JPH09249992A - アルミニウム陽極酸化材の電解着色法 - Google Patents

アルミニウム陽極酸化材の電解着色法

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JPH09249992A JP8484196A JP8484196A JPH09249992A JP H09249992 A JPH09249992 A JP H09249992A JP 8484196 A JP8484196 A JP 8484196A JP 8484196 A JP8484196 A JP 8484196A JP H09249992 A JPH09249992 A JP H09249992A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電解着色処理における、対極寿命を延長し、
均一かつ安定な電解着色を行う。 【構成】 多孔質陽極酸化皮膜を形成したアルミニウム
材にバリヤー層形成成分を含む金属塩電解着色浴中でバ
リヤー層補強のための直流による再陽極酸化処理をした
後、電解着色する方法において、被処理材を陰極とし、
SUS304系ステンレス製対極を用いて、対極での電
解電流密度が150A/m2 以上となるように、電解着
色浴中で被処理材に正の電流が流れる時間ta /負の電
流が流れる時間tc 比が0.005〜0.30になるよ
うに2〜25Hzの矩形波交番電流によって電解着色を
行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミニウム陽極酸化
材の電解着色法に関する。
【0002】
【従来の技術】着色した陽極酸化皮膜を有するアルミニ
ウム材は、耐食性に優れかつ美麗であるため、サッシ、
カーテンウオールや内装パネル類などの各種の建材或い
は車両、日用雑貨等に用いられ、広く普及している。こ
のようなアルミニウム陽極酸化材の着色法として、電解
着色法があり、耐候性に優れ、日光や風雨にさらされて
も容易に褪色しないこと及びその優れた色調、色調の制
御性、生産性により他の方法と比べて工業生産上大きな
比率を占めるに至っている。本発明者らは、年々ユーザ
ー側の求める高品質レベル化や被処理材の複雑形状化に
対応すべくアルミニウム陽極酸化材の電解着色法におけ
る付廻り性と生産性を向上する方法として、先に特公昭
58−52037号公報に開示されるとおり、金属塩を
含む電解浴中において、アルミニウム陽極酸化材を陽極
とする予備電解処理によりバリヤー層補強処理後、該ア
ルミニウム材を同浴中で陰極として図1に示すような矩
形波交番電流により電解着色する着色法を提案した。こ
の着色法によると、バリヤー層補強処理を電解着色処理
槽内で行うので、電解槽内の電流分布に応じてバリヤー
層が成長、補強され、電解着色処理時には各被処理材に
均一な電流分布下での電解処理がなされ、アルミニウム
材の電解着色における付廻りの不均一性が解消されて、
陽極酸化皮膜の着色速度が著しく向上し、電解着色処理
の際にアルミニウム材に生じていたスポーリング現象な
どを解消することができ、工業的規模で成功を見てい
る。
【0003】しかしながら、この方法によるとき、被処
理材であるアルミニウム陽極酸化材の電解着色の際の付
廻り性等の前記問題は解消したものの、対極表面上では
taの短い期間のマイナスの電流による電解とそれより
長い期間tc のプラスの電流とからなる矩形波交番電流
による電解が進行するため、対極における電流は圧倒的
にプラスすなわち陽極電流が大きく、このため対極材料
は少なからず溶解、酸化することになる。このような溶
解現象に対処するため、カーボン材の代替として白金、
金などの貴金属材料を薄くクラッドしたチタン、タンタ
ル電極が提案されてきているが、これらの電極は本来直
流電解用に開発された電極であって、矩形波等を用いる
交流電解においては必ずしも期待する長寿命を達成でき
ないうえ、極めて高価であるため、量産性を要求される
アルミニウム材の電解着色には一般的に不適であった。
また、特殊な酸化物を表面にコートした電極も実用化さ
れているが、交流電解においては同様にコストパフォー
マンスに問題があった。このような事情に伴い、最近で
は、ステンレス鋼製の対極が試みられるようになってい
る。ステンレス鋼製対極として、特開昭62−2759
4号公報には、錫塩浴でのアルミニウム材の電解着色処
理用の対極としてステンレス製対極を用いることによっ
て、対極寿命を長くできることが開示され、具体的にS
US304及びSUS316系のステンレス鋼が挙げら
れているが、ここで用いられている電解着色浴は硫酸酸
性浴であって、電解着色に先立ってバリヤー層補強処理
を行うものではなく、前記のような処理条件において問
題を解消するものとは言えなかった。
【0004】すなわち、前記のアルミニウム陽極酸化材
の着色電解においては、ニッケル、コバルトなどの金属
塩を含む弱酸性ないし中性の水溶液を電解浴に用いる
が、このような弱酸性ないし中性の水溶液では、連続的
な操業条件の下で、ニッケル、コバルトの酸化物、水酸
化物などが対極表面に沈澱析出する傾向がある。この沈
澱はスケール状に対極表面を覆うため、アルミニウムの
着色均一性に悪影響をもたらし、ステンレス電極を使用
する場合の解決すべき問題点となっていた。対極表面の
スケールで覆われた部分では、バリヤー層補強処理のた
めの直流による再陽極酸化処理に際し、スケールとステ
ンレス対極との界面でカソード反応で発生した水素ガス
の滞留によって電解浴と電極の接触が不十分となって、
対極での電解電圧上昇を招くことが分かった。一方スケ
ールで覆われていない対極表面ではこのような電圧上昇
は起きない。
【0005】従って、スケールで覆われたステンレス対
極に対向するアルミニウム材表面上ではスケールのみか
これら界面における抵抗のため十分なアノード電流が流
れず、以後の電解着色の際の矩形波交番電流電解におけ
る電流の均一分布を保証するに十分なバリヤー皮膜が形
成されない。従って、電解着色において、アルミニウム
材の当該部分では濃色に着色したりする不均一性を生
じ、程度がひどい場合には陽極酸化皮膜の剥離、いわゆ
るスポーリングが発生する。この、スケールの付着によ
る電圧上昇は、同時に対極の部分的溶解を生じてその寿
命を短縮する原因ともなっていた。本発明者は、前記の
アルミニウム陽極酸化材の電解着色法における対極に関
し、鋭意研究を重ねた結果、ステンレス鋼製の対極が特
殊な条件下で十分な寿命を保ちしかも均一着色性を損な
うことなく使用できることを見い出し、本発明に至った
ものである。
【0006】
【発明の目的】本発明は、アルミニウム陽極酸化材を直
流電流による再陽極酸化処理によりバリヤー層補強処理
した後、矩形波交番電流による電解着色法において、対
極の寿命を向上することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、その目的を達
成するため、多孔質陽極酸化皮膜を形成したアルミニウ
ム材にバリヤー層形成成分を含む金属塩電解着色浴中で
バリヤー層補強のための直流による再陽極酸化処理をし
た後、電解着色する方法において、被処理材を陰極と
し、SUS304系ステンレス対極を用いて、対極での
電解電流密度が150A/m2 以上となるように、金属
塩を含む電解浴中で被処理材に正の電流が流れる時間t
a /負の電流が流れる時間tc 比が0.005〜0.3
0になるように2〜25Hzの周波数の矩形波交番電流
によってアルミニウムの電解着色を行うものである。更
に、これを電解着色浴が硼酸を含む硫酸ニッケルまたは
硫酸コバルトを主成分とする浴にて行うものである。
【0008】
【作用】多孔質の陽極電解酸化皮膜を形成したアルミニ
ウム材料をバリヤー層形成成分を含む金属塩電解着色浴
中でバリヤー層補強のための直流による再陽極酸化処理
を行って後、金属塩を含む電解浴中で矩形波交番電流に
より電解着色する方法において、対極にSUS304系
ステンレス鋼を用い、対極電流密度を150A/m2
上とすることにより、対極に対するスケールの沈澱付着
は効果的に防止され、アルミニウム材に対するバリヤー
層補強のための直流による再陽極酸化処理の際のアノー
ド電流を均一にしてバリヤー層の生成を均一に行うこと
ができると共に、電解着色の電流密度を均一にし、対極
の寿命を延長して、連続的かつ安定的な操業が可能とな
る。尚、SUS304系ステンレス鋼が、なぜこのよう
なスケールの沈澱付着を防止し、矩形波交番電流による
電解着色に良好に作用するのかについては、複雑な要因
や界面での様々な現象が関わるため、現在のところ具体
的な作用機構や原理は明らかではない。本発明は、特に
バリヤー層形成剤を加え、金属塩として硫酸ニッケルま
たは硫酸コバルトを主成分とする電解着色浴に使用する
とき、被処理材の着色状態と対極寿命とが実用的にバラ
ンスあるものとなる。
【0009】
【実施の形態】本発明が適用される電解着色処理におい
ては、被処理材となるアルミニウム材の種類や形状に格
別の制限はなく、アルミニウム及びアルミニウム合金製
の板・管・押出型材等、各種の用途向けの素材、成形品
が対象となる。電解着色処理前に行う陽極酸化皮膜処理
についても、通常の陽極酸化処理で良い。処理浴には硫
酸、蓚酸、スルホン酸浴等が用いられるが、好適には硫
酸浴で良い。硫酸浴法の場合、浴組成は150〜250
g/l、浴温18〜23℃で、膜厚7〜20μmの多孔
性陽極酸化皮膜が形成される。この後、電解着色処理に
おける陽極酸化皮膜の破壊を防止し、スポーリング現象
の発生を防止すると共に電解着色処理での付廻り性を良
好にするため、バリヤー層補強処理を行うが、処理浴は
通常硼酸を含有する浴で陽極酸化処理することにより行
われる。電解着色浴に全浴成分を加えて、同一の浴によ
りバリヤー層補強処理と電解着色処理とを行うのが好適
であり、具体的には、電解条件は、被処理材表面での直
流電流密度5〜50A/m2 で20〜60秒間処理を行
う。
【0010】電解着色処理は、Ni、Coの硫酸塩など
の可溶性金属塩を含有する電解浴中で被処理材を陰極と
して、矩形波交番電流を印加して行う。現在建材などで
汎用されているブロンズ色を得るための電解着色浴にバ
リヤー皮膜形成剤を加えてバリヤー層補強処理と電解着
色処理とを同一の浴で行う場合を例に挙げると、NiS
4 6H2 O、CoSO4 7H2 Oの単独又は組み合わ
せで、50〜200g/lを含有する浴に、バリヤー皮
膜形成剤として硼酸を20〜40g/lを加えた電解浴
とする。これに更に、アルミニウム化合物の析出による
皮膜欠陥の誘発を防止するためアルミニウムイオン隠蔽
剤として酒石酸・クエン酸を4〜12g/lを加えて、
Alイオン500PPM以下に維持するようにし、N
i、Coの安定電解析出剤としてMgSO4 0.5〜1
50g/lを加える。電解着色浴中の1価の陽イオン
(Na,K,NH4 )はスポーリング発生を誘発させる
ため20PPM以下に維持するのが望ましい。
【0011】電解着色のための被処理材に印加される矩
形波交番電流は、基本的には前記特公昭58−5203
7号公報に開示した矩形波交番電流であって、その電流
波形を図1及び図2に示す。図1において、ta はアル
ミニウム材表面での正電流の通電時間、tc はアルミニ
ウム材表面での負電流の通電時間である。電流比=ta/
tc =0.005〜0.30で電解着色処理を行うが、
好ましくは0.01〜0.25である。電流比ta/tc
が0.005未満では着色が不均一になり、0.30を
越えると着色処理の速度が著しく低下して不適であっ
た。印加電流のパルス周波数は2〜25Hzで行われる
が、好ましくは5〜20Hzである。2Hz未満では被
処理材の表面にざらつきが表れ、25Hzを越えると着
色速度が低下して、同様に不適であった。矩形波交番電
流は、図1のような単純な波形が均一に繰り返されるも
ので良いが、所望によって上記条件を充足する関係下に
あって図2に示すような5〜20秒間の適宜の間隔T1
をおいて5〜20秒間パルスを繰り返すT2 の期間を設
ける方式でも良い。この場合も前記電流比ta/tc には
変わりはない。被処理材表面の電流密度5〜50A/m
2 で対極に各種形状のステンレス鋼(棒、パイプ、板等
の単体)を用いて通電するが、通電時間は目的とする着
色状態に応じて調整し、例えばNi浴の場合は、淡いブ
ロンズ色で70秒間、並びに黒色で500秒間の範囲で
調整する。なお、連続操業ラインにおいては、対極表面
の電流密度は所定操業時間での被処理材の全面積などか
ら算出される所要通電量の平均値に対応して使用する対
極本数を変更して調節する。又、対極本数は同一として
処理ロットごとに投入されるアルミニウム材の量を多め
に調整することによっても対極の電流密度を調節するこ
とができる。電解着色処理後、加熱蒸気処理または熱水
浸漬処理により封孔処理を行うか、或いはクリヤー電着
塗装等の後処理を行う。
【0012】実施例 以下の条件により、電解着色処理を行った。 電解着色処理に用いたアルミニウム陽極酸化材 アルカリ浴で脱脂処理したサッシ用アルミニウム形材
(JIS A6063材)を180g/lの硫酸浴(浴
温18℃)で、アルミニウム製陰極を用いて陽極電流密
度180A/m2 で陽極酸化処理して15μmの陽極酸
化皮膜を形成したものを用いた。 電解着色処理浴組成 硫酸ニッケル(NiSO4 6H2 O) 150g/l 硼酸(H3 BO3 ) 30g/l 硫酸マグネシウム(MgSO4 7H2 O) 1g/l 酒石酸 5g/l
【0013】中間処理(バリヤー層補強) 上記アルミニウム形材を100m3 の電解槽中で上記電
解着色浴(浴温25℃)に浸漬して約30秒経過後に、
該アルミニウム形材を陽極、SUS304ステンレス製
の直径10mmの丸棒を隣接する対極間隔の平均距離2
30mmで配置した陰極(対極)として、アルミニウム
形材表面の電流密度(陽極電流密度)20A/m2 で約
30秒間直流定電流電解を行った。
【0014】電解着色処理 引き続き、両極への接続電源を変えて、上記電解着色処
理浴(浴温25℃)中で、上記アルミニウム形材を同一
電流密度(20A/m2 )で周波数が10Hz、アルミ
ニウム形材に正電流の流れる時間ta と負電流の流れる
時間tc の比を1:9(正電流:10mSec,負電
流:90mSec)となる矩形波交番電流を印加して、
ステンレス対極での平均電流密度が150A/m2 を切
ることがないようにして投入されるアルミニウム形材料
(=アルミニウムの合計表面積量)を調整して電解着色
処理を連続的に行った。水洗後、沸騰水に浸漬して封孔
処理を行い、着色状態を観察した。
【0015】電解着色処理結果 電解時間50秒で淡いブロンズ色の薄い色調となり、電
解時間600秒で黒色の濃い色調であったので所望の色
調のロット毎にこの間で電解時間を調整したがいずれ
も、均一な色調の仕上がりであった。得べき色調はその
都度変化するが通常の電界時間のバラツキの中で6〜1
2か月間着色均一性に問題が発生することなく操業する
ことが可能となった。
【0016】比較例1 これに対し、隣接する対極の間隔を115mmにした以
外、すなわち対極電流密度以外は上記実施例1と操業同
一条件で、電解着色をおこなった。この場合の対極での
平均電流密度は75A/m2 になった。ほぼ1日の連続
操業の後、アルミニウム形材の着色均一性に異変を生じ
た。すなわち、着色電解槽の端部に位置するアルミニウ
ム形材(例えば、電解槽の両サイドとその底部付近)に
は濃色に着色する傾向が生じた。更に操業を継続する
と、該濃色部に陽極酸化皮膜の剥離(スポーリング)が
発生するようになった。対極を引き上げて観察したとこ
ろ、濃色着色部に対向する位置の周辺にあるステンレス
対極表面には黒色のスケール状物質の付着を認めた。
【0017】比較例2 対極の材質を実施例SUS304ステンレスからSUS
431ステンレスに変更し、対極間隔を230mmとし
て操業した。対極の平均電流密度は、150A/m2
あった。ほぼ半日の連続操業の後、アルミニウム形材の
着色均一性に上記と同様な異変が生じた。すなわち着色
電解槽の端部に位置するアルミニウム形材(例えば、電
解槽の両サイドと底部付近)は濃色に着色する傾向を示
した。更に操業を継続すると、該濃色部に陽極酸化皮膜
の剥離(スポーリング)が発生するようになった。対極
を引き上げて観察したところ、濃色着色部に対向する位
置周辺にあるステンレス対極表面にはスケール状物質の
付着が認められた。
【0018】比較例3 対極の材質をSUS431ステンレスに変更し、対極間
隔を300mmとして同様な操業を実施した。対極での
平均電流密度は196A/m2 であった。ほぼ1日の連
続操業の後、アルミニウム形材の着色均一性に上記比較
例1と同様な異変が生じた。すなわち着色電解槽の端部
に位置するアルミニウム形材(例えば、電解槽の両サイ
ドと底部付近)は濃色に着色する傾向を示し、更に操業
を継続すると、該濃色部に陽極酸化皮膜の剥離(スポー
リング)がするようになった。対極を引き上げて観察し
たところ、濃色着色部に対向す置周辺にあるステンレス
対極表面にはスケール状物質の付着が認められた。
【0019】比較例4 対極の材質をSUS304ステンレスからSUS416
ステンレスに変更し、対極間隔を350mmとして同様
な操業を実施した。対極での平均電流密度は230A/
2 であった。電解着色処理の当初から、アルミニウム
形材の着色均一性に問題を生じた、すなわち、着色電解
槽の端部に位置するアルミニウム形材が淡色に着色する
傾向が認められた。この傾向は、表面積の大きいアルミ
ニウム形材を処理する場合特に顕著になった。したがっ
てSUS416ステンレスについては適当な電極配列を
見いだすことはできなかった。
【0020】比較例5 更に、SUS316系ステンレス鋼を対極材質とし且つ
硫酸ニッケルに変えて硫酸コバルトを用いた浴の場合に
ついても同様の条件において、SUS431ステンレス
鋼の場合と同じく長時間に渡る連続操業に耐える条件は
見いだせず、ほぼ半日でスケール状付着物が発生し電解
を停止せざるを得なかった。
【0021】
【発明の効果】以上のとおり、本発明においては電解着
色条件を対極にSUS304系ステンレス鋼を用い、対
極における電流密度を150A/m2 以上とすることに
より、対極の寿命を飛躍的に長くし、ブロンズ色から黒
色までの電解着色均一性を維持してかつ安定して操業可
能とした。
【図面の簡単な説明】
【図1】電解着色にて被処理材に印加される矩形波交番
電流波形
【図2】電解着色にて被処理材に印加される別の例での
矩形波交番電流波形

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔質陽極酸化皮膜を形成したアルミニ
    ウム材にバリヤー層形成成分を含む金属塩電解着色浴中
    で、バリヤー層補強のための直流による再陽極酸化処理
    をした後、電解着色する方法において、被処理材を陰極
    とし、SUS304系ステンレスを対極として対極にお
    ける電流密度が150A/m2 以上となるように、金属
    塩を含む電解浴中で被処理材に正の電流が流れる時間t
    a /負の電流が流れる時間tc 比が0.005〜0.3
    0になるような2〜25Hzの周波数の矩形波交番電流
    によって電解着色を行うことを特徴とするアルミニウム
    材の電解着色法。
  2. 【請求項2】 バリヤー層形成成分を含む金属塩電解着
    色浴が、硼酸を含む硫酸ニッケルまたは硫酸コバルトを
    主成分とする浴であることを特徴とする請求項1記載の
    アルミニウム材の電解着色法。
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