JPH1159940A - 用紙搬送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 用紙さばき装置のリタードローラを、用紙搬
送装置の搬送ローラに連動させて駆動するに際して、リ
タードローラの支持と駆動伝達機構の構成を簡素化し、
装置の小型化に対処させるようにする。 【解決手段】 装置の本体フレームに搬送ローラ２６の
軸２７を支持させ、軸２７に揺動可能に支持させたリン
ク部材を介してリタードローラ２４を設け、駆動伝導装
置３３を介して軸２７の回転をリタードローラに伝達す
る。前記軸２７に設けたトルクリミッタ３６を介してリ
タードギヤ３９に駆動伝達する駆動伝導装置を配置し、
リンク部材の揺動に影響されない駆動系を設け、リター
ドローラの支持部材をコンパクトに構成し、装置内部の
余裕スペース内に配置する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、画像形成装置等の
用紙を１枚ずつ分離して送るための給紙装置に関し、特
に、用紙さばき作用を行うリタードローラの構成を簡素
化可能にする用紙搬送装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、複写機や、ファクシミリ装
置、プリンタ等の画像形成装置においては、給紙トレイ
等から用紙を供給する給紙装置を、ピックアップローラ
と用紙さばき装置、および搬送ローラ装置を組み合わせ
て構成している。そして、給紙トレイに収容されている
用紙を、用紙さばき装置により１枚ずつ分離して画像記
録部に向けて送り出し、画像記録部で記録紙を作成する
ようにしている。前記用紙さばき装置においては、固定
位置に配置して給紙方向に駆動される給紙ローラに対し
て、給紙方向と反対方向に駆動されるリタードローラを
組み合わせており、前記リタードローラに対してトルク
リミッタを設けて、用紙さばき作用を良好に行い得るよ
うにしている。

【０００３】前記リタードローラと搬送ローラの配置と
駆動伝達のための機構は、例えば、図５に示される分離
供給装置２０ａとして示されるように構成されている。
前記分離供給装置２０ａにおいては、画像形成装置の用
紙搬送路の両側で、用紙搬送路の側部に配置する本体フ
レーム３０、３０に配置する軸受け部材を介して、搬送
ローラ２６の軸２７とリタードローラ２４の軸２５とを
それぞれ支持させている。また、前記本体フレーム３０
に沿わせて駆動伝導装置を設けており、前記駆動伝導装
置は図示を省略する駆動手段の入力ギヤ３４から駆動力
が伝達されるもので、軸２５にはリタードギヤ３９とト
ルクリミッタ３６とを設け、軸２７には伝導ギヤ３７を
配置して、各ギヤの間に中間ギヤ３８を設けている。そ
して、前記搬送ローラ２６に対する駆動を行う際に、ト
ルクリミッタ３６を介してリタードローラ２４に対する
駆動を行い、リタードローラによる用紙さばきの作用を
行うことができるようにする。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、前記分離供
給装置を支持する用紙搬送路に対して、その両側の本体
フレーム３０、３０は、画像形成装置で使用可能な最大
サイズの用紙の巾よりも外側に配置されているものであ
るために、ローラを支持する軸が非常に長く形成されて
おり、分離供給装置が大型になるという問題がある。そ
して、ローラを支持する軸が長くなることから、装置の
支持と駆動伝達のための各部材を強固なものとして構成
する必要があり、装置の製作コストが上昇するという問
題もある。また、本体フレームの外側の部分に駆動伝導
装置を配置し、リタードローラに駆動力を伝達するため
のトルクリミッタが、その外側に配置されていることか
ら、本体フレームの外側に大きく突出するために、画像
形成装置を小型に形成するための障害となっている。さ
らに、リタードローラにおけるニップ圧力を調整する際
等にも、リタードローラの支持部材が大型であるため
に、メンテナンスの手間の問題もあり、装置を小型に構
成して、メンテナンスを容易に行い得るように機構の開
発が望まれている。

【０００５】本発明は、前述したような分離供給装置の
問題を解消するもので、リタードローラを支持する部材
と駆動伝達部材とを、本体フレームの内側で搬送ローラ
の軸に対して着脱可能に設け、装置の構成を小型化でき
る装置を提供することを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、搬送ローラと
リタードローラとを対向させて配置し、両ローラの間で
用紙さばき作用を行い、下流部に配置する搬送ローラ装
置により用紙の搬送を行う装置に関する。本発明の請求
項１の発明は、前記装置の搬送ローラの軸に揺動可能に
支持されるリンク部材を介してリタードローラを支持
し、前記リンク部材にリタードローラに対する駆動伝導
装置を設けたことを特徴とする。また、請求項２の発明
は、前記駆動伝導装置にトルクリミッタを設け、前記ト
ルクリミッタを搬送ローラのローラ端部近傍に配置する
ことを特徴とする。請求項３の発明は、前記リタードロ
ーラとリンク部材および、駆動伝導装置とトルクリミッ
タとを１つのユニットとして構成し、前記ユニットのリ
ンク部材端部を、搬送ローラの軸に対して着脱可能に構
成することを特徴とする。

【０００７】前述したように構成したことにより、本発
明においては、リタードローラを支持するリンク部材と
駆動伝導装置とを本体フレームの内側に配置しているこ
とにより、装置の構成をコンパクトにすることができ、
用紙搬送路に対応する空間を有効に使用することができ
る。また、リタードローラに対する駆動伝導装置を搬送
ローラの軸を介して支持するリンク部材に対して配置す
ることにより、リタードローラの軸を短く構成でき、リ
タードローラの支持部材を軽量化してコストを低減させ
ることが可能である。さらに、リタードローラとリンク
部材および駆動伝導装置とを１つのユニットとして構成
することにより、リタードローラの交換やメンテナンス
を容易に行うことができる。

【０００８】

【発明の実施の形態】図示される例にしたがって、本発
明の用紙搬送装置を説明する。図１に示す例は、本発明
の分離供給装置２０の構成を示すもので、前記図５の例
と同様に、搬送ローラとリタードローラとの配置関係と
駆動伝達機構とを示し、分離供給装置を構成する他のロ
ーラ部材を省略して示している。前記分離供給装置２０
においては、装置本体の本体フレーム３０、３０に設け
た軸受け部材を介して搬送ローラ２６の軸２７を支持し
ており、前記軸２７に対しては、入力ギヤ３４から軸端
ギヤ３５を介して駆動伝達が行われて、搬送ローラ２６
を駆動する。前記搬送ローラの軸２７には一対のリンク
部材３２、３２を搬送ローラ２６の両側に揺動可能に支
持し、前記リンク部材の先端部には軸２５を配置してリ
タードローラ２４を設け、前記リタードローラに対する
駆動伝導装置３３を１つのリンク部材３２に沿わせて設
けている。

【０００９】前記駆動伝導装置３３においては、搬送ロ
ーラの軸２７に設けたトルクリミッタ３６を介して伝導
ギヤ３７を駆動し、中間ギヤ３８を介してリタードギヤ
３９を設けた軸２５を駆動するもので、リンク部材の揺
動に影響されずにリタードローラの駆動を行い得るよう
にする。前記リタードローラの支持機構と駆動伝達機構
とは、図２に示すような１つのユニットとして構成し、
リタードローラユニット３１を搬送ローラの軸２７に対
して装着することにより、リタードローラの支持と駆動
伝達を行い得るようにする。

【００１０】前記リタードローラユニット３１を軸２７
に対して装着する際には、リタードローラユニットの軸
受部を搬送ローラ２６に対応させて位置決めし、軸２７
を本体フレームに対して装着することができる。そし
て、前記軸２７に対して搬送ローラと伝導ギヤ３７を組
み合わせたトルクリミッタ３６とを固定し、リンク部材
を軸に対して位置決めすることにより、リタードローラ
２４の揺動と駆動とを行い得るようにする。したがっ
て、前述したような構成のリタードローラユニット３１
を用いることにより、用紙さばき装置と用紙搬送装置と
を一体のものとして構成することができ、装置のメンテ
ナンスやリタードローラユニットの交換等の作業を容易
に行うことができる。また、本実施例に示すリタードロ
ーラユニット３１は、任意の分離供給装置に適用が可能
であり、対象とするＡＤＦに合わせてユニットの一部の
構成を変更するのみで、基本構成を変更せずに多くのＡ
ＤＦに組み込むことができる。

【００１１】前記図１、２に示される装置は、図３に示
すような分離供給装置２０として構成することができる
もので、給紙ローラ２２と対向させてリタードローラ２
４を配置して用紙さばき装置を構成し、その用紙さばき
装置の下流部には搬送ローラ２６と押圧ローラ２８を組
み合わせた給紙ローラ装置を設けている。そして、図示
を省略したトレイの給紙部からピックアップローラによ
り送り込まれた用紙Ｐを、用紙さばき装置を介して１枚
ずつ分離して、搬送ローラ装置のニップ位置に向けて送
り出し、搬送ローラ装置により用紙処理部に向けて給紙
する。

【００１２】前記図３に示される分離供給装置２０にお
いて、リタードローラ２４を支持するためのリンク部材
３２を、横リンク３２ａと、縦リンク３２ｂとを組み合
わせて構成し、横リンクの先端部を搬送ローラの軸に支
持させ、縦リンクの先端にリタードローラの軸を支持さ
せている。また、両リンクを支軸３２ｃを介して揺動可
能に設けるとともに、前記横リンク３２ａに設けるスプ
リングのような付勢手段４０により、リタードローラを
給紙ローラに向けて押圧することにより、リタードロー
ラと給紙ローラとの間で所定のニップ圧力を設定する。
そして、前記リンク部材に対して駆動伝導装置を配置
し、リンク部材を揺動させた場合でも、搬送ローラの回
転に追従させてリタードローラを駆動する作用を良好に
行い得るようにする。

【００１３】記本発明の実施例に示される分離供給装置
は、例えば、図４に示すような画像読取装置に適用する
ことが可能である。図４に示す画像読取装置１には、そ
のフレームの上部にブックものの原稿を載置して、フラ
ットベッドスキャナー（ＦＢＳ）としての動作に対応さ
せるプラテン３ａと、自動原稿搬送装置（ＡＤＦ）に対
応させて、Ｕ字型原稿搬送路１４の下部に対応させるプ
ラテン３とを設けている。そして、前記プラテン３ａに
対しては、原稿カバー部材１５を開いて原稿をセット
し、前記原稿カバー部材を閉じることにより、押圧パッ
ド１６がプラテン３ａの上面に原稿の画像面を押圧させ
て、固定位置にセットした原稿の走査を行う。また、原
稿トレイ１７を用いてシートものの原稿の走査を行う際
には、ＡＤＦに対する原稿搬送路１４を通して原稿を搬
送しながら、プラテン３の部分に配置する走査装置を用
いて画像の読取りの動作を行う。

【００１４】前記走査装置２において、プラテンの下面
に配置する読取り装置は、プラテン３ａの長さ方向全体
に移動し、ランプ４ａとミラーｍ１を配置するフルレー
トキャリッジ４と、２つのミラーｍ２、ｍ３を設け、そ
の半分の距離を移動するハーフレートキャリッジ５とを
配置している。前記２つのキャリッジの駆動のために
は、径が２：１に設定された駆動プーリ６、６ａを同軸
に配置し、各々の駆動プーリに巻き掛けたワイヤまたは
タイミングベルト等の駆動伝導部材７、７ａを介して駆
動する。そして、前記プラテン３ａにセットした原稿に
対しては、図示を省略したセンサの検知情報に応じて、
フルレートキャリッジ４が原稿の走査方向の長さだけ往
復移動し、ハーフレートキャリッジ５が前記フルレート
キャリッジの半分の速度で移動しながら画像情報の読取
りを行い、レンズ８を介してＣＣＤ９に光信号を伝達
し、電気信号として画像情報を出力する。

【００１５】前記ＡＤＦ機能を用いた画像の走査機構
は、原稿トレイ１８に対してピックアップローラ２１を
配置し、その下流部に給紙ローラ２２とリタードローラ
２４とを対向させて設けた用紙さばき装置を配置する。
前記用紙さばき装置から１枚ずつ分離されて送られる原
稿は、Ｕ字型の原稿搬送路１４の湾曲部に設ける搬送ロ
ーラ２６に対して複数の押圧ローラ２８により押圧され
て、プラテン３における走査部を通り、排出ローラ装置
２９から排出トレイ１７に向けて排出される。

【００１６】前記自動原稿搬送装置１０においては、走
査装置２の固定フレームに対して、支軸１２を介して揺
動可能な上部フレーム１１と、ローラ軸２７を介して揺
動可能な中間フレーム１３とを設けている。前記上部フ
レーム１１には原稿搬送路の外側のガイド板と給紙ロー
ラ１２、押圧ローラ２８を配置しており、中間フレーム
１３には原稿搬送路の内側のガイド板とリタードローラ
２４、排出ローラ装置の１つのローラとを配置する。前
記自動原稿搬送装置（ＡＤＦ）１０において、上部フレ
ーム１１を開いた状態では、原稿搬送路１４が開放され
るので、前記原稿搬送路内での原稿のジャムの処理を行
うことができる。また、プラテン３に対する清掃やジャ
ム紙の処理等を行う場合と、リタードローラの押圧力の
調整を行う場合には、中間フレーム１３を開いて行うこ
とができる。

【００１７】したがって、本発明の分離供給装置を原稿
トレイからの原稿の送り装置として構成する場合には、
ＡＤＦの機構に対して容易に組み込むことが可能であ
り、装置の全体の構成をコンパクトにすることが可能で
ある。また、本発明の分離供給装置は、給紙トレイから
の給紙部に対して配置することも可能であり、用紙さば
き装置のリタードローラに対する駆動伝達を正確に行わ
せ、用紙の送りの作用を良好に設定することが可能であ
る。

【００１８】

【発明の効果】本発明の用紙搬送装置は、前述したよう
に構成しているものであり、リタードローラを支持する
リンク部材と駆動伝導装置とを本体フレームの内側に配
置しているので、装置の構成をコンパクトにすることが
でき、用紙搬送路に対応する空間を有効に使用すること
ができる。また、リタードローラに対する駆動伝導装置
を搬送ローラの軸を介して支持するリンク部材に対して
配置することにより、リタードローラの軸を短く構成で
き、リタードローラの支持部材を軽量化してコストを低
減させることが可能である。さらに、リタードローラと
リンク部材および駆動伝導装置とを１つのユニットとし
て構成することにより、リタードローラの交換やメンテ
ナンスを容易に行うことができるとともに、任意のＡＤ
Ｆに対してユニットを共通に使用することが可能であ
る。そして、本発明の装置は、原稿搬送装置における原
稿さばき装置や、給紙トレイからの給紙装置に対して適
用が可能であり、装置の構成をコンパクトにして、画像
形成装置の小型化に対応させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の装置の説明図である。

【図２】 リタードローラの支持と駆動機構とを１つの
ユニットとして構成する例の説明図である。

【図３】 本発明の装置を適用可能な分離供給装置の構
成を示す側面図である。

【図４】 本発明の分離供給装置を適用可能な画像読取
装置の構成を示す説明図である。

【図５】 従来の装置の説明図である。

【符号の説明】

１ 画像読取装置、 ２ 走査装置、 １０ 自
動原稿搬送装置、１８ 原稿トレイ、 ２０ 分離
給紙装置、２１ ピックアップローラ、 ２２ 給
紙ローラ、２４ リタードローラ、 ２６ 搬送ロ
ーラ、 ３０ 本体フレーム、３１ リタードロー
ラユニット、 ３２ リンク部材、３３ 駆動伝導
装置、 ３６ トルクリミッタ、 ３７ 伝導ギ
ヤ、３８ 中間ギヤ、 ３９ リタードギヤ。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 給紙ローラとリタードローラとを対向さ
   せて配置し、両ローラの間で用紙さばき作用を行い、下
   流部に配置する搬送ローラ装置により用紙の搬送を行う
   装置において、 前記装置の搬送ローラの軸に揺動可能に支持されるリン
   ク部材を介してリタードローラを支持し、前記リンク部
   材にリタードローラに対する駆動伝導装置を設けたこと
   を特徴とする用紙搬送装置。
2. 【請求項２】 前記駆動伝導装置にトルクリミッタを設
   け、前記トルクリミッタを搬送ローラのローラ端部近傍
   に配置することを特徴とする請求項１の用紙搬送装置。
3. 【請求項３】 前記リタードローラとリンク部材およ
   び、駆動伝導装置とトルクリミッタとを１つのユニット
   として構成し、 前記ユニットのリンク部材端部を、搬送ローラの軸に対
   して着脱可能に構成することを特徴とする請求項１また
   は２に記載の用紙搬送装置。