JPH10140395A - 原色系乃至はグレー系着色陽極酸化皮膜を有するアルミニウム材料の製造方法 - Google Patents

原色系乃至はグレー系着色陽極酸化皮膜を有するアルミニウム材料の製造方法

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JPH10140395A
JPH10140395A JP30300996A JP30300996A JPH10140395A JP H10140395 A JPH10140395 A JP H10140395A JP 30300996 A JP30300996 A JP 30300996A JP 30300996 A JP30300996 A JP 30300996A JP H10140395 A JPH10140395 A JP H10140395A
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JP
Japan
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aluminum material
voltage
electrolysis
oxide film
sulfuric acid
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JP30300996A
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English (en)
Inventor
Tsutomu Usami
勉 宇佐見
Shiro Takasago
志朗 高砂
Yoshiaki Watanabe
吉章 渡辺
Tetsuji Fujita
哲司 藤田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Aluminium Co Ltd
Sumitomo Light Metal Industries Ltd
Original Assignee
Nippon Aluminium Co Ltd
Sumitomo Light Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 緑や青等の原色系或いはグレー系の色に着色
されてなる陽極酸化皮膜を有するアルミニウム材料を、
安定して製造すること。 【解決手段】 硫酸水溶液中での陽極酸化処理にてアル
ミニウム材料の表面に陽極酸化皮膜を形成する第一の工
程と、該陽極酸化皮膜の形成されたアルミニウム材料を
一方の電極として用い、硫酸又は(無機金属塩+酸)水
溶液中において交流電解処理することからなる第二の工
程と、該第二の工程を経たアルミニウム材料を陰極とし
て、無機金属塩と酸を含有する水溶液中において、直流
電圧で電解するか、或いは該アルミニウム材料を陽極と
して用いた直流電圧による陽極電解と陰極として用いた
直流電圧による陰極電解とを交互に且つ各々3回以上実
施して、生じる金属若しくは金属酸化物を該アルミニウ
ム材料表面の陽極酸化皮膜の微細孔中に析出せしめて、
目的とする着色を行なう第三の工程からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、原色系乃至はグレー系の着色陽
極酸化皮膜を有するアルミニウム材料の製造方法に係
り、特に住宅用サッシ、エクステリア等の建築材料に使
用されるアルミニウム材料を、緑、青等の原色系或いは
グレー系の色に着色せしめ得る電解技術に関するもので
ある。
【0002】
【背景技術】アルミニウム又はその合金からなるアルミ
ニウム材料を着色する方法については、これまでに、数
多くの手法が提案されてきている。なかでも、アルミニ
ウム材料を硫酸等の酸水溶液中にて陽極酸化処理して、
かかるアルミニウム材料の表面に陽極酸化皮膜を形成せ
しめ、次いで、それを無機金属塩の水溶液中において交
流電解して、着色皮膜を形成する方法(特公昭38−1
715号公報)は、所謂、浅田法として広く知られると
ころである。そして、この浅田法によれば、薄黄土色、
褐色、黒色等の着色皮膜が得られることとなるが、緑や
青等の原色系或いはグレー系の色相の実現は、困難であ
ったのである。
【0003】このため、かかる浅田法では得られない原
色系の着色皮膜を得るための電解方法が提案されるに至
り、例えば、特公平3−59150号公報では、リン酸
水溶液中で陽極酸化皮膜を形成した後、金属塩を含む水
溶液中で交流電解する手法が明らかにされているが、そ
のような手法において生成した皮膜の微細孔は、硫酸中
で生成した陽極酸化皮膜の微細孔よりも大きく、そのた
めに、耐蝕性が著しく劣るという問題を内在するもので
あった。
【0004】また、その他の方法として、酸水溶液中で
の陽極酸化処理と無機金属塩の水溶液中での着色電解処
理との間において、生成した陽極酸化皮膜におけるバリ
ヤー層の改質乃至は中間処理と称される電解処理を行な
う手法も、幾つか提案されている。
【0005】例えば、特公昭54−39250号公報に
は、常法により陽極酸化処理したアルミニウム材料を、
無機金属塩を含有する水溶液中で直流電圧で陽極電解し
たり、或いは該直流電圧の代わりに、交流電圧で電解し
たりした後、同一の電解液中で交流電解して、原色系の
着色皮膜を形成する手法が明らかにされている。しかし
ながら、この手法では、その三段階目の電解を交流電圧
で行なうために、二段階目の電解により改質されたバリ
ヤー層が、更に改質されてしまうこととなり、それ故に
三段階目の僅かな電解時間の差により、得られる着色皮
膜の色調が変化してしまうという問題があり、また異な
る処理ロット間の着色アルミニウム材料の色調を合わせ
るのが、非常に困難となるのであって、そこに、大きな
歩留りの低下を招く原因を内在している。
【0006】さらに、特開平5−125589号公報に
は、上記の特公昭54−39250号公報に開示の手法
では、無機金属塩を含有する水溶液中で行なっているバ
リヤー層の改質を、陽極酸化処理を行なった電解液と同
一の電解液中にて行なう手法が提案されているが、その
ような手法とても、三段階目の電解は、やはり交流電圧
にて行なわれるものであるところから、上記の特公昭5
4−39250号公報に開示の手法の場合と同様の問題
が内在しているのである。
【0007】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、かかる事情を背
景にして為されたものであって、その課題とするところ
は、緑や青等の原色系或いはグレー系の色に着色されて
なる陽極酸化皮膜を有するアルミニウム材料の製造方法
を提供することにあり、またアルミニウム材料を原色系
或いはグレー系の色に着色することを可能にすると共
に、異なる処理ロット間の着色アルミニウム材料の色調
を容易に合わせることの出来る電解着色手法を提供する
ことにある。
【0008】
【解決手段】そして、本発明は、かかる課題を解決する
ために、(A)アルミニウム若しくはその合金からなる
アルミニウム材料を硫酸水溶液中で陽極酸化処理して、
該アルミニウム材料の表面に陽極酸化皮膜を形成する第
一の工程と、(B)かかる陽極酸化皮膜の形成されたア
ルミニウム材料を一方の電極として用い、硫酸水溶液中
において他方の電極との間に交流電圧を印加して、電解
処理することからなる第二の工程と、(C)該第二の工
程において電解処理してなるアルミニウム材料を陰極と
して、無機金属塩と酸を含有する水溶液中において、直
流電圧で電解して、生じる金属若しくは金属酸化物を該
アルミニウム材料表面の陽極酸化皮膜の微細孔中に析出
せしめることにより、目的とする着色を行なう第三の工
程とを、含むことを特徴とする原色系乃至はグレー系着
色陽極酸化皮膜を有するアルミニウム材料の製造方法
を、その要旨とするものである。
【0009】また、本発明は、(A)アルミニウム若し
くはその合金からなるアルミニウム材料を硫酸水溶液中
で陽極酸化処理して、該アルミニウム材料の表面に陽極
酸化皮膜を形成する第一の工程と、(B)かかる陽極酸
化皮膜の形成されたアルミニウム材料を一方の電極とし
て用い、硫酸水溶液中において他方の電極との間に交流
電圧を印加して、電解処理することからなる第二の工程
と、(C′)該第二の工程において電解処理してなるア
ルミニウム材料を、陽極として用いて、直流電圧にて陽
極電解する操作と、陰極として用いて、直流電圧にて陰
極電解する操作とを、交互に且つ各々3回以上行ない、
生じる金属若しくは金属酸化物を該アルミニウム材料表
面の陽極酸化皮膜の微細孔中に析出せしめることによ
り、目的とする着色を行なう第三の工程とを、含むこと
を特徴とする原色系乃至はグレー系着色陽極酸化皮膜を
有するアルミニウム材料の製造方法をも、その要旨とす
るものである。
【0010】さらに、本発明は、(A)アルミニウム若
しくはその合金からなるアルミニウム材料を硫酸水溶液
中で陽極酸化処理して、該アルミニウム材料の表面に陽
極酸化皮膜を形成する第一の工程と、(B′)かかる陽
極酸化皮膜の形成されたアルミニウム材料を一方の電極
として用い、無機金属塩と酸を含有する水溶液中におい
て他方の電極との間に交流電圧を印加して、電解処理す
ることからなる第二の工程と、(C)該第二の工程にお
いて電解処理してなるアルミニウム材料を陰極として、
無機金属塩と酸を含有する水溶液中において、直流電圧
で電解して、生じる金属若しくは金属酸化物を該アルミ
ニウム材料表面の陽極酸化皮膜の微細孔中に析出せしめ
ることにより、目的とする着色を行なう第三の工程と
を、含むことを特徴とする原色系乃至はグレー系着色陽
極酸化皮膜を有するアルミニウム材料の製造方法をも、
その要旨とするものである。
【0011】加えて、本発明は、(A)アルミニウム若
しくはその合金からなるアルミニウム材料を硫酸水溶液
中で陽極酸化処理して、該アルミニウム材料の表面に陽
極酸化皮膜を形成する第一の工程と、(B′)かかる陽
極酸化皮膜の形成されたアルミニウム材料を一方の電極
として用い、無機金属塩と酸を含有する水溶液中におい
て他方の電極との間に交流電圧を印加して、電解処理す
ることからなる第二の工程と、(C′)該第二の工程に
おいて電解処理してなるアルミニウム材料を、陽極とし
て用いて、直流電圧にて陽極電解する操作と、陰極とし
て用いて、直流電圧にて陰極電解する操作とを、交互に
且つ各々3回以上行ない、生じる金属若しくは金属酸化
物を該アルミニウム材料表面の陽極酸化皮膜の微細孔中
に析出せしめることにより、目的とする着色を行なう第
三の工程とを、含むことを特徴とする原色系乃至はグレ
ー系着色陽極酸化皮膜を有するアルミニウム材料の製造
方法をも、その要旨とするものである。
【0012】なお、これら本発明に従うアルミニウム材
料の製造方法の好ましい態様の一つによれば、前記第二
の工程において、前記交流電圧を半波整流若しくは全波
整流して印加せしめると共に、前記アルミニウム材料を
陽極として電解する手法が採用されることとなる。
【0013】また、本発明に従う手法の好ましい態様の
他の一つによれば、陽極電解と陰極電解とが交互に繰り
返される前記第三の工程(C又はC′)において、陽極
電解時の電圧値と陰極電解時の電圧値との差が、4Vよ
りも小さくなるようにして、それぞれの電解操作が進行
せしめられる。
【0014】
【発明の実施の形態】ところで、常法に従って、アルミ
ニウム若しくはその合金からなるアルミニウム材料を、
硫酸水溶液中で陽極酸化処理することにより、図1に示
される如く、直径が約10nm程度の微細孔4が、アル
ミニウム材料1の表面まで貫通することなく、陽極酸化
皮膜2中に形成されることとなるが、それらの微細孔4
の底には、通常、バリヤー層3と称される薄い酸化皮膜
が生成することが認められている。そして、このバリヤ
ー層3の厚さは、陽極酸化処理時の電解電圧に比例し、
平均的には、約1.5nm/V程度の割合で厚くなる
が、電解電圧が高くなるにつれて、各微細孔4の底に生
成するバリヤー層3の厚さのバラツキが大きくなり、図
1に示される如く、不均一となるのである。
【0015】そして、この不均一な厚さのバリヤー層3
を有する陽極酸化皮膜2を、無機金属塩を含有する水溶
液中で電解処理すると、図2に示されるように、各微細
孔4内に析出する金属(或いは金属酸化物)の粒子5の
量にバラツキが生じ、その金属粒子5は、広い粒度分布
を示すこととなる。そして、そのような広い粒度分布を
持つ金属粒子5により散乱される光は、幅広な波長分布
を持つために、該金属粒子5の析出にて着色される陽極
酸化皮膜2は、褐色系の色調を呈するようになるのであ
る。
【0016】また、硫酸陽極酸化処理を施したアルミニ
ウム材料を、金属塩と酸を含有する水溶液中において電
解処理(着色処理)する方法において、該着色処理に先
立って、硫酸水溶液又は金属塩を酸を含有する水溶液中
で交流電解処理することにより、陽極酸化皮膜2におけ
るバリヤー層3の厚さを均一と為し、次いで着色処理を
行なうことにより、原色系の色調を有する着色アルマイ
ト材が得られることが期待される。けだし、バリヤー層
3の厚さを均一にすることにより、図3に示されるよう
に、微細孔4に析出する金属粒子5の量を均一にするこ
とが出来、以て金属粒子5により散乱される光の波長分
布が狭くなって、原色系の着色アルミニウム材料を得る
ことが可能となるからである。
【0017】しかしながら、かかる着色処理の電解を交
流にて行なった場合にあっては、中間電解処理にて均一
な厚みと為したバリヤー層3が、更に改質され、その厚
みが変化してしまうようになるところから、着色処理の
電解時間と共に、色調も変化してしまうこととなる。従
って、僅かな着色処理の電解時間の差でも、著しく色調
が変化してしまうこととなり、そのために、異なる処理
ロット間で着色アルミニウム材料の色合わせを行なうこ
とが、著しく困難となるのである。
【0018】このため、本発明にあっては、アルミニウ
ム若しくはその合金からなるアルミニウム材料の電解着
色に際して、先述せるように、第一の工程(A)と第二
の工程(B、B′)と第三の工程(C、C′)からなる
三段階の電解処理を採用することとしたのであり、これ
によって、図3に示される如き微細孔構造を有する原色
系乃至はグレー系の着色アルミニウム材料が容易に得ら
れると共に、着色処理の電解時間を長くしても、安定し
て、同じ色調の着色アルミニウム材料を得ることが出来
ることとなったのである。しかも、このような本発明手
法によれば、着色処理の電解時間を長くしても、色調が
変化しないために、複雑な構造をしたアルミニウム材料
も、均一に着色することが出来、所謂付き回り性の良い
着色製品を得ることが出来るのである。
【0019】要するに、そのような本発明に従うアルミ
ニウム材料の電解着色手法にあっては、先ず、第一の工
程(A)として、硫酸水溶液中にて陽極酸化処理を施し
て、陽極酸化皮膜を形成せしめ、次いで第二の工程
(B、B′)においては、硫酸又は(無機金属塩+酸)
の水溶液中で交流電解して、バリヤー層を均一な厚みに
改質し、その後、第三の工程(C、C′)において、無
機金属塩と酸を含む電解着色液中にて、アルミニウム材
料を陰極として直流電解するか、或いは交互に陽極及び
陰極として、直流電解することにより、電解液中の金属
イオンを金属に還元して或いは酸化物の形態で、陽極酸
化皮膜の微細孔に析出させることにより、原色系の色若
しくはグレー系の色に着色することを特徴とするもので
あるが、その第一段階たる第一の工程における硫酸陽極
酸化は、常法に従って、硫酸水溶液中でアルミニウム材
料を陽極として、適当な材質の対極との間に所定の電
圧、通常は直流電圧を印加して電解処理を行ない、所定
厚さ、好ましくは6μm以上の厚さの陽極酸化皮膜をア
ルミニウム材料の表面に形成すればよいのである。な
お、その際の硫酸濃度や印加電圧、浴温等も、常法の通
りで充分である。
【0020】また、第二段階たる、第二の工程における
バリヤー層の改質(中間処理)は、適当な濃度、一般に
1〜20重量%、好ましくは5〜15重量%程度の濃度
の硫酸水溶液中において、或いは適当な濃度の無機金属
塩と酸を含有する水溶液中において、前記第一の工程で
陽極酸化処理されたアルミニウム材料を一方の電極とし
て用い、適当な材質の対極との間に、交流電圧を印加し
て、交流電解処理することにより、行なわれることとな
る。そして、その際に用いられる交流電源としては、5
0Hz或いは60Hzの商用電源で充分であるが、それ
以外の周波数のものであっても、何等差し支えない。な
お、この交流電解時の最大電圧は、一般に前記第一の工
程における処理電圧よりも低く設定され、特に、第一の
工程における電解電圧の1/3以下とされることが、望
ましい。また、かかる交流電解の処理時間としては、印
加電圧に従って適宜に決定されることとなるが、一般に
30秒以上、15分以下で充分である。このような交流
電解による中間処置にて、アルミニウム材料の表面に形
成された陽極酸化皮膜におけるバリヤー層の厚さが効果
的に調整され得て、その厚みが均一とされるのである。
【0021】なお、このような第二の工程における電解
浴たる硫酸水溶液や、無機金属塩と酸を含有する水溶液
は、前記した第一の工程における硫酸水溶液をそのまま
用いたり、或いは後述する第三の工程における無機金属
塩と酸を含有する水溶液として、そのまま用いることも
可能であり、そうすることによって、電解浴を交換する
手間を省略することが出来る等の利点を享受することが
出来る。
【0022】さらに、このような第二の工程における中
間処理に係る交流電解処理を、無機金属塩と酸を含有す
る水溶液中で行なう場合にあっては、用いられる無機金
属塩の種類によっては、バリヤー層が充分に改質される
前に、陽極酸化皮膜の微細孔内に金属が析出し、褐色系
に着色してしまうことがある。そのような場合には、通
常の交流電圧で電解する代わりに、交流電圧を半波整流
或いは全波整流して印加せしめるようにすると共に、ア
ルミニウム材料を、酸化反応の惹起される方の電極たる
陽極として、電解操作を進行せしめることが望ましく、
これによって、褐色系に着色することが有効に防止され
得るのである。
【0023】そして、このようにして、中間処理(交流
電解処理)にてバリヤー層の改質されたアルミニウム材
料には、第三段階たる第三の工程における着色電解処理
が施される。即ち、そのようなアルミニウム材料を陰極
として、SUS、黒鉛等の材質からなる電極を対極とし
て、Sn、Ni、Co、Fe、Cu、Se、Ag、A
u、V、Mn等の硫酸塩の如き無機金属塩と、硫酸、酒
石酸、スルファミン酸、クレゾールスルホン酸、スルホ
サリチル酸等の酸を含有する水溶液中において、直流電
圧を印加せしめて直流電解し、生じる金属若しくは金属
酸化物を、アルミニウム材料表面の陽極酸化皮膜の微細
孔中に析出せしめることにより、目的とする原色系の色
或いはグレー系の色の着色が実現され得るのである。な
お、このようなアルミニウム材料を陰極として直流電解
する手法に変えて、アルミニウム材料を陽極として直流
電圧にて陽極電解する操作と、該アルミニウム材料を陰
極として直流電圧にて陰極電解する操作とを、交互に且
つ各々3回以上行なうことからなる着色電解操作も、有
利に採用され、それによって、より均一な着色が実現さ
れる。
【0024】なお、かかる着色電解操作における電解浴
中の無機金属塩の濃度としては、一般に、5〜500g
/L程度が採用され、また酸の濃度としては、1〜20
0g/Lが適当である。更に、電解浴の浴温としては、
一般に、15〜30℃、好ましくは20〜25℃程度が
採用されることとなる。かかる無機金属塩の濃度が5g
/L未満では、着色に時間を要し、また500g/Lを
越えても、アルミニウム材料に付着して、水洗槽へ持ち
出される量が増えるのみであり、無機金属塩の消耗が激
しくなるだけである。一方、酸濃度、温度とも、低過ぎ
ると、やはり着色に時間を要し、また高過ぎると、陽極
酸化皮膜の溶解量が増し、耐蝕性が損なわれる恐れがあ
る。更に、電解電圧は、使用する無機金属塩や酸によ
り、最適範囲が異なるところから、用いられる電解液
(浴)の種類により、適宜に変化させることが肝要であ
る。
【0025】また、かかる第三の工程において、着色電
解を、陽極電解操作と陰極電解操作とを交互に組み合わ
せて実施する際に、その陽極電解時の電圧値を陰極電解
時の電圧値よりも高く設定することによって、より多く
の陽極電流が流れることとなり、それによって、均一な
バリヤー層が有利に形成され得て、陰極電解時の着色の
均一性が向上せしめられ得るのである。しかし、それら
電圧値の差は、4Vよりも小さくなるようにすることが
望ましく、陽極電解時の電圧値が陰極電解時の電圧値よ
りも、4Vを越えて高く設定されると、バリヤー層が厚
くなり過ぎ、陰極電解する際に、陰極電流が流れ難くな
って、金属乃至は金属酸化物の析出が困難となって、着
色しなくなる恐れが生じるのである。一方、陽極電解時
の電圧を陰極電解時の電圧よりも4Vを越えて低く設定
した場合にあっては、陽極電流が少なく、厚いバリヤー
層が形成されないために、陰極電解時に多くの陰極電流
が流れ、そのために、所謂スポーリング(バリヤー層下
で発生する水素ガスによる着色不良或いは皮膜剥離)が
発生し易くなるためである。
【0026】かくして、かくの如き第三の工程を経たア
ルミニウム材料は、所定の無機金属塩と酸を含有する水
溶液中における直流電圧による着色電解操作にて、図3
に示される如き微細孔構造を有する着色表面を備えたも
のとなるのであり、以て、緑や青等の原色系或いはグレ
ー系の色に、安定して着色され得ることなったのであ
り、また、着色処理の電解時間を長くしても、その色調
が変化することなく、同じ色調にて、均一な着色アルミ
ニウム材料が得られることとなったのである。
【0027】
【実施例】以下に、本発明の実施例を示し、本発明を更
に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、その
ような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるも
のでないことは、言うまでもないところである。また、
本発明には、以下の実施例の他にも、更には上記した発
明の実施の形態における記述以外にも、本発明の趣旨を
逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて種々
なる変更、修正、改良等を加え得るものであることが、
理解されるべきである。
【0028】実施例 1 先ず、アルミニウム合金:A6063の押出材からなる
アルミニウム材料を、常法により、脱脂洗浄した後、2
0℃の温度の15%硫酸水溶液中にて、かかるアルミニ
ウム材料を陽極として、また陰極としては、鉛板を用い
て、1.5A/dm2 の電流密度にて、30分間の直流
電解を行なうことにより、該アルミニウム材料の表面
に、膜厚が12μmの陽極酸化皮膜を形成した。
【0029】次いで、かかる陽極酸化皮膜の形成された
アルミニウム材料を用い、それを一方の電極とする一
方、他方の電極に鉛板を用い、20℃の温度の15%硫
酸水溶液中にて、4V(実効電圧)、60Hzの単相交
流電圧を印加せしめて、2分間の交流電解を行なうこと
により、中間処理(第二の工程)を実施した。
【0030】その後、この中間処理の施されたアルミニ
ウム材料に対して、以下に示す二通りの第三の工程に従
う電解操作により、着色処理を行なった。 硫酸第一錫を10g/L含有する1.5%硫酸水溶
液中において、25℃の温度で、上記アルミニウム材料
を陽極とし、一方、黒鉛棒を陰極として、2秒かけて1
0Vまで昇圧し、その電圧で2秒間保持して電解した
後、直ちに0Vまで降圧することにより、陽極電解操作
を実施した。続けて、今度はアルミニウム材料の方を陰
極にして、5秒かけて12Vまで昇圧し、その電圧で5
秒間電解した後、直ちに0Vまで降圧することにより、
陰極電解操作を実施した。そして、この陽極電解操作と
陰極電解操作の組み合わせからなる直流電解操作を繰り
返すことにより、下記表1に示される如き色調の着色ア
ルミニウム材料を、その繰り返し回数に応じて得た。 硫酸第一錫を10g/L含有する1.5%硫酸水溶
液中において、25℃の温度で、上記アルミニウム材料
を陽極とし、一方、黒鉛棒を陰極として、2秒かけて1
2Vまで昇圧し、その電圧で2秒間保持して電解した
後、直ちに0Vまで降圧することにより、陽極電解操作
を実施した。続けて、今度はアルミニウム材料の方を陰
極にして、5秒かけて12Vまで昇圧し、その電圧で5
秒間電解した後、直ちに0Vまで降圧することにより、
陰極電解操作を実施した。そして、この陽極電解操作と
陰極電解操作の組み合わせからなる直流電解操作を繰り
返すことにより、下記表1に示される如き色調の着色ア
ルミニウム材料を、その繰り返し回数に応じて得た。
【0031】
【表1】
【0032】実施例 2 実施例1において陽極酸化処理したアルミニウム材料を
用いて、以下の二通りの、第二の工程たる中間処理を実
施した。 20℃の15%硫酸水溶液中において、4V(実効
電圧)にて、50Hzの単相交流電解処理を3.5分間
行なった。 20℃の15%硫酸水溶液中において、4V(実効
電圧)にて、60Hzの単相交流電解処理を4.5分間
行なった。
【0033】上記の何れかの中間処理が施されたアルミ
ニウム材料に対して、次のような直流電解操作にて、着
色処理を施した。即ち、硫酸第一錫:8g/L、硫酸ニ
ッケル・六水和物:25g/Lを含有する1.5%硫酸
水溶液中において、25℃の温度で、アルミニウム材料
を陽極として、10秒かけて12Vまで昇圧し、その電
圧で2秒間保持して電解した後、直ちに、0Vまで降圧
し、続けて、該アルミニウム材料を陰極にして、15秒
かけて12Vまで昇圧し、その電圧で5秒間電解した
後、直ちに0Vまで降圧した。この電解操作を繰り返す
ことにより、下記表2に示される色の着色アルミニウム
材料を得た。
【0034】
【表2】
【0035】実施例 3 実施例1において陽極酸化処理されたアルミニウム材料
を用い、それを陽極として、20℃の15%硫酸水溶液
中において、3V(実効電圧)にて60Hzの三相交流
電圧を半波整流して、印加せしめることにより、2分間
電解処理して、第二の工程たる中間処理を実施した。
【0036】次いで、かかる中間処理の実施されたアル
ミニウム材料に対して、以下に示される二通りの電解操
作により、着色処理を行なった。 硫酸第一錫:15g/Lとo−クレゾールスルホン
酸:5g/Lを含有する1.5%硫酸水溶液中におい
て、25℃で、アルミニウム材料を陽極として、20秒
かけて9Vまで昇圧し、その電圧で2秒間保持して電解
した後、直ちに0Vまで降圧し、続けて、該アルミニウ
ム材料を陰極とし、5秒かけて12Vまで昇圧し、その
電圧で5秒間電解した後、直ちに0Vまで降圧した。こ
の電解操作を繰り返すことにより、下記表3に示される
如き色調の着色アルミニウム材料を得た。 硫酸第一錫:15g/Lとo−クレゾールスルホン
酸:5g/Lを含有する1.5%硫酸水溶液中におい
て、25℃で、アルミニウム材料を陽極として、15秒
かけて12Vまで昇圧し、その電圧で1秒間保持して電
解した後、直ちに0Vまで降圧し、続けて、該アルミニ
ウム材料を陰極とし、12秒かけて12Vまで昇圧し、
その電圧で6秒間電解した後、直ちに0Vまで降圧し
た。この電解操作を繰り返すことにより、下記表3に示
される如き色調の着色アルミニウム材料を得た。
【0037】
【表3】
【0038】実施例 4 実施例1において得られた陽極酸化皮膜を有するアルミ
ニウム材料を用いて、それに対して、以下の二通りの中
間処理(第二の工程)を施した。 20℃の硫酸第一錫:10g/L含有9%硫酸水溶
液中において、かかるアルミニウム材料を陽極として、
3V(実効電圧)にて60Hzの三相交流電圧を半波整
流して印加せしめ、15分間の電解処理を行なった。 20℃の硫酸第一錫:10g/L含有9%硫酸水溶
液中において、かかるアルミニウム材料を陽極として、
3V(実効電圧)にて60Hzの単相交流電圧を全波整
流して印加せしめ、15分間の電解処理を行なった。
【0039】次いで、上記の何れかの中間処理の施され
たアルミニウム材料を用いて、それを陽極として、硫酸
第一錫を10g/L含有する9%硫酸水溶液中におい
て、25℃の温度で、10秒かけて12Vまで昇圧し、
その電圧で2秒間保持して電解した後、直ちに0Vまで
降圧し、続けて該アルミニウム材料を陰極にして、15
秒かけて12Vまで昇圧し、その電圧で5秒間電解した
後、直ちに0Vまで降圧した。この電解操作を繰り返す
ことにより、下記表4に示される如き色調の着色アルミ
ニウム材料を得た。
【0040】
【表4】
【0041】比較例 1 実施例1において得られた陽極酸化処理してなるアルミ
ニウム材料を用いて、20℃の15%硫酸水溶液中にお
いて、4V(実効電圧)、60Hzの周波数の交流を用
いて、2分間の交流電解を実施することにより、中間処
理(バリヤー層改質処理)を施した。次いで、この中間
処理の後、硫酸第一錫を10g/L含有する1.5%硫
酸水溶液中において、25℃で、前記中間処理の施され
たアルミニウム材料を陽極として、2秒かけて17Vま
で昇圧し、その電圧で2秒間保持して電解した後、直ち
に0Vまで降圧し、続けて該アルミニウム材料を陰極に
して、5秒かけて12Vまで昇圧し、その電圧で5秒間
電解した後、直ちに0Vまで降圧した。この電解操作を
3回或いは6回繰り返したが、アルミニウム材料の着色
は、全く認められなかった。
【0042】実施例 5 実施例1において陽極酸化処理されたアルミニウム材料
を用い、実施例1と同様にして、20℃の温度の15%
硫酸水溶液中において、4V(実効電圧)、60Hzの
単相交流電解を2分間行なって、中間処理(第二の工
程)を施した。
【0043】その後、この中間処理の施されたアルミニ
ウム材料に対して、以下に示す、二通りの第三の工程に
従う電解操作により、着色処理を行なった。 硫酸第一錫を10g/L含有する1.5%硫酸水溶
液中において、25℃の温度で、上記アルミニウム材料
を陰極にして、5秒かけて12Vまで昇圧し、その電圧
で30〜180秒間の電解処理を施した後、直ちに0V
まで降圧した。このような着色電解操作にて、下記表5
に示される如く、電解時間が90秒以上となると、緑色
からなる原色系の色調にアルミニウム材料は着色され、
その色調は、電解時間が長くなっても、何等変化するも
のではなかった。 硫酸第一錫を10g/Lを含有する1.5%硫酸水
溶液中において、25℃の温度で、上記アルミニウム材
料を一方の電極として用いて、60Hzの単相交流電解
を30〜180秒間実施した。なお、12V(実効電
圧)までの昇圧は5秒かけて行ない、また所定時間の交
流電解後には、直ちに0Vまで降圧した。このような着
色電解操作にて、下記表5に示される如き色調の着色ア
ルミニウム材料を得たが、その結果より明らかな如く、
交流電解時間の経過と共に、アルミニウム材料の着色の
色調が漸次変化し、常に一定の色調の着色アルミニウム
材料を得ることが困難であることを認めた。
【0044】
【表5】
【0045】実施例 6 実施例1において陽極酸化処理されたアルミニウム材料
を用い、それを陽極として、20℃の温度で硫酸第一錫
を10g/L含有する9%硫酸水溶液中において、3V
(実効電圧)、60Hzの単相交流電流を半波整流して
印加せしめることにより、15分間の電解処理して、第
二の工程たる中間処理を実施した。
【0046】次いで、かかる中間処理の実施されたアル
ミニウム材料に対して、以下に示される二通りの電解操
作にて、着色処置を行なった。 硫酸第一錫を10g/L含有する1.5%硫酸水溶
液中において、25℃の温度で、上記アルミニウム材料
を陰極にして、5秒かけて12Vまで昇圧し、その電圧
で30〜180秒間電解処理した後、直ちに0Vまで降
圧した。この着色電解操作にて、下記表6に示される結
果から明らかな如く、90秒以上の電解時間にて、緑色
の原色系の均一な色調が、電解時間によって変化するこ
となく、実現され得たのである。 硫酸第一錫を10g/Lを含有する1.5%硫酸水
溶液中において、上記アルミニウム材料を一方の電極と
して用い、また60Hzの単相交流電流を用いて、25
℃の温度で、5秒かけて12V(実効電圧)まで昇圧し
た後、30〜180秒間交流電解せしめ、そして、直ち
に0Vまで降圧した。この電解操作にて、下記表6に示
される如く、電解時間に従って色調の変化する着色アル
ミニウム材料を得た。
【0047】
【表6】
【0048】かかる表6の結果からも明らかな如く、本
発明に従う着色陽極酸化皮膜を有するアルミニウム材料
の製造方法にあっては、その第三の工程における着色電
解処理が、直流電解にて行なわれることにより、着色処
理の電解時間を長くしても、色調が変化することがな
く、そのために、複雑な構造をしたアルミニウム材料も
均一に着色することが出来る、所謂付き回り性の良いア
ルミニウム材料の電解着色手法であると認められるので
ある。
【0049】
【発明の効果】以上の説明より明らかな如く、本発明手
法によれば、アルミニウム若しくはその合金からなるア
ルミニウム材料を、グレー系や原色系の色調に均一性よ
く着色することが出来、また着色処理のための電解時間
を長くしても、安定して、同じ色調の着色アルミニウム
材料を得ることが出来るのである。しかも、本発明によ
る電解着色手法は、現行設備を利用することが出来、工
業的に採用することが容易である等の利点も、併せ有し
ているのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】陽極酸化処理により生成した陽極酸化皮膜の微
細構造を示す模式図である。
【図2】陽極酸化処理の後、更に中間処理を行なうこと
なく、着色処理して得られた着色アルミニウム材料の微
細構造を示す模式図である。
【図3】本発明手法に従って得られた着色アルミニウム
材料の微細構造を示す模式図である。
【符号の説明】
2 陽極酸化皮膜 3 バリヤー層 4 微細孔 5 金属粒子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高砂 志朗 東京都港区新橋五丁目11番3号 住友軽金 属工業株式会社内 (72)発明者 渡辺 吉章 東京都港区新橋五丁目11番3号 住友軽金 属工業株式会社内 (72)発明者 藤田 哲司 大阪府大阪市淀川区三国本町三丁目9番39 号 株式会社日本アルミ内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム若しくはその合金からなる
    アルミニウム材料を硫酸水溶液中で陽極酸化処理して、
    該アルミニウム材料の表面に陽極酸化皮膜を形成する第
    一の工程と、 かかる陽極酸化皮膜の形成されたアルミニウム材料を一
    方の電極として用い、硫酸水溶液中において他方の電極
    との間に交流電圧を印加して、電解処理することからな
    る第二の工程と、 該第二の工程において電解処理してなるアルミニウム材
    料を陰極として、無機金属塩と酸を含有する水溶液中に
    おいて、直流電圧で電解して、生じる金属若しくは金属
    酸化物を該アルミニウム材料表面の陽極酸化皮膜の微細
    孔中に析出せしめることにより、目的とする着色を行な
    う第三の工程とを、含むことを特徴とする原色系乃至は
    グレー系着色陽極酸化皮膜を有するアルミニウム材料の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 アルミニウム若しくはその合金からなる
    アルミニウム材料を硫酸水溶液中で陽極酸化処理して、
    該アルミニウム材料の表面に陽極酸化皮膜を形成する第
    一の工程と、 かかる陽極酸化皮膜の形成されたアルミニウム材料を一
    方の電極として用い、硫酸水溶液中において他方の電極
    との間に交流電圧を印加して、電解処理することからな
    る第二の工程と、 該第二の工程において電解処理してなるアルミニウム材
    料を、陽極として用いて、直流電圧にて陽極電解する操
    作と、陰極として用いて、直流電圧にて陰極電解する操
    作とを、交互に且つ各々3回以上行ない、生じる金属若
    しくは金属酸化物を該アルミニウム材料表面の陽極酸化
    皮膜の微細孔中に析出せしめることにより、目的とする
    着色を行なう第三の工程とを、含むことを特徴とする原
    色系乃至はグレー系着色陽極酸化皮膜を有するアルミニ
    ウム材料の製造方法。
  3. 【請求項3】 アルミニウム若しくはその合金からなる
    アルミニウム材料を硫酸水溶液中で陽極酸化処理して、
    該アルミニウム材料の表面に陽極酸化皮膜を形成する第
    一の工程と、 かかる陽極酸化皮膜の形成されたアルミニウム材料を一
    方の電極として用い、無機金属塩と酸を含有する水溶液
    中において他方の電極との間に交流電圧を印加して、電
    解処理することからなる第二の工程と、 該第二の工程において電解処理してなるアルミニウム材
    料を陰極として、無機金属塩と酸を含有する水溶液中に
    おいて、直流電圧で電解して、生じる金属若しくは金属
    酸化物を該アルミニウム材料表面の陽極酸化皮膜の微細
    孔中に析出せしめることにより、目的とする着色を行な
    う第三の工程とを、含むことを特徴とする原色系乃至は
    グレー系着色陽極酸化皮膜を有するアルミニウム材料の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 アルミニウム若しくはその合金からなる
    アルミニウム材料を硫酸水溶液中で陽極酸化処理して、
    該アルミニウム材料の表面に陽極酸化皮膜を形成する第
    一の工程と、 かかる陽極酸化皮膜の形成されたアルミニウム材料を一
    方の電極として用い、無機金属塩と酸を含有する水溶液
    中において他方の電極との間に交流電圧を印加して、電
    解処理することからなる第二の工程と、 該第二の工程において電解処理してなるアルミニウム材
    料を、陽極として用いて、直流電圧にて陽極電解する操
    作と、陰極として用いて、直流電圧にて陰極電解する操
    作とを、交互に且つ各々3回以上行ない、生じる金属若
    しくは金属酸化物を該アルミニウム材料表面の陽極酸化
    皮膜の微細孔中に析出せしめることにより、目的とする
    着色を行なう第三の工程とを、含むことを特徴とする原
    色系乃至はグレー系着色陽極酸化皮膜を有するアルミニ
    ウム材料の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記第二の工程において、前記交流電圧
    を半波整流若しくは全波整流して印加せしめると共に、
    前記アルミニウム材料を陽極として電解することを特徴
    とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 前記第三の工程における陽極電解時の電
    圧値と陰極電解時の電圧値との差が、4Vよりも小さい
    ことを特徴とする請求項2又は請求項4記載の製造方
    法。
JP30300996A 1996-11-14 1996-11-14 原色系乃至はグレー系着色陽極酸化皮膜を有するアルミニウム材料の製造方法 Pending JPH10140395A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018500504A (ja) * 2014-09-30 2018-01-11 リシー・エアロスペース 潤滑締まり嵌めを使用するファスナ
CN109280950A (zh) * 2018-10-19 2019-01-29 肇庆亚洲铝厂有限公司 使用阳极氧化单镍盐着色生产黑色铝型材的方法及铝型材

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