JPH0647817Y2 - 密封容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この考案は、環状のシートパッキンを嵌着した蓋で容器
の口部を蓋することによって密封する密封容器に関する
ものである。

〈従来の技術〉 蓋の下面に環状の係止溝を穿設した筒状の突部を形成
し、その係止溝に環状のシートパッキンを嵌着させ、こ
の蓋を容器の口部に被せたとき、そのシートパッキンが
容器内面を弾圧して密封するようにした密封容器の構造
については、例えば実開昭53-140649号公報、実開昭55-
123467号公報、或いは登録第721475号意匠公報等に開示
されていて、従来公知である。

〈考案が解決しようとする問題点〉 上記した密封容器の構造において起りがちな問題点とし
ては、前記蓋の筒状の突部と容器内周との間には可成り
大きな間隙があったから、蓋の被せ方次第ではシートパ
ッキンが片当りし、このためシートパッキンがめくれて
係止溝から外れるとか、或いは蓋が何時の間に浮き上っ
て当初の気密性が保持されないということがあった。そ
こで、この考案ではシートパッキンのめくれや蓋の浮き
上りをなくすことを、その目的としている。

〈問題点を解決するための手段〉 この考案は、容器の口部の上縁内周に膨出部を形成し
て、そ蓋着時、その膨出部に前記シートパッキンの自由
端が係止することで蓋の浮き上りを防止し、また、前記
蓋の筒状の突部は係止溝より下方の下端部分を鍔状に張
り出させて、蓋着時、該下端部分と容器内面との小さな
間隙によりシートパッキンの片当りを生じ難くし、シー
トパッキンのめくれを防止するようにしたものである。

〈実施例〉 第１図において、１は全体が底細りの形態をなす陶磁器
製の容器を示す。この容器１は糸尻面２を除き全面に釉
が施されていて、その口部の上縁内周には膨出部３が形
成されている。釉が施されていない糸尻面２はざらざら
しているが、糸尻面２に連続するやや湾曲した環状の下
方底面４には釉が施されているのでつるつるしている。

５は容器１の口部に被せられる透明な合成樹脂製の蓋を
示す。この蓋５の上面には、第２図の一点鎖線のよう
に、その上に容器１を積み重ねたとき、容器１のつるつ
るした環状の下方底面４が支承され、ざらざらした糸尻
面２は何処にも接触させなくする大きさのくぼみ６が形
成されている。また、この蓋５の下面には環状の係止溝
８を穿設した筒状の突部７が形成され、その係止溝８よ
り下方の下端部分９は鍔状に張り出させている。

10は透孔11を明けた環状のシートパッキンであって、係
止溝８に嵌着され、そのときシートパッキン10の自由端
は前記した蓋５の下端部分９よりも外側に延びている。
第２図の蓋着状態で、シートパッキン10は容器１の内面
を弾圧して所望する密封効果が得られ、一方、シートパ
ッキン10の自由端は容器１の膨出部３に係止し、蓋５の
浮き上りを阻止する抵抗が与えられている。蓋５を外す
ときには、透孔11から空気が侵入して取外しは容易であ
る。

また、蓋５を被せる際、シートパッキン10が局部的に容
器１内面に押し付けられ、めくられる様な極端な片当り
をするときは、先ず下端部分９が容器１内面にぶつかる
ことがわかるため、ほぼ均等な収まり方をするように修
正が容易である。

〈考案の効果〉 以上のように、この考案は従来品の問題点であったシー
トパッキンのめくれや蓋の浮き上りを比較的簡単な構造
によって解決できる。

【図面の簡単な説明】

第１図と第２図は、の考案になる密封容器の組立前、組
立後の状態を示す断面図である。 １……容器、３……膨出部、５……蓋、７……突部、８
……係止溝、９……下端部分、10……シートパッキン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】蓋（５）の下面に環状の係止溝（８）を穿
   設した筒状の突部（７）を形成し、その係止溝（８）に
   環状のシートパッキン（10）を嵌着させ、この蓋（５）
   を容器（１）の口部に被せたとき、そのシートパッキン
   （10）が容器（１）内面に弾圧して密封するようにした
   密封容器において、前記蓋（５）の突部（７）の係止溝
   （８）より下方の下端部分（９）を鍔状に張り出し、容
   器（１）の口部の上縁内周には、蓋着時、前記シートパ
   ッキン（10）の自由端が係止する膨出部（３）を形成し
   てなる密封容器。