JP2706681B2 - アルミニウム材料の電解着色方法 - Google Patents

アルミニウム材料の電解着色方法

Info

Publication number
JP2706681B2
JP2706681B2 JP4164278A JP16427892A JP2706681B2 JP 2706681 B2 JP2706681 B2 JP 2706681B2 JP 4164278 A JP4164278 A JP 4164278A JP 16427892 A JP16427892 A JP 16427892A JP 2706681 B2 JP2706681 B2 JP 2706681B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrolytic
aluminum material
barrier layer
electrolysis
thickness
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP4164278A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05331688A (ja
Inventor
章弘 若月
彰 森田
孝太郎 中山
邦男 若杉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Light Metal Co Ltd
Original Assignee
Nippon Light Metal Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Light Metal Co Ltd filed Critical Nippon Light Metal Co Ltd
Priority to JP4164278A priority Critical patent/JP2706681B2/ja
Publication of JPH05331688A publication Critical patent/JPH05331688A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2706681B2 publication Critical patent/JP2706681B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Printing Plates And Materials Therefor (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミニウム又はアル
ミニウム合金(以下、アルミニウム材料で総称する)を
電解着色し、広範囲にわたる干渉色をもった着色皮膜を
形成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】陽極酸化皮膜を形成したアルミニウム材
料に光の干渉を利用した原色系の電解着色を行う方法と
して、陽極酸化処理後のアルミニウム材料をリン酸又は
ピロリン酸系の電解浴中で電解し、次いで金属塩含有溶
液中で電解着色することが特公昭54−13860号公
報で紹介されている。この方法によるとき、リン酸又は
ピロリン酸系の電解浴中での電解によって陽極酸化皮膜
に存在している微細孔の底部容積が拡大され、後続する
電解着色工程において電解析出物の高さが均一化され、
電解析出物の上面における反射光とアルミ金属面におけ
る反射光との間に光路差が生じ、光路差に応じた干渉色
が発現されるものと考えられている。
【0003】光路差に基づく光の干渉によって発色させ
る場合、一定した色調の着色を得るためには、電解析出
物の上面とアルミ金属面との間の距離を一定にすること
が必要になる。しかし、複雑な形状をもつアルミニウム
材料を電解処理するとき、アルミ表面における電位分布
が不均一になり、距離を一定にすることができない。そ
の結果、同一処理材であっても光路差が変動し、種々の
干渉色が混じり合い濁った色調になり易い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】色調を均一化させるた
め、特公昭59−48960号公報では、陽極酸化皮膜
内に存在している微細孔を拡大した後、電解着色に先立
ってバリヤー型の酸化皮膜を形成する工程を採用してい
る。バリヤー型の酸化皮膜は、有機酸,希薄な無機酸等
を電解液として使用した電解処理で形成される。しか
し、電解液の比抵抗が高く、また電位分布が不均一にな
る。しかも、バリヤー型の酸化皮膜自体に、電流分布を
改善する作用がない。そのため、バリヤー層が不均一な
厚みになり易く、依然として一定した干渉色が得られな
い。
【0005】特公昭54−23658号公報では、陽極
酸化工程と金属塩溶液中での交流電解着色工程との間
で、陽極酸化皮膜を形成したアルミニウム材料にリン酸
又はクロム酸溶液中で40〜150Vの直流電圧を印加
する処理を行っている。この直流電解により微細孔の底
部が枝分かれし、後続する電解着色工程で析出する金属
コロイドが枝分かれした微細孔の底部に分配されるた
め、独特の色調をもった着色皮膜が得られる。しかし、
電解着色工程で電流値の制御が難しい交流定電圧を使用
し、且つそれ自体では着色均一性のない枝分かれした微
細孔に金属コロイドを分配する方式を採用しているた
め、この方法によっても発現する干渉色が不均一であ
り、安定した色調の着色皮膜が得られない。
【0006】また、特公昭58−52038号公報で
は、陽極酸化処理をした後、微細孔の底部を拡大し、予
備電解処理によってバリヤー層を調整した後、金属塩を
含む電解液中で正のパルス電圧を印加する直流電解によ
り着色している。予備電解処理には、ほう酸,ほう砂,
ほう酸アンモニウム,酒石酸アンモニウム,リン酸アン
モニウム,クエン酸等の希薄水溶液又はこれに適宜の金
属塩を溶解させた水溶液が使用されている。この種の水
溶液は、比抵抗が高いことから、電解時に不均一な電流
分布を発生させ易い。そのため、予備電解処理及び後続
する電解着色の組合せによっても、着色は不十分であっ
た。
【0007】このように、各種の方法が提案されている
ものの、依然として均一性の高い着色皮膜を形成するこ
とは困難である。しかも、着色皮膜の明度,彩度等に関
しては、制御方法が実質的に開発されていない。本発明
は、このような問題を解消すべく案出されたものであ
り、アルミニウム材料の表面に形成された陽極酸化皮膜
中にある微細孔の底部及びバリヤー層を改質することに
より、紫,青,緑,黄等の任意の色調をもち均一性及び
色調安定性に優れた着色皮膜を再現性良くアルミニウム
材料表面に形成することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の電解着色法は、
アルミニウム材料を陽極酸化処理して多孔質陽極酸化皮
膜を形成する第1工程、高濃度リン酸水溶液中で前記ア
ルミニウム材料を陽極とし、5〜40Vの範囲で選択さ
れた一定電圧の直流電解又はピーク電圧が5〜40Vの
範囲で選択された一定電圧の交流電解により多孔質陽極
酸化皮膜のバリヤー層の厚みを均一にする第2工程、一
旦電源を止めた後で定電流供給装置に切り替え、同一溶
液中で40〜120Vの範囲で且つ第2工程の設定電圧
よりも高く設定される目標電圧に達するまで直流定電流
で前記アルミニウム材料を陽極酸化することにより前記
バリアー層を目標厚さに調整すると共に微細孔の底部を
拡大する第3工程、金属塩含有溶液中で前記アルミニウ
ム材料を陽極とする予備電解処理により前記バリヤー層
の厚みを微調整する第4工程、前記金属塩含有溶液中で
前記アルミニウム材料を陰極として定電流直流電解又は
交流電解することにより金属又は金属酸化物を微細孔の
底部に析出させる第5工程からなることを特徴とする。
また、第3工程を経たアルミニウム材料を硫酸浴浸漬
し、微細孔中に残留しているリン酸根を除去する硫酸浴
浸漬処理工程を第3工程と第4工程との間に挿入するこ
ともできる。
【0009】
【作 用】陽極酸化処理されたアルミニウム材料の表面
には、膜厚方向に延びた多数の微細孔を含む陽極酸化皮
膜が形成されている。陽極酸化皮膜は、個々の微細孔を
中心としたセルを集合体とする構造をもっている。微細
孔は、通常の陽極酸化処理では陽極酸化皮膜の厚み方向
に関してほぼ一定した断面をもち、アルミ金属面まで達
していない。この微細孔とアルミ金属面との間の皮膜が
バリヤー層となる。
【0010】陽極酸化皮膜が形成されたアルミニウム材
料を高濃度リン酸水溶液中で定電圧電解するとき、アル
ミ金属面から微細孔底部までの高さ、すなわちバリヤー
層の厚みが均一化される。次いで、同じ高濃度リン酸水
溶液中で40〜120Vに達するまで直流定電流により
アルミニウム材料を陽極酸化するとき、バリヤー層の厚
みが目標値に調整されると共に、微細孔の底部が拡大さ
れる。このとき、バリヤー層の厚みは、陽極酸化時に達
する電圧値により容易に且つ高精度で制御することがで
きる。そこで、目標とする色調に応じた光路差が得られ
るように、バリヤー層の層厚を調整する。また、微細孔
の底部が拡大され、アルミ金属面と共に平滑化されてい
るため、後続工程で電解着色された表面は、均一な色調
をもち、色相のみならず明度及び彩度も制御される。
【0011】微細孔の底部を拡大した後、バリヤー層の
成長及び電解着色を同一電解液中で行う従来の方法で
は、予め生成した皮膜が破壊され易く、また厚いバリヤ
ー層を形成することが困難であった。本発明において
は、バリヤー層生成工程を着色工程から切り離すことに
より、目標厚さをもつバリヤー層を安定して生成するこ
とができ、電解処理によって得られる色調が色相,明度
及び彩度の何れにおいても一定化する。
【0012】本発明は、主として次の第1〜5工程から
なっている。 第1工程:アルミニウム材料に多孔質皮膜を形成する。 第2工程:多孔質皮膜のバリヤー層を均一な厚みにす
る。 第3工程:多孔質皮膜内にある微細孔の底部孔径及びバ
リヤー層の厚さを目標値に調整すると共に、バリヤー層
を平滑化する。 第4工程:バリヤー層の厚さを微調整する。 第5工程:電解着色により金属,金属酸化物等を微細孔
の底部に析出させる。第2工程及び第3工程は、同一の
高涜度リン酸水溶液中で行われる。第4工程及び第5工
程は、同一の着色溶液中で行われる。電解処理は、アル
ミニウム材料を一方の電極とし、他方の電極にはたとえ
ばアルミニウム,カーボン,ステンレス鋼等が使用され
る。また、封孔性能を向上させるため、微細孔の拡大処
理後に硫酸浴への浸漬処理を付加した後に、以降の同様
な電解処理を施しても良い。
【0013】以下、それぞれの工程について詳細に説明
する。 第1工程:電解液として、硫酸,リン酸,クロム酸等の
鉱酸、蓚酸,マロン酸等の有機酸、或いはこれらの混合
液が使用される。また、水酸化ナトリウム,炭酸ナトリ
ウム等のアルカリ性水溶液を電解液として使用すること
もできる。アルミニウム材料は、電解液に陽極として浸
漬され、直流又はパルス電圧を印加することによって陽
極酸化皮膜が形成される。電解条件は、電流密度1〜6
A/dm2 で5〜100Vの電圧が好ましく、これによ
って膜厚5〜30μmの陽極酸化皮膜が形成される。形
成された陽極酸化皮膜1は、図1に示すようにアルミ表
面2に対して垂直方向に延びた微細孔3を中心とする多
数のセル4が集合した構造をもっている。微細孔3はア
ルミ金属面2まで達しておらず、微細孔3の底部とアル
ミ金属面2との間がバリヤー層5となる。バリヤー層5
は、陽極酸化されたままの状態では不均一な厚みをもっ
ている。
【0014】第2工程:陽極酸化処理されたアルミニウ
ム材料を陽極として高濃度リン酸を主体とする電解液に
浸漬し、5〜40Vの定電圧直流或いはピーク電圧が5
〜40Vの定電圧交流を用いて電解する。バリヤー層5
は、第2工程の電解処理により図2に示すように厚みが
均一化される。また、微細孔3の底部口径が若干拡大さ
れる。電解液のリン酸濃度は、50〜300g/lの範
囲が好ましい。リン酸濃度が低いと、微細孔3の底部に
対する溶解作用が弱く、処理速度が遅くなる。逆に高過
ぎるリン酸濃度では、溶解作用が激しく、微細孔3が拡
大しすぎる。また、5V未満の電解電圧では微細孔3が
枝分れ状に成長し、40Vを超える電解電圧では微細孔
3の個数が減少し、着色後の色調が淡くなるため好まし
くない。
【0015】第3工程: 第2工程で使用した高濃度リン酸を主体とする電解液を
使用して、アルミニウム材料を陽極として定電流直流で
電解し、電解電圧が40〜120Vに達するまで電解処
理を継続する。定電流方式であるため、バリヤー層5の
目標厚さに応じた最終電圧を設定することによりバリヤ
ー層5の生成量を容易に管理することができる。また、
微細孔3の底部孔径が徐々に拡大され、図3に示すよう
に円錐状の拡大孔径部6となるため、破壊に対する強度
が優れている。
【0016】第3工程の電解条件は、最終電解電圧が4
0〜120Vになるように設定される。電位分布を均一
にするためには、最低40Vが必要である。しかし、1
20Vを超えると、電解反応に伴って火花放電が発生
し、陽極酸化皮膜1を破壊する虞れがある。また、電流
密度は、0.1〜1A/dm2 の範囲に維持することが
好ましい。電流密度が1A/dm2 を超えるとき、電解
液中における電位降下の影響が大きくなり、バリヤー層
5の厚さが不均一になり易い。逆に、0.1A/dm2
未満の電流密度では、目標電圧に到達するまでに長時間
を要し、陽極酸化皮膜1全体の溶解が進行するので好ま
しくない。電解時間は、おおよそ5分以内に設定するこ
とが好ましい。これ以上の長い時間をかけて電解する
と、陽極酸化皮膜1とアルミ金属面2との間の界面の平
滑度が損なわれ、大きな曲率半径をもった半円球状凹部
が形成され易くなる。
【0017】第3工程で使用する電解液の比抵抗が小さ
いため、電位降下の影響を最小に抑制しながら、アルミ
金属面2の各位置におけるバリヤー層5の厚みは、図3
に示すように均一化される。また、アルミ金属面2も平
滑化され、微細孔3の底部も拡大孔径部6となる。バリ
ヤー層5は定電流電解によって成長し、その厚さは電解
電圧に比例する。そして、バリヤー層5の厚さと第5工
程における電解析出物8の合計高さにより干渉色の色相
が決定されるため、第3工程における到達電解電圧を制
御することにより任意の色相をもった色を発現させるこ
とができる。
【0018】複雑な形状をもつアルミニウム材料を電解
槽で処理するとき、主として対極からの距離に応じて不
均一な電位分布が発生する。他方、形成される陽極酸化
皮膜1のバリヤー層5は、印加された電圧に比例して厚
さを変化させる。そのため、電位の不均一分布は、バリ
ヤー層5の厚みを不均一にする。バリヤー層の厚さを均
一にするために、比抵抗が小さな電解液を使用するこ
と,バリヤー層を全体的に厚くして電解液中における電
位降下の影響を小さくすること等が採用される。たとえ
ば、バリヤー型皮膜を形成させるため、ほう酸等のバリ
ヤー型皮膜形成溶液を電解液として使用することが提案
されている。しかし、この種の電解液は、比抵抗が大き
く、しかも皮膜の溶解能力が小さいため、第2工程で形
成した微細孔の底部が酸化物で充填され易くなる。その
結果、着色が不均一になり、しかも黄赤色が混じった色
調しか得られない。
【0019】リン酸溶液を使用する電解処理としては、
5%濃度のリン酸溶液中で直流電圧80Vを印加し10
分間程度電解する方法(特公昭54−28658号公
報),10Vの交流電流を使用し100g/lのリン酸
溶液中で3分間程度電解する方法(特公昭58−520
38号公報)等が知られている。両者共に、1段のみの
処理である。直流電解する方法では、電解電圧が80V
と高いため、微細孔の個数が減少し、しかも処理時間が
長くなる。その結果、陽極酸化皮膜1とアルミ金属面2
との界面には、図4に示すように大きな半円球状凹部7
が形成される。このような界面をもつ陽極酸化皮膜1の
微細孔3に金属又は金属酸化物を析出させて着色させた
場合、干渉色が得られても、淡く濁った色調をもったも
のとなる。他方、交流電解する方法では、印加電圧が1
0Vと低いことからバリヤー層5を厚くすることができ
ない。そのため、バリヤー層5の厚みで光路差を自由に
とることができず、限られた波長の干渉色しか得られな
い。
【0020】これに対して、本発明では、第2工程及び
第3工程の2段階処理を採用している。第2工程で、微
細孔3の個数を減少させることなく、図2に示すように
バリヤー層5を均一化する。そして、第3工程で、図3
に示すように各微細孔3の底部に拡大孔径部6を形成す
ると共に、アルミ金属面2を平滑化している。そのた
め、バリヤー層5の厚さを任意に調整することが可能に
なり、しかも第5工程で拡大孔径部6に沈着させた電解
析出物8の上面も平滑になる。
【0021】この電解処理でアルミ金属面2及び拡大孔
径部6の底部が平滑になるのは、次のメカニズムによる
ものと推察される。微細孔3の底部及びアルミ金属面2
に形成される半円球状凹部7の曲率半径は、電解電圧に
比例するセル4の径,微細孔3の径及びバリヤー層5の
厚みによって決定され、電解電圧が高いほど大きな曲率
半径となる。この点、本発明においては、第2工程の電
解電圧を5〜40Vに設定しているので、図2に示すよ
うに曲率半径が比較的小さい凹部が形成される。後続す
る第3工程では、第2工程よりも高い40〜120Vの
電解電圧が採用される。第3工程の電解では、第2工程
でアルミ金属面2に形成された半円球状凹部周辺の山の
部分に大きな電流が流れ、この部分で陽極酸化皮膜の形
成が優先的に行われる。したがって、アルミ金属面2及
び微細孔3の底部は、図4に示すように大きな曲率半径
をもつことなく、図3に示した平滑な状態になる。この
平滑化は、短時間の定電流電解によって一層進行する。
【0022】微細孔3の底部付近には、図3に示すよう
に下に向かって広がった構造をもつ円錐状の拡大孔径部
6が形成される。拡大孔径部6の最底部孔径は、第3工
程で使用する電解液及び到達電解電圧によって定まり、
第5工程の電解着色によって沈着される電解析出物8の
径を決定する。電解析出物8の上面における反射光強度
が大きいほど、換言すれば拡大孔径部6の最底部孔径が
大きいほど、干渉色が鮮やかになる。通常の陽極酸化皮
膜においては、セル4の直径に対する微細孔3の比率は
約0.3〜0.5である。したがって、アルミ金属面2
を上からみた場合、微細孔3の面積占有率は約10〜2
5%と非常に小さい。そのため、微細孔3の底部に電解
析出物8を析出させても、電解析出物8の上面における
反射光は、小さな面積の電解析出物8から反射されたも
のであることから、アルミ金属面2からの反射光強度に
比較して非常に弱い強度となる。したがって、面光によ
る干渉が弱く、濁った色調での発色に過ぎなかった。
【0023】これに対し、本発明においては、強い溶解
作用を呈する高濃度リン酸を主体とする電解液を使用し
ているので、微細孔3の底部孔径のみを拡大することが
できる。その結果、アルミ金属面2に対する微細孔3の
面積占有率を約25%以上で、最終電解電圧に比例した
任意の値に調整することが可能となる。したがって、第
5工程の電解着色によって均一着色性に優れた着色皮膜
が形成されることは勿論、色相及び彩度を微妙に制御す
ることもできる。
【0024】第4工程:電解着色に先立って、短時間の
陽極酸化処理を施し、バリヤー層5の厚さを微調整す
る。第4工程で使用する電解液は、少なくとも金属塩及
びバリヤー型皮膜形成剤を含んでいる。金属塩として
は、Ni,Cu,Sn,Fe,Mn等の塩類が使用され
る。バリヤー型皮膜形成剤としては、ほう酸,ほう酸ア
ンモニウム,酒石酸,酒石酸アンモニウム,リン酸アン
モニウム,クエン酸等のバリヤー層生成能力をもつ化合
物が使用される。電解処理は、電流密度0.05〜0.
5A/dm2 で数秒〜2分間程度の時間をかけて行われ
る。
【0025】第4工程は、後続する第5工程における電
解着色の着色均一性を更に向上させるために行われる。
第3工程で厚く且つ均一化されているバリヤー層は、第
4工程によって薄い部分が選択的に成長する。すなわ
ち、対極からの距離に比例してバリヤー層が厚く成長す
ることを利用し、対極に近い部分の電解析出物量を減ら
し、全体として析出物高さが均一となるように調整す
る。これにより、第3工程で生成したバリヤー層は、一
層均一なものとなる。
【0026】第4工程により、電解着色時の付き回り性
が向上し、微細孔に対する金属又は金属酸化物の析出が
平均化され、均一な着色皮膜が得られる。バリヤー層調
整時の電位分布、ひいてはバリヤー層の厚さ分布が電解
着色時における電解析出物の量に影響を与えることか
ら、第4工程と第5工程とを同一の電解液中で行うこと
が好ましい。なお、第3工程に代え、第4工程でバリヤ
ー層を厚くする方式も提案されているが、一般に金属塩
を含む電解液中でバリヤー層成長の電解処理を行うと
き、おおよそ40V以上で皮膜破壊が発生する。そのた
め、本発明においては、予め第3工程で高濃度リン酸溶
液中で最終電圧40〜120Vに達するまでバリヤー層
を成長させた後で第4工程の電解処理を行うことによ
り、皮膜破壊を起こすことなく所定の厚みをもち且つ平
滑なバリヤー層を生成させている。
【0027】第5工程: 第4工程までで調整された微細孔の底部に金属,金属酸
化物等の電解析出物を沈着させる電解着色を行う。第4
工程を経たアルミニウム材料は、第4工程と同じ電解液
に陰極として浸漬され、定電流直流又は定電流交流によ
って電解処理される。定電流方式であるため、析出効率
を考慮して電流密度及び処理時間を調整することによ
り、析出量を容易に制御することができる。この点、定
電圧方式では、印加直後に大きな電流が流れ、また経時
的に電流が変化するため、電解析出物8の析出量や析出
形態等が変動し易く、一定した色調をもった着色皮膜を
形成する上で好ましくない。第5工程の電解電流として
は、直流及び商用交流の他に、正弦波,方形波,三角
波,ノコギリ波,或いはこれらに類似した波形をもった
電流を使用することができる。電解析出物8を、図5に
示すように微細孔3の底部に形成された拡大孔径部6に
沈着させるためには、負の電気量が正の電気量よりも大
きい波形の電流を使用し、電流密度0.05〜0.5A
/dmで電解することが好ましい。電解着色されたア
ルミニウム材料には、煮沸,水蒸気接触等による封孔処
理,吹付け塗装,電着塗装等が施される。
【0028】電解着色されたアルミニウム材料は、微細
孔3の底部に形成された拡大孔径部6に電解析出物8が
沈着した皮膜構造をもっている。第4工程までの処理に
よってアルミ金属面2及び拡大孔径部6の底部が平滑化
されているため、電解析出物8の上面も平滑になり、且
つアルミ金属面2から電解析出物8の上面までの高さH
が一定になる。高さHに応じて、着色皮膜の色相及び明
度が変化する。着色皮膜に入射された光A1 ,A2 は、
図6に示すように電解析出物8の上面及びアルミ金属面
2で反射され、それぞれ反射光B1 ,B2 として外部に
出射される。入射角をθとし、屈折率を考慮しないなら
ば、反射光B1 とB2 との間に2Hcosθの光路差が
生じる。この光路差に応じて反射光B1 とB2 との間に
干渉が発生する。したがって、色相は、バリヤー層5の
厚みに電解析出物8の析出厚さを加えた厚み、すなわち
高さHにより決定される。また、電解析出物8が厚くな
るに応じ、電解析出物8に吸収される入射光Aの光量が
多くなり、着色皮膜の明度が低下する。
【0029】皮膜構造を模式的に示した図6から明らか
なように、アルミ金属面2及び電解析出物8の上面が平
滑になっているため、入射光A1 ,A2 がアルミ金属面
2及び電解析出物8の上面で乱反射することが抑えら
れ、反射光B1 ,B2 の方向性が安定化する。したがっ
て、反射光B1 ,B2 で合成される干渉光は、波長の異
なる色の混入割合が少ない鮮やかな色調になる。この
点、高い電圧で陽極酸化した場合、図4に示したように
大きな半円球状凹部7がアルミ金属面2に形成されるた
め、アルミ金属面2で乱反射が起こり易く、得られた合
成色は濁った色調をもつ。
【0030】このように、第1工程で生成した多孔質の
陽極酸化皮膜1に対し、第2工程でバリヤー層5の厚み
を均一にし、第3工程及び第4工程でバリヤー層5を厚
くすると共に電解着色に適した厚さに微調整している。
また、第3工程及び第5工程で、電解析出物8の径及び
アルミ金属面2からの高さHを調整している。この第1
工程から第5工程までの処理によって、バリヤー層5の
厚さに電解析出物8の厚さを加えたアルミ金属面2から
電解析出物8の上面までの高さHを、アルミニウム材料
の全表面において一定にすることができる。その結果、
電解析出物8の上面で反射した反射光Bとアルミ金属
面2で反射した反射光Bとの光路差が一定になり、均
一な色相をもった干渉色が得られる。また、微細孔の拡
大処理後に硫酸浴への浸漬処理を付加した後、以降の同
様な電解処理を行うことにより、封孔性能を向上させる
ことができる。すなわち、第3工程と第4工程との間で
硫酸浴浸漬すると、第3工程で微細孔中に残留するリン
酸根が比較的溶解力の弱い硫酸との置換によって除去さ
れる。その結果、皮膜の劣化が防止され、後工程の封孔
処理によって良好な封孔状態が得られる。しかも、高さ
Hの調整で光路差を変更することによって、必要とする
色相が容易に得られる。また、拡大孔径部6の形成によ
って、アルミニウム材料表面に対する微細孔3の面積占
有率が大きくなり、明度及び彩度に優れた着色皮膜が形
成される。
【0031】
【実施例】
実施例1:アルミニウム材料として、板厚2mmのJI
S A 1100板材から切り出された縦100mm及
び横200mmの試験片を使用した。試験片10を、図
7に示すように横L=350mm,縦W=120mm及
び深さD=120mmの内部空間をもつ電解槽11内に
セットした。そして、試験片10に直交する位置関係
で、電解槽11の一側壁に対極12を配置した。そし
て、次の条件下で試験片10を電解着色した。
【0032】第1工程: 試験片10を150g/l硫
酸浴に浸漬し、電流密度を1.5A/dm2 に設定した
直流電圧を印加し45分間陽極酸化処理した。これによ
り、厚さ20μmの陽極酸化皮膜が試験片10の表面に
形成された。 第2工程: 試験片10を陽極として、100g/lの
リン酸浴中で直流電圧30Vを印加する電解処理を1分
間継続した。 第3工程: 第2工程と同じリン酸浴中で試験片10を
陽極とし、電流密度を0.2A/dm2 に維持した直流
定電流で試験片10を電解処理した。電解処理は、電解
電圧が115Vに到達するまで継続した。
【0033】第4工程: 金属塩含有浴に試験片10を
陽極として浸漬し、電流密度を0.4A/dm2 に維持
した直流定電流を使用し60秒間の予備電解処理を行っ
た。金属塩含有浴には、次の組成をもつ水溶液を使用し
た。 浴組成: 硫酸ニッケル NiSO4・6H2 O 50g/l 硫酸マグネシウム MgSO4・7H2 O 50g/l ほう酸 H3 BO3 30g/l 水 残 部
【0034】第5工程: 第4工程と同じ金属含有浴中
で、次に示す方形波交流を使用して試験片10を電解着
色した。 周波数 アノード時間/カソード時間の比 0.1 アノード電流密度 カソード電流密度 0.4A/dm2
【0035】電解着色された試験片10について、対極
12に近い側の測定点A及び反対側の測定点Bをマンセ
ル色票系で測色した。色相,明度及び彩度は、測定点A
及びB共に同一値を示した。測定結果を表1に示す。な
お、表1における色相は、マンセル色相環における値で
表した。Bはブルー,BGはブルーグリーン,GYはグ
リーンイエロー,Yはイエロー,YRはイエローレッド
をそれぞれ示す。また、明度は数値の大きなものほど明
るく、彩度は数値の大きなものほど鮮やかであることを
意味する。
【0036】
【表1】
【0037】対極12側の測定点Aと反対側の測定点B
とで色相,明度及び彩度共にほぼ同じ値の色調が得られ
ていることから、試験片10に形成された着色皮膜は、
均一着色性に優れていることが判る。また、第5工程の
電解時間が長くなるに従って、青→青緑→黄緑→黄→黄
赤に色相が変わっていた。
【0038】実施例2:第3工程の最終電解電圧を50
Vに設定する他は、実施例1と同じ条件下で試験片を電
解着色した。得られた着色皮膜の色調を、マンセル色票
系で測定した。この場合にも、測定点A及びB共に同じ
色調の着色皮膜が形成されていた。着色皮膜の色調は、
第5工程の電解時間に応じて表2に示すように変化し、
明度が7.1から4.9まで低下した。
【0039】
【表2】
【0040】実施例3:第3工程の最終電解電圧を60
〜90Vの間で変化させた他は、実施例1と同じ条件下
で試験片を電解着色した。得られた着色皮膜の色相,明
度及び彩度をマンセル色票系で測定した。測定点A及び
B共に同じ値の色相,明度及び彩度をもち、均一着色性
に優れた着色皮膜であることが判った。測定結果を示す
表3から明らかなように、第3工程の最終電解電圧が高
くなるに従って、彩度が3.2から4.7に増加し、鮮
やかな色調の着色皮膜が形成された。また、第5工程の
電解着色時間の僅かな変更によっても、彩度が変化し
た。なお、表3におけるPBは、パープルブルーを示
す。
【0041】
【表3】
【0042】実施例4:第3工程の最終電解電圧を80
Vに設定し、第5工程の電解着色時に各種波形の定電流
を使用する他は、実施例1とほぼ同じ条件下で試験片を
電解着色した。得られた着色皮膜の色相,明度及び彩度
を、マンセル色票系で測定した。何れの波形の電流を使
用した電解にあっても測定点A及びB共に同一色調が発
現し、非常に均一着色性に優れた着色皮膜が形成されて
いた。このときの測定結果を、表4に示す。
【0043】
【表4】
【0044】実施例5:試験片を次の各工程で処理し、
着色皮膜を形成した。 第1工程:150g/l硫酸浴中に試験片を陽極として
浸漬し、電流密度1.5A/dm2 の直流電圧で陽極酸
化処理を45分間行った。これにより、厚さ20μmの
陽極酸化皮膜が試験片の表面に形成された。 第2工程:試験片を100g/lのリン酸浴中に陽極と
して浸漬し、30Vの直流定電圧を印加し3分間電解し
た。 第3工程:同じリン酸浴中で試験片と陽極とし、電流密
度0.2A/dm2 の直流定電流で電圧が70Vに到達
するまで電解を継続した。 第3工程終了後の試験片を、温度20℃及び濃度50g
/lの硫酸浴中に10分間浸漬した。
【0045】第4工程:金属塩含有浴に試験片を陽極と
して浸漬し、電流密度0.4A/dm2 の直流定電流で
予備電解処理を60秒間継続した。金属塩含有浴として
は、次の組成をもつ水溶液を使用した。 浴組成:硫酸ニッケル NiSO4・6H2 O 50g/l 硫酸第一錫 SnSO4 1g/l ほう酸 H3 BO3 20g/l 水 残 部
【0046】第5工程:第4工程と同じ金属塩含有浴中
で、次の方形波交流によって試験片を電解着色した。 アノード時間/カソード時間の比 0.2 アノード電流密度 0.3A/dm2 カソード電流密度 0.3A/dm2
【0047】第5工程終了後、試験片を温度95℃の純
水に30分間浸漬し、多孔質皮膜の微細孔を封孔処理し
た。そして、封孔性能を、JIS H8683に規定さ
れているリン酸−クロム酸水溶液浸漬試験に準じて評価
した。評価結果を、第3工程後に硫酸浸漬処理を施さな
かった比較例1の封孔性能と対比して表5に示す。表5
から明らかなように、実施例5の試験片では重量減少値
が小さく、良好な封孔状態にあることが判る。これに対
し、比較例1では、重量減少値が大きく、ほとんど封孔
されていない状況にあった。
【0048】
【表5】
【0049】比較例2:実施例1と同じ試験片及び電解
槽を使用し、次の工程からなる電解着色を施した。 15%硫酸を電解液として使用し、電流密度1A/
dm2 の直流で試験片を40分間陽極酸化した。 5%リン酸浴中で試験片に直流定電圧80Vを印加
し、10分間の中間処理を施した。 50g/l硫酸ニッケル及び30g/lほう酸から
なる着色浴に試験片を浸漬し、商用電流35Vで3分間
電解した。 95℃の純水中に30分間浸漬した。 電解着色によって形成された着色皮膜は、測定点Aが灰
色、測定点Bが灰紫色の全く異なった色調をもつもので
あった。また、封孔度も、重量減少230mg/dm2
と非常に大きな値を示した。
【0050】比較例3:実施例1と同じ試験片及び電解
槽を使用し、次の工程からなる電解着色を施した。 15%硫酸を電解液として使用し、電流密度1A/
dm2 の直流で試験片を陽極酸化し、試験片表面に厚さ
15μmの陽極酸化皮膜を形成した。 100g/lのリン酸浴に試験片を浸漬し、10V
の交流電流で3分間電解処理を施した。
【0051】 次の組成をもつニッケル塩電解浴に試
験片を浸漬し、陽極電流密度0.2A/dm2 の直流電
流で30秒間予備電解処理を行った。 浴組成:硫酸ニッケル NiSO4・6H2 O 50g/l 硫酸マグネシウム MgSO4・7H2 O 80g/l ほう酸 H3 BO3 30g/l 酒石酸 10g/l 水 残 部
【0052】 同じニッケル塩電解浴中でパルス電流
を付加した直流電流を使用し、試験片を電解着色した。
電解条件は、次のように設定した。 アノード時間/カソード時間の比 0.1 アノード電流密度 0.1A/dm2 カソード電流密度 0.1A/dm2 95℃の純水中に30分間浸漬した。電解着色によ
って形成された着色皮膜は、測定点Aが草色で、測定点
Bが青紫色の全く異なった色調をもつものであった。ま
た、封孔度も、重量減少210mg/dm2 と非常に大
きな値を示した。
【0053】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明において
は、陽極処理によってアルミニウム材料の表面に形成さ
れた陽極酸化皮膜に存在する微細孔の底部を逆円錐状の
拡大孔径部にすると共に、微細孔底部からアルミ金属面
までの間にあるバリヤー層を均一な厚みで且つ平滑な層
に改質している。そのため、アルミニウム材料表面に占
める微細孔の面積占有率が大きくなり、拡大孔径部に沈
着した電解析出物により明度の高い着色皮膜が形成され
る。また、アルミ金属面が平滑化されているので光路差
が一定となり、彩度の高い安定した干渉色が得られる。
しかも、バリヤー層の厚みを高い自由度で調整すること
ができるため、必要とする色相をもった着色皮膜が容易
に且つ再現性良く形成される。このようにして、本発明
によるとき、優れた均一着色性で黄,緑,青,紫等の多
彩な色にアルミニウム材料表面を着色することができ
る。しかも、皮膜の付き回り性がよく、皮膜破壊が生じ
ることがないため、工程管理も容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に従った第1工程の陽極酸化が施され
たアルミニウム材料の表面
【図2】 本発明に従った第2工程でバリヤー層の厚み
を均一にした状態
【図3】 本発明に従った第3工程で微細孔の底部を拡
大すると共に、アルミ表面を平滑化した状態
【図4】 従来の高電圧直流電解によって大きな半円球
状凹部が形成されたアルミニウム材料の表面
【図5】 本発明に従った第5工程の電解着色が施され
た状態
【図6】 干渉光が発生する説明図
【図7】 実施例で使用した電解槽
【符号の説明】
1 陽極酸化皮膜 2 アルミ金属面 3 微細
孔 4 セル 5 バリヤー層 6 拡大孔径部 7 半円
球状凹部 8 電解析出物 A1 ,A2 入射光 B1 ,B
2 反射光 θ 反射角
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中山 孝太郎 東京都江東区木場2丁目7番23号 新日 軽株式会社内 (72)発明者 若杉 邦男 富山県高岡市本郷2丁目5番8号 新日 軽株式会社北陸製造所内 (56)参考文献 特開 昭56−136996(JP,A) 特開 昭57−131390(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム材料を陽極酸化処理して多
    孔質陽極酸化皮膜を形成する第1工程、 高濃度リン酸水溶液中で前記アルミニウム材料を陽極と
    し、5〜40Vの範囲で選択された一定電圧の直流電解
    又はピーク電圧が5〜40Vの範囲で選択された一定電
    圧の交流電解により多孔質陽極酸化皮膜のバリヤー層の
    厚みを均一にする第2工程、 一旦電源を止めた後で定電流供給装置に切り替え、同一
    溶液中で40〜120Vの範囲で且つ第2工程の設定電
    圧よりも高く設定される目標電圧に 達するまで直流定電
    流で前記アルミニウム材料を陽極酸化することにより前
    記バリアー層を目標厚さに調整すると共に微細孔の底部
    拡大する第3工程、 金属塩含有溶液中で前記アルミニウム材料を陽極とする
    予備電解処理により前記バリヤー層の厚みを微調整する
    第4工程、 前記金属塩含有溶液中で前記アルミニウム材料を陰極と
    して定電流直流電解又は交流電解することにより金属又
    は金属酸化物を微細孔の底部に析出させる第5工程から
    なることを特徴とするアルミニウム材料の電解着色方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のアルミニウム材料を、更
    に封孔処理することを特徴とするアルミニウム材料の電
    解着色方法。
JP4164278A 1992-05-29 1992-05-29 アルミニウム材料の電解着色方法 Expired - Fee Related JP2706681B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4164278A JP2706681B2 (ja) 1992-05-29 1992-05-29 アルミニウム材料の電解着色方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4164278A JP2706681B2 (ja) 1992-05-29 1992-05-29 アルミニウム材料の電解着色方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05331688A JPH05331688A (ja) 1993-12-14
JP2706681B2 true JP2706681B2 (ja) 1998-01-28

Family

ID=15790056

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4164278A Expired - Fee Related JP2706681B2 (ja) 1992-05-29 1992-05-29 アルミニウム材料の電解着色方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2706681B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5065772B2 (ja) * 2007-06-08 2012-11-07 株式会社神戸製鋼所 プラズマ処理装置用部材およびその製造方法
CN108350598B (zh) * 2015-10-30 2021-03-30 苹果公司 具有增强特征的阳极膜

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5852038B2 (ja) * 1980-03-26 1983-11-19 株式会社 日本軽金属総合研究所 着色アルミニウム材の製造法
JPS57131390A (en) * 1981-02-03 1982-08-14 Showa Alum Corp Coloring and streaking method for aluminum material

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05331688A (ja) 1993-12-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5472788A (en) Colored anodized aluminum and electrolytic method for the manufacture of same
EP0003175B1 (en) Aluminium articles having anodic oxide coatings and methods of colouring them by means of optical interference effects
US4251330A (en) Electrolytic coloring of anodized aluminium by means of optical interference effects
US4414077A (en) Method for production of colored aluminum article
IE42375B1 (en) The electrolytic colouring of anodized aluminium by means of optical interference effects
JPH05125589A (ja) 陽極酸化されたアルミニウムを着色するための改良された電解方法
CA1157264A (en) Method for forming decorative colored streak patterns on the surface of an aluminum shaped article
JP2706681B2 (ja) アルミニウム材料の電解着色方法
JP2931177B2 (ja) 透明感に富む着色皮膜及び電解着色法
JP2931176B2 (ja) アルミニウム材料表面に形成された着色皮膜及び電解着色法
JP3101606B2 (ja) アルミニウム材料の電解着色方法
JPH09143795A (ja) アルミニウム材料の電解着色方法
JP2820584B2 (ja) アルミニウム材料の電解着色方法
JPH10158891A (ja) 黒色アルミニウム材及びアルミニウム材の着色方法
JP2688639B2 (ja) アルミニウム材料の電解着色方法
JPS59190389A (ja) アルミニウムまたはアルミニウム合金の着色方法
JPH0359150B2 (ja)
JP2024034989A (ja) バリヤー層の厚みが孔壁の厚みの10~80%を有するアルミニウム又その合金からなる材料とその製造方法。
KR850001214B1 (ko) 빛의 간섭작용을 이용한 착색알루미늄재(colored aluminum article)의 제조방법
JPH10140395A (ja) 原色系乃至はグレー系着色陽極酸化皮膜を有するアルミニウム材料の製造方法
JPH1161491A (ja) アルミニウムの電解着色方法
JPH0237437B2 (ja)
JPS638197B2 (ja)
JP2001059199A (ja) アルミニウム材料の着色方法
JPS58213895A (ja) アルミニウム及びアルミニウム合金の多色電解着色法

Legal Events

Date Code Title Description
S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091017

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101017

Year of fee payment: 13

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees