JPH1170607A - スティック状包装体用外装材及びその製造方法 - Google Patents
スティック状包装体用外装材及びその製造方法Info
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- JPH1170607A JPH1170607A JP9247491A JP24749197A JPH1170607A JP H1170607 A JPH1170607 A JP H1170607A JP 9247491 A JP9247491 A JP 9247491A JP 24749197 A JP24749197 A JP 24749197A JP H1170607 A JPH1170607 A JP H1170607A
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Abstract
が容易なプラスチックフィルムにかえたスティック状包
装体110において、包装時のデッドフォールドを主と
する包装適性をもつとともに、開封使用時の易引裂き性
や、絵柄層の保護性をもつ外装材とその製造方法の提供
を課題とする。 【解決手段】 少なくとも、ヒートシール層6をもつプ
ラスチックフィルム、絵柄層2、紙4及びバリア層4B
又はアルミニウム箔5が順に積層された外装材10にお
いて、該プラスチックフィルムの引裂伝ぱ抵抗が8g/
mm以下であり、かつ伸び率が60%以下のポリプロピ
レンフィルム又はポリスチレンフィルム1から構成し、
そして、酢酸エチルを主溶剤とするウレタン系樹脂、又
はアルコールを主溶剤とする硝化綿もしくはポリビニル
ブチラールをベヒクルとする印刷インキで絵柄層2を構
成する。
Description
ロック状キャンデイを複数(2〜10枚、又は2〜10
個)集積包装に使用するスティック状の包装体を形成す
る外装材は、剛性、折り込み適性、カッティング適性を
もち、かつ開封するときの易引裂き性、単数づつ取出し
たのちにおいても残部の包装状態を維持すことが必要で
ある。本発明は、このようなスティック状包装体に用い
る外装材、及びその製造方法に属する。
状のキャンディなどの内容物を複数包装して展示販売に
供する図3に示すスティック状包装体(110)用の外
装材は、個々の内容物を個包装やラベリングしたのち、
「外装材」で整列・固定して包装したスティック状包装
体が使用されていた。そして、スティック状包装体に用
いる外装材は、内容物がもつ香味の保存性と同時に、包
装体の外形保持性(包装したときの折り込み形状を保つ
剛性、密封状態)をもつことが要求されるものであっ
た。また、ダブルIノッチをもつ開封部13からカット
テープ15に沿って外装材を一周して引裂いて開封し、
内容物を単数取出したのちでも、残内容物を集積状態で
保持できる包装機能をもつ外装材が使用されていた。そ
して、該外装材は、意匠性(表面光沢)、絵柄層の保護
性(ポケットやバッグの中で保管・取り出し使用された
とき絵柄層の脱落を防止する外装材の表面強度)をもつ
ことが要求されるものである。
て、印刷面と紙及びバリア層、又はアルミニウム箔とを
積層し、外装材の内部に絵柄層をサンドイッチする。そ
して、透明フィルムを通して絵柄層をみることで光沢を
もつ絵柄層を形成し、同時にバッグやポケット内での摩
擦による絵柄層(印刷インキ)の脱落を表面のフイルム
で防止するように構成されていた。また、外装材に内容
物を集積・外装したときに、所定の位置で正確に折り込
まれ、その位置や形状が保たれ(以下、折り込んだ位置
を保たれることを『デッドフォールド』と記載す
る。)、プラスチックフィルムに塗工されているヒート
シーラント層は、包装機に供給しヒートシール剤で密封
できる性質を要求されるものである。
り出して食するためには、外装材にダブルIノッチとと
もに設けたカットテープに沿って完全に一周して包装体
の端部から引裂かれる性能が要求される。
透明フィルムでかつヒートシール層を表面に設けた防湿
セロハンに絵柄層を印刷し、更にその印刷面とバリア層
を設けた模造紙などの包装資材用ロール紙の紙面との積
層体や、又はバリア層に代えて紙面にアルミニウム箔を
ウェットラミネーション、ドライラミネーション又はポ
リエチレンなどの溶融樹脂によるサンドイッチラミネー
ションで構成した積層体が使用されていた。また、必要
に応じてアルミニウム箔面に透明フイルムとヒートシー
ルできる感熱性のヒートシーラント層を設けたり、充填
包装時に接着(ヒートシール)を安定化する接着促進層
を設けたりすることが行われていた。上記のスティック
状包装体用外装材に使用される防湿セロハンは、端部か
ら均一に引裂ける引裂伝ぱ抵抗や伸び率が小さいためカ
ッティング適性があり、また、デッドフォールドに優れ
るものである。したがって、防湿セロハンと、デッドフ
ォールド性に優れた紙と、アルミニウム箔とを積層構成
する外装材は、優れたカッティング適性と、デッドフォ
ールドとを併せもつスティック状包装体を形成できる。
塑性プラスチックフィルムに代えた外装材は、カッティ
ング適性が劣り(引裂き強度、引裂伝ぱ抵抗や伸び率が
大きく)、折り込んだ時の反発力(デッドフォールド性
がない)がある。そのために、包装体を折り込み形成し
たときの形状(折り込み角)が保たれないばかりでな
く、折り込んでホットメルトなどでヒートシールしたと
き、表面に構成するプラスチックフィルムとアルミニウ
ム箔とが図3で示すような密着状態の胴シール部116
やサイドシール部126を形成せず、使用したホットメ
ルトなどが冷却固化する前に反発し剥離してしまうとい
う問題があった。
カットテープとを設けた場合、該フィルムの延伸方向に
は引裂けるが、カットテープがはずれたり、また、カッ
トテープを省略して設けない場合は、ダブルIノッチ部
からの引裂きは、フィルムが伸びるため安定性に欠け、
引裂き巾が先細りして、カッティングを一周できないも
のであった。
リプロピレンやポリスチレンフィルムは、引裂伝ぱ抵抗
が小さく、かつ伸び率も成膜条件により満足できるもの
を作成できたが、これらのフィルム極性値が小さく(ポ
リマーの溶解パラメーターが小さい)、これらのフィル
ムの印刷に使用されるグラビア印刷、フレキソ輪転印刷
のインキでは接着しないという問題があった。プラスチ
ックフィルムに対して印刷インキが十分な接着強度を発
揮できないときは、その印刷面に接着剤層を設けて他の
材料と積層しても、プラスチックフィルムと印刷インキ
との間で剥離し、積層体の各層間が必要とする接着強度
をもつように構成できないという問題があった。
とを接着する場合は、フィルムにコロナ放電処理などの
物理的方法を施すことにより解決することができる。し
かしながら、ポリスチレンフィルムのように、水やアル
コール以外のエステル、ケトン、炭化水素系溶剤に溶解
し易いフィルムは、印刷のときにインキに含まれる溶剤
が浸透し、残留溶剤が多くなり、印刷を施した巻取りが
ブロッキングしたり、場合によってはフィルムが溶解・
切断して輪転印刷ができないという問題があった。特
に、絵柄層の面積、色数が大きくなるほど残留溶剤が多
くなることを避けることは困難であった。また、延伸フ
ィルムがもつ性質から、印刷を行うときに乾燥温度を高
くできないため、印刷インキを構成する揮発性溶剤を完
全に乾燥できずに残留溶剤となり、内容物に溶剤臭を付
与するという問題点もある。
いて多量の水を消費し、かつ副生する硫黄化合物を無公
害化して処理するための費用が嵩むことがネックとなり
生産が縮小傾向にある。そこで防湿セロハンにかわるプ
ラスチックフィルムを使用することを試みられたが、上
記のデッドフォールド性、カッティング適性(易引裂き
性)、適度の剛性などを満足できるものがなかった。
防湿セロハンを、供給が容易なプラスチックフィルムに
かえ、表面にヒートシール層(以下、本明細書において
はHS層と記載する。)をもち、印刷の時における残留
溶剤が少なく、積層適性、包装時のデッドフォールド
性、カッティング適性や、使用時の開封性(易引裂き
性)、絵柄層の保護性を満足できるスティック状包装体
用外装材の提供を課題とするものである。
に本発明は、少なくとも、HS層をもつプラスチックフ
ィルム、絵柄層、紙及びバリア層とが順に構成された積
層シートにおいて、該プラスチックフィルムの引裂伝ぱ
抵抗が、8g/20μmを超えず、かつ伸び率が60%
に満たないスティック状包装体用外装材である。そし
て、上記プラスチックフィルムが、少なくとも成膜方向
に延伸したポリプロピレンフィルム、又はポリスチレン
フィルムであるスティック状包装体用外装材である。ま
た、上記プラスチックフィルムに、ウレタン系樹脂又は
ポリビニルブチラールをバインダー(本発明のバインダ
ーとは、絵柄層の着色料をフィルムに固着する材料であ
る樹脂分を主とするもので揮発性成分を含まないものを
いう。)とするインキで印刷した絵柄層をもつスティッ
ク状包装体用外装材である。また、前記バリア層がアル
ミニウム箔で構成したスティック状包装体用外装材であ
る。そして、コロナ放電処理を施した上記プラスチック
フィルムに、酢酸エステル(主に、酢酸エチル)を主溶
剤とするウレタン系樹脂、又は、アルコールを主溶剤と
する硝化綿と可塑剤もしくはポリビニルブチラールをベ
ヒクル(本発明のベヒクルとは、着色料を被印刷体に固
着するバインダーを揮発成分である溶剤に溶解又は分散
して、着色料を印刷インキとして分散する液状のものを
いう。)とするインキで絵柄層を設けたスティック状包
装体用外装材の製造方法である。
なくとも、HS層6をもつプラスチックフィルム1、絵
柄層2及び接着剤層31、紙4に設けたバリア層4B、
又は図2に示すように紙4に接着剤層32を介してアル
ミニウム箔5とが順に構成された積層シートにおいて、
該プラスチックフィルムの引裂伝ぱ抵抗が、8g/20
μm以下であり、かつ伸び率が60%以下のプラスチッ
クフイルムを用いたスティック状包装体用外装材10で
ある。そして、上記プラスチックフィルム1が、少なく
とも成膜方向に延伸したポリプロピレンフィルム、又は
ポリスチレンフィルムであるスティック状包装体用外装
材10を構成するものである。また、上記プラスチック
フィルム1に、ウレタン系樹脂又はポリビニルブチラー
ルをバインダーとするインキで印刷した絵柄層2をもつ
スティック状包装体用外装材10である。そして、コロ
ナ放電処理を施した上記プラスチックフィルム1に、酢
酸エチルを主溶剤とするウレタン系樹脂、又は、アルコ
ール(メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロ
ピルアルコール)を主溶剤とする硝化綿と可塑剤もしく
はポリビニルブチラールをベヒクルとしたインキで絵柄
層2を設けたスティック状包装体用外装材10の製造方
法である。
柄層2とバリア層4Bを形成した紙4、あるいは紙4と
アルミニウム箔5との各層の積層は、接着剤層31、3
2を介して通常のウエットラミネーション、ドライラミ
ネーション、溶融樹脂を用いるサンドイッチラミネーシ
ョン、又はホットメルトラミネーションなどの方法で行
う。また、バリア層4Bは、プラスチックフィルム1と
接着剤層31を介して積層した紙面に塗工、貼合などの
方法で設けることができる。好ましくは、バリア層4B
を設けた紙4の紙4の面と、プラスチックフィルム1に
設けた絵柄層2とを接着剤層31を介して積層すること
が好ましい。これにより、外装材のカーリングの発生を
防止したり、コシも調整に格別の効果を奏することがで
きる。
は、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポ
リカーボネート、ポリスチレン、ポリアミド、ポリ塩化
ビニル、エチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物、セル
ロースアセテートなどから、印刷適性、包装適性に必要
なすべり、引裂き性、折れ適性をもつ延伸フィルムから
選択できる。そして、該プラスチックフィルムの少なく
とも成膜方向(縦方向)のJISK6900に規定する
引裂伝ぱ抵抗が、8g/20mm以下であり、かつ伸び
率が60%以下のフィルムである。フィルムの厚みはポ
リマーの種類にもよるが6〜25μmである。6μm未
満ではフィルムの製造、印刷、他のフィルムとの積層工
程が不安定であり、25μm以上では、プラスチックフ
ィルムの剛性が強く発現されるためデッドフォールド性
を示さず、また引裂き抵抗が強くなるという問題があ
る。好ましくは12〜20μmのポリプロピレン又はポ
リスチレンの延伸フィルムである。なお、プレーンフィ
ルムにかえて、透明な蒸着フィルムや、メタリック感が
ある金属蒸着フィルム、マットフィルムを用いることで
マット調の絵柄層を形成することもできる。
は、静電気防止剤を含ませたり、表面に塗工したりして
帯電防止性をもたせ、店頭や流通過程における粉塵の付
着を防止することが好ましい。静電気防止剤は通常使用
されるものから、プラスチックの特性に適合したものを
適当量使用することができる。
HS層6は、積層材の最外層に形成するものである。そ
して、HS層どうしがヒートシールできると同時に、積
層材の胴部シールに使用するヒートシール剤との接着を
促進できるものが望ましい。HS層6は、フィルムの全
面に塗工形成することもできるし、必要部分のみ、例え
ば図3のスティック状包装体110及び胴シール部11
6やサイドシール部126に相当する位置に、図4に示
す胴シール部のHS層11及びサイドシール部のHS層
12をグラビア印刷で部分的に形成することもできる。
重合体、線状ポリエステル、ポリビニールブチラール、
ダイマー酸とグリコール類とからなるポリアミドなどの
熱可塑性樹脂を主成分とするヒートシールラッカーや、
エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸
共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体など
と粘着付与剤、ワックス、溶剤とからなるホットラッカ
ー(常温では、液状又はゲル状のものを、加熱して流動
性を与え、印刷又は塗工を行い、揮発成分を蒸発してH
S層を形成する塗工材料)などから形成できる。
印刷や積層加工に適したグラビア印刷、シルクスクリー
ン印刷あるいはフレキソ印刷による輪転印刷機で行うこ
とが好ましい。また、アルコール系溶剤を用いたベヒク
ルからなるインキで印刷したときに発生し易いブラッシ
ング現象(印刷面が溶剤の蒸発熱で冷却されて、バイン
ダーが析離して印刷皮膜が劣化する現象を意味する。)
を起こすことがある。ブラッシング現象を防止するため
に、室内の相対湿度を20〜25℃で60%以下の比較
的低湿度に調整したり、被印刷フィルムを加熱したり、
インキパン中の印刷インキを室温以上に保温したりする
ことが好ましい。
ら、プラスチックフィルムに移行や浸透しないものを選
択する。例えば、無機顔料からは、黄色酸化鉄、べんが
ら、鉄黒、酸化チタン、紺青、群青、カーボンブラック
などがある。また有機願料からは、レーキレッドC、カ
ーミン6B、ジスアゾエロー、クロモフタロエロー、フ
タロシアニンブルー、フタロシアニングリーンなどがあ
る。そして、特に耐光性を要求するときは、それに応じ
た多環式顔料(キナクリドン、イソインドリノン)など
から適宜選択する。また、体質顔料は、炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、シリカ、タルク
などから選択できる。
チックフィルム用インキから、プラスチックフィルムに
接着し、そして紙との接着剤に含まれる接着剤層との適
性(絵柄層のバインダーが接着剤層のプライマー層とし
て作用して接着することもできる)や、包装材をヒート
シールするときの熱で剥離しないヒートシール適性があ
るものを選定する。そして、本発明の印刷インキのベヒ
クルを形成する溶剤がアルコール類と酢酸エステル類及
び/又は水とから選択することが好ましい、特にアルコ
ールは、本発明で使用するポリスチレンなどのプラスチ
ックフィルムに浸透し難いために残留溶剤を少なくでき
る好ましいものである。
する材料は、ウレタン系樹脂、ポリビニルブチラール
や、窒素含有量が10.0〜12.0%の硝化綿があ
る。これらの材料に、必要に応じてダイマー酸とグリコ
ール類とからなるポリアミドあるいは、脂肪族二塩基酸
エステル、又はグリコールエステルなどの可塑剤や、フ
ィルムや接着剤とのぬれをよくするレベリング剤、界面
滑性剤を加え、アルコールを主成分とする適当な溶剤に
溶解してベヒクルを作成する。印刷インキは、上記の着
色料とベヒクルを通常の、ロールミル、ボールミル、サ
ンドミルなどで分散・作成する。
使用されるロール紙から適宜選択できる。例えば、純白
ロール紙、片艶クラフト紙、模造紙、グラシン紙、イン
ディアン紙、薄葉紙、コート紙などの20〜150g/
m2 のものから選択できる。紙の坪量が20g/m2 未
満では外装材の剛性が得られず、150g/m2 以上で
は、資源の浪費であるばかりでなく、剛性が強過ぎて包
装機での折り込みが困難となる。
着剤、あるいは粘着剤からなる接着剤層31を用いて、
ドライラミネーション(接着剤に溶剤を含むラッカーラ
ミネーションや、溶剤を含まないノンソルラミネーショ
ン)で積層したり、また、必要に応じて絵柄層2にプラ
イマー層を設けて熱溶融押出ししたポリエチレンなどの
ポリオレフィン系樹脂を接着樹脂層(接着剤層)とする
サンドイッチラミネーションで積層する。また、水分散
系のポリ酢酸ビニルや、酢酸ビニル・アクリル酸エステ
ル共重合体のディスパージョン、カゼイン、澱粉の水溶
液などから選択した接着剤を単独あるいは混合して用い
たウェットラミネーションで積層することもできる。こ
のウエットラミネーションにおいては、プラスチックフ
ィルムが接着剤との接着適性がなくても、印刷インキ層
を、接着剤層に対するプライマー層として作用させるこ
とにより、プラスチックフィルムと紙とを接着できる。
また、ウエットラミネーションで紙に含まれる水分を任
意に調整して(残留水分が多い例えば7%以上の時は剛
性が小さく、5%以下のときは剛性を強く硬い外装材に
構成できる。)外装材のデッドフォールド適性、剛性を
調整できる。
スチレンフィルムや、延伸ポリプロピレンフィルムやこ
れらに、酸化ケイ素や金属アルミニウムを蒸着したフィ
ルムを用いることもできる。しかしながら、外装材のデ
ッドフォールド性の低下(はねかえりやすくなる)や、
引裂き伝ぱ抵抗が大きくなる。また蒸着フィルムを除い
てバリア性の機能は必ずしも十分ではない。したがっ
て、内容物の香りの放散や吸湿性を防ぐためのバリア性
を与える点からいえば、次ぎの材料を塗工により構成さ
れることが好ましい。例えば、紙にスチレン・ブタジエ
ン共重合体やスチレンアクリル共重合体のディスパージ
ョンを用いて目止めコートした面に、バリア層として塩
化ビニリデンのディスパージョンを塗工・形成できる。
また、石油系又は天然ワックスと、(エチレン・酢酸ビ
ニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレ
ン・アクリル酸エステル共重合体、アイオノマーなどか
ら選択したポリマー)と、ロジンなどの天然樹脂又はそ
の誘導体とから構成されるいわゆるホットメルトを塗工
して形成することができる。
の種類によるが、3〜20g/m2(固形分の値、以下
本明細書においては同様に記載する。)、バリア層とな
る塩化ビニリデンなどのディスパージョンは、2〜6g
/m2 が好ましい。また、ホットメルトの塗工量は、7
〜20g/m2 である。これらの数値は特に限定するも
のでなく、要求されるバリア層の程度と費用によって決
められるものである。そして、更に興味のあることは紙
の面にこれらの塗工剤を設けることによって、デッドフ
ォールド性に変化を与えることである。
に用いる7〜20μmの軟質アルミニウム箔から圧延時
の油を焼鈍・除去したものを選択する。圧延油の除去が
不完全であると接着剤のぬれが不安定であるばかりでな
く、外装材をヒートシールで密封するときの熱でアルミ
ニウム箔から圧延油が浸み出して、接着剤との界面で剥
離することがある。特に、バリア層にアルミニウム箔を
用いて、プラスチックフィルムとの間に紙を構成した外
装材は、アルミニウム箔のデッドフォールド性も作用し
て外装材全体としての折れ適性、デッドフォールド性を
向上することができる。
は、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリ
ル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体
などと、ロジン、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変
性フェノール樹脂などとグリセン又はペンタエリスリト
ールとのエステル、テルペン樹脂などの粘着付与剤、パ
ラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなど
の石油系ワックス、ポリイソブチレン、ポリブテンなど
の合成ゴムとの混合物(接着剤層32)を15〜30g
/m2 塗工して行うホットメルラミネーションや、前述
のサンドイッチラミネーション又はウェットラミネーシ
ョンで積層することもできる。また、ウエットラミネー
ションで積層するときは、紙に含まれる水分を任意に調
整して積層材のデッドフォールド性、剛性を調整するこ
ともできる。
層の面に、図示はしないが内容物を充填するときに包装
機で供給される接着剤との接着を強固に安定するととも
に金属アルミニウムの変質の防止作用をもつプライマー
層を、接着剤との接着を促進させる目的とを兼ね併せた
「接着促進剤」を塗工して設けることが好ましい。接着
促進剤は、HS層に用いる接着剤の種類によって選択さ
れるが、上記のホットメルトの場合は、ポリエチレン、
エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸
共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、塩
化ビニル・酢酸ビニル系共重合体、線状ポリエステル、
セラックなどを厚み0.5〜15μmで設けることが好
ましい。
更に詳細に説明する。
た延伸ポリスチレン1に、ポリビニルブチラールをバイ
ンダーとする印刷インキを用いてグラビア輪転印刷で絵
柄層と全面に白色をもつ絵柄層2を設けると同時に他の
面に、図3に示す胴シール部116及びサイドシール部
126に相当する部分に、線状ポリエステルを主成分と
するHS層6(図4に示す胴シール部パターン11及び
サイドシール部パターン12)を、厚み1μm(固形
分)でグラビア印刷した。一方、坪量35g/m2 の純
白ロール紙4に石油系ワックスと、エチレン・酢酸ビニ
ル共重合体と、ロジンエステルとからなるホットメルト
を用いてバリア層4Bを15g/m2 の厚みで塗工し
た。そして、上記の延伸ポリスチレンフィルムに設けた
絵柄層2と純白ロールとを、酢酸ビニル・アクリル共重
合体のディスパージョンを接着剤としてウエットラミネ
ーションで積層し、実施例1の本発明の外装材10を構
成した。
理を施したプラスチックフィルム1に、表1で示すバイ
ンダーを主とする印刷インキを用いてグラビア輪転印刷
で絵柄層と全面に白色をもつ絵柄層2を設けると同時に
他の面に、図3に示す胴シール部116及びサイドシー
ル部126に相当する部分に、線状ポリエステルを主成
分とするHS層6(図4に示す胴シール部パターン11
及びサイドシール部パターン12)を、厚み1μm(固
形分)でグラビア印刷した。更に、絵柄層2に酢酸ビニ
ル・アクリル樹脂系デスパージョン(接着剤層31)を
塗工して、坪量35g/m2 の模造紙4とをウエットラ
ミネーションで積層した。そして該紙面4と厚み7μm
のアルミニウム箔5とを、低密度ポリエチレン(接着剤
層32)を用いてサンドイッチラミネーションして本発
明の実施例2〜7の外装材10を構成した。
であるホットメルトコート層を設けなかった以外は実施
例1と同様にして、バリア層を設けない比較例1の外装
材10を作成した。
チックフィルム1及び印刷インキを用いて実施例と同様
の絵柄層2、胴シール部パターン11及びサイドシール
部パターン12)を厚み1μm(固形分)でグラビア印
刷した。そして、紙及びアルミニウム箔とを実施例1と
同様に積層し、比較例の外装材10を作成した。
チックフィルム、防湿セロハン及び外装材について次の
項目について行った評価を表1に示す。 引裂伝ぱ抵抗:使用したプラスチックフィルムの引
裂き強度をJIS K7128「プラスチックフイルム
及びシートの引裂試験方法 A法(トラウザー引裂
法)」に基づいて、プラスチックフィルムにおいて開始
された引裂きの成長を続けるために必要な力を測定し、
25μm厚みに換算した数値記載する。 伸び:使用したプラスチックフィルムの伸びをJIS
K7127「プラスチックフイルム及びシートの引張
試験方法」に準じて、プラスチックフィルムの元の長さ
に対する伸びた長さの比を百分率として表す。 (以下余白)
て次の項目についての評価結果を表2に示す。 引裂き性:作成した外装材に設けたダブルIノッチ部
を爪の先でつまみ、それを起点として左右の手で逆方向
に引張り、引裂き開始の難易を感覚的に評価する。 ◎:引裂き性が非常に優れ、引裂き方向が一定してい
る。 ○:容易に引裂きが開始できるが、引裂き斜め方向に進
行する。 △:若干プラスチックフィルムが延びるが、引裂きは手
で開始できる。 ×:プラスチックフィルムに阻害されて引裂きはできな
い。 残留溶剤:外装材を、200×200mm2 の大きさ
に切断し、300mlのフラスコで80℃で10分加熱
し、気化した有機溶剤量をガスクロマトグラフィーで測
定し、mg/m2 の数値に換算して示す。目標値は、1
0mg/m2 である。 包装機械適性:外装材を用いて板ガムの包装機で充
填し、折れ適性、カット性(巻取りからのカッテング
性)、ヒートシール性(HS性、密着の程度)を目視で
評価する。 ◎:非常に良好、全く問題なし。 ○:良好、若干問題があるが実用上の問題なし。 △:若干問題があり作業性と、生産性とが落ちる。 ×:包装資材としての商品価値がない。 (以下余白)
おいて、防湿セロハンにかえて使用したプラスチックフ
ィルムの引裂伝ぱ抵抗は、8g/25μm以下であり、
かつ伸び率が60%以下に設定したフィルムを使用した
ものである。このように設定することにより構成された
外装材は、スティック状包装体用外装材としての包装機
械適性(折れ適性、カッテング性、ヒートシール性が従
来の防湿セロハンと比較して遜色はなく、また、開封時
の引裂き性も十分に満足できるものである。そして、ア
ルコールを主溶剤とするベヒクルを使用したインキを用
いた印刷物は、ポリスチレンや、ポリプロピレンのよう
な有機溶剤を吸着しやすいフィルムを用いても、得られ
た印刷物は残留溶剤の基準を十分にクリアーできる効果
を奏する。
成を示す断面概略図である。
成を示す断面概略図である。
ある。
作成したパターンの一例である。
Claims (5)
- 【請求項1】 少なくとも、ヒートシール層をもつプラ
スチックフィルム、絵柄層、紙及びバリア層とが順に構
成された積層シートにおいて、該プラスチックフィルム
の引裂伝ぱ抵抗が8g/20μmを超えず、かつ伸び率
が60%に満たないものであることを特徴とするスティ
ック状包装体用外装材。 - 【請求項2】 上記プラスチックフィルムが、少なくと
も成膜方向に延伸したポリプロピレンフィルム、又はポ
リスチレンフィルムであることを特徴とする請求項1に
記載のスティック状包装体用外装材。 - 【請求項3】 上記プラスチックフィルムに、ウレタン
系樹脂、又は硝化綿もしくはポリビニルブチラールをバ
インダーとするインキで印刷した絵柄層をもつことを特
徴とする請求項1乃至2に記載のスティック状包装体用
外装材。 - 【請求項4】 前記バリア層がアルミニウム箔であるこ
とを特徴とする請求項1、2及び3に記載のスティック
状包装体用外装材。 - 【請求項5】 コロナ放電処理を施した上記プラスチッ
クフィルムに、酢酸エステルを主溶剤とするウレタン系
樹脂、又は、アルコールを主溶剤とする硝化綿もしくは
ポリビニルブチラールをベヒクルとするインキで絵柄層
を設けたことを特徴とする請求項3に記載のスティック
状包装体用外装材の製造方法。
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---|---|---|---|
JP24749197A JP4170423B2 (ja) | 1997-08-29 | 1997-08-29 | スティック状包装体用外装材及びその製造方法 |
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JPH1170607A true JPH1170607A (ja) | 1999-03-16 |
JP4170423B2 JP4170423B2 (ja) | 2008-10-22 |
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JP (1) | JP4170423B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1574329A1 (de) * | 2004-03-09 | 2005-09-14 | Alcan Technology & Management Ltd. | Verpackungsfolie |
WO2009017193A1 (ja) | 2007-07-31 | 2009-02-05 | Ajinomoto Co., Inc. | 服用感の優れたアミノ酸含有顆粒製剤 |
CN109317856A (zh) * | 2018-11-19 | 2019-02-12 | 东莞市云方金属制品有限公司 | 一种便于拿取和撕拉防护膜的锡条 |
-
1997
- 1997-08-29 JP JP24749197A patent/JP4170423B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (5)
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US9301937B2 (en) | 2007-07-31 | 2016-04-05 | Ajinomoto Co., Inc. | Amino-acid-containing medicinal granular preparation highly easy to take |
US9339483B2 (en) | 2007-07-31 | 2016-05-17 | Ajinomoto Co., Inc. | Amino-acid-containing medicinal granular preparation highly easy to take |
CN109317856A (zh) * | 2018-11-19 | 2019-02-12 | 东莞市云方金属制品有限公司 | 一种便于拿取和撕拉防护膜的锡条 |
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