JPH1161491A - アルミニウムの電解着色方法 - Google Patents

アルミニウムの電解着色方法

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JPH1161491A
JPH1161491A JP23027797A JP23027797A JPH1161491A JP H1161491 A JPH1161491 A JP H1161491A JP 23027797 A JP23027797 A JP 23027797A JP 23027797 A JP23027797 A JP 23027797A JP H1161491 A JPH1161491 A JP H1161491A
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voltage
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sulfuric acid
aqueous solution
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Shiro Takasago
志朗 高砂
Yoshiaki Watanabe
吉章 渡辺
Takashi Onaka
隆 大中
Tetsuji Fujita
哲司 藤田
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Nippon Aluminium Co Ltd
Sumitomo Light Metal Industries Ltd
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Nippon Aluminium Co Ltd
Sumitomo Light Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルミニウムまたはアルミニウム合金の表面
に、均一且つ美麗で、変化に富んだ色調を有し、所望の
明度に着色された陽極酸化皮膜を再現性良く形成する表
面処理方法を提供する。 【解決手段】 アルミニウムまたはアルミニウム合金の
表面を常法により陽極酸化処理して陽極酸化皮膜を形成
し、該陽極酸化皮膜を無機金属塩を含む水溶液中で電解
着色処理する方法において、電解着色処理に先立って、
硫酸水溶液中において実効電圧6V以上で第1の交流電
解処理を行い、さらに該硫酸水溶液中または該硫酸水溶
液とは別に調製された硫酸水溶液中において、前記陽極
酸化処理および第1の交流電解処理よりも低い電圧で第
2の交流電解処理を行った後、無機金属塩を含む水溶液
中で電解着色処理を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム(ア
ルミニウム合金を含む)の電解着色処理方法、とくに、
アルミニウム材料に均一、美麗且つ所望の明度をそなえ
た変化に富んだ色調を与え、建築用アルミニウム材の表
面処理として好適なアルミニウムの電解着色方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、陽極酸化皮膜を形成したアルミニ
ウムの電解着色方法として、無機金属塩を含有する水溶
液中において交流電解処理を行い、陽極酸化皮膜の微孔
底部に金属を析出させる方法が広く知られている。(特
公昭38-1715 号公報)
【0003】浅田法として知られるこの電解着色方法に
おいては、得られる色調が黒、アンバー、ブロンズに限
定されるという問題点があり、その理由は、以下のよう
に説明されている。すなわち、常法により形成されるア
ルミニウムの陽極酸化皮膜には、直径数nm〜数十nm
の微孔がアルミニウムの表面まで貫通することなく無数
に生成しており、これらの微孔の下部にはバリヤー層と
いわれる緻密な薄い酸化物の層が存在する。
【0004】バリヤー層の厚さは陽極酸化処理時の電解
電圧に比例し、約1.5nm/Vの割合で厚くなるが、
電解電圧が高くなるに従い、各微孔の下部に生成するバ
リヤー層の厚さのばらつきは大きくなる。不均一な厚さ
のバリヤー層を有する陽極酸化皮膜を無機金属塩を含有
する水溶液中において交流あるいはそれと同等の効果を
有する波形の電流で電解処理すると、各微孔に析出する
金属の析出量にばらつきが生じ、微孔底部に存在する析
出金属粒子は広い粒度分布を持つようになるため、当該
粒度分布に起因する光の散乱により電解着色皮膜が褐色
系の色調を呈することとなる。
【0005】上記の問題を解決して、原色あるいはグレ
ー系の色調を得るための方法として、種々の電解着色方
法が提案されている。例えば、常法により陽極酸化処理
したアルミニウムをリン酸浴中で中間電解した後、電解
着色を行う方法(特公昭54-13860号公報、特公昭57-723
9 号公報)がある。りん酸浴中で中間電解すると、陽極
酸化皮膜の底部がリン酸陽極酸化皮膜に改質され、電解
着色処理により析出する金属量が均一となるというもの
であるが、中間電解にリン酸を使用するため、電解着色
処理前に水洗工程が必要となり生産性が低下する。既存
の処理ラインを適用しようとすると水洗槽を新設しなけ
ればならない。電解着色処理浴へのリン酸の持ち込みも
問題となり、廃液処理の問題も生じる。
【0006】常法により陽極酸化処理したアルミニウム
を、同じく硫酸水溶液中で低電圧で交流低電圧電解して
陽極酸化皮膜を改質した後、電解着色処理を行う方法
(特開昭56-35794号公報、特開平5-125589号公報、特開
平7-70791 号公報) も提案されている。この方法は、低
い電圧で中間電解を行うため、バリヤー層が薄くなり、
その厚みのばらつきが少なくなり褐色系以外の色調が得
られ、また中間電解に硫酸を使用するため、上記の電解
着色処理前の水洗工程の必要が無くなることを特徴とす
るものである。
【0007】しかしながら、この方法にもつぎのような
難点がある。実生産においては、液温などの微妙な変化
が色調に大きく影響し、工業規模の生産においては、異
なる処理ロット間の色調を合わせるのがきわめて困難と
なり、大きな歩留りの低下を招く。電解着色後の色調は
中間電解に大きく依存するため、電解着色処理における
色調、とくに明度の制御が難しい。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、無機金属塩
を含有する水溶液中でのアルミニウムの電解着色処理に
おいて、褐色系以外の色調を得るための電解着色方法に
おける上記従来の問題点を解消するため、前記の硫酸を
使用する中間電解を行う処理方法に着目し、中間電解条
件とバリヤー層生成との関係について実験、検討を繰り
返した結果としてなされてものであり、その目的は、ア
ルミニウム材料に、実生産において、均一、美麗且つ所
望の明度をそなえた変化に富んだ色調を与えることがで
き、生産性にも優れたアルミニウムの電解着色方法を提
供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明によるアルミニウムの電解着色方法は、アル
ミニウム(合金を含む、以下同じ)の表面を陽極酸化処
理して陽極酸化皮膜を形成し、該陽極酸化皮膜を無機金
属塩を含有する水溶液中で電解着色処理する方法におい
て、電解着色処理に先立って、硫酸水溶液中において実
効電圧6V以上で第1の交流電解処理を行い、さらに該
硫酸水溶液中または別の硫酸水溶液中において、前記陽
極酸化処理および第1の交流電解処理よりも低い実効電
圧で第2の交流電解処理を行った後、無機金属塩を含有
する水溶液中において電解着色処理することを第1の特
徴とする。
【0010】また、アルミニウムの陽極酸化処理を硫酸
水溶液中で行った後、該硫酸水溶液中において第1の交
流電解処理および第2の交流電解処理を行うことを第2
の特徴とする。
【0011】さらに、電解着色処理において、陽極酸化
皮膜中に金属が析出する下限電圧以上にいったん保持し
た後、昇圧して該保持電圧よりも高い電圧に保持するこ
とを本発明の第3の特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明は、アルミニウムの表面を
陽極酸化処理して陽極酸化皮膜を形成する第1工程、硫
酸水溶液中において第1の交流電解処理を行う第2工
程、同じく硫酸水溶液中で第2の交流電解処理を行う第
3工程、および無機金属塩を含有する水溶液中で電解着
色処理する第4工程からなるものであり、第1の工程に
おいては、アルミニウムの表面に常法により陽極酸化処
理することによって陽極酸化皮膜を形成する。例えば、
電解液として100〜200g/lの硫酸水溶液を使用
し、液温を10〜30℃、好ましくは15〜25℃に設
定し、電流密度が0.5〜2.5A/dm2 の条件で、
表面を清浄にしたアルミニウムを陽極として直流電解す
る。電解液としては硫酸水溶液を使用するのが好ましい
が、硫酸以外の酸の水溶液あるいは硫酸と硫酸以外の酸
の混合水溶液を使用することもできる。
【0013】第2工程は、第1工程で形成された陽極酸
化皮膜を硫酸水溶液中において電圧(交流電圧の表記は
前記のように実効値)6V以上で第1の交流電解処理を
行う工程である。この処理によって、バリヤー層に耐食
性に影響しない程度の微細な欠陥が形成され、バリヤー
層に電気が流れ易くなり、後述する第3工程において電
流回復に要する時間を大幅に短くする。使用する硫酸水
溶液としては、濃度が10〜200g/lで、温度を1
0〜30℃、好ましくは15〜25℃に設定するのが望
ましい。第1の工程で使用した硫酸水溶液を使用するこ
ともできる。
【0014】電解電圧は6V以上が好ましく、電解電圧
が6V未満の場合には、第2工程の効果が十分に得られ
ない。電解電圧の上限はとくに限定されないが、16V
を越えるとバリヤー層の厚さのばらつきが大きくなり易
いので、16V以下の電解電圧を使用するのが好まし
い。電解時間は、第1工程の電解電圧および第2工程の
設定電圧により異なるが、通常、数秒の電解で効果が現
れる。電解時間が1分を越えると、着色後の色調に大き
く影響するため、電解時間は1分以内に抑えるのが好ま
しい。電解時の電流波形は、正弦波あるいはそれと同等
の効果をもたらす波形のものを使用する。
【0015】第3工程は、第2工程終了後、第2工程で
使用された硫酸水溶液中、または別に調製された硫酸水
溶液中において、第1工程(陽極酸化処理)および第2
工程(第1の交流電解処理)よりも低い電圧で第2の交
流電解処理を行う処理工程である。この工程を行うこと
により、陽極酸化皮膜のバリヤー層の厚さのばらつきが
抑制される。低電圧で電解処理を行うため、陽極酸化皮
膜底部の多孔度(単位面積当たりの微孔数)が第1工程
終了時点より高くなり、この多孔度の変化によって、電
解着色処理で金属が析出する個所が第3工程による改善
部分、すなわち交流陽極酸化皮膜部分に限定されるか
ら、析出する金属の量は均一となり、散乱による褐色系
の色調は弱まり且つ金属粒子とアルミニウム素地とに反
射される光の干渉が強くなるため、原色系の電解着色が
可能となる。
【0016】より原色に近い色調を得ようとする場合に
は、第3工程の電解電圧をより低くするのが好ましい。
但し、電解電圧が1V以下になると、バリヤー層が完全
に溶解してしまうおそれがあるので好ましくない。第2
工程を行わず、第1工程終了後、直ちに第3工程の処理
を行った場合は、図1に示すように、第3工程の電解開
始からしばらくの間はほとんど電流が流れず、バリヤー
層の硫酸による溶解がある程度進行した後に徐々に電流
値が高くなり一定の値に達する。この場合、電流がほと
んど流れない期間および電流の上昇期間を支配するの
は、化学的、電気化学的な皮膜の溶解速度であり、これ
らの期間は、電解液の温度、硫酸濃度、バリヤー層の厚
さおよび電流密度の変化に微妙に影響される。従って、
工業規模の生産では、第3工程の交流電解に要した時間
あるいは電解電気量を規制しても皮膜の改質量を制御す
るのは困難であり、均一な色調を安定的且つ再現良く得
ることができない。
【0017】第1工程終了後に第2工程の処理を行った
場合には、図1に示すように、バリヤー層に微細な欠陥
が形成されるため、第3工程の開始直後から皮膜の改質
に必要な電流が供給され、電流がほとんど流れない期間
が無くなり、電流の上昇期間も大幅に短縮されるから、
第3工程を電解時間あるいは電解電気量により規制する
ことによって、電解着色後の色調を容易に制御すること
が可能となる。
【0018】第3工程の電解液としては、第2工程で使
用した硫酸水溶液、あるいは第1工程で使用した硫酸水
溶液を使用することができるが、好ましくは濃度10〜
200g/l、温度10〜30℃とした硫酸水溶液を別
に調製して使用することもできる。電解着色後の色調の
制御は、電解時間の調整により行うこともできるが、交
流陽極酸化皮膜の生成量、すなわち陽極電解に消費され
た電気量の積算値を規制することにより行うのが好まし
い。
【0019】第4工程の電解着色処理は常法により行わ
れる。すなわち、Sn、Ni、Co、Fe、Cu、S
e、Ag、Au、V、Mnなどの金属塩を1種以上含
み、必要に応じて硫酸、酒石酸、ホウ酸、クレゾールス
ルホン酸、スルファミン酸、スルホサリチル酸などの1
種以上を添加した水溶液中で、交流またはこれと同等の
効果をもたらす波形の電流を適用して電解処理する。陽
極酸化処理後、第2工程および第3工程を介して第4工
程を実施することにより、微孔底部の改質部(交流陽極
酸化皮膜)に均一な大きさの金属粒子が析出して、褐色
系以外の色調が得られる。
【0020】しかしながら、金属粒子は、短時間の電解
で改質部を埋め尽くし、それ以上は成長しないため、電
解時間の増減により色調の明度を調整することは困難で
あり、あまり長時間電解を続行すると、皮膜底部はさら
に交流陽極酸化皮膜に改質されることとなり、彩度の制
御ができなくなる。電解電圧を変更することにより、明
度の調整はある程度可能であるが、電圧を下げると、色
の付きまわり性が低下し、不均一な色調となるという難
点がある。
【0021】この難点を解消するために、本発明では、
電解着色処理において、陽極酸化皮膜中に金属が析出す
る下限電圧以上にいったん保持した後、昇圧して該保持
電圧よりも高い電圧に保持するのが好ましく、この段階
的な電解を行うことによって色の付きまわり性を確保す
る。最終的な明度は各保持電圧の組合わせにより決ま
る。1段目の保持電圧は金属が析出する下限電圧以上に
設定することは必要であるが、30Vを越えると皮膜破
壊のおそれがあるため、30V以下の電圧に保持するの
が好ましい。電解時間は各段階とも20秒以上行うこと
により十分な着色が得られる。但し、5分を越えると色
調が変化し易くなるので、5分以内にするのが好まし
い。金属が析出する下限電圧以上にいったん保持する1
段目の保持後、昇圧して該保持電圧よりも高い電圧に保
持する2段目以降の保持は複数段に行った場合にも同等
の効果を得ることができる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して説
明する。 実施例1 アルミニウム合金押出形材(A6063S−T5材、表
面積:1dm2 )を脱脂、洗浄した後、150g/l濃
度の硫酸水溶液(液温:20℃)において、電流密度
1.2A/dm2 で、25分間直流電解し(第1工
程)、約10μm厚さの陽極酸化皮膜を形成した。電解
処理終了間際の電解電圧は14Vであった。
【0023】ついで、陽極酸化皮膜を形成したアルミニ
ウム合金押出形材を、陽極酸化処理で使用した上記硫酸
水溶液を用いて、10V(ピーク電圧約14V)で、1
0秒間交流定電圧電解を行い(第2工程)、引き続い
て、同じ硫酸水溶液中において、3Vの電解電圧で、陽
極電解に消費された電気量密度の積算値が45C(クー
ロン)/dm2 に達するまで交流定電圧電解処理(第3
工程)を行った。なお、交流電解には全て60Hzの正
弦波を使用した。
【0024】電解着色処理(第4工程)は、硫酸第2ス
ズ10g/lおよび硫酸15g/lを含む水溶液(液
温:25℃)中で、電解電圧12.5Vで、60秒間保
持した後、17.5Vに昇圧して30秒間保持する交流
電解処理を行ったところ、均一な青色の陽極酸化皮膜を
有するアルミニウム合金押出形材が得られた。同様の実
験を5回繰り返したが、いずれも同じ結果が得られた。
【0025】実施例2 実施例1において、第3工程の電解処理を、陽極電解に
消費された電気量密度の換算値が50C(クーロン)/
dm2 に達するまで行ったところ、均一な緑色の陽極酸
化皮膜を有するアルミニウム合金押出形材が得られた。
同様の実験を5回繰り返したが、いずれも同じ結果が得
られた。
【0026】実施例3 実施例1において、第3工程の電解処理を、陽極電解に
消費された電気量密度の換算値が40C(クーロン)/
dm2 に達するまで行ったところ、均一な紫色の陽極酸
化皮膜を有するアルミニウム合金押出形材が得られた。
同様の実験を5回繰り返したが、いずれも同じ結果が得
られた。
【0027】実施例4 実施例1において、第1工程、第2工程および第3工程
の電解処理を、液温が23℃の硫酸水溶液中において行
ったところ、均一な青色の陽極酸化皮膜を有するアルミ
ニウム合金押出形材が得られた。同様の実験を5回繰り
返したが、いずれも同じ結果が得られた。
【0028】実施例5 実施例1において、第4工程の電解処理を、電解電圧1
5Vで、60秒間保持した後、17.5Vに昇圧して3
0秒間保持する条件で行ったところ、均一な濃青色の陽
極酸化皮膜を有するアルミニウム合金押出形材が得られ
た。同様の実験を5回繰り返したが、いずれも同じ結果
が得られた。
【0029】実施例6 実施例1において、第4工程の電解処理を、電解電圧6
Vで、60秒間保持した後、17.5Vに昇圧して30
秒間保持する条件で行ったところ、均一な淡青色の陽極
酸化皮膜を有するアルミニウム合金押出形材が得られ
た。同様の実験を5回繰り返したが、いずれも同じ結果
が得られた。
【0030】実施例7 アルミニウム合金押出形材(A6063S−T5材、表
面積:1dm2 )を、実施例1と同じ条件で陽極酸化処
理した後、陽極酸化皮膜を形成したアルミニウム合金押
出形材を、別に調製した硫酸水溶液(濃度:150g/
l、液温:20℃)中において、6Vで、10秒間交流
定電圧電解を行い(第2工程)、引き続いて、同じ硫酸
水溶液中において、4Vの電解電圧で、1分30秒間交
流定電圧電解処理(第3工程)を行った。
【0031】電解着色処理(第4工程)は、硫酸ニッケ
ル8g/l、硫酸第2スズ10g/l、硫酸10g/l
および酒石酸20g/lを含む水溶液(液温:25℃)
中で、電解電圧12.5Vで、60秒間保持した後、1
7.5Vに昇圧して30秒間保持する交流電解処理を行
ったところ、均一な青紫色の陽極酸化皮膜を有するアル
ミニウム合金押出形材が得られた。同様の実験を5回繰
り返したが、いずれも同じ結果が得られた。
【0032】実施例8 実施例7において、第1工程、第2工程および第3工程
の電解処理を、液温が23℃の硫酸水溶液中において行
ったところ、均一な青緑色の陽極酸化皮膜を有するアル
ミニウム合金押出形材が得られた。同様の実験を5回繰
り返したが、いずれも同じ結果が得られた。
【0033】実施例9 実施例7において、第4工程の電解処理を、電解電圧1
5Vで、60秒間保持した後、17.5Vに昇圧して3
0秒間保持する条件で行ったところ、均一な濃青緑色の
陽極酸化皮膜を有するアルミニウム合金押出形材が得ら
れた。同様の実験を5回繰り返したが、いずれも同じ結
果が得られた。
【0034】実施例10 実施例7において、第4工程の電解処理を、電解電圧8
Vで、60秒間保持した後、17.5Vに昇圧して30
秒間保持する条件で行ったところ、均一な濃青緑色の陽
極酸化皮膜を有するアルミニウム合金押出形材が得られ
た。同様の実験を5回繰り返したが、いずれも同じ結果
が得られた。
【0035】比較例1 アルミニウム合金押出形材(A6063S−T5材、表
面積:1dm2 )を、実施例1と同じ条件で陽極酸化処
理した後、陽極酸化皮膜を形成したアルミニウム合金押
出形材を、前記の陽極酸化処理で使用した硫酸水溶液中
において、電解電圧3Vで、陽極電解に消費された電気
量密度の積算値が50C(クーロン)/dm2 に達する
まで電解処理(第3工程)を行った。ついで、実施例1
と同じ条件で電解着色処理(第4工程)を行った。同じ
実験を5回繰り返したところ、均一な青色の陽極酸化皮
膜を有するアルミニウム合金押出形材が得られる場合も
あったが、5回のうち2回の実験においては、アルミニ
ウム合金押出材の表面に若干色調が異なる皮膜が生じて
いた。
【0036】比較例2 比較例1において、第4工程の電解処理を、電解電圧8
Vで、120秒電解する条件で行った。同じ実験を5回
繰り返したところ、いずれも色調が若干異なる淡青色の
皮膜が得られ、且つ色むらが生じていた。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、アルミニウム材料に均
一且つ美麗で、変化に富んだ色調を有し、所望の明度に
着色された陽極酸化皮膜が、再現性良く形成することが
可能となり、とくに、ビル外壁、ドア、窓枠などの建築
用アルミニウム部材の表面処理方法として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において、第2工程を行った後第3工程
を行った場合と、第2工程を行うことなく第3工程を行
った場合における、第3工程での電解時間と積算電流密
度との関係を示すグラフである。
フロントページの続き (72)発明者 渡辺 吉章 東京都港区新橋5丁目11番3号 住友軽金 属工業株式会社内 (72)発明者 大中 隆 大阪府大阪市淀川区三国本町3丁目9番39 号 株式会社日本アルミ内 (72)発明者 藤田 哲司 大阪府大阪市淀川区三国本町3丁目9番39 号 株式会社日本アルミ内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム(合金を含む、以下同じ)
    の表面を陽極酸化処理して陽極酸化皮膜を形成し、該陽
    極酸化皮膜を無機金属塩を含有する水溶液中で電解着色
    処理する方法において、電解着色処理に先立って、硫酸
    水溶液中において電圧(実効電圧、以下同じ)6V以上
    で第1の交流電解処理を行い、さらに該硫酸水溶液中ま
    たは該硫酸水溶液とは別の硫酸水溶液中において、前記
    陽極酸化処理および第1の交流電解処理よりも低い電圧
    で第2の交流電解処理を行った後、無機金属塩を含有す
    る水溶液中において電解着色処理することを特徴とする
    アルミニウムの電解着色方法。
  2. 【請求項2】 アルミニウムの陽極酸化処理を硫酸水溶
    液中で行った後、該硫酸水溶液中において第1の交流電
    解処理および第2の交流電解処理を行うことを特徴とす
    る請求項1記載のアルミニウムの電解着色方法。
  3. 【請求項3】 電解着色処理において、陽極酸化皮膜中
    に金属が析出する下限電圧以上にいったん保持した後、
    昇圧して該保持電圧よりも高い電圧に保持することを特
    徴とする請求項1〜2記載のアルミニウムの電解着色方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104152970A (zh) * 2014-08-15 2014-11-19 福建省闽发铝业股份有限公司 一种铝型材的复合着色方法
CN112064087A (zh) * 2020-09-07 2020-12-11 盘锦忠旺铝业有限公司 一种铝材电解着色工艺

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