JPH1159711A - 蓋嵌合容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 蓋と容器本体とを一体化し得るだけでなく、
容器本体の中に収納した水分を外に漏らさない密閉性を
備え、なおかつ製造が容易な蓋嵌合容器を提供する。 【解決手段】 互いに対面接合する鍔面８を有する縁部
を形成したを容器本体２と、蓋３とからなり、この容器
本体２の鍔面８に蟻溝状の受溝７を鍔面８に沿って周設
するとともに、この受溝７と凹凸嵌合し得る環状凸部１
２を蓋３の鍔面１３に沿って周設してなり、受溝７と環
状凸部１２の凹凸嵌合によって、容器本体２と蓋３との
一体化状態を維持し得るようにして蓋嵌合容器１とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は合成樹脂製シート
（合成樹脂フィルムを含む）を成形してなる容器、例え
ば圧空真空等のサーモフォーミング成形による蓋嵌合容
器に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来からこの種の容器には種々の構造を
備えたものが知られている。かかる容器の中には、蓋と
容器本体とに互いに凹凸嵌合する突起と受孔とをいずれ
かに設けて、双方の凹凸嵌合により蓋と容器本体との一
体化状態を維持できるようにした構造のものがある。ま
た、蓋の周壁部下端に係止突起を形成し、これを容器本
体上側の係止凹部に嵌め込んで蓋と容器本体との一体化
状態を維持するようにした構造のものもある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの容器
は、水分を含む食品を収納した状態で傾けると、中に含
まれる水分が容器本体と蓋との間に形成される隙間を通
って外に漏れだしてしまい、蓋と容器本体とが一体化し
ていながら容器本体の密閉性に乏しいという欠点があ
る。この点、密閉性を高めるべく、容器本体または蓋の
いずれかにゴムその他の合成樹脂性のシーリング材を固
着することもできるが、これでは、容器自体の製造に余
計な工程を加えなければならず、コストも高くなるた
め、課題の解決手段には適さない。

【０００４】そこで、本発明は、かかる課題の解決を図
るべくなされたものであり、蓋と容器本体とを一体化し
得る構造を備えるだけでなく、容器本体の中に収納した
水分を外に漏らさない密閉性を備え、なおかつ製造が容
易である蓋嵌合容器を提供せんとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題の解決を図るべ
く本発明は、互いに対面接合する鍔面を有する縁部を形
成した容器本体と蓋とを有し、この容器本体と、蓋との
いずれか一方に蟻溝状の受溝を鍔面に沿って周設すると
ともに、この受溝と凹凸嵌合し得る環状凸部を他方の鍔
面に沿って周設してなり、上記受溝と環状凸部との凹凸
嵌合によって、容器本体と蓋との一体化状態を維持し得
るようにした構成を有する蓋嵌合容器を特徴とするもの
である。

【０００６】この場合、前記容器本体の鍔面の周縁を折
曲げして縁折れ部を形成するとともに、前記蓋の鍔面の
周縁を折曲げして外折れ部を形成し、縁折れ部の下端よ
りも若干内方に突出する係止凹部を上記外折れ部に形成
して、蓋嵌合容器とするのが好ましい。

【０００７】

【発明の実施の形態】次に、本発明にかかる蓋嵌合容器
の一例として、好適な実施の形態を図面を用いて説明す
る。図１は、本発明にかかる蓋嵌合容器１を分解して示
した斜視図である。蓋嵌合容器１は、容器本体２に蓋３
を被嵌する構造となっており、いずれも、圧空、真空成
形などのサーモフォーミング法により成形されている。

【０００８】容器本体２は、図２に示すように、底面４
と周壁５を有して平面視矩形状に形成され、周壁５の上
部に形成される頂縁部６を介して受溝７を周設し、さら
にその外側に略平坦な鍔面８及びこれの周縁を直角に折
り曲げして縁折れ部９を形成してなるものである。受溝
７は、鍔面８の幅と略同等ないしそれ以下の幅に形成さ
れた底部７ａを有し、その両側の側壁７ｂ，７ｂの上端
部分（頂縁部６及び鍔面８との接続部分）を溝の内側方
向に若干膨出するテーパ状の係合部７ｃ、７ｃとするこ
とによって、蟻溝状に形成してある。

【０００９】蓋３は、天面１０と下方傾斜の周壁１１を
有し、この周壁１１の下端に形成される係止段部１１ａ
を介して、環状凸部１２を周設し、さらにこの環状凸部
１２の外側に容器本体２の鍔面８に略接合する鍔面１３
を形成するとともに、その周縁を直角に折り曲げて、縁
折れ部９の外側に被嵌するように形成された外折れ部１
４を有してなっている。環状凸部１２は、受溝７に凹凸
嵌合するように逆テーパ状に形成したもので、その頂部
１２ａの幅を底部７ａの幅に略等しくするとともに、側
壁１２ｂ，１２ｂの高さを受溝７の深さに対応させ、な
おかつ側壁１２ｂ，１２ｂの幅を若干縮小させてある。
また、外折れ部１４は、図５に示すように縁折れ部９の
下端よりも若干内方に突出する湾曲形状の係止凹部１５
を四隅に形成してある。

【００１０】上記構成において、蓋３は、上側から環状
凸部１２を受溝７に嵌め込むとともに、鍔面１３を容器
本体２の鍔面８に対面接合させ、さらに、外折れ部１４
を縁折れ部９に外側から係止させることにより容器本体
２に被着することができる。このとき受溝７は、係合部
７ｃを有する蟻溝状に形成してあり、なおかつ環状凸部
１２が側壁１２ｂ，１２ｂ部分の幅を縮小させて形成し
てあるため、頂部１２ａが係合部７ｃ，７ｃを押し広げ
ながら通過するまで力を加えると、受溝７と環状凸部１
２とがすんなりと嵌合して凹凸嵌合状態が得られる。こ
の凹凸嵌合状態を解除するには、頂部１２ａが係合部７
ｃ、７ｃを通過させねばならないため、両者の凹凸嵌合
状態は確実に維持することができる。

【００１１】すると、図４に示すように、この凹凸嵌合
状態では、頂縁部６が係止段部１１ａに密接するととも
に、なおかつ底面７ａに頂部１２ａが密接するものとな
り、しかも、鍔面８と鍔面１３とが略接合する接面状態
となる。また、この凹凸嵌合は、容器本体２の底面４の
周囲を取り囲む恰好で維持されるため、容器本体２は密
閉状態となり、よって、容器本体２内に水分を含む食品
を収納しても、この水分が凹凸嵌合部分を通過して外に
漏れだすことは皆無となる。こうして、蓋嵌合容器１は
確実な密閉状態を維持することができる。

【００１２】また、この凹凸嵌合状態としているときに
は、図５に示すように、係止凹部１５が蓋３の外折れ部
１４の下端部の下側において、容器内側方向に回り込ん
で係止する恰好となっている。このため、蓋嵌合容器１
は、受溝７と環状凸部１２との凹凸嵌合によって、確実
な密閉状態を得ているが、かかる密閉状態を係止凹部１
５の作用によっても維持できるようになっている。な
お、上記実施例においては、容器本体２に受溝７を形成
し、蓋３に環状凸部１２を形成した場合を例にとって説
明したが、本発明は、これに限られることはなく、例え
ば、容器本体２に環状凸部１２を形成し、蓋３に受溝７
を形成して逆にしたものでも良い。また、平面視矩形状
ではなく円形状やその他の形状に形成しても良い。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明にかかる蓋嵌合容器の一例を示す分解斜
視図である。

【図２】図１のII-II 線断面図である。

【図３】図１のIII-III 線断面図である。

【図４】容器本体と蓋との凹凸嵌合状態を示した要部断
面図である。

【図５】容器本体と蓋との凹凸嵌合状態の要部拡大断面
図である。

【符号の説明】

１ 蓋嵌合容器 ２ 容器本体 ３ 蓋 ７ 受溝 8,13 鍔面 ９ 縁折れ部 12 環状凸部 14 外折れ部 15 係止凹部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 互いに対面接合する鍔面を有する縁部を
   形成した容器本体と蓋とを有し、この容器本体と、蓋と
   のいずれか一方に蟻溝状の受溝を鍔面に沿って周設する
   とともに、この受溝と凹凸嵌合し得る環状凸部を他方の
   鍔面に沿って周設してなり、上記受溝と環状凸部との凹
   凸嵌合によって、容器本体と蓋との一体化状態を維持し
   得るようにした構成を有する蓋嵌合容器。
2. 【請求項２】 前記容器本体の鍔面の周縁を折曲げして
   縁折れ部を形成するとともに、前記蓋の鍔面の周縁を折
   曲げして外折れ部を形成し、縁折れ部の下端よりも若干
   内方に突出する係止凹部を上記外折れ部に形成してある
   請求項１に記載の蓋嵌合容器。