JPH1161377A - 酸性環境下での緑錆の早期生成能に優れるCu−Ni合金被覆ステンレス鋼板およびその原板ならびに製造方法 - Google Patents

酸性環境下での緑錆の早期生成能に優れるCu−Ni合金被覆ステンレス鋼板およびその原板ならびに製造方法

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JPH1161377A
JPH1161377A JP23782997A JP23782997A JPH1161377A JP H1161377 A JPH1161377 A JP H1161377A JP 23782997 A JP23782997 A JP 23782997A JP 23782997 A JP23782997 A JP 23782997A JP H1161377 A JPH1161377 A JP H1161377A
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steel sheet
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plating
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JP23782997A
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English (en)
Inventor
Takeshi Shimizu
剛 清水
Masaji Hiraoka
正司 平岡
Masao Nagao
雅央 長尾
Masayoshi Tadano
政義 多々納
Yukio Uchida
幸夫 内田
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Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Original Assignee
Nisshin Steel Co Ltd
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  • Solid-Phase Diffusion Into Metallic Material Surfaces (AREA)
  • Electroplating Methods And Accessories (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸性化した大気環境下で緑錆が早期に生成す
る安価な外装材を提供する。 【解決手段】 Ni含有率10〜50mass%,付着量5〜90g/m
2のCu-Ni合金層が、素地金属の下に潜り込んだアンカー
部を形成して素地のステンレス鋼にタイトに密着してお
り、必要に応じて表面にはフラッシュCuめっき層を有し
ているCu-Ni合金被覆ステンレス鋼板。原板には、フェ
ライト系鋼種ではFe3+濃度1〜50g/Lの塩化第二鉄水溶液
中でアノード電流密度1.0〜10.0kA/m2,カソード電流密
度0.1〜3.0kA/m2とした0.5〜5Hzの交番電解を、オース
テナイト系鋼種ではFe3+濃度30〜120g/Lの同水溶液中で
アノード電流密度1.0〜10.0kA/m2,カソード電流密度0.
3〜3.0kA/m2とした同交番電解をそれぞれ10〜120秒間施
して形成した特異な表面凹凸形態を有する粗面化ステン
レス鋼板を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸性化した大気環
境下において、緑錆(みどりさび)の早期生成能に優れ
るCu−Ni合金被覆ステンレス鋼板およびその原板、
ならびにその被覆鋼板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】銅板は、ある腐食環境下に曝された場合
に銅特有の青緑色の腐食生成物を生じる。この腐食生成
物は一般に緑青(ろくしょう)と呼ばれることが多い
が、その外観上の色合いは曝される環境等によって微妙
に変化する。ここでは、銅を主体とした材料表面に生じ
る青緑色あるいは緑色の腐食生成物を「緑錆(みどりさ
び)」と呼ぶことにする。銅板の表面が緑錆で均一に覆
われると、美麗で重厚な外観を呈するようになる。この
ため、例えば神社や仏閣の屋根等、特有の用途における
外装材料として、銅板は古くから使用されている。
【0003】ところが近年、銅を使った建築物外装材は
大気環境下で黒褐色化し、緑錆に覆われなくなるといっ
た事例が多くなっている。これは、大気環境の酸性化に
よって緑錆が生成しにくくなり、替わりに黒褐色の亜酸
化銅や硫化銅の皮膜が生成してしまうからであると考え
られる。
【0004】このようななか、銅板上に緑錆を積極的に
生成させる種々の方法が検討されている。例えば、特開
平2−205688号公報や特開平8−13128号公
報には、銅板表面に異種金属層やCu合金層を形成させ
て、Cuと異種金属の局部電池を利用する緑錆の発生促
進技術が開示されている。とくに特開平8−13128
号公報では、Cu−Ni合金層を形成させることで酸性
環境下でも銅板表面上に緑錆を比較的早期に生成させる
ことができるとしている。しかし、酸性化した自然環境
下で銅板表面の大部分が均一な緑錆に覆われるまでに
は、やはり数年以上の年月を要する。加えて、この材料
は高価な銅板をベースにしているため鋼材に比べコスト
増を招く。
【0005】また、銅板の表面に人工的に緑錆を付着さ
せた、いわゆる人工緑青銅板も開発されている。例え
ば、特開昭49−1639号には緑錆を顔料として分散
させた塗料を塗布した銅板が開示され、特開昭53−1
22641号公報や特開昭53−122638号公報に
は電解あるいは化成処理によって緑錆の生成を図った銅
板が開示されている。しかし、近年にみられる酸性環境
下では、例えば塗装法の場合には塗膜が劣化して剥離し
た部分で下地のCuが黒褐色化する恐れがあり、また電
解や化成処理によって生成させた人工緑青は亜酸化銅や
硫化銅に変化して全体が黒褐色化する恐れもある。
【0006】一方、銅板とよく似た外観を呈する材料と
して、Cuめっきステンレス鋼板がある。Cuめっきス
テンレス鋼板は銅板に比べ安価であり、また、銅板より
も緑錆の生成・被覆が早いと言われている。ただし、外
装用のCuめっきステンレス鋼板の場合、Cuめっきの
付着量は片面90g/m2以上と、電気めっきにしては
かなり多い付着量にせざるを得ない。これは、屋根など
で雨が強く吹き付ける箇所、あるいは雨水の通り道とな
る箇所では、生成した緑錆が雨水とともに流失しやす
く、そのような部分ではCuの消耗が著しくなる傾向に
あり、Cuの絶対量に限りがあるCuめっきステンレス
鋼ではCu層を厚くしておかないと素地のステンレス鋼
が露出して意匠性を損なう恐れがあるからである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】これらの従来技術を考
慮すると、Cuめっきステンレス鋼板におけるCuめっ
き層をCu−Ni合金層に換えた鋼板、すなわちCu−
Ni合金被覆ステンレス鋼板を製造すれば、銅板より安
価で、酸性環境でも緑錆の生成する外装材を得ることは
可能であると考えられる。しかしこの場合でも、生成し
た緑錆が雨水等で流されやすいことには変わりなく、し
たがって、材料表面の大部分を緑錆で覆うにはやはり施
工後数年の歳月を必要とし、昨今の多様化した建材ニー
ズに応えるには十分な性能は得られない。また、Cuめ
っきの場合と同様、Cu−Ni合金層も厚目付けにしな
いと素地の露出が懸念され、電気めっきのコスト増は依
然解消されない。つまり、従来の技術を単に組み合わせ
ただけでは、酸性環境下での緑錆の早期発生性、および
コストの両面で、満足できる外装材は得られない。本発
明は、これらの問題点を解消し、酸性化した大気環境下
でも美麗な緑錆被覆がより早期に安定して生成する一層
安価な外装用材料を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的は、Ni含有
率:10〜50mass%のCu−Ni合金からなる付着量
5〜90g/m2の合金層、または薄いNiストライク
めっき層と前記合金層が、素地金属の下に潜り込んだア
ンカー部を形成して素地のステンレス鋼にタイトに密着
しており、必要に応じてCu−Ni合金層の表面は付着
量0.5〜9g/m2の薄いCuめっき層で覆われてい
る、酸性環境下での緑錆の早期生成能に優れるCu−N
i合金被覆ステンレス鋼板によって達成される。そのア
ンカー部は、下記(1)で定義するアンカー密度Aが0.0
5〜1.5の範囲となる密度で存在していることが望ま
しい。 (1)アンカー密度A:鋼板断面の顕微鏡観察像におい
て、50μm以上の長さの測定範囲を定め、当該測定範
囲内で合金層が素地金属の下に潜り込んでいる部分の個
数nを測定し、その個数nを測定範囲の長さ(μm)で
除した値をAとする。このCu−Ni合金層は鋼板の少
なくとも片面に形成され、前記付着量は片面当たりの規
定値である。
【0009】また本発明では、鋼板表面にピット未発生
部分の面積率が60%以下であるように高密度に、また
は必要に応じて実質上隙間なくピットが形成しており、
下記(2)で定義するオーバーハング密度Kが0.05〜
1.5の範囲となる粗面化表面を有する、Cu−Ni合
金被覆用ステンレス鋼原板を提供する。 (2)オーバーハング密度K:原板断面の顕微鏡観察像に
おいて、50μm以上の長さの測定範囲を定め、当該測
定範囲内でピット内壁面が断面曲線の平均線の方向より
下側に向いている部分(=オーバーハング部)の個数n
を測定し、その個数nを測定範囲の長さ(μm)で除し
た値をKとする。ここで断面曲線とは当該断面に現れる
原板最表面の輪郭をいい、断面曲線の平均線とは定めた
測定範囲において、その断面曲線までの偏差の二乗和が
最小になるように設定した直線または曲線をいい、下側
とは板厚中央部側をいう。ここで定義した断面曲線およ
びその平均線は、表面粗さの定義と表示に関するJIS B
0601において定義されている「断面曲線」および「断面
曲線又は粗さ曲線の平均線」と同様の概念である。な
お、ピット未発生部分の面積率とは、めっき原板表面の
垂直投影面積に占めるピット未発生部分の面積の割合
(%)をいう。
【0010】また本発明では、Fe3+濃度:1〜50g
/Lの塩化第二鉄水溶液中で、アノード電解時の電流密
度:1.0〜10.0kA/m2,カソード電解時の電流
密度:0.1〜3.0kA/m2とした0.5〜5Hzの交
番電解をフェライト系ステンレス鋼板に10〜120秒
間施して形成させた粗面化表面上、またはFe3+濃度:
30〜120g/Lの塩化第二鉄水溶液中で、アノード
電解時の電流密度:1.0〜10.0kA/m2,カソー
ド電解時の電流密度:0.3〜3.0kA/m2とした0.
5〜5Hzの交番電解をオーステナイト系ステンレス鋼
板に10〜120秒間施して形成させた粗面化表面上
に、電気Niストライクめっきと、電気Niめっきと、
電気Cuめっきをこれらのトータル付着量が5〜90g
/m2となるように施し、次いでこの鋼板を非酸化性雰
囲気中で加熱拡散処理してNi含有率が10〜50mass
%のCu−Ni合金層を形成させる、酸性環境下での緑
錆の早期生成能に優れるCu−Ni合金被覆ステンレス
鋼板の製造方法を提供する。また同様の交番電解を施し
て形成させた粗面化表面上に、電気Niストライクめっ
きを施し、次いでNi含有率が10〜50mass%の電気
Cu−Ni合金めっきを付着量が5〜90g/m2とな
るように施してCu−Ni合金被覆層を形成させる、酸
性環境下での緑錆の早期生成能に優れるCu−Ni合金
被覆ステンレス鋼板の製造方法を提供する。ここで、電
流密度,交番電解を施す時間,および各めっきの付着量
はそれぞれ鋼板片面あたりの規定値であり、本発明では
この規定に従う処理を鋼板の片面または両面に施す。
【0011】さらに本発明では、鋼板が特に板厚0.2
〜1.0mmの薄鋼帯である場合の、上記Cu−Ni合
金被覆ステンレス鋼板もしくはCu−Ni合金被覆用ス
テンレス鋼原板、または上記Cu−Ni合金被覆ステン
レス鋼板の製造方法を提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明のCu−Ni合金被覆ステ
ンレス鋼板は、素地のステンレス鋼とCu−Ni合金層
の間の界面形態に大きな特徴を有する。すなわち、Cu
−Ni合金層は、素地のステンレス鋼板表面の特殊な凹
凸に食い込んでタイトに密着している。
【0013】図1に、本発明のCu−Ni合金被覆ステ
ンレス鋼板の断面の電子顕微鏡(SEM)写真の一例を
示す。白く見える部分がステンレス鋼(SUS304)である
素地金属、グレーに見える部分がCu−Ni合金層であ
る。この例では、Ni含有率:20mass%のCu−Ni
合金層を付着量22g/m2で被覆してある。
【0014】図2は、図1の断面写真の拡大スケッチで
ある。図2中に、測定範囲として定めた長さ75μmの
範囲を示すとともに、その測定範囲内で、Cu−Ni合
金層が、素地金属の下に潜り込んだ「アンカー部」を形
成している箇所を矢印で示した。この例では測定範囲7
5μmあたりアンカー部の個数は16個である。したが
って、前述の(1)の定義に従うとアンカー密度Aは16
/75により、0.21(個/μm)と求められる。
【0015】この例のように、合金被覆層がアンカー部
を形成しながらステンレス鋼板表面の凹凸に食い込んで
存在しているとき、表面に生成した緑錆は素地金属ある
いは未だ腐食されずに残留している被覆金属にタイトに
固着して雨水等による流失が顕著に抑制される。その結
果、生成した緑錆の堆積が促進されて鋼板表面は早期に
緑錆に覆われるようになる。
【0016】本発明者らの研究によると、前記(1)で定
義したアンカー密度Aが0.05〜1.5の範囲となると
き、建築物外装材として特に優れた緑錆の早期生成能を
示す。アンカー密度Aが0.05未満の場合、特にCu
−Ni合金被覆ステンレス鋼に曲げ加工を施した部分に
おいて、生成した緑錆の剥離やステンレス鋼素地の露出
が比較的早期から生じる。一方、アンカー密度Aが1.
5を超える場合には素地金属の凹凸サイズ(開口径およ
び深さ)が小さくなりすぎており、アンカー部の数は多
いにもかかわらず緑錆拘束力が不足し、却って緑錆の堆
積を阻害する。
【0017】ここで、アンカー密度Aを求める際には少
なくとも50μm以上の長さの測定範囲を確保する必要
がある。鋼板断面に観察される隣り合ったアンカー部同
士の間隔には局所的に多少のバラツキが見られるが、連
続した50μm以上の測定範囲においてアンカー密度A
が0.05〜1.5の値になっていれば、そのCu−Ni
合金被覆ステンレス鋼板は加工部においても緑錆の保持
性に優れることが経験的に確認できた。
【0018】Cu−Ni合金層が酸性環境下でも緑錆の
発生性に優れているのは、合金層中でCuとNiが局部
電池を形成することで合金層の腐食が促進され、本来で
あれば亜酸化銅でとどまるところが緑錆にまで進展する
ためと考えられる。このとき、Cu−Ni合金層中のN
i含有率が10mass%未満では局部電池の作用が半減し
て酸性環境下での緑錆発生性は劣る。一方、Ni含有率
が50mass%を超えると合金層自体の耐食性が高まり緑
錆の発生性を阻害する。したがって、酸性化した大気環
境下で緑錆の早期生成能を発揮させるためにはNi含有
率が10〜50mass%のCu−Ni合金層を形成させる
ことが重要である。
【0019】また、本発明のCu−Ni合金被覆ステン
レス鋼板では生成した緑錆の保持性が極めて高いため、
緑錆が流失する箇所で局部的にCuの消耗が激しくなっ
て意匠性を損なうといった従来のCuめっきステンレス
鋼が抱えていた問題も回避される。このため、従来のC
uめっき層と比べ、飛躍的にCu−Ni合金層の付着量
を少なくすることができる。つまり本発明では、Cu−
Ni合金層を薄くすることによって電気めっきのコスト
を大幅に低減でき、なおかつ均一な緑錆被覆を早期に形
成することができるのである。ただし、合金層の付着量
が鋼板片面当たり5g/m2未満では緑錆の成分となる
Cuの絶対量が不足するため鋼板全面を緑錆で均一に覆
うことが難しくなる。一方、付着量が90g/m2を超
えると、合金層の表面付近では生成した緑錆を拘束する
アンカー効果が十分に得られないため、初期の段階で生
成した緑錆は流されやすくなり、結果的に緑錆被覆の早
期生成能は劣ってしまう。したがって、Cu−Ni合金
層の付着量は鋼板片面当たり5〜90g/m2とするこ
とが望ましい。
【0020】このようなCu−Ni合金層は、例えば次
のような方法によって形成できる。 粗面化したステンレス鋼板表面に、薄い電気Niスト
ライクめっき→電気Niめっき→電気Cuめっきを順次
施した後、非酸化性雰囲気中で加熱拡散処理する方法。
この場合、拡散処理後に得られるCu−Ni合金層のN
i含有率および付着量が、それぞれ10〜50mass%お
よび5〜90g/m2の範囲になるように、各めっき層
の付着量をコントロールする。なお、Niストライクめ
っき後、Cuめっき→Niめっきの順で電気めっきを行
っても一応目標組成・付着量のCu−Ni合金層は得ら
れるが、加熱拡散処理時にステンレス鋼素地と合金層の
境界ににボイドが生成し、好ましくない。電気Niめっ
き浴としては、全塩化物塩Niめっき浴,全硫酸塩めっ
き浴,ワット浴等を用いることができ、また、Niスト
ライクめっきにはNi電析効率を50%以下に下げたそ
れらの浴を用いればよい。Cuめっき浴としては、ピロ
リン酸銅めっき浴,シアン化銅めっき浴,硫酸銅めっき
浴等を用いることができる。拡散処理は、例えば水素−
窒素混合雰囲気中で400〜800℃の温度で加熱すれ
ばよい。 粗面化したステンレス鋼板表面に、薄い電気Niスト
ライクめっきを施した後、目標組成の電気Cu−Ni合
金めっきを施す方法。この場合は、上記Cuめっき浴に
必要量のNiを添加した浴を用いることができる。この
方法では加熱拡散処理は特に必要ないので、通常、ステ
ンレス鋼素地とCu−Ni合金層との間には薄いNiス
トライクめっき層が存在するが、緑錆の生成能に関して
は何ら問題ない。Niストライクめっき層自体も局部電
池の形成に寄与するからである。
【0021】ところで、Niを約10mass%以上含有す
るCu−Ni合金は銀白色を呈するようになる。そこ
で、外観上銅色を必要とする場合には、本発明に係るC
u−Ni合金層の上に、さらに電気めっき法により付着
量0.5〜9g/m2のフラッシュCuめっきを施せばよ
い。このとき、付着量が0.5g/m2未満では均一に銅
色を呈するまでに至らず、一方、9g/m2を超えると
施工後にCu−Ni合金層が表面に露出するまでに長時
間を要し、緑錆の早期生成を阻害する。
【0022】次に、Cu−Ni合金被覆を施すステンレ
ス鋼原板について説明する。図3に、本発明に係るCu
−Ni合金被覆用ステンレス鋼原板(SUS444)の粗面化
表面を真上から観察した電子顕微鏡(SEM)写真を示
す。鋼板表面に実質上隙間なく形成したピットの開口部
の形態が蜂の巣状に表れている。図4に、このステンレ
ス鋼原板の断面の電子顕微鏡(SEM)写真を示す。半
球状のピットや、開口部が内部よりも狭くなったピット
が多数観察され、本発明のステンレス鋼原板の特徴的な
粗面化形態を呈している。また、この例ではピットは実
質上隙間なく形成しており、隣り合ったピット同士の境
界が鋭く切り立っている様子がわかる。
【0023】図5は、図4の断面写真の拡大スケッチで
ある。図5中に、測定範囲として定めた長さ75μmの
範囲を示すとともに、その測定範囲内でピット内壁面が
断面曲線の平均線の方向より下を向いている部分(=オ
ーバーハング部)を矢印で示した。この例では測定範囲
75μmあたりオーバーハング部の個数は25個であ
る。したがって、前述の(2)の定義に従うとオーバーハ
ング密度Kは25/75により、0.33(個/μm)
と求められる。
【0024】本発明者ら研究の結果、前記(2)で定義し
たオーバーハング密度Kが0.05〜1.5の範囲となる
ような粗面化表面を形成している原板上にCu−Ni合
金層を形成させたとき、その合金層は原板にタイトに密
着するとともに、生成した緑錆は鋼板表面から流失しに
くくなることがわかった。その結果、緑錆の鋼板表面へ
の堆積が促進され、早期に均一な緑錆に覆われるように
なる。オーバーハング密度Kが0.05未満の場合、め
っき後の鋼板において先述のアンカー密度Aの値が0.
05以上のものが得られず、加工部での緑錆の剥離やス
テンレス鋼素地の露出が生じやすい。一方、オーバーハ
ング密度Kが1.5を超えるような場合には、ピット開
口部の径が小さくなりすぎており、かつピット内面の曲
率もかなり小さくなっているため、ピット内面へのめっ
きの付き廻り性が低下する恐れがある。このため、タイ
トに密着した合金層が得られない場合もあり、却って緑
錆は流失しやすくなる。したがって、本発明のCu−N
i合金被覆用ステンレス鋼原板はオーバーハング密度K
が0.05〜1.5のものに限定する。
【0025】また、被覆原板の粗面化表面において、ピ
ットはできるだけ高密度に存在していることが望まし
い。ピット未発生部分の面積率が60%以下となるよう
にピットが高密度に存在する状態でオーバーハング密度
Kが上記の所定範囲にあるとき、緑錆の堆積促進効果が
発揮される。特に、鋼板表面に実質上隙間なくピットが
存在しているとき、各ピットの開口部は隣り合ったピッ
トとの間に鋭く切り立った境界を形成し、合金層および
緑錆に対して最も大きな固着力が生じる。
【0026】次に、ステンレス鋼原板の粗面化手法につ
いて説明する。本発明では、塩化第二鉄水溶液中での交
番電解によってステンレス鋼板の表面を粗面化する。
【0027】〔電解液〕本発明では、Fe3+を含む電解
液を使用することが必須要件である。これは、本発明の
交番電解では、ピット内でFe3++3OH-→Fe(O
H)3の反応を起こしてピット内壁をFe(OH)3で保
護し、フラットな部分に新たなピットを形成させるとい
うメカニズムを利用するからである。したがって、Fe
3+を含まない塩化第一鉄,硝酸,塩酸,硫酸等の電解液
中での交番電解では、上記メカニズムを利用した電解粗
面化が行えない。さらに、本発明ではステンレス鋼を対
象とするので、電解液中にはステンレスの酸化作用を促
進するNO3 -,SO4 2-といったイオンが含まれていな
いことも、孔食、すなわちピット形成を容易にさせ、短
時間での粗面化処理を可能にするための重要な条件とな
る。
【0028】電解液のエッチング力と形成されるピット
の形状との間には密接な関係がある。電解液のエッチン
グ力が弱いと浅めのピットが形成されやすく、エッチン
グ力が増すにつれて半球状あるいは鍵穴状といったピッ
ト開口部の大きさの割には深さのあるピットが形成され
るようになる。このような現象が起こる理由については
現時点では不明な点も多いが、電解液のエッチング力を
強めるとステンレス鋼板の不動態化作用が低下し、その
結果、深さ方向へのピット成長が促進されるものと考え
られる。工業的に管理しやすい30〜70℃の液温範囲
において、フェライト系ステンレス鋼では電解液中に含
まれるFe3+濃度が1〜50g/L、オーステナイト系
ステンレス鋼では30〜120g/Lとなるように塩化
第二鉄濃度をコントロールすることが望ましい。
【0029】電解処理中、Fe3+濃度は徐々に低下す
る。アノード電解時にステンレス鋼から溶出するFeは
Fe2+であり、一方、カソード電解時にはH2発生とと
もにFe3++e-→Fe2+なる還元反応が起こるからで
ある。したがって、工業的規模で連続生産する場合に
は、Fe3+濃度を常に適正範囲に保つような操作が必要
となる。例えば、Fe3+の消費に合わせて新液を添加す
る、あるいは電解液中に生成したFe2+をFe3+に酸化
する周知の方法を用いてFe3+濃度を調整すればよい。
【0030】〔アノード電解〕アノード電解の目的は、
ステンレス鋼板表面にピットを形成させることである。
アノード電流密度が1.0kA/m2未満では活性溶解が
起こるだけでステンレス鋼板表面にピットを形成するこ
とができない。一方、10.0kA/m2を超えるとCl
-イオンの分解反応をともなうようになり、作業効率と
作業環境がともに悪化する。したがって、アノード電流
密度は1.0〜10.0kA/m2の範囲とする。また、
交番電解1サイクルあたりのアノード通電時間は、ステ
ンレス鋼板表面に形成される球面状のピットの開口径と
直接関係し、1サイクルあたりのアノード通電時間が長
くなるほどピットの開口径はアノード電流密度とは無関
係に増大する。オーバーハング密度Kが0.05〜1.5
の範囲のアンカー効果の高い粗面化表面を得るために
は、1サイクルあたりのアノード通電時間を0.05〜
1secとすることが望ましい。
【0031】〔カソード電解〕カソード電解の目的は、
ステンレス鋼板表面でH2を発生させ、ピット内壁にF
e(OH)3の保護皮膜を形成させること、およびピッ
ト未発生部分を活性化させることである。そのためカソ
ード電流密度の下限は、電解液中のFe3+の還元反応の
限界電流密度より高くしてH2発生領域の値となるよう
に設定しなければならず、塩化第二鉄濃度,液温あるい
は流速等によって多少変動するが、フェライト系ステン
レス鋼に適用する電解液であればほぼ0.1kA/m2
上、オーステナイト系ステンレス鋼の適用電解液であれ
ばほぼ0.3kA/m2以上あればよい。一方、過剰なH
2発生はピット内壁に形成したFe(OH)3の保護皮膜
をも取り去る恐れがあり、その場合にはステンレス鋼板
表面に良好な形状のピットを高密度に形成することが難
しい。このためカソード電流密度の上限は3.0kA/
2とし、H2発生量が過剰にならない程度にとどめる必
要がある。したがって、カソード電流密度は、フェライ
ト系ステンレス鋼では0.1〜3.0kA/m2、オース
テナイト系ステンレス鋼であれば0.3〜3.0kA/m
2とする。また、カソード電解の目的を達成するための
交番電解1サイクルあたりのカソード通電時間は0.0
1sec以上とすることが望ましい。
【0032】〔交番電解サイクル〕交番電解1サイクル
あたりの適正通電時間は、アノード電解で0.05〜1
sec、カソード電解では0.01sec以上とするの
がよいことを述べたが、工業的規模での交番電源を考慮
した場合、アノードとカソードの通電時間は1:1とす
ることがコスト的な面から望ましい。このことから、交
番電解のサイクルは0.5〜5Hzの範囲とするのがよ
い。
【0033】〔電解処理時間〕交番電解に要する処理時
間が10secに満たないと、ステンレス鋼板表面にピ
ット未発生箇所が多く残り、合金層や生成した緑錆に対
するアンカー効果が十分に得られない。一方、120s
ecを超えて電解しても粗面化形態に大きな差はなく、
それ以上の処理は経済上不利になる。したがって、本発
明の交番電解に要する処理時間は10〜120secと
する。これは、工業的規模での連続生産に十分対応でき
る処理時間といえる。
【0034】以上のような交番電解によって粗面化した
ステンレス鋼板表面に、先述の方法で適正な組成・付着
量のCu−Ni合金層を形成させれば、酸性雰囲気下で
の早期緑錆形成能に優れた外装材が得られる。
【0035】本発明に係るCu−Ni合金被覆ステンレ
ス鋼板、またはその被覆原板は、外装用途における施工
時の取り扱い性や耐久性を考慮して、板厚0.2〜1.0
mmの薄板とすることが望ましい。前記製造方法に従え
ば連続生産が可能であり、長尺が必要とされる屋根材な
どの用途には鋼帯として提供することが好ましい。ま
た、被覆原板としては、使用環境や用途に応じて種々の
ステンレス鋼種が採用できる。
【0036】
【実施例】
〔実施例1〕各ステンレス鋼種において、適正な電解液
の条件を調べた。板厚0.4mmのSUS430,SU
S444,SUS304,SUS316の各種2D仕上
げ材のステンレス鋼板に通常の電解脱脂・酸洗を施した
材料について、塩化第二鉄水溶液の温度および電解液中
に含まれるFe3+の濃度を塩化第二鉄により種々変えた
条件の電解液を使用して、アノード電流密度を5.0k
A/m2,カソード電流密度を0.1〜3.0kA/m2
交番電解サイクルを2.5Hz,処理時間を30sec
とした条件で電解処理を行い、それぞれの鋼種について
適正な電解液の条件範囲を調査した。
【0037】図6にその結果を示す。図6中、各鋼種ご
とに枠で囲まれた領域が、その鋼種について前記(2)で
定義したオーバーハング密度Kが0.05〜1.5となる
粗面化表面を安定して形成できる電解条件の範囲を表
す。一般的に不動態化作用が強いとされる鋼種ほど適正
範囲は高濃度・高温度側となる。このことからわかるよ
うに、本発明で規定するアンカー効果の高い粗面化表面
を形成するには、その鋼種の不動態化力と液のエッチン
グ力のバランスが適正になるように、電解液の濃度・液
温を調整することが重要である。本発明者らの調査の結
果、主要なステンレス鋼種においては工業上管理しやす
い30〜70℃の液温範囲において適正な塩化第二鉄濃
度を設定することが可能であり、具体的にはフェライト
系鋼種では1〜50g/Lの範囲に、オーステナイト系
鋼種では30〜120g/Lの範囲に塩化第二鉄濃度を
それぞれ調整することが望ましい。
【0038】〔実施例2〕Cu−Ni合金層のNi含有
率,付着量と、酸性環境下での緑錆被覆の生成状況の関
係について調べた。まず、板厚0.3mmのSUS30
4の2D仕上げ材に、通常の電解脱脂・酸洗を施した
後、液温40℃,Fe3+濃度50g/Lの塩化第二鉄水
溶液中で、アノード電流密度3.0kA/m2,カソード
電流密度0.5kA/m2,処理時間60sec,交番電
解サイクル2.5Hzと一定にして電解粗面化処理を施
した。得られた粗面化表面にはピットが実質上隙間なく
形成していた。そして、半球状,あるいは鍵穴状のピッ
トが多数存在しており、前記(2)で定義したオーバーハ
ング密度Kの値は0.2前後に収まっていた。次に、こ
れらの鋼板に付着量1g/m2の電気Niストライクめ
っきを施した後、種々の付着量で電気Niめっき→電気
Cuめっきを順次施した。めっき条件は以下のとおりで
ある。
【0039】(Niストライクめっき) ・めっき浴:全塩化物塩Niめっき浴 塩化ニッケル(NiCl2・6H2O):150g/L 塩酸(HCl):30g/L ・Ni電析効率:20% ・液温:60℃ ・電流密度:1.0kA/m2 ・付着量(片面):1g/m2 (Niめっき) ・めっき浴:全塩化物塩Niめっき浴 塩化ニッケル(NiCl2・6H2O):150g/L 塩酸(HCl):5g/L ・Ni電析効率:80% ・液温:60℃ ・電流密度:1.0kA/m2 (Cuめっき) ・めっき浴:硫酸銅めっき浴 硫酸銅(CuSO4・5H2O):220g/L 硫酸(H2SO4):50g/L ・液温:30℃ ・電流密度:1.5kA/m2
【0040】めっき後、各鋼板を90容量%N2−10
容量%H2雰囲気中で加熱拡散処理してCu−Ni合金
層を形成させた。CuとNiはほぼ拡散状態にあり、合
金層中のNi含有率は、走査電子顕微鏡(SEM)に付
帯のエネルギー分散型分析装置(EDX)を用いて合金
層断面の板厚方向に5点の定量分析を行い、その平均値
を算出することによって求めた。これら各サンプルを、
大気酸性環境を想定して、「5%NaClにH2SO4:3g/Lと
HNO3:1g/Lを添加してpH3.5に調整した水溶液の
噴霧:120hr」→「自然乾燥:24hr」→「JIS
D 0203 S1に準ずる降雨を連続噴水:24hr」を1サ
イクルとしたサイクル腐食試験を10サイクル実施し
た。試験後のサンプルについて、平坦部における緑錆被
覆面積率(%)を調べた。また、比較のために中性環境
での試験として「JIS S 2371に従った塩水噴霧:120
hr」→「自然乾燥:24hr」→「JIS D 0203 S1に
準ずる降雨を連続噴水:24hr」を1サイクルとした
サイクル腐食試験も10サイクル実施した。ねお、比較
材として、従来のCuめっきステンレス鋼板,本発明で
規定するオーバーハング密度:0.3の粗面化表面上に
Cuめっきを施したステンレス鋼板,およびJIS C 1020
Pの銅板も用意して腐食試験に供した。
【0041】これらの結果を表1に示す。本発明に係る
Cu−Ni合金被覆ステンレス鋼板は、大気酸性環境を
想定した試験でも緑錆の被覆面積率が70%以上と高
く、非常に優れた緑錆早期生成能を有していることがわ
かる。これに対し、No.8および9はCu−Ni合金層中
のNi含有率がそれぞれ低すぎたものおよび高すぎたも
の、また、No.10および11はCu−Ni合金層の付着量
がそれぞれ少なすぎたものおよび多すぎたものであり、
これらはいずれも酸性環境下での緑錆被覆率が50%未
満と低かった。特にNo.10のサンプルでは、緑錆の被覆
が見られない部分で素地のステンレス鋼が露出してい
た。また、No.12〜14のCuめっきステンレス鋼および
銅板も、酸性環境下での緑錆発生性が劣っていた。
【0042】〔実施例3〕Cu−Ni合金被覆ステンレ
ス鋼板のアンカー密度Aの値と、酸性環境下での緑錆被
覆の生成状況の関係について調べた。まず、板厚0.4
mmのSUS304の2B仕上げ材に通常の電解脱脂・
酸洗を施した材料について、Fe3+を35g/L含み、
液温が70℃の塩化第二鉄水溶液を用いて、アノード電
流密度を5.0kA/m2,カソード電流密度を0.75
kA/m2,処理時間を45secと一定にして、交番
電解サイクルを0.15〜10Hzの範囲内で変えた条
件で電解処理を行い、ピット平均径が種々の段階にある
被覆原板を作製した。いずれの原板も鋼板表面にピット
が実質上隙間なく形成しており、半球状、あるいは開口
部が内径よりも狭い鍵穴状のピットが多く存在してい
た。次に、各原板の粗面化表面上に以下の条件で付着量
1g/m2の電気Niストライクめっき→電気Cu−N
i合金めっきを順次施した。めっき条件は以下のとおり
である。
【0043】(Niストライクめっき) 実施例2と同条件 (Cu−Ni合金めっき) ・めっき浴:硫酸銅めっき浴 硫酸銅(CuSO4・5H2O):220g/L 硫酸ニッケル(NiSO4・6H2O):50g/L 硫酸(H2SO4):50g/L ・液温:30℃ ・電流密度:0.6kA/m2 ・付着量(片面):25g/m2
【0044】得られたCu−Ni合金被覆ステンレス鋼
板について、その断面を電子顕微鏡(SEM)で観察し
て、前記(1)で定義したアンカー密度Aの値を求めた。
また、各鋼板について、緑錆の発生しやすさを以下の方
法で評価した。まず、得られたCu−Ni合金被覆ステ
ンレス鋼板にロールフォーミング加工を施し、平坦部
と、90°曲げ加工部(曲げコーナー部;1R,凸側を
評価する)を有する試験片を作製した。そして各試験片
について、実施例2の大気酸性環境を想定したサイクル
腐食試験を10サイクル実施した。試験後のサンプルに
ついて、平坦部における緑錆被覆面積率(%)、および
曲げ加工部(凸側)における緑錆の残存状況を調べた。
【0045】表2に、アンカー密度Aの値と、上記腐食
試験による評価結果を示す。A値が0.05未満のサン
プルaでは、原板に形成しているピットは内径,深さと
もにサイズの大きいものが主体であり、この場合、平坦
部は91%緑錆で覆われていたが、加工部においてはピ
ット径が大きいために加工時のピットの広がりも大き
く、アンカー効果が薄れたことにより緑錆の剥離が見ら
れた。A値が0.05〜1.5の範囲内にあるサンプル
b,c,d,eでは平坦部での緑錆被覆面積率は80%
以上と高く、かつ加工部においても緑錆の剥離やステン
レス鋼素地の露出は見られなかった。A値が1.5を超
えるサンプルf,gでは、アンカー部の数は多いもの
の、平坦部での緑錆被覆面積率が小さくなり、加工部で
は生成した緑錆が流されて素地のステンレス鋼が露出し
ている箇所があった。これは、原板に形成しているピッ
トの開口部が小さくなっているため、ピット内部へのめ
っきの付き廻り性(ひいてはピット内部への緑錆の食い
込み性)が悪くなるとともに、アンカー部のサイズ自体
が小さいために十分なアンカー効果が発揮できなかった
ものと考えられる。
【0046】〔実施例4〕ステンレス鋼原板の電解処理
条件と、その原板を用いたCu−Ni合金被覆ステンレ
ス鋼板における緑錆被覆の生成状況の関係について調べ
た。板厚0.3mmのSUS444およびSUS304
の2D仕上げ材に通常の電解脱脂・酸洗を施した鋼板に
ついて種々の条件で液温50℃の塩化第二鉄水溶液中で
電解処理を行い、表面を粗面化した。これら各鋼板を被
覆原板として、粗面化表面上に実施例3と同じ条件で電
気Niストライクめっき→電気Cu−Ni合金めっきを
順次施した後、ロールフォーミング加工を行い、実施例
2の大気酸性環境を想定したサイクル腐食試験を10サ
イクル実施した。そして、90°曲げ加工部(凸部)に
おける緑錆の残存状況を調査した。その結果を表3,表
4に示す。また、比較のために、塩化第二鉄以外の電解
液を用いて電解処理したサンプルについても同様の調査
を行った。その結果を表5に示す。
【0047】表3に示す本発明の電解条件で処理を行っ
たNo.21〜30のサンプルは、いずれも表面にピットが実
質上隙間なく形成しており、前記(2)で定義したオーバ
ーハング密度Kの値は0.05〜1.5の範囲にあった。
そして、いずれも90°曲げ加工部(凸部)において緑
錆がきれいに残存していた。交番電源波形は矩形波,台
形波,正弦波(交流波)等の各種交番波形が利用できる
ことがわかる。
【0048】これに対し、表4,表5に示すように、本
発明の規定範囲を外れる条件で電解処理を行ったサンプ
ルでは90°曲げ加工部(凸部)で緑錆の剥離が見ら
れ、サンプルによっては一部素地のステンレス鋼が露出
しているものもあった。なお、これらのうち、No.31,3
4はピット形状が浅いお椀型になってK値が0.05未満
となったもの、No.36はピットのサイズが大きくなって
K値が0.05未満となったもの、No.38はピットのサイ
ズが小さくなってK値が1.5を超えたもの、No.32,3
3,35,37は鋼板表面にピット未発生部分(未電解部
分)が面積率60%を超えて残存したものである。No.4
1〜52のものはすべてK値が0であった。
【0049】〔実施例5〕ステンレス鋼原板の表面仕上
げと、その原板を用いたCu−Ni合金被覆ステンレス
鋼板における緑錆被覆の生成状況の関係について調べ
た。板厚0.35mm,幅300mmのSUS304の
2B仕上げ鋼帯を、通常の電解脱脂・酸洗後、液温50
℃,Fe3+濃度70g/Lの塩化第二鉄水溶液を用い
て、アノード電流密度5.0kA/m2,カソード電流密
度1.0kA/m2,交番電解サイクル2.5Hzと一定
にし、ライン速度を変えることで処理時間を15〜12
0秒の間で変えて電解処理した原板を準備した。また、
No.4仕上げ(粗面化処理せず)の原板、2DR仕上
げ(ダルロール圧延まま、粗面化処理せず)の原板も準
備した。これらの各原板に、電気Niストライクめっき
→電気Niめっき→電気Cuめっきを順次施した。めっ
き条件は以下のとおりである。
【0050】(Niストライクめっき) ・めっき浴:ワット浴 硫酸ニッケル(NiSO4・6H2O):150g/L 塩化ニッケル(NiCl2・6H2O):45g/L ほう酸(H3BO4):30g/L 塩酸(HCl):30g/L ・Ni電析効率:20% ・液温:60℃ ・電流密度:0.6kA/m2 ・付着量(片面):1g/m2 (Niめっき) ・めっき浴:ワット浴 硫酸ニッケル(NiSO4・6H2O):150g/L 塩化ニッケル(NiCl2・6H2O):45g/L ほう酸(H3BO4):30g/L 塩酸(HCl):10g/L ・液温:60℃ ・電流密度:0.6kA/m2 ・付着量(片面):8g/m2 (Cuめっき) ・めっき浴:ピロリン酸銅めっき浴 ピロリン酸銅(Cu2P2O7・3H2O):45g/L ピロリン酸カリウム(K4P2O7):250g/L ・液温:60℃ ・電流密度:0.8kA/m2 ・付着量(片面):18g/m2
【0051】めっき後のサンプルについて、90容量%
2−10容量%H2雰囲気のバッチ焼鈍炉にて600℃
×30分の加熱拡散処理を行ってCu−Ni合金被覆を
形成した。このとき、いずれのサンプルもCu−Ni合
金層の付着量は26g/m2,Ni含有率は25mass%
であった。そしてさらに、外装材として銅色を付けるた
めに以下の条件でフラッシュCuめっきを施した。
【0052】(フラッシュCuめっき) ・めっき浴:ピロリン酸銅めっき浴 ピロリン酸銅(Cu2P2O7・3H2O):45g/L ピロリン酸カリウム(K4P2O7):250g/L ・液温:60℃ ・電流密度:0.5kA/m2 ・付着量(片面):0.5g/m2
【0053】これらのサンプルを、平坦部が水平45°
の角度になるように工業地帯の屋外に設置して、2年間
の暴露試験を行った。また、比較のためにサンドブラス
ト加工で粗面化した鋼板、液体ホーニング加工で粗面化
した鋼板も準備した。さらにCu板も準備した。表6に
試験結果を示す。No.61〜65の本発明で規定する電解処
理によって粗面化した原板を用いたものは、工業地帯で
の2年間という短期間の暴露で既に鋼板の大部分が緑錆
に覆われており、No.66,67の粗面化していない原板を
用いたものやNo.70のCu板と比較して、早期に緑錆被
覆が形成されることが確かめられた。なお、No.68のサ
ンドブラスト加工材、およびNo.69の液体ホーニング加
工材は、0.35mmの薄鋼板を使用したため鋼板の
「そりかえり」が大きく生じ、電気めっきを行うまでに
は至らなかった。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】
【表3】
【0057】
【表4】
【0058】
【表5】
【0059】
【表6】
【0060】
【発明の効果】本発明に係る鋼板はステンレス鋼板表面
にCu−Ni合金層を形成しているため、酸性化した大
気環境下でも緑錆が発生する。そして、生じた緑錆は、
原板表面に形成されたアンカー効果の高い特殊な凹凸形
態によって強固に保持されるため、雨水等によって流失
しにくく、鋼板表面は早期に緑錆に覆われる。加えて本
発明ではCu−Ni合金付着量は5〜90g/m2とい
う薄目付けで十分であり、これは一般的な外装用Cuめ
っきステンレス鋼板のCuめっき層と比較してもかなり
薄い。このため、電気めっきのコストが低減されるとと
もに、素材面でも銅板や人工緑青銅板より低コストであ
る。したがって、本発明は、近年の酸性化した大気環境
においても緑錆に覆われた美麗な建築物外観を従来より
低コストで早期に実現し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のCu−Ni合金被覆ステンレス鋼板の
断面の電子顕微鏡(SEM)写真である。
【図2】図1の電子顕微鏡(SEM)写真の拡大スケッ
チである。
【図3】本発明のステンレス鋼原板の粗面化表面を真上
から見た電子顕微鏡(SEM)写真である。
【図4】本発明のステンレス鋼原板の断面の電子顕微鏡
(SEM)写真である。
【図5】図4の電子顕微鏡(SEM)写真の拡大スケッ
チである。
【図6】各種ステンレス鋼についての、交番電解液とし
て使用する塩化第二鉄水溶液の温度と濃度の適正範囲を
表すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 多々納 政義 大阪府堺市石津西町5番地 日新製鋼株式 会社技術研究所内 (72)発明者 内田 幸夫 大阪府堺市石津西町5番地 日新製鋼株式 会社技術研究所内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Ni含有率:10〜50mass%のCu−
    Ni合金からなる付着量5〜90g/m2の合金層が、
    素地金属の下に潜り込んだアンカー部を形成して素地の
    ステンレス鋼にタイトに密着している、酸性環境下での
    緑錆の早期生成能に優れるCu−Ni合金被覆ステンレ
    ス鋼板。
  2. 【請求項2】 薄いNiストライクめっき層およびその
    上に形成したNi含有率:10〜50mass%のCu−N
    i合金からなる付着量5〜90g/m2の合金層が、素
    地金属の下に潜り込んだアンカー部を形成して素地のス
    テンレス鋼にタイトに密着している、酸性環境下での緑
    錆の早期生成能に優れるCu−Ni合金被覆ステンレス
    鋼板。
  3. 【請求項3】 アンカー部は、下記(1)で定義するアン
    カー密度Aが0.05〜1.5の範囲となる密度で存在す
    る、請求項1または2に記載のCu−Ni合金被覆ステ
    ンレス鋼板。 (1)アンカー密度A:鋼板断面の顕微鏡観察像におい
    て、50μm以上の長さの測定範囲を定め、当該測定範
    囲内で合金層が素地金属の下に潜り込んでいる部分の個
    数nを測定し、その個数nを測定範囲の長さ(μm)で
    除した値をAとする。
  4. 【請求項4】 Cu−Ni合金層の表面は、付着量0.
    5〜9g/m2の薄いCuめっき層で覆われている、請
    求項1,2または3に記載のCu−Ni合金被覆ステン
    レス鋼板。
  5. 【請求項5】 鋼板表面にピット未発生部分の面積率が
    60%以下であるように高密度にピットが形成してお
    り、下記(2)で定義するオーバーハング密度Kが0.05
    〜1.5の範囲となる粗面化表面を有する、Cu−Ni
    合金被覆用ステンレス鋼原板。 (2)オーバーハング密度K:原板断面の顕微鏡観察像に
    おいて、50μm以上の長さの測定範囲を定め、当該測
    定範囲内でピット内壁面が断面曲線の平均線の方向より
    下側に向いている部分(=オーバーハング部)の個数n
    を測定し、その個数nを測定範囲の長さ(μm)で除し
    た値をKとする。ここで断面曲線とは当該断面に現れる
    原板最表面の輪郭をいい、断面曲線の平均線とは定めた
    測定範囲において、その断面曲線までの偏差の二乗和が
    最小になるように設定した直線または曲線をいい、下側
    とは板厚中央部側をいう。
  6. 【請求項6】 鋼板表面にピットが実質上隙間なく形成
    しており、請求項4の(2)で定義するオーバーハング密
    度Kが0.05〜1.5の範囲となる粗面化表面を有す
    る、Cu−Ni合金被覆用ステンレス鋼原板。
  7. 【請求項7】 Fe3+濃度:1〜50g/Lの塩化第二
    鉄水溶液中で、アノード電解時の電流密度:1.0〜1
    0.0kA/m2,カソード電解時の電流密度:0.1〜
    3.0kA/m2とした0.5〜5Hzの交番電解をフェ
    ライト系ステンレス鋼板に10〜120秒間施して形成
    させた粗面化表面上に、電気Niストライクめっきと、
    電気Niめっきと、電気Cuめっきをこれらのトータル
    付着量が5〜90g/m2となるように施し、次いでこ
    の鋼板を非酸化性雰囲気中で加熱拡散処理してNi含有
    率が10〜50mass%のCu−Ni合金層を形成させ
    る、酸性環境下での緑錆の早期生成能に優れるCu−N
    i合金被覆ステンレス鋼板の製造方法。
  8. 【請求項8】 Fe3+濃度:30〜120g/Lの塩化
    第二鉄水溶液中で、アノード電解時の電流密度:1.0
    〜10.0kA/m2,カソード電解時の電流密度:0.
    3〜3.0kA/m2とした0.5〜5Hzの交番電解を
    オーステナイト系ステンレス鋼板に10〜120秒間施
    して形成させた粗面化表面上に、電気Niストライクめ
    っきと、電気Niめっきと、電気Cuめっきをこれらの
    トータル付着量が5〜90g/m2となるように施し、
    次いでこの鋼板を非酸化性雰囲気中で加熱拡散処理して
    Ni含有率が10〜50mass%のCu−Ni合金被覆層
    を形成させる、酸性環境下での緑錆の早期生成能に優れ
    るCu−Ni合金被覆ステンレス鋼板の製造方法。
  9. 【請求項9】 Fe3+濃度:1〜50g/Lの塩化第二
    鉄水溶液中で、アノード電解時の電流密度:1.0〜1
    0.0kA/m2,カソード電解時の電流密度:0.1〜
    3.0kA/m2とした0.5〜5Hzの交番電解をフェ
    ライト系ステンレス鋼板に10〜120秒間施して形成
    させた粗面化表面上に、電気Niストライクめっきを施
    し、次いでNi含有率が10〜50mass%の電気Cu−
    Ni合金めっきを付着量が5〜90g/m2となるよう
    に施してCu−Ni合金被覆層を形成させる、酸性環境
    下での緑錆の早期生成能に優れるCu−Ni合金被覆ス
    テンレス鋼板の製造方法。
  10. 【請求項10】 Fe3+濃度:30〜120g/Lの塩
    化第二鉄水溶液中で、アノード電解時の電流密度:1.
    0〜10.0kA/m2,カソード電解時の電流密度:
    0.3〜3.0kA/m2とした0.5〜5Hzの交番電解
    をオーステナイト系ステンレス鋼板に10〜120秒間
    施して形成させた粗面化表面上に、電気Niストライク
    めっきを施し、次いでNi含有率が10〜50mass%の
    電気Cu−Ni合金めっきを付着量が5〜90g/m2
    となるように施してCu−Ni合金被覆層を形成させ
    る、酸性環境下での緑錆の早期生成能に優れるCu−N
    i合金被覆ステンレス鋼板の製造方法。
  11. 【請求項11】 形成させたCu−Ni合金被覆層の上
    にさらに付着量0.5〜9g/m2の電気Cuめっきを施
    す、請求項7,8,9または10に記載のCu−Ni合
    金被覆ステンレス鋼板の製造方法。
  12. 【請求項12】 鋼板は板厚0.2〜1.0mmの薄鋼帯
    である、請求項1,2,3または4に記載のCu−Ni
    合金被覆ステンレス鋼板。
  13. 【請求項13】 鋼板は板厚0.2〜1.0mmの薄鋼帯
    である、請求項5または6に記載のCu−Ni合金被覆
    用ステンレス鋼原板。
  14. 【請求項14】 鋼板は板厚0.2〜1.0mmの薄鋼帯
    である、請求項7,8,9,10または11に記載のC
    u−Ni合金被覆ステンレス鋼板の製造方法。
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