JPH1161022A - インクジェット用インク組成物、その製造方法、及びそのインク組成物を用いるインクジェット記録方法 - Google Patents
インクジェット用インク組成物、その製造方法、及びそのインク組成物を用いるインクジェット記録方法Info
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- JPH1161022A JPH1161022A JP22834497A JP22834497A JPH1161022A JP H1161022 A JPH1161022 A JP H1161022A JP 22834497 A JP22834497 A JP 22834497A JP 22834497 A JP22834497 A JP 22834497A JP H1161022 A JPH1161022 A JP H1161022A
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Abstract
施してもインクヘッドからの飛行曲がりが発生すること
がなく、しかも耐水性及び耐光性の点でも優れた印字品
質を得ることができるインクジェット用インク組成物を
提供する。 【解決手段】 水性媒体中に、カーボンブラック、有機
顔料及び分散剤を含有する。
Description
インク組成物、その製造方法、及びそのインク組成物を
用いるインクジェット記録方法に関する。
ンクとしては、シアンインクとイエローインクとマゼン
タインクとからなるコンポジットブラックを用いること
ができる。しかし、コンポジットブラックから得られる
濃度は、一般に低く、また印字画像の耐光性も劣るの
で、従来から、着色剤としてはカーボンブラックが中心
的に使用されている。ただし、着色剤としてカーボンブ
ラックのみを使用すると、記録ヘッドからの吐出安定性
に支障をきたすことがあるので、これらの欠点を解消す
る試みが従来から行われている。
は、カーボンブラックと染料とを含む水性黒色インクが
記載されており、このインクは、優れた印字堅牢性(例
えば、耐水性、耐マーカー性及び耐摩擦性)を有すると
共に優れた吐出安定性を有するものとされている。
は、無機顔料(特にはカーボンブラック)と分散剤と2
酸化チタン微粒子又はアルミナ微粒子とを含む水性黒色
インクが記載されており、このインクによって優れた印
字濃度と品位を有する信頼性に優れた記録方法が可能に
なるとされている。
前記インクを用いて実施するインクジェット記録方式
は、短期間の吐出安定性には優れるものの、長時間に亘
って実施すると、いずれのインクの場合でも、インクヘ
ッドから記録紙までのインク滴の飛行軌跡が不規則にラ
ンダムな方向に曲がる飛行曲がり(以下、アラインメン
ト不良と称す)が起こるようになるために、意図したと
おりの記録を記録紙上に印刷することができなくなると
いう欠点があった。このようなアラインメント不良は、
高品位画像が要求される最近の記録方法や、今後需要が
増えると思われる同原稿複数枚印字等のようなプリンタ
の稼働時間が長期に亘って要求される記録方法にとって
は、致命的な欠陥となる。
印字物の耐光性が不充分であるという欠点もあった。
用インク組成物として要求される印字品質を維持しなが
ら、長時間に亘ってインクジェット記録方式を実施する
と発生する前記のアラインメント不良を解消することに
ある。
よる、水性媒体中に、カーボンブラック、有機顔料及び
分散剤を含有することを特徴とする、インクジェット用
インク組成物によって解決することができる。
とができるカーボンブラックは、通常のインクジェット
用インク組成物に従来から使用されているカーボンブラ
ックであることができ、具体的には、ファーネスブラッ
ク、ランプブラック、アセチレンブラック、又はチャン
ネルブラック類を挙げることができる。
な有機顔料であれば特に限定されないが、好ましくは
C.I.ピグメントイエロー、C.I.ピグメントレッ
ド、及び/又はC.I.ピグメントブルーを使用するこ
とができる。C.I.ピグメントイエロー、C.I.ピ
グメントレッド、及びC.I.ピグメントブルーの具体
例を挙げれば以下のとおりである。
イエローG)、3、12(ジスアゾイエローAAA)、
13、14、17、24、34、35、37、42(黄
色酸化鉄)、53、55、81、83(ジスアゾイエロ
ーHR)、95、97、98、100、101、10
4、108、109、110、117、120、13
8、153;C.I.ピグメン卜レッド1、2、3、
5、7、17、22(ブリリアントファーストスカーレ
ット)、23、31、38、48:2〔パーマネントレ
ッド2B(Ba)〕、48:2〔パーマネントレッド2
B(Ca)〕、48:3〔パーマネントレッド2B(S
r)〕、48:4〔パーマネントレッド2B(M
n)〕、49:1、52:2、53:1、57:1(ブ
リリアントカーミン6B)、60:1、63:1、6
3:2、64:1、81(ローダミン6Gレーキ)、8
3、88、101(べんがら)、104、105、10
6、108(カドミウムレッド)、112、114、1
22(キナクリドンマゼンタ)、123、146、14
9、166、168、170、172、177、17
8、179、185、190、193、209、21
9;又はC.I.ピグメントブルー1、2、15(フタ
ロシアニンブルーR)、15:1、15:2、15:3
(フタロシアニンブルーG)、15:4、15:6(フ
タロシアニンブルーE)、16、17:1、56、6
0、63。
ンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の黒色
有機顔料を用いることができる。
I.ピグメントオレンジ1、2、5、7、13、14、
15、16、34、36、38;C.I.ピグメントバ
イオレット1、2、19、32;C.I.ピグメントグ
リーン1、4、36;C.I.ピグメントブラウン3、
5、25、26等を用いることもできる。
て、カーボンブラックと少なくとも1種の有機顔料が含
まれていれば使用することができる。また、色調を調節
するために、カーボンブラックと、2種又は3種あるい
はそれ以上の有機顔料を組み合わせることもできる。カ
ーボンブラック+有機顔料1種の場合には、色調が黒に
近い有機顔料群の中から選ばれることが望ましく、好ま
しくはC.I.ピグメントブラック1(アニリンブラッ
ク)、C.I.ピグメントブラウン26(ペリレンブラ
ウン)、C.I.ピグメントバイオレット、C.I.ピ
グメントグリーン、又はC.I.ピグメントブルーの中
から選ばれる一種を用いることができる。色調を合わせ
るためには、好ましくはカーボンブラックにC.I.ピ
グメントY、M、Cの群からそれぞれ選ばれる有機顔料
を添加して使用することができる。
有機顔料の合計含有量は、印字物に要求される色目、濃
度、あるいは、好ましいインク物性を満たすために決定
されるものであって、顔料の比重や嵩密度によって異な
り、特に限定されるものではないが、インク組成物全重
量に対して、好ましくは0.5〜30重量%、より好ま
しくは1〜12重量%である。顔料全体の含有量が0.
5重量%未満になると印字濃度を確保することができな
くなることがあり、30重量%を越えるとインク組成物
の粘度特性に構造粘性が生じ、吐出安定性を確保するこ
とができなくなることがある。1〜12重量%の範囲内
になると、高印字濃度が得られ、そしてインクジェット
用インク組成物としての適性が向上するので好ましい。
(カーボンブラック:有機顔料)((w/w)は、使用
するカーボンブラックと選択する有機顔料の諸特性によ
って異なり、特に限定されるものではないが、好ましく
は90:10〜30:70、より好ましくは90:10
〜50:50である。カーボンブラックの含有量が有機
顔料の含有量の9重量倍を越えると長期間の吐出安定性
が損なわれることがあり、3/7重量倍より少ないと充
分な印字濃度が得られなかったり耐光性が損なわれるこ
とがある。また、前記の含有比率(カーボンブラック:
有機顔料)が90:10〜50:50の範囲内になると
長期間の吐出安定性と印字品質を確保することができる
ので好ましい。
ラック及び有機顔料を水性媒体中に分散させることので
きる分散剤を含有する。本発明のインク組成物において
使用することのできる分散剤としては、親水性部分と疎
水性部分とを分子中に有する共重合体樹脂、具体的に
は、アクリル酸系分散剤、例えば、スチレン−アクリル
酸共重合体、スチレン−アクリル酸−アクリル酸エステ
ル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、又はス
チレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、
マレイン酸系分散剤、例えば、スチレン−マレイン酸共
重合体、アクリル酸エステル−マレイン酸共重合体、又
はスチレン−アクリル酸エステル−マレイン酸共重合
体、スルホン酸系分散剤、例えば、アクリル酸エステル
−スチレンスルホン酸共重合体、スチレン−メタクリル
スルホン酸共重合体、又はアクリル酸エステル−アリル
スルホン酸共重合体、あるいはこれらの塩を挙げること
ができる。好ましい分散剤は、樹脂分散剤、特には、ス
チレンアクリル酸共重合体分散剤であり、重量平均分子
量(以後単に分子量と称す)が1600〜25000
で、酸価が100〜250の共重合体分散剤を使用する
のが特に好ましい。
は市販されており、具体的には、ジョンソンポリマ−株
式会社製の分散剤、例えば、ジョンクリル68(分子量
=10000;酸価=195)、ジョンクリル679
(分子量=7000;酸価=200)、ジョンクリル6
80(分子量=3900;酸価=215)、ジョンクリ
ル682(分子量=1600;酸価=235)、ジョン
クリル550(分子量=7500;酸価=200)、ジ
ョンクリル555(分子量=5000;酸価=20
0)、ジョンクリル586(分子量=3100;酸価=
105)、ジョンクリル683(分子量=7300;酸
価=150)、又はB−36(分子量=6800;酸価
=250)等を用いることができる。
ブラック及び有機顔料の種類及び含有量によって異な
り、特に限定されるものではないが、重量比(顔料全
体:樹脂分散剤)が20:1〜5:2の範囲であるのが
好ましい。
なると、インク組成物を放置した場合の経時的な顔料の
分散安定性(凝集発生、粘度特性劣化)が悪化すること
があり、この比率より高くなるとインク組成物が乾燥し
た場合に必要となる再分散性を得ることができないこと
がある。
を形成させることにより、その樹脂分散剤を溶解させる
のが好ましい。この目的で使用するアルカリ中和剤とし
ては、アクリル酸部分のカウンターイオンを提供するこ
とのできる化合物、例えば、アミノメチルプロパノー
ル、2−アミノイソプロパノール、トリエタノールアミ
ン、モルホリン、及び/又はアンモニア水等を挙げるこ
とができる。アルカリ中和剤の含有量は、カウンターイ
オンとして前記樹脂分散剤を中和することのできる量
(中和当量)又はそれ以上であることができ、中和当量
のほぼ1.3倍の量で含有すると、印字後の定着性の点
から好ましい。更に、プロピレングリコ−ル、及び/又
はイソプロパノールなどを樹脂分散剤の溶解肋剤として
用いることもできる。
には、分散剤中の塩をイオン解離させやすいようにpH
緩衝液を添加し、インク組成物を最適なpH値に調節す
るのが好ましい。pH緩衝液の具体例としては、フタル
酸水素カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二
ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム、酒石酸水素カリウ
ム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、トリス(ヒ
ドロキシメチル)アミノメタン、及び/又はトリス(ヒ
ドロキシメチル)アミノメタン塩酸塩等の水溶液を用い
ることができる。その含有量は、ヘッドの部材の耐久性
とインク組成物の安定性の観点から、概ねインク組成物
がpH7〜pH10になる量であることが好ましい。
塑性樹脂エマルジョンを含有することができる。この熱
可塑性樹脂エマルジョンは、水中でエチレン性不飽和モ
ノマーを乳化重合若しくは懸濁重合させて調製するか、
又は水中に熱可塑性樹脂を乳化させることによって調製
したエマルジョンが好ましい。
熱可塑性樹脂成分としては、インクジェット記録用イン
ク組成物において従来から使用されている熱可塑性樹脂
エマルジョンと同様の熱可塑性樹脂成分を使用すること
ができる。熱可塑性樹脂としては、具体的には、アクリ
ル系重合体、例えば、ポリアクリル酸エステル若しくは
その共重合体、ポリメタクリル酸エステル若しくはその
共重合体、ポリアクリロニトリル若しくはその共重合
体、ポリシアノアクリレート、ポリアクリルアミド、ポ
リアクリル酸、又はポリメタクリル酸;ポリオレフィン
系重合体、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リブテン、ポリイソブチレン、ポリスチレン若しくはそ
れらの共重合体、石油樹脂、クマロン・インデン樹脂、
又はテルペン樹脂;酢酸ビニル・ビニルアルコール系重
合体、例えば、ポリ酢酸ビニル若しくはその共重合体、
ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、又はポ
リビニルエーテル;含ハロゲン系重合体、例えば、ポリ
塩化ビニル若しくはその共重合体、ポリ塩化ビニリデ
ン、フッ素樹脂、又はフッ素ゴム;含窒素ビニル系重合
体、例えば、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルピロ
リドン若しくはその共重合体、ポリビニルピリジン、又
はポリビニルイミダゾール;ジエン系重合体、例えば、
ポリブタジエン若しくはその共重合体、ポリクロロプレ
ン、又はポリイソプレン(ブチルゴム);あるいはその
他の開環重合型樹脂、縮合重合型樹脂、又は天然高分子
樹脂等を用いることができる。
ク組成物全体に対して、好ましくは30重量%以下、よ
り好ましくは0.5〜30重量%、更に好ましくは1〜
20重量%である。含有量を0.5重量%以上にするこ
とによって、一層良好な印字品質、特に印字濃度を確保
することができ、含有量を30重量%以下にすることに
よって、目詰まりの発生を抑制した上でインクの定着性
を付与することができる。
り、水溶性高分子化合物を、インク組成物全体に対し
て、好ましくは15重量%以下、より好ましくは3〜1
0重量%の量で含有して、適切な粘度を確保することが
できる。
の誘導体、例えば、サッカロース、マルチトール、マル
トース、ソルビトール、マンニトール、又はグルコース
の1種又はそれ以上を組合せて用いることができる。ま
た、水酸基の含有量が大きく、水溶性が大きい化合物、
例えば、ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウ
ム、若しくはポリエチレンオキサイド等の水溶性樹脂、
及び/又はそれらの変性化合物も使用することができ
る。これらの水溶性高分子化合物を用いると、インク組
成物の吐出安定性を向上させることができる。
により、水溶性の多価アルコールを、インク組成物全体
に対して、好ましくは25重量%以下、より好ましくは
6〜20重量%の量で含有することにより、吐出安定性
を確保することができる。しかし、含有量が多すぎると
乾燥不良となることがあるので注意が必要である。
炭素数3〜10の2価〜3価アルコール、例えば、グリ
セリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、
トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘ
キシレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール
の1種又はそれ以上を組合せて用いることができる。
により、界面活性剤を、インク組成物全体に対して、好
ましくは2重量%以下、より好ましくは0.1〜1重量
%の量で含有することにより、吐出安定性を確保するこ
とができる。しかし、含有量が多すぎると起泡性が大き
くなり、吐出安定性を損なわせる危険性が生じる。
面活性剤、例えば、高級脂肪酸塩、高級アルキルジカル
ボン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルキ
ルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アル
キルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸の
塩(例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、又はカ
ルシウムとの塩)、ホルマリン重縮合物、高級脂肪酸と
アミノ酸との縮合物、ジアルキルスルホコハク酸エステ
ル塩、アルキルスルホコハク酸塩、ナフテン酸塩等、ア
ルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド、α−
オレフィンスルホン酸塩、N−アシルメチルタウリン、
アルキルエーテル硫酸塩、第二級高級アルコールエトキ
シサルフェート、モノグリサルフェート、アルキルエー
テル燐酸エステル塩、アルキル燐酸エステル塩、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテル硫酸アンモニウム塩、ポ
リオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム塩、
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸アン
モニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエー
テル硫酸ナトリウム塩、ポリオキシエチレンアルキル硫
酸モノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキル
エーテル燐酸アンモニウム塩、ポリオキシエチレンアル
キルエーテル燐酸カリウム塩、ポリオキシエチレンアル
キルエーテル燐酸ジエタノールアミン、アルキルナフタ
レンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム等
を挙げることができる。
ば、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、ポ
リオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキ
シエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエ
チレンアルキルフェニルエーテル、ソルビタンモノステ
アレート、アセチレングリコール、アセチレングリコー
ルのエチレンオキサイド付加物(アセチレングリコール
アルコールエチレンオキサイド)、プロピルエタノール
アミド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオ
キシエチレンアルキルフェニルエーテル、等を挙げるこ
とができる。
に各種の配合成分を含有している。従って、場合によ
り、主溶媒である水に加えて、一価アルコールを、イン
ク組成物全体に対して、好ましくは15重量%以下、よ
り好ましくは1〜10重量%の量で含有することによ
り、インク組成物の乾燥性、及び浸透性を向上させるこ
とができる。一価アルコールとしては、例えば、炭素数
2〜4のアルカノール、例えば、エタノール、1−プロ
パノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブ
タノール、iso−ブタノール、又はt−ブタノールの
1種又は2種以上を組合せて用いることができる。
他必要に応じて、防カビ、防腐、防錆等の目的で安息香
酸、ジクロロフェン、ヘキサクロロフェン、ソルビン
酸、p−ヒドロキシ安息香酸エステル、エチレンジアミ
ン四酢酸(EDTA)、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,
2−ベゾチアゾリン−3−オン〔製品名:プロキセルX
LII(ICI製)〕、3,4−イソチアゾリン−3−オ
ン等を含むことができる。更にノズル乾燥防止の目的
で、尿素、チオ尿素、及び/又はエチレン尿素等を添加
することができる。
制御することができるが、本発明の好ましい態様によれ
ば、インク組成物の粘度は、好ましくは25mPa・秒
以下、より好ましくは10mPa・秒以下(25℃)で
ある。粘度がこの範囲内にあると、インク組成物をイン
ク吐出ヘッドから安定に吐出させることができる。ま
た、インクの表面張力は適宜制御することができるが、
30〜50mN/m(25℃)であることが好ましい。
性媒体中に、カーボンブラックと、有機顔料と、分散剤
とを同時に添加し、分散処理を行うことによって製造す
ることができる。分散処理としては、特に限定されるも
のではないが、例えば、第1の工程として分散剤とアル
カリ中和剤及び溶解助剤を水性媒体(例えば、イオン交
換水)で均一な溶液(ビヒクル)とする工程と、第2の
工程として上記ビヒクル中にカーボンブラックと有機顔
料を同時に添加して分散剤成分の浸透を図るプレミキシ
ングの工程と、第3の工程としてビーズミルによる微粒
化工程とによって製造することができる。更に、分散剤
の顔料表面への吸着を促進させるために、必要に応じ
て、低シェアレート攪拌等の後処理を用いることもでき
る。
クジェット記録方法に、有利に用いることができる。ま
た、特に、インク組成物のインク滴を、印字ヘッドか
ら、加熱された記録媒体に吐出してインク像を形成する
インクジェット記録方法に用いた場合には、約80〜1
20℃に加熱された記録媒体上にインクが付着した際
に、加熱によってインク組成物が急速に増粘し、高品質
画像を得ることができる。
の顔料インク組成物を開発する過程で以下の知見を得
た。もっとも、本発明は、以下の推論によって限定され
るものではない。
いられているカーボンブラックの一次粒子径は、平均粒
径で10〜40nmであるが、水性分散液中では、それ
らの各カーボンブラック一次粒子が個々に分散されてい
るのではなく、それらの各カーボンブラック一次粒子の
数個乃至数十個が連なって房状のストラクチャーを形成
し、100nm〜200nm程度の大きさの二次粒子単
位で分散している。一方、有機顔料は、その一次粒子の
平均粒径が20〜100nmであり、水性分散液中で
は、それらの各有機顔料が単独で、又はせいぜい数個が
一緒になって40〜200nm程度の大きさの二次粒子
を形成して分散している。
トラクチャー構造を形成することができるほど粒子間の
相互作用が強く、お互いが引っ張りあって、一次粒子の
5〜10倍の大きさで安定分散しているのに対して、有
機顔料は、相互作用が弱く、単独若しくは、一次粒子の
数倍の大きさで安定的に分散していることが分かった。
ぞれ単独で含有するインクジェット用インク組成物にお
いて、有機顔料を含み、カーボンブラックを含まないイ
ンク組成物は、長期間に亘り安定的に記録ヘッドのノズ
ルから吐出され、飛行曲がりもなく良好な印字を得るこ
とができる。しかし、カーボンブラックを含み、有機顔
料を含まないインク組成物は、初期的には飛行曲がりを
おこさずに印字することができるものの、長期間に亘っ
て吐出を続けると飛行曲がりが徐々に発生し、数十分〜
数時間後には劣悪な印字になってしまう。同様の現象
は、一次粒子径が同程度のカーボンブラックと有機顔料
とを用いて比較しても観察される。従って、一次粒子間
の物理的又は化学的作用の差異が、前記の現象の原因で
あると考えられる。
を添加し、混合して分散させたところ、意外にも、カー
ボンブラック単独で含有するインク組成物における飛行
曲がりが解消し、有機顔料単独で含有するインク組成物
と同等の長期に亘る吐出安定性を確保することができる
ことを見い出した。また、カーボンブラックに有機顔料
を混合して用いるので、印字物の耐光性も優れており、
満足することのできる印字品質を得ることができる。す
なわち、カーボンブラックに有機顔料を組み合わせるこ
とによって、長期に亘る吐出安定性(アライメント不良
の解消)を確保した上で、顔料の有する耐光性の優れた
点も維持することができる。更に、カーボンブラック特
有の赤みを、有機顔料の配合比率によって簡単になくす
こともできる。
微鏡で観察すると、有機顔料を含み、カーボンブラック
を含まないインク組成物の場合には、ノズル孔の周辺部
の全円周上に均一に薄膜が形成されているのに対し、カ
ーボンブラックを含み、有機顔料を含まないインク組成
物の場合には、ノズル孔の周辺部の一部のみにカーボン
ブラックが付着していることも分かった。これは、イン
クがノズル孔からの吐出時に、高いせん断速度が印加さ
れるために、カーボンブラックは粒子間の相互作用によ
る吸引力が働き、インクの飛び散りが発生することによ
るものと考えられる。従って、カーボンブラックを含
み、有機顔料を含まないインク組成物では、インク放出
孔の周辺部の一部に付着したカーボンブラックに、吐出
されるインク組成物がその付着カーボンブラックの作用
を受け、吐出方向を偏向させられるものと考えられる。
ところが、有機顔料を含み、カーボンブラックを含まな
いインク組成物では、ノズル孔の周辺部が均一に濡れ
て、薄膜が形成されるので、吐出方向を偏向させられる
ことがないものと考えられる。本発明のインク組成物に
おいても、有機顔料を含み、カーボンブラックを含まな
いインク組成物の場合と同様に、ノズル孔の周辺部の全
円周上に均一に薄膜が形成されているので、吐出方向を
偏向させられることがないものと考えられる。
するが、これらは本発明の範囲を限定するものではな
い。
記録用インク組成物を、以下の手順で調製した。
0;重量平均分子量=7500;酸価=200)4重量
部、トリエタノールアミン2.7重量部、及びイソプロ
ピルアルコール0.4重量部を、イオン交換水72.9
重量部に、70℃の加温下で完全に溶解させた。
菱化成株式会社製)20重量部を前記溶液に加え、プレ
ミキシングを行った後、アイガーミル(アイガージャパ
ン社製)でカーボンブラックの平均粒子径(二次粒子
径)が100nmになるまで分散を行い(ビーズ充填率
=70%;メディア径=0.7mm)、目的のカーボン
ブラック分散液(以下、CB分散液と称する)を得た。
0;重量平均分子量=7500;酸価=200)4重量
部、トリエタノールアミン2.7重量部、及びイソプロ
ピルアルコール0.4重量部を、イオン交換水72.9
重量部に、70℃の加温下で完全に溶解させた。
3、20重量部を前記溶液に加え、プレミキシングを行
った後、アイガーミル(アイガージャパン社製)で顔料
の平均粒子径が110nmになるまで分散を行い(ビー
ズ充填率=70%;メディア径=0.7mm)、目的の
シアン有機顔料分散液(以下、C分散液と称する)を得
た。
0;重量平均分子量=7500;酸価=200)5重量
部、トリエタノールアミン3.4重量部、及びイソプロ
ピルアルコール0.4重量部を、イオン交換水71.2
重量部に、70℃の加温下で完全に溶解させた。
重量部を前記溶液に加え、プレミキシングを行った後、
アイガーミル(アイガージャパン社製)で顔料の平均粒
子径が120nmになるまで分散を行い(ビーズ充填率
=70%;メディア径=0.7mm)、目的のマゼンタ
有機顔料分散液(以下、M分散液と称する)を得た。
0;重量平均分子量=7500;酸価=200)6重量
部、トリエタノールアミン4.1重量部、及びイソプロ
ピルアルコール0.4重量部を、イオン交換水69.5
重量部に、70℃の加温下で完全に溶解させた。
0重量部前記溶液に加え、プレミキシングを行った後、
アイガーミル(アイガージャパン社製)で顔料の平均粒
子径が115nmになるまで分散を行い(ビーズ充填率
=70%;メディア径=0.7mm)、目的のイエロー
有機顔料分散液(以下、Y分散液と称する)を得た。
物を調製した。
分40.0%製品の水分散液であり、マルチトールは固
形分80%の水溶液であるため、前記の値は固形分換算
した値で示してある。また、アニオン性界面活性剤とし
ては、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫
酸のアンモニウム塩〔ハイテノールNo.7;第一工業
製薬株式会社〕を使用した。使用したスチレンアクリル
エステルエマルジョンにおけるスチレンアクリルエステ
ルの最低造膜温度(MFT)は85℃であった。
こうして得られたインク組成物を、金属メッシュフィル
ター(真鍋工業株式会社製;綾織り=2300メッシ
ュ)に通過させて、本発明のインク組成物を得た。
成分を下記の表1に記載の配合量で用いること以外は前
記実施例1に記載の調製方法と同様の方法により、実施
例2〜5のインク組成物を得た。
ンブラック)を用いること以外は、前記実施例1(b)
に記載のシアン有機顔料分散液の調製方法と同じ方法
で、ブラック有機顔料分散液を得た。
ること以外は、前記実施例1(c)に記載のマゼンタ有
機顔料分散液の調製方法と同じ方法で、ブラウン有機顔
料分散液を得た。
量で用いること以外は前記実施例1に記載の調製方法と
同様の方法により、実施例6及び7のインク組成物を得
た。
0:重量平均分子量=7500;酸化=200)5重量
部、トリエタノールアミン3.4重量部、及びイソプロ
ピルアルコール0.4重量部をイオン交換水71.2重
量部に、70℃の加温下で完全に溶解させた。
菱化成株式会社)10重量部と、C.I.ピグメントブ
ルー15:3(フタロシアニンブルーG)3重量部と、
C.I.ピグメントレッド7、4重量部と、C.I.ピ
グメントイエロー3、の3重量部とを同時に加え、プレ
ミキシングを行った後、アイガーミル(アイガージャパ
ン社製)で顔料の平均粒径が100〜130mmになる
まで分散を行い(ビーズ充填率=70%;メディア径=
0.7mm)、目的の混合顔料分散液を得た。
量で用いること以外は前記実施例1に記載の調製方法と
同様の方法により、実施例8のインク組成物を得た。
を下記の表1に記載の配合量で用いること以外は前記実
施例1に記載の調製方法と同様の方法により、比較例1
のインク組成物を得た。比較例1のインク組成物は、実
施例1の顔料部分を全てカーボンブラックで構成したイ
ンク組成物である。
を下記の表1に記載の配合量で用いること以外は前記実
施例1に記載の調製方法と同様の方法により、比較例2
のインク組成物を得た。比較例2のインク組成物は、実
施例3のインク組成物における有機顔料分を、市販の染
料で置き換えた組成のインク組成物である。市販の染料
としては、C.I.ダイレクトブラック19を用いた。
成を表1に示す。なお表1中の値は重量%での含有量を
示す。
比較例1及び2で調製したインクジェット記録用インク
組成物を用いたインクジェット記録及び印字物の各種特
性を評価した。
填し、ノズルからインク組成物を吐出させて記録媒体
(Xerox−4024)に印字を行い、印字開始初期
と、2時間経過後との比較を行い、以下の3段階で評価
した。★ ○:2時間の連続印字でも飛行曲がりがなく、初期と同
等レベル。★ △:2時間の連続印字で飛行曲がりの発生がある。初期
と比較して劣るレベルであるが、印字品質は許容でき
る。べタ部に白筋の発生はない。★ ×:2時間の連続印字で飛行曲がりがひどく、ベタ部で
白筋の発生がある。
キセノンフェードメータに200時間暴露し、処理前後
の色度の変化を測定する。色度は、処理前後のCIEL
*a*b*表色法による色度座標上での距離(色差;Δ
E)を測定し、以下の3段階で評価した。★ ○:ΔE≦3 退色はほとんどないレベル。★ △:3<ΔE≦6 退色はあるが、許容できるレベル。
★ ×:ΔE>6 退色がひどいレベル。
印字上を、市販の水性蛍光ペン(ZEBRA蛍光PEN
2)で、300g重の荷重をかけて擦った。以下の3
段階で評価した。★ ○:にじみも、尾引きもない。★ △:にじみはないが、尾引きがやや発生する。★ ×:にじみ及び尾引きが発生する。
たときに印字物から尾を引いたように色筋等が発生する
現象のことである。
らびに比較例1及び2の評価結果を表2に示す。
えた記録装置により、加熱された記録媒体上にインク組
成物滴を吐出して行った。
ブラックと有機顔料とを組み合わせて含有しているの
で、長期間に亘ってインクジェット記録印刷を実施して
もインクヘッドからのアライメント不良が発生すること
がなく、しかも耐光性の点でも優れた印字品質を得るこ
とができる。
Claims (7)
- 【請求項1】 水性媒体中に、カーボンブラック、有機
顔料及び分散剤を含有することを特徴とする、インクジ
ェット用インク組成物。 - 【請求項2】 C.I.ピグメントイエロー、C.I.
ピグメントレッド、及びC.I.ピグメントブルーから
なる群から選んだ少なくとも一種の有機顔料を含有する
請求項1に記載のインク組成物。 - 【請求項3】 C.I.ピグメントイエローと、C.
I.ピグメントレッドと、C.I.ピグメントブルーと
を含有する請求項2に記載のインク組成物。 - 【請求項4】 熱可塑性樹脂エマルジョンを更に含む請
求項1〜3のいずれか一項に記載のインク組成物。 - 【請求項5】 水性媒体中に、カーボンブラックと、有
機顔料と、分散剤とを同時に添加し、分散処理を行うこ
とを特徴とする、インクジェット用インク組成物の製造
方法。 - 【請求項6】 請求項1〜4のいずれか一項に記載のイ
ンク組成物をインク滴として吐出して記録を行うことを
特徴とする、インクジェット記録方法。 - 【請求項7】 加熱された記録媒体上に、インク組成物
をインク滴として吐出して記録を行う請求項6に記載の
記録方法。
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