JP2688639B2 - アルミニウム材料の電解着色方法 - Google Patents

アルミニウム材料の電解着色方法

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JP2688639B2 JP4227949A JP22794992A JP2688639B2 JP 2688639 B2 JP2688639 B2 JP 2688639B2 JP 4227949 A JP4227949 A JP 4227949A JP 22794992 A JP22794992 A JP 22794992A JP 2688639 B2 JP2688639 B2 JP 2688639B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、再陽極酸化処理の条件
を制御することにより、アルミニウム材料の表面に施さ
れる着色皮膜の色相等を広範囲で変えることができる電
解着色方法に関する。
【0002】
【従来の技術】陽極酸化皮膜を形成したアルミニウム,
アルミニウム合金等(以下、これをアルミニウム材料と
いう)に干渉色による着色を施すため、従来から種々の
技術が開発されている。この種の陽極酸化皮膜において
は、陽極酸化皮膜の微細孔底部に析出した金属電解析出
物の上面での反射光は、アルミニウム生地と陽極酸化皮
膜との間の界面での反射光に対して光路差を生じる。光
路差が光の干渉作用をもたらし、干渉色が発現する。陽
極酸化皮膜の屈折率によっても、干渉作用が生じる。
【0003】たとえば、陽極酸化皮膜を形成したアルミ
ニウム材料を燐酸塩等を含む電解浴中で電解処理し、微
細孔底部を拡大した後、金属塩を含む溶液中で交流電解
する方法が特公昭54−13860号公報で紹介されて
いる。再陽極酸化法において、陽極酸化皮膜の屈折率を
変えたり、アルミニウム生地と陽極酸化皮膜との間の界
面から電解析出物の上面までの距離を変えることによっ
て、酸化皮膜の色調,色相等を制御することができる。
工業的には、界面から電解析出物の上面までの距離を制
御することが容易である。界面から電解析出物の上面ま
での距離は、電解析出物の厚みによっても変わる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、電解析出物
は、微細孔底部の拡大部位に限定された状態で析出する
ため、その析出厚みを制御するための選択範囲が狭くな
る。そこで、広範囲で所望に色調をもつ酸化皮膜を得る
ため、アルミニウム生地と陽極酸化皮膜との間の界面か
ら電解析出物の下面までの距離を変える手段が採用され
ている。アルミニウム生地と陽極酸化皮膜との間の界面
から微細孔底部までの層は、特公昭54−13860号
公報の方法で使用される金属塩を含む溶液は、中性付近
であるため、バリヤー層とよばれる緻密な皮膜が界面か
ら微細孔底部までの間に形成される。バリヤー層の厚み
は、電解電圧に依存する。そのため、厚くするために電
解電圧を上げようとすると、バリヤー層に皮膜破壊が生
じる。したがって、制御できる色調,色相等は限られた
ものとなる。本発明は、このような問題を解消すべく案
出されたものであり、再陽極酸化処理の条件制御によっ
て、酸化皮膜の多色化,着色均一性等に優れた酸化皮膜
を形成するを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の電解着色法は、
その目的を達成するため、陽極酸化皮膜を形成する第1
工程,陽極酸化皮膜の微細孔底部を拡大する第2工程,
バリヤー層の厚みを調整する第3工程,電解着色する第
4工程,貴金属塩含有溶液で処理する第5工程及び所定
の電気量で再陽極酸化処理する第6工程からなる。第2
工程では、リン酸を主体とする電解液中で正の直流又は
交流を陽極酸化されたアルミニウム材料に供給すること
により処理される。第3工程では、金属塩及びバリヤー
型皮膜形成剤を含む電解浴において、電流密度0.05
〜0.5A/dm2 で1〜120秒間正の直流をアルミ
ニウム材料に供給する。第4工程では、同じ電解浴中で
負の直流又は交流が供給される。第5工程では、Pd,
Au等の貴金属塩含有溶液中にアルミニウム材料を浸漬
し又は前記アルミニウム材料に負の直流又は交流を供給
して電解する。第6工程では、目標の色調に対応する電
気量を流すように制御された電流密度及び電解時間でア
ルミニウム材料が陽極処理される。
【0006】ここで、電解着色時の電流密度及び比電導
度をそれぞれA4 及びC4 とし、再陽極酸化処理時の電
流密度及び比電導度をそれぞれA6 及びC6 とすると
き、次式で定義される係数αを0.1〜0.5の範囲に
維持して電解着色及び再陽極処理を行うことが好まし
い。次式は、本発明者等の実験から求められたものであ
り、係数αが0.1〜0.5の範囲にあるとき、着色均
一性に優れた皮膜が形成される。 α=(A6 /C6 )÷(A4 /C4 ) 以下、各工程について説明する。
【0007】第1工程(陽極酸化) 脱脂,エッチング等で表面が清浄化されたアルミニウム
材料に、陽極酸化皮膜を常法により形成する。電解液と
しては、硫酸,蓚酸等が通常使用される。陽極酸化は、
アルミニウム材料を陽極とした直流又は交直重畳電解に
より行われる。通常、10〜50Vの電解電圧及び0.
5〜5A/dm2 の電流密度でアルミニウム材料が電解
される。陽極酸化されたアルミニウム材料は、図1
(a)に示すように、アルミニウム生地1の上にバリヤ
ー層2を介し多孔質層3が形成された皮膜構造をもって
いる。多孔質層3には、多数の微細孔4が形成されてい
る。
【0008】第2工程(微細孔底部の拡大) リン酸を主成分とする電解液中で陽極酸化されたアルミ
ニウム材料に正の直流又は交流を供給するとき、図1
(b)に示すように微細孔4の底部に拡径孔部5が形成
される。電解液としては、リン酸濃度が通常30〜30
0g/lの溶液が通常使用される。電解条件は、一般的
には電解電圧がピーク値で5〜50V,電流密度が0.
1〜5A/dm2 である。
【0009】第3工程(バリヤー層の厚み調整) 金属塩及びバリヤー型皮膜形成剤を含む溶液中で電流密
度0.05〜0.5A/dm2 及び電解時間1〜120
秒の条件下でアルミニウム材料に正の直流を供給する。
金属塩には、Ni,Cu,Sn,Fe,Mn等の塩類が
使用される。バリヤー型皮膜形成剤には、ほう酸,ほう
酸アンモニウム,酒石酸,クエン酸,リン酸アンモニウ
ム等のバリヤー型皮膜形成能をもつ化合物が使用され
る。電解条件は、バリヤー層2の厚みが7〜50nm程
度となるように設定される。電解処理後のバリヤー層2
が厚すぎると、後続する第6工程における再陽極酸化処
理が困難になる。逆に、薄すぎるバリヤー層2では、所
定の色調をもった酸化皮膜が形成されない。また、第3
工程で使用する電解浴の比抵抗及び電解電流密度は第4
工程の電解液と相俟つて、第6工程における再陽極酸化
処理時に生成される皮膜厚さのバラツキに大きな影響を
及ぼす。
【0010】第4工程(電解着色) 電解着色は、金属塩含有溶液中でアルミニウム材料に負
の直流又は交流を供給することにより行われる。交流と
しては、商用電流の他に、正弦波,方形波,三角波,ノ
コギリ波又はこれらに類似した波形の交流を使用するこ
とができる。電解着色は、定電圧法によって行うことも
できるが、第6工程における皮膜厚みのバラツキを少な
くする上から定電流法を採用することが好ましい。電解
着色されたアルミニウム表面は、図1(c)に示すよう
に微細孔4の底部にある拡径孔部5に金属の電解析出物
6を析出させている。電解析出物6は、容積が拡大され
た拡径孔部5に析出しているので、各微細孔4間でほぼ
一定した高さとなり、半透過性の着色面を形成する。
【0011】第5工程(貴金属置換処理) 電解着色されたアルミニウム材料を、Pd,Au等の貴
金属塩を含有する溶液に浸漬し、電解析出物6の金属の
一部又は全部を貴金属で置換する。貴金属置換処理は、
貴金属塩含有溶液に浸漬したアルミニウム材料に負の直
流又は交流を供給することにより行うこともできる。貴
金属置換処理で析出した金属析出物は、耐酸性に優れて
おり、後続する第6工程における再陽極酸化処理時に溶
出してしまうことがない。この点、電解着色処理によっ
て形成された電解析出物がNi,Sn等の耐酸性のない
金属析出物のままであると、硫酸等の強酸性溶液が通常
使用される再陽極酸化処理時に溶出し、電解着色による
作用が打ち消される。
【0012】第6工程(再陽極酸化処理) 再陽極酸化処理は、通常の陽極酸化処理条件で行われ
る。再陽極酸化処理によって、図1(d)に示すように
第5工程の貴金属置換処理で生じた貴金属析出層7の下
部に多孔質層8が形成される。再陽極酸化処理用の電流
としては、多孔質層8を成長させるものである限り、正
の直流及び交直重畳電流を始めとして種々の電流を使用
することができる。再陽極酸化処理されたアルミニウム
材料は、そのままでも着色材料として使用することがで
きる。しかし、耐食性,耐汚染性等を改善するため、加
熱水蒸気や熱水等を使用した封孔処理,透明な塗膜を形
成する塗装処理等を施すことが好ましい。
【0013】形成された皮膜構造によって所定の色調を
もつ着色層が形成される理由を、図2を参照しながら説
明する。本発明においては、アルミニウム生地1と酸化
皮膜との間の界面9で反射した光と貴金属析出層7の上
面で反射した光の光路差に起因する干渉作用を発色原理
として利用している。すなわち、界面9から貴金属析出
層7の上面までの高さをHとし、酸化皮膜に光が入射角
θで入射したとき、酸化皮膜の屈折率による影響がない
ものと仮定すると、界面9で反射する光C1 及び貴金属
析出層7の上面で反射する光C2 との間に光路差ΔL
(=2H×cosθ)が生じる。光路差ΔLの大小に応
じ、光C1 及びC2 の干渉作用によって生じる色調が異
なる。換言すれば、界面9から貴金属析出層7の上面ま
での高さHに比例して光路差ΔLが大きくなり、青,
緑,黄,赤,青,緑の順に干渉色が変化する。表1は、
干渉色の色相と高さHとの関係を表したものである。
【表1】
【0014】第1〜6工程のうち、得られる酸化皮膜の
色相を決める上で第6工程が最も重要である。たとえ
ば、貴金属析出層7の下部に成長する皮膜に数十nmの
極く僅かの厚みの違いが生じても、全く異なった色相を
もつ酸化皮膜となる。そこで、本発明においては、得よ
うとする色相に対応した電気量を与えるように、電流密
度及び電解時間を定める。これにより、非常に均一で任
意の色相をもつ酸化皮膜を発現させることが可能とな
る。酸化皮膜の層構造は、再陽極酸化処理により図3に
示すように変化する。電解開始直後は、図3(a)に示
すようにバリヤー層2が厚くなる傾向を示す。次いで、
着色電解析出物の下部が溶け始め、図3(b)に示すよ
うに貴金属析出層7の下部に多数の微細な凹凸10が形
成される。一部の微細な凹凸10は、電解反応の進行に
伴って大きな孔になる。電解反応が定常状態に達する
と、図3(c)に示すように皮膜厚み方向に延びた孔部
11が形成された多孔質層8となる。
【0015】図3の(a)から(c)への変化及び孔部
11の長さは、与えられる電気量に応じて変わる。たと
えば、ある操業条件の下で電解条件を制御したとき、表
2に示すように形成された酸化皮膜の色相に変化がみら
れた。
【表2】
【0016】そこで、指定された色相に対応する電気量
を定め、この電気量がアルミニウム材料に供給されるよ
うに電流密度及び電解時間を設定する。このとき、処理
されるアルミニウム材料の凹凸,酸化皮膜形成位置,構
造等に応じて先ず電流密度を選定し、選定した電流密度
及び指定された色相に対応する電気量から電解時間を決
定する。なお、表2では、電気量(=電流密度×電解時
間)の増加に従って、色相が変化し且つ均一な酸化皮膜
を得るための電流密度を選択している。また、処理され
るアルミニウム材料に所与の電気量が供給されたとき、
該当するアルミニウム材料に対する通電を停止する方式
を採用することもできる。たとえば、図4に示すように
電解槽20に浸漬されたアルミニウム材料21a,21
bのそれぞれを、積算電気量計22a,22bを介して
直流又は交流の電源23に接続する。図示の場合、電解
槽20の一側にカーボン製の対極24が配置されてお
り、対極24と電源23との間に電流計25が設けられ
ている。
【0017】積算電気量計22a,22bで計測された
電気量が指定された色相に対応する値になったとき、積
算電気量計22a,22bからの信号に基づき個々のア
ルミニウム材料21a,21bを含む通電回路を遮断す
る。これにより、それぞれのアルミニウム材料21a,
21bに所定の電気量が供給される。対極24からの距
離が異なっていても、セットの仕方如何で同じ時間でア
ルミニウム材料21a,21bを電解処理する場合もあ
る。形成された酸化皮膜の着色均一性は、たとえば図4
に示す電解槽を使用して評価することができる。すなわ
ち、アルミニウム材料21a,21bは両面(合計4
面)に酸化皮膜が形成されるが、対極24に最も近いア
ルミニウム材料21aの対極側表面と対極24から最も
遠いアルミニウム材料21bの反対側表面とに形成され
る酸化皮膜がほぼ近い色調を呈するとき、操業的に色違
いが生じることなく歩留りが向上する。そこで、対極2
4に最も近いアルミニウム材料21aの対極側表面に形
成された酸化皮膜の色調を、対極24から最も遠いアル
ミニウム材料21bの反対側表面に形成された酸化皮膜
の色調と比較することによって着色均一性を評価する。
【0018】電解槽20に二つのアルミニウム材料21
a,21bを浸漬して第6工程の再陽極処理酸化処理を
行う場合について、電流密度及び電解時間による効果を
説明する。電解時の等価回路にはダイオード等が組み込
まれた複雑な回路が使用されるが、直流で再陽極処理酸
化処理が行われることから、図5に示す抵抗性分のみで
考察する。アルミニウム材料21a,21bが対極24
から所定の距離だけ離れたところに位置するので、アル
ミニウム材料21a,21bと対極24との間に異なっ
た液抵抗R1 ,R2 が生じる。また、アルミニウム材料
21a,21bの表面には、それぞれRa ,Rb の皮膜
抵抗をもった陽極酸化皮膜が形成されている。これらア
ルミニウム材料21a,21bが浸漬されている電解槽
20に全電流値Iの電流を供給すると、それぞれのアル
ミニウム材料21a,21bに流れる電流値Ia 及びI
b は、次式の関係を満足する。 Ia =I×[R2 +Rb ]/[R1 +R2 +Ra +R
b ] Ib =I×[R1 +Ra ]/[R1 +R2 +Ra +R
b ] Ia +Ib =I
【0019】皮膜抵抗Ra ,Rb は、電解反応の進行に
伴って経時的に変化する。すなわち、電解開始直後にバ
リヤー層2が厚くなる図3(a)の段階,着色電解析出
物の下部が溶解し微細な凹凸10が形成される図3
(b)の段階及び貴金属析出層7の下部に孔部11をも
つ多孔質層8が形成される図3(c)の段階に応じ、皮
膜抵抗Ra ,Rb は、図6に示すように変化する。何れ
の皮膜抵抗Ra ,Rb も、電解開始直後に上昇し、ピー
ク値に達した後で低下し、定常値になる。このとき、皮
膜抵抗Ra ,Rb の間に差がある。この抵抗差は、再陽
極酸化処理前に形成されているバリヤー層2の厚みがア
ルミニウム材料21aよりアルミニウム材料21bの方
が薄いことに由来する。しかし、定常状態になった段階
では、皮膜抵抗Ra ,Rb 共に同じ値を示す。
【0020】溶液の液抵抗R1 ,R2 は、対極24から
の距離に応じて変わる。すなわち、対極24に近いアル
ミニウム材料21aが受ける液抵抗R1 は、対極24か
ら遠いアルミニウム材料21bが受ける液抵抗R2 より
も小さな値を示す。これら液抵抗R1 ,R2 は、電解時
間の経過に拘らず実質的に同じ値である。電解反応中、
皮膜抵抗Ra ,Rb 及び液抵抗R1 ,R2 が、それぞれ
アルミニウム材料21a,21bに働く。したがって、
アルミニウム材料21a,21b働く合計抵抗値Ra
1 ,Rb +R2 は、図7に示すように変化する。すな
わち、電解処理の前半ではRa +R1 の方が高いが、後
半になるとRb +R2 の方が高くなる。この抵抗値の変
化は、図8に示すように電流密度の変化となって現れ
る。
【0021】たとえば、アルミニウム材料21a,21
bを対極24からそれぞれ100mm及び300mm離
れた位置に配置し、合計電流密度0.2A/dm2 で電
解したところ、各アルミニウム材料21a,21bにお
ける電流密度は、図8(a)に示すように電解時間の経
過に応じて変化した。図8(a)における領域A及び領
域Bの面積は、電解時間325秒後に等しくなった。そ
の結果、アルミニウム材料21a,21bに同じ電気量
が供給され、共に同様な緑色に発色した酸化皮膜が形成
された。また、合計電流密度を0.3A/dm2 とする
他は同じ条件下で電解したところ、各アルミニウム材料
21a,21bにおける電流密度は、図8(b)に示す
ように変化した。図8(b)における領域A及び領域B
の面積は、電解時間130秒後に等しくなった。その結
果、アルミニウム材料21a,21b共に、同じ電気量
が供給され、同様な黄色に発色した酸化皮膜が形成され
た。
【0022】このように、各アルミニウム材料21a,
21bに供給される電気量が同一になる時点で電解を終
了させるとき、各アルミニウム材料21a,21bに形
成される酸化皮膜を色合せすることができる。このと
き、供給された電気量によって色相が決定されるので、
得ようとする色相に応じて合計電流密度を変化させ、各
アルミニウム材料21a,21bに供給される電気量が
一致する電解時間を選択する。また、各アルミニウム材
料21a,21bの電流密度が互いに反転する時間は、
電流密度により異なる。一般的にいって、電流密度が低
いほど、電流密度の反転に要する時間が長くなる。
【0023】電解析出物の下に成長する多孔質層8の厚
みは、干渉色の色相を決める因子であり、通常供給され
た電気量に比例する。この点、単位面積当り供給された
電気量を制御することができれば、目標とする任意の色
相をもった酸化皮膜が形成される。従来の方法では、対
極24からの距離に応じて電流の流れ易さが変わり、一
つのアルミニウム材料に対しての種々の色相を呈する酸
化皮膜が形成される。本発明においては、図8に示した
電解初期の過渡的な現象を積極的に利用することによ
り、均一な色相をもつ酸化皮膜を形成している。アルミ
ニウム材料21a,21bに流れる電気量を一致させる
とき、再陽極酸化皮膜が同じ厚みになり、同一の色相を
呈する干渉色が得られる。得ようとする色相に対応した
電気量は、処理するアルミニウム材料の種類,形状等が
定まっている条件下では、表2に示すように予め決まっ
た値である。そこで、この電気量から電流密度を決め、
次いで電解時間を決める。
【0024】たとえば、設定した電流密度の下で、それ
ぞれのアルミニウム材料21a,21bにおける界面9
から貴金属析出層7の上面までの高さHの差ΔHは、供
給された電気量との間に図9に示す関係をもっている。
図9においては、アルミニウム材料21aを対極24か
ら100mm離れた位置に設定し、アルミニウム材料2
1bを対極から300mm離れた位置に設定して再陽極
酸化処理を行った結果である。図中、横軸は供給された
電気量及び平均的な色相を示す。縦軸の高さの差ΔH
は、アルミニウム材料21aにおける高さHがアルミニ
ウム材料21bにおける高さHよりも大きいことを+側
として示している。図9から明らかなように、アルミニ
ウム材料21a,21bの色相を合わせること、すなわ
ち図2における高さHをアルミニウム材料21a,21
bで一致させることは、指定された色相に対応する電気
量が得られるようにアルミニウム材料21a,21bの
サイズ,凹凸等を考慮して最適な電流密度及び電解時間
を選択することにより可能となる。
【0025】図4に示すように電解槽20に二つのアル
ミニウム材料21a,21bを浸漬して電解するとき、
電解槽20内の電位分布の影響によって対極24から近
い位置に多くの電流が流れ、遠い位置には少ない電流が
流れるのが通常である。特に光の干渉作用で所定に酸化
皮膜を得ようとするとき、干渉を生じさせる距離に数十
nmの極く僅かの差が生じても、全く異なった色相を呈
する酸化皮膜がアルミニウム材料21a,21bの表面
に形成される。この点で、従来法によって均一な酸化皮
膜を形成することが困難であった。そこで、本発明にお
いては、着色の不均一性を各処理工程単独の改善のみで
は困難であると考え、各工程間の影響を研究した。その
結果、特に第4工程(電解着色)における電解浴の比電
導度及び電解電流密度と第6工程(再陽極酸化処理)に
おける電解浴の比電導度及び電流密度の4因子が着色均
一性に影響を及ぼしていることを解明した。
【0026】着色均一性は、対極24に近いアルミニウ
ム材料21a及び対極24から遠いアルミニウム材料2
1bの二枚について、図2に示した距離Hを電子顕微鏡
で測定すると共に、色相差を調査することにより評価し
た。電解中におけるアルミニウム材料21a,21bの
電位差は、バリヤー層2の厚みの大小を表すものである
が、図10に示すように電解電流密度の増加に比例して
大きくなる。また、電流密度が一定の電解条件では、図
11に示すように電解浴の比電導度が大きくなるに従っ
て高さの差ΔHが小さくなる。第4工程(電解着色)を
終了したアルミニウム材料21a,21bのバリヤー層
2は、電解槽20内における電位分布の影響を受けて厚
みが異なっている。すなわち、対極24に近いアルミニ
ウム材料21aに形成されたバリヤー層2が厚く、対極
24から遠いアルミニウム材料21bに形成されたバリ
ヤー層2が薄くなっている。そのため、これらアルミニ
ウム材料21a,21bを第6工程(再陽極酸化処理)
において同一電位で電解すると、バリヤー層2に起因し
た抵抗が小さいアルミニウム材料21bの方に多量の電
流が流れ、再陽極酸化皮膜の生成速度が大きくなる。
【0027】両者の再陽極酸化皮膜生成速度を同一にす
るためには、それぞれのアルミニウム材料21a,21
bに供給される電流値が同一になるように、アルミニウ
ム材料21bに比較してアルミニウム材料21aに大き
な電圧を印加する。そこで、第6工程(再陽極酸化処
理)におけるアルミニウム材料21a,21bそれぞれ
の位置に流れる電流密度が均一になるように、第4工程
(電解着色)と第6工程(再陽極酸化処理)の2工程に
おける電解浴の比電導度及び電解電流密度を厳格に選択
する。その結果、貴金属析出層7の下に成長する多孔質
層8の厚みも均一になり、発現する色相が非常に均一性
に優れたものとなる。優れた着色均一性を得る最適条件
は、第4工程(電解着色)における電流密度及び比電導
度をそれぞれA4 及びC4 とし、第6工程(再陽極酸化
処理)における電流密度及び比電導度をそれぞれA6
びC6 とするとき、次式で表される係数αを0.1〜
0.5の範囲に維持したときに得られる。 (A6 /C6)=α× (A4 /C4)
【0028】通常の再陽極酸化処理においては、色の経
時変化が速いことから2A/dm2以下の電流密度が使
用される。この条件下で優れた着色均一性を得る最適範
囲を示すと、図12の通りである。図12の横軸が電解
着色時の電流密度(A/dm2)と比電導度(S/cm)
との比A4 /C4 であり、縦軸が再陽極酸化処理時の電
流密度(A/dm2)と比電導度(S/cm)との比A6
/C6 である。アルミニウム材料21a,21bに干渉
色を発生させる図2の高さHの差ΔHが10nm以下を
図12に印○で、差ΔHが10nmを超えるときを印△
で表した。
【0029】
【実施例】
[実施例1]横幅350mm,奥行120mm及び高さ
120mmの矩形状内部空間をもつ電解槽20の一側
に、図4に示すようにカーボン製の対極24を配置し
た。対極24から100mmの位置に、着色処理される
アルミニウム材料21aとして板厚1.2mmで100
mm×100mmのアルミニウム板JIS A1100
を配置した。また、対極24から300mmの位置に、
同じサイズ及び材質のアルミニウム板をアルミニウム材
料21bとして配置した。これらアルミニウム材料21
a,21bに対して、次の工程で着色処理を施した。 第1工程(陽極酸化) 20℃に保持した15%硫酸溶液を電解浴に使用し、電
流密度1.4A/dm2 で48分間陽極酸化した。陽極
酸化処理後のアルミニウム材料21a,21bの表面を
観察したところ、何れも厚み20μmの陽極酸化皮膜が
形成されていた。
【0030】第2工程(微細孔底部の拡大) 20℃に保持した100g/lのリン酸浴中で、商用電
流を使用して実効電圧20Vをアルミニウム材料21
a,21bに印加し、5分間電解した。 第3工程(バリヤー層の厚み調整) 金属塩溶液として、NiSO4・6H2 O:30g/l,
3 BO3 :30g/l及びMgSO4・7H2 O:30
g/lを含む水溶液を使用した。この金属塩溶液に浸漬
したアルミニウム材料21a,21bに、電流密度0.
2A/dm2 で正の直流を30秒間流した。 第4工程(電解着色) 引き続き、同じ金属塩溶液中で、Niを電解析出した。
電解条件は、次のように設定した。 電流波形 :矩形波交流 周波数 :5Hz アノード時間/カソード時間の比:0.10 陰極電流密度 :0.2A/dm2 陽極電流密度 :0.2A/dm2 電解時間 :30秒
【0031】第5工程(貴金属置換) PdSO4 :1g/l及びH2 SO4 :10g/lを含
み20℃に保持した溶液にアルミニウム材料21a,2
1bを2分間浸漬し、ニッケル電解析出物をパラジウム
金属に置換した。 第6工程(再陽極酸化処理) 20℃に保持した150g/l硫酸溶液中で電流密度
0.25A/dm2 の直流を3分28秒間供給する再陽
極酸化処理を行ったところ、アルミニウム材料21a,
21bに形成された酸化皮膜は、何れも非常に均一な赤
紫色の色調を呈した。アルミニウム生地1と多孔質層8
との間の界面9から貴金属析出層7の上面までの高さH
は、アルミニウム材料21aで240nm,アルミニウ
ム材料21bで245nmであった。
【0032】[比較例]バリヤー層2に対する直流通電
時間を200秒に設定した他は実施例1と同様な条件下
で着色処理を施したところ、得られた酸化皮膜は、色相
にバラツキがあり、着色均一性に劣っていた。
【0033】[実施例2]実施例1と同じ電解槽及びア
ルミニウム板を使用し、次の処理を施した。 第1工程(陽極酸化) 20℃に保持した15%硫酸溶液を使用し、電流密度
1.2A/dm2 で28分間陽極酸化した。これによ
り、厚み10μmの陽極酸化皮膜が形成された。 第2工程(微細孔底部の拡大) 20℃に保持した70g/lのリン酸浴を使用し、直流
電圧10Vで10分間電解した。 第3工程(バリヤー層の厚み調整) 金属塩溶液として、NiSO4・6H2 O:20g/l,
SnSO4 :1g/l及び酒石酸:10g/lを含む水
溶液を使用し、電流密度0.1A/dm2 で正の直流を
45秒間流した。
【0034】第4工程(電解着色) 引き続き、同じ金属塩溶液中で、次の電解条件でNiを
電解析出させた。 電流波形 :矩形波交流 周波数 :10Hz アノード時間/カソード時間の比:0.20 陰極電流密度 :0.1A/dm2 陽極電流密度 :0.1A/dm2 電解時間 :60秒 第5工程(貴金属置換) PdSO4 :5g/l及びH2 SO4 :5g/lを含み
20℃に保持した溶液に浸漬したアルミニウム材料21
a,21bに電圧2Vの負の直流を1分間流し、パラジ
ウム金属を析出させた。
【0035】第6工程(再陽極酸化処理) 20℃に保持した150g/l硫酸溶液中で電流密度
0.2A/dm2 の直流を5分25秒間供給する再陽極
酸化処理を行ったところ、アルミニウム材料21a,2
1bに形成された酸化皮膜は、何れも非常に均一な緑色
の色調を呈した。アルミニウム生地1と多孔質層8との
間の界面9から貴金属析出層7の上面までの高さHは、
アルミニウム材料21aで300nm,アルミニウム材
料21bで305nmであった。
【0036】[実施例3]同様に、次の処理を行った。 第1工程(陽極酸化) 20℃に保持した15%硫酸溶液を使用し、電流密度
1.2A/dm2 で28分間陽極酸化した。これによ
り、厚み10μmの陽極酸化皮膜が形成された。 第2工程(微細孔底部の拡大) 20℃に保持した70g/lのリン酸浴を使用し、直流
電圧15Vで10分間電解した。 第3工程(バリヤー層の厚み調整) 実施例2と同じ金属塩溶液を使用し、電流密度0.2A
/dm2 で正の直流を15秒間流した。
【0037】第4工程(電解着色) 引き続き、同じ金属塩溶液中で、次の電解条件でNiを
電解析出させた。 電流波形 :矩形波交流 周波数 :10Hz アノード時間/カソード時間の比:0.20 陰極電流密度 :0.1A/dm2 陽極電流密度 :0.1A/dm2 電解時間 :60秒
【0038】第5工程(貴金属置換) AuCl4・4H2 O:2g/l及びH2 SO4 :5g/
lを含み20℃に保持した溶液にアルミニウム材料21
a,21bを7分間浸漬し、ニッケル電解析出物を金に
置換した。 第6工程(再陽極酸化処理) 20℃に保持した150g/l硫酸溶液中で電流密度
0.3A/dm2 の直流を2分10秒間供給する再陽極
酸化処理を行ったところ、アルミニウム材料21a,2
1bに形成された酸化皮膜は、何れも非常に均一な黄色
の色調を呈した。アルミニウム生地1と多孔質層8との
間の界面9から貴金属析出層7の上面までの高さHは、
アルミニウム材料21aで150nm,アルミニウム材
料21bで160nmであった。
【0039】[実施例4] 第1工程(陽極酸化) 20℃に保持した15%硫酸溶液を使用し、電流密度
1.4A/dmで48分間陽極酸化した。これによ
り、厚み20μmの陽極酸化皮膜が形成された。第2工
程(微細孔底部の拡大)20℃に保持した100g/l
のリン酸浴を使用し、交流実効電圧10Vで5分間電解
した。 第3工程(バリヤー層の厚み調整) 表3に示す金属塩溶液を使用し、電流密度0.2A/d
で正の直流を40秒間流した。
【表3】
【0040】第4工程(電解着色) 引き続き、同じ金属塩溶液中で、表4に示す電解条件で
金属を電解析出させた。なお、電解電流としては、アノ
ード時間/カソード時間の比0.10及びパルス頻度3
00回/分のく形波交流を使用した。
【表4】
【0041】第5工程(貴金属置換) PdSO4・:1g/l及びH2 SO4 :10g/lを含
み20℃に保持した溶液にアルミニウム材料21a,2
1bを2分間浸漬し、ニッケル電解析出物をパラジウム
金属に置換した。 第6工程(再陽極酸化処理) 20℃に保持した150g/l硫酸溶液(比電導度0.
89S/cm)中で、表4に示す電解条件で正の直流に
より再陽極酸化処理を施した。試験番号1〜6の全てに
おいて、アルミニウム材料21a,21bは同一の色調
に仕上がっていた。試験番号1〜6について第4工程
(電解着色)及び第6工程(再陽極酸化処理)における
(電流密度)/(比電導度)の比の関係を図12に示
す。印○で示した試験番号1〜6は、何れも係数αが
0.1〜0.5の領域にあり、着色均一性に優れてい
た。
【0042】[比較例]電解槽及びアルミニウム材料を
使用し、電解着色及び再陽極酸化処理の他は実施例4と
同一の条件下で着色処理を行った。 第4工程(電解着色) 金属塩溶液として、表3に示す組成をもつA浴及びB浴
を使用した。電解電流としては、実施例4と同じ矩形波
交流を使用した。
【表5】
【0043】第6工程(再陽極酸化処理) 20℃に保持した150g/l硫酸溶液(比電導度0.
89S/cm)中で、表5に示す電解条件で正の直流に
より再陽極酸化処理を施した。試験番号7〜9のアルミ
ニウム材料は、全く異なった色調に仕上がっていた。試
験番号7〜9について第4工程(電解着色)及び第6工
程(再陽極酸化処理)における(電流密度)/(比電導
度)の比の関係を図12に示す。印△で示した試験番号
7〜9は、何れも係数αが0.1〜0.5の領域外にあ
り、着色均一性に劣っていた。
【0044】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明において
は、陽極酸化,微細孔底部の拡大,バリヤー層の厚み調
整,電解着色,貴金属置換及び再陽極酸化処理を順次施
して着色皮膜を形成するとき、再陽極酸化処理時にアル
ミニウム材料に供給される電気量を目標とする色相に応
じて選定し、選定された電気量に基づいて電流密度及び
電解時間を定めている。これによって、必要とする色調
をもち着色均一性に優れた着色皮膜が安定して得られ
る。また、着色電解時の電解条件との関連で再陽極酸化
処理時の電解条件を定めるとき、着色皮膜の色調が一層
安定化する。このように、本発明によるとき、任意の色
調をもつ着色皮膜が優れた着色均一性で得られ、各種化
粧板等に好適な着色板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に従って着色皮膜が形成される過程
【図2】 干渉色が発現する説明図
【図3】 再陽極酸化処理で多孔質層が形成される過程
【図4】 本発明実施例で使用した電解槽
【図5】 二つのアルミニウム材料を直流電解している
ときの抵抗成分
【図6】 皮膜抵抗の経時的変化
【図7】 皮膜抵抗及び液抵抗の合計抵抗の経時的変化
【図8】 各アルミニウム材料に対する電流密度の経時
的変化
【図9】 再陽極酸化時の電気量と高さの差ΔHとの関
【図10】 電流密度と二つのアルミニウム材料間の電
位差との関係
【図11】 電解浴の比電導度と二つのアルミニウム材
料間の電位差との関係
【図12】 第4工程(電解着色)の (電流密度A4)/
(電解浴の比電導度C4)比と第6工程(再陽極酸化処
理)の (電流密度A6)/ (電解浴の比電導度C6)比が着
色皮膜の着色均一性に与える影響を示したグラフ
【符号の説明】
1 アルミニウム生地 2 バリヤー層 3 多孔
質層 4 微細孔 5 拡径孔部 6 電解
析出物 7 貴金属析出層 8 多孔質層 9 アルミニウム生地とバリヤー層との間の界面 10 微細な凹凸 11 孔部 20 電
解槽 21a,21b アルミニウム材料 22a,
22b 積算電流計 23 電源 24 対極 25 電
流計 H 界面から貴金属析出層の上面までの高さ C1,C2 入射光 θ 入射角 Ra,Rb
皮膜抵抗 R1,R2 液抵抗
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塚本 由美子 静岡県庵原郡蒲原町蒲原1丁目34番1号 株式会社日軽技研内 (72)発明者 若杉 邦男 富山県高岡市本郷2丁目5番8号 新日 軽株式会社北陸製造所内 (72)発明者 草開 一夫 富山県高岡市本郷2丁目5番8号 新日 軽株式会社北陸製造所内 (72)発明者 木下 俊久 富山県高岡市本郷2丁目5番8号 新日 軽株式会社北陸製造所内 (72)発明者 川端 清 東京都江東区木場2丁目7番23号 新日 軽株式会社内 (72)発明者 中山 孝太郎 東京都江東区木場2丁目7番23号 新日 軽株式会社内 (72)発明者 小林 秀行 東京都江東区木場2丁目7番23号 新日 軽株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−116789(JP,A) 特表 平6−506985(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム材料に陽極酸化処理を施す
    工程、リン酸を主体とする電解液中で正の直流又は交流
    を前記アルミニウム材料に供給することにより陽極酸化
    皮膜の微細孔底部を拡大する工程、金属塩及びバリヤー
    型皮膜形成剤を含む電解浴において電流密度0.05〜
    0.5A/dmで1〜120秒間前記アルミニウム材
    料に正の直流を供給してバリヤー層の厚みを調整する工
    、引き続いて同じ電解浴において負の直流又は交流を
    前記アルミニウム材料に供給して電解着色を施す工程
    次いで貴金属塩含有溶液中に前記アルミニウム材料を浸
    清し又は前記アルミニウム材料に負の直流又は交流を供
    給して電解する工程、更に目標の色調に対応する電気量
    を流すように制御された電流密度及び電解時間で前記ア
    ルミニウム材料を再陽極酸化する工程を含み、電解着色
    工程での電流密度A 及び比電導度C と再陽極酸化処
    理工程での電流密度A 及び比電導度C を因子とする
    式(A /C )=α×(A /C )で定義される係
    数αを0.1〜0.5の範囲に維持することを特徴とす
    るアルミニウム材料の電解着色方法。
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