JP4170423B2 - スティック状包装体用外装材及びその製造方法 - Google Patents

スティック状包装体用外装材及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
板状のチュウインガム又はブロック状キャンデイを複数(2〜10枚、又は2〜10個)集積包装に使用するスティック状の包装体を形成する外装材は、剛性、折り込み適性、カッティング適性をもち、かつ開封するときの易引裂き性、単数づつ取出したのちにおいても残部の包装状態を維持すことが必要である。本発明は、このようなスティック状包装体に用いる外装材、及びその製造方法に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、板状のチュウインガム、ブロック状のキャンディなどの内容物を複数包装して展示販売に供する図3に示すスティック状包装体(110)用の外装材は、個々の内容物を個包装やラベリングしたのち、「外装材」で整列・固定して包装したスティック状包装体が使用されていた。そして、スティック状包装体に用いる外装材は、内容物がもつ香味の保存性と同時に、包装体の外形保持性(包装したときの折り込み形状を保つ剛性、密封状態)をもつことが要求されるものであった。また、ダブルIノッチをもつ開封部13からカットテープ15に沿って外装材を一周して引裂いて開封し、内容物を単数取出したのちでも、残内容物を集積状態で保持できる包装機能をもつ外装材が使用されていた。そして、該外装材は、意匠性(表面光沢)、絵柄層の保護性(ポケットやバッグの中で保管・取り出し使用されたとき絵柄層の脱落を防止する外装材の表面強度)をもつことが要求されるものである。
【0003】
絵柄層は、透明フィルムの裏面に印刷して、印刷面と紙及びバリア層、又はアルミニウム箔とを積層し、外装材の内部に絵柄層をサンドイッチする。そして、透明フィルムを通して絵柄層をみることで光沢をもつ絵柄層を形成し、同時にバッグやポケット内での摩擦による絵柄層(印刷インキ)の脱落を表面のフイルムで防止するように構成されていた。また、外装材に内容物を集積・外装したときに、所定の位置で正確に折り込まれ、その位置や形状が保たれ(以下、折り込んだ位置を保たれることを『デッドフォールド』と記載する。)、プラスチックフィルムに塗工されているヒートシーラント層は、包装機に供給しヒートシール剤で密封できる性質を要求されるものである。
【0004】
更に、包装体を開封して内容を一個づつ取り出して食するためには、外装材にダブルIノッチとともに設けたカットテープに沿って完全に一周して包装体の端部から引裂かれる性能が要求される。
【0005】
従来、上記の性能を満足できる外装材は、透明フィルムでかつヒートシール層を表面に設けた防湿セロハンに絵柄層を印刷し、更にその印刷面とバリア層を設けた模造紙などの包装資材用ロール紙の紙面との積層体や、又はバリア層に代えて紙面にアルミニウム箔をウェットラミネーション、ドライラミネーション又はポリエチレンなどの溶融樹脂によるサンドイッチラミネーションで構成した積層体が使用されていた。
また、必要に応じてアルミニウム箔面に透明フイルムとヒートシールできる感熱性のヒートシーラント層を設けたり、充填包装時に接着(ヒートシール)を安定化する接着促進層を設けたりすることが行われていた。
上記のスティック状包装体用外装材に使用される防湿セロハンは、端部から均一に引裂ける引裂伝ぱ抵抗や伸び率が小さいためカッティング適性があり、また、デッドフォールドに優れるものである。したがって、防湿セロハンと、デッドフォールド性に優れた紙と、アルミニウム箔とを積層構成する外装材は、優れたカッティング適性と、デッドフォールドとを併せもつスティック状包装体を形成できる。
【0006】
これに対して、防湿セロハンを、他の熱可塑性プラスチックフィルムに代えた外装材は、カッティング適性が劣り(引裂き強度、引裂伝ぱ抵抗や伸び率が大きく)、折り込んだ時の反発力(デッドフォールド性がない)がある。そのために、包装体を折り込み形成したときの形状(折り込み角)が保たれないばかりでなく、折り込んでホットメルトなどでヒートシールしたとき、表面に構成するプラスチックフィルムとアルミニウム箔とが図3で示すような密着状態の胴シール部116やサイドシール部126を形成せず、使用したホットメルトなどが冷却固化する前に反発し剥離してしまうという問題があった。
【0007】
一般に延伸フィルムは、ダブルIノッチとカットテープとを設けた場合、該フィルムの延伸方向には引裂けるが、カットテープがはずれたり、また、カットテープを省略して設けない場合は、ダブルIノッチ部からの引裂きは、フィルムが伸びるため安定性に欠け、引裂き巾が先細りして、カッティングを一周できないものであった。
【0008】
プラスチックフィルムのなかでも、延伸ポリプロピレンやポリスチレンフィルムは、引裂伝ぱ抵抗が小さく、かつ伸び率も成膜条件により満足できるものを作成できたが、これらのフィルム極性値が小さく(ポリマーの溶解パラメーターが小さい)、これらのフィルムの印刷に使用されるグラビア印刷、フレキソ輪転印刷のインキでは接着しないという問題があった。プラスチックフィルムに対して印刷インキが十分な接着強度を発揮できないときは、その印刷面に接着剤層を設けて他の材料と積層しても、プラスチックフィルムと印刷インキとの間で剥離し、積層体の各層間が必要とする接着強度をもつように構成できないという問題があった。
【0009】
単に、プラスチックフィルムと印刷インキとを接着する場合は、フィルムにコロナ放電処理などの物理的方法を施すことにより解決することができる。しかしながら、ポリスチレンフィルムのように、水やアルコール以外のエステル、ケトン、炭化水素系溶剤に溶解し易いフィルムは、印刷のときにインキに含まれる溶剤が浸透し、残留溶剤が多くなり、印刷を施した巻取りがブロッキングしたり、場合によってはフィルムが溶解・切断して輪転印刷ができないという問題があった。特に、絵柄層の面積、色数が大きくなるほど残留溶剤が多くなることを避けることは困難であった。
また、延伸フィルムがもつ性質から、印刷を行うときに乾燥温度を高くできないため、印刷インキを構成する揮発性溶剤を完全に乾燥できずに残留溶剤となり、内容物に溶剤臭を付与するという問題点もある。
【0010】
一方、防湿セロハンは、その製造工程において多量の水を消費し、かつ副生する硫黄化合物を無公害化して処理するための費用が嵩むことがネックとなり生産が縮小傾向にある。
そこで防湿セロハンにかわるプラスチックフィルムを使用することを試みられたが、上記のデッドフォールド性、カッティング適性(易引裂き性)、適度の剛性などを満足できるものがなかった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
生産が縮小傾向にある防湿セロハンを、供給が容易なプラスチックフィルムにかえ、表面にヒートシール層(以下、本明細書においてはHS層と記載する。)をもち、印刷の時における残留溶剤が少なく、積層適性、包装時のデッドフォールド性、カッティング適性や、使用時の開封性(易引裂き性)、絵柄層の保護性を満足できるスティック状包装体用外装材の提供を課題とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、少なくとも、HS層を形成するプラスチックフィルム、絵柄層、紙及びバリア層とが順に構成された積層シートにおいて、該プラスチックフィルムの引裂伝ぱ抵抗が、8g/20μmを超えず、かつ伸び率が60%に満たないスティック状包装体用外装材である。そして、上記プラスチックフィルムが、少なくとも成膜方向に延伸したポリプロピレンフィルム、又は少なくとも成膜方向に延伸したポリスチレンフィルムであり、かつ、上記プラスチックフィルムの厚みが、12〜20μmであるスティック状包装体用外装材である。また、上記プラスチックフィルムに、ポリビニルブチラールをバインダー(本発明のバインダーとは、絵柄層の着色料をフィルムに固着する材料である樹脂分を主とするもので揮発性成分を含まないものをいう。)とするインキで印刷した絵柄層をもつスティック状包装体用外装材である。また、前記バリア層がアルミニウム箔で構成したスティック状包装体用外装材である。そして、コロナ放電処理を施した上記プラスチックフィルムに、ポリビニルブチラールをベヒクル(本発明のベヒクルとは、着色料を被印刷体に固着するバインダーを揮発成分である溶剤に溶解又は分散して、着色料を印刷インキとして分散する液状のものをいう。)とするインキで絵柄層を設けたスティック状包装体用外装材の製造方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明は、図1に示すように、少なくとも、HS層6をもつプラスチックフィルム1、絵柄層2及び接着剤層31、紙4に設けたバリア層4B、又は図2に示すように紙4に接着剤層32を介してアルミニウム箔5とが順に構成された積層シートにおいて、該プラスチックフィルムの引裂伝ぱ抵抗が、8g/20μm以下であり、かつ伸び率が60%以下のプラスチックフイルムを用いたスティック状包装体用外装材10である。
そして、上記プラスチックフィルム1が、少なくとも成膜方向に延伸したポリプロピレンフィルム、又はポリスチレンフィルムであるスティック状包装体用外装材10を構成するものである。
また、上記プラスチックフィルム1に、ウレタン系樹脂又はポリビニルブチラールをバインダーとするインキで印刷した絵柄層2をもつスティック状包装体用外装材10である。
そして、コロナ放電処理を施した上記プラスチックフィルム1に、酢酸エチルを主溶剤とするウレタン系樹脂、又は、アルコール(メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール)を主溶剤とする硝化綿と可塑剤もしくはポリビニルブチラールをベヒクルとしたインキで絵柄層2を設けたスティック状包装体用外装材10の製造方法である。
【0014】
また、プラスチックフィルム1に設けた絵柄層2とバリア層4Bを形成した紙4、あるいは紙4とアルミニウム箔5との各層の積層は、接着剤層31、32を介して通常のウエットラミネーション、ドライラミネーション、溶融樹脂を用いるサンドイッチラミネーション、又はホットメルトラミネーションなどの方法で行う。
また、バリア層4Bは、プラスチックフィルム1と接着剤層31を介して積層した紙面に塗工、貼合などの方法で設けることができる。好ましくは、バリア層4Bを設けた紙4の紙4の面と、プラスチックフィルム1に設けた絵柄層2とを接着剤層31を介して積層することが好ましい。これにより、外装材のカーリングの発生を防止したり、コシも調整に格別の効果を奏することができる。
【0015】
本発明に使用するプラスチックフィルムは、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、エチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物、セルロースアセテートなどから、印刷適性、包装適性に必要なすべり、引裂き性、折れ適性をもつ延伸フィルムから選択できる。
そして、該プラスチックフィルムの少なくとも成膜方向(縦方向)のJISK6900に規定する引裂伝ぱ抵抗が、8g/20mm以下であり、かつ伸び率が60%以下のフィルムである。
フィルムの厚みはポリマーの種類にもよるが6〜25μmである。6μm未満ではフィルムの製造、印刷、他のフィルムとの積層工程が不安定であり、25μm以上では、プラスチックフィルムの剛性が強く発現されるためデッドフォールド性を示さず、また引裂き抵抗が強くなるという問題がある。好ましくは12〜20μmのポリプロピレン又はポリスチレンの延伸フィルムである。
なお、プレーンフィルムにかえて、透明な蒸着フィルムや、メタリック感がある金属蒸着フィルム、マットフィルムを用いることでマット調の絵柄層を形成することもできる。
【0016】
外装材に使用するプラスチックフィルムは、静電気防止剤を含ませたり、表面に塗工したりして帯電防止性をもたせ、店頭や流通過程における粉塵の付着を防止することが好ましい。静電気防止剤は通常使用されるものから、プラスチックの特性に適合したものを適当量使用することができる。
【0017】
本発明のプラスチックフィルム1に設けるHS層6は、積層材の最外層に形成するものである。そして、HS層どうしがヒートシールできると同時に、積層材の胴部シールに使用するヒートシール剤との接着を促進できるものが望ましい。HS層6は、フィルムの全面に塗工形成することもできるし、必要部分のみ、例えば図3のスティック状包装体110及び胴シール部116やサイドシール部126に相当する位置に、図4に示す胴シール部のHS層11及びサイドシール部のHS層12をグラビア印刷で部分的に形成することもできる。
【0018】
HS層6は、塩化ビニル・酢酸ビニル系共重合体、線状ポリエステル、ポリビニールブチラール、ダイマー酸とグリコール類とからなるポリアミドなどの熱可塑性樹脂を主成分とするヒートシールラッカーや、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体などと粘着付与剤、ワックス、溶剤とからなるホットラッカー(常温では、液状又はゲル状のものを、加熱して流動性を与え、印刷又は塗工を行い、揮発成分を蒸発してHS層を形成する塗工材料)などから形成できる。
【0019】
絵柄層2は、薄いプラスチックフィルムの印刷や積層加工に適したグラビア印刷、シルクスクリーン印刷あるいはフレキソ印刷による輪転印刷機で行うことが好ましい。
また、アルコール系溶剤を用いたベヒクルからなるインキで印刷したときに発生し易いブラッシング現象(印刷面が溶剤の蒸発熱で冷却されて、バインダーが析離して印刷皮膜が劣化する現象を意味する。)を起こすことがある。ブラッシング現象を防止するために、室内の相対湿度を20〜25℃で60%以下の比較的低湿度に調整したり、被印刷フィルムを加熱したり、インキパン中の印刷インキを室温以上に保温したりすることが好ましい。
【0020】
印刷インキの着色料は、無機、有機顔料から、プラスチックフィルムに移行や浸透しないものを選択する。例えば、無機顔料からは、黄色酸化鉄、べんがら、鉄黒、酸化チタン、紺青、群青、カーボンブラックなどがある。また有機願料からは、レーキレッドC、カーミン6B、ジスアゾエロー、クロモフタロエロー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーンなどがある。そして、特に耐光性を要求するときは、それに応じた多環式顔料(キナクリドン、イソインドリノン)などから適宜選択する。また、体質顔料は、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、シリカ、タルクなどから選択できる。
【0021】
印刷インキのバインダーは、通常のプラスチックフィルム用インキから、プラスチックフィルムに接着し、そして紙との接着剤に含まれる接着剤層との適性(絵柄層のバインダーが接着剤層のプライマー層として作用して接着することもできる)や、包装材をヒートシールするときの熱で剥離しないヒートシール適性があるものを選定する。そして、本発明の印刷インキのベヒクルを形成する溶剤がアルコール類と酢酸エステル類及び/又は水とから選択することが好ましい、特にアルコールは、本発明で使用するポリスチレンなどのプラスチックフィルムに浸透し難いために残留溶剤を少なくできる好ましいものである。
【0022】
上記の要件を満足できるバインダーに適用する材料は、ウレタン系樹脂、ポリビニルブチラールや、窒素含有量が10.0〜12.0%の硝化綿がある。
これらの材料に、必要に応じてダイマー酸とグリコール類とからなるポリアミドあるいは、脂肪族二塩基酸エステル、又はグリコールエステルなどの可塑剤や、フィルムや接着剤とのぬれをよくするレベリング剤、界面滑性剤を加え、アルコールを主成分とする適当な溶剤に溶解してベヒクルを作成する。
印刷インキは、上記の着色料とベヒクルを通常の、ロールミル、ボールミル、サンドミルなどで分散・作成する。
【0023】
本発明の外装材を構成する紙4は、包装に使用されるロール紙から適宜選択できる。例えば、純白ロール紙、片艶クラフト紙、模造紙、グラシン紙、インディアン紙、薄葉紙、コート紙などの20〜150g/m2 のものから選択できる。紙の坪量が20g/m2 未満では外装材の剛性が得られず、150g/m2 以上では、資源の浪費であるばかりでなく、剛性が強過ぎて包装機での折り込みが困難となる。
【0024】
絵柄層2と紙4とは、通常の反応硬化型接着剤、あるいは粘着剤からなる接着剤層31を用いて、ドライラミネーション(接着剤に溶剤を含むラッカーラミネーションや、溶剤を含まないノンソルラミネーション)で積層したり、また、必要に応じて絵柄層2にプライマー層を設けて熱溶融押出ししたポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂を接着樹脂層(接着剤層)とするサンドイッチラミネーションで積層する。また、水分散系のポリ酢酸ビニルや、酢酸ビニル・アクリル酸エステル共重合体のディスパージョン、カゼイン、澱粉の水溶液などから選択した接着剤を単独あるいは混合して用いたウェットラミネーションで積層することもできる。
このウエットラミネーションにおいては、プラスチックフィルムが接着剤との接着適性がなくても、印刷インキ層を、接着剤層に対するプライマー層として作用させることにより、プラスチックフィルムと紙とを接着できる。
また、ウエットラミネーションで紙に含まれる水分を任意に調整して(残留水分が多い例えば7%以上の時は剛性が小さく、5%以下のときは剛性を強く硬い外装材に構成できる。)外装材のデッドフォールド適性、剛性を調整できる。
【0025】
紙に設けるバリア層は、本発明の延伸ポリスチレンフィルムや、延伸ポリプロピレンフィルムやこれらに、酸化ケイ素や金属アルミニウムを蒸着したフィルムを用いることもできる。しかしながら、外装材のデッドフォールド性の低下(はねかえりやすくなる)や、引裂き伝ぱ抵抗が大きくなる。また蒸着フィルムを除いてバリア性の機能は必ずしも十分ではない。したがって、内容物の香りの放散や吸湿性を防ぐためのバリア性を与える点からいえば、次ぎの材料を塗工により構成されることが好ましい。例えば、紙にスチレン・ブタジエン共重合体やスチレンアクリル共重合体のディスパージョンを用いて目止めコートした面に、バリア層として塩化ビニリデンのディスパージョンを塗工・形成できる。また、石油系又は天然ワックスと、(エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、アイオノマーなどから選択したポリマー)と、ロジンなどの天然樹脂又はその誘導体とから構成されるいわゆるホットメルトを塗工して形成することができる。
【0026】
目止めコートの塗工量は、紙の質や塗工剤の種類によるが、3〜20g/m2 (固形分の値、以下本明細書においては同様に記載する。)、バリア層となる塩化ビニリデンなどのディスパージョンは、2〜6g/m2 が好ましい。また、ホットメルトの塗工量は、7〜20g/m2 である。これらの数値は特に限定するものでなく、要求されるバリア層の程度と費用によって決められるものである。そして、更に興味のあることは紙の面にこれらの塗工剤を設けることによって、デッドフォールド性に変化を与えることである。
【0027】
アルミニウム箔5は、通常の包装用積層体に用いる7〜20μmの軟質アルミニウム箔から圧延時の油を焼鈍・除去したものを選択する。圧延油の除去が不完全であると接着剤のぬれが不安定であるばかりでなく、外装材をヒートシールで密封するときの熱でアルミニウム箔から圧延油が浸み出して、接着剤との界面で剥離することがある。
特に、バリア層にアルミニウム箔を用いて、プラスチックフィルムとの間に紙を構成した外装材は、アルミニウム箔のデッドフォールド性も作用して外装材全体としての折れ適性、デッドフォールド性を向上することができる。
【0028】
本発明の紙4とアルミニウム箔5との接着は、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体などと、ロジン、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂などとグリセン又はペンタエリスリトールとのエステル、テルペン樹脂などの粘着付与剤、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの石油系ワックス、ポリイソブチレン、ポリブテンなどの合成ゴムとの混合物(接着剤層32)を15〜30g/m2 塗工して行うホットメルラミネーションや、前述のサンドイッチラミネーション又はウェットラミネーションで積層することもできる。
また、ウエットラミネーションで積層するときは、紙に含まれる水分を任意に調整して積層材のデッドフォールド性、剛性を調整することもできる。
【0029】
本発明の積層材のアルミニウム箔5の最内層の面に、図示はしないが内容物を充填するときに包装機で供給される接着剤との接着を強固に安定するとともに金属アルミニウムの変質の防止作用をもつプライマー層を、接着剤との接着を促進させる目的とを兼ね併せた「接着促進剤」を塗工して設けることが好ましい。接着促進剤は、HS層に用いる接着剤の種類によって選択されるが、上記のホットメルトの場合は、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル・酢酸ビニル系共重合体、線状ポリエステル、セラックなどを厚み0.5〜15μmで設けることが好ましい。
【0030】
以下、実施例について、図面を参照にして更に詳細に説明する。
【実施例】
(実施例 1)
厚み20μmのコロナナ放電処理を施した延伸ポリスチレン1に、ポリビニルブチラールをバインダーとする印刷インキを用いてグラビア輪転印刷で絵柄層と全面に白色をもつ絵柄層2を設けると同時に他の面に、図3に示す胴シール部116及びサイドシール部126に相当する部分に、線状ポリエステルを主成分とするHS層6(図4に示す胴シール部パターン11及びサイドシール部パターン12)を、厚み1μm(固形分)でグラビア印刷した。
一方、坪量35g/m2 の純白ロール紙4に石油系ワックスと、エチレン・酢酸ビニル共重合体と、ロジンエステルとからなるホットメルトを用いてバリア層4Bを15g/m2 の厚みで塗工した。そして、上記の延伸ポリスチレンフィルムに設けた絵柄層2と純白ロールとを、酢酸ビニル・アクリル共重合体のディスパージョンを接着剤としてウエットラミネーションで積層し、実施例1の本発明の外装材10を構成した。
【0031】
(実施例2〜7)
表1に示すコロナ放電処理を施したプラスチックフィルム1に、表1で示すバインダーを主とする印刷インキを用いてグラビア輪転印刷で絵柄層と全面に白色をもつ絵柄層2を設けると同時に他の面に、図3に示す胴シール部116及びサイドシール部126に相当する部分に、線状ポリエステルを主成分とするHS層6(図4に示す胴シール部パターン11及びサイドシール部パターン12)を、厚み1μm(固形分)でグラビア印刷した。
更に、絵柄層2に酢酸ビニル・アクリル樹脂系デスパージョン(接着剤層31)を塗工して、坪量35g/m2 の模造紙4とをウエットラミネーションで積層した。そして該紙面4と厚み7μmのアルミニウム箔5とを、低密度ポリエチレン(接着剤層32)を用いてサンドイッチラミネーションして本発明の実施例2〜7の外装材10を構成した。
【0032】
【比較例】
(比較例 1)
実施例1に示した材料構成で、バリア層であるホットメルトコート層を設けなかった以外は実施例1と同様にして、バリア層を設けない比較例1の外装材10を作成した。
【0033】
表1に示すコロナ放電処理を施したプラスチックフィルム1及び印刷インキを用いて実施例と同様の絵柄層2、胴シール部パターン11及びサイドシール部パターン12)を厚み1μm(固形分)でグラビア印刷した。そして、紙及びアルミニウム箔とを実施例1と同様に積層し、比較例の外装材10を作成した。
【0034】
上記の実施例及び比較例に使用したプラスチックフィルム、防湿セロハン及び外装材について次の項目について行った評価を表1に示す。
▲1▼ 引裂伝ぱ抵抗:使用したプラスチックフィルムの引裂き強度をJIS K7128「プラスチックフイルム及びシートの引裂試験方法 A法(トラウザー引裂法)」に基づいて、プラスチックフィルムにおいて開始された引裂きの成長を続けるために必要な力を測定し、25μm厚みに換算した数値記載する。
▲2▼伸び:使用したプラスチックフィルムの伸びをJIS K7127「プラスチックフイルム及びシートの引張試験方法」に準じて、プラスチックフィルムの元の長さに対する伸びた長さの比を百分率として表す。
(以下余白)
【0035】
【表1】
Figure 0004170423
【0036】
実施例及び比較例で作成した外装材について次の項目についての評価結果を表2に示す。
▲1▼引裂き性:作成した外装材に設けたダブルIノッチ部を爪の先でつまみ、それを起点として左右の手で逆方向に引張り、引裂き開始の難易を感覚的に評価する。
◎:引裂き性が非常に優れ、引裂き方向が一定している。
○:容易に引裂きが開始できるが、引裂き斜め方向に進行する。
△:若干プラスチックフィルムが延びるが、引裂きは手で開始できる。
×:プラスチックフィルムに阻害されて引裂きはできない。
▲2▼残留溶剤:
外装材を、200×200mm2 の大きさに切断し、300mlのフラスコで80℃で10分加熱し、気化した有機溶剤量をガスクロマトグラフィーで測定し、mg/m2 の数値に換算して示す。
目標値は、10mg/m2 である。
▲3▼ 包装機械適性:外装材を用いて板ガムの包装機で充填し、折れ適性、カット性(巻取りからのカッテング性)、ヒートシール性(HS性、密着の程度)を目視で評価する。
◎:非常に良好、全く問題なし。
○:良好、若干問題があるが実用上の問題なし。
△:若干問題があり作業性と、生産性とが落ちる。
×:包装資材としての商品価値がない。
(以下余白)
【0037】
【表2】
Figure 0004170423
【0038】
【発明の効果】
本発明はスティック状包装体用外装材において、防湿セロハンにかえて使用したプラスチックフィルムの引裂伝ぱ抵抗は、8g/25μm以下であり、かつ伸び率が60%以下に設定したフィルムを使用したものである。このように設定することにより構成された外装材は、スティック状包装体用外装材としての包装機械適性(折れ適性、カッテング性、ヒートシール性が従来の防湿セロハンと比較して遜色はなく、また、開封時の引裂き性も十分に満足できるものである。
そして、アルコールを主溶剤とするベヒクルを使用したインキを用いた印刷物は、ポリスチレンや、ポリプロピレンのような有機溶剤を吸着しやすいフィルムを用いても、得られた印刷物は残留溶剤の基準を十分にクリアーできる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスティック状包装体用外装材の積層構成を示す断面概略図である。
【図2】本発明のスティック状包装体用外装材の他の構成を示す断面概略図である。
【図3】スティック状包装体の包装形態を示す斜視図である。
【図4】スティック状包装体用外装材のHS層を印刷で作成したパターンの一例である。
【符号の説明】
1 プラスチックフィルム
2 絵柄層
31、32 接着剤層
4 紙
4B バリア層
5 アルミニウム箔
6 HS層
10 外装材
110 スティック状包装体
11 胴シール部のパターン
13 開封部
15 カットテープ
116 胴シール部
12 サイドシール部のパターン
126 サイドシール部

Claims (4)

  1. 少なくとも、ヒートシール層を形成するプラスチックフィルム、絵柄層、紙及びバリア層とが順に構成された積層シートにおいて、該プラスチックフィルムの引裂伝ぱ抵抗が8g/20μmを超えず、かつ伸び率が60%に満たないものであって、かつ、上記プラスチックフィルムが、少なくとも成膜方向に延伸したポリプロピレンフィルム、又は少なくとも成膜方向に延伸したポリスチレンフィルムであり、かつ、上記プラスチックフィルムの厚みが、12〜20μmであることを特徴とするスティック状包装体用外装材。
  2. 上記プラスチックフィルムにポリビニルブチラールをバインダーとするインキで印刷した絵柄層をもつことを特徴とする請求項1記載のスティック状包装体用外装材。
  3. 前記バリア層がアルミニウム箔であることを特徴とする請求項1乃至2に記載のスティック状包装体用外装材。
  4. コロナ放電処理を施した上記プラスチックフィルムに、アルコールを主溶剤とするポリビニルブチラールをベヒクルとするインキで絵柄層を設けたことを特徴とする請求項に記載のスティック状包装体用外装材の製造方法。
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