JPH0452314Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、シールド工法により構築されるトン
ネルの覆工用セグメントの外周に防水のためビニ
ール等の不透水膜を被覆させる場合等、高分子シ
ート同士を順次接合するための高分子シート接合
装置に関するものである。

［従来の技術］ 現在のシールド工法は、シールド掘進機前端の
カツターでトンネル切羽の掘削を行い、切羽を保
持しつつ後方のシールドジヤツキの推力によつて
シールド掘進機を前進させ、この前進に伴ないシ
ールド掘進機の後部でセグメントを組み立てて覆
工を完成し、且つ覆工と周囲の地山との間の空隙
に裏込材を注入して充填させるようにしている。

ところが、上記シールド工法においては、施工
中又は施工後、セグメントの継目又はクラツクか
らトンネル内に漏水することがしばしばあり、そ
のため、シールド工事の完成時あるいは完成後に
漏水防止工事が必要とされており、又、セグメン
トと地山との間の空隙部に地下水が溢れて来る
と、空隙の裏込材注入が地下水により稀釈される
ことがある、等の問題が生じていた。

このような問題を解消するため、セグメントと
地山との間の空隙部に、ビニール、ポリエチレン
等の不透水膜を、シールド掘進機の推進に伴い配
置してセグメント全周を被覆することが提案され
ている。この不透水膜被覆工法ではセグメント全
周を不透水膜で被覆し、更に不透水膜とセグメン
トとの間に裏込材を充填することにより、不透水
膜により地下水がセグメント外面に達することを
妨げ、セグメントのジヨイント部等の漏水等を防
止するものである。

ビニール等の不透水膜をセグメント外周に被覆
させる装置の概略を説明すると、第３図に示す如
く、シールド掘進機ａのシールドテールフレーム
ｂ内に設けられた補強用リングフレームｃの後部
に、内側面部に内歯歯車ｄを設け、且つ外側面部
所要個所に不透水膜の接合機ｅを取付けたリング
状の回転フレームｆが、リングフレームｃに対し
軸心方向所要の間隔を隔てて配設されている。尚
図示は省略するが、リングフレームｃに立設され
シールドテールフレームｂの軸心と平行に延びて
いる複数の支持台にガイドローラがそれぞれ取付
けられ、該ガイドローラにより回転フレームｆが
回転し得るように支持されている。そしてリング
フレームｃに設置したモータｇで回転駆動される
ピニオンｈを内歯歯車ｄに噛合せ、モータｇの駆
動により回転フレームｆがシールドテールフレー
ムｂの内周面に沿つて回転するようにしている。
尚、接合機ｅは、スプリング等によつてシールド
テールフレームｂ内周面へ向け、所要の押圧力で
付勢されている。

リングフレームｃの直線から回転フレームｆの
若干後方にかけて、単位長さを有する不透水膜ｉ
が、シールドテールフレームｂの内周面に沿つて
筒状に敷設される。この際、不透水膜ｉを、既に
敷設されている筒状の不透水膜ｊとラツプ部Ｘを
もたせて重ね合せておく。

接合機ｅの接合工具ｌをラツプ部Ｘに所要の押
圧力で押付け、モータｇを駆動すると、ピニオン
ｈと内歯歯車ｄとの噛合を介して回転フレームｆ
が接合機ｅをともなつて回転するので、接合工具
ｌはラツプ部Ｘに対して押圧された状態を保つて
摺動し、不透水膜ｉ，ｊのラツプ部Ｘを全周に亘
つて接合する。

ラツプ部Ｘの接合が終了した後、図示しないジ
ヤツキを伸長してシールド掘進機ａを前進させ、
再び不透水膜ｉの敷設作業と接合作業とを繰返し
て行い、既に敷設された不透水膜ｊ内でセグメン
トｋの組立作業を行う。

接合機ｅとしては、超音波式、高周波式、電熱
式等のものが使用される。

［考案が解決しようとする問題点］ ここでラツプＸの状態を考えてみると不透水膜
ｉ，ｊはそれぞれ弾性を有しており、単に重合さ
せただけでは密着することはなく、たるみ、し
わ、傾き等による浮上りがあり、この状態で接合
工具ｌを押付け移動させていつた場合、ラツプ部
の全周に亘る均一な密着性を得ることは難しい。
ところが、ラツプ部Ｘの両不透水膜ｉ，ｊの密着
性は接合の品質に大きく影響する為、接合箇所で
両不透水膜の密着を確保することが不可欠であ
る。

従来、不透水膜等高分子シートを接合する場
合、接合している箇所の近傍を円筒ローラで押付
けているものもあるが、充分な密着性は得られて
いない。

本考案は、不透水膜等の高分子シートをラツプ
させて接合する場合にラツプ部の密着性が原因で
接合不良部分が生じないようにしようとするもの
である。

［問題点を解決するための手段］ 本考案は、接合高分子シートと被接合高分子シ
ートとを重合させ、両高分子シートのラツプ部に
接合工具を押圧させ且押圧させた状態で移動させ
て両高分子シートを接合させる接合装置に於い
て、前記ラツプ部を受けるアンビルのシート当接
面をその断面形状が中高となる様に形成し、該中
高部に接合工具が押圧される様にすると共にアン
ビルの両縁部にローラを押圧する様構成したこと
を特徴とするものである。

［作用］ 中高の断面にしたリング状のアンビルに不透水
膜を押圧して倣わせることにより不透水膜は緊張
状態でアンビル表面に密着し、しわや浮き上りが
ない状態で接合機により接合される。

［実施例］ 以下、図面に基づいて本考案の実施例を説明す
る。

第１図において１はシールド掘進機のシールド
テールフレーム、２はシールドテールフレーム１
内に配設され、シールドテールフレーム１の内周
面に沿つて回転し得る回転フレームである。

シールドテールフレーム１の内周面には、リン
グ状のアンビル３が取付けられていて、軸心方向
の断面形状は、内周面４の中央５が円弧状に突出
する中高になつている。

回転フレーム２には、従来と同様に超音波式、
高周波式、電熱式等の接合機６が支持されてい
て、回転フレーム２と共に回転するようにされて
いる。接合機６を挾んだ位置に２組接合方向に対
して直角な回転軸心を有する押えローラ７，７が
回転自在に配設されていて、接合機６と共に回転
フレーム２に支持されている。押えローラ７，７
は、互に向き合つている接合機６側の直径が小さ
く、反対側の直径が大きく且前記アンビルの内周
面４に合致する円弧状の母線を有する切頭円錐形
の形状に作られている。これらの接合機６及び押
えローラ７，７は、図示しないスプリング等によ
つてアンビル３の内周面４へ向け、所要の押圧力
で付勢されていて、接合機６は内周面４の中央５
に当接し、押えローラ７，７はアンビル３の両端
縁部８，８に当接するようになつている。

不透水膜を敷設して接合する場合には、接合機
６及び押えローラ７，７をアンビル３より離反さ
せてクランプし、既に敷設されている不透水膜９
とラツプ部Ｘをもたせて次の不透水膜１０を敷設
する。そして接合機６及び押えローラ７，７のク
ランプを解除してこれらをアンビル３の方に押圧
すると、第１図に２点鎖線で示す位置にあつた不
透水膜９，１０は、押えローラ７，７に押されて
実線で示すようにアンビル３の内周面４に押付け
られる。アンビル３の内周面４は中央５が内方に
突出した中高の断面になつているので、押えロー
ラ７，７で不透水膜９，１０をアンビル３に倣わ
せることにより不透水膜９，１０に引張り作用が
生じて緊張状態となり、不透水膜１０はアンビル
３に、又不透水膜９は不透水膜１０にそれぞれ密
接し、しわや浮き上りが除去される。従つて、接
合機６による接合はアンビル３、不透水膜９，１
０が互に密接した状態でなされる。接合機６及び
押えローラ７，７は回転フレーム２と共にシール
ドテールフレーム１の内周に沿つて回転するの
で、押えローラ７，７は接合位置の移動と共に順
次不透水膜９，１０をアンビル３の内周面４に押
付け、緊張状態になつた不透水膜９，１０を接合
機６が連続的に接合する。

第２図は本考案の他の実施例の断面図であつ
て、アンビル３内周面４の軸心方向の端縁部８，
８は傾斜面になつており、中央５の近傍は内方に
突出した平面となつていて、リング状アンビル３
の断面は、台形に形成されている。押えローラ
７，７は端縁部８，８の傾斜面に不透水膜９，１
０を密接させ得る円錐台形状である。

尚、上記実施例はシールド掘進機に適用した例
であるが、本考案は該実施例以外にも高分子シー
トを重合させ接合させる接合法には全て実施可能
であることは勿論である。

［考案の効果］ 本考案は高分子シートにしわや浮き上りが生じ
ていない密接状態で接合を行うので、接合不良を
防止し得、接合の信頼性を大幅に向上させ得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の要部断面図、第２
図は本考案の他の実施例の要部断面図、第３図は
不透水膜接合装置を備えたシールド掘進機の縦断
側面図である。 ３はアンビル、４は内周面、５は中央、６は接
合機、７は押えローラ、８は端縁部、９，１０は
不透水膜を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 接合高分子シートと被接合高分子シートとを重
   合させ、両高分子シートのラツプ部に接合工具を
   押圧させ且押圧させた状態で移動させて両高分子
   シートを接合させる接合装置に於いて、前記ラツ
   プ部を受けるアンビルのシート当接面をその断面
   形状が中高となる様に形成し、該中高部に接合工
   具が押圧される様にすると共にアンビルの両縁部
   にローラを押圧する様構成したことを特徴とする
   高分子シートの接合装置。