いてシール
する技術が開示されている。しかし、特開昭55−16
7197号公報に記載の通りこの被膜は脆く溶出コント
ロールは困難であり、シールに使用したワックス類が比
較的早期に微生物分解される為、土壌条件により肥効の
発現が大きく変動する欠点があることが知られている。
【0005】光分解性被膜を利用するものとしては、例
えば特公平7ー91143号公報に記載されているよう
な有機金属錯体を含有するビニル樹脂で被覆する技術、
特公平2−23516号公報に記載のエチレン−一酸化
炭素共重合体、エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重
合体等の光分解性の共重合体を被覆材とする技術、特開
平8−59382号公報に記載のプロピレンとエチレン
及び/又はブテン−1を共重合させた非晶質ポリオレフ
ィンで被覆する技術が公知であるがこれらはいずれも光
が当たらない土壌中ではほとんど被膜の分解が起こらな
いという欠点を有する。
【0006】微生物分解性被膜を利用したものとして
は、例えば特公平2−23517号公報にはポリ3−ハ
イドロオキシ−3−アルキルプロピオン酸を使用する技
術が、特開平3−146492号公報にはポリカプロラ
クトンを使用する技術が、特開平7ー315976号公
報には脂肪族ポリエステルを使用する技術が、さらに特
開平7−33577号公報にはポリ乳酸を使用する技術
が開示されている。これらは使用されるポリ3−ハイド
ロオキシ−3−アルキルプロピオン酸、ポリカプロラク
トン、脂肪族ポリエステル、ポリ乳酸等の生分解性樹脂
の含有率が高いと被膜の親水性が大きくなるため溶出速
度が速くなりすぎるし、更には溶出期間中に被膜の分解
が起るなどの理由により、短期で溶出が完了する分解性
被膜被覆粒状肥料は得られるものの、長期にわたり溶出
する分解性被膜被覆粒状肥料を得ることができなかっ
た。
【0007】一方、生分解性樹脂の含有率が低いと溶出
制御は良好となるが被膜の分解性が不十分となる。ま
た、特開平7−33576号公報にはポリカプロラクト
ン等の生分解性樹脂と低分子量ポリエチレン、ワックス
等の膜材を多層被覆する技術が開示されているがこれは
被膜の力学的強度が乏しく、初期溶出の抑制も不十分で
あった。以上のように従来の技術は溶出制御性、被膜の
分解性を同時に満たすものではなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、溶出後の被
膜が自然環境下で分解され、初期溶出の抑制が良好であ
り、長期にわたる溶出制御可能な分解性被膜被覆粒状肥
料及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【発明を解決するための手段】本発明者らは上記問題点
について種々検討した結果、特定の重量平均分子量を有
するポリオレフィン及び/又は石油ワックスを特定量と
無機充填材及び/又は界面活性剤を含有する被膜で被覆
されていることを特徴とする被覆粒状肥料が上記問題点
を解決することを見出し、本発明の完成に至った。即
ち、本発明は下記の通りである。
【0010】(1)重量平均分子量300〜10,00
0のポリオレフィン及び/又は石油ワックス10重量%
以上と無機充填材及び/又は界面活性剤とを含有する分
解性被膜で被覆されていることを特徴とする被覆粒状肥
料。 (2)重量平均分子量300〜10,000のポリオレ
フィン及び/又は石油ワックス10〜95重量%と無機
充填材5〜80重量%とを含有する分解性被膜で被覆さ
れていることを特徴とする(1)に記載の被覆粒状肥
料。 (3)重量平均分子量300〜10,000のポリオレ
フィン及び/又は石油ワックス10〜99.99重量%
と界面活性剤0.01〜20重量%とを含有する分解性
被膜で被覆されていることを特徴とする(1)に記載の
被覆粒状肥料。
【0011】(4)重量平均分子量300〜10,00
0のポリオレフィン及び/又は石油ワックス10〜9
4.99重量%、無機充填材5〜80重量%、および界
面活性剤0.01〜20重量%を含有する分解性被膜で
被覆されていることを特徴とする(1)に記載の被覆粒
状肥料。 (5)被膜構成成分を含有してなる分散液または溶液ま
たは溶融液を流動または転動状態の粒状肥料に噴霧状で
供給することにより粒状肥料の表面に被膜を形成させる
工程を含むことを特徴とする(1)〜(4)のいずれか
に記載の被覆粒状肥料の製造方法。
【0012】以下、本発明について詳述する。本発明に
於けるポリオレフィンの具体例としては、高密度ないし
は低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プ
ロピレン共重合物、ポリブテン、ブテン−エチレン共重
合物、ブテン−プロピレン共重合物などが挙げられる、
これらの中でもポリエチレン、ポリプロピレンを好適に
使用することができ、微生物分解性が優れているという
点からポリエチレンを最も好適に使用することができ
る。ポリオレフィンとしては通常の重合反応によって得
られる物の他に高分子量の物を熱分解ないしは酸化分解
により低分子量化した物も使用可能である。又、微量の
カルボキシル基などの官能基によって変性された物も使
用可能である。
【0013】本発明に於ける石油ワックスはパラフィン
ワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロタム
などの石油系ワックスを言い、特にパラフィンワック
ス、マイクロクリスタリンワックスを好適に使用するこ
とができる。石油ワックスは融点が50〜120℃のも
のが好ましい。融点が50℃より小さいと被覆時の付着
性が問題となり、120℃より大きいものは工業的に入
手困難である。これらのポリオレフィン及び/又は石油
ワックスは各々単独で使用しても良いし、両者の2種以
上を混合して使用しても良い。しかし、微生物分解速度
が速すぎず、適切な速度であり、さらに被膜の力学的強
度がより優れている点からポリオレフィンが好ましく使
用され、とりわけポリエチレンを最も好適に使用するこ
とができる。その際、効果を損なわない範囲でポリエチ
レンに少量の他のモノマーが共重合されていても良い。
【0014】本発明に於いてはこれらのポリオレフィン
及び石油ワックスの重量平均分子量は300〜10,0
00である必要がある。重量平均分子量が300より小
さいと被膜の土中での生分解速度が速く溶出期間中に被
膜の分解が起こる恐れがあり、又、被膜強度も低下する
ことより溶出制御が困難となる。一方、分子量が10,
000より大きいと溶出終了後の被膜の分解性が不十分
となる。生分解速度が適切である事と被膜の力学強度の
バランスからより好ましい分子量範囲は630〜10,
000であり、更に好ましくは630〜8、000、特
に好ましくは630〜5,100、最も好ましくは63
0〜3,000である。本発明に於ける重量平均分子量
はゲルパーメーションクロマトグラフィー(GPC)に
より測定された値を言う。重量平均分子量300〜1
0,000のポリオレフィン及び/又は石油ワックスの
被膜全体に対する含有率は10重量%以上である。含有
率が10重量%より小さいと被膜の分解性が不十分であ
る。被膜の分解性の観点から、より好ましくは20〜9
5重量%であり、更に好ましくは40〜95重量%であ
る。
【0015】本発明に於ける無機充填材としては、タル
ク、クレー、炭酸カルシウム、ベントナイト、シリカ、
ケイソウ土、酸化チタンなどの金属酸化物、硫黄粉末な
どが挙げられるが、初期溶出の抑制効果が優れている点
から、特にタルクが好適に使用される。無機充填材の粒
度は初期溶出の良好な抑制という観点から、好ましくは
平均粒径50μm(レーザー回折法による)以下であ
り、より好ましくは20μm以下である。無機充填材を
含有させることで溶出制御、特に初期溶出の良好な抑制
が可能な分解性被覆粒状肥料を得ることができる。無機
充填材の被膜全体に対する含有率は好ましくは5〜80
重量%であり、より好ましくは10〜70重量%、更に
好ましくは20〜60重量%である。無機充填材の含有
率が5重量%より小さいとこの効果が十分でなく、80
重量%より大きいと被膜強度が低下し、溶出制御性も低
下する恐れがある。
【0016】本発明に於ける界面活性剤としては、アニ
オン、ノニオン、カチオンおよび両性イオン界面活性剤
を使用することができるが、中でもアルキレンオキサイ
ドの重合単位を有するノニオン界面活性剤が好ましい。
本発明に於けるノニオン界面活性剤としては、ポリオキ
シエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアル
キルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノール
エーテル等に加えてポリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール、エチレンオキサイド−プロピレンオ
キサイド共重合体等のポリアルキレングリコール、ポリ
エチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチ
レンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体の少な
くとも一方の主鎖末端がメチルエーテルであるポリアル
キレングリコール誘導体も含むものである。
【0017】ポリアルキレングリコール誘導体の分子量
は特に限定されないが、例えば200〜500,000
の範囲のものが用いられる。界面活性剤のHLBとして
は8〜20のものが好適に使用される。少量の添加で溶
出速度を速めるにはHLB13〜20のものを使用する
ことが好ましい。界面活性剤を含有する被膜とすること
で良好な溶出制御ができ、任意の溶出期間を設定するこ
とができる。界面活性剤の含有率は被膜全体に対し好ま
しくは0.01〜20重量%、より好ましくは0.01
〜10重量%、さらに好ましくは0.1〜5重量%であ
る。界面活性剤の含有率が0.01重量%より小さいと
この効果が十分でなく、20重量%より大きいと被膜の
親水性が大きくなりすぎ、溶出制御性が低下する恐れが
ある。
【0018】本発明に於いては、重量平均分子量300
〜10,000のポリオレフィン及び/又は石油ワック
ス10重量%以上と無機充填材及び/又は界面活性剤を
含有する被膜とする必要があり、重量平均分子量300
〜10,000のポリオレフィン及び/又は石油ワック
ス10〜95重量%と無機充填材5〜80重量%を含有
する被膜とすること、重量平均分子量300〜10,0
00のポリオレフィン及び/又は石油ワックス10〜9
9.99重量%及び界面活性剤0.01〜20重量%を
含有する被膜とすることが好ましく、重量平均分子量3
00〜10,000のポリオレフィン及び/又は石油ワ
ックス10〜94.99重量%と無機充填材5〜80重
量%及び界面活性剤0.01〜20重量%を含有する被
膜とすることが更に好ましい。重量平均分子量300〜
10,000のポリオレフィン及び/又は石油ワックス
に無機充填材及び界面活性剤を組合せて用いることによ
り、適切な速度の被膜分解性、且つ初期溶出の良好な抑
制及び長期にわたる溶出制御性を有する分解性被膜被覆
粒状肥料を得ることができる。
【0019】上記の無機充填材、界面活性剤、あるいは
両者を含む被膜に於いて、重量平均分子量300〜1
0,000のポリオレフィン及び/又は石油ワックス
は、より好ましくは20〜94.99重量%であり、更
に好ましくは40〜80重量%である。また、重量平均
分子量300〜10,000のポリオレフィン及び/又
は石油ワックスの合計重量は、被膜の分解性から、無機
充填材を除いた被膜重量に対して40重量%以上含有さ
れることが好ましく、70重量%以上含有されることが
更に好ましい。
【0020】本発明に於いては、澱粉、変性澱粉、穀物
粉、セルロース、寒天、キサントンの中から選ばれる一
種以上の生分解性物質を被膜に含ませることが好まし
い。これらの生分解性物質を被膜に含ませることにより
被膜分解速度を変化させることができる。本発明の生分
解性物質の被膜全体に対する含有率は0.5〜20重量
%が好ましい。含有率が0.5重量%より小さいと添加
効果が不十分であり、20重量%より大きいと被膜の力
学的強度の点から好ましくない。
【0021】本発明に於いては光分解促進剤及び/又は
酸化分解促進剤を被膜に含ませることにより、微生物に
よる分解と光分解、酸化分解との相乗効果が得られより
好ましい。光分解促進剤としては有機金属錯体が好まし
い。具体例としては、鉄、コバルト、ニッケル、銅、マ
ンガン、銀、パラジウム、モリブデン、クロム、タング
ステン、セリウムの中から選ばれる金属を含む有機金属
錯体を好適に使用できる。好ましい錯形成剤としては、
アセチルアセトンをはじめとするβージケトン類、βー
ケトエステル類、並びにジアルキルジチオカーバメー
ト、ジアルキルジチオホスフェート、アルキルキサンテ
ート、メルカプトベンゾチアゾールが例示され、より具
体的には、ニッケルジブチルジチオカーバメート、ニッ
ケルジエチルジチオカーバメート、鉄のアセチルアセト
ン錯体が好ましく用いられる。
【0022】有機金属錯体は被膜重量に対し、0.02
〜20×10-6モル/g含有される必要があり、好まし
くは0.1〜10×10-6モル/gである。含有率が
0.02×10-6モル/gより小さいと添加効果が不十
分であり、20×10-6モル/gより大きいと経済性の
点から好ましくない。
【0023】酸化分解促進剤としては、−C=C−不飽
和結合を有する化合物、遷移金属、遷移金属化合物が好
ましい。−C=C−不飽和結合を有する化合物として
は、不飽和脂肪酸、例えばオレイン酸、リノール酸、リ
ノレン酸、アラキドン酸、エルカ酸、パルミトール酸、
リシノール酸、エレオステアリン酸等、不飽和脂肪酸エ
ステル、例えばオレイン酸、リノール酸、リノレン酸、
アラキドン酸、エルカ酸、パルミトール酸、リシノール
酸、エレオステアリン酸等のメチルエステル、エチルエ
ステル、プロピルエステル、イソブチルエステル等、油
脂類、例えば乾性油であるアマニ油、大豆油、桐油、半
乾性油である菜種油、綿実油、不乾性油であるオリーブ
油、椿油、ヒマシ油等の植物油、鯨油、牛脂、魚油、肝
油等の動物油、ジエン系共重合体例えばポリブタジエ
ン、ポリイソブテン、スチレン−ブタジエン共重合体、
スチレン−イソプレン共重合体、アクリロニトリル−ブ
タジエン共重合体が挙げられる。遷移金属、遷移金属化
合物としては、ジエン系共重合体例えばポリブタジエ
ン、ポリイソブテン、スチレン−ブタジエン共重合体、
スチレン−イソプレン共重合体、アクリロニトリル−ブ
タジエン共重合体が挙げられる。遷移金属、遷移金属化
合物としては、銅、銀、亜鉛、カドミウム、クロム、モ
リブデン、鉄、コバルト、ニッケル等の微細粉末、それ
ら金属の酸化物、ハロゲン化物、無機金属塩、有機金属
塩等が挙げられる。
【0024】本発明に於いて被膜にその他の樹脂、着色
剤、潤滑剤およびその他の添加剤等を含ませることがで
きる。上記その他の樹脂としては、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸メ
チル(括弧内の文字は読んでも読まなくてもよいものと
する。以下同じ。)、エチレン−(メタ)アクリル酸共
重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合
体、エチレン−一酸化炭素共重合体、ポリ塩化ビニル、
ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重
合物、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロブ
レン、ブタジエン−スチレン共重合物、EPDM、スチ
レン−イソプレン共重合物などのジエン系(共)重合物
などを使用することができる。
【0025】さらにこれらの樹脂の他に、石油樹脂、天
然ゴム、ロジンなどの天然樹脂、硬化油、固形脂肪酸な
どの油脂、及びこれらの変性物、密ロウ、木ロウなどの
ワックスなども使用できる。着色剤としては、カーボン
ブラック、チタンホワイトなど従来公知の顔料、ないし
は染料を使用することができる。また、固結防止のため
に被膜表面にシリカフラワー等の固結防止剤を付着させ
ることができる。
【0026】被覆される粒状肥料に特に制限はなく、従
来公知のものが使用できる。好ましい態様例を列挙する
ならば、尿素、アルデヒド縮合尿素、イソブチルアルデ
ヒド縮合尿素、ホルムアルデヒド縮合尿素、硫酸グアニ
ル尿素、オキサミド等の含チッソ有機化合物、硝酸アン
モニウム、燐酸二水素アンモニウム、燐酸水素二アンモ
ニウム、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸ナ
トリウム等のアンモニウム、及び硝酸化合物、硝酸カリ
ウム、燐酸カリウム 硫酸カリウム、塩化カリウムなど
のカリウム塩、燐酸カルシウム、硫酸カルシウム、硝酸
カルシウム、塩化カルシウムなどのカルシウム塩、硝酸
マグネシウム、塩化マグネシウム、燐酸マグネシウム、
硫酸マグネシウムなどのマグネシウム塩、硝酸第一鉄、
硝酸第二鉄、燐酸第一鉄、燐酸第二鉄、硫酸第一鉄、硫
酸第二鉄、塩化第一鉄、塩化第二鉄などの鉄塩、及びこ
れらの複塩、ないしはこれらを2つ以上複合したものを
使用することができる。
【0027】これらの粒状肥料は粒状としての形態と力
学的強度を維持する目的で従来公知の結着剤が含まれて
いる場合がある。結着剤の例としては、例えば廃糖蜜、
リグニンスルホン酸塩、およびそれらの変性物が挙げら
れる。また、被覆される粒状肥料に対する被膜の重量は
1〜50重量%が好ましく、より好ましくは、3〜20
重量%、さらに好ましくは、3〜15重量%である。こ
の下限を逸脱すると、肥料としての溶出成分のコントロ
ールが困難となる。また、この上限を逸脱すると、肥料
としての品位の低下という問題が生じる。本発明の被覆
粒子の粒子径に特に制限はないが、通常 0.5〜10
mm、好ましくは1〜5mmである。また、形状は球状
に近いものが好ましい。
【0028】本発明の分解性被膜で被覆した被覆粒状肥
料の製造方法としては、被膜構成成分を含有してなる分
散液または溶液または溶融液を流動または転動状態の粒
状肥料に噴霧状で供給することにより粒状肥料の表面に
被膜を形成させる工程を含むことを特徴とする製造方法
が好適に用いられる。本発明に於いては初期溶出の抑制
が良好であるという理由から、分散液または溶液を使用
する製造方法が溶融液を利用する方法よりより好まし
い。
【0029】粒状肥料を流動状態にするには例えば噴流
装置に粒状肥料を導入し、噴流を起こさせればよく、転
動状態にするには例えばドラム型あるいは糖衣機等のパ
ン型の装置を用いればよい。噴流装置は従来公知のもの
を使用することができる。本発明の製造方法に使用する
噴流装置の一例の概略図を図1に示す。また、本発明の
製造方法に使用する転動被覆装置の一例の概略図を図2
に示す。
【0030】これらの装置については、例えば、特公昭
54ー3104号公報に開示されている。即ち、噴流塔
本体に、ガスを送風するためのブロアー、分散液、溶液
または溶融液を送液するための溶液ポンプ、及びスプレ
ーノズル、温度計などを取り付けた装置である。噴流塔
内に被覆しようとする粒状肥料を導入し、ブロアー等か
ら所定の温度のガスを送風して塔内で肥料の噴流が安定
に起こるようにガス流量を調整する。塔内が所望の温度
になったら、スプレーノズルから特定の分散液、溶液ま
たは溶融液を噴霧状で供給することにより粒状肥料の表
面に被膜を形成させる。この際の温度、送風量等の条件
は組成等により適宜変更することができる。
【0031】上記転動被覆装置の場合も同様に装置内に
被覆しようとする粒状肥料を導入し、ブロアー等から所
定の温度のガスを送風して肥料の転動が安定に起こるよ
うに回転速度を調整する。装置内が所望の温度になった
ら、スプレーノズルから特定の分散液、溶液または溶融
液を噴霧状で供給することにより粒状肥料の表面に被膜
を形成させる。この際の温度、送風量等の条件は組成等
により適宜変更することができる。
【0032】分散液、溶液または溶融液は、重量平均分
子量300〜10,000のポリオレフィン及び/又は
石油ワックス、無機充填材、界面活性剤、その他の成分
を所定量含有しているものであり、該成分のみ又は該成
分および溶剤より構成される。該成分のみの場合は加熱
により溶融液とし無溶剤で噴霧する。溶剤を使用する場
合は溶液又は分散液状態で噴霧する。本発明に使用する
溶剤には特に制限はないが、好ましいものを例示するな
ら、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンなどの
芳香族系溶剤、ヘキサン、ヘプタン、n−オクタン、2
ーエチルヘキサン、2ーエチルシクロヘキサンなどの脂
肪族系炭化水素、ジクロルメタン、トリクロロメタン、
テトラクロロメタン、トリクロロエチレン、テトラクロ
ロエチレンなどの塩素化炭化水素などが挙げられる。
【0033】これらの溶剤と混合される物質は、この溶
剤に溶解するものと溶解しないものがあってよい。かか
る見地から本明細書においてはこれらの混合物を分散液
または溶液と記述した。本溶剤に対し、重量平均分子量
300〜10,000のポリオレフィン及び/又は石油
ワックス、界面活性剤、およびこれ以外の樹脂は溶解す
ることが好ましいが、無機充填材は溶解しないで分散体
として使用されることが多い。
【0034】なお、固形分とは全分散液または溶液中に
おける溶剤以外の部分をいい、固形分濃度とは、溶剤を
含む全混合物の重量に対する溶剤以外の重量の占める割
合を百分率表示したものをいう。固形分濃度は、該分散
液または溶液を130℃で24時間乾燥させ、その前後
の重量を測定することによって測定される。本発明に於
ける溶剤を使用する場合の固形分濃度は、1〜20重量
%が好ましく、さらに好ましくは3〜15重量%であ
る。
【0035】被膜形成時の温度に特に制限はないが、通
常、30℃以上で、且つ、粒子同士の付着が起こらない
温度が設定される。具体的には30〜150℃程度の範
囲、さらに好ましくは30〜100℃の範囲が選ばれ
る。噴流装置に於いては熱風は、肥料粒子を安定に噴流
させ、かつ、上記温度を維持するに必要な温度と風量に
設定されるべきである。これらの技術は従来公知の技術
を応用することが可能である。
【0036】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例、及び比較
例を具体的に示す。なお、実施例、比較例中の試験は下
記の方法によった。 <分子量測定>ポリマーラボラトリー社製高温GPC装
置(PL−GPC 210型)に、同社製カラム(PL
gel MIXED−B、2本)を装着し、オーブン
温度140℃、オルトジクロロベンゼンを溶離液として
用い分析を行った。分子量の較正は同社の標準ポリエチ
レン試料を使用して実施した。
【0037】<溶出試験>畑地土壌を風乾して10メッ
シュふるいでふるい、ふるい下を得た。ふるい下250
gに被覆粒状肥料2gを混合し、500mlのポリ瓶に
いれ、最大容水量の60%の水分量となるように水を加
えた後25℃で静置した。所定期間後サンプルを含む土
壌を10メッシュふるいでふるい、ふるい上に残る被覆
粒状肥料を拾い上げ乳鉢にてすりつぶし、水を加えて溶
解、ろ過した。ろ液中の肥料成分を全農型土壌分析器Z
A−II型にてチッソ、燐酸、カリなどの濃度を測定し
た。尿素については該液を紫外吸光光度法により定量し
た。溶出率は、もとの被覆粒状肥料に含まれていた肥料
成分に対する溶出してきた成分の百分率で表示する。表
には肥料成分が80%溶出するのに要する日数、および
3日後の溶出率(初期溶出率を表す)を示した。
【0038】<分解試験>畑地土壌1kgに被覆肥料6
0gを混合し、底のない枠に入れて屋外に放置した。3
年経過後の被覆肥料のうち、もとの被膜の形状を全く維
持していないものの全体に対する割合を持って分解率を
示した。なお、上記混合物は、1回/月の頻度で混合操
作を行った。
【0039】
【実施例1】図1に示す噴流装置を使用し被覆肥料を製
造した。即ち、重量平均分子量630、数平均分子量5
80のポリエチレン5重量部、タルク5重量部に90重
量部のテトラクロルエチレンを加え、該溶剤の沸点まで
加熱リフラックスさせて溶解した。2〜4mmで篩分し
た平均粒子径3.0mmの粒状燐硝安カリ(N、P2
5 、K2 O成分は各々15%)100重量部を噴流装置
に投入し、熱風を送風して装置内の温度が60℃で安定
な噴流状態を起こさせた。次に、上記分散液を送液ポン
プによりスプレーノズルから8分を要して噴流装置に供
給した。この間、噴流装置内は60±2℃となるよう熱
風の温度を調節した。溶液の供給終了後、熱風を冷風に
切り替え、35℃以下になった時点で噴流装置から内容
物を取り出した。
【0040】製造された被覆肥料は110重量部であ
り、供給された固形分のほぼ全量が、被覆されているこ
とがわかった。さらに被覆粒子を乳鉢にてすりつぶし、
水を加えて溶解、ろ過した。ろ過、乾燥後の被膜をオル
トジクロロベンゼンに溶解して上記の方法で被膜の分子
量測定を行った。その結果、重量平均分子量は仕込みポ
リエチレンの値と同じであることを確認した。更に上述
した方法に従い得られた被覆粒状肥料の溶出試験、分解
試験を実施した。これらの結果は表1に示した。
【0041】
【実施例2】重量平均分子量1400、数平均分子量7
60のポリエチレン9重量部とタルク1重量部のテトラ
クロルエチレン分散液を用いること以外は実施例1に述
べたのと同様な方法で被覆肥料を得た、更に同様な方法
で分子量測定、溶出試験、分解試験を実施した。これら
の結果は表1に示した。
【0042】
【実施例3】重量平均分子量630、数平均分子量58
0のポリエチレン9.999重量部とポリオキシエチレ
ンモノステアレート(HLB=8)0.001重量部の
テトラクロルエチレン溶液を用いること以外は実施例1
に述べたのと同様な方法で被覆肥料を得た、更に同様な
方法で分子量測定、溶出試験、分解試験を実施した。こ
れらの結果は表1に示した。
【0043】
【実施例4】重量平均分子量1400、数平均分子量7
60のポリエチレン9重量部とポリオキシエチレンモノ
ステアレート(HLB=8)1重量部のテトラクロルエ
チレン溶液を用いること以外は実施例1に述べたのと同
様な方法で被覆肥料を得た、更に同様な方法で分子量測
定、溶出試験、分解試験を実施した。これらの結果は表
1に示した。
【0044】
【実施例5】重量平均分子量1400、数平均分子量7
60のポリエチレン4.95重量部、タルク5重量部、
ポリオキシエチレンモノステアレート(HLB=8)
0.05重量部のテトラクロルエチレン分散液を用いる
こと以外は実施例1に述べたのと同様な方法で被覆肥料
を得た、更に同様な方法で分子量測定、溶出試験、分解
試験を実施した。これらの結果は表1に示した。
【0045】
【実施例6】重量平均分子量630、数平均分子量58
0のポリエチレン5.9重量部、タルク4重量部、ポリ
オキシエチレンノニルフェニルエーテル(HLB=1
3)0.1重量部のテトラクロルエチレン分散液を用い
ること以外は実施例1に述べたのと同様な方法で被覆肥
料を得た、更に同様な方法で分子量測定、溶出試験、分
解試験を実施した。これらの結果は表1に示した。
【0046】
【実施例7】重量平均分子量5100、数平均分子量1
600のポリエチレン1.999重量部、タルク8重量
部、ポリオキシエチレンモノステアレート(HLB=
8)0.001重量部のテトラクロルエチレン分散液を
用いること以外は実施例1に述べたのと同様な方法で被
覆肥料を得た、更に同様な方法で分子量測定、溶出試
験、分解試験を実施した。これらの結果は表1に示し
た。
【0047】
【実施例8】重量平均分子量530、数平均分子量33
0のパラフィンワックス9.4重量部、タルク0.5重
量部、ポリオキシエチレンモノステアレート(HLB=
8)0.1重量部のテトラクロルエチレン分散液を用い
ること以外は実施例1に述べたのと同様な方法で被覆肥
料を得た、更に同様な方法で分子量測定、溶出試験、分
解試験を実施した。これらの結果は表1に示した。
【0048】
【実施例9】図2に示す転動型被覆装置を使用し被覆肥
料を製造した。即ち、重量平均分子量1400、数平均
分子量760のポリエチレン4.95重量部、タルク5
重量部、ポリオキシエチレンモノステアレート(HLB
=8)0.05重量部に90重量部のテトラクロルエチ
レンを加え、該溶剤の沸点まで加熱リフラックスさせて
溶解した。2〜4mmで篩分した平均粒子径3.0mm
の粒状燐硝安カリ(N、P2 5 、K2 O成分は各々1
5%)100重量部を転動型被覆装置に投入して、転動
させつつ熱風を送風して装置内の温度を60℃とした。
次に、上記分散液を送液ポンプによりスプレーノズルか
ら10分を要して装置に供給した。この間、装置内は6
0±10℃となるよう熱風の温度を調節した。溶液の供
給終了後、熱風を冷風に切り替え、35℃以下になった
時点で装置から内容物を取り出した。
【0049】製造された被覆肥料は110重量部であ
り、供給された固形分のほぼ全量が、被覆されているこ
とがわかった。さらに被覆粒子を乳鉢にてすりつぶし、
水を加えて溶解、ろ過した。ろ過、乾燥後の被膜をオル
トジクロロベンゼンに溶解して上記の方法で被膜の分子
量測定を行った。その結果、重量平均分子量は仕込みポ
リエチレンの値と同じであることを確認した。更に上述
した方法に従い得られた被覆粒状肥料の溶出試験、分解
試験を実施した。これらの結果は表1に示した。
【0050】
【実施例10】図2に示す転動型被覆装置を使用し被覆
肥料を製造した。即ち、重量平均分子量630、数平均
分子量580のポリエチレン5.9重量部、タルク4重
量部、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(H
LB=13)0.1重量部を120℃で加熱溶融させ
た。2〜4mmで篩分した平均粒子径3.0mmの粒状
燐硝安カリ(N、P2 5 、K2 O成分は各々15%)
100重量部を転動型被覆装置に投入し、転動させつつ
熱風を送風して装置内の温度を80℃をとした。次に、
上記溶融液を送液ポンプによりスプレーノズルから20
分を要して装置に供給した。この間、装置内は80±1
0℃となるよう熱風の温度を調節した。溶液の供給終了
後、熱風を冷風に切り替え、35℃以下になった時点で
装置から内容物を取り出した。
【0051】製造された被覆肥料は110重量部であ
り、供給された固形分のほぼ全量が、被覆されているこ
とがわかった。さらに被覆粒子を乳鉢にてすりつぶし、
水を加えて溶解、ろ過した。ろ過、乾燥後の被膜をオル
トジクロロベンゼンに溶解して上記の方法で被膜の分子
量測定を行った。その結果、重量平均分子量は仕込みポ
リエチレンの値と同じであることを確認した。更に上述
した方法に従い得られた被覆粒状肥料の溶出試験、分解
試験を実施した。これらの結果は表1に示した。
【0052】
【実施例11】重量平均分子量910、数平均分子量5
20のポリエチレン4.95重量部、タルク(平均粒径
10μ)5重量部、ポリオキシエチレンモノステアレー
ト(HLB=8)0.05重量部のテトラクロルエチレ
ン分散液を用いること以外は実施例1に述べたのと同様
な方法で被覆肥料を得た、更に同様な方法で分子量測
定、溶出試験、分解試験を実施した。これらの結果は表
1に示した。
【0053】
【実施例12】重量平均分子量910、数平均分子量5
20のポリエチレン4.95重量部、タルク(平均粒径
10μ)5重量部、ポリオキシエチレンモノステアレー
ト(HLB=8)0.05重量部、鉄アセチルアセトン
錯体0.00177重量部、ニッケルジブチルジチオカ
ーバメート0.00071重量部のテトラクロルエチレ
ン分散液を用いること以外は実施例1に述べたのと同様
な方法で被覆肥料を得た、更に同様な方法で分子量測
定、溶出試験、分解試験を実施した。これらの結果は表
1に示した。
【0054】
【実施例13】重量平均分子量910、数平均分子量5
20のポリエチレン4.95重量部、タルク(平均粒径
10μ)4重量部、ポリオキシエチレンモノステアレー
ト(HLB=8)0.05重量部、澱粉(コーンスター
チ、平均粒径20μm、280メッシュ通過品)1重量
部のテトラクロルエチレン分散液を用いること以外は実
施例1に述べたのと同様な方法で被覆肥料を得た、更に
同様な方法で分子量測定、溶出試験、分解試験を実施し
た。これらの結果は表1に示した。
【0055】
【実施例14】重量平均分子量910、数平均分子量5
20のポリエチレン4.7重量部、タルク(平均粒径1
0μ)5重量部、片末端がメチル化されたポリエチレン
グリコール(分子量2000、ユニオックスM200
0、日本油脂製)0.3重量部のテトラクロルエチレン
分散液を用いること以外は実施例1に述べたのと同様な
方法で被覆肥料を得た、更に同様な方法で分子量測定、
溶出試験、分解試験を実施した。これらの結果は表1に
示した。
【0056】
【比較例1】重量平均分子量95000、数平均分子量
9500の低密度ポリエチレン4重量部、タルク6重量
部のテトラクロルエチレン分散液を用いること以外は実
施例1に述べたのと同様な方法で被覆肥料を得た、更に
同様な方法で分子量測定、溶出試験、分解試験を実施し
た。これらの結果は表1に示した。
【0057】
【比較例2】重量平均分子量10000のポリカプロラ
クトン5重量部、タルク5重量部のテトラクロルエチレ
ン分散液を用いること以外は実施例1に述べたのと同様
な方法で被覆肥料を得た、更に同様な方法で分子量測
定、溶出試験、分解試験を実施した。これらの結果は表
1に示した。
【0058】
【比較例3】重量平均分子量630、数平均分子量58
0のポリエチレン10重量部のテトラクロルエチレン溶
液を用いること以外は実施例1に述べたのと同様な方法
で被覆肥料を得た、更に同様な方法で分子量測定、溶出
試験、分解試験を実施した。これらの結果は表1に示し
た。
【0059】
【表1】
【0060】
【発明の効果】本発明の特定分子量のポリオレフィン及
び/又は石油ワックスと無機充填材及び/又は界面活性
剤とを含有する分解性被膜で被覆した被覆粒状肥料は、
溶出後の被膜が自然環境下で分解され、なお且つ初期溶
出の抑制が良好、長期にわたり溶出制御可能であり、そ
の被覆肥料としての価値は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造法に使用する噴流装置の一例の概
略図である。
【図2】本発明の製造法に使用する転動被覆装置の一例
の概略図である。
【符号の説明】
1 ブロワー 2 オリフィス 3 加熱器 4 送液ポンプ 5 スプレーノズル 6 肥料投入口 7 排出口 8 肥料 T1 およびT2 温度計 11 タンク 12 液配管 13 送液ポンプ 14 回転パン 15 スプレーノズル 16 熱風吹き込み口

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量平均分子量300〜10,000の
    ポリオレフィン及び/又は石油ワックス10重量%以上
    と無機充填材及び/又は界面活性剤とを含有する分解性
    被膜で被覆されていることを特徴とする被覆粒状肥料。
  2. 【請求項2】 重量平均分子量300〜10,000の
    ポリオレフィン及び/又は石油ワックス10〜95重量
    %と無機充填材5〜80重量%とを含有する分解性被膜
    で被覆されていることを特徴とする請求項1記載の被覆
    粒状肥料。
  3. 【請求項3】 重量平均分子量300〜10,000の
    ポリオレフィン及び/又は石油ワックス10〜99.9
    9重量%と界面活性剤0.01〜20重量%とを含有す
    る分解性被膜で被覆されていることを特徴とする請求項
    1記載の被覆粒状肥料。
  4. 【請求項4】 重量平均分子量300〜10,000の
    ポリオレフィン及び/又は石油ワックス10〜94.9
    9重量%、無機充填材5〜80重量%、および界面活性
    剤0.01〜20重量%を含有する分解性被膜で被覆さ
    れていることを特徴とする請求項1記載の被覆粒状肥
    料。
  5. 【請求項5】 被膜構成成分を含有してなる分散液また
    は溶液または溶融液を流動または転動状態の粒状肥料に
    噴霧状で供給することにより粒状肥料の表面に被膜を形
    成させる工程を含むことを特徴とする請求項1〜4のい
    ずれかに記載の被覆粒状肥料の製造方法。
JP10051289A 1997-02-19 1998-02-18 分解性被膜被覆粒状肥料とその製造方法 Withdrawn JPH10291880A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10051289A JPH10291880A (ja) 1997-02-19 1998-02-18 分解性被膜被覆粒状肥料とその製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3522897 1997-02-19
JP9-35228 1997-02-19
JP10051289A JPH10291880A (ja) 1997-02-19 1998-02-18 分解性被膜被覆粒状肥料とその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10291880A true JPH10291880A (ja) 1998-11-04

Family

ID=26374171

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10051289A Withdrawn JPH10291880A (ja) 1997-02-19 1998-02-18 分解性被膜被覆粒状肥料とその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10291880A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO1998037039A1 (fr) Fertilisant granulaire enrobe d'une pellicule de protection decomposable et son procede de production
US5645624A (en) Granular fertilizer with a multilayer coating
KR101545799B1 (ko) 붕괴성 피막으로 피복된 피복 입상 비료
EP3298094A1 (en) Wax-based fertilizer coatings with polyethylene- or polypropylene-based polymers
JP6706899B2 (ja) 被覆粒状肥料
JP4212677B2 (ja) 分解性被膜被覆粒状肥料およびその製造方法
JPH1025179A (ja) 崩壊型被覆粒状肥料
JP4050052B2 (ja) 被覆粒状肥料
JPH10291880A (ja) 分解性被膜被覆粒状肥料とその製造方法
JP5116220B2 (ja) 被覆粒状肥料及びその製造方法
JPH11130576A (ja) 分解性を有する被覆粒状肥料
JP2000302585A5 (ja)
JPH07206565A (ja) 微量要素含有被覆粒状肥料
JP3729959B2 (ja) 被覆粒状肥料
JPH10231190A (ja) 被覆肥料とその製造方法
JP4804632B2 (ja) 被膜分解性のシグモイド溶出型被覆粒状肥料
JPH10231191A (ja) 多層被覆肥料とその製造方法
JPH1192260A (ja) 分解性被覆粒状肥料とその製造方法
JP2000302585A (ja) 分解性被膜を有する被覆粒状肥料
JPH0748194A (ja) 崩壊膜被覆粒状肥料
JP4097302B2 (ja) 被覆粒状肥料
JPH1160369A (ja) 被覆粒状肥料とその製造方法
JP4044765B2 (ja) 被覆肥料
JP4302217B2 (ja) 被覆粒状肥料
JPS6340789A (ja) 分解性被膜で被覆された粒状肥料とその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050119

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20070330

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080616

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080722

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20080916