JPH1159709A - 取除き機能を有する合成樹脂製中蓋栓 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 締環部の切り裂き（取除き）操作が簡単なタ
ブを使用しながら、店頭に並べる時や悪ふざけによる中
蓋栓の誤排除、コミ等の侵入防止を図る取除き機能を有
する合成樹脂製中蓋栓を提供する。 【解決手段】 店頭に並べる時や店頭販売時等、所謂消
費者の手に渡っていない時にはタブ３を冠蓋Ｂで完全に
防護し、誤切断、悪ふざけによる装着部１の瓶口部Ｃか
ら取除くを防止する。内容物が消費され中蓋栓Ａを瓶口
部Ｃから取除く時にはタブ３を摘み、周方向に引っ張っ
て環状薄肉スリット４、縦割用薄肉スリット５を共に切
断し、装着部１の瓶口部Ｃからの取除きを容易にする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、瓶口部に装着され
た合成樹脂製中蓋栓、更に詳しくは初期の瓶内容物の保
存と、不正開封防止との目的を達成し、瓶が空にされた
後、廃棄する時には瓶口部から中蓋栓を取除くための機
能構成が具備されている合成樹脂製中蓋栓に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】瓶口部に装着される合成樹脂製中蓋栓は
瓶が使用済みになっても瓶口部に残存させた状態で廃棄
されていた。瓶口部に残存されたままの瓶の廃棄はリサ
イクル及び焼却に問題を生じ、廃棄においても材料別に
分別して廃棄することが義務つけられる傾向にある今日
の法改正にそぐわない。瓶口部に残存する中蓋栓を取除
く従来例は様々あれど、基本的にはタブ式が主流を占め
ている。タブ式は図８に示すように中蓋栓Ａを、瓶口部
Ｃに装着する装着部１に連設された瓶口部Ｃへの締環部
２を切断排除するためにその締環部２に薄肉スリット等
の弱化部を設けると共に、その弱化部を切り裂く（切
断）タブ３を同締環部２に外周面部分に設けた構造であ
る。この従来例ではタブ３が切り裂き（切断）を確実す
る効果を具備するものの、被冠状態でそのタブ３が露出
することから、内容物が残留している状態のまだ廃棄し
ていもよい状態に至っていない瓶までもが移動作業等の
取扱時、店頭販売時の好奇心等によって引っ張られ、締
環部２が排除されて誤って中蓋栓が外れてしまう問題が
多発している。この問題を解決するために本出願人は特
開平５−２１７９０６号公報を提案している。この先提
案は図９に示すように冠蓋Ｂを被着する係合凸部21ａが
形成された装着部１の外筒21の外周面と、その装着部１
に連設され瓶口部Ｃに締結する締環部２の外周面との間
に段差部８を形成し、締環部２内周面に環状薄肉スリッ
ト４を刻設すると共に、その環状薄肉スリット４に交差
して同締環部２に下端の締結ビード12まで延設する縦割
用薄肉スリット５を刻設し、縦割用薄肉スリット５に連
通するスリット孔15を段差部８に穿設した構造になって
おり、被冠状態ではそのスリット孔15が冠蓋Ｂ下端面で
塞がれて外部に露出しないため、締環部２の、誤切断や
店頭での悪ふざけによる切断を防止できる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、スリッ
ト孔15にドライバー等の工具100 を差し入れてこじった
り、抉ったりしなければ環状薄肉スリット４、縦割用薄
肉スリット５が切断されないことから、手軽ではなく、
家事を主に行う婦女子には不適である。上方を開放した
スリット孔15からゴミ等が侵入して堆積し、消費者に不
潔感、違和感を惹起させる。という新たな問題を引き起
こす虞れがある。

【０００４】本発明は、従来事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とする処は締環部の切り裂き（取除き）操
作が簡単なタブを使用しながら、店頭に並べる時や悪ふ
ざけによる中蓋栓の誤排除、ゴミ等の侵入防止を図る取
除き機能を有する合成樹脂製中蓋栓を提供することにあ
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に講じた技術的手段は、請求項１は、冠蓋を被着する係
合凸部を有する外筒を備えた装着部と、該装着部に連設
され同装着部を瓶口部に装着させる締環部とを備え、前
記装着部よりも締環部を大径にしてその段差頂面を前記
冠蓋下端との対応面にすると共に、その対応面において
冠蓋下端と実際に取合う部分よりも内側部分にタブを設
け、該タブに連絡してそのタブよりも内側の対応面部分
に環状薄肉スリットを、またタブに連絡して締環部の内
周面に縦割用薄肉スリットを各々刻設していることを要
旨とする。また、請求項２は請求項１記載のタブが装着
部の外筒方向に傾斜する薄肉な傾斜片で構成されている
ことを要旨とする。更に、請求項３は請求項２記載の外
筒にタブの先端側を収容する収容凹部を凹設し、該収容
凹部はタブの側縁の側方に指入れ部を確保する正面視形
状に形成されていることを要旨とする。

【０００６】上記技術的手段によれば下記の作用を奏す
る。 （請求項１）本取除き機能を有する合成樹脂製中蓋栓は
店頭に並べる時や店頭販売時等、所謂消費者の手に渡っ
ていない時にはタブを冠蓋で完全に防護し、誤切断、悪
ふざけによる装着部の瓶口部から取除くを防止する。内
容物が消費され中蓋栓を瓶口部から取除く時にはタブを
摘み、周方向に引っ張って環状薄肉スリット、縦割用薄
肉スリットを共に切断し、装着部の瓶口部からの取除き
を容易にする。 （請求項２）本取除き機能を有する合成樹脂製中蓋栓は
外筒方向に傾斜状になっている薄肉な傾斜片の側縁に指
を掛け、その傾斜片を摘んで周方向に引っ張り、請求項
２と同様に装着部の瓶口部からの取除きを容易にする。
タブは外筒方向に平面状で且つ傾斜状のその態様でタブ
として認識し難くする。（請求項３）本取除き機能を有
する合成樹脂製中蓋栓はタブの側縁の側方に確保されて
いる指入れ部によって傾斜状のタブの摘みを楽に行わせ
る。

【０００７】

【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図１乃至図８は本発明取除き機能
を有する合成樹脂製中蓋栓の実施の形態を示している。

【０００８】この合成樹脂製中蓋栓Ａは、ポリプロピレ
ンまたはポリエチレン等で成形された装着部１と、締環
部２との一体成形品である。

【０００９】装着部１は図１等に示するように瓶口部Ｃ
内側に配置される内筒11、瓶口部Ｃ外側に係合させる外
筒21、前記内筒11から上方に延設し瓶の内容物を排出さ
せる排水筒31、それらを連絡する天板部41とを備え、前
記排水筒31内に位置する天板部41上面には引張りリング
51ａを引張ることによって開口する抽出口51が形成可能
になっている。

【００１０】外筒21には、その外周面にビードまたは螺
条等の係合凸部21ａが突設形成されており、冠蓋Ｂが被
着するようになっている。

【００１１】締環部２は前記装着部１の下端部にその装
着部２よりも大径をもって連設してあり、下端内周面に
締結ビード12を周設すると共に、装着部２との段差頂面
22を前記冠蓋Ｂ下端面との対応面22ａにしている。

【００１２】また、締環部２のその段差頂面22には図
３、図４に示すようにタブ３を設け、該タブ３に連絡し
てそのタブ３よりも内側の対応面22ａ部分に環状薄肉ス
リット４を、またタブ３に連絡して締環部２の内周面に
縦割用薄肉スリット５を各々刻設している。

【００１３】前記タブ３は図３に示すように前記段差頂
面22（対応面22ａ）において冠蓋Ｂ下端面と実際に取合
う部分よりも内側部分に周方向に向けて略逆くの字状を
もって突設させてある。これにより、冠蓋Ｂ被冠状態で
はタブ３はその冠蓋Ｂで隠されて外側に露出しない。

【００１４】環状薄肉スリット４は前記タブ３の基端
部、すなわち前記段差頂面22との結合部に近接する部分
を始端として前記外筒21の外周面に沿うように段差頂面
22の上面（表面）に３／４周もしくは４／５周程度をも
って刻設してある。

【００１５】前記縦割用薄肉スリット５はタブ３の基端
部に連続してタブと平行状をもって段差頂面の内面（裏
面）に刻設した数ミリ程度の長さの直線状スリット15
と、その直線状スリット15の終端から締結ビード12まで
の長さをもって刻設した傾斜状スリット25から構成され
ており、その傾斜状スリット25はタブ３の水平片部13を
摘んでそのタブ３を引張るその進行方向（矢印Ｄ）に緩
傾斜状になっている。尚、前記直線状スリット15は敢え
て平行状である必要はなく、前記進行方向（矢印Ｄ）に
行くに従って段差頂面22の外周縁方向に傾斜するもので
あっても良いものである。

【００１６】上記の構成からなる合成樹脂製中蓋栓Ａは
被冠状態の時にはタブ３が冠蓋Ｂで隠されている。内容
物が使用済みになった瓶を廃棄する時には冠蓋Ｂを装着
部１の外筒21から外し、するとタブ３が現れる。

【００１７】そして、そのタブ３の水平片部13を摘み周
方向（進行方向（矢印Ｄ））に引張ることによってその
タブ３の基端部に連続する縦割用薄肉スリット５と、環
状薄肉スリット４とが共に切断される。

【００１８】これによって装着部１を瓶口部Ｃに締結し
ていた締環部２が切断されることになり、装着部１を瓶
口部Ｃからの取除きを容易にする。

【００１９】次に図５について説明すると、この実施の
形態は前記タブ３を若干外側に位置させ、環状薄肉スリ
ット４の始端部位をそのタブ３の基端部に連続するよう
に部分的に外側に配置した場合の例であり、作用的には
前記する実施の形態と同様であるため、同一符号を付し
て説明は省略する。

【００２０】更に図６について説明すると、前記タブ３
が正対する段差頂面22部分にそのタブ３と同形状の孔が
成形の都合上開口される場合の実施の形態を示してい
る。タブ３の形状、環状薄肉スリット４、縦割用薄肉ス
リット５の構成は前記する実施の形態と相違なく、同様
に同一符号を付して説明は省略する。尚、孔を開口して
いるものの、タブで上方から塞がれていることから、ゴ
ミ等の侵入は防止できる。

【００２１】図７及び図８に示す実施の形態を説明する
と、この実施の形態はタブ３を前記のようにくの字状で
はなく、外筒21方向に傾斜状にした場合の例である。こ
のタブ３は前記段差頂面22に接近するように傾斜する薄
肉な傾斜片であり、段差頂面22に接近する平面状故の形
状性でもって前記するタブ３に比べてタブ３として認識
し難く配慮してあり、前記進行方向（矢印Ｄ）とは離間
する側の一側縁部分、即ち逆側の縁部分にリブ23を突設
して剛性を持たせてある。

【００２２】また、この傾斜片３’はその先端側を外筒
11に凹設した収容凹部６に収容されている。

【００２３】収容凹部６に傾斜片３’の先端側を収容す
る理由はなるべくタブ（傾斜片）３を摘みにくくするた
めの工夫であり、その替わりにタブ３の一側縁、即ちリ
ブ23を突設した縁部分の側方に指入れ部16を確保する正
面視横長形状をもって凹設されている。

【００２４】また、環状薄肉スリット４はその傾斜片
３’の進行方向（矢印Ｄ）側の基端部に連続し、縦割用
薄肉スリット５はリブ23を突設した縁部分に進行方向に
傾斜状をもって連続させてある。尚、傾斜片３’直下の
孔は成形上生じる前記実施の形態と同様な孔である。

【００２５】この図７及び図８に示す実施の形態ではタ
ブ３が段差頂面22に接近する方向に薄肉平面状をもって
傾斜状にしてあることから、タブ３として認識し難く
い。そして指入れ部16に爪や指を入れてタブ３をその先
端側が収容凹部６から出るように起こして摘み、前記実
施の形態と同様に周方向（進行方向（矢印Ｄ））に引張
る。これによって縦割用薄肉スリット５と、環状薄肉ス
リット４とが共に切断される。

【００２６】尚、図示しないが、請求項１ではタブ３が
段差頂面22に面一状に配設され、且つ一部をその段差頂
面22に連設する状態で切欠されている場合を包含するも
のである。この場合には切欠部のスリット幅は出来るだ
けゴミ等が侵入しないように細幅にする。

【００２７】

【発明の効果】本発明は以上のように構成したから、店
頭に陳列する時等の移動作業時や店頭販売時には冠蓋で
防護されて露出しないタブを瓶を廃棄する時に摘んで引
張ることによって締環部が切断可能となる。従って、締
環部の切断動作が工具を使用せずに指を使用して手軽に
行えるタブ式でありながら、店頭に陳列する時等の移動
作業時や店頭販売時で締環部が誤切断されたり、悪ふざ
けで同様に締環部が切断されることがない取除き機能を
有し、スリット孔のように上方を開放した空間を残置し
ないことからゴミ等が堆積して不潔感の要因を作り出さ
ない合成樹脂製中蓋栓を提供できる。しかも、タブが装
着部の外筒方向に傾斜する薄肉な傾斜片で構成されてい
る場合には、締環部が誤切断されたり、悪ふざけで締環
部が切断されることがない上、段差頂面に接近する方向
に薄肉平面状をもって傾斜状にしてあることから、タブ
として認識し難く、そのため、通常使用時に幼児等の好
奇心で締環部が切断される不具合の防止にも寄与でき
る。い。その上、外筒にタブの先端側を収容する収容凹
部を凹設し、該収容凹部はタブの側縁の側方に指入れ部
を確保する正面視形状に形成している場合にはタブが急
傾斜（段差頂面に接近する方向に傾斜）であっても指入
れ部の爪や指を入れ起こすことによってタブを摘むこと
ができる。そのため、平面状で且つ傾斜状のタブが段差
頂面により接近するからタブとして認識しずらく通常使
用時においてより幼児等の好奇心の対象から排除できる
上、大人が自発的にタブを摘んで締環部を切断する確実
性をも付与することができ、通常使用時の締環部の切断
防止をも考慮した最適な取除き機能を有する合成樹脂製
中蓋栓の提供を可能にする。

【図面の簡単な説明】

【図１】取除き機能を有する合成樹脂製中蓋栓の分解正
面図で一部切欠して示す。

【図２】図１の（Ａ）−（Ａ）線断面図。

【図３】要部の斜視図。

【図４】図３の（Ｂ）−（Ｂ）線断面図。

【図５】変形例の要部の斜視図。

【図６】他の例の要部の斜視図。

【図７】タブを傾斜片とした場合の要部の斜視図。

【図８】図７の（Ｃ）−（Ｃ）線断面図。

【図９】従来例の正面図。

【図１０】他の従来例の分解正面図で一部切欠して示
す。

【符号の説明】

Ａ ：合成樹脂製中蓋栓 １ ：装着部 ２ ：締環部 21ａ：係合凸部 Ｂ ：冠蓋 Ｃ ：瓶口部 22 ：段差頂面 22ａ：対応面 ３ ：タブ ４ ：環状薄肉スリ
ット ５ ：縦割用薄肉スリット ３’：傾斜片（薄肉
な傾斜片） ６ ：収容凹部 16 ：指入れ部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 冠蓋を被着する係合凸部を有する外筒を
   備えた装着部と、該装着部に連設され同装着部を瓶口部
   に装着させる締環部とを備え、前記装着部よりも締環部
   を大径にしてその段差頂面を前記冠蓋下端面との対応面
   にすると共に、その対応面において冠蓋下端面と実際に
   取合う部分よりも内側部分にタブを設け、該タブに連絡
   してそのタブよりも内側の対応面部分に環状薄肉スリッ
   トを、またタブに連絡して締環部の内周面に縦割用薄肉
   スリットを各々刻設していることを特徴とする取除き機
   能を有する合成樹脂製中蓋栓。
2. 【請求項２】 前記タブが装着部の外筒方向に傾斜する
   薄肉な傾斜片で構成されていることを特徴とする請求項
   １記載の取除き機能を有する合成樹脂製中蓋栓。
3. 【請求項３】 前記外筒にタブの先端側を収容する収容
   凹部を凹設し、該収容凹部はタブの側縁の側方に指入れ
   部を確保する正面視形状に形成されていることを特徴と
   する請求項２記載の取除き機能を有する合成樹脂製中蓋
   栓。