JPH1158628A - 帯電防止積層材及びそれを用いた包装容器 - Google Patents

帯電防止積層材及びそれを用いた包装容器

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JPH1158628A
JPH1158628A JP23786497A JP23786497A JPH1158628A JP H1158628 A JPH1158628 A JP H1158628A JP 23786497 A JP23786497 A JP 23786497A JP 23786497 A JP23786497 A JP 23786497A JP H1158628 A JPH1158628 A JP H1158628A
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antistatic
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Takashi Asakura
隆 浅倉
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 帯電防止層を含む帯電防止積層材において、
該積層材を用いて形成した包装容器において、その断裁
断面の端部からの吸湿を防いで、積層材のボイル時の剥
離を防いだ積層材及び包装容器の提供を課題とする。 【解決手段】表基材1と帯電防止層3と内面のヒートシ
ーラント層2とからなる積層材において、上記表基材1
と内面ヒートシーラント層2との間に設ける帯電防止層
3が、4級アンモニウム塩基をもつアクリル酸エステ
ル、アクリル酸エステル、メタアクリ酸エステルからな
る共重合体、ポリエチレンイミン、及びグリシジル化合
物が、非ヒートシール部の全域、又は非ヒートシール部
と連続したヒートシール部の1〜95%の領域に、ヒー
トシール部の最端部4Eを除いたパターン状に形成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防湿性、フィルム
強度、透明性などに優れたプラスチックフィルムを基材
とする包装用積層体に粉塵などの異物付着を防止した帯
電防止フィルムに関する。そして、更にくわしくは、積
層材に4級アンモニウム塩基をもつアクリル酸エステ
ル、アクリル酸エステル、メタアクリ酸エステルからな
る共重合体、ポリエチレンイミン、及びグリシジル化合
物からなる界面活性の帯電防止剤(以下、本明細書にお
いては、架橋型帯電防止剤と記述する。)の帯電防止層
をパターン状に設けて静電気による内容物の内面付着
や、ヒートシール面に粉体の噛みこみを阻止するととも
に、包装体の表面に外部からの粉塵による汚染を防止す
る効果を安定持続する帯電防止積層材とそれを用いた包
装容器に属する。
【0002】
【従来の技術】従来、架橋型帯電防止剤の帯電防止効果
を発揮させるために種々の構成の包装用積層材及びそれ
を用いた包装容器が開発され提案されている。通常の架
橋型帯電防止剤は、その溶液を表基材フィルム又はヒー
トシーラント層(以下、本明細書においてはHS層と記
載する。)に全面コートして使用されていた。そして、
ヒートシールフィルムなどの所望のフィルムとを公知の
方法で積層した帯電防止積層材を作成していた。更に、
該積層材のHS層を相対してヒートシールし、所望形状
の包装容器として利用されていた。
【0003】しかしながら、上記のコートされた架橋型
帯電防止剤は、吸湿し易く、吸湿した架橋型帯電防止剤
のコート面は、滑り性が低下したり、該架橋型帯電防止
剤が粘着性を帯びてブロッキングしたりするため、積層
などの加工工程においてのトラブルが発生するという問
題があった。ブロッキングを防止するために、該架橋型
帯電防止剤をコートしたフィルムを乾燥条件下で保管し
たり、該コート面に他のフィルムを設けて吸湿を防止し
た積層材を使用されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】架橋型帯電防止剤を設
けたフィルムを、常に乾燥状態で維持することは、実用
面では殆ど不可能である。また、他の防水性フィルムと
の積層剤とすることにより、その表面及び裏面(内面)
からの吸湿(吸水)は、防止できるとしても、積層材の
端部(スリッター、断裁部、包装容器を形成するときの
ヒートシール端面)は、架橋型帯電防止剤が露出してい
るために、この部分からの吸湿(吸水)を阻止すること
は極めて困難である(以下、吸湿と吸水とは水分の多少
による使い分けであり、吸湿に統一する)。帯電防止積
層材の帯電防止層が吸湿すると、該積層材の接着強度が
低下し、高湿度下での長期間の保存や、レトルト処理、
ボイル処理などの水中での高温処理では積層材が剥離す
るという問題があった。本発明は、プラスチックフィル
ムを用いて、十分な帯電防止効果をもつとともに架橋型
帯電防止剤の吸湿時に発生する積層材の剥離などの問題
を解決することを課題とするものである。
【0005】
【発明を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに本発明は、少なくとも表基材と帯電防止層と内面の
HS層とからなる積層材において、上記表基材と、内面
のHS層との間に設ける前記の架橋型帯電防止剤が、パ
ターン状に設けられている積層材である。また、上記積
層材の内面のHS層を相対し、その断裁端部をヒートシ
ールして作成する包装容器の帯電防止層が、非ヒートシ
ール部の全域から連続してヒートシール面の1〜95%
に至る部分にパターン状に形成した積層材である。そし
て、前記積層材の内面のHS層を相対し、その断裁端部
をヒートシールして作成する包装容器の帯電防止層が、
非ヒートシール部の全域からヒートシール面の1〜95
%に至る部分にパターン状に設けられている包装容器で
ある。
【0006】
【発明の実施形態】上記の課題を達成するために本発明
は、図1に示すように、少なくとも表基材1と帯電防止
層3と内面のHS層2とからなる積層材5において、上
記表基材1と内面のHS層2との間に設ける帯電防止層
3が、前記架橋型帯電防止剤をパターン状に設けた積層
材5である。また、上記積層材の内面のHS層2を相対
し、その断裁端部をヒートシールして作成する図3に示
す包装容器10の帯電防止層3の帯電防止層の端部30
が、図1(A)に示すように積層材5の非ヒートシール
部全域(すなわちヒートシール部4を除いた部分)、又
は、図1(B)に示すように、非ヒートシール部から連
続してヒートシール面に至る領域の1〜95%(ヒート
シール部の最端部4Eを除いた部分)のヒートシール部
4に含まれる帯電防止層31をパターン状に設けた積層
材5である。そして、上記積層材の内面のHS層2を相
対し、その断裁端部をヒートシールして作成する包装容
器10の帯電防止層3が、積層材のヒートシール部4を
除いた部分、又はヒートシール部を含むとしても図1
(B)、図2、図3、図4、図5及び図6に示すように
少なくともその最端部4Eを除いた部分に設けられてい
る包装容器10である。
【0007】本発明の表基材は、ポリエチレン、ポリプ
ロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン、
ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリアラミド、アクリル
酸エステル又はメタアクリル酸エステルを主成分とする
アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどの
ポリエステル、ポリアセタール、ポリスチレン、ポリカ
ーボネート、アクリル樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重
合体ケン化物、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニ
トリル、フッ素樹脂、セルロース・ジ又はトリアセテー
トの繊維素誘導体や、ポリカーボネートなどよりなる延
伸あるいは未延伸のフィルム、又はこれらの延伸フィル
ムにアルミニウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸
化インジウムなどの蒸着を施したものである。また、金
属アルミニウムの蒸着や、アルミニウム箔を積層したフ
ィルムで金属光沢を活用した装飾効果を呈することもで
きる。特にポリエステル、ポリプロピレンや塩化ビニリ
デンコートポリアミドの二軸延伸フィルムの厚さが6〜
50μmのものが印刷適性、コーティング適性などの加
工適性に優れた基材フィルムとして好ましいものであ
る。また、セロハン、ポリビニルアルコール、エチレン
・酢酸ビニル共重合体ケン化物などのフィルムを使用す
るときは、帯電防止層と直接接触することを防ぐため
に、防湿性をもつ塩化ビニリデンコートを施した面と帯
電防止層とを積層することが好ましい。更に、帯電防止
層を設ける基材は接着やヌレをよくするためにコロナ放
電処理やプライマー層などを表面の易接着処理を施すこ
ともできる。
【0008】本発明の帯電防止層は、表基材のHS層と
の積層側に、架橋型帯電防止剤の溶液、又はそれを含む
ワニスを用いて印刷によりパターン状に形成される。架
橋型帯電防止剤は、4級アンモニウム塩基をもつアクリ
ル酸エステル、アクリル酸エステル、メタアクリ酸エス
テルからなる共重合体、ポリエチレンイミン、及びグリ
シジル化合物からなる界面活性の帯電防止剤を主成分と
し、これを水溶液又は適当なバインダーに分散あるいは
溶解して印刷することができる。
【0009】架橋型帯電防止剤は、前述のように単に溶
媒に分散あるいは溶解したものを、印刷によりパターン
状の帯電防止層を形成する。また、水に溶解したポリビ
ルアルコール、エチルセルロースや、酢酸エチルを主溶
媒とするウレタン系樹脂、ポリエステル、アクリル樹脂
あるいは、アルコールを主溶媒としたポリビニルブチラ
ール、硝化綿、ウレタン系樹脂と可塑剤とからなるワニ
スに分散して粘度を調整して印刷適性をもたせた印刷イ
ンキ状のものを使用することができる。
【0010】帯電防止層の印刷は、プラスチックフィル
ムの印刷に適したグラビア輪転印刷又はフレキソ輪転印
刷など、積層などの後加工に適した巻取で行うことが好
ましい。そして、絵柄層を設ける場合は絵柄層の印刷と
同一工程で行う。また、絵柄層を設けない場合は、包装
容器に加工するときの裁断などの見当となるマークの印
刷と同一工程で行うことが好ましい。更に、帯電防止層
を着色をすることにより、包装容器に加工するときの裁
断などの見当マークの代用とできる。帯電防止層の印刷
厚みは、固形分に含まれる架橋型帯電防止剤の量で0.
05〜4g/m2 、好ましくは0.1〜1g/m2 であ
る。0.05g/m2 以下の印刷厚みでは十分な帯電防
止効果を奏することができず、4g/m2 を超えること
は、資源の浪費であるばかりでなく、印刷層(帯電防止
層)の耐水性を低下し、熱水(ボイル)又はレトルト処
理で剥離を起こすことがある。
【0011】帯電防止層3のパターンが、図1(A)の
とおり包装容器のヒートシール部4を含まないように形
成すれば、包装容器の内外面に帯電防止作用を奏するこ
とができる。また、包装容器の全面に帯電防止作用をも
たせるためには、図1(B)に示すように帯電防止層3
が容器のシール部の最端部に4Eに露出しない程度にま
でパターンを拡大したヒートシール部を含む帯電防止層
31とすることがより好ましい。パターンを拡大するこ
とは、包装容器の帯電防止効果をもつ面積を大きくする
ことはできる。しかしながら、積層体の端部4Eにまで
帯電防止層が到達し、端部からの吸湿により積層材の層
間で剥離を起こすリスクもあり、より精度をもつ加工を
行い、より慎重な配慮が必要である。
【0012】本発明に使用する界面活性をもつ架橋型帯
電防止剤は、化1(1) に示す4級アンモニウム塩基をも
つアクリル酸エステル、アクリル酸エステル、メタアク
リル酸エステルからなる共重合体、平均分子量が300
〜2000のポリエチレンイミンと、グリシジル化合物
との混合物からなる界面活性剤である。そして、グリシ
ジル化合物は、化1(2) に示す多価アルコールのポリグ
リシジルエーテルや、カルボン酸のポリグリシジルエー
テルなどやこれらのポリエーテルが挙げられる。また、
グリシド酸は、エピヒドリン酸などが挙げられる。そし
て、上記混合物は、水とアルコールとからなる混合溶剤
に溶解された「架橋型帯電防止剤」の溶液又は前述のワ
ニスに分散して使用されるものである。
【0013】
【化1】
【0014】本発明のHS層は、加熱溶融して融着でき
る材料から選択でき、ポリオレフィン系樹脂を主として
殆どの熱可塑性樹脂が使用できる。例えば、ポリオレフ
ィン系樹脂としては、低密度、中密度又は高密度ポリエ
チレン、線状ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン
・プロピレン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合
体、あるいはエチレン・アクリル酸共重合体、エチレン
・メタアクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エス
テル共重合体、エチレン・メタアクリル酸エステル共重
合体や、これらのモノマーから共重合体又はポリマーの
混合物、アイオノマーなどのポリオレフィン系樹脂がヒ
ートシール強度からいって好ましく使用できる。また、
他の樹脂には、ダイマー酸とグリコールとからなるポリ
アミド、線状ポリエステル、ポリスチレンや、これらと
ポリオレフィンとの混合物などを使用できる。その他、
ポリブテン、オレフィンの無水マレイン酸、フマル酸な
どの不飽和カルボン酸による変性樹脂、ポリアクリロニ
トリル、アクリロニトリル・スチレン共重合体、アクリ
ロニトリル・スチレン・ブタジエン共重合体などに必要
に応じて適当なゴム状物質や可塑剤を添加してHS層と
することができる。
【0015】熱可塑性樹脂によるHS層の形成は、通常
のサーキュラダイスやT型ダイスを用いて作成すること
ができる。その厚みは、15〜60μmが好ましく、材
料、用途によっては多少の増減ができ、また単層フィル
ムばかりではなく製膜し易い樹脂また低価格の樹脂を主
層とする多層フィルムをHS層として使用できることは
いうまでもない。また、HS層は、製膜した熱可塑性樹
脂を積層するばかりでなく、ヒートシール性をもつ材料
である、ポリアミド、塩化ビニル・酢酸ビニル系共重合
体、ポリ塩化ビニリデン、エチレン・酢酸ビニル共重合
体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリ
ル酸エステル共重合体、アイオノマーなどのポリオレフ
ィン系樹脂、ポリエステルなどの溶液や、ディスパージ
ョンを常温又は加熱溶解した所謂ホットラッカーの溶液
を塗工したり、上記の材料を溶融状態で、押出しコート
により形成できる。特に、溶液やディスパージョンから
塗工形成できるHS層は、5μm以下の薄膜に形成で
き、易開封性のヒートシール性をもたせることができ
る。
【0016】本発明の積層材は、表基材、帯電防止層及
びHS層を必須の構成要素とするが、積層材の剛性、強
度や、ヒートシール強度、光、水蒸気、ガスバリア性、
易引裂き性などの特性を強化する目的で中間層を、表基
材とHS層との間に設けることができる。
【0017】中間層は、低・中・高密度ポリエチレン、
エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸
共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、ア
イオノマー、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹
脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、アク
リル酸エステル又はメタアクリル酸エステルを主成分と
するアクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
ブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートな
どのポリエステル、ポリアセタール、セルロース・ジ又
はトリアセテートの繊維素誘導体や、ポリカーボネー
ト、ポリビニルアルコール、エチレン・酢酸ビニル共重
合体ケン化物、可塑剤を含む硝化綿などから選ばれた材
料の溶融押出し成形フィルム、ソルベントキャストフィ
ルムなどよりなる一軸延伸.二軸延伸あるいは未延伸の
フィルムである。あるいは、これらの熱可塑性樹脂を、
表基材とHS層との接着性樹脂層としてサンドイッチラ
ミネーションすることにより接着剤と中間層とを兼用す
ることもできる。
【0018】中間層は、前記の他に、上記の延伸フィル
ムにアルミニウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸
化インジウムなどの蒸着を施したものも使用できる。ア
ルミニウム箔を積層したフィルムで金属光沢を活用した
装飾効果を呈することもできる。その他、紙と防湿材料
との積層フィルム、合成紙などを本発明の積層材の構成
要素とすることにより、それぞれの材料がもつ特徴を積
層材にもたせる効果を奏する。この場合、帯電防止層と
積層する材料は水蒸気透過性の少ない材料に構成するこ
とが、端面からの吸湿を防ぐ意味からも好ましい。特に
ポリエステル、ポリプロピレン、ポリカーボネートやポ
リアミドのフィルムやアルミニウム箔の厚さが6〜50
μmのものが物性を強化する目的で使用できる。
【0019】表基材と、中間層との積層は、硬化型接着
剤を用いたドライラミネーションや溶融樹脂によるサン
ドイッチラミネーション(押出しラミ)が一般的であ
る。ドライラミネーションには、上記の表基材と中間層
のフィルムとを有機溶剤に溶解したポリエステル・イソ
シアネート系接着剤や、ポリエーテル・イソシアネート
系接着剤、アクリル系接着剤、ポリエステル系接着剤、
ポリアミド系接着剤、ポリ酢酸ビニル系接着剤、エポキ
シ系接着剤、合成ゴム系接着剤などを用い、接着剤を塗
工後、溶剤成分を蒸発乾燥後に積層するラッカーラミネ
ーションや、有機溶剤を用いないいわゆるノンソルベン
トの接着剤を用いた「ノンソルラミネーション」など通
常の工程で行うことができる。
【0020】サンドイッチラミネーションは、表基材と
HS層とを接着する通常方法であり、フィルムと溶融樹
脂に低密度ポリエチレン、線状ポリエチレンや、エチレ
ン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸及び/
又はメタクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸及び
/又はメタアクリル酸エステル共重合体、エチレンと不
飽和カルボン酸との共重合体、アイオノマーなどの接着
性ポリマー、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリイソブ
テン、ポリイソブチレンなどを、接着性、積層材の特性
を勘案して用いることがある。溶融樹脂と表基材とHS
層又は中間層との接着を強化安定するために、いずれか
一方若しくは双方のフィルムにコロナ放電処理を行った
り、プライマー層を設けたり、オゾンガスによる処理を
施したりすることが好ましい。
【0021】本発明の包装容器の形状は、積層材の四方
をヒートシールを施した開口状態の図3及び密封状態の
図4の四方シール袋や、図示はしないがL字型シール、
中央部に図5に示す合掌型のヒートシール部9を形成し
た図6に示すピロータイプ袋21や、三方シール袋、サ
イドに折込み部を形成したガゼット袋、スタンディング
パウチ、船底型袋、角底型袋など積層材の端部をヒート
シールにより容器状に加工できるものならばその形状を
問うものではない。また、積層材の両面に同一のHS層
を構成すれば、ヒートシールを表裏で行う封筒貼りの包
装容器も形成できる。
【0022】ヒートシール方法は、通常の溶融・加圧、
又は加圧・溶融・冷却の工程を施す通常の方法でよく、
加熱方法も熱風、加熱バー、高周波、超音波など任意に
選択できる。したがって,シール形式としては、バーシ
ール、回転ロールシール、ベルトシール、インパルスシ
ール、高周波シール、超音波シール法などの公知の方法
を、積層材の構成や包装容器の形状によって選択でき
る。
【0023】本発明の包装容器の開封性を容易にするた
め、周辺部に開封用のノッチ(切り欠き部)を設けるこ
とができる。そのような場合は、内容物充填後の熱水処
理の強弱にもよるが、切り欠き部は通常の場合、ヒート
シール部の極く一部に相当するため無視することもでき
るが、ノッチを形成する部分に帯電防止層のパターン設
けることを避けることが好ましい。
【0024】
【実施例】
(実施例 1)厚み12μmの二軸延伸ポリエチレンテ
レフタレートフィルム1の一方の面に、光電管マークを
印刷し、それと同調(絵柄の位置を一定間隔に固定)し
てBONDEIP(架橋型帯電防止剤 アルテック
(株) 商品名)の水溶液を用いて、図7に示すよう
に、各パターンの縦方向(フィルムの加工方向)の間隔
巾6及び横方向の間隔巾7を各10mmに設けた横が1
30mm×縦が170mmの矩形状の帯電防止層3をグ
ラビア印刷で設けた。また、帯電防止層3の塗布量(厚
み)は0.3g/m2 とした。次いで、上記帯電防止層
3の印刷面にポリウレタン系接着剤を用いて厚み40μ
mの線状ポリエチレンフィルムとをドライラミネーショ
ンして、図1(B)に示す積層材5を作成した。そし
て、図3に示すように、横方向及び縦方向に印刷された
帯電防止層3の一部(5mm)を「ヒートシール層に含
まれる帯電防止層31」となるように図7に示すヒート
シール面21と22とを相対してヒートシール部4を形
成し、破線で示す横方向の断裁部82で断裁する。更
に、縦方向は、帯電防止層3が、図1(B)に示すヒー
トシール部に一部(5mm)を「ヒートシール層に含ま
れるヒートシール部31」をもつようにヒートシール面
23と24とが相対する位置で10mm巾のヒートシー
ル部4を形成し、破線で示す縦方向の断裁部83で裁断
する。このようにして、巾140mm、長さ180mm
(天地のシール巾が各10mm)、ヒートシール部4に
含む帯電防止層31をもつ四方シール袋形状の包装容器
10を形成した。
【0025】(実施例 2)厚み12μmの二軸延伸ポ
リエチレンテレフタレートフィルムの一方の面に光電管
マークを印刷し、それと同調してBONDEIP(架橋
型帯電防止剤 アルテック(株) 商品名)の水溶液を
用いて、図8に示すように縦横ともに各パターンの間隔
6及び7を10mmに設けた横が290mm×縦が17
0mmの矩形状パターンの帯電防止層3を印刷した。な
お、帯電防止層3の塗布量は0.3g/m2 とした。次
いで、図2に示すように上記帯電防止層3の印刷面にポ
リウレタン系接着剤を用いて、厚み30μmのポリ塩化
ビニリデンコート二軸延伸ポリプロピレンフィルム(中
間層11)を設け、更に厚み30μmの未延伸ポリプロ
ピレンフィルム(HS層2)を順次積層して、図2に示
すように帯電防止層3が「ヒートシール部4に含む帯電
防止層31」をもち、そして「中間層11」をもつ別態
様の本発明の積層材51を作成した。更に、該積層材5
を図6に示す縦方向の破線で示す断裁部82で断裁し
て、図8に示す折込み部8で筒状とし、帯電防止層3が
ヒートシール部4内に含むようにヒートシール面21、
22が相対するように図5に示す10mm巾の合掌型ヒ
ートシール部9を形成して、5mm巾の「ヒートシール
層に含まれる帯電防止層31」をもつヒートシール部4
を形成した。更に、横方向のシール部にも帯電防止層3
を含むように、ヒートシール面23、24が相対して、
10mm巾でヒートシールし、そして、横方向の断裁部
83で断裁して140×180mmのピロータイプの包
装容器10を形成した。
【0026】(比較例 1)実施例1において、架橋型
帯電防止剤を全面に設けた以外は、実施例1と同様にし
て、帯電防止層3を全面に設けた比較例1の四方シール
袋形状の包装容器を作成した。
【0027】(比較例 2)実施例1の材料構成におい
て、架橋型帯電防止剤を設けなかった以外は、実施例1
と同様にして、帯電防止層3を設けない比較例2の四方
シール袋形状の包装容器を作成した。
【0028】(比較例 3)実施例2の材料構成におい
て、架橋型帯電防止剤を設けた以外は、実施例2と同様
にして、帯電防止層3を全面に設けた比較例3のピロー
形状の包装容器を作成した。
【0029】(比較例 4)実施例2の材料構成におい
て、架橋型帯電防止剤を省略した以外は、実施例2と同
様にして、帯電防止層3を設けない比較例4のピロー形
状の包装容器を作成した。
【0030】実施例1及び実施例2並びに比較例1、
2、3及び4で作成した資料について次の評価を行っ
た。 帯電防止効果1 (剥離帯電防止効果):巻取り状態
で保存した、各帯電防止積層材を温度20℃、相対湿度
60%の条件下で保存した。剥離した積層材の基材フィ
ルム及びHS層を夫々を上にした状態でタバコの灰を付
着する。そして、2秒放置後積層材を垂直にして、灰の
付着状況により帯電防止効果を評価した。 帯電防止効果を評価基準 ○:灰の付着ないか、若干灰の付着が認められる程度。 ×:灰が著しく付着して残る。 帯電防止効果2 (粉噛みシール):上記試料で作成
した各試料に、市販のお好み焼き粉100gと、脱酸素
剤とを充填し、開口部の袋の端部を10mm巾でヒート
シールし包装体とし、該ヒートシール部の粉噛み状況を
目視で評価した。 帯電防止効果を評価基準 ○:シール部に粉の付着がないか、僅かに付着するが外
観上の問題はなく、実用上問題がない。 ×:シール部に粉が著しく付着して外観がよくない。 耐ボイル性:実施例1、比較例1及び2については図
4に示す四方シール袋を作成し、実施例2、比較例3及
び比較例4については図示はしないがピロータイプ袋を
作成し、1袋につき水を100cc充填し、90℃30
分間ボイルし、積層材の層間での剥離の有無を目視で評
価した。 包装容器の耐久性:上記の試料で製造した包装体を、
60℃、相対湿度90%で1ケ月間保存し剥離の有無を
評価した。 ○:フィルム間で剥離がない。 ×:フィルム間で剥離がある。
【0031】実施例1及び2並びに比較例1〜4につい
ての評価結果を表1に示す。
【表1】
【0032】本発明は、基材となるフィルムに、包装容
器の少なくとも断裁最端部には、架橋型帯電防止層を露
出しないように印刷でパターン状に設けている。したが
って、水分を吸収しやすい帯電防止層は、防湿性をもつ
プラスチックで三次元方向に覆われ、積層材が切断され
た端部には存在しないために、帯電防止層の吸湿を阻止
することができる。そして、このような積層材から得ら
れる包装体をボイルしても、多湿下に保存しても、水分
により積層材の接着強度が劣化して剥離することを防止
する効果を奏する。また、本発明は、積層材の内部に帯
電防止層を含む構成においても、積層材の表面(表基
材)、内面(HS層)ともに帯電防止効果を奏するもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)本発明の帯電防止積層材の基本的な構成
例の断面概略図である。 (B)本発明の帯電防止積層材の他の構成例を示す断面
概略図である。
【図2】本発明の中間層を含む構成例を示す断面概略図
である。
【図3】本発明の包装容器の一例を示す概略斜視図であ
る。
【図4】本発明の包装容器の四方シール袋の密封状況を
示す断面概略図である。
【図5】合掌シールの状況を示す断面概略図である。
【図6】本発明のピロータイプ袋を説明する平面概略図
である。
【図7】四方シール袋の帯電防止層の印刷パターンを示
す図である。
【図8】ピロータイプ袋の帯電防止層の印刷パターンを
示す図である。
【符号の説明】
1 表基材 2 HS層 21、22、23、24 ヒートシール面 3 帯電防止層 31 ヒートシール部に含まれる帯電防止層 4 ヒートシール部 4E ヒートシール端部 5、51 積層材 6 縦方向の非印刷部の巾 7 横方向の非印刷部の巾 8 ピロータイプ袋の折込み部 82、83 断裁部 9 合掌型ヒートシール部 10 包装容器 11 中間層 20 包装体 21 ピロータイプ袋

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも表基材と帯電防止層と内面の
    ヒートシラント層とからなる積層材において、上記表基
    材と内面ヒートシラント層との間に設ける帯電防止層
    が、4級アンモニウム塩基をもつアクリル酸エステル、
    アクリル酸エステル、メタアクリ酸エステルからなる共
    重合体、ポリエチレンイミン、及びグリシジル化合物か
    らなる界面活性の帯電防止層によりパターン状に設けら
    れていることを特徴とする積層材。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の積層材の内面のヒート
    シーラント層を相対し、その断裁端部をヒートシールし
    て作成する包装容器の帯電防止層が、非ヒートシール部
    の全域から連続してヒートシール面の1〜95%に至る
    部分にパターン状に設けられていることを特徴とする積
    層材。
  3. 【請求項3】請求項1乃至2に記載の積層材の内面のヒ
    ートシーラント層を相対し、その断裁端部をヒートシー
    ルして作成する包装容器の帯電防止層が、非ヒートシー
    ル部の全域から連続してヒートシール面の1〜95%に
    至る部分にパターン状に設けられていることを特徴とす
    る包装容器。
JP23786497A 1997-08-20 1997-08-20 帯電防止積層材及びそれを用いた包装容器 Withdrawn JPH1158628A (ja)

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