JP2001254292A - 加工紙の製法 - Google Patents

加工紙の製法

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Hiromichi Inagaki
稲垣宏道
Akiyuki Kabumoto
晃行 株本
Shuichi Kanao
修一 金尾
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リサイクル適性に優れ、環境湿度による膠着
などの問題がなく、しかもガスバリアー性、ヒートシー
ル性、耐油性、水貼り性等の諸性質を満足する加工紙を
得ること。 【解決手段】 ポリビニルアルコール系樹脂水溶液を紙
に塗布し水分を乾燥させ、更に加熱し樹脂膜の温度が1
65℃以上、220℃以下まで達した状態で、少なくと
も0.1秒以上保持する加工紙の製法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、広く包装や産業資
材として使われている紙に、リサイクル適性、ガスバリ
アー性、耐油性、ヒートシール性、水貼り性等を同時に
付与しその機能を高めた加工紙の製法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】紙基材にガスバリアーを付与する方法と
しては、ガス透過性の低い合成樹脂であるエチレン−ビ
ニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリア
クリロニトリルのフィルムあるいはアルミ箔等を張り合
わせたり、エチレン−ビニルアルコール共重合体やポリ
塩化ビニリデン樹脂溶液を塗布するなどの方法が広く行
われている。また、近年は紙に直接アルミニウムを蒸着
する、あるいは予めフィルムに蒸着しておいたアルミニ
ウム膜を接着剤で紙に転写するなどの方法も用いられ、
主にタバコの包装に用いられている。
【0003】一方、紙基材にヒートシール性を付与する
方法としては、一般的には低密度ポリエチレンが使用さ
れる。具体的には紙の表面をコロナ放電処理やオゾン処
理などで酸化させ300℃前後の高温で溶融した低密度
ポリエチレンをT型ダイスより押し出しラミネートする
方法が多用される。このようにして紙の両面にポリエチ
レンをラミネートした加工紙は牛乳包装用としてゲーブ
ルトップ型紙容器に多用されている。またカップ形に成
形しアイスクリーム、ヨーグルト、即席麺等の容器とし
ても広く採用されている。他にポリプロピレンフィルム
を接着剤や前述の溶融した低密度ポリエチレンを用いて
貼り合わせた積層体をヒートシールにより製袋し食品の
包装に用いられる場合もある。
【0004】他方、紙基材に耐油性を付与する方法とし
ては、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化
ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリエチレンテレ
フタレート樹脂等を紙に積層する方法が用いられてい
る。
【0005】また、紙基材に水貼り性を付与する方法と
しては、α化したデンプンやポリビニルアルコールの水
溶液を塗布乾燥したものが一般的であり、壁紙や切手や
段ボール封緘用テープなどとして用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】紙に種々の特性を付与
しようとする場合、前記のように種々の素材を紙基材上
に積層もしくは塗布するのが一般的であるがこれらの技
術には以下のような問題がある。
【0007】ポリエチレン類、エチレン−ビニルアルコ
ール共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニト
リル、ポリエチレンテレフタレート等を積層したものは
紙基材との分離が困難である。年々深刻となっているゴ
ミ処理問題の解決策として、各種素材のリサイクルが強
く求められているが、紙にこれらの素材を積層した場
合、リサイクルのためには、あらかじめ、前工程におい
て紙とそれ以外の部分に分離する必要があり、そのため
には大がかりな装置と、多大な費用・エネルギーが必要
となるため、リサイクルのために要する資源に対し回収
される資源の方が少ないという本末転倒な事態も多々発
生する。特にポリ塩化ビニリデンを塗工した加工紙は現
在の技術で分離することは困難である。
【0008】これに対し、デンプンやポリビニルアルコ
ール樹脂塗工紙はリサイクル上の問題はほとんど存在し
ないが、反面これらの素材は吸湿性が高く、公知の方法
により加工した場合、例えば梅雨などの高湿期に吸湿に
より粘着性を回復し、紙同士が接着して使用不能とな
る、あるいは埃を集め、汚れてしまうなど種々の問題が
発生することが知られている。
【0009】本発明の目的は、リサイクル適性に優れ、
環境湿度による膠着性などの問題がなく、しかもガスバ
リアー性、ヒートシール性、耐油性、水貼り性等の諸性
質をすべて満足する特性を持った加工紙を得ることにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的は、ポリビニル
アルコール系樹脂をコート材料とし、著しく高温な領域
で熱処理を施すことにより、達成され、またポリビニル
アルコール系樹脂としてα−オレフィンで共重合したポ
リビニルアルコール系樹脂を使用することにより、より
好適に達成される。
【0011】すなわち、本発明はポリビニルアルコール
系樹脂水溶液を塗布し、乾燥し、さらに加熱し樹脂膜の
温度が165℃以上、220℃以下まで達した状態で、
少なくとも0.1秒以上保持することを特徴とする加工
紙の製法である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明におけるポリビニルアルコール系樹脂と
は、主鎖の構成成分として酢酸ビニルモノマーに代表さ
れるビニルエステルを80モル%以上含むポリマーをけ
ん化して得られるポリマーのことを言う。この場合、酢
酸ビニル以外のビニルエステル、例えば、プロピオン酸
ビニル、ピバリン酸ビニル等のビニルエステルを酢酸ビ
ニルの代わりに用いることはもちろんかまわない。
【0013】更に、本発明におけるポリビニルアルコー
ル系樹脂のけん化度は、得られる樹脂組成物のバリアー
性をより高度に引き出せるという点から、けん化前に存
在していたエステル基に対するけん化されたエステル基
のモル比で表して、80〜100%が好ましく、耐湿性
の面から90%以上がより好ましく、95%以上が更に
好ましく、98%以上が最も好ましい。
【0014】ビニルエステル以外に20モル%以下の量
で用いられるコモノマー成分としては、例えば、エチレ
ン、プロピレン、ブチレンなどのα−オレフィン、不飽
和カルボン酸など分子中に二重結合を有する各種化合物
が例示できる。なかでもα−オレフィン、とくにエチレ
ンは、得られる樹脂組成物の耐湿性、成形性等を改善
し、優れた特性の樹脂組成物を与えることから特に好ま
しく用いられる。
【0015】すなわち、α−オレフィン、とくにエチレ
ンを共重合したポリビニルアルコール系樹脂は、広い湿
度範囲で安定して良好なガスバリアー性を示すことから
好ましく、中でもα−オレフィン、とくにエチレンの共
重合比率が1〜20モル%の範囲で共重合したポリビニ
ルアルコール系樹脂はバリアー性、ヒートシール性、水
貼り性などのバランスが優れており更に好ましく、共重
合比率2〜15モル%の範囲であると、生分解性が著し
く向上し、従来用いられているポリビニルアルコール系
樹脂に対し10倍程度の生分解性を示すことから、特に
加工紙の製造、又はリサイクルの過程で廃液処理槽にか
かる負担が小さいもしくはより小型の処理槽の使用が可
能になると言うメリットがあり更に好ましく、α−オレ
フィン、とくにエチレンを3〜9モル%の範囲で共重合
したポリビニルアルコール系樹脂をコートしたものの性
能が最も優れ、最適である。
【0016】本発明におけるポリビニルアルコール系樹
脂の重合度は特に規定されるものではないが、後述する
延伸操作等を加える場合、あるいは、ポリビニルアルコ
ール系樹脂層に高度の外力が加えられる場合等には、機
械特性、延伸性などの面から、けん化後の重合度が、2
00〜8000の範囲にあることが好ましく、300〜
2500の範囲にあることが特に好ましく、400〜2
000の範囲であることがより好ましく、500〜15
00の範囲であることが最も好ましい。
【0017】更に本発明においては、包装材料の柔軟
性、引き裂き強さ等をより向上したり、複合体同士の熱
ラミネートを可能とするなどの目的で樹脂に対し、グリ
セリン、ジグリセリンその他ポリビニルアルコール系樹
脂に対し可塑化効果を有することが知られている化合物
を可塑剤として加えることも好ましく行われる。
【0018】更に本発明においては、本発明の目的を妨
げない範囲で、他種ポリマー例えば、ポリアミド、ポリ
エステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンと
プロピレンのコポリマー、スチレン、イソプレン、ポリ
メチルメタクリレート、ポリエチレングリコールなどを
前記ポリビニルアルコール系樹脂に配合して用いること
もできる。
【0019】更に本発明においては、本発明の目的を妨
げない範囲でポリビニルアルコール系樹脂に各種無機化
合物、例えば雲母類、シリカ類、カオリンなどの粘土鉱
物、炭酸カルシウム、各種染顔料等を、防湿性向上、加
工紙の腰、手触りなどの改良、意匠性の向上等の目的で
添加することも好ましく行われる。
【0020】本発明における紙基材としては特に指定は
なく、一般に紙とされている材料のいずれもが好ましく
使用可能であるが、特にガスバリアー性を求める用途向
けには、グラシン紙やアート紙など表面が緻密平滑なも
のを用いることで、より均一でピンホールのないコート
膜が得られ好ましい。基本的に耐油性やバリアー性は、
コート膜の最も薄い部分で決定されることから、紙の平
滑性と塗工量は相関を有し注意が必要である。また紙基
材に印刷を行うことは、単に意匠性が向上するばかりで
なく、ポリビニルアルコール系樹脂層が印刷層の保護に
働くため好ましい。
【0021】ポリビニルアルコール系樹脂水溶液の紙基
材への塗工方法としては、特に限定されるものではな
く、従来のポリビニルアルコール系樹脂水溶液を紙基材
へ塗工する方法、例えばグラビアコート、スプレーコー
トエアーナイフコート等がそのまま使用可能である。こ
の場合ポリビニルアルコール系樹脂水溶液に少量のアル
コール(メタノール、エタノール、n−又はi−プロパ
ノール等)を加えることは、保管中の溶液の溶液安定
性、腐敗防止、塗膜の乾燥速度の向上などの効果があり
好ましい。また、塗工は、紙基材の両面に行うことが、
加工紙使用時における、反り、変形等の防止、ヒートシ
ール性の付与等の点から望ましい。
【0022】本発明においては前記方法にてポリビニル
アルコール系樹脂水溶液を紙基材へ塗工し、乾燥した
後、特定の条件で熱処理することが必要である。この熱
処理温度は、樹脂膜表面の温度が165℃以上であるこ
とが重要であり、170℃以上がより好ましく、180
℃以上が最適である。165℃未満では、耐湿性、ガス
バリアー性等の改善が不十分であり、実用性能が不十分
となる。また、熱処理温度は、樹脂膜表面の温度が22
0℃以下であることが重要であり、210℃以下が好ま
しく、200℃以下が最適である。220℃を超える
と、ポリビニルアルコール系樹脂の劣化による着色が起
こるばかりでなく、ガスバリアー性も低下する。かかる
温度は非接触型の赤外線表面温度計等により測定するこ
とができる。ポリビニルアルコール系樹脂水溶液を紙基
材へ塗工した後の乾燥は、続く高温熱処理による効果を
より向上させるために行われるものである。乾燥条件は
とくに限定されるものではないが、水分をできるだけ除
去するように乾燥することが好適である。
【0023】本発明における熱処理の時間は0.1秒以
上であり、1秒以上が好ましく、5秒以上がより好まし
く、10秒以上が特に好ましい。0.1秒以下では熱処
理効果が得られない。また、熱処理時間は600秒以下
が好ましく、300秒以下が好ましく、120秒以下が
好ましい。600秒以上熱処理を加えても性能の向上は
見られず、単なるエネルギーの浪費となる。
【0024】本発明における熱処理の方法としては、特
に限定されるものではなく、例えばあらかじめ、塗工、
乾燥した加工紙を別途、加熱炉に入れて熱処理する、加
熱炉を塗工機に連結し、オンラインで熱処理する、ある
いは、乾燥炉の温度設定を調整し、乾燥と熱処理を同時
に行うなどの方法が挙げられる。ただし、最後の方法
は、塗工面の乾燥が終了し、塗工面の温度が上昇してか
らが正味の熱処理時間となるため、その時間設定には注
意が必要である。なお、この際の加熱方法は赤外線、熱
風、電熱など、公知のいずれの方法も好ましく使用でき
る。
【0025】こうして得られた本発明の加工紙は、リサ
イクル適性に優れ、かつ、ヒートシール性、ガスバリア
ー性、耐油性、水貼り性等を併せ持っている。特に水貼
り性は、通常のビニルアルコール樹脂やデンプンを塗工
した加工紙が表面が溶解し粘着性を持つのに対し、本発
明の加工紙は表面が溶解せずべたつかないにも関わら
ず、加圧下で乾燥することで接着でき、周囲の汚染等を
起こさないと言う特徴がある。本発明の加工紙は、例え
ば、バターやマーガリンの容器用素材としてヒートシー
ルにより密封して用いれば長期間酸化を防ぎ鮮度を保持
でき、また、切手等に用いれば張り付け時に手などが汚
れないなどの特徴を有し有用である。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定される
ものではない。なお、文中の%は特に、断りがない限り
重量%を示し、各特性は下記の方法により測定した。
【0027】酸素透過度 MODERN CONTROLS INC.製酸素透過
量測定装置MOCONOX−TRAN2/20型を用
い、20℃、85%RHの条件でJIS K7126
(等圧法)に記載の方法に準じて測定した。
【0028】透湿度 40℃、90%RHの条件でJIS Z0208の記載
に従って測定した。この時、コート面をカップ内側とし
て測定した。
【0029】ヒートシール性 安田精機製作所製YSS式ヒートシーラー 213型
を使用し、塗工面同士を合わせ、圧力1kg/m2、加
圧時間1秒で温度を変更しながらヒートシールを行い、
ヒートシール面の接着強度が500g/10mm(10
mmの接着幅を持つコート紙が剥離するのに必要な荷
重、島津製作所製オートグラフにて測定)を超える温度
をもって表示した。
【0030】耐油性 JAPAN TAPPI UN−557で規定された試
験液により評価し、KIT.NOで示した。
【0031】水貼り性 コート紙の塗工面に水を塗布後、コート前の基材と圧着
し、1kg/cm2の荷重をかけ室温で1日乾燥し、接
着強度を10mmの接着幅を持つコート紙が剥離するの
に必要な荷重で示した(島津製作所製オートグラフにて
測定)。
【0032】耐湿性 コート紙の塗工面同士を重ねたもの、コート紙の塗工面
と、コート前の紙基材と重ねたものの2種類を、20
℃、90%RH下で、1kg/m2の荷重をかけ3日間
保管し、膠着の有無を○:いずれも膠着しない、△:コ
ート面同士は膠着するが基材とは膠着しない、×:両者
とも膠着する、で示した。
【0033】リサイクル適性 コート紙10gを50gの水の中に入れ煮沸撹拌し、
○:完全にパルプスラリー化した、×:スラリー化しな
い部分が残った、で評価した。
【0034】実施例1 重合度800、けん化度99.0モル%、酢酸ナトリウ
ム含量1.4重量%のポリビニルアルコール樹脂を蒸留
水に溶かし樹脂濃度10%のコート液を得た。これを1
55線60μmのグラビア版にてセミグラシン紙(70
g/m2)の両面に塗布後、80℃で乾燥し、更にこれ
を熱風乾燥機で、190℃×60秒熱処理し加工紙を得
た。このときポリビニルアルコール樹脂の塗布量(両面
の量)は1.5g/m2であった。この加工紙につい
て、酸素透過度、透湿度、ヒートシール性、耐油性、水
貼り性、耐湿性、リサイクル適性を評価した、結果を表
1に示す。
【0035】実施例2 重合度1200 けん化度99.9% エチレン含量7
%のエチレン−ビニルアルコール共重合体を用いた他は
実施例1と全く同様にして加工紙を得た。このときエチ
レン−ビニルアルコール共重合体の塗布量は2.1g/
2であった。この加工紙について実施例1と全く同様
の試験を行った。結果を表1に示す。
【0036】実施例3 重合度600 けん化度95.8% エチレン含量5%
のエチレン−ビニルアルコール共重合体を用いた他は実
施例1と全く同様にして加工紙を得た。このときエチレ
ン−ビニルアルコール共重合体の塗布量は1.3g/m
2であった。この加工紙について実施例1と全く同様の
試験を行った。結果を表1に示す。
【0037】比較例1 熱処理を行わない他は実施例1と全く同様にして得た加
工紙について、実施例1と同様の評価を行った。結果を
表1示す。
【0038】比較例2 熱処理を行わない他は実施例2と全く同様にして得た加
工紙について、実施例1と同様の評価を行った。結果を
表1示す。
【0039】比較例3 熱処理を行わない他は実施例3と全く同様にして得た加
工紙について、実施例1と同様の評価を行った。結果を
表1示す。
【0040】実施例4 コート液の樹脂濃度を30%にした他は実施例1と全く
同様にして加工紙を得た。このときポリビニルアルコー
ル樹脂の塗布量は7.8g/m2であった。これについ
て実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
【0041】実施例5 コート液の樹脂濃度を30%にした他は実施例2と全く
同様にして加工紙を得た。このときエチレン−ビニルア
ルコール共重合体の塗布量は11.2g/m2であっ
た。これについて実施例1と同様の評価を行った。結果
を表1に示す。
【0042】実施例6 基材として目付量30.3g/m2の耐湿グラシン紙を
用いた他は実施例2と全く同様にして加工紙を得た。こ
の時、エチレン−ビニルアルコール共重合体の塗布量は
2.0g/m2であった。これについて実施例1と同様
の評価を行った。結果を表1に示す。
【0043】比較例4 実施例1で用いたのと同一の紙にメルトインデックス
(MI)7.3の低密度ポリエチレン(LDPE)を単
軸押出機及びT型ダイを用いて、樹脂温度300℃で厚
み20μmになるように押し出しコートした。これにつ
いて実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示
す。
【0044】比較例5 実施例1で用いたのと同一の紙に市販の厚さ12μmの
二軸延伸ポリエステルフイルム(OPET)をイソシア
ネート系接着剤を用いてラミネートした。これについて
実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
【0045】比較例6 実施例1で用いたのと同一の紙に市販の厚さ15μmの
エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム(クラレ
製 エバール(TM) EF−F)をイソシアネート系
接着剤を用いてラミネートした。これについて実施例1
と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
【0046】比較例7 ポリビニルアルコール樹脂水溶液の代わりに、塩化ビニ
リデン系樹脂(PVDC)エマルジョン(呉羽化学製
クレハロンラテックスRA)を樹脂濃度10%になるよ
う水で希釈したものを用い、熱処理を行わなかった他は
実施例1と同様にして加工紙を得た。PVDCの付着量
は1.6g/m2であった。これについて実施例1と同
様の評価を行った。結果を表1に示す。
【0047】比較例8 ポリビニルアルコール樹脂水溶液の代わりに、アルカリ
糊化法により得たデンプン溶液(デンプン濃度10%)
を用いた他は実施例1と同様にして加工紙を得た。デン
プンの付着量は2.6g/m2であった。これについて
実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
【0048】実施例1〜3と比較例1〜3を比較する
と、本発明の加工紙が、従来のポリビニルアルコール樹
脂をコートした加工紙に比べガスバリアー性、耐湿性な
どその性能を著しく向上していることが分かる。更に、
実施例1〜3と比較例4〜8を比較すると、本発明の加
工紙が、従来素材で不可能であった、バリアー性、ヒー
トシール性、耐油性、水貼り性などの諸性能を同時に実
現しているばかりか、高度のリサイクル性も兼ね備え、
昨今の環境問題に適応した素材であることが分かる。
【0049】
【表1】
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、リサイクル適性に優
れ、環境湿度による膠着などの問題がなく、しかもガス
バリアー性、ヒートシール性、耐油性、水貼り性を兼ね
備えた加工紙を得ることができる。この加工紙は、各種
の包装材料、例えばバターやマーガリンに代表される油
性食品の包装材料などや切手などの再湿紙として好適で
あり、有用である。
フロントページの続き Fターム(参考) 4L055 AG58 AG64 AG89 AH24 AJ02 BE08 BE11 BE20 EA20 EA24 EA30 EA32 EA33 FA19 FA30 GA05 GA48

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリビニルアルコール系樹脂水溶液を紙
    基材に塗布し、乾燥し、さらに加熱して樹脂膜の温度が
    165℃以上、220℃以下まで達した状態で、少なく
    とも0.1秒以上保持することを特徴とする加工紙の製
    法。
  2. 【請求項2】 ポリビニルアルコール系樹脂水溶液を紙
    基材の両面に塗布する請求項1記載の加工紙の製法。
  3. 【請求項3】 ポリビニルアルコール系樹脂が重合度2
    00〜8000、けん化度80〜100モル%のポリビ
    ニルアルコール系樹脂である請求項1または2記載の加
    工紙の製法。
  4. 【請求項4】 ポリビニルアルコール系樹脂がα−オレ
    フィンを1〜20モル%含有し、重合度200〜500
    0、けん化度80〜100モル%のポリビニルアルコー
    ル系樹脂である請求項1〜3のいずれかに記載の加工紙
    の製法。
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