JPH0332637B2 - - Google Patents

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JPH0332637B2
JPH0332637B2 JP61119022A JP11902286A JPH0332637B2 JP H0332637 B2 JPH0332637 B2 JP H0332637B2 JP 61119022 A JP61119022 A JP 61119022A JP 11902286 A JP11902286 A JP 11902286A JP H0332637 B2 JPH0332637 B2 JP H0332637B2
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Japan
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aluminum
current
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energization process
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JP61119022A
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JPS62278296A (ja
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Katsuyuki Osada
Yutaka Oota
Takanobu Noguchi
Shozo Yamamoto
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YKK Corp
Original Assignee
Yoshida Kogyo KK
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、アルミニウムまたはアルミニウム合
金(以下アルミニウムという)の電解着色法に関
し、さらに詳しくは、アルミニウムに陽極酸化処
理を施して生成した未封入の皮膜を、金属塩を溶
解した電解液中で交流またはそれと同等の効果を
有する波形で電解して酸化皮膜中に電解液中の金
属塩の金属または金属酸化物を析出させてアルミ
ニウムを着色させる電解着色法において、一つの
電解液により広範囲の色調に着色可能であり、か
つ着色の均一化を図ると共に、淡色、例えば淡い
ブロンズ色(ステン色)に着色した場合の着色皮
膜の電着塗装の際の色抜け等による色調変化を抑
制し、むらのない均一な着色が可能な改良された
方法に関するものである。
従来の技術 従来、アルミニウムを陽極酸化処理して酸化皮
膜を生成させ、それをニツケル塩などのような金
属塩を含有する電解液中で交流電解することによ
り、金属または金属酸化物の陽極酸化皮膜孔内へ
の析出により着色する方法は電解着色法として既
に知られ(特公昭38−1715号公報)、広く使用さ
れている。
しかしながら、このような電解着色法におい
て、或る一つの組成の電解液を用いて、例えば淡
いブロンズ色(ステン色)からブラツクまで広範
囲の色調にわたつて着色を行なおうとした場合、
いきおい電解液中の金属塩を増量するなどして着
色性を向上させる必要がある。ところが、着色性
を向上させると、淡色に着色する場合、必然的に
着色時間を短かくすることになり、このため色合
せが難かしく、色調の安定性及び付廻り性が悪く
なるという問題がある。一方、着色性を抑える
と、付廻り性は向上するが、濃色に着色する場
合、着色時間が長くなり、電解処理サイクル時間
が長くなるばかりでなく、皮膜破壊が生じるとい
う問題が派生する。
従つて、種々の色調の着色皮膜を得るために
は、所望の色調に対応した組成を有する電解液を
それぞれ準備しておき、その都度各電解液を使い
分けることを余儀なくされていた。
発明が解決しようとする問題点 上記のように、所望の色調に応じて電解液をそ
の都度使い分けて電解着色を行なう方法によれ
ば、多様化する色調ニーズに対応する場合に著し
く不利であり、電解液の取換え作業が煩わしく、
また所望の色彩及び電解液組成に対応した電解条
件の設定及び操作も煩雑となり、さらに種々の電
解液を予め調製しておくために電解液の管理が難
しいなど、種々の不都合があつた。一方、一つの
電解液により広範囲の色調に着色しようとする場
合、例えばブロンズ色の電解液を用いて淡いブロ
ンズ色(ステン色)等の淡色に着色しようとする
場合、着色時間が短いため、色調の安定性及び付
廻り性が悪く、またその後の電着塗装において色
抜けや色調変化が生じ易いという欠点がある。ま
た、各色調毎の着色時間が一定せず、さらに着色
の濃淡を着色時間により合わせる必要があるた
め、その色合せの仕方が極めて難かしく、また複
雑な形状の形材を処理する場合には窪み部と突出
部において着色むらが生じるなどの種々の不都合
がある。異種形材の同時枠付を好ましくは1電解
浴で行ない処理することは、上記のように極めて
困難な状況にあり、これを改善することが最近の
課題となつている。
従つて、本発明の目的は、上記のような問題点
を解決し、一つの基準電解液により広範囲の色調
に着色可能であり、融通性のある状態で着色でき
るように生産ラインの汎用性を高めた電解着色法
を提供することにある。
本発明の一つの直接的な目的は、一つの基準電
解液により広範囲の色調に均一に着色でき、しか
も色調の安定性及び付廻り性に優れた電解着色法
を提供することにある。
本発明の他の直接的な目的は、上記目的と関連
して、各色調毎の着色時間が比較的に一定であ
り、色合わせをする者の個人差による着色むらが
殆んどなく、比較的に簡単な操作で種々の所望の
色調に着色可能な電解着色法を提供することにあ
る。
問題点を解決するための手段 本発明は、電解着色時の電流密度を規制するこ
とによつて上記目的を達成するものである。
すなわち、本発明の第1発明に係るアルミニウ
ムの電解着色法は、 アルミニウムの表面に形成した陽極酸化皮膜
を、無機金属塩を含有する水溶液中にて交流また
はこれと同等の効果を有する電流波形にて電解着
色するに際して、 前記アルミニウムを、上記電流波形における正
及び負の電流密度の絶対値の合計であるトータル
電流密度0.05〜0.35[A/dm2]でほぼ定電流密
度または若干減衰する電流密度にて第1ステツプ
通電処理し、 次いで同浴中にて、ピーク電流密度が上記第1
ステツプ通電処理のピーク電流密度よりも高くな
るように、かつトータル電流密度で0.30〜1.50
[A/dm2]とるなるように第2ステツプ通電処
理し、 次いで少なくとも1回電流密度を強制的に降下
させる第3ステツプ通電処理し、 その後上記第3ステツプ通電処理における強制
降下後の電流密度を超えない範囲で、少なくとも
1回以上、強制的に電流密度を高くすることを特
徴とするものである。
本発明の第2発明に係るアルミニウムの電解着
色法は、さらに付廻り性、処理サイクル毎の着色
のバラツキを改善するために、 アルミニウムの表面に形成した陽極酸化皮膜
を、無機金属塩を含有する水溶液中にて交流また
はこれと同等の効果を有する電流波形にて電解着
色するに際して、 上記電解着色に先だつて、まず、陽極酸化処理
したアルミニウムを陽極とし、対極を陰極とし
て、両極間に直流またはそれに類似する電流を印
加して陽極電解し、次いで、 前記アルミニウムを、上記電流波形における正
及び負の電流密度の絶対値の合計であるトータル
電流密度0.05〜0.35[A/dm2]でほぼ定電流密
度または若干減衰する電流密度にて第1ステツプ
通電処理し、 次いで同浴中にて、ピーク電流密度が上記第1
ステツプ通電処理のピーク電流密度よりも高くな
るように、かつトータル電流密度で0.30〜1.50
[A/dm2]となるように第2ステツプ通電処理
し、 その後少なくとも1回電流密度を強制的に降下
させる第3ステツプ通電処理することを特徴とす
るものである。
発明の作用及び態様 本発明者らは、一つの電解液により広範囲の色
調に着色可能な電解着色法を探求すべく鋭意研究
の結果、各色調毎に着色時の時間と電流密度の関
係(電流密度パターン)を定め、各色調に応じた
電流密度パターンに従つて制御することによつて
前記したような問題を解決できることを見い出し
た。
この電流密度パターンは、大別すると、淡色の
色調安定化に主眼を置く電流密度パターンと、濃
色ブロンズ、ブラツク等濃色着色の着色時間の短
縮に主眼を置く電流密度パターンの2通りがあ
る。
淡色の着色(淡色化)の場合、着色を抑制する
反面付廻り性を向上できる電流密度パターンとす
るものである。これに対して、濃色の着色(濃色
化)の場合、付廻り性及び着色進行度の向上を図
り、着色時間を短縮できる電流密度パターンする
ものである。
本発明は、前者の淡色着色の場合の電流密度パ
ターンよる電解着色法に関するものである。以
下、本発明について詳細に説明する。
淡色に着色する場合、従来一般に着色時間が短
いため、前記したように色合せが難かしく、色調
の安定及び付廻り性が悪い。また、その後の電着
塗装では陽極電解が行なわれるため、アルマイト
孔底に吸着された金属化合物の孔表層部への流出
等による色抜けや色調変化が生じ易い。
本発明者らの研究によると、陽極酸化処理後の
電解着色を、前記した一定の電流密度パターンに
従つて行ない、あるいは陽極電解後に前記した一
定の電流密度パターンに従つて交流電解を行なう
ことにより、淡色の色調安定化、付廻り性の改
善、異種形材同時枠付における均一着色、電着塗
装での色抜けによる色調変化の抑制効果が得られ
ることが見い出された。
本発明の第1発明に係る電解着色法は、ほぼ定
電流密度または若干減衰する電流密度による第1
ステツプ通電処理、該第1ステツプ通電処理より
も高い電流密度を印加する第2ステツプ通電処
理、電流密度を降下させる第3ステツプ通電処
理、及びその後電流密度を若干上昇させる第4ス
テツプ通電処理からなる。
第1ステツプ通電処理においては、通電時間内
電流が減衰しないかまたは若干減衰する程度の電
圧(電流密度)を印加し、膜質調整して付廻り
性、色調の安定(第2ステツプ通電処理前の初期
電流密度の一定化による)を図るものである。電
流密度はトータル電流密度0.05〜0.35〔A/dm2
とし、通電時間は30秒以上好ましくは60秒以上と
することにより、陽極酸化皮膜の十分な改質が行
なわれる。
第2ステツプ通電処理は、着色度及び付廻り性
を向上させるために行なうもので、トータル電流
密度0.30〜1.50〔A/dm2〕の範囲内にピーク電
流密度がくるように、しかも上記第1ステツプ通
電処理のピーク電流密度よりも高くなるように、
電流密度を高くする。このピーク電流密度になる
前にこれよりも小さな微小ピークが生じるように
変動させてもよく、すなわち電流密度を漸進的に
増加させてもよい。この第2ステツプ通電処理の
通電時間は20秒以上、好ましくは30秒以上がよ
い。
第3ステツプ通電処理においては、電流密度が
強制的に降下させられ、これにより付廻り性向
上、色調調整、色抜け防止の効果があり、安定し
た仕上りの着色皮膜が得られる。この電流密度の
強制的降下は少なくとも1回行ない、強制的に降
下させる時点の電流密度の10〜95%となるように
降下させる。電流密度の降下度が10%以下である
と、所望の着色を得るに要する時間が長くなり、
実用的ではなくなる。また、95%以上では強制的
に降下させた効果、すなわち付廻り性の向上が得
られないので好ましくない。第2ステツプ通電処
理以降、すなわち強制的電流密度降下以降の通電
時間は、30秒以上、好ましくは60秒以上がよい。
第4ステツプ通電処理においては、前記第3ス
テツプ通電処理における強制降下後の電流密度を
超えない範囲で、少なくとも1回以上、強制的に
高くされる。これにより、付廻り性がさらに向上
することになるが、前記した各通電処理の作用効
果を減殺しないように、該第4ステツプ通電処理
において上昇させる電流密度は、前記第3ステツ
プ通電処理における強制降下後の電流密度を超え
ない範囲に制限される。
また、該第4ステツプ通電処理におけるのと同
様の作用効果を期待して、前記した第1ステツプ
通電処理及び/又は第2ステツプ通電処理におい
て、該通電処理の各々におけるピーク電流密度よ
りも低い範囲で、それぞれ少なくとも1回、変動
する前の電流密度より高くすることもできる。
本発明の第2発明に係る電解着色法は、皮膜質
調整のための予備通電処理、及び前記した第1ス
テツプ通電処理、第2ステツプ通電処理、第3ス
テツプ通電処理からなる。
すなわち、第1ステツプ通電処理前に、該第1
ステツプ通電処理における膜質調整効果をより高
めること、及び陽極酸化処理後からの経時変化に
よる着色性のバラツキ変化を少なくすることを目
的として、陽極酸化処理したアルミニウムを陽極
とし、対極を陰極として、直流またはそれと同様
の効果のある波形で3分以内、好ましくは5〜60
秒、0.05〜0.5〔A/dm2〕の電流密度で陽極電解
する。この予備通電により、その後の各ステツプ
通電処理の所期の効果が向上し、電解着色での電
流分布の均一化が図られ、着色付廻り性がより一
層向上する。
なお、本発明の第2発明においても、第3ステ
ツプ通電処理後に前記した第4ステツプ通電処理
を行なうことができ、また好ましい。
上記電流密度パターンの制御は、電圧変動法に
より行なつてもよいが、処理m2数毎に電圧調整に
より設定したい電流密度にすることとなるため、
その操作が繁雑であり、また精度の面においても
著しく悪く、十分な効果が出せない欠点がある。
このため、本発明においては電解着色は交流また
はそれと同等の効果を有する波形を用いて行なう
が、その電流密度パターンの制御は正、負のトー
タル電流密度または負電流密度のいずれかで行な
う。
上記いずれの電流密度パターンの制御も基本的
には同様であるが、ここでトータル電流密度パタ
ーンを例にとつて、その制御方法の一例を、制御
装置の概略構成を示す第1図を参照して説明す
る。
(i) 設定しようとする標準電流密度パターン(記
憶パターン)を記憶回路6に入力する。例え
ば、実際に製品に電流流し、整流回路7から記
憶回路6に入力する。
(ii) 次に、制御すべき製品3に電流を流すと同時
に記憶回路6から演算指令回路5に記憶パター
ンを同時出力し、制御すべき製品面積に換算し
た電流量に演算し、制御すべき製品3に流れる
電流量と比較する。
(iii) 通電時間t秒後における制御すべき製品に流
れた電流量をict、t秒後における記憶パター
ンから演算された電流量をiptとすると、前記(ii)
における比較でipt>ictであれば交流電源4の電
圧を上げるように、ipt<ictであれば交流電源4
の電圧を下げるように演算指令回路5から指令
が出され、ipt=ictとなるように通電終了まで演
算指令が繰り返される。
このようにして、制御すべき製品の電流密度と
記憶パターンの電流密度の経時変化が同じ様に制
御される。
負電流密度パターンによる制御方法の場合も同
様で行ない、制御すべき標準の負電流密度パター
ンを記憶させておき、次に処理される製品の処理
毎にその処理面積に見合つた電流が標準とする負
電流密度パターン通りに流れる様に、電源装置を
自動調整する。負電流密度制御の場合、第1図に
おける整流回路に代えて、負電流整流回路及び正
負電流分離回路を設けて負電流のみ整流し、上記
(i)〜(iii)の操作を行なうことになる。
以上の操作により、通電処理における電流密度
の経時変化をパターン化でき、それにより、処理
される製品の処理m2数が異なつても、設定された
電流密度パターン通りに電解着色を施すことがで
きる。なお、この操作を手動操作により、設定さ
れた電流密度パターン通りに電流が流れるように
電圧をコントロールしてもよい。
本発明の電解着色法においても、アルミニウム
の陽極酸化皮膜の膜質による変化は従来通りあ
り、陽極酸化処理工程でのバリヤ層調整操作、断
続電解、電流回復電解、電解終了後の液中浸漬後
の電解制御による色調、付廻り性、着色度の変化
を十分把握し、それを利用することもできる。
本発明において、着色の電解液中に使用される
金属塩としては種々のものがあるが、一例をあげ
ると、ニツケル、コバルト、クロム、銅、マグネ
シウム、鉄、カドミニウム、チタン、マンガン、
モリブデン、カルシウム、バナジウム、錫、鉛、
亜鉛などのような金属の硝酸塩、硫酸塩、リン酸
塩、塩酸塩、クロム酸塩などの無機酸塩、シユウ
酸塩、酢酸塩、酒石酸塩などの有機酸塩などがあ
り、これらのうちから選択使用される。好ましく
は、これらの金属塩の2種以上、より好ましくは
3種以上を組み合わせて使用すると着色進行度や
付廻り性が著しく改善され、また、2種以上の金
属塩に強還元性化合物を着色度向上、付廻り性向
上を目的として加えてもよい。このような強還元
性化合物としては、例えば亜ニチオン酸ナトリウ
ム、亜ニチオン酸亜鉛、亜ニチオン酸アンモニウ
ムなどの亜ニチオン酸塩、チオ硫酸アンモニウ
ム、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム、チ
オ硫酸鉄などのチオ硫酸塩、チオグリコール酸、
チオグリコール酸アンモニウム、チオグリコール
酸ナトリウムなどのチオグリコール酸塩などがあ
る。上記金属塩及び強還元性化合物の電解液中の
濃度は、選択する基本色に応じて適宜設定するこ
とができる。
本発明方法により着色されるアルミニウムまた
はアルミニウム合金とは、純アルミニウムまたは
純アルミニウムにケイ素、マグネシウム、銅、ニ
ツケル、亜鉛、クロム、鉛、ビスマス、鉄、チタ
ン、マンガンなどの金属を1種または2種以含上
含む合金である。これらは、その表面を常法によ
り脱脂洗浄したのち、これを陽極とし、一方、対
極として設けた陰極との間に、硫酸、シユウ酸、
スルフアミン酸などのような通常の酸性電解液中
で通電して陽極酸化皮膜処理を施したものであ
る。
以上述べたような方法で電解着色された皮膜
は、必要により、沸騰水、薬品封孔または加圧水
蒸気など公知の手段により封孔処理が施される。
また、この封孔処理を施したのち、あるいは封孔
処理を施すことなく、必要によりさらに樹脂塗料
によるスプレー塗装、浸漬塗装または電着塗装な
どを行なつて表面保護を行なつてもよい。
実施例 次に、実施例をあげて本発明方法をさらに詳細
に説明する。
実施例 1 常法により脱脂、エツチング、スマツト除去さ
れたアルミニウム押出材A−6063Sを7.5W/V%
硫酸水溶液中に浸漬して陽極とし、対極として設
けられたアルミニウム陰極との間に15Vの直流電
流を電流密度1.2A/dm2で35分間通電して、そ
の表面に約12ミクロンの陽極酸化皮膜を形成させ
た。これを水洗した。ついで、長さ300mm、幅100
mm、高さ150mmの容器を着色電解用装置として用
い、対極を1箇所とし、この中に長さ150mm、幅
70mm、厚さ1.3mmの前記被処理材を極間距離250mm
にして、下記の組成を有する液温26℃の電解液中
に浸漬して、第2図に示すトータル電流密度パタ
ーンに従つて交流電解を行なつた。すなわち、5
秒間で0.25A/dm2の電流密度まで上げ若干減衰
しながら60秒間電解後、1秒間で再び0.25A/d
m2まで上げ115秒迄電解した後、5秒間で0.6A/
dm2のピーク電流密度に上げ、33秒間電解解する
と0.45A/dm2となる。これを2秒間で0.5A/d
m2のピーク電流密度に上げて、その時の電圧を28
秒保持すると電流密度が0.35A/dm2まで減衰し
た。それを2秒間で0.25A/dm2(強制的に降下
させる時点の電流密度の71%)に降下させ、28秒
間経過すると0.2A/dm2に減衰した。それをさ
らに0.22A/dm2に上昇させ、90秒間電解し
0.18A/dm2とする電流密度パターンで交流電解
を行なつたところ、アルミニウム押出形材の対極
面及び非対極面共にむらのない均一な淡ブロンズ
色の着色皮膜が得られ、付廻り性を維持しつつ着
色度を向上させることができた。
電解液: 硫酸ニツケル(6水和物) 25g/ 硫酸マグネシウム(7水和物) 10g/ 硫酸コバルト(〃) 2g/ チオ硫酸アンモニウム 1g/ 硫酸アンモニウム 30g/ ホウ酸 10g/ PH 5.6 上記着色皮膜を水洗した後、純水湯水で70℃、
4分間湯洗した。これを、自己分散型熱硬化性ア
クリル樹脂電着塗料10%液に浸漬し、ステンレス
板を対極として、160Vで3分間電着塗装し、水
洗後180℃で40分焼付乾燥し、8μmの塗膜を形成
させた。その色調は、電着塗装前の色調とほとん
ど変わらなかつた。また、ウエザーメータにより
3000時間の促進耐侯性試験を行なつたところ、ま
つたく異常は認められず、またキヤス試験におい
て72時間で異常なく、外装材としての性能を十分
に有することを確認した。
実施例 2 着色電解を第3図に示すトータル電流密度パタ
ーンに従つて交流電解を行なつた。すなわち、5
秒間で電流密度が若干減衰する0.25A/dm2まで
上げ、115秒間電解後、10秒間で0.7A/dm2のピ
ーク電流密度に上げ、その時の電圧を180秒迄保
持すると、電流密度は0.35A/dm2まで減衰し
た。それ2秒間で0.25A/dm2(変動前の71%)
に降下させ、28秒間経過すると0.2A/dm2に減
衰した。それをさらに1秒間で0.22A/dm2に上
げ、29秒間経過後さらに1秒間で0.22A/dm2
上げ、59秒間電解すると0.18A/dm2となる電流
密度パターンで交流電解する以外は実施例1と同
様に電解着色したところ、実施例1と同様の仕上
りとなつた。
実施例 3 実施例1の方法において、付廻り性を悪くする
ため陽極酸化処理後着色電解迄の水洗時間を2時
間とした後、第4図に示すパターン、すなわち交
流電解を行なう前に、アルミニウム押出形材A−
6063Sを陽極とし、カーボンを陰極とし、2秒間
で0.2A/dm2に上げて10秒間陽極電解を行ない、
その後、5秒間で電流密度がほとんど減衰しない
0.2A/dm2に上げて115秒間電解した後、10秒間
で0.55A/dm2のピーク電流密度に上げ、55秒間
で電流密度0.4A/dm2に減衰させた。それを
0.18A/dm2(強制的に降下させる時点の電流密
度の45%)に降下させ、120秒後に0.15A/dm2
に減衰させる交流電解を行なつた以外は、実施例
1と同様の処理をしたところ、若干赤味のある淡
ブロンズ色となつたが付廻り性は実施例1と同様
の結果が得られた。
実施例 4 実施例1の方法において、付廻り性を悪くする
ため陽極酸化処理後着色電解迄の水洗時間を2時
間とした後、第5図に示すパターン、すなわち交
流電解を行なう前に、アルミニウム押出形材A−
6063Sを陽極とし、カーボンを陰極として2秒間
で0.2A/m2に上げ10秒間陽極電解を行なう工程
を挿入する以外は、実施例1と同様の処理をした
ところ、実施例1より若干赤味のある淡ブロンズ
となつたが、付廻り性は実施例1と同様であつ
た。
実施例 5 実施例2の方法において、下記の組成を有する
電解液を用いる以外は同様の方法で行なつたとこ
ろ、実施例2と同様の効果が得られた。
電解液: 硫酸ニツケル(6水和物) 25g/ 硫酸マグネシウム(7水和物) 20g/ 硫酸コバルト(7水和物) 10g/ 硫酸アンモニウム 30g/ ホウ酸 20g/ PH 5.0 比較例 実施例2のトータル電流密度パターン電解の代
りに、一定電圧12Vで60秒の交流電解を行ない、
着色度を実施例2と同等に合わせたところ、色調
が赤味がかかり、対極面が非対極面よりやや淡く
着色された。すなわち、付廻り性が実施例2の場
合よりも劣つていた。これを、実施例1と同様に
電着塗装し、水洗後180℃で40分焼付乾燥したと
ころ、一層赤味が強い淡ブロンズ色となつた。
発明の効果 以上のように、本発明の電解着色法によれば、
交流電解を、定電流密度または若干減少する電流
密度での通電処理後、それより高い電流密度範囲
にピーク電流密度が入るように電流密度を上げ、
その後強制的に電流密度を降下させた後、再度、
強制降下後の電流密度を超えない範囲で電流密度
を高くして行ない、あるいは交流電解に先だつて
予備通電処理として陽極酸化皮膜の膜質調整を目
的として陽極電解を行なうため、淡色の色調安定
化、付廻り性の改善、異種形材同時枠付における
均一着色、電着塗装での色抜け等による色調変化
の抑制、あるいはさらに陽極酸化処理後の経時変
化による着色バラツキの改善など、特有の効果が
得られる。
また、本発明の方法によれば、電流密度パター
ンを変えることにより、基本色から淡色まで広範
囲の色調に、一つの電解液によつて着色すること
が可能であり、融通性のある状態で着色できるの
で、生産ラインの汎用性は一層高くなる。例え
ば、基本色としてブロンズ色の電解液を用いて電
解着色する場合、電流密度パターンを変えること
によつて、このブロンズ色から中間ステン色、淡
ステン色などの淡色まで広範囲の色調に電解着色
でき、また基本色として濃いブロンズ色の電解液
を用いれば、この濃いブロンズ色からブロンズ色
あるいは比較的淡いブロンズ色までの広範囲の色
調に電解着色可能である。しかも、各色調毎の着
色時間が比較的に一定であり、また、予め設定し
たトータル電流密度パターンまたは負電流密度パ
ターンに従つて電流密度パターンが制御されるた
め、その操作が比較的に簡単であり、また精度も
よく、色合せをする者の個人差による着色むらが
殆んどなく、所望の色調に均一に着色できる利点
がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の電解着色法におけるトータル
電流密度パターンの制御装置の概略構成図、第2
図は実施例1におけるトータル電流密度の経時変
化を示すグラフ、第3図乃至第5図はそれぞれ実
施例2乃至4におけるトータル電流密度の経時変
化を示すグラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 アルミニウムまたはアルミニウム合金の表面
    に形成した陽極酸化皮膜を、無機金属塩を含有す
    る水溶液中にて交流またはこれと同等の効果を有
    する電流波形にて電解着色するに際して、 前記アルミニウムまたはアルミニウム合金を、
    上記電流波形における正及び負の電流密度の絶対
    値の合計であるトータル電流密度0.05〜0.35
    [A/dm2]でほぼ定電流密度または若干減衰す
    る電流密度にて第1ステツプ通電処理し、 次いで同浴中にて、ピーク電流密度が上記第1
    ステツプ通電処理のピーク電流密度よりも高くな
    るように、かつトータル電流密度で0.30〜1.50
    [A/dm2]となるように第2ステツプ通電処理
    し、 次いで少なくとも1回電流密度を強制的に降下
    させる第3ステツプ通電処理し、 その後上記第3ステツプ通電処理における強制
    降下後の電流密度を超えない範囲で、少なくとも
    1回以上、強制的に電流密度を高くすることを特
    徴とするアルミニウムまたはアルミニウム合金の
    電解着色法。 2 前記第1ステツプ通電処理及び/又は第2ス
    テツプ通電処理において、該通電処理の各々にお
    けるピーク電流密度よりも低い範囲で、それぞれ
    少なくとも1回、強制的に電流密度を高くするこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の電
    解着色法。 3 前記第3ステツプ通電処理における電流密度
    の強制的降下を、強制的に降下させる時点の電流
    密度の10〜95%となるように降下させることを特
    徴とする特許請求の範囲第1項または第2項に記
    載の電解着色法。 4 アルミニウムまたはアルミニウム合金の表面
    に形成した陽極酸化膜を、無機金属塩を含有する
    水溶液中にて交流またはこれと同等の効果を有す
    る電流波形にて電解着色するに際して、 上記電解着色に先だつて、まず、陽極酸化処理
    したアルミニウムまたはアルミニウム合金を陽極
    とし、対極を陰極として、両極間に直流またはそ
    れに類似する電流を印加して陽極電解し、次い
    で、 前記アルミニウムまたはアルミニウム合金を、
    上記電流波形における正及び負の電流密度の絶対
    値の合計であるトータル電流密度0.05〜0.35
    [A/dm2]でほぼ定電流密度または若干減衰す
    る流密度にて第1ステツプ通電処理し、 次いで同浴中にて、ピーク電流密度が上記第1
    ステツプ通電処理のピーク電流密度よりも高くな
    るように、かつトータル電流密度で0.30〜1.50
    [A/dm2]となるように第2ステツプ通電処理
    し、 その後少なくとも1回電流密度を強制的に降下
    させる第3ステツプ通電処理することを特徴とす
    るアルミニウムまたはアルミニウム合金の電解着
    色法。 5 前記第3ステツプ通電処理後に、該処理にお
    ける強制降下後の電流密度を超えない範囲で、少
    くとも1回以上、強制的に電密度を高くすること
    を特徴とする特許請求の範囲第4項に記載の電解
    着色法。 6 前記第1ステツプ通電処理及び/又は第2ス
    テツプ通電処理において、該通電処理の各々にお
    けるピーク電流密度よりも低い範囲で、それぞれ
    少なくとも1回、強制的に電流密度を高くするこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第4項または第5
    項に記載の電解着色法。 7 前記第3ステツプ通電処理における電流密度
    の強制的降下を、強制的に降下させる時点の電流
    密度の10〜95%となるように降下させることを特
    徴とする特許請求の範囲第4項乃至第6項のいず
    れかに記載の電解着色法。 8 前記陽極電解を0.05〜0.5A/dm2、3分以内
    の条件で行なうことを特徴とする特許請求の範囲
    第4項乃至第7項のいずれかに記載の電解着色
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS59145798A (ja) * 1983-02-09 1984-08-21 Tajima Sakae アルミニウム又はその合金の陽極酸化皮膜の電解着色方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS59145798A (ja) * 1983-02-09 1984-08-21 Tajima Sakae アルミニウム又はその合金の陽極酸化皮膜の電解着色方法

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