JPH1158075A - パイプインナークランプ装置 - Google Patents

パイプインナークランプ装置

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JPH1158075A
JPH1158075A JP22296897A JP22296897A JPH1158075A JP H1158075 A JPH1158075 A JP H1158075A JP 22296897 A JP22296897 A JP 22296897A JP 22296897 A JP22296897 A JP 22296897A JP H1158075 A JPH1158075 A JP H1158075A
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JP
Japan
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pipe
clamp
cotter
clamp device
pad
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Application number
JP22296897A
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English (en)
Inventor
Yuuichi Banrai
雄一 萬來
Ikuo Mibu
生男 壬生
Koji Ito
浩司 伊藤
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Hitachi Engineering and Services Co Ltd
Tokyo Gas Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Engineering and Services Co Ltd
Tokyo Gas Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 裏当金に欠落部分がなく、動きが滑らかで、
状況に合わせて微妙なコントロールを行うことのできる
パイプインナークランプ装置を提供する。 【解決手段】 パイプインナークランプ装置1は、二本
のパイプ3、7を内側から固定する装置である。同装置
1は、主フレーム11と、その後部を既設パイプ3の内
面に固定する後部クランプ20を有する。また、主フレ
ーム11に対して揺動可能に連結された揺動部材43
と、パイプの突き合せ端部内面に押し付け可能な複数の
主クランプパッド51を有する。さらに、主クランプパ
ッドの分割部を埋めるコッター131と、端面合わせ用
のスペーサ151を有する。各手段を駆動するアクチュ
エータが全て電動である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パイプライン工事
等におけるパイプの継ぎ溶接の際に、溶接する二本のパ
イプの端部を突き合わせてパイプの内側から固定するた
めのパイプインナークランプ装置に関する。特には、両
パイプの芯合せ及び管端間の間隔(ルートギャップ)設
定を、管端面全周にわたって均一適正に行いやすく、か
つそのための労力を低減することのできるパイプインナ
ークランプ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ガスや石油などを輸送するためのパイプ
ラインを引く際には、パイプ(一般的には鋼製)を次々
に溶接して接続していく。この際、パイプの接続部にお
いて、溶接する二本のパイプ端面を適正に位置合せ(芯
出し)してしっかりと固定することが、溶接作業の品質
管理上必要とされる。そのために用いられるのがパイプ
インナークランプ装置である。
【0003】インナークランプ装置の本体はパイプ内面
に挿入される。そして、何らかのクランプ機構を用い、
突き合わされた二本のパイプの管端近傍の内面に円弧状
のクランプパッドを押し当てることにより、両パイプの
軸芯を合わせるとともに両パイプを強固に固定する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の一般的なクラン
プ装置にあっては次のような問題点があった。 クランプパッド作動時に、インナークランプ装置が
パイプに対してずれることがあった。 ルートギャップ設定時にスペーサ(厚み基準板)を
人手で両パイプ端面間に3ヵ所以上差し込んでいたた
め、人手がかかっていた。 カーブ区間のパイプラインにおいては、接続する二
本のパイプの軸芯がやや傾く(〜3.0度)ことがあ
る。そのような場合に、クランプパッドの動きの自由度
がないと、クランプパッドの押し当てが不均一となる場
合もあった。 特に大径のパイプの場合、インナークランプ装置及
びパイプの重量も重くなるので、パイプ芯出し・ギャッ
プ設定及びパイプ固定の諸作業をできるだけ機械化する
必要があった。
【0005】 分割式複数クランプパッド方式の場
合、クランプパッド間の隙間に裏当金の欠落部分が生
じ、その部分で溶接欠陥が起る危険性が増していた。 従来のパイプインナークランプ装置は油圧駆動であ
ったため、作動に滑らかさが欠け、押し付け力や各機器
の作動タイミングを適宜、微妙にコントロールすること
に限界があった。特に、コンピュータNCとの相性が悪
かった。
【0006】本発明は、パイプの芯合せや管端間の間隔
(ルートギャップ)設定を、管端面全周にわたって均一
適正に行いやすく、かつそのための労力を低減すること
のできるパイプインナークランプ装置を提供することを
目的とする。また、裏当金に欠落部分がなく、動きが滑
らかで、状況に合わせて微妙なコントロールを行うこと
のできるパイプインナークランプ装置を提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明のパイプインナークランプ装置は、 端部に
おいて突き合わされる二本のパイプを、該パイプの内側
から固定するパイプインナークランプ装置であって;
該二本のパイプのうちの一方のパイプ(既設パイプ)内
にその後部が挿入可能であり、他方のパイプ(継ぎパイ
プ)内にその前部が挿入可能な主フレームと、 この主
フレーム後部を既設パイプの内面に固定する手段(後部
クランプ)と、 既設パイプ端面部において、主フレー
ムに対して揺動可能に連結された揺動部材と、 この揺
動部材の外周部に円周方向に分割されて設けられた、該
二本のパイプの突き合せ端部内面に押し付け可能な複数
の主クランプパッドと、 この複数の主クランプパッド
の分割部を埋めるコッターと、 上記二本のパイプの両
端面間に突き出すとともに、該端面間から内径側に引き
込むことの可能な、円周方向に分散して主クランプパッ
ド又はコッター部に設けられた複数のスペーサと、 上
記揺動部材を上記主フレームに寄せることにより、上記
各スペーサを既設パイプ端面に当接させる手段(端面合
せ手段)と、を具備することを特徴とする。
【0008】インナークランプ装置本体を既設パイプに
対して固定するための手段(後部クランプ)を設けたの
で、主クランプパッドを同端部内面に押し付ける際にイ
ンナークランプ装置がパイプに対してずれるようなこと
がなくなる。また、ルートギャップ設定用のスペーサを
機械化してインナークランプ装置に組み込み、さらにそ
のスペーサを一方のパイプ(一般的には既設側のパイ
プ)の端面に当接させる手段をも設けた。そのため、ギ
ャップ設定にかかる手間は大幅に低減された。さらに、
主クランプパッドの分割部を埋めるコッターを設けたの
で、裏当金の欠落部分がなくなり、溶接欠陥の発生を防
止できる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のパイプインナークランプ
装置においては、上記各手段を駆動するアクチュエータ
が全て電動であることが好ましい。電動(サーボモータ
駆動等)とすることにより、スピードや停止位置を自由
にコントロールすることもできるため、滑らかな再現性
の高い作動が得られる。また、コンピュータコントロー
ルNCと組み合わせて、クランプ押し付け力や各機器の
作動タイミングを適宜、微妙にコントロールすることが
できる。
【0010】本発明においては、さらに、パイプ長手方
向に上記パイプインナークランプ装置を走行させるため
の駆動輪を具備することが好ましい。従来のパイプイン
ナークランプ装置では、溶接終了後に装置を次の溶接箇
所まで移動させる際に、装置をチェーンブロック等に引
っ張っていたため手間がかかっていたが、この場合は、
スイッチによる指令だけでパイプインナークランプ装置
が次の溶接点に移動できるので省力化できる。
【0011】本発明においては、 上記主フレームが、
その中心部に、上記一方のパイプの軸面方向に延びる中
心軸を有し、 この中心軸には、球面軸受内輪が軸方向
摺動自在に外嵌されており、 この内輪には、球面軸受
外輪が球面摺動自在に外嵌されており、 上記揺動部材
が、該外輪に固定されて、該球面軸受中心回りに首振り
自在に取り付けられていることが好ましい。パイプライ
ンの曲りにより、既設パイプと継ぎパイプの間には軸の
傾きが生じる場合があるが、このような場合にも主クラ
ンプフランジがスムーズに揺動して、端面合せ作業をス
ムーズに行うことができる。
【0012】本発明においては、上記クランプパッドを
パイプ内面に押し付ける手段として、 クランプパッド
を径方向突き出し・引き込み自在に案内する手段と、
クランプパッドを径方向に押動するためのテーパ面を有
する、パイプ軸方向に移動可能なウェッジと、 このウ
ェッジのテーパ面と摺動するテーパ面を有し、クランプ
パッドと連結されたクランプブロックと、 ウェッジを
軸方向に駆動する電動のネジ機構と、 を具備すること
が好ましい。ネジ機構やウェッジの増力効果により、小
さいスペースで強力なクランプ力を得ることができる。
【0013】本発明においては、上記コッターに、径方
向に貫通するスリットが設けられており、上記スペーサ
が該スリット内を摺動して出入りすることが好ましい。
コッターとスペーサとを狭い空間に適切に配置すること
ができる。
【0014】本発明においては、 上記インナークラン
プ装置が、上記コッターをパイプ軸方向に駆動する手段
を有し、 上記コッターの外表面に裏波溝が形成されて
いるとともに、上記スリットが該裏波溝から平行にずれ
た位置に形成されており、端面合せ時には、スリットが
両パイプ端面中心線上に位置し、 端面合せ終了後のク
ランプ時には、裏波溝が両パイプ端面中心線上に位置す
ることが好ましい。スリットを溶接線からずらして、裏
波溝が溶接線上に来てから溶接を行うことができるた
め、溶接品質を向上させることができる。
【0015】本発明においては、 上記後部クランプが
上記クランプパッドをパイプ内面に押し付ける手段とし
て、 クランプパッドを径方向突き出し・引き込み自在
に案内する手段と、 クランプパッドを径方向に押動す
るためのテーパ面を有する、パイプ軸方向に移動可能な
ウェッジと、 このウェッジのテーパ面と摺動するテー
パ面を有し、クランプパッドと連結されたクランプブロ
ックと、 ウェッジを軸方向に駆動する電動のネジ機構
と、 を具備することが好ましい。後部クランプについ
ても、ネジ機構やウェッジの増力効果により強力なクラ
ンプ力を期待できる。
【0016】本発明においては、上記インナークランプ
装置が、上記主クランプパッド及びコッターを同一の駆
動モータ及び増力機構を介してパイプ径方向に駆動する
ことが好ましい。主クランプパッド用とコッター用に別
個の径方向駆動手段を設けるよりも、機構が簡単とな
る。また、主クランプパッドとコッターとの段差も無く
すことができる。
【0017】本発明においては、 主クランプパッド駆
動ウェッジに第2のテーパ面が形成されており、 上記
コッターの内径側にはコッタブロックが連結されてお
り、このコッタブロックには上記第2のテーパ面と係合
する係合部が設けられており、 上記ウェッジのパイプ
軸方向移動に連れて、コッターがパイプ径方向に駆動さ
れることが好ましい。機器配置を合理的に行うことがで
き、確実な作動を得られる。
【0018】本発明においては、上記主クランプがクラ
ンプ力を2段階に切替え可能であり、 まず相対的に弱
い力でパイプをクランプし、次に、スペーサを引き込む
とともにコッターを複数の主クランプパッド間に挿入
し、その後に主クランプが強い力でパイプをクランプす
ることが好ましい。主クランプで強力にクランプした後
は、スペーサやコッターの動作が円滑さを欠くおそれが
ある。特に上記インナークランプ装置が、上記主クラン
プパッド及びコッターを同一の駆動モータ及び増力機構
を介してパイプ径方向に駆動する場合は、コッターが強
くパイプ内面に押し当てられた後では、コッターをパイ
プの軸方向に動かすとコッター外周面が面粗れするおそ
れもある。
【0019】本発明においては、上記インナークランプ
装置の外形が、3DRの90°エルボ管をも通過可能な
R形状を有することが好ましい。エルボ中をもパイプイ
ンナークランプ装置を移動させることができるので、エ
ルボとパイプとの溶接部のクランプを行うこともでき
る。
【0020】本発明においては、上記主クランプパッド
及びコッターがタフピッチ銅製であることが好ましい。
主クランプパッドとコッターは裏当金も兼ねることとな
るため、両者を、熱伝導率及び強度の高いタフピッチ銅
製とすることにより、水冷を行わなくとも、良好な裏波
形成及び高クランプ力を実現できる。
【0021】本発明においては、上記後部クランプのパ
ッドの外周面にプラスチック層が被覆されていることが
好ましい。後部クランプパッド表面にポリウレタン焼き
付け等を行うことにより、パッドをパイプ内面に押し当
てた際の傷発生を防止できる。
【0022】本発明においては、上記インナークランプ
装置を走行用走行させるための車輪がパイプ軸方向に2
列設けられていることが好ましい。装置移動時における
揺れ(ピッチング)を防止することができる。
【0023】本発明においては、上記車輪の外表面がプ
ラスチックからなることが好ましい。パイプ内面におけ
る傷の発生を防止することができる。
【0024】本発明においては、上記ネジ機構が、上記
主フレームの中心軸の外周を取り囲むように配置されて
いることが好ましい。狭いスペース内で大径のネジを装
備することができ、クランプ力を強くすることができ
る。
【0025】以下、図面を参照しつつ具体的に説明す
る。図1は、本発明の1実施例に係るパイプインナーク
ランプ装置の概念的な構成を示す図である。図2及び図
3は、図1のパイプインナークランプ装置の動作(A→
H)を概念的に示す模式図である。図2、図3(A)〜
(F)においては、本実施例のパイプインナークランプ
装置1と既設パイプ3とが示されている。図1及び図3
(G)、(H)においては、さらに、左側の既設パイプ
3の右側に、継ぎパイプ7が、管端面同士を突き合わさ
れている。既設パイプ3は、既にパイプラインの一端に
敷設されているパイプである。継ぎパイプ7は、既設パ
イプ3の先(右側)に、これから溶接接続されるパイプ
である。
【0026】パイプラインがカーブする部位において
は、既設パイプ3と継ぎパイプ7とは、それらの軸芯が
少し傾いて接続される。この傾きは、両パイプ3、7端
面を各パイプ軸芯に対して少しずつ傾斜させることによ
り吸収される。パイプ端面には、開先スロープ3−1、
7−1と、切り立った面であるルート面3−2、7−2
からなるV字開先が加工されている。この開先部は、イ
ンナークランプ装置でパイプを固定した後に、図3
(H)に示されているように、溶接機ヘッド5の溶接ト
ーチ5−1によって溶接される。なお、ヘッド5は既設
パイプ3外周に巻かれたガイドレール6上を円周方向に
走行する。
【0027】本実施例のインナークランプ装置1の概要
について図1を参照しつつ説明する。このパイプインナ
ークランプ装置1は、中心軸13と主フレームフランジ
15を中心として構成される主フレーム11を有する。
この主フレーム11は、後部クランプ20によって既設
パイプ3内に固定されるとともに、後部クランプ20を
開放して駆動ローラー25を駆動すれば、パイプ内を走
行可能である。中心軸13の中央部には、球面軸受40
を介して主クランプ装置50及びコッタ装置130、ス
ペーサ装置150が設けられている。また、球面軸受4
0の外輪43と中心軸13の前部フランジ47間には端
面合せアクチュエータ31が設けられている。
【0028】以下、各装置について説明する。 (1)主クランプ50:インナークランプ装置1の前端
(図の右側)から1/3くらいのところの外周に、ほぼ
全周にわたって存在する。なお、本明細書中では、図1
の右側(継ぎパイプ7側)を前、左側(既設パイプ3
側)を後ろという。この主クランプ50は、接続される
二本のパイプの突き合せ部内面に押し付けられて、両パ
イプの芯出し・固定を行うものであり、本インナークラ
ンプ装置の最も重要な動作部である。図5に詳細に示さ
れているように、本実施例の装置の主クランプパッド5
1は、円周方向に3分割されており、それらの間の隙間
を除いて全円周上に存在する。この主クランプパッド5
1は、主クランプアクチュエータ52(詳細は後述)に
よって半径方向に駆動される。この主クランプ装置50
は、球面軸受40によって、中心軸13に対して揺動及
び摺動可能に連結されている。
【0029】(2)後部クランプ20:インナークラン
プ装置1の主フレームフランジ15の外周に、全周上約
120°振り分けで3カ所設けられている(図6参
照)。この後部クランプ20は、後部クランプアクチュ
エータ21で後部クランプパッド23を半径方向に駆動
する。後部クランプパッド23を外方向に突き出してパ
イプ3の内面に押し当てると、インナークランプ装置1
の主フレーム11が既設パイプ3に対して固定される。
【0030】(3)駆動輪25:後部クランプ20の後
ろ寄り下面に、主フレームフランジ15に接続されて、
周方向に2列(図6参照)設けられている。この駆動輪
25は、電動アクチュエータ26によって駆動される。
この駆動輪25が回転するとインナークランプ装置1
は、パイプ内を図の左右に動く。インナークランプ装置
が大形化すると(本実施例は600Aパイプ用、自重3
00kg)、人手によるインナークランプ装置の左右移動
(引き出し、押し込み)が面倒になるので、電動となっ
ている。また、この駆動輪25による速度は可変(0.
5〜1.5m/min)であり、クランプ作業終了後に次の
クランプ場所(パイプ1本分12m右)に移動する場合
も、短時間に移動できる。なお、後部クランプ20の前
側下面にあるのは従動輪28である。この従動輪28は
アイドルローラである。また、主フレームフランジ15
の上部に示されているガイドローラ29は、実際は図6
に示すように両脇に付いている。
【0031】(4)コッター装置130(コッターパッ
ド131):従動輪26の前側外面に、全周上約120
°振り分けで3カ所設けられている(図5参照)。この
コッター装置130は、コッターパッド131を、円周
方向に3個に分割されている主クランプパッド51の周
方向隙間(図5参照)に差し込むものである。コッター
パッド131の外面(図8参照)が溶接時の全周裏当金
の一部となる。このコッター装置130は、次に述べる
スペーサ装置150とともに、前後及び半径方向に移動
可能であり、その役目を果すときのみ、主クランプパッ
ド51と並んだ(同じ前後方向)位置に来る。すなわ
ち、中心軸13に対して揺動・摺動可能な球面軸受外輪
43に対してアクチュエータ52′(主クランプアクチ
ュエータ52とほぼ兼用)によって半径方向に可動であ
り、コッターアクチュエータ132によって前後方向に
可動である。
【0032】(5)スペーサ装置150(スペーサ15
1):コッター装置130のコッターパッド131内
に、全周上約120°振り分けで3カ所設けられている
(図5参照)。このスペーサ装置150のスペーサ15
1は、スペーサアクチュエータ152によって駆動さ
れ、既設パイプ3端面ルート部3−2と継ぎパイプ7端
面ルート部7−2との間に差し込まれて、溶接開先のル
ートギャップ設定に供せられる。
【0033】(6)端面合せアクチュエータ31:端面
合せアクチュエータ31は、中心軸13から立設された
前部フランジ47と球面軸受外輪43との間で突っ張っ
て、スペーサ151を既設パイプ3の端面に押し付ける
ものであり、円周上3カ所に別個独立に配置されてい
る。パイプラインの湾曲部ではパイプの軸芯とパイプ端
面とが直角でない所もあるが、中心軸13の傾きに関係
なく、この端面合せアクチュエータ31の作用によって
円周上3カ所のスペーサ151を全て既設パイプ3の端
面に当てることができる。
【0034】次に、図1の実施例のパイプインナークラ
ンプ装置の動作について図2及び図3を参照しつつ説明
する。図2(A)では、クランプ装置1は前回のクラン
プ位置におけるクランプ作業を終えて、既設パイプ3内
を駆動ローラー25により走行しつつ右に移動中であ
る。すなわち、既設パイプ3の左側の既設パイプ3´と
既設パイプ3との端部間内面(溶接ビード2の内側)
を、主クランプパッド51でクランプした後、クランプ
パッド51は溶接ビード2の初層溶接の裏当金の役目を
果し、その後クランプを解除する。そして、装置1は次
のクランプ作業位置に移動している。このとき、主クラ
ンプ50や後部クランプ20、コッター装置130、ス
ペーサ装置150は全て内径側に引き込まれている。
【0035】図2(B)に進んで、インナークランプ装
置1は、既設パイプ3の右端部まで来たところである。
既設パイプ3の端面の外側近傍(約5mmの位置)に、主
クランプパッド51の中心線やスペーサ151が来るよ
うに、インナークランプ装置1の前後位置合せを行う。
このときの主クランプパッド51及びコッターパッド1
31の外周面とパイプ3内面との隙間C1 は約5mmであ
る。
【0036】図2(C)に進んで、主クランプパッド5
1が外側に少し開いて、パッド外面とパイプ内面との隙
間がC2 =1.2mm程度になる。このように隙間を詰め
るのはスペーサを突出させた時、既設パイプ3の内径よ
り外に出るようにしたいためである。次に、スペーサ1
51を外径方向に突出させる。
【0037】図2(D)に進んで、駆動輪25を駆動し
て、インナークランプ装置1を既設パイプ3の奥方向に
後退させる。これにより、インナークランプ装置1は、
円周方向3カ所あるスペーサ151のうちの少なくとも
一つが既設パイプ3のルート部3−2に接するまで動い
て停止する。なお、このときには、3個のスペーサ15
1全てがルート部3−2に接している保障はない。既設
パイプ3端面のパイプ軸芯に対する傾きやインナークラ
ンプ装置1自身の傾きがあるからである。
【0038】図3(E)に進んで、後部クランプが作動
してパッド23をパイプ3の内面に押しつけ、インナー
クランプ装置1の本体が既設パイプ3内面に固定され
る。なお、この時インナークランプ装置1の姿勢が変っ
て(傾いて)スペーサ151とパイプ端面(ルート部3
−2)との間が少し開くようなこともある。
【0039】図3(F)に進んで、端面合せアクチュエ
ータ31を用いて、スペーサ151を、既設パイプ3に
固定されている主フレームフランジ15側に寄せる。端
面合せシリンダ31は、円周方向に3カ所設けられてお
り、全てのスペーサ151が既設パイプ3端面に接する
までスペーサ151を奥側に移動させる。このとき、主
フレーム11とスペーサ151間には、揺動・摺動可能
な球面軸受40が存在するので、スペーサ151は既設
パイプ3端面に倣うように押し付けられ、3か所のスペ
ーサ151がすべて既設パイプ3端面ルート部3−2に
当接する。
【0040】図3(G)に進んで、継ぎパイプ7をセッ
トした状態である。すなわち、継ぎパイプ7の左端部内
面をクランプパッド51の外周部右側にはめ込んであ
る。そして、継ぎパイプ7端面ルート部7−2がスペー
サ151の右側面に当接している。このような作業は人
手で行う。
【0041】図3(H)に進んで、継ぎパイプ7をセッ
トし終ったら、クランプパッド51及びコッターパッド
131を外側に突き出して、既設パイプ3及び継ぎパイ
プ7の端部内面に押し付ける。この時の押し付け力は全
力(一例180トン)の1/2以下程度とする。これに
よって、両パイプ3と7が、その軸芯が合い、かつルー
トギャップが正規寸法となった状態で固定される。次
に、スペーサ151を内側に引き込む。このとき、クラ
ンプパッド51はパイプ3、7の内面に押し付けたまま
である。続いて、コッターパッド131を主クランプパ
ッド51相互の円周隙間(図8参照)に進出させる。こ
のコッターパッド131によって主クランプパッド51
の円周方向隙間が埋められ、全円周にわたって隙間のな
い裏当金が完成する。次に、主クランプパッド51(コ
ッターパッド131含む)の押し付け力をフルにまで上
げて最終クランプする。
【0042】その後、溶接ヘッド5、トーチ5−1を用
いてパイプ外面から突き合せ溶接を行い、両パイプ3、
7を接続する。初層溶接が終わって、裏当の必要がなく
なったら、クランプパッド51やコッタパッド131、
及び後部クランプ23を内側に引き込み、インナークラ
ンプ装置1をフリーにして、次の作業地点(継ぎパイプ
7の右側端部)へとインナークランプ装置1を移動させ
る。以下、同様な作業・動作を繰り返していく。
【0043】具体的なインナークランプ装置の構造につ
いて説明する。図4は、図1、図2及び図3に概念的に
示されているインナークランプ装置の内部構造例を具体
的に示す側面断面図である。図5は、図4のインナーク
ランプ装置のクランプパッド部を示す正面断面図であ
る。なお、この実施例のインナークランプ装置は、60
0Aパイプ(外径609.6mm×厚さ15.0mm)用の
ものである。
【0044】図4においても、左側の既設パイプ3と右
側の継ぎパイプ7が、図の中央部において、管端面同士
を突き合わされている。パイプ端面にはV字開先が加工
されている。この開先部は、インナークランプ装置でパ
イプを固定した後に、自動溶接機を用いて溶接される。
【0045】パイプインナークランプ装置1は、既設パ
イプ3内にその主要部が位置している。クランプ装置1
は、大きく分けて、左側の主フレームフランジ15周り
と、右側の球面軸受40や主クランプ部フランジ44周
りに分れる。中心軸13や主フレームフランジ15は、
後部クランプ20によって既設パイプ3内に固定され
る。主クランプ部フランジ44周りの部品は、中心軸1
3に対して、球面軸受40で揺動かつ摺動可能に連結さ
れている。主クランプ部フランジ44は、端面合せアク
チュエータ31によって、主フレームフランジ15方向
に(既設パイプ3の奥方向に)、スペーサ151(円周
方向3か所)の左側面が既設パイプ3端面に当接するま
で、引き付けられる。
【0046】クランプ装置1は、その中心部に、既設パ
イプ3の軸方向に延びる中心軸13を有する。この中心
軸13は中空の部材であり、その中央右側外面に、球面
軸受40がはめ込まれている。中心軸13の左端には、
板状の主フレームフランジ15が径方向に広がるように
設けられている。フランジ15からは、右方向に屈折す
る板状の構造体(リブ18、ブラケット等)が接続され
て延びている。この構造体の一つである、図3の下部に
示すフランジ15のすぐ右隣のリブ18には、駆動輪2
5駆動用のサーボモータ26−1等が取り付けられてい
る。またリブ18の右端に径方向に広がるブラケット1
9には、後部クランプ20が取り付けられている。
【0047】この後部クランプ20は、電動のアクチュ
エータ21によってクランプパッド23(外面ポリウレ
タン焼付け)を既設パイプ3の内面に押し付け、装置の
主フレームを既設パイプ3内面に固定するものである。
同後部クランプ20は、周方向に3台振り分けて配置さ
れている。後部クランプの駆動アクチュエータは、サー
ボモータ21−1、モータ軸回転を落とす減速機21−
2(ハーモニックドライブプラス1段歯車)、減速機2
1−2の出力で回転するネジ軸21−3、ネジ軸21−
3によって前後方向(パイプ軸方向)に駆動されるウェ
ッジ21−4からなる。後部クランプパッド23は、図
示せぬガイドによりブラケット19に対して半径方向摺
動可能に案内されており、ウェッジ21−4の動きに応
じて、半径方向に出入りする。クランプ力は1台当り1
トンで全体で3トンである。
【0048】図6は、図4のインナークランプ装置1の
中央部の構造を示す正面断面図である。この図は、後部
クランプ20や駆動輪25、ガイドローラ29の周方向
の配置を示す。駆動輪25は、下方に2個配置されてい
る。ガイドローラ29は、両横に2個配置されている。
駆動輪25や従動輪28の配置は、パイプラインのアー
ルがパイプ径の3倍までのカーブに対応できるように考
慮されている。
【0049】再び図3に戻って説明する。主フレームの
中心軸13には、球面軸受内輪41が軸方向摺動自在に
外嵌されており、この内輪41には、球面軸受外輪43
が球面摺動自在に外嵌されている。主クランプ部フラン
ジ44等の外輪43に接続されている部品は、該球面軸
受40中心回りに首振り自在に取り付けられている。
【0050】本実施例のインナークランプ装置は、クラ
ンプパッド51をパイプ内面に押し付ける手段として、
クランプパッド51を径方向突き出し・引き込み自在に
案内する手段(主クランプ部フランジ44)と、クラン
プパッド51を径方向に押動するためのテーパ面を有す
る、パイプ軸方向に移動可能なウェッジ117と、この
ウェッジ117のテーパ面と摺動するテーパ面を有し、
クランプパッド51と連結された主クランプブロック5
5と、ウェッジ117を軸方向に駆動するアクチュエー
タ(主クランプナット113や主クランプネジ軸111
等)を有する。
【0051】すなわち、球面軸受外輪43の右端面に
は、主クランプ部フランジ44が接続されている。主ク
ランプ部フランジ44は、外方向に広がりフランジ外縁
部49に至っている。この主クランプ部フランジ44の
左側であって、球面軸受外輪43の外側の空間に、主ク
ランプパッド51の駆動機構が配置されている。
【0052】具体的には、球面軸受外輪43の外側(図
4上部)には、摺動板121(オイルレスメタル)が貼
られている。摺動板121上は、ウェッジ117が左右
に移動する。ウェッジ117上には、摺動板119(ウ
ェッジ117に貼られている)を介して主クランプブロ
ック55が存在する。この主クランプブロック55は、
主クランプ部フランジ44に、径方向摺動自在に案内さ
れる。主クランプブロック55の底面(径方向中心側の
面)はウェッジ117と接しており、ウェッジ117の
左右動に応じて径方向外側(突き出し)、内側(引き込
み)に駆動される。
【0053】なお、主クランプブロック55は、図5及
び図7に示すように、コッタパッド131、コッタブロ
ック132、スペーサハウジング133−6を介して径
方向中心側に向けて、コッタスプリング130−1によ
って付勢されている。なお、コッタスプリング130−
1の外側端は、押えプレート130−2によって押さえ
られている。
【0054】主クランプウェッジ117の駆動メカニズ
ムについて説明する。インナークランプ装置1の後端
(図4の左端)部には、主クランプ駆動用のサーボモー
タ97が配置されている。モータ97には、その軸回転
数を数十分の1以下(一例1/33)に落とすための減
速機99(いわゆるハーモニックドライブ減速機)が接
続されている。この減速機99からは、出力軸であるピ
ニオン軸101が図の右方向に出ている。このピニオン
軸101のピニオン101は、半径方向に配置された2
段のギヤ105、107と螺合して回転が減速される。
ギヤ107の軸109の右端には、ピニオン110が形
成されており、このピニオン110は、主クランプネジ
軸111の左端外周のギヤ111aと螺合している。し
たがって、減速機99出側のピニオン軸110の回転
は、さらに約1/10に減速されて主クランプネジ軸1
11に伝えられる。
【0055】主クランプネジ軸111は、球面軸受外輪
43の左側に接続されているスリーブ115の外周に遊
嵌されている。ネジ軸111の右半部外周面にはピッチ
5mmのオネジ111bが切られている。ネジ軸111の
右半部外周には主クランプナット113が螺合してい
る。オネジ111には、主クランプナット113内面の
メネジ113bが螺合している。主クランプナット11
3の右端面には、ウェッジ117が固定接続されてい
る。したがって、主クランプネジ軸111が回転する
と、主クランプナット113が図の左右方向(パイプ軸
方向)に移動し、これに連動してウェッジ117も左右
に動く。本実施例の主クランプの力は、180トンであ
る。
【0056】主クランプの駆動機構が、中心軸13の回
りから、中心軸13の後方にかけて配置されているの
は、できるだけ大径のネジを限られたスペース中に配置
するためである。また、インナークランプ装置の後部に
重量を持たせて、ローラ25、28の左右(前後)で装
置の重量がバランスするようにするためでもある。
【0057】なお、主クランプ駆動モータ97等のイン
ナークランプ装置後部の周囲は後部カバー81で覆われ
ている。同カバー81の後面は後部エンドカバー85で
フタがされている。主クランプ駆動モータ97周辺の符
号83は、ロッド94やカバー81の固定用ブラケット
である。ロッド94は固定用ブラケット83と主フレー
ムフランジ15とを連結するものである。符号91、9
2、93はウェイトバランス用のバネ付勢機構である。
【0058】次に、主クランプパッド51の開閉(半径
方向の動き)と連動しているコッタパッド131の開閉
について説明する。図5の右上に示すように、コッタパ
ッド131の内側には、コッタブロック132が固定さ
れている。コッタブロック132は、コッタパッド13
1との接続部である外径部が幅狭で、内径部が羽根のよ
うに広がった形をしている。この羽根のように広がった
内径部には、突部132aが形成されている。この突部
132aは、ライナー120を介してウェッジ117の
鍔117aにはさまれている。
【0059】ウェッジ鍔117aは、ウェッジ117の
外面と同様の傾斜を有するテーパ面となっている。ま
た、ライナー120は厚さの同じ板である。したがっ
て、コッタブロック132の突部132aは、ウェッジ
117の軸方向移動と連動して、クランプ装置1の半径
方向に出入りする。つまり、主クランプパッド51を駆
動する機構が、コッタパッド131を半径方向に駆動す
る機構を兼ねているのである。なお、外径側のライナー
120は主クランプブロック55(正確には同ブロック
に固定されている中央ブロック55a)に対して固定さ
れており、ウェッジ117が図4の左方向に移動する
と、主クランプブロック55は、ウェッジ117に引っ
張られて内径側に引っ込む。つまり、主クランプパッド
51は、拡大時にも縮小時にもウェッジ117によって
駆動される。
【0060】次にコッター及びスペーサ周りについて説
明する。図7は、図4のパイプインナークランプ装置の
コッター及びスペーサ周りの詳細を示す側面断面図であ
る。図8は、図7のコッター及びスペーサを外面から見
た平面図である。コッタパッド131は、スペーサハウ
ジング133−6の外面に固定されている。スペーサハ
ウジング133−6内には、スペーサ151の出し入れ
機構が内蔵されている。スペーサハウジング133−6
は、コッタナット133−5に対して径方向に摺動可能
に取り付けられている。そして、コッタナット133−
5の外径部に被せられている押えプレート130−2の
内側に入っているコッタスプリング130−1によっ
て、内径方向に付勢されている。スペーサハウジング1
33−6は前述のコッタブロック132(図5)に接続
されており、主クランプ駆動ウェッジの動きに応じて径
方向内外に駆動される。
【0061】コッタナット133−5は、その内径側部
分において、コッター駆動ネジ133−4と螺合してお
り、同ネジ133−4が回転すると、図の左右方向(装
置の前後方向)に駆動される。この前後方向の動きは、
コッタパッド131及びスペーサ151のパイプ端面
(ルート部3−2、7−2)に対する位置を調整するた
めである。すなわち、パイプ端面合せ時には、スペーサ
151がパイプ端面の位置にあり、端面合せ終了後の溶
接時には、コッタパッド131外周の裏波溝131−1
(図8も参照)がパイプ端面の内側に来るようにコッタ
パッド131が移動する。なお、この移動の際には、主
クランプパッドがパイプ内面に当接してパイプ3、7を
固定しているが、コッタパッド131とパイプ内面間に
は、少し隙間がある。なお、コッター駆動ネジ133−
4は、図1に示されているように、ピニオン133−3
(同周3カ所のコッター駆動ネジに動力を配分する)、
減速機133−2を介してモータ133−1に接続され
ている。コッター駆動ネジ133−4の前端は、ベアリ
ングを介して球面軸受外輪43に支持されている。
【0062】スペーサ151は、スペーサハウジング1
33−6内に、径方向にスライド可能に収められてい
る。スペーサ151の先端部は、コッタパッド131を
貫通するスリット131−3(図8も参照)内を摺動
し、コッタパッド131の外周側に出入りする。なお、
このスペーサ151は、工具鋼にタフトライド処理を施
して、耐摩耗性を向上させている。
【0063】スペーサ151の根元部は、図5に示され
ているように中央部がえぐり込まれており、同部の一側
面には、ラック152−6が切られている。このラック
152−6には、ピニオン152−5が噛み合ってお
り、ピニオン152−5の回転に連れて、ラック152
−6(すなわちスペーサ151)が内外に駆動される。
ピニオン152−5は、減速ギア152−4、ピニオン
152−3、ハーモニックドライブ減速機152−2を
介して、サーボモータ152−1によって駆動される。
【0064】図8について説明する。コッタパッド13
1は、前述のように、主クランプパッド51の隙間を埋
める位置に配置されている。コッタパッド131の両側
面131−2はテーパのついた楔状をしており、同様の
形状の主クランプパッド51端面に押し付けられる。な
お、図8は、スペーサ151の中心線が主クランプパッ
ド51の裏波溝52の中心線(パイプ突き合わせ部中心
線)と合った位置にあり、パイプ端面合せ状態を示して
いる。パイプ端面合せ終了後は、コッタパッド131が
図の右方向に駆動されて、コッタパッド裏波溝131−
1と主クランプパッド裏波溝52とが一線上に並ぶ位置
に来て最終クランプがなされる。
【0065】図4にもどって端面合せアクチュエータに
ついて説明する。端面合せアクチュエータのモータ31
−1は、前部フランジ47の下部に固定されている。モ
ータ31−1の先(図の左側)にはハーモニックドライ
ブ減速機31−2が接続されている。同減速機31−2
の先には、出力軸としてのネジ軸31−3が突出してい
る。このネジ軸31−3は、ナット31−4と螺合して
いる。ナット31−4は、ブラケット31−5に固定さ
れている。したがって、モータ31−1の回転により、
主クランプ部ブラケット44が図の左方向に押され、結
局前述のように、端面合せスペーサ151が既設パイプ
の端面に押し付けられる。なお、符号31−6は、主ク
ランプ部ブラケット44をブラケット31−5から離す
方向(左方向)に付勢するバネであり、31−7はその
バネの中心に組み込まれているシャフトであり、31−
8はバネを収めているケーシングである。
【0066】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、パイプの芯合せや管端間の間隔(ルートギャ
ップ)設定を、管端面全周にわたって均一適正に行いや
すく、かつそのための労力を低減することのできるパイ
プインナークランプ装置を提供することができる。ま
た、裏当金に欠落部分がなく、動きが滑らかで、状況に
合わせて微妙なコントロールを行うことのできるパイプ
インナークランプ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例に係るパイプインナークラン
プ装置の概念的な構成を示す図である。
【図2】図1のパイプインナークランプ装置の動作(A
→D)を概念的に示す模式図である。
【図3】図1のパイプインナークランプ装置の動作(E
→H)を概念的に示す模式図である。
【図4】図1、図2及び図3に概念的に示されているイ
ンナークランプ装置の内部構造例を具体的に示す側面断
面図である。
【図5】図4のインナークランプ装置のクランプパッド
部を示す正面断面図である。
【図6】図4のインナークランプ装置1の中央部の構造
を示す正面断面図である。
【図7】図4のパイプインナークランプ装置のコッター
及びスペーサ周りの詳細を示す側面断面図である。
【図8】図7のコッター及びスペーサを外面から見た平
面図である。
【符号の説明】
1 インナークランプ装置 2 溶接ビード 3 既設パイプ 3−1 開先 3−2 ルート部 5 溶接機ヘッド 5−1 溶接トーチ 6 ガイドレール 7 継ぎパイプ 7−1 開先 7−2 ルート部 11 主フレーム 13 中心軸 15 主フレームフ
ランジ 18 リブ 19 ブラケット 20 後部クランプ 21 後部クランプ
アクチュエータ 21−1 後部クランプ駆動モータ 21−2 減速機 21−3 ネジ軸 21−4 後部クランプウェッジ 23 後部クランプパッド 25 駆動ローラ 26 ローラアクチュエータ 26−1 ローラ走
行駆動モータ 27 プーリーベルト 28 従動ローラー 29 ガイドローラ 31 端面合せアク
チュエータ 31−1 端面合せ駆動モータ 31−2 減速機 31−3 ネジ軸 31−4 ナット 31−5 ブラケット 31−6 バネ 31−7 シャフト 31−8 ケーシン
グ 40 球面軸受 41 球面軸受内輪 43 球面軸受外輪 44 主クランプ部
フランジ 47 前部フランジ 48 前部カバー 49 フランジ外縁部 50 主クランプ 51 主クランプパッド 52 主クランプア
クチュエータ 55 主クランプブロック 81 後部カバー 83 プレート 85 後部エンドカバー 91、92、93
バネ付勢機構 94 ロッド 97 主クランプ駆
動モータ 99 減速機 101 ピニオン軸 103 ギヤ軸 105、107 ギヤ 109 軸 111 主クランプネジ軸 111a ギヤ 111b オネジ 113 主クランプ
ナット 113b メネジ 115 スリーブ 116 スリーブフランジ 117 主クランプ
ウェッジ 119、120、121 ライナー 130 コッタ装置 130−1 コッタ
スプリング 130−2 押さえプレート 131 コッタ装置
パッド 131−1 コッタスプリング 131−2 端面 131−3 スリット 132 コッタブロ
ック 132a 突部 133−4 コッタ駆動ネジ軸 133−5 コッタ
ナット 133−6 スペーサハウジング 134 150 スペーサ装置 151 スペーサ 152 スペーサアクチュエータ

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 端部において突き合わされる二本のパイ
    プを、該パイプの内側から固定するパイプインナークラ
    ンプ装置であって;該二本のパイプのうちの一方のパイ
    プ(既設パイプ)内にその後部が挿入可能であり、他方
    のパイプ(継ぎパイプ)内にその前部が挿入可能な主フ
    レームと、 この主フレーム後部を既設パイプの内面に固定する手段
    (後部クランプ)と、 既設パイプ端面部において、主フレームに対して揺動可
    能に連結された揺動部材と、 この揺動部材の外周部に円周方向に分割されて設けられ
    た、該二本のパイプの突き合せ端部内面に押し付け可能
    な複数の主クランプパッドと、 この複数の主クランプパッドの分割部を埋めるコッター
    と、 上記二本のパイプの両端面間に突き出すとともに、該端
    面間から内径側に引き込むことの可能な、円周方向に分
    散して主クランプパッド又はコッター部に設けられた複
    数のスペーサと、 上記揺動部材を上記主フレームに寄せることにより、上
    記各スペーサを既設パイプ端面に当接させる手段(端面
    合せ手段)と、 を具備することを特徴とするパイプインナークランプ装
    置。
  2. 【請求項2】 上記各手段を駆動するアクチュエータが
    全て電動であることを特徴とする請求項1記載のパイプ
    インナークランプ装置。
  3. 【請求項3】 さらに、パイプ長手方向に上記パイプイ
    ンナークランプ装置を走行させるための駆動輪を具備す
    る請求項1記載のパイプインナークランプ装置。
  4. 【請求項4】 上記主フレームが、その中心部に、上記
    一方のパイプの軸面方向に延びる中心軸を有し、 この中心軸には、球面軸受内輪が軸方向摺動自在に外嵌
    されており、 この内輪には、球面軸受外輪が球面摺動自在に外嵌され
    ており、 上記揺動部材が、該外輪に固定されて、該球面軸受中心
    回りに首振り自在に取り付けられている請求項3記載の
    パイプインナークランプ装置。
  5. 【請求項5】 上記クランプパッドをパイプ内面に押し
    付ける手段として、 クランプパッドを径方向突き出し・引き込み自在に案内
    する手段と、 クランプパッドを径方向に押動するためのテーパ面を有
    する、パイプ軸方向に移動可能なウェッジと、 このウェッジのテーパ面と摺動するテーパ面を有し、ク
    ランプパッドと連結されたクランプブロックと、 ウェッジを軸方向に駆動する電動のネジ機構と、 を具備することを特徴とする請求項1〜4いずれか1項
    記載のパイプインナークランプ装置。
  6. 【請求項6】 上記コッターに、径方向に貫通するスリ
    ットが設けられており、上記スペーサが該スリット内を
    摺動して出入りすることを特徴とする請求項1〜5いず
    れか1項記載のパイプインナークランプ装置。
  7. 【請求項7】 上記インナークランプ装置が、上記コッ
    ターをパイプ軸方向に駆動する手段を有し、 上記コッターの外表面に裏波溝が形成されているととも
    に、上記スリットが該裏波溝から平行にずれた位置に形
    成されており、 端面合せ時には、スリットが両パイプ端面中心線上に位
    置し、 端面合せ終了後のクランプ時には、裏波溝が両パイプ端
    面中心線上に位置することを特徴とする請求項6記載の
    パイプインナークランプ装置。
  8. 【請求項8】 上記後部クランプが上記クランプパッド
    をパイプ内面に押し付ける手段として、 クランプパッドを径方向突き出し・引き込み自在に案内
    する手段と、 クランプパッドを径方向に押動するためのテーパ面を有
    する、パイプ軸方向に移動可能なウェッジと、 このウェッジのテーパ面と摺動するテーパ面を有し、ク
    ランプパッドと連結されたクランプブロックと、 ウェッジを軸方向に駆動する電動のネジ機構と、 を具備することを特徴とする請求項1〜4いずれか1項
    記載のパイプインナークランプ装置。
  9. 【請求項9】 上記インナークランプ装置が、上記主ク
    ランプパッド及びコッターを同一の駆動モータ及び増力
    機構を介してパイプ径方向に駆動することを特徴とする
    請求項1〜8いずれか1項記載のパイプインナークラン
    プ装置。
  10. 【請求項10】 上記ウェッジに第2のテーパ面が形成
    されており、 上記コッターの内径側にはコッタブロックが連結されて
    おり、 このコッタブロックには上記第2のテーパ面と係合する
    係合部が設けられており、 上記ウェッジのパイプ軸方向移動に連れて、コッターが
    パイプ径方向に駆動されることを特徴とする請求項5記
    載のパイプインナークランプ装置。
  11. 【請求項11】 上記主クランプがクランプ力を2段階
    に切替え可能であり、 まず相対的に弱い力でパイプをクランプし、 次に、スペーサを引き込むとともに、コッターを複数の
    主クランプパッド間に挿入し、 その後に主クランプが強い力でパイプをクランプするこ
    とを特徴とする請求項1〜10いずれか1項記載のパイ
    プインナークランプ装置。
  12. 【請求項12】 上記インナークランプ装置の外形が、
    3DRの90°エルボ管をも通過可能なR形状を有する
    ことを特徴とする請求項1〜11いずれか1項記載のパ
    イプインナークランプ装置。
  13. 【請求項13】 上記主クランプパッド及びコッターが
    タフピッチ銅製であることを特徴とする請求項1〜12
    いずれか1項記載のパイプインナークランプ装置。
  14. 【請求項14】 上記後部クランプのパッドの外周面に
    プラスチック層が被覆されていることを特徴とする請求
    項1〜13いずれか1項記載のパイプインナークランプ
    装置。
  15. 【請求項15】 上記インナークランプ装置を走行させ
    るための車輪がパイプ軸方向に2列設けられていること
    を特徴とする請求項2記載のパイプインナークランプ装
    置。
  16. 【請求項16】 上記車輪の外表面がプラスチックから
    なることを特徴とする請求項2又は15記載のパイプイ
    ンナークランプ装置。
  17. 【請求項17】 上記ネジ機構が、上記主フレームの中
    心軸の外周を取り囲むように配置されていることを特徴
    とする請求項5記載のパイプインナークランプ装置。
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