JP3023342B2 - アルミニウムまたはアルミニウム合金の電解着色方法 - Google Patents

アルミニウムまたはアルミニウム合金の電解着色方法

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JP3023342B2
JP3023342B2 JP10156310A JP15631098A JP3023342B2 JP 3023342 B2 JP3023342 B2 JP 3023342B2 JP 10156310 A JP10156310 A JP 10156310A JP 15631098 A JP15631098 A JP 15631098A JP 3023342 B2 JP3023342 B2 JP 3023342B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、アルミニウムまたはアルミニウ
ム合金の電解着色方法に係り、特に、アルミニウムまた
はアルミニウム合金を、多彩な色調にて、再現性良く電
解着色し得る方法に関するものである。
【0002】
【背景技術】一般に、アルミニウムやアルミニウム合金
は、その用途等に応じて、様々な表面処理が施されるこ
とによって、その機能や外観が高められている。例え
ば、アルミニウムやアルミニウム合金を建築材料等とし
て使用する場合には、通常、それらアルミニウムやアル
ミニウム合金に対して陽極酸化処理が施されることによ
り、表面に陽極酸化被膜が生成されて、耐食性や耐摩耗
性が向上せしめられ、その後、表面が着色される等し
て、意匠性が高められているのである。
【0003】そして、そのように、優れた機能と外観と
を付与すべく、表面に陽極酸化被膜が生成されたアルミ
ニウムやアルミニウム合金を着色する際には、従来から
各種の方法が採用されており、中でも、工業的に有利な
方法の一つとして、電解着色法が採用されている。この
電解着色法は、よく知られているように、金属塩を含む
電解液中で、表面に陽極酸化被膜が生成されたアルミニ
ウムやアルミニウム合金に電圧を印加して、電解を行な
い、かかる陽極酸化被膜の細孔内の底部に、金属、金属
酸化物または金属水酸化物を析出させて、それらの析出
物特有の色調を得るものであるが、実際には、得られる
色調が、比較的少ない種類に限定されてしまうといった
欠点があった。
【0004】このため、上述の如き従来法を改良したア
ルミニウムまたはアルミニウム合金の電解着色方法が、
特公昭54−13860号公報や特公昭57−7239
号公報等において、提案されている。
【0005】すなわち、それらの公報には、リン酸を含
む電解液中で、表面に陽極酸化被膜が生成されてなるア
ルミニウムまたはアルミニウム合金に交流電圧を印加し
て、電解する、所謂中間電解を行なうことにより、陽極
酸化被膜の細孔の底部を拡径させるリン酸被膜を更に生
成せしめて、陽極酸化被膜を改質した後、その改質され
た陽極酸化被膜を従来と同様にして電解着色する、アル
ミニウムまたはアルミニウム合金の電解着色方法が、明
らかにされているのである。
【0006】この方法によれば、陽極酸化被膜の電解着
色工程において、金属、金属酸化物または金属水酸化物
が、陽極酸化被膜の細孔内の拡径された底部に析出せし
められるため、光の干渉作用により、多彩な色調が得ら
れることとなるのであるが、そのような陽極酸化被膜の
電解着色に先立って実施される、該被膜の改質工程にお
いて、リン酸を含む電解液を用いた中間電解が行なわれ
るようになっているところから、かかる中間電解後に、
リン酸を含む電解液を、特別な方法で廃液処理しなけれ
ばならず、そのために、経済性や生産効率が著しく低下
せしめられるといった問題が惹起されていた。
【0007】一方、特開平5−125589号公報や特
開平7−70791号公報には、硫酸水溶液中で、表面
に陽極酸化被膜が生成されたアルミニウムまたはアルミ
ニウム合金に、極間のピーク電圧が陽極酸化処理におけ
る印加電圧よりも低い値となるような大きさの交流電圧
を印加して、中間電解を行なった後、陽極酸化被膜を従
来と同様にして電解着色する、アルミニウムまたはアル
ミニウム合金の電解着色方法が、明らかにされている。
【0008】かかる電解着色方法にあっては、硫酸水溶
液中で、特定の電圧にて電解を行なうことにより、陽極
酸化被膜の細孔の底部を拡径させる硫酸被膜が更に生成
せしめられて、陽極酸化被膜が均一に且つ確実に改質さ
れ、この改質された陽極酸化被膜が電解着色されるよう
になっており、以て、アルミニウムまたはアルミニウム
合金が、豊富な種類の色調にて、均一に着色され得るよ
うになっているのである。そして、特に、この方法で
は、陽極酸化被膜の改質工程の電解時に、リン酸を含む
電解液が何等用いられていないところから、特別な廃液
処理を行なう必要が皆無ならしめられ得て、陽極酸化被
膜の改質工程の付加に伴う経済性や生産性の低下も可及
的に抑制乃至は解消され得るのである。
【0009】ところが、そのような公報に開示の電解着
色方法を実施する場合、得られる色調が、陽極酸化被膜
の改質を目的とした、硫酸水溶液中での中間電解時にお
ける硫酸水溶液の温度や濃度、或いはアルミニウムまた
はアルミニウム合金の被着色面積等によって大きく影響
されてしまい、それによって、安定した色調を得ること
が困難となるといった、大きな問題が惹起されていた。
【0010】すなわち、かかる電解着色方法では、得ら
れる色調が、陽極酸化被膜の改質量によって大きく左右
されるのであるが、この陽極酸化被膜の改質は、硫酸水
溶液中での中間電解時において、電流値が安定せしめら
れた状態下においてのみ行なわれることとなる。一方、
そのような中間電解時において、電圧の印加後、安定状
態となるまでに要する時間は、電解液たる硫酸水溶液の
濃度や温度等、工業規模での改質工程の実施時に、その
制御が困難な因子によって大きく左右される。これは、
かかる中間電解時に、陽極酸化被膜のバリヤ層が印加電
圧に見合った厚さまで電気化学的に溶解されて、該バリ
ヤ層の抵抗値が安定せしめられることより、電流値の安
定状態が得られるようになっている一方、そのような陽
極酸化被膜のバリヤ層の電気化学的な溶解の速度が、硫
酸水溶液の温度や濃度によって大きく異なるからであ
る。そのため、前記公報に開示の方法では、陽極酸化被
膜の改質工程の中間電解時において、硫酸水溶液の温度
や濃度が異なると、陽極酸化被膜の改質量にバラツキが
生じ、その結果、改質された陽極酸化被膜の電解着色に
よって得られる色調も、変化してしまうのである。
【0011】また、前記公報に開示の電解着色方法を実
施した場合、色の鮮やかさが、陽極酸化被膜の改質工程
における中間電解時の極間電圧に依存する。一方、この
硫酸水溶液中での中間電解においては、電圧が、電源の
投入と略同時に所定の値に達するように印加されるた
め、極間電圧が、中間電解の開始の後、一旦、低下し、
その後、略一定の値で推移することとなり、特に、アル
ミニウムまたはアルミニウム合金の被着色面積が小さい
程、中間電解の開始直後の低下の幅が小さく、その後、
比較的高い値で推移する傾向がある。そこで、この被着
色面積の違いによる極間電圧への影響を解消するため
に、被着色面積が大きな材料の改質工程における中間電
解に際して、その印加電圧を高くすることが考えられる
が、そうすると、印加電圧を高くした分だけ、中間電解
開始時の極間電圧が、被着色面積が小さな材料を用いる
場合よりも高くなってしまう。そのため、前記公報に開
示された方法では、被着色面積の違いによる、改質工程
における中間電解時の極間電圧への影響を解消させるこ
とが容易ではなく、それ故に、被着色面積が異なるもの
同士で、同様な鮮やかさの色調を得ることは困難であっ
た。
【0012】なお、特許第2534805号公報におい
ては、陽極酸化被膜の改質工程の中間電解時に、ピーク
電流値を基点として、それ以降の積算電気量を制御する
ことによって、アルミニウムまたはアルミニウム合金の
表面を、その被着色面積の大きさに拘わらず、所望の色
調に再現性良く電解着色し得ることが明らかにされては
いる。しかしながら、実際には、陽極酸化被膜の改質工
程の中間電解時における電流値の変化(増減)が緩やか
で、電流値のピークを特定することが難しく、また、そ
のような単なる電気量の制御だけでは、電解液たる硫酸
水溶液の濃度や温度等の影響による陽極酸化被膜の改質
量のバラツキが何等解消され得ないために、かかる公報
に開示される方法では、色調の再現性を十分に高めるこ
とは、困難であったのである。
【0013】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述せる如き事
情を背景にして為されたものであって、その解決課題と
するところは、経済性や生産性の低下を招くことなく、
多彩な色調を得ることが出来、しかも、所望の色調に再
現性良く、均一に着色し得るアルミニウムまたはアルミ
ニウム合金の電解着色方法を提供することにある。
【0014】
【解決手段】かかる状況下、本発明者等が、上記課題の
解決を図るべく、鋭意研究を重ねた結果、陽極酸化被膜
の電解着色に先立って、該被膜の改質のための中間電解
を行なう際に、アルミニウムまたはアルミニウム合金に
対して、電圧を、電源の投入と略同時に所定の値に達す
るように印加した際の、電流値が一定となるまでに要す
る時間よりも長い時間をかけて昇圧しつつ、電解液中の
アルミニウムまたはアルミニウム合金に電圧を印加する
ことによって、かかる中間電解時における硫酸水溶液の
温度や濃度、更にはアルミニウムまたはアルミニウム合
金の被着色面積による、電解着色にて得られる色調への
影響が軽減乃至は解消され得、また、そのような中間電
解時における、アルミニウムまたはアルミニウム合金へ
の印加電圧の昇圧時間が長ければ長い程、換言すれば、
昇圧速度が小さければ小さい程、電解着色された陽極酸
化被膜の耐候性が向上せしめられ得ることを、見い出し
たのである。
【0015】そして、本発明は、そのような知見に基づ
いて完成されたものであって、その特徴とするところ
は、陽極酸化処理によってアルミニウムまたはアルミニ
ウム合金の表面に生成された陽極酸化被膜を電解着色す
る方法であって、(a)硫酸水溶液中で、前記陽極酸化
被膜が生成されたアルミニウムまたはアルミニウム合金
に、極間のピーク電圧が前記陽極酸化処理における印加
電圧よりも低い値となるような大きさの交流電圧を、昇
圧時間をかけずに印加した際に電流値が一定となるまで
に要する時間よりも長い時間をかけて昇圧させつつ印加
して、電解を行なうことにより、前記陽極酸化被膜を中
間処理する中間処理工程と、(b)無機金属塩を含有す
る電解液中で、前記中間処理された陽極酸化被膜を有す
るアルミニウムまたはアルミニウム合金に電圧を印加し
て、電解を行なうことにより、該中間処理された陽極酸
化被膜を着色処理する着色処理工程とを含む、アルミニ
ウムまたはアルミニウム合金の電解着色方法にある。
【0016】このような本発明手法においては、陽極酸
化被膜の電解着色に先立って、硫酸水溶液中で、表面に
陽極酸化被膜が生成されたアルミニウムまたはアルミニ
ウム合金に、極間のピーク電圧が陽極酸化処理における
印加電圧よりも低い値となるような大きさの交流電圧を
印加して、電解を行なうことからなる、陽極酸化被膜の
中間処理(中間電解)が実施されるようになっていると
ころから、かかる中間処理工程において、陽極酸化被膜
の細孔の底部を拡径させる硫酸被膜が更に生成せしめら
れて、陽極酸化被膜が、確実に且つ均一に改質され得る
のであり、また、そのような陽極酸化被膜の改質に際し
て、リン酸を含む電解液が何等用いられていないことに
よって、特別な廃液処理を行なう必要が皆無ならしめら
れ得、以て、陽極酸化被膜の改質を目的とした中間処理
工程の付加に伴う経済性や生産性の低下も可及的に抑制
乃至は解消され得るのである。
【0017】しかも、かかる本発明手法にあっては、陽
極酸化被膜の中間処理工程における電解時に、アルミニ
ウムまたはアルミニウム合金に対して、昇圧時間をかけ
ずに電圧を印加した際に電流値が一定となるまでに要す
る時間よりも長い時間をかけて昇圧させつつ、電圧が印
加されるようになっていることから、硫酸水溶液の温度
や濃度の影響による陽極酸化被膜の改質量のバラツキが
抑制され得て、該改質量の安定化が効果的に図られ得る
のであり、また、アルミニウムまたはアルミニウム合金
の被着色面積の違いによって、該中間処理工程の電解時
における極間電圧の経時変化の過程が異なっていても、
それが容易に調整され得るのである。そして、それによ
って、陽極酸化被膜の改質工程における電解時の硫酸水
溶液の温度や濃度、更にはアルミニウムまたはアルミニ
ウム合金の被着色面積に拘わらず、陽極酸化被膜の着色
処理工程において、安定した色調が確実に且つ容易に得
られるのである。
【0018】従って、本発明に従うアルミニウムまたは
アルミニウム合金の電解着色方法によれば、経済性や生
産性の低下を招くことなく、従来よりも多彩な色調を得
ることが出来、しかも、アルミニウムまたはアルミニウ
ム合金の表面を、所望の色調に再現性良く、且つ均一に
着色することが出来るのである。
【0019】また、かかる本発明手法にあっては、陽極
酸化被膜の中間処理工程における電解時に、アルミニウ
ムまたはアルミニウム合金に対して、昇圧時間をかけず
に電圧を印加した際に電流値が一定となるまでに要する
時間よりも長い時間をかけて昇圧させつつ、電圧が印加
されるようになっていることから、アルミニウムまたは
アルミニウム合金に印加される電圧が所定の値に達する
までの時間が、従来からの方法を採用する場合よりも十
分に長くされて、印加電圧の昇圧速度が有利に小さくさ
れ得ているのであり、それによって、電解着色された陽
極酸化被膜の耐候性が、効果的に向上せしめられ得ると
いった、極めて大きな利点が得られるのである。
【0020】なお、そのような本発明に従うアルミニウ
ムまたはアルミニウム合金の電解着色方法において、有
利には、前記中間処理工程における、前記陽極酸化被膜
が生成されたアルミニウムまたはアルミニウム合金に対
する印加電圧の昇圧速度は、0.5V/秒以下とされ
る。
【0021】また、本発明手法の望ましい態様の一つに
よれば、前記中間処理工程における、前記陽極酸化被膜
が生成されたアルミニウムまたはアルミニウム合金に対
する印加電圧の昇圧時間が15分以下とされることとな
る。それによって、中間処理工程、ひいてはアルミニウ
ムまたはアルミニウム合金を電解着色するための全工程
が必要以上に長時間化することが有利に回避され得ると
共に、陽極酸化被膜が中間処理工程中に硫酸により侵さ
れて、電解着色後のアルミニウムまたはアルミニウム合
金の外観が低下せしめられるようなことが効果的に防止
され得るのである。
【0022】さらに、かかる本発明手法においては、好
ましくは、前記中間処理工程における電解が、10〜3
0℃の温度下において、15〜300g/Lの濃度を有
する前記硫酸水溶液中で行なわれる。それによって、得
られる色調の再現性が、より効果的に高められ得るので
ある。
【0023】
【発明の実施の形態】ところで、本発明手法は、前述の
如く、アルミニウムまたはアルミニウム合金の表面に生
成された陽極酸化被膜を電解着色するものであるが、こ
の陽極酸化被膜は、アルミニウムまたはアルミニウム合
金に対して、従来より公知の陽極酸化処理が施されるこ
とによって、その表面に生成されるものである。即ち、
陽極酸化被膜は、陽極に、アルミニウムまたはアルミニ
ウム合金の被処理体を用いる一方、陰極に、鉛等の不溶
性金属、アルミニウム、或いは黒鉛等を用いて、硫酸、
シュウ酸、及び有機酸等の酸性水溶液中で、それらの電
極間に、一般的には直流電圧を印加して、電解を行なう
ことによって、陽極のアルミニウムまたはアルミニウム
合金の表面に生成されるものなのである。
【0024】そして、本発明手法にあっては、そのよう
な陽極酸化被膜の電解着色に先立って、該被膜を中間処
理(所謂、中間電解)する中間処理工程が行なわれる。
【0025】この陽極酸化被膜の中間処理工程は、該被
膜が表面に生成されたアルミニウムまたはアルミニウム
合金を陽極として用い、また陰極として、アルミニウム
またはアルミニウム合金の陽極酸化処理時に陰極と使用
されるものと同様なものを用いて、硫酸水溶液中で、陽
極のアルミニウムまたはアルミニウム合金に対して、陰
極との極間のピーク電圧が前述の如き陽極酸化処理にお
ける印加電圧よりも低い値となるような大きさの交流電
圧を印加して、電解を行なうものである。
【0026】このような構成が採用されていることによ
って、陽極酸化被膜のアルミニウムまたはアルミニウム
合金との境界側に、硫酸被膜が更に形成され、また、こ
の硫酸被膜中において、陽極酸化被膜の細孔の底部が、
拡径されて、より具体的には枝分かれして延びるように
成長せしめられて、陽極酸化被膜が確実に且つ均一に改
質され、以て中間処理工程に引き続いて行なわれる陽極
酸化被膜の着色工程により、豊富な種類の色調が得られ
るようになっているのである。また、この陽極酸化被膜
の改質のための電解においては、電解液として、比較的
安価で、且つ面倒な廃液処理を行なう必要のない硫酸水
溶液が用いられており、それによって、中間処理工程の
付加に伴う経済性や生産性の負担が、可及的に軽減され
得るようになっているのである。
【0027】なお、この中間処理工程の電解を実施する
際には、極間の実効電圧が、1Vよりも高くされている
ことが望ましい。何故なら、かかる極間の実効電圧が1
V以下である場合、上述の如き陽極酸化被膜の改質を行
なうことが困難となるからである。
【0028】そして、本発明手法にあっては、特に、上
述の如き中間処理工程における、硫酸水溶液中での電解
が、陽極酸化被膜が生成されたアルミニウムまたはアル
ミニウム合金に対して、電圧を、昇圧時間をかけずに印
加した際に電流値が一定となるまでに要する時間よりも
長い時間をかけて昇圧させつつ印加することにより、実
施されることとなる。
【0029】前述せるように、陽極酸化被膜の改質を目
的とした、硫酸水溶液中での電解を行なう際には、電流
値が安定せしめられた状態下においてのみ、陽極酸化被
膜の改質が行なわれるのであるが、この電流値が安定状
態となるまでに要する時間は、硫酸水溶液の温度や濃度
の違いによって大きな影響を受ける。そして、そのよう
な硫酸水溶液中での電解に引き続いて、陽極酸化被膜の
電解着色を行なって得られる色調は、陽極酸化被膜の改
質量によって支配される。
【0030】ところが、そのような硫酸水溶液中での電
解を実施する際に、陽極酸化被膜が生成されたアルミニ
ウムまたはアルミニウム合金に対して、長い時間をかけ
て昇圧させつつ、換言すれば、小さな昇圧速度で、電圧
を印加すると、電流の上昇は、昇圧速度に規制されるた
め、電圧の印加後、電流値が安定状態となるまでに要す
る時間が、硫酸水溶液の温度や濃度による影響よりも、
かかる昇圧速度に大きく左右されることとなる。
【0031】そこで、本発明手法においては、印加電圧
が予め定められた大きさに達するまでの昇圧時間を特定
の時間よりも長くすることによって、つまり、昇圧速度
を所定の速度以下とすることによって、硫酸水溶液の温
度や濃度に拘わらず、電圧の印加後に、電流値が安定状
態となるまでに要する時間が昇圧時間と略同一の時間に
制御され得るように為したのである。そして、それによ
って、中間処理工程において、単に、印加電圧の大きさ
や電解時間、或いは電解に消費される電気量等を規制す
るだけで、陽極酸化被膜の安定した改質量が得られるこ
ととなったのである。
【0032】また、先に詳述したように、陽極酸化被膜
の電解着色を行なった際の色の鮮やかさは、陽極酸化被
膜の改質を目的として硫酸水溶液中での電解時における
極間電圧に依存する。一方、この硫酸水溶液中での電解
時における極間電圧は、アルミニウムまたはアルミニウ
ム合金の被着色面積の違いによって、その経時変化の過
程が大きく異なるが、従来手法を採用する場合、かかる
電解時に、印加電圧を増減させると、電解開始時の極間
電圧に差異が生じるため、単に、印加電圧を調整しただ
けでは、被着色面積の違いによる極間電圧への影響を解
消させることが出来なかった。
【0033】ところが、そのような硫酸水溶液中での電
解を実施する際に、陽極酸化被膜が生成されたアルミニ
ウムまたはアルミニウム合金に対して、小さな昇圧速度
で、電圧を印加すると、極間電圧は、電解の開始によ
り、0から徐々に高くなり、やがて略一定の値で推移す
る経時変化をたどるため、アルミニウムまたはアルミニ
ウム合金の被着色面積の違いに応じて、印加電圧を変え
ても、電解開始時の極間電圧に差異が生じることがない
のである。
【0034】それ故、本発明手法においては、昇圧速度
を所定の速度よりも低く設定することによって、中間処
理工程における電解時に、単に、アルミニウムまたはア
ルミニウム合金の被着色面積の大きさに応じて、印加電
圧を調整するだけで、かかる被着色面積の大きさに拘わ
らず、前記硫酸水溶液中での電解時における極間電圧の
経時変化の過程が、良好に一致され得るように為したの
である。
【0035】かくして、本発明手法にあっては、中間処
理工程において、表面に陽極酸化被膜が生成されたアル
ミニウムまたはアルミニウム合金に、電圧を、上述の如
き特定の時間よりも長い時間をかけて昇圧させつつ印加
して、電解を実施するように為したことによって、該電
解時における硫酸水溶液の温度や濃度、更にはアルミニ
ウムまたはアルミニウム合金の被着色面積による色調へ
の影響を極めて効果的に軽減乃至は回避することが出来
るようになったのであり、その結果として、陽極酸化被
膜の着色処理工程において、安定した色調が確実に且つ
容易に得られることとなったのである。
【0036】しかも、本発明手法においては、上述の如
く、中間処理工程における電解の実施時に、昇圧速度が
特定の値以下に設定されていることによって、電解着色
された陽極酸化被膜の耐候性を高めることが可能ならし
められ得ているのである。
【0037】すなわち、前述せるように、硫酸水溶液中
での電解の実施時において、小さな昇圧速度で、電圧を
印加した場合、極間電圧は徐々に増加することとなる。
一方、かかる電解時において、電源の投入と略同時に、
印加電圧が所定の値となるように電圧を印加する場合に
は、極間電圧は徐々に低下せしめられる。そして、この
極間電圧は、電解の実施によって生成される被膜の細孔
の数、所謂多孔度に大きく影響し、極間電圧が低い程、
多孔度は高くなる。
【0038】それ故、中間処理工程において、小さな昇
圧速度で電圧が印加される電解によって生成される前記
硫酸被膜は、多孔度が大きく、その反対に、常法による
陽極酸化処理によって生成される陽極酸化被膜は、多孔
度が小さくなる。そのため、それら陽極酸化被膜と硫酸
被膜との界面では、多孔度が急激に変化せしめられるこ
ととなり、それによって、暴露中のスズ溶出等が抑制さ
れ、そして、その結果として、陽極酸化被膜の耐候性の
向上が、効果的に達成され得ることとなるのである。
【0039】なお、かくの如き特徴的な中間処理工程の
実施に際しては、電解の昇圧速度が、印加電圧の大きさ
と、昇圧時間をかけずに電圧を印加した際に電流値が一
定となるまでの要する時間の長さ等によって、適宜に決
定されるものであるが、有利には、0.5V/秒以下と
される。そして、この昇圧速度は、等速度である必要が
なく、徐々に変化するものであっても、或いは、段階的
に変化するものであっても、何等差し支えない。
【0040】また、かかる中間処理工程における電解の
昇圧時間も、昇圧時間をかけずに電圧を印加した際に電
流値が一定となるまでの要する時間よりも長く設定され
ておれば、特に限定されるものではないものの、望まし
くは、15分以下とされる。けだし、昇圧時間が15分
を越える場合には、中間処理工程、ひいてはアルミニウ
ムまたはアルミニウム合金を電解着色するための全工程
が必要以上に長時間化してしまうばかりでなく、中間処
理工程における電解中に、陽極酸化被膜が硫酸により侵
されて、中間処理工程に引き続いて行なわれる着色工程
にて着色されたアルミニウムまたはアルミニウム合金の
外観が、著しく低下せしめられることとなるからであ
る。
【0041】さらに、中間処理工程の電解時間も、従来
と同様な時間が設定されるところではあるが、陽極酸化
被膜の改質が十分に行なわれ得るように為す上で、少な
くとも1分以上とされていることが望ましく、一般的に
は2〜5分程度とされる。
【0042】更にまた、かかる中間処理工程における電
解の実施に際しては、硫酸水溶液の温度や濃度が特に限
定されるものではないものの、有利には、その温度が、
10〜30℃程度とされ、また、濃度が15〜300g
/L程度とされる。そのような範囲内の温度や濃度を有
する硫酸水溶液中において、昇圧速度が特定の値以下と
なる、上述の如き条件下での電解を行なうことによっ
て、電圧の印加後に、電流値が安定状態となるまでに要
する時間に対する硫酸水溶液の温度や濃度の影響が、よ
り有利に軽減され得ることとなる。
【0043】また、アルミニウムまたはアルミニウム合
金に対する陽極酸化処理において、電解液として、硫酸
水溶液が用いられている場合には、かかる硫酸水溶液
を、中間処理工程における電解の電解液として、そのま
ま用いることも、勿論可能である。
【0044】さらに、かかる中間処理工程の電解時に、
アルミニウムまたはアルミニウム合金に印加される交流
電圧は、正弦波の交流波形を有するものであれば、その
周波数が特に限定されるものではなく、例えば、商用の
50Hzや60Hzであっても、何等差し支えないので
ある。
【0045】そして、本発明手法にあっては、このよう
な中間処理工程に引き続いて、該中間処理工程の電解に
より改質された陽極酸化被膜を電解着色する着色工程が
行なわれ、以てアルミニウムまたはアルミニウム合金が
有利に電解着色されるようになっているのである。
【0046】なお、この着色工程における陽極酸化被膜
の電解着色は、常法に従って行なわれるものである。即
ち、かかる着色工程においては、Ni、Sn、Co、F
e、Cu、Se、Ag、Au、V、Mn等の無機金属塩
を1種類以上含み、必要に応じて硫酸、酒石酸、ホウ
酸、クレゾールスルホン酸、スルファミン酸、スルホサ
リチル酸等が添加された電解液中で、中間処理された陽
極酸化被膜を有するアルミニウムまたはアルミニウム合
金に、交流電圧またはこれと同様な効果をもたらす、所
謂矩形波直流電圧を印加して、電解を行なうことによ
り、該中間処理された陽極酸化被膜の電解着色が行なわ
れることとなるのである。
【0047】
【実施例】以下に、本発明の幾つかの実施例を示し、本
発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明
が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも
受けるものでないことは言うまでもないところである。
また、本発明には、以下の実施例の他、更には上記の具
体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにお
いて、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改
良等が加え得るものであるとこが、理解されるべきであ
る。
【0048】先ず、1dm2 の表面積(被着色面積)を
有する15個のアルミニウム合金板材(A6063S−
T5)と、4dm2 の表面積(被着色面積)を有する3
個のアルミニウム合金板材(A6063S−T5)と
を、それぞれ用い、それら18個のアルミニウム合金板
材に対して、常法に従って、脱脂洗浄による前処理を行
なった。そして、その後、前処理された18個のアルミ
ニウム合金板材のそれぞれを陽極として用い、また陰極
として、0.5dm2 の表面積を有する鉛板を用いて、
濃度が140〜160g/Lで、温度が17〜23℃と
された硫酸水溶液中で、1.2A/dm2 の電流密度に
より、25分間、直流電解を行なって、18個のアルミ
ニウム合金板材のそれぞれに対して、陽極酸化処理を実
施した。それによって、それら18個のアルミニウム合
金板材のそれぞれの表面に、約10μmの厚さの陽極酸
化被膜を生成した。
【0049】引き続き、陽極酸化被膜が表面に生成され
てなる、18個のアルミニウム合金板材のそれぞれを陽
極として用い、また陰極として、0.5dm2 の表面積
を有する鉛板を用いて、先の陽極酸化処理において使用
された硫酸水溶液中で、陽極が1dm2 の表面積を有す
るアルミニウム合金板材である場合には、5Vの交流電
圧を、また、陽極が4dm2 の表面積を有するアルミニ
ウム合金板材である場合には、5.7Vの交流電圧を、
それぞれ、下記表1に示される如き昇圧時間と昇圧速度
とをもって印加して、陽極電解に消費された電気量が4
5C/dm2 となるまで電解を行なった。それによっ
て、それら18個のアルミニウム合金板材のそれぞれの
表面に生成された陽極酸化被膜を中間処理した。
【0050】なお、かかる18個のアルミニウム合金板
材の陽極酸化被膜の中間処理では、1dm2 の表面積を
有するアルミニウム合金板材に、5Vの交流電圧を印加
して行なった電解にあっても、4dm2 の表面積を有す
るアルミニウム合金板材に、5.7Vの交流電圧を印加
して行なった電解にあっても、極間の実効電圧を4Vに
設定し、また、それぞれの電解時における極間のピーク
電圧は、先の陽極酸化処理における印加電圧よりも低い
値となるように設定した。
【0051】その後、中間処理された陽極酸化被膜を有
する18個のアルミニウム合金板材のそれぞれを陽極と
して用い、また陰極として0.5dm2 の表面積を有す
る黒鉛板を用いて、硫酸スズ(II)を10g/Lの濃度
で含むと共に、硫酸を15g/Lの濃度で含み、温度が
25℃にて保持された水溶液中で、実効電圧12Vに
て、1分間、交流電解を行なって、18個のアルミニウ
ム合金板材のそれぞれのの表面に生成された陽極酸化被
膜を着色した。それによって、表面が電解着色されてな
る18個のアルミニウム合金板材を得、それらを、下記
表1に示される如く、表面積、中間処理工程の電解時に
おける硫酸水溶液の濃度や温度、昇圧速度、昇圧時間、
及び印加電圧等の違いに応じて、それぞれ、着色合金板
材1〜18とした。
【0052】そして、かくして得られた着色合金板材1
〜18の表面の色調を、視認にて調べ、その結果を下記
表1に併せて示した。また、それとは別に、着色合金板
材1〜18のうち、着色合金板材7,12,15,18
の4個と、JIS B 7753に規定されるサンシャ
インカーボンアーク灯試験機とを用い、それら4個の着
色合金板材に対して、250時間の促進耐候性試験を常
法に従って行ない、各着色合金板材の試験前と試験後と
における色調差を調べ、その結果を、下記表2に示し
た。
【0053】なお、比較のために、1dm2 の面積を有
するアルミニウム合金板材(A6063S−T5)を1
個用い、このアルミニウム合金板材に対して、前記着色
合金板材1〜18を与える、18個のアルミニウム合金
板材に対して行なわれた前処理及び陽極酸化処理と同様
な処理を行なって、その表面に陽極酸化被膜を生成せし
めた後、濃度が150g/Lで、温度が20℃の硫酸水
溶液中で、このアルミニウム合金板材に、昇圧時間をか
けずに5Vの交流電圧を印加して、電解を行なうことに
より、該アルミニウム合金板材の陽極酸化被膜を中間処
理した。その際、電流値が一定となるように要した時間
は10秒であった。そして、その後、この中間処理され
た陽極酸化被膜を有するアルミニウム合金板材に対し
て、前記18個のアルミニウム合金板材と同様な着色処
理を行なったところ、得られた色調は、緑であった。
【0054】
【0055】
【0056】表1の結果から明らかなように、硫酸水溶
液中において、アルミニウム合金板材に、電圧を、昇圧
時間をかけずに印加した際に電流値が一定となるまでに
要する時間である、10秒よりも長い時間をかけて昇圧
させつつ印加して、電解を行なうことにより、陽極酸化
被膜が中間処理された後、電解着色されて得られた着色
合金板材1〜12にあっては、かかる中間処理工程の電
解に使用される硫酸水溶液の温度や濃度に拘わらず、ま
た、着色されるべき表面積に関係なく、得られる色調が
略グレーに統一されている。これに対して、硫酸水溶液
中で、アルミニウム合金板材に、電圧を、昇圧時間をか
けずに印加した際に電流値が一定となるまでに要する時
間である、10秒よりも短い時間で昇圧させつつ印加し
て、電解を行なうことにより、陽極酸化被膜が中間処理
された後、電解着色されて得られた着色合金板材13〜
18にあっては、硫酸水溶液の温度や濃度の差異によっ
て、或いは着色されるべき表面積の大きさによって、得
られる色調が、互いに異なっているのである。
【0057】また、表2からも明らかなように、着色合
金板材7,12の方が、着色合金15,18よりも、促
進耐候性試験前後の色調差において、明らかに小さな値
となっている。
【0058】これらの点から、中間処理工程で、アルミ
ニウム合金板材に、電圧を、昇圧時間をかけずに印加し
た際に電流値が一定となるまでに要する時間よりも長い
時間をかけて昇圧させつつ印加して、電解を行なうこと
により、引き続いて行なわれる電解着色工程にて、安定
した色調が容易に且つ確実に得られると共に、着色され
た陽極酸化被膜の耐候性が効果的に高められ得ること
が、明確に認識され得るのである。
【0059】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明に従うアルミニウムまたはアルミニウム合金の電解着
色方法によれば、経済性や生産性の低下を招くことな
く、従来よりも多彩な色調を得ることが出来、しかも、
アルミニウムまたはアルミニウム合金の表面を、所望の
色調に再現性良く、且つ均一に着色することが出来るの
である。また、かかる本発明手法にあっては、電解着色
された陽極酸化被膜の耐候性の向上をも、効果的に達成
せしめ得るのである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤田 哲司 大阪府大阪市淀川区三国本町三丁目9番 39号 株式会社日本アルミ内 (56)参考文献 特開 昭58−147592(JP,A) 特開 平7−70791(JP,A) 特開 昭59−145798(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C25D 11/22

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極酸化処理によってアルミニウムまた
    はアルミニウム合金の表面に生成された陽極酸化被膜を
    電解着色する方法であって、 硫酸水溶液中で、前記陽極酸化被膜が生成されたアルミ
    ニウムまたはアルミニウム合金に、極間のピーク電圧が
    前記陽極酸化処理における印加電圧よりも低い値となる
    ような大きさの交流電圧を、昇圧時間をかけずに印加し
    た際に電流値が一定となるまでに要する時間よりも長い
    時間をかけて昇圧させつつ印加して、電解を行なうこと
    により、前記陽極酸化被膜を中間処理する中間処理工程
    と、 無機金属塩を含有する電解液中で、前記中間処理された
    陽極酸化被膜を有するアルミニウムまたはアルミニウム
    合金に電圧を印加して、電解を行なうことにより、該中
    間処理された陽極酸化被膜を着色処理する着色処理工程
    と、を含むことを特徴とする、アルミニウムまたはアル
    ミニウム合金の電解着色方法。
  2. 【請求項2】 前記中間処理工程における、前記陽極酸
    化被膜が生成されたアルミニウムまたはアルミニウム合
    金に対する印加電圧の昇圧速度が、0.5V/秒以下で
    あることを特徴とする請求項1に記載の、アルミニウム
    またはアルミニウム合金の電解着色方法。
  3. 【請求項3】 前記中間処理工程における、前記陽極酸
    化被膜が生成されたアルミニウムまたはアルミニウム合
    金に対する印加電圧の昇圧時間が、15分以下であるこ
    とを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の、アルミ
    ニウムまたはアルミニウム合金の電解着色方法。
  4. 【請求項4】 前記中間処理工程における電解が、10
    〜30℃の温度下において、15〜300g/Lの濃度
    を有する前記硫酸水溶液中で行なわれることを特徴とす
    る請求項1乃至請求項3の何れかに記載の、アルミニウ
    ムまたはアルミニウム合金の電解着色方法。
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