JPH1165572A - 吸音用部材 - Google Patents

吸音用部材

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JPH1165572A
JPH1165572A JP9224972A JP22497297A JPH1165572A JP H1165572 A JPH1165572 A JP H1165572A JP 9224972 A JP9224972 A JP 9224972A JP 22497297 A JP22497297 A JP 22497297A JP H1165572 A JPH1165572 A JP H1165572A
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JP
Japan
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sound
layer
panel
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sound absorbing
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JP9224972A
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English (en)
Inventor
Yasunobu Kawamura
恭伸 河村
Shinsuke Osanai
伸輔 小山内
Eiji Imoto
英次 井元
Susumu Sakakibara
進 榊原
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Sumitomo Riko Co Ltd
Sumitomo Light Metal Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
Sumitomo Light Metal Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】広範囲の周波数にわたって優れた吸音率を発揮
し、しかも軽量な吸音用部材を提供する。 【解決手段】全体として略箱状を呈するパネル10の内
部に、音の侵入方向に面した吸音層11が設けられた吸
音用部材であって、上記パネル10の少なくとも音侵入
面に音侵入穴8が穿設され、上記吸音層11が、ウレタ
ン発泡体からなる発泡体層5と、グラスウールが集積さ
れた繊維層6と、中間空間層12aおよび背面空間層1
2bとを備えるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として道路交通
の騒音を低減するために設置される吸音用部材に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、道路の高架化や建造物の高層化等
が進み、道路を走行する車両も増加していることに伴
い、道路を走行する車両の騒音が高架道路や建造物等の
壁面に反射することにより一層増幅されることが問題と
なっている。このような騒音の増幅を防止する手段とし
て、図12および図13に示すように、高架道路40の
下面や、建造物41等の壁面に、吸音用部材42を取り
付けることが知られている。上記吸音用部材42として
は、パネルタイプ,ルーバータイプ,円筒吸音体タイプ
等各種のものが用いられている。例えば、上記円筒吸音
体タイプの吸音用部材42は、図14に示すように、周
壁に多数の吸音孔44が穿設された金属製のパイプ43
の内部に、ガラスウール45が充填されて構成されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の吸音用部材
42は、残響室法(JIS 1409)による吸音率に
よって評価されてきた。ところがこの方法では測定結果
にバラツキが大きいうえ、信頼性も低く、現状に合わな
い評価法であった。こうした状況の中で、斜入射法によ
る評価が行われるようになってきた。この斜入射法で
は、400〜4000Hzの広範囲の周波数にわたって
吸音率を測定し、現状により即した評価ができる。そし
て、この評価方法によって所定の吸音率が得られる吸音
用部材が求められるようになってきた。しかしながら、
上記従来の吸音用部材42では、現実には吸音率がそれ
ほど良くなく、広範囲の周波数にわたって吸音率を評価
する斜入射法において、所定の規格値を満足できるもの
はなかったのが実情である。しかも、上記従来の吸音用
部材42は、重量が比較的重く、高架道路40の下面や
建造物41等の壁面に取り付ける際の作業製が悪い等、
必ずしも適当なものとは言えなかった。
【0004】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、広範囲の周波数にわたって優れた吸音率を発揮
し、しかも軽量な吸音用部材の提供をその目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の吸音用部材は、全体として略箱状を呈する
パネルの内部に、音の侵入方向に面した吸音層が設けら
れた吸音用部材であって、上記パネルの少なくとも音侵
入面に音侵入穴が穿設され、上記吸音層が、連続気泡を
有する発泡体からなる発泡体層と、繊維状吸音材が集積
された繊維層と、空間層とを備えていることを要旨とす
る。
【0006】すなわち、本発明の吸音用部材は、全体と
して略箱状を呈するパネルの少なくとも音侵入面に音侵
入穴が穿設され、上記パネルの内部に音の侵入方向に面
して設けられた吸音層が、連続気泡を有する発泡体から
なる発泡体層と、繊維状吸音材が集積された繊維層と、
空間層とを備えている。したがって、上記吸音用部材の
音侵入面に音が入射すると、まず、パネルに音が当たっ
て板振動等を生じてその内部摩擦で音のエネルギが消費
される。ついで、パネルの音侵入穴から侵入した音は、
発泡体層や繊維層の中では連続気泡や繊維同士の隙間に
侵入し、上記連続気泡や隙間中を伝播する際に周壁との
摩擦等で音のエネルギが消費される。また、空間層に侵
入した音は、共鳴等することにより音のエネルギが消費
される。このように、本発明の吸音用部材では効果的に
音が吸収される。このため、広範囲の周波数にわたって
優れた吸音効率を発揮し、400〜4000Hzの広範
囲の周波数にわたって吸音率を評価する斜入射法におい
ても所定の規格値を満足できるようになる。そして、道
路を走行する車両の騒音等を著しく低減することができ
るようになる。また、パネルの内部に吸音層を設けたこ
とにより、内部の発泡体層や繊維層が保護されるととも
に、吸音用部材自体がユニット化され、取り扱いが容易
になる。しかも、吸音層が発泡体層や空間層を備えてい
るため、軽量で、取扱いやすく、高架道路の下面や建造
物等の壁面に取り付けて使用するのに好適である。
【0007】本発明において、連続気泡を有する発泡体
層が、密度0.2g/cm3 以下で、かつ、連続気泡率
が85%以上のものである場合には、音のエネルギを充
分に消費させることができ、優れた吸音効果を発揮させ
ることができる。
【0008】また、本発明において、パネルの音侵入穴
が穿設されたパネル面に、気孔を有するシートが配設さ
れている場合には、気孔を有するシートで音侵入穴が覆
われることにより、吸音効率の低下が防止されるととも
に、内部の吸音層(特に、発泡体層)が保護され、耐久
性が保持される。
【0009】また、本発明において、パネルの音侵入面
に、開口率5%以上60%以下となるよう音侵入穴が穿
設されている場合には、入射された音が効果的に音侵入
穴から侵入し、内部の吸音層に吸収されるとともに、適
度なパネル強度を保持しうる。
【0010】また、本発明において、発泡体層の音侵入
面が凹凸面に形成されている場合には、発泡体の音侵入
面の表面積が大きくなり、効率的に吸音されてさらに吸
音率が高くなる。
【0011】また、本発明において、パネルの音侵入面
が凹凸状に形成されている場合には、パネルの音侵入穴
の開口率を一定に保ちながら開口面積を大きくすること
ができる。このため、効果的に吸音できるようになる。
【0012】また、本発明において、パネルがアルミニ
ウム合金もしくは樹脂からなるものである場合には、適
度な軽さと強度,耐候性,耐久性を有するとともに、外
観も良好である。
【0013】また、本発明において、空間層の一部もし
くは全部が、発泡体層と繊維層との間に設けられている
場合には、発泡体層と繊維層の間に空間層を設けないも
のに比べ、吸音率が向上する。
【0014】また、本発明において、発泡体層と繊維層
の間に設けられている空間層の厚みを、発泡体層に設け
られた突部の高さによって設定するようにした場合に
は、発泡体層と繊維層とを積層するだけでこれらの間に
空間層が設けられる。このため、組み立て等の作業が容
易になる。
【0015】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を詳
しく説明する。
【0016】図1は、本発明の吸音用部材の一実施の形
態を示す。この吸音用部材は、全体として略箱状を呈す
るアルミニウム合金製のパネル10の内部に、音の侵入
方向(図示の矢印A)に面して吸音層11が設けられて
構成されている。
【0017】上記パネル10は、背面に開口を有する箱
状の前面パネル1と、この前面パネル1の背面開口から
所定距離を隔てて配設される背面パネル2と、上記前面
パネル1の背面開口部と背面パネル2の周辺部とを連結
する連結材3とから構成されている。そして、上記前面
パネル1の背面開口部と背面パネル2の周辺部が断面略
コ字状の連結材3で連結され、全体として箱状を呈する
ようになっている。上記前面パネル1と連結材3、およ
び、連結材3と背面パネル2とはそれぞれリベット7で
連結されている。さらに、上記背面パネル2の内面(前
面パネル1の開口側の面)には、さらに複数(図では4
個)の連結材3が、所定間隔を隔ててリベット7で取り
付けられている。図において、4はつなぎ材である。
【0018】上記前面パネル1の音侵入面には、所定の
開口率になるよう、多数の音侵入穴8が穿設されてい
る。そして、前面パネル1の音侵入面の開口率は、5%
以上60%以下が好適である。開口率の下限値としてさ
らに好ましいのは、10%である。開口率が5%未満で
は、吸音効率が悪くなり、60%を超えると前面パネル
1自体の強度が弱くなり、現実的な使用に適さないから
である。
【0019】上記パネル10の内部に吸音層11が設け
られている。上記吸音層11は、音の侵入方向から順
に、ウレタン吸音材からなる発泡体層5、グラスウール
が集積されてなる繊維層6、繊維層6と背面パネル2と
の間に形成された背面空間層12bを備え、さらに上記
発泡体層5と繊維層6の間に中間空間層12aが形成さ
れてなっている。このようにパネル10の内部に吸音層
11を設けたことにより、内部の発泡体層5や繊維層6
が保護されるとともに、吸音用部材自体がユニット化さ
れ、取り扱いが容易になる。
【0020】上記発泡体層5は、連続気泡を有するウレ
タン吸音材からなり、図2に示すように、音の侵入方向
(図示の矢印A)に面する音侵入面が、断面三角形の突
条13aが平行に並んだ凹凸面13に形成されている。
このように、発泡体層5の音侵入面を凹凸面13に形成
することにより、吸音面積を大きくすることができ、吸
音効率が向上する。また、この発泡体層5の下面には、
所定間隔で突部14が設けられている。このように、発
泡体層5の下面に突部14を設けることにより、この発
泡体層5の下側に上記繊維層6を積層したとき、発泡体
層5と繊維層6との間に中間空間層12aが形成される
ようになっている(図1参照)。そして、上記中間空間
層12aの厚み寸法は、発泡体層5に設けられた突部1
4の高さによって設定される。
【0021】上記発泡体層5は、連続気泡を有するウレ
タン吸音材からなるため、グラスウールからなる繊維層
6の吸音効率をさらに向上させることができる。また、
ウレタン吸音材によれば、金型成形によって形成するこ
とができ、音侵入面の凹凸面13や下面の突部14を設
けた形状であっても容易に成形できる。発泡体層5を形
成する吸音材としては、上記ウレタン吸音材以外に、ス
ポンジゴム,フェノール樹脂,エポキシ樹脂,尿素樹脂
等の熱硬化樹脂発泡体、ポリエチレン,塩化ビニル等の
熱可塑性樹脂発泡体、あるいは、発泡金属,発泡ガラ
ス,発泡コンクリート等の無機発泡体が用いられる。
【0022】上記発泡体層5の密度としては、0.2g
/cm3 以下のものが好適である。上記発泡体層5の密
度の上限値としてさらに好ましいのは0.1g/cm3
である。密度が0.2g/cm3 を超えると、吸音効率
が低下するからである。また、上記発泡体層5の連続気
泡率としては、85%以上が好ましく、さらに好ましく
は95%以上である。連続気泡率が85%未満では、吸
音効率が低下するからである。ここで、発泡体層5の連
続気泡率は、空気比較式比重計1000型(東京サイエ
ンス社製)で測定される。
【0023】上記繊維層6は、グラスウール等の繊維が
集積されてなり、密度としては、200kg/m3 以下
のものが好適である。上記繊維層6の密度の上限値とし
てさらに好ましいのは50kg/m3 である。繊維層6
の密度が200kg/m3 を超えると、吸音効率が低下
するからである。上記繊維層6を構成する繊維として
は、不燃性を要求されるときは、グラスウール,ロック
ウール,セラミックウール等の無機繊維が好適に用いら
れる。その他、ポリエステル繊維,ナイロン繊維等の合
成繊維、コットン,ウール,麻等の天然繊維、レーヨン
等の再生繊維の他、再生PET繊維,開繊された屑繊
維,フェルト等各種のものが用いられる。
【0024】上記繊維層6と背面パネル2との間に形成
された空間に、背面空間層12bが形成されている。上
記背面空間層12bの厚みは、連結材3の高さによって
設定される。
【0025】上記前面パネル1内面の音侵入穴8が穿設
されたパネル面に、気孔を有するシート9が配設されて
いる。このように前面パネル1内面の音侵入穴8が穿設
されたパネル面に、気孔を有するシート9が配設される
ことにより、音侵入穴8が覆われることによる吸音効率
の低下が防止されるとともに、内部の吸音層11(特
に、吸音材からなる発泡体層5)が保護され、耐久性が
保持される。上記気孔を有するシート9としては、例え
ば、ガラスクロスが用いられている。ガラスクロスは、
光や水、場合によっては火炎等から吸音層11を保護す
るため、パネル10の内側に設けることが好ましい。ガ
ラスクロスは、高密度(本/25mm)の方が上記外的
要因からの影響を防止しやすいが、一方、塵埃等による
目詰まりを起こして吸音阻害を引き起こしやすくなる。
したがって、ガラスクロスの密度は使用環境や仕様に応
じて適宜決定される。上記気孔を有するシート9として
は、ガラスクロス以外にも、不織布,布,合成皮革,孔
をあけた合成樹脂フィルム等も用いられる。これら気孔
を有するシート9は、パネル10内側のパネル面全面に
貼りつけてもよいし、音侵入穴8の部分に貼ってもよ
い。また、化粧面として表面に貼ってもよい。また、気
孔を有するシート9をパネル面に配設する方法として
は、接着剤や粘着テープ等で貼ってもよいし、クリップ
等で固定してもよく、あるいは、パネル10内部の発泡
体層5等で押さえるようにしてもよい。
【0026】上記吸音用部材は、例えば、図12もしく
は図13に示すように、高架道路40の下面や、建造物
41の壁面に取り付けて使用される。上記吸音用部材に
よれば、音侵入面に音が入射すると、前面パネル1に音
が当たって板振動等を生じてその内部摩擦で音のエネル
ギが消費される。ついで、前面パネル1の音侵入穴8か
ら侵入した音が、発泡体層5の連続気孔や繊維層6の繊
維同士の隙間に侵入し、上記連続気孔や隙間中に伝播さ
れる際に周壁との摩擦等で音のエネルギが消費される。
さらに、中間空間層12aや背面空間層12bに侵入し
た音が共鳴等することにより音のエネルギが消費され
る。このように、上記吸音用部材では効果的に音が吸収
される。なお、上記吸音用部材は、道路に限らず、騒音
を吸収しうる場所であれば、どこに設置してもよい。
【0027】なお、上記吸音用部材では、パネル10を
アルミニウム合金によって形成したが、これに限定する
ものではなく、アルミニウムや樹脂によって形成しても
よい。また、前面パネル1の音侵入穴8の形状として
は、円形だけでなく、四角形,三角形等の多角形でもよ
く、特に限定されるものではない。また、上記吸音用部
材において、発泡体層5として、図3に示す発泡体層5
bを用いてもよい。このものは、音侵入面に、上部が凸
面状に形成された突条13bが平行に並んだ凹凸面に形
成され、下面に所定間隔で突条14bが形成されてい
る。また、図4に示す発泡体層5cを用いてもよい。こ
のものは、音侵入面に、断面台形状の突条13cが平行
に並んだ凹凸面に形成されている。また、図5に示す発
泡体層5dを用いてもよい。このものは、音侵入面に、
四角錐状の突起13dが多数設けられた凹凸面に形成さ
れている。また、図6に示す発泡体層5eを用いてもよ
い。このものは、音侵入面に、開口幅より奥部の幅の方
が広くなった溝16が形成されている。さらに、図7に
示す発泡体層5fを用いてもよい。このものは、音侵入
面に、開口径より奥部の径の方が広くなった多数の凹部
17が形成されている。上記発泡体層5b,5c,5
d,5e,5fを用いた場合でも、同様の作用効果を奏
する。また、上記吸音用部材では、パネル10内の吸音
層11は、音の侵入方向から順に発泡体層5,中間空間
層12a,繊維層6,背面空間層12bと積層されて構
成されているが、積層の順序は、これに限定するもので
はない。
【0028】図8は本発明の吸音用部材の第2の実施の
形態を示す。このものでは、前面パネル1aの音侵入面
が凹凸面に形成されている。それ以外は上記実施の形態
と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
このものでも、上記実施の形態と同様の作用効果を奏す
る。
【0029】つぎに、実施例について説明する。
【0030】
〔仕様〕
パネル寸法:幅498mm×長さ2000mm×厚み178.2mm 設置条件 :試料面積22m2 (4m×5.5m) 気孔シート:ガラスクロス;日東紡績社製WI−150−107 密度32×25本/25mm(縦×横) 発泡体層 :ウレタン吸音材;密度0.05g/cm3 厚み60mm(吸音材部40mm,突条部20mm) 繊維層 :グラスウール;密度32kg/m3 ;厚み50mm 日本板硝子社製 前面パネル:アルミニウム;厚み1.2mm 音侵入穴 ;φ6mm×ピッチ9mm(開口率40%) 背面空間層:65mm 背面パネル:アルミニウム;厚み2.0mm
【0031】上記吸音用部材を用い、つぎに示す方法で
斜入射吸音率測定を行った。まず、図9に示すように、
剛壁の上に測定試料(吸音用部材)を配設し、垂直方向
に対して所定角度θ傾けて対抗させた位置に、スピーカ
およびマイクロフォンを配設する。そして、スピーカか
ら、継続時間100μsec以下で、再現性のあるパル
ス音(400Hz,500Hz,630Hz,800H
z,1000Hz,1250Hz,1600Hz,20
00Hz,2500Hz,3150Hz,4000H
z)を試験音として発生させる。ついで、吸音用部材の
設置前と設置後とにおいて、同一測定配置で観測される
反射音成分を各々の波形から抽出する。つぎに、入射角
度θ(0°,15°,30°,45°)で、吸音用部材
を設置せずに得られた反射音のパワースペクトルをPr
(f)とし、吸音用部材を設置して得られた反射音のパ
ワースペクトルをPs(f)とする。そして、下記の式
(1)によって入射角θに対する吸音用部材の斜入射吸
音率α(θ)を求めた。
【0032】
【数1】 α(θ)=1−Ps(f)/Pr(f) …(1)
【0033】また、最終的な平均斜入射吸音率は、下記
の式(2)によって求めた。
【0034】
【数2】 最終的な平均斜入射吸音率 ={α(0°)+α(15°)+α(30°)+α(45°)}/4…(2) α(0°) :角度 0°における平均斜入射吸音率 α(15°):角度15°における平均斜入射吸音率 α(30°):角度30°における平均斜入射吸音率 α(45°):角度45°における平均斜入射吸音率
【0035】上記実施例1の吸音用部材では、最終的な
平均斜吸音率は、0.95が得られた。また、0〜45
°の各入射角度においても、400〜4000Hzの広
範囲の周波数にわたって、良好な吸音率を示すことがわ
かった。
【0036】つぎに、本発明の吸音用部材を実施例1〜
10として各種の仕様で製作し、垂直入射吸音率および
斜入射吸音率を測定した。
【0037】
【実施例1〜10および比較例1〜3】発泡体層5は、
音侵入面が平面のもの(実施例2〜9)、図10に示す
楔A形状(実施例1)のもの、および図11に示す楔K
形状のもの(実施例10)の3種類を用いた。これらの
測定結果を下記の表1および表2に示す。また、比較例
の仕様および測定結果を下記の表3に示す。下記の表1
〜表3からわかるとおり、実施例の吸音用部材では、1
00〜4000Hzの広範囲の周波数にわたって、良好
な吸音率を示すことがわかる。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】
【発明の効果】以上のように、本発明の吸音用部材によ
れば、吸音用部材の音侵入面に音が入射すると、まず、
パネルに音が当たって板振動等を生じてその内部摩擦で
音のエネルギが消費される。ついで、パネルの音侵入穴
から侵入した音は、発泡体層や繊維層の中では連続気泡
や繊維同士の隙間に侵入し、上記連続気泡や隙間中を伝
播する際に周壁との摩擦等で音のエネルギが消費され
る。また、空間層に侵入した音は、共鳴等することによ
り音のエネルギが消費される。このように、本発明の吸
音用部材では効果的に音が吸収される。このため、広範
囲の周波数にわたって優れた吸音効率を発揮し、400
〜4000Hzの広範囲の周波数にわたって吸音率を評
価する斜入射法においても所定の規格値を満足できるよ
うになる。そして、道路を走行する車両の騒音等を著し
く低減することができるようになる。また、パネルの内
部に吸音層を設けたことにより、内部の発泡体層や繊維
層が保護されるとともに、吸音用部材自体がユニット化
され、取り扱いが容易になる。しかも、吸音層が発泡体
層や空間層を備えているため、軽量で、取扱いやすく、
高架道路の下面や建造物等の壁面に取り付けて使用する
のに好適である。
【0042】本発明において、連続気泡を有する発泡体
層が、密度0.2g/cm3 以下で、かつ、連続気泡率
が85%以上のものである場合には、音のエネルギを充
分に消費させることができ、優れた吸音効果を発揮させ
ることができる。
【0043】また、本発明において、パネルの音侵入穴
が穿設されたパネル面に、気孔を有するシートが配設さ
れている場合には、気孔を有するシートで音侵入穴が覆
われることにより、吸音効率の低下が防止されるととも
に、内部の吸音層(特に、発泡体層)が保護され、耐久
性が保持される。
【0044】また、本発明において、パネルの音侵入面
に、開口率5%以上60%以下となるよう音侵入穴が穿
設されている場合には、入射された音が効果的に音侵入
穴から侵入し、内部の吸音層に吸収されるとともに、適
度なパネル強度を保持しうる。
【0045】また、本発明において、発泡体層の音侵入
面が凹凸面に形成されている場合には、発泡体の音侵入
面の表面積が大きくなり、効率的に吸音されてさらに吸
音率が高くなる。
【0046】また、本発明において、パネルの音侵入面
が凹凸状に形成されている場合には、パネルの音侵入穴
の開口率を一定に保ちながら開口面積を大きくすること
ができる。このため、効果的に吸音できるようになる。
【0047】また、本発明において、パネルがアルミニ
ウム合金もしくは樹脂からなるものである場合には、適
度な軽さと強度,耐候性,耐久性を有するとともに、外
観も良好である。
【0048】また、本発明において、空間層の一部もし
くは全部が、発泡体層と繊維層との間に設けられている
場合には、発泡体層と繊維層の間に空間層を設けないも
のに比べ、吸音率が向上する。
【0049】また、本発明において、発泡体層と繊維層
の間に設けられている空間層の厚みを、発泡体層に設け
られた突部の高さによって設定するようにした場合に
は、発泡体層と繊維層とを積層するだけでこれらの間に
空間層が設けられる。このため、組み立て等の作業が容
易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の吸音用部材を示す断面
図である。
【図2】発泡体層を示す斜視図である。
【図3】発泡体層の第2の例を示す斜視図である。
【図4】発泡体層の第3の例を示す斜視図である。
【図5】発泡体層の第4の例を示す斜視図である。
【図6】発泡体層の第5の例を示す斜視図である。
【図7】発泡体層の第6の例を示す斜視図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態の吸音用部材を示す
断面図である。
【図9】斜入射吸音率の測定方法を示す説明図である。
【図10】楔A形状の発泡体層を用いた実施例1を示す
説明図である。
【図11】楔K形状の発泡体層を用いた実施例11を示
す説明図である。
【図12】吸音用部材の使用状態を示す説明図である。
【図13】吸音用部材の使用状態を示す説明図である。
【図14】従来例を示す斜視図である。
【符号の説明】
5 発泡体層 6 繊維層 8 音侵入穴 10 パネル 11 吸音層 12a 中間空間層 12b 背面空間層
フロントページの続き (72)発明者 井元 英次 東京都港区新橋5丁目11番3号 住友軽金 属工業株式会社内 (72)発明者 榊原 進 東京都港区新橋5丁目11番3号 住友軽金 属工業株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 全体として略箱状を呈するパネルの内部
    に、音の侵入方向に面した吸音層が設けられた吸音用部
    材であって、上記パネルの少なくとも音侵入面に音侵入
    穴が穿設され、上記吸音層が、連続気泡を有する発泡体
    からなる発泡体層と、繊維状吸音材が集積された繊維層
    と、空間層とを備えていることを特徴とする吸音用部
    材。
  2. 【請求項2】 連続気泡を有する発泡体層が、密度0.
    2g/cm3 以下で、かつ、連続気泡率が85%以上の
    ものである請求項1記載の吸音用部材。
  3. 【請求項3】 パネルの音侵入穴が穿設されたパネル面
    に、気孔を有するシートが配設されている請求項1また
    は2記載の吸音用部材。
  4. 【請求項4】 パネルの音侵入面に、開口率5%以上6
    0%以下となるよう音侵入穴が穿設されている請求項1
    〜3のいずれか一項に記載の吸音用部材。
  5. 【請求項5】 発泡体層の音侵入面が凹凸面に形成され
    ている請求項1〜4のいずれか一項に記載の吸音用部
    材。
  6. 【請求項6】 パネルの音侵入面が凹凸状に形成されて
    いる請求項1〜5のいずれか一項に記載の吸音用部材。
  7. 【請求項7】 パネルがアルミニウム合金もしくは樹脂
    からなるものである請求項1〜6のいずれか一項に記載
    の吸音用部材。
  8. 【請求項8】 空間層の一部もしくは全部が、発泡体層
    と繊維層との間に設けられている請求項1〜7のいずれ
    か一項に記載の吸音用部材。
  9. 【請求項9】 発泡体層と繊維層の間に設けられている
    空間層の厚みを、発泡体層に設けられた突部の高さによ
    って設定するようにした請求項8記載の吸音用部材。
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